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SDガンダム ガシャポンウォーズ - (2020/01/10 (金) 09:48:42) の編集履歴(バックアップ)


SDガンダム ガシャポンウォーズ

【えすでぃーがんだむ がしゃぽんうぉーず】

ジャンル アクション&シミュレーションゲーム
対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
Wii
発売元 【GC】バンダイ
【Wii】バンダイナムコゲームス
開発元 【GC】ベック、任天堂
【Wii】ナウプロダクション
発売日 【GC】2005年12月1日
【Wii】2010年6月24日
定価 【GC】7,140円(税込)
【Wii】3,990円(税込)
備考 Wii版は一部追加要素有り
クラシックコントローラ対応
羽井 良作
SDガンダムシリーズリンク


概要

キャッチコピーは「1000回遊べるシミュレーション」。
同じシリーズのGジェネレーションシリーズとは違って、ファミコン世代には懐かしいアクションパートと戦略パートが分かれたシステム。
同時期の実際のガシャポン製品と連動企画があった。(下記にも記述)
本作はバンダイと任天堂が共同開発した珍しい作品でもある。

特徴

  • 任天堂の意向で徹底的に遊び易さを追求させた。
  • 従来の作品とは異なり、「カプセルボックス」という名称の所持しているユニットを組み合わせて作るマイセットがあり、
    複数人プレイ時の一部モードを除き、青・赤の2つの陣営に分かれてボックスを使って対戦するモードがメイン。
    (ボックスはカードゲームで例えればデッキにあたる)
    • カプセルボックスには容量(カードゲームで例えれば総コスト数)があり、この制限の中で高コストユニットと低コストユニットの割合を考える必要がある。
      強いユニットは当然コストが高いため数を増やしにくく、低コストユニットは数が増やせるため戦略に幅が出ている。
      (つまり、高コストユニットは強い反面、もし撃破されてしまうと大きな痛手を受ける。数で選ぶか、少数精鋭で選ぶか。)
  • 本拠地が存在し、ここを占拠されると無条件で負けとなる。これにちなんで、本拠地・特定拠点で拠点防衛戦も存在する。
  • 各ユニットにジャンケンのような三すくみ属性が付加されている。この設定があるため、絶対的な強さをもつユニットというものは無いに等しい。
  • 量産機はエース機に全く歯が立たないわけではなく、バトルに入る際のお互いのユニット配置により両陣営の参加ユニット数が変わるため、
    「低コスト3機 対 高コスト1機」のような物量で攻められる有利な状況ならば、大きな被害も無く撃破出来ることもある。
    また、三すくみの属性を考えたり、地形適応をうまく利用したりすることで充分に太刀打ちできる。
  • 今作ではユニットをガシャポンのカプセルに見たてていて、ユニットが出現する際の演出がガシャポン製品をほうふつとさせるものである。
  • BGMがユニットが登場する作品からのアレンジ版となる。コミカルなユニットが暴れまわるこの作品ながら違和感は感じない出来である。
  • 変形できるユニットの中には、変形中は地形適応が変わるものもある。

評価点

  • このゲームは従来作と異なる点も多いため、チュートリアル的なモードとヘルプ(用語集のようなもの)が収録されている(長すぎず、短かすぎず)。
  • シミュレーションゲームがメインではあるが、アクション要素が多いため、多人数でも楽しめる。
  • ゲームテンポが良い。
    • ロード待ちは全くないと言っていいくらいの短さ。起動もかなり早い。セーブ/ロードに関してもGCにしては早い。
    • 過去の作品では、機体の強さに合わせて生産するコスト・ターンが決まっていたが、今作ではそのシステムを根本から見直している。
      • 対戦開始時に本拠地、特定拠点占拠時にその場所から「カプセルボックス」の未出撃のユニットがランダムに出撃する。
    • 戦況によってユニットを1体も出撃させることができなかったターンがあった場合、次の自分のターンに本拠地からランダムに未出撃のユニットが出撃する。
      • つまり、毎ターンごとに実質的に最低1体は、ユニットがお互いに出撃するため序盤からエース機と量産機が入り乱れる戦場に。
      • カードゲームで例えると、コストの高いモンスターも低いモンスターも条件無しで出せるが、ランダムであること*1
    • 戦闘に入るまでのテンポも実に心地良い。先のようにロードがほとんどないのもそうだが、演出が実に痛快なため、数度の戦闘も苦にならない。
  • 数多くのガンダムゲームの中でも珍しく、「水陸両用モビルスーツがちゃんと水中で強い」作品でもある。
    • 「本当?」と疑われる人もいるかもしれないが、本作はとにかく地形一致が強い。今作は地形適応がかなり重視されるシステムになっており、マップの移動マス数も水上なら格段に多い。
      • その他のユニットは水中では動きが鈍ったり、ビーム射撃の攻撃力が落ちたりするため、水中の戦闘ならコスト面で明らかに格上の機体に勝つこともザラ。よって相手を得意な地形におびき出すなどの駆け引きも生まれるようになっている。
      • パワーで選べばゾックだが、俊敏でホーミングミサイルが強力なアッガイがとにかく使いやすい。次点でズゴックか。
  • 対戦ステージもギミック(仕掛け)満載で個性的なものが多く、ギミックを利用した戦術も有効である。
  • プレイヤーの腕前次第では不利な状況でも逆転できる。
    • バトルに参加する自軍ユニット数が多いほうが当然有利なので、有利ばかりでなく不利な状況で戦うことになる場合も多い。
  • 「100問バトル」という名称のバトル課題が100問収録されている。
    • 中には原作の再現やユニークなルールなものもあり、内容的には一番凝っているといえる部分である。もちろん、順次クリアしていくとご褒美もある。
  • ゲーム中、パスワードを入力するとユニットが貰えるシステムが存在する。
    • 上記の連動企画限定のユニットもあったが、現在はパスワードが全開示されている。

賛否両論点

  • ボリュームの薄さ
    • 遊び易くなった半面、徹底して簡略化されているため従来作よりも様々な面で薄い。
    • ある程度やり込むとあとは基本的に未入手のユニット回収になるため、ボリュームが薄い。
      • 良く言えば気軽に何度でも遊べるが、悪く言えば飽きやすい。
    • 貰えるユニットが対戦相手によってある程度決まっているためダブることも多く、ギャラリー*2がなかなかコンプリート出来ないなどの欠点も。

問題点

  • 常時活用することになる「カプセルボックス」に「お気に入りセット」のような、複数の組み合わせを記憶できるシステムがない。
    • 対戦マップごとに毎回調整する必要がある。(たいした手間ではないが、時折、大幅変更が必要なときもある)
  • シミュレーションがメインのゲームのため、陣営が2つしかなく、フリーのバトルモードである「アクション対戦」で出来ることに限界がある。
    • よくある「青・赤・緑などの3勢力の争うバトル」などができないということ。気にしなければ気にならないが。
    • バトルモードの設定項目自体は充実しているため、タイマンや2:2や1:3などは可能である。
  • 隠し難易度の「フリーダム」における対戦相手のカプセルボックスの最大容量がほぼ無制限で、ほぼ全てのユニットが最強クラス。
    • ちゃんと準備が整ってからでないと、全く歯が立たないと言っていい。終盤はこちらも似たようなことになるが
  • 一部の有名な機体が登場しない、カオスガンダムが地形適応の関係上、他の2機に比べ使いにくすぎるなど細かな点。
  • 発売時期もあって『SEED』シリーズの機体が優遇されすぎている割に、未参戦作品が多い。
    • 半分が『逆シャア』までの宇宙世紀の機体、半分が『SEED』の機体。と、たった2作品の『SEED』シリーズが圧倒的に多い。
      • 半分といっても宇宙世紀の機体はファンも納得のバリエーションとなっている。と言っても『0083』が抜けていたりするのだが。
    • 「『SEED』を削って他のTVシリーズの機体を増やせ」という意見も非常に多い。
      • 『逆シャア』以降の作品は勿論のこと、アナザーガンダム三部作や『∀』*3などが未参戦。お祭りゲーの雰囲気が出来上がっている本作としては勿体無い配分とよく言われる。
  • 対戦モードのマップ対戦では、キャラによって決まったカプセルボックスしか使えない。
    • Wii版では自由に編成できるようになった。ただしCOMのは変えることができない。
  • 150以上のユニットが終結!とGC版パッケージにあるが、ギャラリーに実際に登録されるのは135である。
    • ただし、変形するユニットは変形する前・後では外見・性能・地形適応が大きく変わるため、実質的には別ユニットとも言える
      • また、一部モードでだけ使うことのできる登録されないユニットが数種類あるので、それらを含めると150種類くらいにはなる。
  • 騎士ガンダムのマントの作り込みの甘さ、かなり違和感がある。
    • これは担当したスタッフが不慣れだったことに原因があるらしい。スタッフ日記でモデリングに苦心した旨が綴られている。
  • 本来ホバー仕様の筈のユニットが一部普通の歩行仕様になっている。

総評

ユニットグラフィックが丁寧に書き込まれていて、製品のガシャポンをモデルにしているため、コミカルでかわいい印象を受ける。
その反面、バトルの繊細さは絶妙で、今まで冷遇されがちだった機体にも焦点が当てられているためファンには嬉しい内容となっている。
さすがにフリーバトルのルールによっては「コスト=強さ」であるが、メインとなるモードでは、どのユニットでも活躍できる場面が存在するという
画期的なシステムは評価されるべきところである。特に1stとSEED系の機体が好きな人にはオススメの良作である。


移植

Wii版

  • SDガンダム スカッドハンマーズ』で新規にモデリングされた機体を追加したり新規モードも導入されてはいるが、あくまでオマケ扱いである。
    • しかし、時期を逸し過ぎていたからか(当時の最新作「ガンダム00(ダブルオー)」の劇場版が公開される少し前)、大して変化が見られなかったからかあまり話題にならなかった。

余談

  • 「機体をカプセルに見立てて、ゲームスピードを上げる」というアイデアは任天堂によるもの。
    • 積極的な姿勢を見たバンダイの開発スタッフに「任天堂さんのゲームにかける意気込みは尊敬する」と感嘆させた逸話を持つ。
  • なぜかゲルググの扱いが非常に良い。
    • パッケージイラストにいる、スタート画面では主役機を抑えてセンターポジション、OPムービーではなんと主人公
      • スタッフのゲルググ愛が感じられる。性能もなかなかで、ジオン軍のMSではもっともオールラウンドに使えるユニットと言っていいだろう。
+ OPムービー

  • ゲルググに限らずジオン軍のMSにはしっかりとした特徴付けがなされていて、使い込むほど味の出る仕様となっている。
    • ザクでも特殊武器のクラッカーを駆使すれば充分に相手を苦しめることができる。
  • ちなみにタイトル画面は、ゲルググがセンターを飾っていることを除いてもかなり謎のある人(MS)選になっている。
    • 左からバウンドドック、ラゴゥ、ゲルググ、シャアザク、ジ・O。ガンダムどころか主人公側が一機もない。