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タクティクスオウガ 運命の輪 - (2014/12/28 (日) 17:06:47) の編集履歴(バックアップ)
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タクティクスオウガ 運命の輪
【たくてぃくすおうが うんめいのわ】
ジャンル
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シミュレーションRPG
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対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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メディア
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UMD 1枚
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発売・開発元
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スクウェア・エニックス
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発売日
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2010年11月11日
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定価
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UMD:5,980円 DL:4,980円
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レーティング
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CERO:B(12歳以上対象)
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分類
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良作?劣化移植?
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オウガバトルサーガシリーズ?
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概要
オリジナル版スタッフが再集結してリメイクした、SRPGの名作『タクティクスオウガ』。
「再構築(リ・イマジネーション)」の名のとおり、ゲームシステムやグラフィックなどに
大幅な変更が加えられている。
※ただし、国内版ではAI処理に問題が有り、補助魔法その他問題点は放置されている。
海外版は上記修正済みのほぼ想定通りと思える仕様になっている。
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システム △ 戦闘面で大幅な変更があり、”原作に忠実な移植作”ではない。クラスLvアップボーナスやAI、必殺技、回復魔法の効果など数多くの問題点、賛否両論の調整も見受けられる。
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グラフィック ◎ 顔グラフィックの雰囲気が異なるが、原作の雰囲気を残しながら美麗に描き直されている。
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ストーリー ○ 原作者が加筆修正した内容なので、追加キャラクター、追加エピソードも原作の雰囲気を保っている。
ゲームシステムの変更点
戦闘システムの変更
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戦闘参加人数が10人から12人に増加。敵の数はさらに増えている。
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ユニットのWT値や各能力値、命中率やダメージ算出方法の見直しが図られた。
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原作では近接攻撃は必ずカウンターが発生していたが、本作ではスキルを装着しなければ発生しない。
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消耗アイテム周りの仕様変更。原作ではあらかじめ装備したアイテムしか使えなかったのに対し、本作では所持している全てのアイテムの中から使うことができる。
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「アイテムスリング」というアイテムを遠距離に投げられるようになる装備品も登場し、アイテムが高い利便性を持つようになった。また、一部の魔法にはMPではなく触媒アイテムを消費して使用するものもある。
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TP(タクティカルポイント)というステータスが新たに採用された。TPは戦闘時の行動(攻撃や被ダメージなど)で増加し、溜まったTPを消費し、武器の種類ごとにある必殺技や、クラスごとにあるアクションスキルを使用できる。連発はできないものの、威力の高さや効果の大きさからいずれも戦況に大きな影響を与えるものばかり。
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属性システムが大きく拡張。『ベイグラントストーリー』に近い雰囲気のシステムになっている。
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エレメントに「雷」と「氷」が追加され、全8属性になった。また、クラスによる属性RESは撤廃されており「弱点を突く」ことはできなくなった。
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雷と氷は取ってつけたような。という表現がしっくりくるほど眉をひそめるような存在感。地形変化を起こすこともなく、4属性のままで良かったのでは…。
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ウィザードが魔法を使うためのスキルは属性ごとに存在しているため、他の能力アップなどのスキルを着けるために使う属性は一つに絞ったほうが望ましい。また、「属性補正」というスキルを付けることで属性を持った攻撃の威力を高めることができる、といった意味合いのシステムとなっている。
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なお、この変更でフォリナー4姉妹が6姉妹になったわけではない。しかし、クラス「シャーマン」にチェンジできるのはちゃんと6人である。
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魔法の習得は消耗品である呪文書の使用になり、アイテムで使用して初めて修得する。
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魔法にはⅠ~Ⅳの段階があり、それぞれ別のアイテムになっている他、範囲の増大なども能力値依存ではなく呪文書毎になった。また、マップ単位での攻撃魔法範囲は無くなった。
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習得前は消耗品扱いなのでイクソシズムやヒーリングの呪文書さえあれば、習得は出来ないが誰でも魔法効果をMP消費なしで使用可能。
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敵味方含め、回復魔法の効果が原作の半分以下でほぼ固定値になった。プリースト系が回復魔法のスペシャリストという立ち位置は難しくなった。
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スキルでセットして、習得した魔法を選ばないと使用できない。最大3枠だった魔法欄が大きく増えたが、魔法書を買って誰でも消耗品として使い捨てできるため魔法の意義が薄い。
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補助魔法は一度習得するとAIが有効ではない場面でも延々と使い続けるため、味方ユニットの習得には注意が必要。(忘れさせることは出来ない)
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これは味方にかぎらず、敵ユニットが延々と無意味な補助魔法を使用し続けるというAIの杜撰な処理もある。詳細は後述。
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武器の持つ「斬・突・打」という打撃属性、それに対する防具の相性というシステムが追加された。
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「種族特攻」が細かくなり、一部の武器に特定の種族に対する攻撃力が設定されていたり、「人体学」などのスキルを着けることで特定の種族に対する攻撃力・防御力を高められるようになった。
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原作では戦闘でHPが0になったキャラは(戦闘中に蘇生させないと)即消滅(ロスト)してしまっていたが、本作ではHPが0になってからさらに段階を経る仕様になったため、キャラロストの危険が大幅に減少した。
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味方のHPが0になると「負傷」という状態になりマップ上に残る。負傷したユニットは3ターン以内にアイテムや魔法を使って蘇生すれば、その場で戦闘に復帰可能。3ターン経過した場合はその戦闘への復帰ができなくなり、ハートの数が減る。このハートの数(初期個数は3個)が0になった時に初めてキャラがロストされる。
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蘇生用アイテムは高価だが序盤から店売りされており、ハートを回復させるアイテム(ただし入手は困難)もある。また、ロストしたキャラのスキルは他のキャラに継承させることも可能である。
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ただし、ウォーレンレポートには数がカウントされているので、負傷者ゼロを目指すなら注意。また、負傷にはユニットの忠誠度低下などのリスクもある。そして、どういう理屈なのかは知らないが、その負傷者が属している民族のカオスフレームが上がる。
クラスとスキル・装備
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クラスの種類・内容は原作をベースにしつつほぼ別物になっている。
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汎用クラスは男女ともに同じになった他、クレリック・プリースト・エクソシストのような似たようなクラス(原作ではいずれも回復魔法を使える回復職)は一つに統一された。汎用クラスは14種類+条件を満たすと手に入るものが3種類存在する。
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固有クラスは一部のキャラしか就けないという扱いで、固有クラスを持つキャラもクラスチェンジできるようになった。クラスを変えるには「職業の証」というアイテムが必要となり、頻繁な転職が抑制されている。
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ホークマン、フェアリー、リザードマンといった亜人種も、制限付きだが人間同様のクラスチェンジができるようになった。また、その種族専用のクラスも用意されている。
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「スキル」システムが追加。ユニットを自分好みにカスタマイズできるようになった。
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スキルがクラス毎に制限されるため、原作のように好きな装備品を選べない。カスタマイズできるように見えて、FFTより制限が強く存在する。習得しても他で使用できない死にスキルが多い。
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特にフェアリー、グレムリン、カボチャヘッドのクラス扱い、固有スキル扱いが酷く、ファミリアと各クラスで共有可能なスキルが乏しい。
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戦闘で手に入ったSPを消費しスキルを覚え、スロットに装備することで効果を発揮する。覚えられるスキルはクラスごとに異なり、クラスレベルが上がるごとに覚えられるスキルも増えていく。
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スキルはクラスによって効果を発揮しないものもある。また、アクションスキルは基本的にそのクラス専用のものになっており、他のクラスで使用することはできない。
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原作では似たような近接職だったナイトとバーサーカーは、前者はダメージを大幅にカットする「ファランクス」、後者は攻撃力を大きくアップする「ブラッディアサルト」というアクションスキルをそれぞれ使えるという形で差別化されている。
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「武器学」「属性補正」「種族学」といった効果を高めるスキルは、戦闘で該当した行動を取ることで経験値が溜まりレベルが上がっていく。このため、個性を付けて使い続けることで強くなる作りになっている。
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レベルの管理が「キャラごと」から「クラスごと」に変更(同じクラスに就いているキャラ同士で共有する)。経験値は戦闘終了時に自動で活躍度に応じて配分されるため、投石などのチマチマした経験値稼ぎをする必要はなくなった。
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オリジナル版で賛否両論を起こしていたトレーニングは削除。自由にレベルを上げたければ、エンカウントバトルを発生させる必要がある。
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装備については原作の「誰でも何でも装備できる」という仕様から、クラスによって装備品に制限があるという通常のRPGに近い仕様になったが、その代わりアイテムの総数や種類は原作から大幅に増えている。
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また、「強い武器ほど重い」という原作の仕様はオミットされ、新たに装備にレベル制限(クラスのレベルが装備の持つレベル制限を越していなければ装備できない)が加わっている。
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キャラの持つエレメントは撤廃。クラスの得意武器も撤廃。
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ショップでは素材を使って合成を行うことで、装備品の強化を行うことができる。
前代未聞のUNDO機能「C.H.A.R.I.O.T.」
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本作のタイトルにもある「運命の輪」と呼ばれるシステムの一つ。その内容は「50手以内の行動なら何時でも行動をやり直すことができる」という衝撃の内容。敵に攻撃をガードされても、攻撃する位置を変えることで当てることができたり、ユニットが戦闘不能になったらその前に戻して戦闘不能を防いだりすることが可能。これでヌルゲーになってしまうのかというとそうではなく、このシステムを前提にしているためか敵も結構強くなっているため、ヌルくはならない。
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使う使わないはプレイヤーの自由。また、ウォーレンレポートには一回も使用しないで勝利した回数が記録されていくため、どこまで使わずに行けるかを競うのもよい。
さらに充実したやりこみ要素
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オリジナル版では「死者の宮殿」という、連続してマップを攻略していくものがあったが、本作ではこの手のバリエーションがさらに増加。当然ショップなどで手に入らないアイテムも入手可能。
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称号の追加。ストーリーで選ぶ選択肢や強敵を倒すなどの行動で獲得できるため、やりこんだ人への勲章となっている。
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一回クリアすると、もう一つの運命の輪「W.O.R.L.D.」が解禁される。これは「自軍のユニットの強さを保ったまま、ルート分岐が発生する場所に移動してゲームを始めることができる」という、いわゆる「つよくてニューゲーム」の延長である。1周目で助けられなかったユニットを加入させたり、ルート分岐を楽しむことが可能となるが、敵の強さはこちらの最大レベルに依存するので序盤のボスを一方的にボコることは不可能。
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これを使うことによって「ロードのデニムとカチュア生存を両立(本来は二者択一)」や特定ルート限定の仲間も含めて全員集める、といったことが可能。
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ちなみに、シナリオそのものは変わらない。例えば1周目でカチュアを仲間にして、2周目で見殺しにしてデニムをロードにした場合、カチュアは仲間にいるがシナリオ上は死亡した扱いとなるため、グッドエンディングを見ることはできない。
グラフィック・シナリオ・BGMの強化
グラフィック
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グラフィックは基本的にオリジナル版と同じドット絵。もともと非常に緻密に描かれていたため、今見ても見劣りしないし、追加されたグラフィックも浮いておらずなじんでいる。
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会話やステータス画面で表示されるキャラクターは、オリジナル版の濃い画風のドット絵からイラストに変わっている。イラストは過去に『メタルギアアシッド』を制作し、『光の4戦士』でも吉田明彦と共に仕事をした政尾翼が担当。
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ザエボスなど原作のイメージからかけ離れてしまったキャラもいるが、吉田氏が監修を行っているため不思議と違和感は無い。吉田明彦氏はキャラクター原案の他にも、タロット絵やパッケージ絵などを担当している。
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マップのグラフィックは戦闘中にクォータービューから見下ろし視点に変えたり、拡大・縮小したりするといった機能も搭載。オリジナルより見やすくなった。
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限定版にはタロットカードと表紙絵の描かれたスタンドが同梱されており、眺めるだけで満足できるオウガコレクター垂涎の逸品。
シナリオ
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オリジナル同様松野氏が担当。校正こそ行われてはいるが、基本的な流れはオリジナル版と同じ。新たなルート分岐は存在しない。倫理的にヤバいであろう「さっすが~、オズ様は話がわかるッ!」やバルマムッサの大虐殺などはきちんと残されている。
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キャラクターの掘り下げなどのテキストは大幅増。特に追加された部分で際立つのが、戦闘中にデニムや因縁のあるキャラが敵リーダーと掛け合いする場面が増えたこと。
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敵リーダーに存在した二つ名や、特徴的なテキスト(「ッ」や「ン」など)が削減されている点は賛否両論。
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ラヴィニス、クレシダ、アゼルスタンといった新キャラが登場。また、実質新キャラと言えるほどの描写変更を受けたキャラもいる。暗黒騎士団の紅一点のオズマなどがそれ。
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ウォーレンレポートの解説にも手が加えられ、一部のユニット(ヴォルテールやサラ、海賊ダッザなど)も掲載されるようになった。
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ヴォルテールやアロセールの解説文はSFC版のプレイヤーならニヤリとできるネタが仕込まれている。
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インターミッションではFFXIIの回顧録のように英語ボイスを交えた戦況説明がなされる。
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クリア後は無料のDLCによってifのシナリオを体験できる。
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原作では非業の末路を辿ったキャラを自軍に加えることのできる展開には多くのユーザーの賞賛を呼んだ。
BGM
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オリジナルを担当した崎元・岩田氏はもちろん続投、さらに複数のアレンジャー達によって豪華にアレンジされている。
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特にオリジナル版ではトレーニングのテーマで知られる「Harvest Dance」は原型を留めてないほどの大胆なアレンジが施された。また、一部『伝説のオウガバトル』で使用されたBGMも混ざっている。
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オリジナル版にあったサウンドテスト(MUSIC/ON)は、本作ではウォーレンレポート内の「ディーバの譜面」として存在。聴ける楽曲数は進行に応じて増える。ライナーノーツも健在だが、流石に反省したのか今回は真面目。
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限定版にはOSTも同梱されており、こちらも秀逸。今から手に入れるのであれば別売りの4枚構成サウンドトラックを推奨。SFC版音源(Disc4)も付いてきます。
評価点
SFC版をプレイした人でも新鮮な気持ちでプレイできる
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戦闘のバランスが再調整されたため、戦術の幅が広がった。
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追加要素のおかげで、コレクション要素も増えた。
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シナリオにも手が加えられている。
テンポの良さ
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敵AIの思考・移動時間が大幅に短縮されたため非常にサクサク進む。オリジナル版と比べるとその差は一目瞭然。
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ゲーム中のあらゆる場面でロード時間は短く、プレイテンポが良好。UMDのままでもそれなりにロード時間は短いが、メディアインストールを行うとほとんど気づかない程度にまでロードが短くなる。
賛否両論点、問題点
調整ミスと思わしき点
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レベルアップボーナスの存在。
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戦闘後にクラスがレベルアップするごとに、そのクラスで「戦闘に参加していたキャラ」のベースパラメータが上昇するというもの。必然的に序盤から使っているキャラのほうが多くレベルアップボーナスを獲得するため、序盤から登場するキャラと終盤に登場するキャラとではベースパラメータに大きな差が出る。
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レベルが最大(50)になるとそれ以降そのクラスを使っていてもレベルアップボーナスは得られないため、レベルアップボーナスの回数は有限。
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このため、レベルアップボーナスを得るためにあえて使用せずレベルを低いままにしたクラスを保持しておくというのが有効な攻略法になっている。
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クラスが多彩なだけに、それを縛るような調整は残念。レベルが最大になっていても経験値が入ればレベルアップボーナスを得られるなどの配慮が欲しかった所。
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スキルレベルが全体的に上がりにくい。
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武器学スキルはともかく、各種レジストや説得など経験値の入るタイミングがごく限定的なものでも一度に入る経験値はごくわずか。
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中盤以降の敵が無駄に補助魔法を多用するため、テンポが悪化する。
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一部の武器が隠し補正により同レベル帯の武器よりも非常にダメージが高くなるため、バランスが崩れている。
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最も顕著なのが「雷神の弓」。雷属性補正のスキルと相まって異常な攻撃力を発揮する。
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アイテム合成は成功率が低め。欲しいアイテムの合成素材を合成する必要があったり、一度に複数合成することはできなかったり、失敗しても素材は無くなってしまうため、リセットも含めて手間がかかりやすい。
これらの問題点は海外版にて修正されている(参考)が、日本版でこのような修正は現在のところ行われていない(FFTAと同様)。
システム上の欠陥
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序盤でも終盤でも、新たに仲間に入ったクラスはレベルは1で加入する。当然レベル1のままでは戦力にならないので主力級のレベルに追いつくまで育てなければならない。
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この「職業レベル制」の他、「武器レベル制」「合成と"+1"」「強化版の魔法がII~IVとつく」など『ファイナルファンタジーXI』から引用された要素がいくつか見られるが、これらによってゲームが面白くなっているとは言いがたい。
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人間以外のユニット(亜人、モンスター)をショップで雇用できなくなり、説得でしか仲間にできない。このため、オリジナルと異なり自由に名前をつけることが出来なくなった。
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弓ゲーぶりは前作から変わらず…というより前作以上。
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アイテムのドロップがランダムで、レアアイテムを落とすキャラが必ずアイテムを落とすとは限らない。そのため、お目当てのものを落とすまでC.H.A.R.I.O.T.を使って条件を変えながら敵を倒す「チャリオット回し」をせねばならない。
隠し要素周りの不便な仕様
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低レベル時限定でしかドロップしないレアアイテムが存在する。
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取得マップに戻れるようになる頃にはこちらのレベルがオーバーして、そのアイテムを二度と取得できなくなることもあるため、コレクター泣かせの仕様となっている。
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新キャラ、隠しキャラの加入条件が複雑。
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特定の場面で特定の会話を発生させたり、隠しパラメータであるカオスフレームが一定値を超えてなければならなかったりする。
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ウォーレンレポートには固有の見た目を持たないモブキャラに加え、倒した敵リーダーの詳しいプロフィールも加わっていく。
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…と見せかけて、序盤の数人と他ごく少数のリーダーしかウォーレンレポートには加わらないという肩透かしだった。
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ダウンロードコンテンツで原作では「惜しくも仲間にならなかった」人気キャラが仲間になるが、もう一人仲間にしたいという要望が高かったあるキャラを仲間にすることはできない。
総評
見た目こそ原作と同じだが、ゲーム部分はオリジナル版から全く別物と言えるほど激変している。
変更・追加点の多くはオリジナル版からの拡張によるもので、新要素の導入でバランスや戦術の多様性、
ボリュームは格段に向上し、プレイテンポも極めて良好に。
粗の多かったオリジナル版の問題点を潰したつもりが、多くの新たな問題点を発生させてしまっており、原作であるSFC版は好きでも本作は好まないユーザーが多いのは残念な点だが、
シミュレーションRPGの面白さを再認識させてくれる高い完成度の作品として仕上がっている。
総評2 (原作、PS移植、SS移植、国内限定版、海外版もプレイした場合の感想)
音楽が豪華に、見た目が現代風に美麗アレンジされた。美しいドット絵はそのままに、顔グラフィックを一新。
追加シナリオは同じ人なので安心。追加キャラクターや追加エピソードは充実している。
ボリュームは格段に向上した反面、
敵味方AIによる無意味な補助の連発
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敵AIの回復アイテムの乱用
と
アイテム合成の待ち時間
でプレイテンポが劣悪に。
高速なAIは複雑な条件判断をスルーした事によって実現されたとしか思えない精度。
粗の多かったオリジナル版の問題点を潰したつもりが、多くの新たな問題点を噴出させ、
原作であるSFC版は好きでも本作は好まないユーザーが多い
=10年以上待った原作ファンのオウガ離れを引き起こした問題作。
シミュレーションRPGの面白さを再認識したいなら、幾分修正された海外版のプレイか原作の再プレイを推奨する。
果たして発売後から今でも現役で運命の輪をプレイし続けている人間がどれだけいるだろうか?
…それがこのゲームの正しい評価である。
余談
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リメイクにあたって原作より特別に贔屓されているようなキャラが何人かいる。
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ややネタバレ注意
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一人目は弓使いのアロセール。
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他が「戦士」とか「騎士」とか「魔術師」なのにも関わらず、彼女だけ二つ名が「雷神アロセール」という伝説的存在のような名前。
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恐らく原作で「雷神の弓」を持って大暴れできた事に由来。本作でも前述の通り「雷神の弓」は非常に強力な武器となっている。
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原作ではCルートでしか仲間にならなかったが、本作では全てのルートで仲間になる。
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二人目は原作ではモブ(汎用)の敵リーダーだったガルガスタン人の騎士、ディダーロ。特にイベントもなく「無念のディダーロ」というヘンテコな二つ名が一部でネタになっていた彼だったが…
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なんと本作では各ルートごとに彼の登場する専用のイベントが追加。どのルートでも騎士の鑑と言えるような見事な生き様を見せ、多くのプレイヤーを魅了した。ちなみに3ルートで「無念」という台詞の使い方が異なる凝り様。
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とある隠しキャラの仲間にする方法が変わっているため、仲間にできたという報告がしばらく流れなかった。
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ゲームの解析の結果、仲間になることそのものや専用クラスがあること、イベントが起きる場所などはすでに判明していたのだが、そのイベントが起きる条件そのものが全然わからず、「どこにいるんだ」「どうすればいいんだ」と連日混乱が起きていた。
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結局12月3日発売の攻略本によってようやくその条件が判明した。その条件が簡単なようで結構複雑にも見えるものだったため、「これは完敗だ」とプレイヤー達は松野氏を賞賛したという。