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Call of Duty 4: Modern Warfare - (2015/12/05 (土) 10:15:50) の編集履歴(バックアップ)


Call of Duty 4: Modern Warfare

【こーるおぶでゅーてぃーふぉー もだんうぉーふぇあ】

ジャンル FPS


対応機種 Windows XP/Vista
プレイステーション3
Xbox360
ニンテンドーDS
Wii
Mac OS X
発売元 Activision
(日本では廉価版のみスクウェア・エニックス)
開発元 Infinity Ward
発売日
(北米/日本)
【Win】2007年11月6日/12月7日
【PS3/360】2007年11月6日/12月27日
定価 7,140円
レーティング
(北米/日本)
ESRB M(17歳以上対象)/CERO C(15歳以上対象)
分類 良作
Call of Dutyシリーズ

概要

映画的演出が特徴のファーストパーソンシューター(FPS)『Call of Duty』シリーズの一作。第二次世界大戦を舞台とした従来作とは異なり、シリースでは初めて現代戦をテーマとしている。
操作するキャラクターはステージによって変化し、それぞれの目線を通してシナリオが語られる。


プロローグ

近未来。
スターリンを崇拝するロシアの超国家主義者達がソビエト連邦再建のため、中東を拠点とする多国籍テログループ「The Four Horsemen」と手を組んだ。
ロシア国内は、その超国家主義者達と現政権派の内紛により、15000発の核の所有権が曖昧となる危険な状態に陥っていた。
中東では、テログループのリーダー「カレド・アル=アサド」により、大統領の処刑をテレビ中継するという“見せしめ”が起きるまでに反米意識が強まっていた。
事態を重く見たイギリス特殊部隊「S.A.S.」は、アメリカ海兵隊に協力を要請。イギリスとアメリカの共同作戦を展開する。
S.A.S所属のプライス大尉は、ギャズ、ニコライ、そして配属されたばかりの新兵ソープと共に、“黒幕”を見つけ出し事態を鎮圧すべく行動を開始する。


ゲームシステム

  • 左スティックでプレイヤーを移動、右スティックで視点を操作する。
    • 左スティックを押しこむことによってダッシュすることができるが、連続使用はできない。
    • またダッシュ時から攻撃に転ずる際に隙が発生するため(特にオンライン対戦での)使用は臨機応変にしなければならない。
  • R1ボタンで携行している武器の引き金を引き、R2ボタンで手榴弾を投てきする。
    • 弾切れを起こすとリロード動作を行うので隙ができる。□ボタンを押すと任意のタイミングでリロードできる。
    • 武器は2つ携行可能、△ボタンで切り換えることができる。
  • L1ボタンで武器のスコープを覗く。コンシューマ版はL1を離して再び押すだけで敵に自動で狙いをつけてくれる。
  • 主要武器にはタイトルの「モダン・ウォーフェア(現代戦)」を象徴するかのようにハイテク装備がオプションで付いている。
    • 夜間でも行動できるサーマルゴーグルやグレネードランチャー、戦車に貼り付けて爆破できるC4爆薬などを標準で携行しており、十字ボタンで好きな時に使用できる(シングルプレイの一部ステージを除く)。
  • 右スティックを押しこむことによりナイフによる近接攻撃が可能。発砲すると敵に見つかる場合があるので近接戦ではこの方法が有効である。
  • シングルプレイを一度クリアすると「アーケードモード」が遊べるようになる。
    • 内容は基本的にシングルと同じだが、敵を倒して得られるスコアを競う。残機制で一定回数死亡するとゲームオーバー。また常に時間制限がある。

評価点

  • 快適な操作性
    • なんといっても60fpsからくるいわゆる「くっきりとしたエイム」が可能で、操作性からしてとっつきにくいFPSゲームが多い昨今において操作性の悪評はほとんどない。後のシリーズ作品においても出来は別にしても例外無く60fpsによる高い操作性を維持していることは評価点であろう。ボタン配置も直感的でわかりやすく理解できるよう工夫されている。上記のハイテク装備を駆使する場面では、画面上にアナウンスが表示されるなど初心者への配慮が垣間見える。
  • 豊富に登場する現代兵器の数々。
    • 小銃や軽機関銃、狙撃銃やRPG(対戦車ロケット)など、実在する多彩な火器が扱える。
  • シンプルながら引き込まれるストーリー。
    • やや月並みではあるが演出も相まって否が応でも引き込まれる。時々操作キャラを変え様々な視点からストーリーを描く手法は見事。
    • 近未来の現代戦がモチーフとなっているが、往年のスパイ映画や戦争映画を彷彿とさせるシーンがあり、ストーリーを盛り上げる登場人物や戦場の雰囲気も良いモノがある。
    • 敵に見つからないことが最優先の潜入ステージや、AC130攻撃機の銃座で地上の敵を空爆するステージなどもあり、場面展開もバリエーション豊富。
      • 続編の『Modern Warfare 2』のストーリーがやや難解なため、本作のストーリーを一層評価する人は少なくない。
  • 『Call of Duty』シリーズの伝統芸、実際の戦場に居るような臨場感。今まさにホットな中東などが舞台であることから尚更現実感がある。
  • 過去作より向上したグラフィック。水準からいえばそこまで高くはないがキャラクターの表情まで読み取れる位までに綺麗になった。
    • スクリプトによる迫力満点の映画的演出もふんだんに盛り込まれている。
  • マルチプレイの出来のよさ。Perkという特殊技能のようなシステムがありPerk1,2,3のカテゴリーからそれぞれ1つ選ぶ仕様があり種類も豊富。そのため同じ武器でも文字通り十人十色の戦い方があり、単純な撃ち合いにとどまらない高い中毒性がある。
    続編ではPerkの一部が異常に高い性能を持ってしまっているため、マルチプレイのバランスは本作で完成してるとも言われている。
  • プレイ開始時が新兵教育所となっており、そこでゲームに必要な操作方法を学ぶことになる。そしてそのクリアタイムに応じてプレイヤーが適した難易度を示される。
    • 最も易しい「イージー」はFPS初心者でも十分ストーリーを楽しめるようにかなりの被弾にも耐えられ体力の回復も早く、またこちらの攻撃力が高く設定されている。
    • 反面「ベテラン」は、難易度説明の文章がただ一言「生き残れません。」数発の被弾が死を招く壮絶な戦場となっている。
  • プレイヤーが死亡してゲームオーバーになると戦争にまつわる「名言集」が表示される。
    • 戦争の悲惨さ愚かさを詠ったものもあれば「敵に向けて撃って下さい 米軍の武器マニュアルより」というものまである。
    • なお味方を撃つと即座にゲームオーバーとなり「味方を撃つのは許されません」と表示される。これは以後のシリーズでも受け継がれる。
  • 途中のステージでは15年前の回想という形で当時のプライス大尉を操作することになる。
    • ここで同行するマクミラン大尉はその存在感、高い技量、なにより非英語話者でも聞き惚れてしまうほどの美声によりマクミラン先生と渾名されるほどの人気を得た。
  • マルチプレイとシングルプレイの進行度が独立しており、例えば「シングルをクリアしないとマルチで選べるマップが増えない」などといったことがない。

問題点

  • 日本語版の字幕には誤訳(Stopping Power→動力を止めろ、Blow the Charge→チャージを爆破 etc...)および誤字脱字(照準安定→昇順安定、「ギャズ、匂うか?」→「ギャズ、.うか?」 etc...)が多い。
    • 撃たれて負傷するたびに出るメッセージ「You are Hurt. Get to Cover.」が「危険だ!援護にまわれ!」と訳されているが、「物陰に隠れろ!」とでも訳すべきだろう。何度も目にするメッセージだけに気になるところ。
  • 音声は日本語吹き替えではなく英語のまま。日本語字幕が表示されるが、なぜか一部字幕が表示されない箇所があり、ストーリー把握に支障が生じている。
  • 無限沸きスクリプトの多用。
    • シングルでは圧倒的多数の敵に囲まれる事を表現するために敵が無限沸きするシーンが多々ある。そのお陰で敵を倒しても続々と沸いてくるため難易度を高くしてると進むことすら困難。一部隠しアイテムは敵が沸いてくる場所にある。
  • オンライン周りの環境が悪い。
    • 特に一人のプレイヤーをゲーム処理のホストとして他のプレイヤーを繋げる形を取っているため、他国プレイヤーとの対戦となると通信ラグが非常に目立つ。こちらが攻撃しているのに当たっていなかったり、いきなり倒されるといった現象が多発する。
    • 不正に改造し極端に強くされて対戦バランスを著しく阻害するチーターもよく話題に上がる。
    • ルームや制限の概念がないため初心者同士で対戦をするのが非常に難しく、場合によってはチーム戦で片方は初心者だけ、もう一方は上級者だけで一方的な試合展開になる場合がある。
  • マルチプレイマップの中に、作り込みが甘い極悪マップがいくつかある。
    • 視界が悪くひどく狭いマップで、プレイヤーがリスポーンした瞬間撃ち殺されるなど当たり前。
    • 極端な言い方をすれば動けば死ぬので、一定場所に留まり視界に入った敵を仕留める方がマシという笑えない状況も生まれる。

総評

ゲームシステム、ゲームバランス、シナリオの全てにおいて高水準であり、完成度の高い作品と言える。
特に、これまで挿入ムービーに頼りがちだった映画的演出をほぼ全てプレイヤーの視点を通してゲームプレイ中に盛り込むというスタイルは、以降の戦争を題材としたFPSゲームに大きな影響を与えた。実際に後続のFPSでも本作を意識して作られた作品は多い。

FPSゲームはある程度慣れが必要なためとっつきにくいジャンルではあるが、本作ではチュートリアルの導入や快適な操作性によりその点も緩和している。
『HALO』と並び据置機のFPSゲームの代表格となっており、FPS初心者にもお勧めできる格好の入門作とも言えるだろう。もちろんFPSファン・マニアにも遊びごたえのある名作である。

+ プレイ動画


余談

  • 販売元のActivisionは「2007年で最も売れたゲーム」としている。
  • 本来は『Call of Duty』の名を冠さない作品としてリリースされる予定だったが、販売側のセールス戦略の為に付けられた。
    その後、好評に応じて『Call of Duty: Modern Warfare 2?』『同3』と続編がリリースされている(これら続編には「4」のナンバリングは冠されていない)。
  • サウジアラビアでは、イスラム兵士に対する暴行表現があるとして発売禁止となっている。
  • 2010年にメディアワークス文庫から発刊された小説「思い出したくもない人生最悪の96時間」が本作の登場人物や設定を盗作した事が発覚した。
  • ニンテンドーDS版は、操作方法やシングルプレイのストーリー、ステージ構成などが全く異なる。
    また全編日本語吹き替えだが、素人に演じさせたとしか思えない棒読み演技である(続編『MW2』も日本語演技が酷いと言われるが、このDS版よりはマシである)。