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テラリア - (2018/06/17 (日) 12:37:24) の編集履歴(バックアップ)


現在この記事は、判定変更議論スレ8でPC版:良作、CS版:劣化ゲーへの判定変更が提案されています。 議論開始日:2018/06/17、初回〆日:2018/06/24

Terraria

【てらりあ】

ジャンル モノづくりアクションアドベンチャー
対応機種 Windows/Mac OS X/Linux
メディア ダウンロード(Steam)専売
発売元 Re-Logic
開発元 Re-Logic
発売日 【Win】2011年5月6日
【Mac/Linux】2015年8月13日
定価 980円/$9.99
プレイ人数 1人(マルチプレイは最大255人*1
判定 なし
ポイント 探索と戦闘に重きを置いたサンドボックス型の2Dアクション
自由度の高さとドット絵で描かれた広大な世界
ボリュームはかなり多いが人を選ぶ

原作となっているパソコン版『Terraria』と、それを家庭用ゲーム機に移植した『テラリア』はゲーム内容としては基本的に同じだが、区別する必要がある場面ではそれぞれPC版、CS版と表記する。
また、PC版には日本語は存在しないが、読みやすくするため、ゲーム内の用語については有志によって和訳されたものを用いる。



概要

  • ドットによる2Dグラフィックでアイテム作成や自由な建築を楽しむことができるサンドボックスゲーム。
    • 同種のゲームとしては『Minecraft』が有名であるが、本作は『Minecraft』と比べると収集要素や戦闘要素に力を入れたものとなっている。
  • 『Minecraft』と同様に明確な目的は与えられず、ストーリーも語られることはない。凄い建築物を作る、レアアイテムを収集する、全てのボスを倒す、といった具合に自分で目的を見つけてプレイしていくことになる。
  • マルチプレイにも対応しており、PC版は理論上は最大で255人まで一緒にプレイ出来る。CS版は3DS版以外は最大8人、3DS版は最大4人までマルチプレイ可能である。
    • マルチプレイでは協力プレイだけでなく、PvPをすることも可能となっている。

システム

  • ゲームを開始する前にキャラクターを作成する。
    • 性別によってダメージを受けた時の声が変わるが、性別によってゲーム内で装備出来るアイテムの違いや性能の違いは一切無い(性別を変更出来るアイテムがあるため変更も出来る)。
    • 難易度については「ソフトコア」「ミディアムコア」「ハードコア」の3段階あり、一度決定すると変更不可。
      • 難易度によって死亡時のペナルティー(デスペナルティー)が変わる仕組み。「ソフトコア」であれば所持金の半分*2を落とす。「ミディアムコア」であれば所持品、所持金を全て落とす。「ハードコア」であれば キャラクターロスト するといった具合である。
      • 難易度表記は直訳すると「やさしい」「ふつう」「むずかしい」であるため、「ふつう」である「ミディアムコア」を選ぶと、死亡時にアイテムを全て落とす(『Minecraft』と同様に死亡地点に行くと回収出来るが、本作は戦闘要素も強いので、死亡地点によっては再度辿り着くのがかなり難しい場合もある)というペナルティーを科せられることになる。難易度を上げることによる特典は全くないので、縛りプレイをするつもりがないのであれば「ソフトコア」を選んだ方が良い*3
  • キャラクターを作成したら次はワールドを作成する。
    • 『Minecraft』と異なり、キャラクターとワールドは紐付けがされない。同じキャラクターで別のワールドを探索することも出来るし、別のワールドからアイテムを持ち込むことも可能。
  • ワールドを作成する時は広さを3段階で選ぶ。広いと探索は大変になるが、配置されるブロックが多い関係上、宝箱なども増える。
    • 「スモール」を選んだとしても容易に探索しきれる程のサイズではない。
    • ワールドのサイズを無限とすることは出来ないが、キャラクターとワールドの紐付けはされないので、自由に別のワールドに行き来出来る。
  • ワールドを作成する際にはランダムで地形が作成されるため、同じワールドは存在しないのも特徴。
    • ただし、「画面の左右端は海」「地下の最深部には地底世界」「ダンジョンが必ず1箇所存在」など地形作成の上ではルールが存在し、そのルールの範囲内でランダムとなる。その為、最初から不浄の大地やジャングルなど高難易度の場所から始まることはない。
    • サンドボックスゲームにありがちな「シード値」*4の概念はないため、同じワールドを作成する方法はない。
  • 一定条件を満たすとエキスパートモードの設定や、そのワールドで不浄の大地か真紅の大地のどちらを生成するかも選択できるようになる。
  • ゲームを始めると、おおよそワールド中央くらいの地表からスタートとなる。その後については何をするのも自由である。
    • なお、このとき何も目標が表示されない(ストーリーが語られない)ことからも分かるが、本作で目標が与えられることは一切ない。
    • ゲーム開始地点の周囲にいるNPCであるガイドに話しかけることで、やるべきことを教えてくれるため、これが目標といえなくもない。ただ、別に従う必要は一切ない。
  • ワールドのブロックはツルハシを使うことで掘ることが出来る。
    • 掘ったブロックはアイテムとなりストック出来る。水や溶岩などを除けばおおよそ、ワールドを構成している地形は全てブロックになる。
      • 水や溶岩はバケツを使えば汲み取ることが出来る。
    • ストックしたブロックを置くことで自分自身で地形を自由に変えることが出来る。
    • ブロックや素材などを組み合わせてアイテムを作ることも出来る。
    • ブロックは周囲の環境にも影響を与える。例えば、砂ブロックが大量にある場合、周囲の環境が砂漠となり、背景、曲、出現する敵が変わる。
      • 自分で砂ブロックを大量に置けば、任意に砂漠の環境を作り出すことも出来るし、元々置いてある砂ブロックを撤去すれば草原などの環境に変化させられる。環境を書き換えることで狙った敵を出現させたり、厄介な敵の出現を食い止めることも出来る。
    • ブロックによっては上位のツルハシでないと掘ることが出来ないものもある。
  • 木はオノを使うことで斬ることができ、斬った木は木材になる。
    • この木材も扱いとしてはブロックのようなものであり、置くことが出来る。
    • 木を切るとドングリが手に入ることがある。ドングリは地面に植えることができ、植えてからしばらく経つと木が生えてくる(ただし、一定のスペースは必要)。
    • また、オノは壁紙を剥がしたり、ブロックの形を変えたりする時にも使う。
  • ワールドでは敵が出現する。ツルハシやオノでも攻撃することは可能だが、攻撃用の武器と比べると威力が低かったり、攻撃速度が遅かったりする。
    • 敵は時間帯、環境によって出現するものが大きく異なる。草原や雪原では弱い敵しかでないが、不浄の大地や真紅の大地、地底世界には強敵が出現する。
    • 弾丸を消費して攻撃する射撃用の武器やマナを使って攻撃する魔法武器なども存在する。武器によって性能や攻撃方法は大きく違うため、敵やプレイスタイルに応じて使い分けることが大切。
      • 本作は非常に多くの武器があり、剣、銃、魔法武器同士でも性能が大きく異なっている。特定の敵が落とすレア武器もあり、これらを集め、自分のスタイルに合った武器を選択するのも楽しみの一つといえる。
    • 戦闘に力を入れていると述べたとおり、『Minecraft』と比べると敵の出現頻度は高く、探索する上で戦闘を避けるのは難しい。また、大量の敵が襲撃してくるイベントが発生することもある。
  • スタート地点の付近は草原や雪原など比較的穏やかで探索しやすい環境となっているが、先へ進むと砂漠や不浄(クリムゾン)の大地、ジャングルといった過酷な環境が広がってくる。
    • これらの環境は高低差が激しかったり、強力な敵が出現したりと、序盤で迂闊に足を踏み入れると簡単に殺されてしまう。
  • 地下を掘り進めていくと、地下の洞窟や空洞が見つかることもある。こちらも深層へ行けば行くほど敵が強力になる。
    • 地下の最深部は地底世界となっている。強力な敵、激しい高低差、そこら中に存在する溶岩、と探索さえままならない過酷な環境となっている。
      • 溶岩は水と混ざることで黒曜石に変化する性質を持つが、地底世界は水は自然に蒸発するという性質を持っており、溶岩の除去も容易ではない。
  • ワールドでは時間の経過があり、昼と夜とで世界の様相は大きく様変わりする。
    • 昼は草原などであれば敵対しない動物が歩き回っており、敵としてもスライムが現れる程度である。しかし、夜になるとどこからともなくゾンビが現れたり、デーモンアイという目玉の敵が飛来し危険度が増す。
    • 当然夜になると視界が悪くなり、探索も困難になる。上述のとおり敵も出現しやすいので序盤はとくに危険。
    • 『Minecraft』では夜になるとベッドで休んで次の日まで時間を進めることができたが、本作では時間を進める方法は基本的にない。
    • 一方で夜のみ戦えるボスがいたり、魔法を使うために必要なマナを増やすための流れ星が降ってきたりと、夜ならではのやるべきことも多数存在する。
  • 目標と呼ばれる目標はないが、敢えて本作の目標を述べるならば、地底世界に存在する「とあるボス」を撃退することである。
    • 本作にはボスがいくつか存在するが、その中でもこのボスは強大な相手である。戦場が上述のとおり過酷な環境である地底世界であることもあり苦戦は免れないだろう。
    • このボスを撃破すると、ワールドは「ハードモード」という状態に移行する。ハードモードでは、更なる強敵が出現するようになるが、強力なアイテムも入手出来る。
      • 具体的に言うならば、ハードモードで登場するザコ敵はハードモード突入直前の最強装備をもってしても渡り合うのが厳しいほどである。装備が充実するまでは再度、地底世界まで進むことすら難しい。
      • ハードモードに移行すると不浄(クリムゾン)の大地と、ハードモードに突入した際に出現する聖なる大地の2つが世界を侵食し始める(周囲のブロックを変化させていく)。これらの環境では強力な敵が出現するが、放置しておくと拠点近くまで侵食されてしまうこともある。
      • PC版ではハードモードの最後を締めくくるボスが存在している。このボスを倒すことがこのゲームの最終目標といえるかも知れない。
  • バージョンアップによって色々な要素も追加されている。一例としては以下のものがある。
    • ハードモードにおける更なる強敵、アイテムの追加。
      • 上述のとおりPC版ではメーカーが明言する本作のラスボスが存在する。
      • プレイするかは任意だが、強力な敵と連戦するイベントも追加されている。マルチプレイを前提としているためか難易度はかなり高い。
    • 歯応えのある戦闘を楽しみたい人向けのエキスパートモード(難易度、上述ハードモードとは全く無関係)。
      • ワールド生成時にエキスパートモードを選ぶことが出来る。主に敵が強化される。
      • 敵の強化だけではなく、自然回復が少なくなるといった面での難易度増加もある。
      • 難易度と異なり、エキスパートモードにおいてはここでしか入手出来ないアイテムもある。
    • 敵を倒すことで入手できるバナーというアイテム。
      • 飾りとして使う事も出来る他、PC版では近くにバナーを飾ることで対応する敵から受けるダメージを減らせる効果がある。エキスパートモードでは特に重要となる。
    • ブロックに任意の色を付けられるアイテム。
    • 釣りやペット、乗り物といったシステム。

評価点

広大な世界で探索しがいがある

  • ワールドは3段階で最も小さい「スモール」を選んだとしても、端から端まで移動するのは結構時間が掛かるほどに広大。
    • そしてワールド内には砂漠があったり、ジャングルがあったり、不浄(クリムゾン)の大地があったりとその時々で風景、曲が変わっていくため、探索のしがいがある。
    • 地下の探索も同様であり、宝箱が配置されていたり、部屋のような地形があったりと探索する度に新たな発見が得られる。
    • キャラクターが強くなったり新しいアイテムを手に入れたりすることで探索の範囲が広がっていくため、探究心がくすぐられる。
  • よほどやり込まない限り、そのワールドを探索し終えるといったことは不可能といっていい。そして、探索し終えたとしても別のワールドを作成すれば、また新たな探索が出来る。
    • キャラクターとワールドの紐付けがないので拠点ワールド、採掘ワールドなど色んなワールドを使い分けることも出来る。
    • バージョンアップでクリムゾンの大地や、ピラミッド、地下砂漠といった地形も追加されており、新たにワールドを作ることでこれらの地形が発見出来ることも。

建築の自由度が高い

  • ワールドのほぼ全てがブロックであり、これらを再配置することによってプレイヤーの好きな家や部屋を作ることが可能である。
    • 例えばガラスで覆った上でガラスの壁を使ったガラスの家や氷ブロックを使ったツルツル滑る家なども作れる。
    • ブロックごとにマップ表示の色が決められており、このシステムを使って巨大なドット絵を作ることも可能。
  • アップデートによりブロックを半ブロック、斜めブロックとして変形出来るようになったため、建築の自由度は更に増している。
    • もっとも、ブロックによってはあまり数がなかったり、入手するまでに手間が掛かったりする場合もあるため、望みのものを作ろうとすると時間が掛かることはある。

やり込み要素が豊富

  • 目標はないが、やり込もうとすれば、かなりやり込める。
    • ボスなどの強敵は、戦うことが可能になったばかりだと撃破は非常に困難であるが、装備を調えたり、場合によっては地形を整えたりして勝利出来た時の喜びは大きい。
  • 特にハードモードでは、敵がレアアイテムをドロップすることがあり、このレアアイテムの入手を目指すといったやり込みも出来る。
    • アップデートで追加されたバナーは同じ敵を50体倒すとドロップする(旧バージョンではランダムドロップだった)。ほとんどの敵に用意されているため、コンプリートを目指すといった遊び方も出来る。
      • そもそも、1体出会うことすら珍しい「ニンフ」についてもバナーが存在し、入手するのはかなり大変。
  • 武器の種類がかなり豊富であり、個性的な効果を持つものもある。集めて使い方を考えるだけでも面白い。

フレンドとのマルチプレイがやりやすい

  • 本作はSteamの機能を使ってマルチプレイが可能であるため、「サーバーの構築」や「ポートの開放」といった難しい操作をすることなくフレンドとマルチプレイが可能である。
    • なお、MODを入れている場合であっても、双方が同じMODを導入していればマルチプレイ可能である。

賛否両論点

目標がない

  • サンドボックス系の宿命ではあるのだが、ゲーム開始から目標らしい目標がない。その為、ただワールドを掘り続ける作業にだれてくることも。
    • 特に序盤のツルハシは掘る速度が遅いため、地下を掘るだけでも時間がかかり飽きやすい。後半になり、ツルハシが強力になればサクサク掘れるようになるのだが……。
      • 上位のツルハシを作るのに必要な上位の鉱石はある程度地下に掘り進まないといけないが、掘り進むと敵が強くなるため、『Minecraft』と比べて一気にレア度の高い鉱石を狙うというのが難しいのも難点か。
  • 目標は確かにないが、基本的に攻略の順序はある程度決まっているため、途中で手こずると先へ進めなくなる場合もある。
    • 例えば、溶岩と水を混ぜると出現する黒曜石を取り除くには、不浄の地やクリムゾンの地で入手出来る鉱石で作るツルハシが必要である。だが、このツルハシを作るためには基本的に不浄の地やクリムゾンの地のボスを倒さなければならず、戦闘が苦手だとこの段階で先へ進むのが難しくなる。
  • ある程度ゲームが進むと強力なアイテムが見つかったり、早く掘れるツルハシが手に入ったりして面白くなってくるが、それまでが地味な作業となりがち。
  • 建築を楽しみたい場合も、やはりある程度ゲームを進めないと使えるブロックが限られたり、道具の性能が低く時間が掛かったりするのが難点。
    • また、夜になると敵が出現するため、建築の妨げになりやすい。建築に専念出来るモード(いわゆるクリエイティブモード)は存在しないため、敵の対策は必要不可欠。
      • ランダムで発生するブラッドムーンやゴブリンの襲来などはアイテムドロップが狙えるのだが、発生するタイミングによってはただただ面倒になったり無駄になったりする。
        それどころか、準備が出来ていない段階で発生するとピンチに陥ることさえある。特にブラッドムーンは完全ランダムなので余計に。
      • 以前のバージョンではブロックを破壊するモンスターが(ハードモード限定で)存在したがVer.1.20よりブロック破壊効果がなくなり、建造物を壊される心配そのものはないのが救い。
  • 逆に言うと目標が指定されることがないということは何をやってもいい、ということでもある。先に述べたやり込みに挑戦したり、複数のワールドを作って、聖なる大地で満たされたワールドや逆に不浄(クリムゾン)の大地で満たされたワールドを作ったり、超巨大な建築物を作ったりとやろうと思えば時間がどれだけあっても足りないような遊び方も出来る。

入手出来るアイテムによる差が激しい

  • 特に序盤であるが、入手出来るアイテムによってプレイの難易度が大きく変わる。
    • ライフを増やすライフクリスタル、拠点に戻る魔法の鏡などは序盤になんとしても入手したいアイテムであるが、両方とも地下で見つかる(後者は宝箱に入ってる)ものであり、運が悪いと全然見つからない。
    • 序盤は、掘り進める速度が遅いこともあって、これらのアイテムを見つけるために掘り進めるだけでもかなり時間が掛かる。
  • また、中盤以降も入手出来れば難易度が大きく変わるアイテムは少なくない。
    • もっとも中盤以降になれば、他のアイテムで代替できたり、別のワールドで探したりといった別の手段を講じる余裕も出来てくる。
    • 攻略に影響を及ぼす程のアイテムも敵のレアドロップであることが結構多い。
      • ハードモードのボス戦で重要となるアイテムとして「カーソルで指定した地点にワープ出来る」ものがあるが、この入手率が非常に低いため、運が悪いと延々と敵を倒し続ける羽目になる。

初見殺しが多い

  • 本作では高所からの落下はダメージを受けるが、たまにある高いところから落ちて死亡したり、地下で落石のトラップに引っかかって死亡したりと初見殺しは多い。
    • 他にも地下の深い水たまりに入って溺死などといったパターンも(上手く掘り進めれば、水中でも呼吸可能なエリアを作る方法はあるが、慣れるまでは冷静に対処出来ないだろう)。
  • 本作では初期ライフは100であるが、落石のトラップや落下ダメージは軽く100を超えることがあるため、文字通り一撃死もありえる。
    • 更に深いところまで進むとスイッチを踏むと爆発する地雷がセットされていることも。こちらはライフがかなりあっても一撃死が見えるほどの威力。
  • もっとも、この手の初見殺しは『Minecraft』を含めたサンドボックスゲームではよくみられるものである。

グロテスクな表現

  • ゲーム内で表現がグロテスクなものも多い。
    • 敵だけでなくNPCやプレイヤーも、死亡すると体が真っ二つになる。ドット絵なので、そこまでリアルではないが、表現としてはショッキングな部類だろう。
      • プレイヤーが死亡した地点には墓が配置され、墓には死因が刻まれる。その死因もなかなかに表現がえげつない。
    • 上述のように初見殺しが多いゲームなので、死亡シーンは何度も見ることになる。
  • 敵もグロテスクなものが多い。例えばおそらく最初のボスである「クトゥルフの目」は巨大な目玉のモンスターであり、気持ち悪い。しかも、体力が減ると姿が変わり、真の姿を明らかにするが、そちらも気持ち悪い。
    • 地底世界の「とあるボス」についてもかなりグロい見た目をしている。
  • 死亡時(敵の撃破時も含む)の描写はオプションでオフにすることが出来るが、グロテスクな敵の外見などはどうしようもないといったところ。

ワールドとキャラクターが紐付けされていない

  • 既に述べた通り、本作ではワールドとキャラクターの紐付けはされていない。
    • これによるメリットは既に述べた通りだが、マルチプレイにおいては問題が生じることもある。
  • マルチプレイする際にはアイテムを持ち込むことが出来るが、これにより初心者のワールドにハードモードでしか入手出来ないような強力なアイテムを持ち込むことも可能。
    • 本作は後半に入手出来るアイテムと序盤のものでは目に見えて性能が異なるため、こういったアイテムが持ち込まれると初心者プレイヤーにとっては楽しみを奪われることもある。
      • 参考までにハードモードのアイテムがあればゲームスタート直後のワールドであっても5分以内に地底世界に辿り着き、地底世界のボスを倒すことも十分可能である。
    • 楽しみを奪われるだけならまだしも、地底世界のボスを勝手に倒されてワールドが「ハードモード」になってしまうと目も当てられない。上述のとおり、ハードモードは非常に難しいため、初期装備でハードモードとなったワールドで生き残ることはまず不可能。
  • ただ、アイテムを持ち込めるというのは、どうしても倒せない敵を簡単に倒してもらうことも可能というメリットでもある。

問題点

日本語には公式で非対応(PC版のみ)

  • 日本でも知名度が高いゲームであるが、日本語には公式対応していない。
  • ストーリーはほとんど無いがアイテムの説明文など、日本語がないと厳しいといったプレイヤーも一定数は存在する。
  • CS版では日本語対応しているが、それ以外の問題点が多い。結果として日本語化された最新版をプレイしたい場合には有志による日本語化MODなどを利用することになる(当然公式のサポート外)。

アイテムの保管が難しい

  • 本作では大量のアイテムが出現するが、それを保管する方法が限られている。
  • アイテムを保管する方法は「金庫」「貯金箱」「宝箱」のいずれかに入れるしかない。
    • 「金庫」と「貯金箱」(まとめて金庫類とする)、「宝箱」と異なる性質を持っている。金庫類の場合は、同じプレイヤーが持っている金庫類(金庫なら金庫、貯金箱なら貯金箱)同士で中身が共有される。つまり、どこに居ても金庫類を持っていればアイテムを出せる(果てにはワールドをまたぐことすら出来る)。一方の、宝箱の場合は普通にフィールドに置かれている宝箱同様に中身は宝箱ごとに個別である。
    • いずれも容量は40枠あるが、ゲーム内のアイテムの数を考えると全然足りていない。
      • 余談ではあるが、以前のバージョンだと更に容量が少なかった。
    • 中身のある宝箱を更に宝箱に入れる、といったことは出来ないため、管理のために大量の(宝箱を置く)スペースが必要となる。
    • 持っているアイテムを宝箱の中に一度に入れたり、まとめたりといった機能はあるが、種類が増えてくると、どの宝箱に何を入れたかがすぐに分からないのも困りものである。
      • バージョンアップにより宝箱に名前を付けることが出来るようになった。
  • 中身の入っている宝箱は持ち運びが出来ないので、アイテムを整頓し直すのも骨である。
    • 中身の入っている宝箱は取り除くことが出来ないので、間違って宝箱を取り除き、全てのアイテムが散らばってしまう、といった事態にはならない。
  • そしてマルチプレイの場合、大量のアイテムを保存することになるであろう「宝箱」の仕様で問題が起きる。詳細は後述する。

建築に集中しにくい

  • サンドボックスゲームであるが、本作は戦闘要素が強くなっており、建築に専念したくとも戦闘が避けづらい状況になることが多い。
    • 昼の草原であっても時折スライムが出現する。与しやすい相手ではあるが、それでも一々作業の手を止められると思えば決して無視出来る話ではない。
    • 夜は作業しにくいものの、『Minecraft』と違い時間を飛ばせない。その上、空中であっても「デーモンアイ」が飛来するため、安全に作業することは難しい。
  • また、一定条件を満たすと突如ボス敵が出現したり、ゴブリン襲来などのイベントが発生することがあったりするため、その度に手を止めさせられることに。
  • 住家を作る、くらいであれば大して気にならないが、巨大建造物などを考えている時にはこういった邪魔が積み重なることが大きなストレスとなりがちである。
    • 中盤以降になれば、周囲の敵を勝手に倒してくれる武器などがあるので、地底世界などで建築するといった難易度の高いことをしない限りは対策はとれるようになる。もっとも、ハードモードになると敵のHPも高く、対策が取りづらくなる。
  • せめてクリエイティブモードがあれば、と思われるところがそういったモードは存在しない。

マルチプレイモードにおける問題点

  • 上述のとおり、本作ではアイテムの保管が難しいが、この問題に大きく直面するのがマルチプレイモードである。
  • 宝箱に入っているアイテムは全てのプレイヤーが取り出すことが出来る。そのため、宝箱に入っているアイテムは常に誰かに持って行かれる可能性があることになる。
    • キャラクターとワールドが紐付けされていないということは、アイテムをワールドから持ち出すことが出来るということである。そのため、レアアイテムを持って行かれてしまうこともありえる。
  • 防御策としては金庫類に入れるというものがある(金庫類そのものを持って行かれることはあるが、中身はとられない)が、2つ合わせても容量は80であり、全然足りない。
  • PvPについてはホストが可否を選択できるのでPvPを不可とすることが出来る。
    • ただ、ダイナマイトなどのアイテムについては利用の可否を設定できないため、ダイナマイトなどを使った間接的PKは可能であるし、PKでなくともダイナマイトなどを使って建築物を破壊されることもある。
      • アイテムを持ち込めることから、こういったアイテムを予め大量に持ち込むことも一応可能。
    • 召喚アイテムを使って急に敵(ボス)を呼び出したり、敵襲イベントを発生させたりという迷惑行為も可能。
  • こういった問題は見知らぬ人とマルチプレイした際に起きやすい。マルチプレイをする際にはマルチプレイ用のモードを作ることが望ましいが、もう少し設定出来るようにしてくれれば、と思うと残念な点ではある。

総評(PC版)

サンドボックスゲームとしては『Minecraft』の知名度が高いが故に、本作に『Minecraft』の影響を指摘する声は多い。
事実として製作者自ら「『Minecraft』をプレイして感銘を受け、これの2D版を(自分好みのアレンジで)作りたいと思った」という動機を述べている。

もっとも、実際にプレイしてみると、2Dで描かれる広大な世界の探索、そして待ち受ける強大な敵との戦闘など『Minecraft』と差別化された要素が多く、『Minecraft』を参考にしつつも異なるゲームといえる出来映えとなっている。
プレイヤー次第で巨大な建造物を作ったり、世界の隅々まで探索することも可能と、出来ることは様々であり、作業感は強いが、ゲームとしての攻略要素、収集要素も豊富に存在するため時間を忘れて遊ぶことが出来る魅力も持っている。

一方で、あくまでプレイヤーに目標を委ねたゲーム性を持つ作品の宿命というべきか、やはり人を選ぶという面は否定できない。
人によっては無心にワールドを掘っていたら(現実に)朝になっていた、というほどにのめり込んだ意見も見られるし、掘ってるだけの何が楽しいか分からなかったという意見も見られる。
そして、マルチプレイモードも、本当に気心が知れた友人同士でなければ、建造物を破壊されたり、アイテムを持って行かれたりといったトラブルが生じやすい仕様となってしまっているのも惜しいところだろう。
もっとも、友人同士であればサーバーの構築やポートの開放をすることなくSteamの機能を使うことでマルチプレイ出来るお手軽さも本作の魅力である。

とはいえ、アップデートの度に更なる進化を遂げていることは事実であり、値段もかなりお手頃であるため、この手のゲームが面白そうだと思った人には是非とも手に取ってもらいたい一作である。

テラリア

【てらりあ】

対応機種 PS3/PSV/PS4/3DS/WiiU
メディア 【PS3/PS4】BD-ROM
【PSV】PlayStation Vitaカード
【3DS】3DSカード
【WiiU】ディスク(いずれもダウンロード版あり)
発売元 スパイク・チュンソフト
発売日 【PS3】2013年5月23日
【PSV】2014年2月6日
【PS4】2015年2月19日
【3DS】2016年4月21日$br;【WiiU】2016年9月15日
定価 パッケージ版/ダウンロード版(全て税別)
【PS3】3,980円/3,143円
【PSV】2,838円/1,905円
【PS4】3,241円/2,315円
【3DS/WiiU】3,800円/2,778円
レーティング 【3DS】CERO:B
【それ以外】CERO:C
プレイ人数 1~4人(オンラインプレイは1~8人)
判定 なし
ポイント PC版を家庭用ゲーム機に移植したもの
日本語に対応している
単体としてみるなら及第点だが、PC版と比較すると……。

概要(CS版)

  • 原作であるPC版『Terraria』をスパイク・チュンソフトがコンシューマーゲーム機に移植したものである。
    • 原作であるPC版は英語のみの対応であったが、移植に際して日本語に翻訳されている。
  • 3DS版を除くCS版は最大8人でマルチプレイを行うことが可能となっているが、PC版とのマルチプレイは不可。
    • また、PS3,PS4,PSV同士はハードを超えてマルチプレイ可能であるが、3DS、WiiUは同一プラットフォームによるマルチプレイのみ可能。
  • コンシューマーゲームとしては安価な部類に入り、値段の割にはボリュームも豊富だが、PC版がかなり安値であったこと、CS版の方がPC版と比べて追加要素の実装が遅いことなどPC版ユーザーからは不満が多い。

PC版との相違点

  • 概要にある通り、日本語に対応している。
  • チュートリアルモードが追加されている。最序盤のプレイ方法、家の作り方が分かる(体験版ではこのチュートリアルモードがプレイ出来る)。
  • PS3版/PSV版/PS4版はクロスセーブに対応している。
  • PS4版はスマートフォンやタブレットと連携することでスマートフォンやタブレットでミニマップを表示出来るアプリが用意されている。
    • またPS4版はズームアウトが使えるため、広範囲を確認しながらプレイ可能(PC版もズームインは行えるがズームアウトは不可)。
  • PSV版,3DS版,WiiU版ではタッチ操作に対応している。
    • また、WiiU版ではゲームパッドのみのプレイに対応している。
  • PC版からはかなり遅れているが、発売後にPC版のアップデートに準拠したアップデートが行われている。
  • 一部、PC版にはいないエネミーやアイテムが存在する。
    • マリオやリンクをオマージュした服装は著作権の問題からか削除(余談だが任天堂ハードでも復活はしていない)、代わりにスパイク・チュンソフトの作品からモノクマやシレンの服装が登場。
    • レパス、おんしらずタルコル(3DS版のみ)、オクラムというオリジナルのボスが存在する。
  • 3DS版ではグロテスクな表現が若干抑え気味になっている。そのため、同じゲームではあるが3DS版のみCEROがBとなっている。

評価点(CS版)

日本語に対応した

  • ストーリーはほとんど無いがアイテムの説明文などが日本語に対応したことで分かりやすくなった。
    • 元々の文章がそれほど多くないため評価点かは微妙だが、不自然な訳文はあまりない。ただ誤字脱字がないわけではないが。
      • ワールド作成時に「コを生やしています」「どうくつのを作成しています」など。

問題点(CS版)

PC版と比較すると劣化点が多い

  • 本作をCS版単体として見るなら問題のない出来であるが、PC版と比較すると劣化点が多く見えてくる。
    • まず、価格である。PC版はSteamで980円であるのに対し、CS版は最も安いPSV版のダウンロード版でさえ税込2,000円強である。
      • PC版はSteamのセールで安くなる場合もあり、50%OFF、75%OFFとなることもある。こうなるとPSV版のソフト1つを買うお金でPC版の4本パックが買ってもおつりが来るほどの価格差である。
  • PC版から遅れてアップデートがされてはいるが、かなり遅れている。
    • PC版は2018年6月現在バージョン1.3.5.3(2017/4/25更新)であるが、CS版はPC版の2014年5月時点の1.2.4相当(2016年9月20日更新)であり、数年単位で遅れている。
      • その上、最後の更新から既に1年半以上が経過しており、今後の更新は未定である(2018年6月現在)。
      • 更に言えば、海外CS版が1.2.4相当であるのに対し、日本語版だけ1.2.2、または1.2.3相当と日本語版だけ更に遅れをとっていた時期もあった。
  • CS版とPC版の間では当然マルチプレイは不可。CS版であってもPS系ハード同士のみがハードを跨いだマルチプレイが可能となっているのみである。
  • CS版のみの要素として追加エネミーやアイテムが存在するが、数は知れており、付加価値とみなしていいかは微妙なところ。
    • オクラムはCS版ハードモード限定のボスとして追加されているが、使い回し感があり完全オリジナルとは言いがたい。
      • 見た目こそオリジナルだが、行動パターンは最初のボスであるクトゥルフのめだまを強化したようなものである。新鮮味に乏しい上、そこまで強敵でもない。
      • 更にドロップ品から作れる装備品もそれほど強くないと、報われない。
  • 当然ながらPC版と違いMODは利用不可である。

操作性の悪さ

  • PC版がマウス+キーボードでやることを前提として作られているため、これをCS版に対応させるにあたっては操作が複雑なことになっている。
    • PS3/PS4版のボタンはほぼ全てフルに役割が割り振られている。慣れるまでは混乱することもある。
      • 落下時にはダメージがある、と述べたが「L1」で利用出来るフックを出し損なって落下ダメージで死亡したり、アイテムを間違って投げ捨ててしまい、回収不能としてしまったりする可能性がある。
  • 更に、そんな中でも、Vita版の操作性は劣悪。Vitaはボタンの数が少ない分、画面や背面タッチパネルを使用した操作になっているのだが、これが非常にややこしい*5。表面パネル操作に加えて背面も頻繁にタッチする必要があり、操作には慣れが必要。
    • また、PSV版は画面が小さいこともあり、後述どおり大量のアイテムを管理する必要があり、メニュー等ではアイテムが画面上にびっしり表示されるのだが、これが災いして操作が非常に細々としている。Vitaのパネル操作の前提は指タッチだが、指でプレイすると頻繁に操作を誤ってしまう程。
      • この画面の小ささが牙を剥くのが、最序盤で必要となる家づくり(実際には壁貼り)というのもマイナスポイント。
    • そもそもマウス+大画面で行うことを前提に作成されたゲームを、携帯機にまで移植してしまったことが根本的な問題ではある。Vitaのディスプレイが従来のゲーム機に比べかなり大き目に作られているとは言え、所詮は携帯機の画面であり、タッチとスティックを組み合わせた複雑な操作をするにはあまりにも小さいのである。
  • これらによってそもそも、楽しめる以前に操作性で躓くことも十分に考えられる。
  • 1.24(1.2.3相当)になってから処理落ちに加えてフリーズの後にC2エラー(強制終了)、それに起因するセーブデータの破損が発生するようになった。
    • 使用できる漢字を減らすなどの軽量化を施した1.25も出たが、効果はあまりない。

マルチプレイのやりにくさ

  • マルチプレイではフレンドなら誰でも参加可能なモードの他に、ホストが参加申請を送ったプレイヤーとのみ遊べる招待制のモードの二つがある。
    • しかしながら招待はあくまで同一のハード同士でなければ機能せず、PS3のプレイヤーがPSVitaのプレイヤーを誘う、といったことは出来ない。
    • これにより、異なるハード同士では必然的にフレンドなら自由に参加可能なオンラインモードを利用することになってしまう。
      • PC版の問題点にもあるが他者に盗られないチェストが限られていることから、一緒に遊びたいプレイヤー以外が参加してアイテムを持って行かれたり、建築物等を破壊されたりするリスクがある。
      • マルチプレイ用のワールドを作れば良い、という話であるが、単純に2人で攻略したい、といった場合に、この仕様はかなり足枷である。
  • そもそもパスワード制や承認制のように、ハードが違っても事実上招待制のような遊び方を可能とする方法はあったと思われるのだが……。
  • Vita版は、PS3とPS4の画面分割に相当するアドホック通信によるマルチプレイが実装されていない。

総評(CS版)

PC版からの移植に伴い日本語に対応した点は評価出来る。だが、価格は倍以上になり、バージョンもかなり遅れているといったことから既にPC版をプレイしているプレイヤーがわざわざCS版を購入するメリットは皆無というのが現実である。
操作性もPCのキーボード操作等を念頭に置いたシステムであることからボタンの少ないハードほどユーザーインターフェースの劣悪さが目立つ結果となってしまっている。
また、どこでもプレイ出来るメリット以上に情報量の多さというのが目立ってしまっているのも難点といえる。
英語はどうしても嫌だ、というプレイヤーや家庭用ゲーム機でプレイ出来るのが良い、というこだわりが無いのでなければ、
陳腐な日本語訳のために、追加要素が見込まれる最新バージョンへの更新の目処も無い事や操作感を犠牲にしてまでCS版を選ぶ意味は無いといえる。


余談

  • CS版は、複数プラットフォームで発売されているが、3DS版のみ「CERO:B」で、他は「CERO:C」という珍しい特徴を持っている。
    • この理由として、3DSのみ表現の一部が緩和されたものになっているためである。販売元であるスパイク・チュンソフト曰く、多くの人に手にとってもらいやすくするための変更であるとのこと。
  • プレイヤーやNPCがHP0になると死亡という表現がされるが、釣り人のNPCのみ逃げたという表現がされる。これはおそらく、釣り人のNPCが子どもであり、子どもの死亡表現がESRBのレーティング基準で引っかかるためだと思われる。