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Persona - (2013/11/22 (金) 01:27:32) の編集履歴(バックアップ)


Persona

【ぺるそな】

ジャンル ロールプレイングゲーム

対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 アトラス
開発元 アイ・ティー・エル
発売日 2009年4月29日
定価 5,229円
ポイント システム面の大幅な改善
BGM差し替えに賛否
女神転生シリーズリンク

概要

  • PSで発売された『女神異聞録ペルソナ』のリメイク。基本的な部分はそのままだが、BGMの一新や難易度の大幅調整、ムービーの追加などが行われた。
  • 旧作は根強いファンがいる一方、初心者お断りレベルの高い難易度やセーブポイントの少なさといった不親切な部分が目立っていたため、その部分を大幅に改善しての発売となった。

評価点

  • セーブポイントの増加
    • 旧作はかなりセーブポイントが少なかったが、今作はダンジョン内にセーブポイントが大幅に増加し中断が容易になった。
      • ただし、メインルートであるセベク編限定。下記の中断セーブの搭載で、雪の女王編ではセーブポイントは逆に削られている。
    • 新たに中断セーブ機能を搭載。いつでも切り上げることも可能になった。
  • 戦闘テンポ
    • 全体的に高速化され、「ペルソナ2 罰」の演出のスキップも可能になり大体戦闘時間は2~3割減。快適に戦闘可能になった。
  • ダッシュ追加
    • ダンジョン内でダッシュが可能となり、移動が快適。
    • また通常移動もPS版と比べスピードが速くなった。
    • ダッシュはものすごく早く、慣れないうちは壁にぶつかってしまうほど早くなった。
  • 難易度選択
    • 「ノーマル」「イージー」「エキスパート」の三段階の難易度選択が可能となった。
      • 女神転生シリーズや旧作をやった事のあるプレイヤーなら「エキスパート」でもやや低い難易度設定である。
  • 新規アイテム、魔法追加
    • エンカウント率調整魔法「エストマ」、ダンジョンからの脱出アイテム「非常口」が追加されたことで、ダンジョン探索が楽になった。
    • これにより、オリジナル版の大きな批判点であった「長い戦闘」や「ダンジョンを自力で戻らねばならない」という問題点が解消された。
      • またセベク編の一部のダンジョンには万屋ができたり、ベルベットルーム・回復の泉の増加、ダンジョン構造の簡略化など地味に改善点も多い。
    • またセベク編・雪の女王編それぞれをクリアした後は、御影遺跡・悪魔の山の深層といういわいる隠しダンジョンに挑むことが出来るようになり、強化されたボスとの戦闘などクリア後もプレイが可能となった。

賛否両論・問題点

  • 今作のディレクター目黒将司氏によるBGMの刷新
    • 今作はオリジナルの曲を純粋にアレンジしたものではなく「目黒氏作曲の新曲」「オリジナルのアレンジ曲」「オリジナルの曲の旋律を使った別の曲」の三種類になっており、新曲の数も多い。
      曲数も100曲以上あったPS版から60曲程度と大幅に少なくなった。新曲はペルソナ3・4のようなPOP調の音楽である。
      また曲の使用箇所の変更や各キャラクターのテーマ曲も削除、統合された。
    • 今作には原点である『女神転生シリーズ』の影響が色濃く残っており、ストーリーも陰鬱な描写を薄めた3以降とは違いダークで退廃的な雰囲気で方向性が異なっている。
      • そのため新規ファンからは「雰囲気に合ってない」といった批判や「新鮮」といった声があり、賛否両論となってしまった。またPS版をプレイしていたユーザーからの評判はかなり悪い。
    • 通常戦闘曲やボス戦の曲は3以降恒例のボーカルつきの曲となったが、3以降と比べボーカルの声が大きいためキャラクターの戦闘時の声やSEが聞こえづらい。
      • それなのになぜかオプションにBGMのボリューム調節機能がない。
      • ボス戦「Bloody Destiny」は、前作のボス戦「死線」の演出の評価の高さやロック調のBGMとあまりにかけ離れた曲であり、PS版経験者からは「盛り上がらない」という評価が下されている。
    • また人が死亡したシーンで明るいヒップホップやピアノ音楽が使用されるなど、シーンでの演出効果が優れていないと指摘する声もある。
      • 特に原作のキャラクターの1人である「レイジ」のテーマ曲のアレンジ版「Tension」はそのキャラクターのシーン以外でも使い回されており、そのシーンが「ヒロインが苦しみだす」といったシリアスなシーンにも当てられている。
      • 上記の原曲や「神話覚醒」などPS版は非常に優れた曲が多かっただけに、それらがPSP版でなくなってしまったこと、ペルソナ3以降から入ったユーザーがPS版の曲を体感できないことにガッカリしたファンは多い。
    • ただ曲の完成度自体は高く「単品で聞けば味のある曲」という意見も多く、音楽の完成度を批判するものは少ない。実際上記にあげられた曲も「ゲームに合っていない」とされているだけで曲自体は「良曲」と評するものも多く、原作でコンポーザーの一人であった土屋氏による「夜の女王」などのアレンジ曲も評価が良い。良くも悪くも使いどころや作品性とのちぐはぐさが問題となってしまった。
  • SEの大幅削除。
    • 随所の効果音がカットされているため、戦闘などが少し寂しい。
      • 原作はSEも非常によく作り込まれていたため、コアなファンからは批判が強い
  • レベルが上げ難い
    • 貢献度による経験値の配布などのシステムはPS版そのままとなっており、全体魔法攻撃、HP満タンでも回復魔法で経験値が多くなるなどは変わっていない。
    • レベルアップ時に得られる経験値も敵によって固定され、レベルアップする度に次のレベルアップに必要な経験値が増えて行くシステムとなっている。
    • しかしレベルも70に近づくと必要な経験値が十数万など必要になって来るが、出てくる雑魚敵の最大レベルは75までであり、得られる経験値も6000と少しだけとなっている。(レア雑魚敵にはレベル99の高経験値が手に入る悪魔も存在しているが、当然出会う確率は低い)
    • そしてペルソナの中でも、そのキャラクター専用の高レベル最強ペルソナは、降魔するためのレベルが軒並み80以上必要であり、特にレイジ専用とも言えるルシファーに至ってはカンストのレベル99必要となる。
    • 結果的に普通にプレイしているだけではレベルがそこまで行かず、専用ペルソナを降魔する事は難しい。特に主人公が扱える最高位のペルソナとも言えるヴィシュヌは、PS版のTVCMやパッケージにも登場し、所謂このゲームの顔役と言える存在感を出していただけに、(性能的に微妙な所も相まって)肩すかしを喰らう人もいた。
    • 隠しダンジョンの隠しボスなどは高い経験値を得られるため、そこでレベル上げも可能だが、そこまで行くためにはまずゲームを一度クリアする必要があり、更には他のボスを倒しながらダンジョン最奥まで進む必要があるため、お手軽と言うわけにはいかない。
  • バグが修正されていない。
    • 今作はペルソナをある程度作って溜めておくことが出来るのだが、バグが起こると最後に製作したペルソナが使用不可能になってしまう。
  • 裏技の削除
    • 階段の踊り場などではオリジナル版ではエンカウントが発生しなかったため、そこでのMPにあたるものを歩いて回復したり、月の満ち欠けを調節することが出来たが、今作ではできなくなった。
    • とはいえ今作は難易度がPS版ほど高くはないため、この裏技を使用しなくてもクリア可能。
  • 乱数調整可能化
    • PS版では合体事故により数千分の1の確率で手に入る強力な魔法を敬称したペルソナ、いわゆる「マハコウハヴェルザンディ」の作成がコアなファンの間でステータスとなっていた。
    • PSP版では乱数調整することで意図的に合体事故を起こせるため、上記は自由に作成ができてしまう。あまりにもアッサリしていると旧作のコアなファンからは幻滅されている一方、ライトユーザーにとっては強力なペルソナを簡単に作れるということもあって受けが良い。

総評

  • システム面の不満点は一掃されたものの、音楽面はPS版経験者からは総じて評価は低く、文句なしの良リメイクとは言えない。完成度の高い音楽でも、ゲーム性に合わなければ意味がないということを表していると言える。
  • ただPS版をプレイしておらず、音楽も気にならないなら十分お勧めできるゲームである。
    • 難易度が高くても雰囲気を優先するならPS版、システムの快適性を優先するなら本作と個人の好みやプレイスタイルに応じて選ぶのがいいだろう。
  • 後に続編である『ペルソナ2 罪』もPSPでリメイクされることが決定したが、今作の反省からか音楽はアレンジと原曲の切り替えが可能となった。