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テラリア - (2023/08/27 (日) 16:31:48) の編集履歴(バックアップ)
Terraria
【てらりあ】
ジャンル
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モノづくりアクションアドベンチャー
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対応機種
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Windows/Mac OS X/Linux
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メディア
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ダウンロード(Steam)専売
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発売・開発元
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Re-Logic
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発売日
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【Win】2011年5月16日 【Mac/Linux】2015年8月13日
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定価
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980円/$9.99
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プレイ人数
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1人(マルチプレイは最大255人)
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判定
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良作
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ポイント
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サンドボックス型の2Dアクション 探索と戦闘に重きを置いた作品 自由度の高いドット絵の広大な世界 2Dサンドボックスゲームの代表格
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原作となっているPC版『Terraria』と、それを家庭用ゲーム機に移植した『テラリア』はゲーム内容としては基本的に同じだが、区別する必要がある場面ではそれぞれPC版、CS版と表記する。
また、PC版には日本語は存在しないが、読みやすくするため、ゲーム内の用語については有志によって和訳されたものを基準として記載している。
概要
ドットによる2Dグラフィックでアイテム作成や自由な建築を楽しむことができるサンドボックスゲーム。
同種のゲームとしては『Minecraft』が有名であるが、本作は『Minecraft』と比べると収集要素や戦闘要素に力を入れたものとなっている。
『Minecraft』と同様に明確な目的は与えられず、ゲーム内でストーリーが語られることもほぼない。
見た目や機能にこだわった建築物を作る、レアアイテムを収集する、全てのボスを倒す、といった具合に自分で目的を見つけてプレイしていくことになる。
マルチプレイにも対応しており、PC版は理論上は最大で255人まで一緒にプレイ出来る。
CS版は3DS版以外は最大8人、3DS版は最大4人までマルチプレイ可能である。
マルチプレイでは協力プレイだけでなく、PvPをすることも可能となっている。
システム
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ゲームを開始する前にキャラクターを作成する。
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性別によって防具の見た目やダメージを受けた時の声が変わるが、ゲーム内で装備出来るアイテムの違いや性能の違いは一切無い。
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性別を変更するアイテムが作成できるので、後から変更することも可能。
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キャラクター製作では難易度も決定する。難易度はVer.1.4.0の時点で4段階ある。
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Ver.1.4.0で追加された難易度「ジャーニー」はキャラをジャーニーモード専用として作成することを意味している。ジャーニーモードについては後述。
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それ以外の難易度についてはデスペナルティーに影響する。敵の強さそのものはキャラクターの難易度には何ら依存しない。
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「クラシック」の場合、死亡時に所持金の半分を落とす、「ミディアムコア」の場合、死亡時に所持品全て、そして最高難易度である「ハードコア」の場合は、死亡すると、キャラクターロストしてしまうというかなり重いペナルティーが科される。
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『Minecraft』と比較するならば『Minecraft』における通常設定のデスペナルティーが「ミディアムコア」に対応する。しかしながら本作は戦闘要素が多く、死亡地点次第では再度到達するのもかなり難しいことから、基本的に難易度は「クラシック」を選ぶのが無難である。
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余談であるが、発売当初の難易度はジャーニーを除いて「ソフトコア」「ミディアムコア」「ハードコア」の3段階であった。こういった表記であることから普通を意味する「ミディアムコア」を選び痛い目を見たプレイヤーは少なくない。そのためか、Ver.1.4.0で「ソフトコア」の表記が「クラシック」に変更され、事実上の標準難易度とされた。
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さらに余談だが、CS版においては当初の難易度表記が「やさしい」「ふつう」「むずかしい」であった。こちらは比較的早い段階で「ふつう」「むずかしい」「げきむず」に改められた。
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キャラクターを作成したら次はワールドを作成する。
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『Minecraft』と異なり、キャラクターとワールドは紐付けがされない。同じキャラクターで別のワールドを探索することも出来るし、別のワールドからアイテムを持ち込むことも可能。
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ワールドを作成する時は広さを3段階で選ぶ。広いと探索は大変になるが、配置されるブロックが多い関係上、宝箱なども増える。
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「スモール」を選んだとしても容易に探索しきれる程のサイズではない。
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ワールドのサイズを無限とすることは出来ないが、キャラクターとワールドの紐付けはされないので、自由に別のワールドに行き来出来る。
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ただし、後述の通り難易度をジャーニーとしたワールドについてはジャーニーモード専用キャラクターでしか入場出来ない制約がある。
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ワールドを作成する際には「画面の左右端は海」「地下の最深部には地底世界」「ダンジョンが必ず1箇所存在」など地形作成のルールの元でランダムに世界が生成される。
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スタート地点付近は穏やかなフィールドになることが多く、端に進むにつれ砂漠や不浄の大地、ジャングルと言った過酷な地形が生成されることが多い。もっとも運次第ではスタート地点の近くが不浄の大地の可能性もありうる。
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Ver.1.4.0以降はいわゆる「シード値」を指定してワールドを作成することも可能。
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ワールドの難易度も設定できる。なお、ワールドの難易度はキャラクターの難易度とは別であるほか、後述する「ハードモード」ともまた別の概念となっている。
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一定条件を満たすと、不浄の大地かクリムゾンの大地のどちらを生成するかも選択できるようになる。
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ワールドの難易度は敵の強さなどに影響する。こちらも一度決定した難易度は変更出来ないが、キャラとワールドは紐付けされないので複数の難易度のワールドを渡り歩くことは可能。
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難易度によってその難易度でしか入手出来ないアイテム、特典もある。アイテムについてはキャラに持たせれば通常の難易度のワールドに持ち出すことも可能だが、装備アクセサリのスロット数が増加する特典については高難易度ワールドのみとなる。
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難易度「ジャーニー」としたワールドはジャーニーモードとなり、ジャーニーモード専用キャラクターのみ遊ぶことが出来る。
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いわゆるクリエイティブモードのようなものであるが、『Minecraft』のクリエイティブモードのようにアイテムを無制限に出せるといったシステムではない。
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ゲームを始めると、おおよそワールド中央くらいの地表からスタートとなる。その後については何をするのも自由である。
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新しく作成したキャラクターは剣・ツルハシ・斧といった基本的な道具を持った状態でスタートする。
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なお、このとき何も目標が表示されずストーリーが語られないことからも分かるが、本作で目標が与えられることは一切ない。
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ゲーム開始地点の周囲にいるNPCであるガイドに話しかけることで、やるべきことを教えてくれるため、これが目標といえなくもない。もっとも従わなくとも差し支えない。
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ワールドのブロックはツルハシを使うことで掘ることが出来る。
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掘ったブロックはアイテムとなりストック出来る。水や溶岩などを除けばおおよそ、ワールドを構成している地形は全てブロックになる。
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水や溶岩はバケツを使えば汲み取ることが出来る。
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水や溶岩などは『Minecraft』と異なり、水源・溶岩源といった概念はない。
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ストックしたブロックを置くことで自分自身で地形を自由に変えることが出来る。
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ブロックや素材などを組み合わせてアイテムを作ることも出来る。
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ブロックは周囲の環境、すなわちバイオームにも影響を与える。例えば、砂ブロックが一定の範囲内に一定数以上ある場合、周囲の環境が砂漠となり背景・BGM・出現する敵が変わる。
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自分で砂ブロックを大量に置けば、任意に砂漠の環境を作り出すことも出来るし、元々置いてある砂ブロックを撤去すれば草原などの環境に変化させられる。環境を書き換えることで狙った敵を出現させたり、厄介な敵の出現を食い止めることも出来る。
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ブロックによっては上位のツルハシでないと掘ることが出来ないものもある。
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木はオノを使うことで斬ることができ、斬った木は木材になる。
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この木材も扱いとしてはブロックのようなものであり、置くことが出来る。
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木を切るとドングリが手に入ることがある。ドングリは地面に植えることができ、植えてからしばらく経つと木が生えてくる(ただし、一定のスペースは必要)。
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ワールドでは敵が出現する。ツルハシやオノでも攻撃することは可能だが、攻撃用の武器と比べると威力が低かったり、攻撃速度が遅かったりする。
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敵は時間帯、環境によって出現するものが大きく異なる。昼間の草原や雪原では弱い敵しか出現しないが、夜間や不浄の大地・クリムゾンの大地、地下深くには強敵が出現する。
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矢や弾丸を消費して攻撃する弓や銃、マナを使って攻撃する魔法武器、変わったところではヨーヨーなども存在する。武器によって性能や攻撃方法は大きく違うため、敵やプレイスタイルに応じて使い分けることが大切。
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本作は非常に多くの武器があり、剣・弓・銃・魔法武器同士でも性能が大きく異なっている。特定の敵が落とすレア武器もあり、これらを集め、自分のスタイルに合った武器を選択するのも楽しみの1つといえる。
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戦闘に力を入れていると述べたとおり、『Minecraft』と比べると敵の出現頻度は高く、探索する上で戦闘を避けるのは難しい。また、大量の敵が襲撃してくるイベントが発生することもある。
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Ver.1.4.0で「ジャーニーモード」が実装され、厳密なクリエイティブモードではないものの、自身を無敵にしたり、敵の出現率を調整したりできるモードが追加された。
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先述の通りスタート地点の付近は草原や雪原など比較的穏やかで探索しやすい環境となっているが、先へ進むと砂漠や不浄(クリムゾン)の大地、ジャングルといった過酷な環境が広がってくる。
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これらの環境は高低差が激しかったり、強力な敵が出現したりと、序盤で迂闊に足を踏み入れると簡単に殺されてしまう。
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地下を掘り進めていくと、地下の洞窟や空洞が見つかることもある。こちらも深層へ行けば行くほど敵が強力になる。
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地下の最深部は地底世界となっている。強力な敵、激しい高低差、そこら中に存在する溶岩、と探索さえままならない過酷な環境となっている。
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溶岩は水と混ざることで黒曜石に変化する性質を持つが、地底世界では水は自然に蒸発するという性質を持っており、溶岩の除去も容易ではない。
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ワールドでは時間の経過があり、昼と夜とで世界の様相は大きく様変わりする。
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昼は草原などであれば敵対しない動物が歩き回っており、敵としてもスライムが現れる程度である。しかし、夜になるとどこからともなくゾンビが現れたり、デーモンアイという目玉の敵が飛来し危険度が増す。
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また、夜になると視界が悪くなり、探索も困難になる。上述のとおり敵も出現しやすいので、序盤は特に危険である。
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時間を任意に早める方法が皆無だったがVer1.3.0.1で時間を次の日の朝へ、Ver1.4.4で夜へ早送りするアイテムが追加された。
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ただし一度使用するとゲーム内時間で7日経過するまで再使用できないため、頻繁に時間経過させるのは現実的ではない。
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Ver1.4.0以降はベッドで寝ると、時間の経過が早くなるようになった(マルチの場合は全員寝る必要あり)。
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もっとも、本作では大抵のボスは夜に出現するほか、夜限定のイベントも多く、夜だからといって時間を持て余してしまうことはあまりない。
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天気が変化することもある
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雨や雪が降っても水たまりが出来たり、池の水が増えたり、雪が積もるといったことはないが、NPCとの会話や敵の様子などに変化がある。
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NPCが家の中にこもるようになる、雨具を着けたスライムやゾンビが出現する、金魚が陸上を歩き出す等々。
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特段の目標が与えられることはないが、ガイドの指示に従っていく上での目標としては、地底世界に存在する「とあるボス」を撃退することであろう。
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その道中でも何種類かのボスが存在するが、地底世界のボスはその中でもかなり強大な相手である。
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そもそも、地底世界は過酷な環境であることもあり、普通にプレイしてボスに対峙した場合、その環境のせいでまともに戦えないことが多く、戦闘環境の整備も重要となる。
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このボスを撃破すると、ワールドがハードモードに移行し、さらなる強敵が出現するようになる他、不浄(クリムゾン)の大地や、聖なる大地が世界を侵食し始める。
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ハードモードに入ると雑魚敵も強力になり、ハードモード突入直前の最強装備をもってしても渡り合うのが困難なほどになる。
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なお、ハードモードという呼び名であるが、ワールドやキャラクターの難易度とは全く無関係の概念である。
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このハードモードでしか戦えないボスもいくつか存在し、最終的にハードモードを締め括るボスも用意されており、公式で本作のラスボスとされている。
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Ver.1.4.1以降であればラスボスを倒すことでスタッフクレジットが流れる演出もある。
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バージョンアップによって色々な要素も追加されている。一例としては以下のものがある。
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ハードモードにおけるさらなる強敵、アイテムの追加。
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上述のとおりPC版ではメーカーが明言する本作のラスボスが存在する。
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次々と現れる敵を倒すイベントも追加されている(日食・海賊襲撃・宇宙人来襲など)。
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マルチプレイ前提の難易度である「パンプキンムーン」や「フロストムーン」など任意で発生させることが出来るものもある。
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高難易度ワールドであるエキスパートモードやマスターモード(Ver.1.4.0で追加)の追加。
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ワールド生成時に選択可能で、一度選ぶと変更不可。
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大きな違いとして敵が強化されるが、それだけではなく、自然回復が少なくなるといった面での難易度増加もある。
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難易度によるゲーム内容の違いはないが、エキスパートモードにおいてはここでしか入手出来ないアイテムもある。
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敵を倒すことで入手できるバナーというアイテム。
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飾りとして使う事も出来る他、PC版では近くにバナーを飾ることで対応する敵から受けるダメージを減らせる効果がある。エキスパートモードでは特に重要となる。
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ブロックや壁に任意の色を付けられるアイテム。
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釣りやペット、乗り物といったシステム。
評価点
広大な世界で探索しがいがある
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ワールドは3段階で最も小さい「スモール」を選んだとしても、端から端まで移動するのは結構時間が掛かるほどに広大。
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そしてワールド内には砂漠があったり、ジャングルがあったり、不浄(クリムゾン)の大地があったりとその時々で風景、曲が変わっていくため、探索のしがいがある。
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地下の探索も同様であり、宝箱が配置されていたり、部屋のような地形があったりと探索する度に新たな発見が得られる。
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キャラクターが強くなったり新しいアイテムを手に入れたりすることで探索の範囲が広がっていくため、探究心がくすぐられる。
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よほどやり込まない限り、そのワールドを探索し終えるといったことは不可能といっていい。そして、探索し終えたとしても別のワールドを作成すれば、また新たな探索が出来る。
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キャラクターとワールドの紐付けがないので拠点ワールド、採掘ワールドなど色んなワールドを使い分けることも出来る。
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バージョンアップでクリムゾンの大地や、ピラミッド、地下砂漠といった地形も追加されており、新たにワールドを作ることでこれらの地形が発見出来ることも。
建築の自由度が高い
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ワールドのほぼ全てがブロックであり、これらを再配置することによってプレイヤーの好きな家や部屋を作ることが可能である。
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例えばガラスで覆った上でガラスの壁を使ったガラスの家や氷ブロックを使ったツルツル滑る家なども作れる。
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また、全体マップではブロックはブロック毎に決められた色のドットとして表示されるため、上手く組み合わせてドット絵を作成することもできる。
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アップデートによりブロックを半ブロック、斜めブロックとして変形出来るようになったため、建築の自由度はさらに増している。
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上手く組み合わせることであたかも立体的に見える建物を作ることも可能。
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もっとも、ブロックによってはあまり数がなかったり、入手するまでに手間が掛かったりする場合もあるため、望みのものを作ろうとすると時間が掛かることはある。
やり込み要素が豊富
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目標はないが、やり込もうとすれば、かなりやり込める。
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ボスなどの強敵は、戦うことが可能になったばかりだと撃破は非常に困難であるが、装備を調えたり、場合によっては地形を整えたりして勝利出来た時の喜びは大きい。
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アイテムの種類が非常に多く、Ver.1.4.0の時点で3000種類を超えている。
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特にハードモードでは、敵がレアアイテムをドロップすることがあり、このレアアイテムの入手を目指すといったやり込みもある。
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アップデートで追加されたバナーは同じ敵を一定数倒すとドロップする。ほとんどの敵に用意されているため、コンプリートを目指すといった遊び方も出来る。
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そもそも、1体出会うことすら珍しい「ニンフ」についてもバナーが存在し、入手するのはかなり大変。
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武器の種類がかなり豊富であり、個性的な効果を持つものもある。集めて使い方を考えるだけでも面白い。
フレンドとのマルチプレイがやりやすい
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PC版であってもSteamの機能を使ってマルチプレイが可能であるため、「サーバーの構築」や「ポートの開放」といった難しい操作をすることなくフレンドとマルチプレイが可能である。
賛否両論点
明確に示される目標がない
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上記の通り、ラスボスは明確に定められており、おおよその攻略順序も決まっているのだが、ゲーム中ではガイドの指示以外では全く示されないため、何をすれば良いか分からなくなるとただワールドを掘り続ける作業となりだれてしまうことも。
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特に序盤のツルハシやオノは速度が遅いこともあり、単に地面を掘り進めるだけでも時間が掛かってしまう。後半になり道具が強力になるとサクサク掘れるようになりストレスフリーになるのだが。
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上位のツルハシを作るのに必要な上位の鉱石はある程度地下に掘り進まないといけないが、掘り進むと敵が強くなるため、『Minecraft』と比べて一気にレア度の高い鉱石を狙うというのが難しいのも難点。
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目標は確かにないが、基本的に攻略の順序はある程度決まっているため、途中で手こずると先へ進めなくなる場合もある。
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例えば、溶岩と水を混ぜると出現する黒曜石を取り除くには、不浄の地やクリムゾンの地で入手出来る鉱石で作るツルハシが必要である。だが、このツルハシを作るためには基本的に不浄の地やクリムゾンの地のボスを倒さなければならず、戦闘が苦手だとこの段階で先へ進むのが難しくなる。
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『Minecraft』と異なり、序盤で無茶しつつ強力なアイテムを取得する、といったことが出来ないということでもある。
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自由度が高いのは確かだが、突き詰めていくと「今できる限りの手段で戦力を高めてボスを倒すと、新たな武具やアイテム類とさらに強いボスが現れてそれに挑戦する」の繰り返しで、最後のボスを倒すと最強剣ゼニスを製作可能になり、ゼニスは他のあらゆる武器の上位互換の強さである…という形になっている。
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つまり建築などの他のことをしたくてもある程度はボスを倒す必要があるため強さを求めることになる。
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ゼニスはキャラ作成時に持っている短剣から強化可能で強化メニューに出てくるため、ネタバレどころか開始直後の初心者にも将来の目標として意識させる意図が見られる。
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前述の通り強さでいえばゼニスや次点の魔法剣がずば抜けているため、武器の種類自体は多いが「俺は銃が好きだから銃で最後のボスを倒したい」などのこだわりがあっても不可能ではないが難しくなっている。
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ある程度ゲームが進むと強力なアイテムが見つかったり、早く掘れるツルハシが手に入ったりして面白くなってくるが、それまでが地味な作業となりがち。
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建築を楽しみたい場合も、やはりある程度ゲームを進めないと使えるブロックが限られたり、道具の性能が低く時間が掛かったりするのが難点。
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ジャーニーモードの実装によって建築に専念することも可能となった。
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ランダムで発生するブラッドムーンやゴブリンの襲来などはアイテムドロップが狙えるのだが、発生するタイミングによってはただただ面倒になったり無駄になったりする。
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それどころか、準備が出来ていない段階で発生するとピンチに陥ることさえある。特にブラッドムーンは完全ランダムなので余計に。
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以前のバージョンではブロックを破壊するモンスターが(ハードモード限定で)存在したがVer.1.20よりブロック破壊効果がなくなり、建造物を壊される心配そのものはないのが救い。
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ただし、一定条件を満たすと時々発生する隕石落下というイベントがあり、確率は低いが隕石が建造物に命中することはあり、この場合建造物が壊されることがある。
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また、ハードモードであれば(建造に使うブロックによるが)不浄(クリムゾン)の大地や聖なる大地に侵食されることもある。それらを防ぐ条件はあるので、調べた上で対処すれば対応はできる。
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逆に言うと目標が指定されることがないということは何をやってもいい、ということでもある。
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先に述べたやり込みに挑戦したり、複数のワールドを作って、聖なる大地で満たされたワールドや逆に不浄(クリムゾン)の大地で満たされたワールドを作ったり、超巨大な建築物を作ったりとやろうと思えば時間がどれだけあっても足りないような遊び方も出来る。
入手出来るアイテムによる差が激しい
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特に序盤であるが、入手出来るアイテムによってプレイの難易度が大きく変わる。
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ライフを増やすライフクリスタル、拠点にワープして戻れる魔法の鏡などは序盤になんとしても入手したいアイテムであるが、両方とも地下で見つかる(後者は宝箱に入ってる)ものであり、運が悪いと全然見つからない。
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序盤は、掘り進める速度が遅いこともあって、これらのアイテムを見つけるために掘り進めるだけでもかなり時間が掛かる。
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下述のとおり、トラップによって即死させられることもあるためなおのことだれてくる。
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また、中盤以降も入手出来れば難易度が大きく変わるアイテムは少なくない。
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もっとも中盤以降になれば、他のアイテムで代替できたり、別のワールドで探したりといった別の手段を講じる余裕も出来てくる。
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攻略に影響を及ぼす程のアイテムも敵のレアドロップであることが結構多い。
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ハードモードのボス戦で重要となるアイテムとして「カーソルで指定した地点にワープ出来る」ものがあるが、この入手方法が特定の敵のレアドロップである。
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この敵自体の出現率があまり高くない上にアイテムのドロップ率が非常に低いため、運が悪いと延々と敵を倒し続ける羽目になる。
初見殺しが多い
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本作では高所からの落下はダメージを受けるが、崖付近での操作ミスや、敵の攻撃で突き落とされて死亡したり、地下で落石のトラップに引っかかって死亡したりと初見殺しは多い。
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他にも地下の深い水たまりに入って溺死などといったパターンも。
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本作では初期ライフは100であるが、落石のトラップや落下ダメージは軽く100を超えることがあるため、文字通り一撃死もありえる。
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さらに深いところまで進むとスイッチを踏むと爆発する地雷がセットされていることも。こちらのダメージは数百に及び、最大ライフであっても死が見えることも。
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明かりが無い場所は本当に暗くスイッチは小さめのドットテクスチャであることも相まってちゃんと明るさを確保しつつ用心して進まなければ罠の発見が難しい。中にはより暗い水中に設置されていることもある。
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ver1.4.0で周囲に罠が大量に設置された宝箱が追加。宝箱を開くと一斉に起動する。中身はちゃんとある為ただの罠ではないが落石、地雷、ダーツトラップと殺意が非常に高いため、気付かず開けると大抵の場合即死である。
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特定の条件を満たすとボスが出現したり襲撃イベントが発生することがあるが初見で事前に気づくことが不可能なものもあり、知らずの内に条件を満たしてボスが出現し殺されるなんてことも。
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ボスの中には条件を満たすと即死させてくるものもいる。
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襲撃イベントの中には敵を一定数倒しきるまで終わらないものもあり準備ができていないと何度も死んだり苦戦を強いられる。
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もっとも、この手の初見殺しは『Minecraft』を含めたサンドボックスゲームではよくみられるものである。
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どちらかというと難易度「ミディアムコア」を選んだ際に初見殺しの割にペナルティーが強すぎるのが問題といえるかもしれない。
グロテスクな表現
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ゲーム内で表現がグロテスクなものも多い。
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敵だけでなくNPCやプレイヤーも、死亡すると体が真っ二つになる。ドット絵なので、そこまでリアルではないが、表現としてはショッキングな部類だろう。
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プレイヤーが死亡した地点には墓が配置され、墓には死因が刻まれる。その死因もなかなかに表現がえげつない。
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上述のように初見殺しが多いゲームなので、死亡シーンは何度も見ることになる。
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このような表現であるためか、後述のCS機版のレーティングはCERO:C(15歳以上対象)となっている。
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敵もグロテスクなものが多い。例えばおそらく最初のボスである「クトゥルフの目」は巨大な目玉のモンスターであり、気持ち悪い。しかも、体力が減ると見た目が変わり、真の姿(?)を明らかにするが、そちらも気持ち悪い。
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地底世界の「とあるボス」についてもかなりグロい見た目をしている。
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蜘蛛などの虫系のモンスターも多くそういったものが苦手な人は辛いだろう。動きも見た目も『Minecraft』よりリアルで効果音や鳴き声も不気味である。
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死亡時(敵の撃破時も含む)の描写はオプションでオフにすることが出来るが、グロテスクな敵の外見などはどうしようもないといったところ。
ワールドとキャラクターが紐付けされていない
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既に述べた通り、本作ではワールドとキャラクターの紐付けはされていない。
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これによるメリットは既に述べた通りだが、マルチプレイにおいては問題が生じることもある。
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マルチプレイする際にはアイテムを持ち込むことが出来るが、これにより初心者のワールドにハードモードでしか入手出来ないような強力なアイテムを持ち込むことも可能。
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本作は後半に入手出来るアイテムと序盤のものでは性能が天と地ほどに違うので、こういったアイテムが持ち込まれると初心者プレイヤーにとっては楽しみを奪われることもある。
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例として、ハードモードのアイテムがあればゲームスタート直後のワールドであっても5分以内に地底世界に辿り着き、地底世界のボスを倒すことも十分可能、それ程に性能差がある。
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楽しみを奪われるだけならまだしも、地底世界のボスを勝手に倒されてワールドが「ハードモード」になってしまうと目も当てられない。
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上述のとおり、ハードモードは非常に難しいため、初期装備でハードモードとなったワールドで生き残ることはまず不可能。
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ただ、アイテムを持ち込めるというのは、どうしても倒せない敵を簡単に倒してもらうことも可能というメリットでもある。
問題点
日本語には公式で非対応(PC版のみ)
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日本でも知名度が高いゲームであるが、日本語には公式対応していない。
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ストーリーはほとんど無いがアイテムの説明文など、日本語がないと厳しいといったプレイヤーも一定数は存在する。
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CS版では日本語対応しているが、それ以外の問題点が多い。結果として日本語化された最新版をプレイしたい場合には有志による日本語化MODなどを利用することになる(当然公式のサポート外)。
アイテムの保管が難しい
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本作では大量のアイテムが出現するが、それを保管する方法が限られている。
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アイテムを保管する方法は「金庫」「貯金箱」「宝箱」のいずれかに入れるしかない。
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「金庫」と「貯金箱」(まとめて金庫類とする)は、「宝箱」と異なる性質を持っている。金庫類の場合は、同じプレイヤーが持っている金庫類(金庫なら金庫、貯金箱なら貯金箱)同士で中身が共有される。つまり、どこに居ても金庫類を持っていればアイテムを出せる。一方の、宝箱の場合は普通にフィールドに置かれている宝箱同様に中身は宝箱ごとに個別である。
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いずれも容量は40枠あるが、ゲーム内のアイテムの数を考えると全然足りていない。
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余談ではあるが、以前のバージョンだと更に容量が少なかった。
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中身のある宝箱をさらに宝箱に入れる、といったことは出来ないため、管理のために大量の(宝箱を置く)スペースが必要となる。
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持っているアイテムを宝箱の中に一度に入れたり、まとめたりといった機能はあるが、種類が増えてくると、どの宝箱に何を入れたかがすぐに分からないのも困りものである。
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バージョンアップにより宝箱に名前を付けることが出来るようになった。
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中身の入っている宝箱は持ち運びが出来ないので、アイテムを整頓し直すのも骨である。
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中身の入っている宝箱は取り除くことが出来ないので、間違って宝箱を取り除き、全てのアイテムが散らばってしまう、といった事態にはならない。
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そしてマルチプレイの場合、大量のアイテムを保存することになるであろう「宝箱」の仕様で問題が起きる。詳細は後述する。
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ワールド内に存在できる宝箱の数は1000個までなので1000×40=40000スタックが箱に入れられる限界となる。
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普通にプレイする分にはそれを超えることはないが、後述の通り10年以上アップデートを続けた結果アイテムの総数が7000を超えているので相対的にアイテムの管理や保管の負担が増えている。
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さすがに10000以上のアイテムをコレクションする方がレアケースだが、武器を全て集める、衣服を全て…というやり込みも簡単ではない。
建築に集中しにくい(Ver.1.3以前)
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サンドボックスゲームであるが、本作は戦闘要素が強くなっており、建築に専念したくとも戦闘が避けづらい状況になることが多い。
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昼の草原であっても時折スライムが出現する。与しやすい相手ではあるが、それでも一々作業の手を止められると思えば決して無視出来る話ではない。
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夜は作業しにくいものの、『Minecraft』と違い時間を飛ばせない。その上、空中であっても「デーモンアイ」が飛来するため、安全に作業することは難しい。
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また、一定条件を満たすと突如ボス敵が出現したり、ゴブリン襲来などのイベントが発生することがあったりするため、その度に手を止めさせられることに。
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住家を作る、くらいであれば大して気にならないが、巨大建造物などを考えている時にはこういった邪魔が積み重なることが大きなストレスとなりがちである。
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中盤以降になれば、周囲の敵を勝手に倒してくれる武器などがあるので、地底世界などで建築するといった難易度の高いことをしない限りは対策はとれるようになる。もっとも、ハードモードになると敵のHPも高く、対策が取りづらくなる。
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Ver.1.4.0でジャーニーモードが実装されたため、建築を楽しみたいならばこのモードを使えばいい。ただ、いわゆるクリエイティブモードと異なり、アイテムが最初から使い放題にはならないためただひたすらに建築を楽しみたい、というのであればやや面倒ではある(それでも通常モードよりはかなり楽だが)。
マルチプレイモードにおける問題点
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上述のとおり、本作ではアイテムの保管が難しいが、この問題に大きく直面するのがマルチプレイモードである。
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宝箱に入っているアイテムは全てのプレイヤーが取り出すことが出来る。そのため、宝箱に入っているアイテムは常に誰かに持って行かれる可能性があることになる。
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キャラクターとワールドが紐付けされていないということは、アイテムをワールドから持ち出すことが出来るということである。そのため、レアアイテムを持って行かれてしまうこともありえる。
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防御策としては金庫類に入れるというものがあるが、2つ合わせても容量は80であり、全然足りない。
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PvPについてはホストが可否を選択できるのでPvPを不可とすることが出来る。
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しかしながら、ダイナマイトなどのアイテムについては利用の可否を設定できないため、ダイナマイトなどを使った間接的PKは可能であるし、PKでなくともダイナマイトなどを使って建築物を破壊されることもある。
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アイテムを持ち込めることから、こういったアイテムを予め大量に持ち込むことも一応可能。
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召喚アイテムを使って急に敵(ボス)を呼び出したり、敵襲イベントを発生させたりという迷惑行為も可能。
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こういった問題は見知らぬ人とマルチプレイした際に起きやすい。マルチプレイをする際にはマルチプレイ用のモードを作ることが望ましいが、もう少し設定出来るようにしてくれれば、と思うと残念な点ではある。
総評
サンドボックスゲームとしては『Minecraft』の知名度が高いが故に、本作に『Minecraft』の影響を指摘する声は多い。
事実として製作者自ら「『Minecraft』をプレイして感銘を受け、これの2D版を(自分好みのアレンジで)作りたいと思った」という動機を述べている。
もっとも、実際にプレイしてみると、2Dで描かれる広大な世界の探索、そして待ち受ける強大な敵との戦闘など『Minecraft』と差別化された要素が多く、『Minecraft』を参考にしつつも異なるゲームといえる出来映えとなっている。
プレイヤー次第で巨大な建造物を作ったり、世界の隅々まで探索することも可能と出来ることは様々であり、作業感は強いがゲームとしての攻略要素、収集要素も豊富に存在するため時間を忘れて遊ぶことが出来る魅力も持っている。
一方で、あくまでプレイヤーに目標を委ねたゲーム性を持つ作品の宿命というべきか、やはり人を選ぶという面は否定できない。
人によっては、無心にワールドを掘っていたら現実で朝になっていたというほどにのめり込んだ意見も見られる一方、掘ってるだけの何が楽しいか分からなかったという意見も見られる。
そしてマルチプレイモードも、本当に気心が知れた友人同士でなければ建造物を破壊されたり、アイテムを持って行かれたりといったトラブルが生じやすい仕様となってしまっているのも惜しいところだろう。
もっとも、友人同士であればサーバーの構築やポートの開放をすることなくSteamの機能を使うことで、マルチプレイ出来るお手軽さも本作の魅力である。
とはいえ、アップデートの度に更なる進化を遂げていることは事実であり、値段もかなりお手頃であるため、この手のゲームが面白そうだと思った人には是非とも手に取ってもらいたい一作である。
テラリア
【てらりあ】
対応機種
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プレイステーション3 プレイステーション・ヴィータ プレイステーション4 ニンテンドー3DS Wii U Nintendo Switch
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メディア
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【PS3/PS4】BD-ROM 【PSV】PlayStation Vitaカード 【3DS】3DSカード 【WiiU】ディスク 【Switch】ゲームカード
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発売元
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スパイク・チュンソフト |
発売日
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【PS3】2013年5月23日 【PSV】2014年2月6日 【PS4】2015年2月19日 【3DS】2016年4月21日 【WiiU】2016年9月15日 【Switch】2019年12月19日
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定価
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パッケージ版/ダウンロード版(全て税別) 【PS3】3,980円/3,143円 【PSV】2,838円/1,905円 【PS4】3,241円/2,315円 【3DS/WiiU】3,800円/2,778円 【Switch】3,800円/3,800円
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レーティング
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CERO:C(15才以上対象) |
プレイ人数
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1~4人(オンラインプレイは1~8人)
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判定
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良作
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ポイント
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PC版『Terraria』を家庭用ゲーム機に移植 家庭用の据置機や携帯機でプレイ可能に PC版には劣るがそれでもボリューム満点
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概要(CS版)
原作であるPC版『Terraria』をスパイク・チュンソフトがCS機に移植したものである。
原作であるPC版は英語のみの対応であったが、移植に際して日本語に翻訳されている。
3DS版を除くCS版は最大8人でマルチプレイを行うことが可能となっているが、PC版とのマルチプレイは不可。
また、PS3/PS4/PSV同士はハードを超えてマルチプレイ可能であるが、3DS/WiiU/Switchは同一プラットフォームによるマルチプレイのみ可能。
同一ハード同士でも日本版と海外版ではマルチプレイや各種通信は不可能となっている。
コンシューマーゲームとしては安価な部類に入り、値段の割にはボリュームも豊富だが、PC版がかなり安値であったこと、CS版の方がPC版と比べて追加要素の実装が遅いことなどCS版ユーザーからは不満が多い。
なお海外では原作のRe-Logicが直接CS機に移植しており、日本語が無いが基本的にPC版と同じ内容を後追いで移植している。
スパイク・チュンソフトがそれに独自仕様と日本語を加えたのがこちらという感じになっている。
PC版との相違点
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チュートリアルモードが追加されている。最序盤のプレイ方法、家の作り方が分かる。
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PS3/PSV/PS4はクロスセーブに対応している。
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PS4版はスマートフォンやタブレットと連携することでスマートフォンやタブレットでミニマップを表示出来るアプリが用意されている。
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またPS4版はズームアウトが使えるため、広範囲を確認しながらプレイ可能。
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PSV/3DS/WiiU/Switchではタッチ操作に対応している。
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また、WiiU版ではゲームパッドのみのプレイに対応している。
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PC版からはかなり遅れているが、発売後にPC版のアップデートに準拠したアップデートが行われている。
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一部、PC版にはいないエネミーやアイテムが存在する。
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マリオやリンクをオマージュした服装は著作権の問題からか削除(余談だが任天堂ハードでも復活はしていない)、代わりにスパイク・チュンソフトの作品からモノクマやシレンの服装が登場。
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レパス、おんしらずタルコル(3DS版のみ)、オクラムというオリジナルのボスが存在する。
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といってもRe-Logicが直接手がけている海外CS版は衣装やボスについては PC版と同一。むしろ任天堂と同じ日本企業のスパイク・チュンソフトだからそちらのネタを遠慮したと見るべきか。
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3DS版ではグロテスクな表現が若干抑え気味になっている。そのため、同じゲームではあるが3DS版のみレーティングがCERO:B(12歳以上対象)となっている。
評価点(CS版)
日本語に対応した
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ストーリーはほとんど無いがアイテムの説明文などが日本語に対応したことで分かりやすくなった。
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元々の文章がそれほど多くないため評価点かは微妙だが、不自然な訳文はあまりない。ただ誤字脱字がないわけではないが。
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ワールド作成時に「コを生やしています」「どうくつのを作成しています」など。
問題点(CS版)
PC版と比較すると劣化点が多い
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本作をCS版単体として見るなら問題のない出来であるが、PC版と比較すると劣化点が多く見えてくる。
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まず、価格である。PC版はSteamで980円であるのに対し、CS版は最も安いPSV版のダウンロード版でさえ税込2,000円強である。
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PC版はSteamのセールで安くなる場合もあり、サマーセールなどの期間であれば50%OFFになることが多い。
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50%OFFとなると、PSV版のソフト1つを買うお金でPC版の4本パック(値段は3本分相当)を買ってもおつりが来るほどの価格差である。
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アップデートがPC版からかなり遅れていた。
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PC版は2020年5月で最終アップデートとして1.4.0が実装されたが、CS版で実装されたのは約2年後の2022年2月17日だった。
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さらにPS4/Switch以外は1.3アップデートが打ち切られてしまっている。すでに古いハードとなってしまっているためやむを得ないといえばやむを得ないのだが…。
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CS版とPC版の間では当然マルチプレイは不可。CS版であってもPS系ハード同士のみがハードを跨いだマルチプレイが可能となっているのみである。
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CS版のみの要素として追加エネミーやアイテムが存在するが、数は多くなく、付加価値とみなしていいかは微妙なところ。
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オクラムはCS版ハードモード限定のボスとして追加されているが、使い回し感があり完全オリジナルとは言いがたい。
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見た目こそオリジナルだが、行動パターンは最初のボスであるクトゥルフのめだまを強化したようなものである。新鮮味に乏しい上、そこまで強敵でもない。
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さらにドロップ品から作れる装備品もそれほど強くないと、報われない。
操作性の悪さ
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PC版がマウス+キーボードでやることを前提として作られているため、これをCS版に対応させるにあたっては操作が複雑なことになっている。
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PS3/PS4のボタンはほぼ全てフルに役割が割り振られている。慣れるまでは混乱することもある。
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落下時にはダメージがある、と述べたが「L1」で利用出来るフックを出し損なって落下ダメージで死亡したり、アイテムを間違って投げ捨ててしまい、回収不能としてしまったりする可能性がある。
PS版の操作性は劣悪。PSV版はボタンの数が少ない分、画面や背面タッチパネルを使用した操作になっているのだが、これが非常にややこしい。表面パネル操作に加えて背面も頻繁にタッチする必要があり、操作には慣れが必要。
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また、PSV版は画面が小さいこともあり、後述どおり大量のアイテムを管理する必要があり、メニュー等ではアイテムが画面上にびっしり表示されるのだが、これが災いして操作が非常に細々としている。PSVのパネル操作の前提は指タッチだが、指でプレイすると頻繁に操作を誤ってしまう程。
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この画面の小ささが牙を剥くのが、最序盤で必要となる家づくり(実際には壁貼り)というのもマイナスポイント。
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そもそもマウス+大画面で行うことを前提に作成されたゲームを、携帯機にまで移植してしまったことが根本的な問題ではある。
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PSVのディスプレイが従来のゲーム機に比べかなり大き目に作られているとは言え、所詮は携帯機の画面であり、タッチとスティックを組み合わせた複雑な操作をするにはあまりにも小さいのである。
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これらによってそもそも、楽しめる以前に操作性で躓くことも十分に考えられる。
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1.24(1.2.3相当)になってから処理落ちに加えてフリーズの後にC2エラー(強制終了)、それに起因するセーブデータの破損が発生するようになった。
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使用できる漢字を減らすなどの軽量化を施した1.25も出たが、効果はあまりない。
マルチプレイのやりにくさ
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マルチプレイではフレンドなら誰でも参加可能なモードの他に、ホストが参加申請を送ったプレイヤーとのみ遊べる招待制のモードの2つがある。
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しかしながら招待はあくまで同一のハード同士でなければ機能せず、PS3のプレイヤーがPSVのプレイヤーを誘う、といったことは出来ない。
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これにより、異なるハード同士では必然的にフレンドなら自由に参加可能なオンラインモードを利用することになってしまう。
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PC版の問題点にもあるが、他者に盗られないチェストが限られていることから、一緒に遊びたいプレイヤー以外が参加してアイテムを持って行かれたり、建築物等を破壊されたりするリスクがある。
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マルチプレイ用のワールドを作れば良い、という話であるが、単純に2人で攻略したい、といった場合に、この仕様はかなり足枷である。
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そもそもパスワード制や承認制のように、ハードが違っても事実上招待制のような遊び方を可能とする方法はあったと思われるのだが…。
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PSV版は、PS3/PS4の画面分割に相当するアドホック通信によるマルチプレイが実装されていない。
総評(CS版)
PC版からの追加要素はそれほど多くないが、忠実にPC版を移植しており、『Terraria』を家庭用ゲーム機で遊べるというのは大きなメリットである。
多少の不具合はあれど移植したことによる問題などはなく、2Dサンドボックスゲームとして、人を選びつつもかなり長く遊べるポテンシャルは健在である。
確かに、PC版からの移植に伴い、値段が増えた、バージョンも遅れている、操作性にも難がある、と惜しい点はいくつも見て取れる。
ただ、これはあくまでPC版と比較したが故の評価であり、本作を1つの家庭用ゲームとして見れば十分良作と言える出来である。
もっとも、PC版をプレイ出来る環境にあるならば、PC版を選ぶ方が無難であることは否めない。
余談
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CS版は、複数プラットフォームで発売されているが、3DS版のみCERO:Bで、他はCERO:Cという珍しい特徴を持っている。
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この理由として、3DSのみ表現の一部が緩和されたものになっているためである。販売元であるスパイク・チュンソフト曰く、多くの人に手にとってもらいやすくするための変更であるとのこと。
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任天堂の公式動画番組「ニャニャニャ! ネコマリオタイム」では3DS版とWiiU版が2回に分けて紹介されたが、WiiU版ではレーティングが上がっているため、本動画で初めて取り上げられたCERO:Cのゲームとなった。
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プレイヤーやNPCがHP0になると死亡という表現がされるが、釣り人を含めたいくつかの子供と思われるNPCのみ逃げたという表現がされる。
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これはおそらく子どもの死亡表現がESRBのレーティング基準で引っかかるためだと思われる。
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本作のスピンオフ作品として『Terraria:Otherworld』が開発されていたが、2018年4月に開発中止が発表された。
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ワールド生成時に特定のシード値を入力することで、『Terraria:Otherworld』のBGMを聴くことができる。
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PC版は2020年5月16日、リリース9周年のタイミングでVer.1.4.0「Jouney's End Update」が実装された。開発陣によってこのアップデートが本作品における最終アップデートであることが述べられていた。
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しかし2021年11月18日、ダークファンタジーサバイバルゲーム「Don't Starve」とのコラボが突然実装された。以後も度々バグの修正や調整を行い、2023年になってもまだ追加アップデートを表明して「終わる終わる詐欺」と言われかねない状態となっている。
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実際、公式は「『テラリア』が売れすぎてなかなか次のプロジェクトに移れない」という感謝と皮肉の両方を示唆したツイートをしている(参照)。
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Googleのクラウドゲーミングデバイス「Stadia」において本作のリリースが予定されており、レーティング審査も通っていたのだが、Re-logicの公式Googleアカウントが契約したGoogleサービスが全てBANされて3週間経っても理由の説明がないという理由でリリースをキャンセルした。