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ドラゴンボールZ 超武闘伝2 - (2015/03/25 (水) 11:06:53) の編集履歴(バックアップ)
ドラゴンボールZ 超武闘伝2
【どらごんぼーるぜっと すーぱーぶとうでんつー】
ジャンル
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対戦格闘
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対応機種
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スーパーファミコン
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発売元
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バンダイ
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開発元
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トーセ
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発売日
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1993年12月17日
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定価
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9,800円(税別)
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分類
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良作
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ドラゴンボールゲームリンク
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概要
人気アニメ『ドラゴンボールZ』の対戦格闘ゲーム。基本システムは前作『ドラゴンボールZ 超武闘伝』を引き継いでいる。
登場キャラはセル編の悟飯・べジータ・ピッコロ・トランクス・セル・セルジュニアに劇場版キャラのボージャックとザンギャが参戦。
今作は悟飯が中心となってストーリーが展開する関係か、悟空はなんとブロリーと共に隠しキャラ扱いになっている。
操作キャラは、サイヤ人はスーパーサイヤ人、ボージャックは肌の色が緑、ブロリーは伝説のスーパーサイヤ人、セルは完全体と、前作のように変身前は登場しない。
特徴
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作りが非常に丁寧かつ綺麗、それでいて破天荒な原作の雰囲気をしっかりと保っている。システム・演出・グラフィック・BGMのどれをとっても、当時のDBゲーの中では一歩抜きん出ている。
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ただし、BGMに関しては盗作問題が持ち上がっているために、手放しで喜べない一面もあったりする。(詳細は後述)
システム
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ストーリーモードではセル編の山場といえるセルゲームの再現と、オリジナルのボージャック編。
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プレイヤーキャラは悟飯、ベジータ、トランクス、ピッコロから選べる。難易度は「やさしい」・「ふつう」・「きびしい」・「スーパー」の4種類が選択可能。
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テキストアドベンチャー形式でストーリーが進み、選択肢によって戦う相手やステージ、体力等が変化する。
---バトルの勝敗も展開も変わってくるというマルチシナリオ形式であり、バトルに負けてもゲームオーバーにはならず、負けたものとしてそのままストーリーが展開していく。中にはバトルに敗北する事でしか発生しないイベントもある。
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どんなに下手でも一定のエンディングに辿り着く事は可能。ただし、真のエンディングを迎えるには高難易度で勝利し続ける必要がある。
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ストーリーモード以外では対戦モードの他、最大8人まで参加可能なトーナメントである天下一武闘会モードが用意されている。
必殺技・演出
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前作と比べコマンドの入力受付が甘くなり、必殺技が格段に出しやすくなった。
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デモ必殺技の距離制限の廃止。分割ラインが出ていない状態でも放てるようになった。ただしその場合、「発射までの時間が非常に長い飛び道具」という扱いになる。
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前作同様、分割ラインが出ている時にデモ必殺技を撃つと画面が切り替わりド派手な演出が入る。その表現方法も格好良さも、当時の基準としては最高クラスである。
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分割ラインがある時のデモ必殺技の防御手段が見直され、全キャラ共通で「ガード」「はじき」「かき消し」「打ち返し」の4種類に整理された。「打ち返し」を行うと光弾と光弾がぶつかりあい双方がボタン連打…というアツイ戦いが可能。この連打勝負で負けた方は相手の必殺技を喰らうのだが、その際もガード可能。
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前作では「跳ね返し」「吸収」といった撃たれた側が非常に有利な防御手段があったが、今作の4つの防御手段はどれもデメリットがある。これにより分割ラインのデモ必殺技の有用性が高まった。
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Y+Bでパワーゲージを高速で溜めることができるようになった。
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前作では空中でないとパワーを溜められなかった。オーラのエフェクトも追加され、よりDBらしくなった。
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前作の必殺技がボタン一つで出せるオート・セミオートモードがスタート+セレクトでいつでも変更できるようになった。さらに技表も用意されており、実際にコマンド入力で練習もできる親切設計。
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前作では悟空専用技だったメテオ技と呼ばれる強力な隠し必殺技を、セルジュニアを除く各キャラクターに搭載。コマンドが難しく、当てづらいが威力が高く演出も派手で、ファンを魅了した。
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前作ではメテオ技はパワー消費無しでガード不能かつデモ技以上のダメージという反則技だったが、今作ではガードが可能になった。
しかし、パワー消費無しでデモ技以上のダメージを与える点は変わっていないので、いかに相手の虚をついて(あるいはフラフラにしてから)メテオ技を撃ち込むか、という駆け引きが生まれた。
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技を食らった方は大岩や地面に激突し、ダメージを受けるが、タイミングよくコマンドを入力する事で持ちこたえてダメージを減らす事が出来る。やられる方も指をくわえてみているだけではない。
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ザンギャ以外は空中でメテオ技が使えないので、この性質を利用する駆け引きも重要になる。
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パワーが足りない状態でも全ての技が使用できるようになった。
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パワーがマイナスになった状態では自然回復により、0に戻るまでフラフラの状態になる。
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フラフラの状態ではデモ技・メテオ技を含む全ての攻撃に対して一切無力であり、非常に危険な状態である。ただし、無防備になるリスクを承知でダメ押しのデモ技を撃つといった戦法も可能としている。
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フラフラの状態でも十字キーをレバガチャする事で復帰を早める事が出来る。
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「太陽拳」や「怪光波」といった、ダメージこそないが、相手に隙を発生させる技が追加された。
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「怪光波」は受けると確実にフラフラになるので、そこからメテオ技…というのが常套手段だった。
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投げられた時の受け身or反撃、吹っ飛ばされた時の着地など、ドラゴンボール的な演出を兼ねたシステムがいくつか追加されている。
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本作で追加、及び、仕様変更された部分は、よりゲーム性を高め、随所に駆け引きを発生させるものばかりであり、格闘ゲームとしての完成度は非常に高まった。
グラフィック
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キャラクターのドットの作り込みは素晴らしい出来で、近年の作品と比べても見劣りしないレベルである。
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強いて言えば、ボージャックだけは若干甘い、というくらい。
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それまでのDBゲーといえば、確かにキャラの判別はできるものの、色・顔・ポーズが変、デフォルメききすぎ、デッサンが狂っている、という何かしらの違和感は付き物であったが、このゲームに至ってはそういった問題が全く無い。
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キャラゲーだからと半ば諦め混じりだったユーザーにとっては、綺麗な絵、それ自体がすでにひとつの衝撃であったといえる。
BGM
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前作同様、BGMは各キャラそれぞれに用意されており、良曲揃い。
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特にトランクスのテーマは人気が高く、隠しキャラとして登場した次回作『3』でもアレンジして使用された。
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また悟飯やピッコロのテーマも、後にPSで発売された『Ultimate Battle 22』でアレンジされていることから、スタッフ達の本作に対する思い入れが感じられる。
その他
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上記の通り、隠しキャラにブロリーが登場したのはファンを驚かせた。
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また主人公である悟空をあえて隠しキャラ扱いにしたのも当時としては斬新であった。
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両者とも隠しキャラであるので、通常キャラよりも性能が高く設定されており、対戦すると非常に強い。キャラクターのイメージとしても妥当。ただしブロリーについては、隠しキャラにしてもやり過ぎの域に達しているが…(後述)
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裏技がとても多い。隠しキャラの出現コマンドのみならず、勝利時のセリフ選択やターボモード、キャラがものすごく小さくなるなどお遊び要素が多い。
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細かい設定も数多い。本作では選んだステージによってキャラの攻撃力・気絶耐久力・スピードに補正がかかったりする。もちろん、キャラによって得意・不得意が大きく違っている。
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対戦モードで戦闘前の掛け合い台詞が豊富。全キャラの組み合わせで用意されており、先に話すか後に話すかで会話の内容が変化するので、全て確認して見るのも面白い。
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キャラのセリフテキストは結構凝っている。
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戦闘前のセリフは、キャラの組み合わせごとに2種類ずつ用意されている。原作では出会わなかった組み合わせにもちゃんと用意されており、世界観に深みを増している。
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勝利時のセリフは組み合わせに関係なく3種類+隠し4種類。シリアスなものから完全ギャグまで色々ある。
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ボージャックのギャグゼリフは映画を見た人には爆笑必至のモノであり、一部で話題を呼んだ。
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ストーリーモードもそれなりに作りこまれている。
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分岐展開やプレイアブルキャラごとによる展開や台詞などの違いもかなりの数が用意されており、見応えがある。
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敗北する必要があるが、原作の名シーン再現は多くのファンを驚かせた。勝利するばかりではなく、敗北を織り込む事でも楽しみがある。
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セルゲーム編以降のオリジナルストーリーは「銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴」のストーリーを下敷きにブロリーをコラボさせ、さらにはドラゴンボールの争奪をアレンジとして加えている。ストーリーの時系列的に矛盾もなく、完成度が高い。
問題点
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キャラクターの削減。
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参戦キャラクターが8人(隠しキャラを入れても10人)と、DBゲーにしては少ない。
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セルゲームから始まる関係はあるものの16号・18号・20号(Dr.ゲロ)・フリーザがリストラされてしまったのが少々残念。Dr.ゲロはストーリーモードの冒頭で一度名前が出るのみ。
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セルジュニアが他のメンツと見比べても浮いており、力の入れようも少ない。スピードや手数、小さな身体で翻弄するという戦法もあるにはあるが、それでも他キャラと同等の戦力になるかと言われると微妙。原作ではピッコロに対しては優位に立ち、超サイヤ人のベジータやトランクスとも互角に戦う戦闘力を持っていたのだが。
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前作に続きミスター・サタンも登場している。そこそこ派手に動くものの、相変わらずストーリーモードのイベント専用で、操作することはできない。
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ボイスの削減。
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前作に比べ声の収録数が少なくなった。
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セルの「ぶるわぁぁぁ」、ピッコロの「ゴハーーーン!!」、べジータの「なめるなよ~っ!!」といったネタボイスは軒並み無くなってしまった。
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ただし音質や演技の真剣度は上がっており、お祭りゲーだった前作と違い、ゲーム全体からシリアスな印象を感じ取れる。
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余談だが、ダメージボイスとKOボイスが分けられるようになった。(前作では同一だった為、ふっ飛ばされる度に絶叫していた。)
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バランスを崩しかねない技やハメ戦法がいくつか存在している。
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空中だとしゃがみガードできないのに、一部の下段判定の必殺技を出すことが可能で、ガード不能になる。
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トランクスの必殺技「超スライディング」が特によく槍玉に挙がる。発生が速く持続が長いため、非常に容易に相手ダウン後の復帰に重ねることができる。
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追跡エネルギー弾を近距離から相手の起き上がりに重ねることによるガード不能連携のループ。
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ボージャックのエネルギーショット連発は簡単かつ強力。
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セルのアストラルショックは、技の出始めから終わりまでが完全無敵。つなぎのタイミングが完璧ならデモ必殺技を発動されない限り理論上はずうっと無敵。しかもパワーの消費等のデメリットは一切無し。悟飯にも「衝撃波」という同じ技があるが、こちらはパワーを消費する。
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ブロリーが隠しキャラとはいえ超性能すぎる。
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高い攻撃力と防御力、予備動作が短い光弾、反撃不可能な投げ(しかもハメ可能)、受身不可のメテオとやりたい放題。
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ストーリーモードの隠しラスボスと言う立場や、劇場版で見せた異様なまでの戦闘力を考えれば当然なのかもしれないが。隠しボスとして対峙した際は、その凶悪さを身に染みて味わうこととなるだろう。
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後続作でも21世紀に入った現代まで、ブロリーはかなりのバランスブレイカーな性能を持った凶悪キャラであることがほとんどである。『ドラゴンボールヒーローズ』ではとうとう超サイヤ人4への変身をやってのけた。
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一部システムが不親切
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対戦モードではCPUキャラは毎回ランダムで選ばれるため、好きな相手キャラで戦いたい場合は何度も選びなおす必要がある。
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観戦モードが用意されているが、2P側は2コンでないと選べない。
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ラッシュ系必殺技が死にがち
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ゲームの仕様上ラッシュ系必殺技は絶対に全段ヒットしない。そのため出せばフレーム不利、または反確になってしまう技が多数存在する。
例えばブロリーのマシンガンシューター。これは五回連続で蹴りを放つ技なのだが、初撃がヒットしても3回目からは確実にガードされてしまい、上手い相手なら最後にメテオで反確になってしまう。
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仕様の詳しい説明。長いので収納。
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このゲームはいわゆる「キャンセル」が存在せず、一部の攻撃に硬直の長い「のけぞり」判定を与えることによって連続ヒットを可能にしている。
ただしのけぞり中に攻撃を受けても硬直時間が上書きされない(のけぞり→のけぞりの無限ループを回避するためと思われる)ので実際は2~3ヒットまでが限界。
問題なのはこの硬直上書き不可が何故か「ガード硬直」にも適用されるという点。よって攻撃判定が複数回ある技は大抵どこかのタイミングでガード硬直が解除される「穴」が発生する。
以上のことから、ラッシュ技を食らう→途中からガード可能→技の展開中ないしは終了直後に反撃可能、ということが成り立ってしまう。
余談だがこれらの仕様を応用し、ガード状態からわざと最後の二段だけ攻撃を受け、反確状態を作り出す荒業も存在する。
なお、裏ワザの超ターボ状態なら一部のラッシュ技はクリーンヒット、或は数回はヒットするようになるので、使い道が増える。
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総評
当時粗が多いゲームばかりだったドラゴンボールのゲームでは数少ない名作である。
ストーリーモードは出来が良く、また対戦モードは友達みんなでワイワイと遊ぶのにも最適。
単純にかめはめ波を連射するだけでも楽しく、極めれば原作さながらの激しいバトルや緻密な駆け引きも可能であったりと幅が広いく、キャラゲーとしても格闘ゲームとしても良質。
このゲームで確立されたシステムは続編にも影響を与えており、90年代中期の関連シリーズの基礎を築いたといえる。
余談
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デモ画面中に隠しコマンドを入力するとブロリーの「カカロットォ・・・」というセリフが入る(隠しキャラ出現の合図)のだが、複数回入力するとその分セリフが入る。これを利用して何度もコマンドを入力し「カカロッカカロッカカロ(ry」と連続で言わせる遊びが自然に発生した。動画サイトで探すと実際にやっている動画を見つけることができる。
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何度もコマンドを入力すると、「ミスター・サタンが使用可能になる」という都市伝説も生まれた。
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追跡エネルギー弾(気円斬)のみ、は弾速が遅く、撃った後に自ら追いついてダメージを受けることが可能。これで試合が決まると相手の決め技に「じばく(自爆)」という表示がされる。
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対戦ゲーにしては珍しい「降参コマンド」がある。
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対戦中に特殊な入力をすると一瞬で体力がゼロになり、敗北する。さらに専用の勝ちセリフも用意されている。
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ストーリーモード序盤の悟空vsセル戦(プレイヤー操作不能)で、時間経過で悟空が降参するケースがあるが、これを元にノリで全キャラに採用したのだろうか。
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なおこの裏技だけ、何故か本作唯一の攻略本であるVジャンプゲームブックスには載っていなかった。この専用勝ちセリフをネタにしているコマがあるのに。
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セルの技のひとつに、前方向に溜めるコマンドの技がある。
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格闘ゲームは山ほどあるが、前方向に溜めるコマンドはかなり珍しい。
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その出来の良さから、2013年11月7日に発売された『バンダイナムコゲームスPRESENTS Jレジェンド列伝?』にてDBゲーで唯一のSFCソフトとして本作が収録された。
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BGMの盗作問題
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このゲームの作曲者は、数多くのドラゴンボールの主題歌を作曲し、ドラゴンボール改の盗作問題でも有名な山本健司氏である。このゲームにおいても、OPシーンの曲が完全にThe Beatlesの『Eleanor Rigby』であるなど盗作が目立つ。
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2015年に3DSで発売予定の『ドラゴンボールZ 超究極武闘伝』に本作のダウンロードコードが付属されるのだが、盗作の影響でBGMが差し替えられることがアナウンスされている。