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クラッシュ・バンディクー レーシング - (2015/02/05 (木) 15:22:30) の編集履歴(バックアップ)


クラッシュ・バンディクー レーシング

【くらっしゅ ばんでぃくー れーしんぐ】

ジャンル レース
対応機種 プレイステーション
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 Naughty Dog (ノーティドッグ)
発売日 1999年12月16日
定価 6,090円
配信 ゲームアーカイブス:2008年6月11日/600円
判定 良作
クラッシュ・バンディクーシリーズリンク

概要

  • PSで爆発的な人気を博したアクションゲーム『クラッシュ・バンディクー』のレースゲーム。開発は他シリーズ同様に、ノーティドッグが担当。

ストーリー

カートレースが大流行していた地球に一人の宇宙人がやってきた。彼の名は「エヌ・オキサイド」。宇宙最速の称号を持つ凄腕レーサー。
さまざまな星で宇宙最速の称号を賭けてレース勝負を挑み、自分に負けた星の文明を滅ぼすという恐ろしい宇宙人である。
彼は「自分が勝ったら地球の表面をすべて舗装して、自分が分捕ってきた乗り物コレクションの駐車場にし、さらに地球の人々を全員奴隷にして一生車磨きをさせる」と宣言。早速地球の代表レーサーを選出しろと要求。
ほのぼのとしたレース大会は一変、地球の代表を選ぶ大事なレース大会と化した。


特徴

  • 本作の特徴は、ドリフトやジャンプ時にアイテムを使用せずにターボを行える事である。
    • 他のレースゲームでも似たシステムはあるが、今作はターボを制する者はレースを制すると言えるほど、ターボの影響が大きい。
    • 「ジャンプターボ」は大きなジャンプ台はもちろん、細かい凹凸程度でも上手くジャンプすればターボをかけられる。
    • 「ドリフトターボ」は3回まで連続でターボをかけることができ、「ターボ、ターバー、ターベスト」と回数が増すごとに効果も強力になる。
    • また、ターボを連続で決めると「コンボ」が繋がる。コンボ数が増えれば増えるほどターボの持続時間が増していく。
      • そのため、やりこめばやりこむほど爆発的にタイムを縮められる。コースによってはスタート直後からレース終了まで途切れることなくターボを継続する事も可能。
  • これまで敵だったキャラクターもプレイヤーが使えるようになっている。
    • もちろん、クラッシュシリーズのボスであるコルテックスも使える。
    • 尤も、その理由は正義に目覚めたのではなく「自分以外の奴に地球を征服されるのが気に入らない」ようだが…
  • キャラそれぞれに応じてカートの性能も変わる。
    • 選択時に性能の善し悪しを表すゲージが表示されるので、性能判断が楽。
    • 荒っぽそうな奴は最高速重視でそれ以外の性能が悪いなど、見た目でも大体判別できるものになっている。
    • 条件を満たせば使える隠しキャラの他、通常では出せない操作キャラも存在する。
      • 当時はコロコロコミックの懸賞でしか手に入らなかったが、現在では隠しコマンドで出せることが判明。性能は隠し中の隠しキャラらしく全てにおいて高い。
+ キャラクター一覧

初期キャラ

  • クラッシュ・バンディクー
    • おなじみ主人公。加速、旋回性能、最高速が安定しているバランス型。
  • ココ・バンディクー
    • クラッシュの妹。加速性能が高く、最高速もそれなり。だが、旋回性能に難あり。
  • ポーラ
    • 『2』に登場した白熊。旋回性能に優れ、加速もそこそこ。だが、最高速が遅いため競り合いでは負けがち。初心者向けのキャラ。
  • プーラ
    • 『3』に登場した虎。性能はポーラと同じ。
  • ネオ・コルテックス
    • 悪の科学者。性能はクラッシュと同じ。
  • エヌ・ジン
    • コルテックスの参謀で機械技師。性能はココと同じ。
  • タイニータイガー
    • 強化されたタスマニアンタイガー。最高速に優れるがそれ以外の性能が低い。特に加速性能が悪いため、運転ミスをしたり妨害されたりすると復帰は難しい。上級者向けのキャラ。
  • ディンゴダイル
    • ディンゴとクロコダイルの合体作。性能はタイニータイガーと同じ。 隠しキャラ
  • リパー・ルー
    • ハイになったカンガルー。性能はポーラと同じ。
  • パプパプ
    • 原住民の長。性能はタイニータイガーと同じ。
  • コモド・ジョー
    • コモド兄弟の兄。性能はクラッシュと同じ。
  • ピンストライプ
    • 強化されたイタチ。性能はココと同じ。
  • エヌ・トロピー
    • 天才科学者。性能はタイニータイガーと同じ。タイムアタック時のゴーストとして登場する。
  • ニセクラッシュ
    • クラッシュの偽物。性能はクラッシュと同じ。
  • グリン
    • 『2』に出てきた雑魚ペンギン。すべての性能が高い。もともとは懸賞でしか手に入らなかったキャラだが、現在は隠しコマンドで解禁できる。
  • アイテム要素
    • ステージに配置されている「?箱」を壊すと、アイテムが入手できる。これらのアイテムを有効活用することでトップとの差を縮めたり対戦相手の走行を妨害することができる。
      • アイテムも接触すると頭に被さり一定時間で爆発する爆弾箱、前方の敵を追尾するミサイルなどの他、一位に命中するおっかけボール、一定時間無敵+速度上昇のアクアク(ウカウカ)といった逆転を狙えるアイテムまで様々。
    • また、各所には「リンゴ」も配置されており、これを取ると最高速が上がっていく。
      • 10個取ると最高速となり、入手できるアイテムが強力になる。

評価点

  • ボリュームのあるストーリーモード。
    • 一位を取ることで獲得できる「優勝カップ」に加え、ダイヤ、タイムトロフィーやCBRメダル(CBRとはこの作品の頭文字をとったもの)の収集要素がある。
    • CBRメダルは工夫して取る必要があり、その際にタイムロスが生じ、そのロスを埋めるためのやりこみ要素がある。
    • また、ストーリーモードでの全体マップは非常に広大なものであるが、ロードや処理落ちによるイラつきが起こらないように工夫されている。
      • そもそもこのゲームは全体的にロード時間は比較的短めだったりするが。
  • やりこみ要素のあるステージ。
    • 高低差の激しいステージから、ドリフトやターボの技術が求められるステージなど、ステージは様々。
    • これらのステージギミックを生かしたショートカットも数多く、一つ一つのコースを徹底的にやり込める。
    • 特にタイムアタックではCPUと対戦することがあり、そのCPUもショートカットを使ってくるので、走り方の参考になると同時にやりこみ度が増す。
    • タイムトロフィー獲得を目指す際にはステージのいたるところにタイムを短縮してくれる箱が設置される。
      最高位のプラチナトロフィーの獲得のためにはそれらのほぼ全てを壊さねばならず、相当な研究と練習が求められる。
  • やり込んだ分だけ現れる、豊富な隠しキャラクター。
    • キャラクターのボイスも豊富で、レース中にはあらゆるキャラがガンガン喋りまくるので、雰囲気が単調にならない。
    • キャスティングも有名所を起用しており、手は抜いてない。

不評点

  • あまりにもターボが強力すぎるため、腕の差があると対戦が成立しなくなる。
    • 一応、順位が低いとスピードが上がる・強力なアイテムが出やすくなるなどの救済処置はあるが、その程度ではまず足りない。
  • 一部のコースのショートカットは凶悪レベルで、いざ成功するととんでもないタイムを叩きだせる。
    • 無論、これを対戦でやったらリアルファイトになる。
  • メモリーカードの空き容量がないとストーリーモードを最初から始められない。地味に痛いかも。
  • ボスキャラ・隠しキャラなどのカート性能をゲーム中で確認することができない。
  • ラスボスであるエヌ・オキサイドをプレイヤーが使用できないこと。
    • タイムアタックでエヌ・トロピーのゴーストを負かすとエヌ・オキサイドのゴーストが出現するため、このゴーストを全ステージで負かせば使用可能になるといったデマが散々流れた*1。多数用意されている隠しコマンドでも使用不可能である。
    • 改造コード等でエヌ・オキサイドを使用している動画を見ると、ストーリーモードで戦った際にはしゃべらないボイスを発している。ここまでやっているのに使用できないというのは残念な限りである。
    • ちなみに、続編『クラッシュ・バンディクー 爆走!ニトロカート』では使用可能となっている。

総評

  • レースゲームの常識を破り、一見バランスが崩壊していそうで絶妙のバランスの上に成り立っている本作は、PSを代表するレースゲームとして非常に評価が高い。
  • ちなみに、現在ではアーカイブス化されてPSNで配信されており、PSPとPS3でプレイできる。

余談

  • 今作のラスボスであるエヌ・オキサイドは堂々とフライングをする。今ではネタとして語りぐさになっている。初見の人は呆然とするだろう。
  • 恒例の隠しおまけ動画も収録されている。
  • 起動時にコマンド入力で『スパイロ×スパークス トンでもツアーズ』(ただし当時はタイトル未定のため「スパイロ2」)の体験版がプレイできるようになっている。
    • この企画が実現したのは、ノーティドッグとインソムニアック(スパイロシリーズの開発元)の仲が良かったためだという。
  • 開発陣はレースの研究をするために、「35馬力、最高速度200km/h、0-100km/h加速が4秒、6段変速」のカートに乗り、タイムアタックを行ったという逸話がある。
    • ちなみにタイムアタックの際、社長の前を他の社員が走っている時、社長が「あいつをミサイルで吹っ飛ばせたら、面白いだろうな」と言ったのが、本作のアイテムにミサイルが登場した理由とのこと。
  • よく「マリオカートのパクリ」と言われるが、実際開発スタッフは『マリオカートが大好きで、マリオカートみたいなゲームを目指した』ことが攻略本でのインタビューで答えられており、ある意味似通っていて当然だったりする。もちろんこのゲームにしかない特徴もたくさんあるが。
  • 初期シリーズを開発してきたノーティドッグ社が最後に開発したクラッシュ・バンディクーシリーズ。
    版権問題の関係で、以後のシリーズはコナミを始めとする他社の開発となった。その後シリーズは『4』以降凋落の一途をたどることになる。