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ロックマン エグゼ4.5 リアルオペレーション - (2019/02/20 (水) 14:12:45) の編集履歴(バックアップ)


ロックマンエグゼ4.5 リアルオペレーション

【ろっくまんえぐぜよんてんご りあるおぺれーしょん】

ジャンル データアクションRPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 64MbitROMカートリッジ
発売・開発元 カプコン
発売日 2004年8月6日
定価 5,040円(税5%込)
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 1個(ストーリーの進行度はナビ別)(バックアップ用フラッシュROM)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
周辺機器 バトルチップゲート対応
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2016年1月13日/702円(税8%込)
判定 なし
ポイント ロックマンを含む総勢21体のナビをオペレート
ストーリー性は他作品に比べて薄い
ロックマンシリーズリンク

概要

ロックマンエグゼシリーズの外伝。タイトル通り『4?』と『5?』の間に発売された。
大きな特徴として、『4』で登場した操作システム「オペレーションバトル」に特化した点と、シリーズ初のロックマン以外のキャラクターも操作できる点が挙げられる。
今までの作品で登場した魅力的な脇役・敵キャラが自分の手でオペレートできるようになったのは大きな魅力だが、その犠牲としてシリーズの他作品に比べ、ストーリー性が大きく薄まってしまっている。

ストーリー

好きなナビを選んでインターネットを駆けめぐろう!!

自分だけのナビをもって、インターネットを探検!

『ロックマン エグゼ4.5 リアルオペレーション』は時計機能を搭載しており、現実と同じ時間の流れにそってゲームを進めます。

好きなナビを選んで自分のスケジュールを管理させながら、インターネットにプラグインしたり、ネットバトルをしてナビとの生活を楽しむことができます。

自分自身がオペレーターとなりネットバトラーとして ナビとコミュニケーションを重ねる事で強くなるだけでなく、オペレーターと秘密を共有したりするナビはまさにパートナーと言える存在になっていきます。

バトルはナビに指示を与えて戦うオペレーションバトル形式。 目標は土日に開催されるオフィシャルトーナメントに出場し、優勝を目指そう!

(公式サイトより転載)

戦闘システム

  • 今までのロックマンエグゼシリーズとは異なり、前述した「オペレーションバトル」を用いた物になっている。システム初登場の『4』では別売りの周辺機器であるバトルチップゲートを接続しなければ使えずおまけ要素の面が強かったが、今作はこのシステムに特化して作られている。
    • ナビの移動はコンピューターにより自動で行われ、プレイヤーはバトルチップのスロットインや基本装備の切り替えといったサポートを担当する。スロットインのやり方も異なり、従来の作品で表示されていたバトルチップの選択画面は存在しない。
    • 画面最下部に表示されている三枚のバトルチップから一つを選択すると、そのチップの攻撃範囲に応じて、ナビが自動で敵キャラの元へと移動してから使用してくれる。敵エリア全体に効果が及ぶチップや、回復・状態変化などのサポートチップは即座に使用する。
      • この移動は瞬間的に行われるため、「移動している間に敵が攻撃不可能な場所に逃げてしまった」という事態は発生しない*1。ただし選択した時点で敵が攻撃不可能な位置に居る場合、あても無く自分のエリアをランダムに飛び回り、一定時間経過後に無理矢理使用して外してしまう。
    • ウイルスや敵のナビからの攻撃も自動で回避してくれる。この性能は中々に高く、余程激しい集中砲火を浴びない限りは軽々とかわしてくれる。
      • ただしナビは前述したチップの選択による移動を優先する為、近距離でしか攻撃できないチップを選択すると、敵の攻撃が迫っていてもナビは突っ込んで行ってしまう。
    • チップの選択以外に、プレイヤーは「基本装備の使用」と「作戦の変更」をナビに指示できる。
      • 基本装備は全ナビ共通のバスター+ナビ固有の武装二つの計三種類。内二種類を予めL・Rボタンに割り当てることで、バトル中任意のタイミングで使用出来る。固有の武装はシールドやチャージバスターといったおなじみのものから、インビジブルやスイコミ・トップウといったバトルチップのように扱えるものまで様々。
      • 「作戦の変更」はバトルの最初に必ず行われ、「どの敵をチップ選択時の標的にするか」「敵との間合いは何マス取るか」を決定する。この二つはバトル中いつでもいつでも変更可能であり、バトルの逃走もここから行う。
    • カスタムゲージの仕様も大幅に変更されており、RPG作品におけるMPに近くなっている。チップを選択する際、そのチップのクラスに応じたコストの分だけカスタムゲージが消費され、不足している場合は選択できない。また逃走に失敗した際も消費される。
      • ゲージの増加自体は従来と同じ時間制であるが、満タンまで溜まってもギガクラスチップが使えるようになるだけで特に意味はない。また基本装備のバスターが敵に命中するたび、若干ながらゲージが増える。
    • ソウルユニゾンやダークチップ、ココロウィンドウなど4で搭載された新システムは、本作ではほとんど削除されている。
      • ただしカウンターは続投しており、成功時に敵が一定時間麻痺するという従来の効果に加え、カスタムゲージが瞬時に最大値まで回復するという効果も追加された。カウンターが取れるタイミングもシリーズの他作品に比べて若干長く、初心者でも積極的に狙っていける物になっている。
    • 別売りのバトルチップゲートを使用してのサポートも可能。ただし接続に通信ケーブルの差し込み口を使う都合上、DSやバーチャルコンソールでは使用不可。

以上のように、ナビを直接操作して戦闘を行う他のエグゼシリーズとは異なり、あくまでもオペレーターの立場からナビを支援する役割に徹しているのがオペレーションバトルの大きな特徴である。

キャラとの交流

  • 本作の目玉は、なんといってもロックマン以外のナビも操作できるという点に尽きる。今までのエグゼシリーズに登場した魅力的な脇役・敵キャラ達が自分の相棒になる。
    • ゲーム開始時に使用可能なナビの一覧が表示され、そこから好きなナビを選んでストーリーを開始する。オフィシャルトーナメントに優勝しエンディングを迎えれば、操作可能なナビが増える。
      • ストーリーの進行度、及び使用フォルダはナビ毎に個別。要はナビの数だけセーブデータが存在しているようなもの。ただしフォルダに組み込んでいないチップは全ナビ共通なので、あるナビのストーリーで手に入れた強力なチップを、別のナビのストーリーで使用するといった事は出来る。
      • 他に、バトルチップゲートによるスロットインを利用することでもナビが増える。これについては後述。
  • ナビ達の本来のオペレーターは登場しないどころか、人間のキャラクターが直接登場することは殆ど無い。舞台も全編に渡り電脳世界であり、プレイヤーのアバターも登場しない。
    • 登場キャラ自体が名無しのモブキャラであることがほとんどであり、回数も数える程しかない。
      • 唯一の例外として、トーナメントの司会・実況にデンサンニュースネットワークの緑川ケロが登場する。ただし彼女の持ちナビであるトードマンは未登場であり、バトルする事も出来ない。またオフィシャルの職員もトーナメントの受付メールや一部ナビの指令メールで顔を出す。
  • 「プレイヤーがナビのオペレーター」である都合上から、各ナビの設定や性格は今までのエグゼシリーズの物とは若干異なっており、本作の世界観はパラレルワールドに近くなっている。
    • 例として、ロールは他作品ではロックマンのことを「ロック」と呼んでいるが、本作では他のナビと同様「ロックマン」と呼び、特に親しい間柄でもない。
    • また、悪役としてロックマンに襲いかかってきたナビ達も、本作では悪事に荷担せず、プレイヤーの相棒としてトーナメントの優勝やインターネット内で起きる事件の解決に向かっていく。そのため本編で見せた凶悪さや非情な面はどのナビにも見られない。 フォルテだけは普通に一般ナビデリートしまくってるけど
+ 使用可能ナビ一覧

最初から使用可能なナビ

  • ロックマン
  • ロール
  • ガッツマン
  • ナンバーマン

オフィシャルトーナメント優勝で使用可能になるナビ

  • ファイアマン
  • ウッドマン
  • ウインドマン
  • サーチマン
  • アクアマン
  • サンダーマン
  • メタルマン
  • ジャンクマン
  • ブルース

バトルチップゲートによるスロットインで使用可能になるナビ

  • スターマン
  • ナパームマン
  • アイスマン
  • エレキマン
  • プラントマン
  • ナイトマン
  • シャドーマン
  • フォルテ
  • シリーズの常連から一作品のみ登場のキャラまで幅広い選別になっている。
  • ナビ毎に属性や基本装備などのステータスが変わり、HPの上限を上げる手段も異なる。中にはプラグイン前にミニゲームの攻略を求めてくるナビや、一日の運勢を占ってくれるナビも存在し、バリエーションは豊か。
  • PETの中では折に触れてナビが話しかけてくる。日常の雑談のような軽い話から、本編では見られなかった意外な一面を知れる物まで様々。
    • 猫耳なのを気にするエレキマン、鎧を脱ぐのを恥ずかしがるナイトマンなど思わずギャップ萌えしてしまうものや、ムーンウォークが得意なメタルマンコレクション好きなジャンクマンといったニヤリとしてしまうものも。
    • また、話の最中にプレイヤーのプロフィールを質問してくることがある。回答は選択肢ではなく文字入力で行われ、以降は設定した情報に基づいた話もしてくるようになる。
      • 例えば友達の名前を聞かれて入力すると、フォルダの改造を行った後に、「新しくなったフォルダで○○(入力した名前)とバトルしよう」などと言われる。
      • プレイヤーとナビの絆が深まる演出だが、個人情報を入力することになるためソフトを手放す際には注意。一応入力を拒否することも可能。
  • 大半のナビは何らかの特殊能力を持っており、インターネット内で道をふさぐ障害物を排除することが可能。一度排除した後は他のナビでプラグインした後も通行できるようになる。
    • 巨大な岩をガッツマンやメタルマンで破壊したり、複雑なセキュリティシステムがかかっているゲートをナンバーマンやブルースで解除したりできる。
    • また、バトルで役立つ特殊能力を持っているナビも多い。宙に浮いているナビは地形の影響を受けず、巨体な体をしているナビは見た目に違わずスーパーアーマーやアンダーシャツを持ち合わせている。

その他ナンバリング作品との違い

  • 電脳世界の移動についてはほぼ変わらない。ただし現実世界が登場しない都合上、プラグイン時は必ず自分のHPから探索を始めることになる。
    • シナリオが進むにつれ目指す地点が遠くなってしまうが、途中で自分のHP内に、特定の場所までショートカットできるワープエリアを設置することが出来る。
  • チップのコード及びレギュラーシステムは廃止。プログラムアドバンスは残っている物の、非常に使い勝手が悪くなっている。
  • グラフィックやドットは『4』のものを流用しているが、それ以前の作品から登場しているナビは、マップ上でのドット絵が『4』のやや小柄な頭身に変更されている。

評価点

  • 前述の通り、ロックマン以外のナビが操作できる点。総勢21体という人数は、エグゼシリーズはおろかロックマンシリーズ全体から見ても一番のボリュームを誇る。
  • 漫画やアニメでの熱斗のような「相棒の戦いを外部から支援する」方向にゲームデザインされており、まるで本物のネットバトルを楽しんでいるかのような臨場感を味わえる。
  • AIが優秀なので、雑魚敵との戦闘なら適当にチップを選択したり基本装備を使わせたりするだけでも楽に勝てる。逃走の手間やリスクも他作品より小さい*2
  • ナビとの交流はエグゼシリーズ随一の面白さ。プロフィールを詳細に設定すれば親密感も増し、まさに自分だけのナビを持つことが出来る。

賛否両論点

  • これだけ大勢のナビが登場していながら、戦闘中は自分で操作することができないというのはやはりもったいない。オペレーションバトルを売りにしている以上仕方のないことではあるが。
  • 戦闘バランスはシリーズの他作品に比べてやや大味。敵からの攻撃はナビが自動で回避してくれるので、こちらが攻撃するタイミングを間違えなければ、勝敗はほぼフォルダ内のチップの強さで決まってしまう。
    • 逆に見ればアクションの苦手な人でも楽に攻略できるという利点になる。難易度もエグゼシリーズの中では低い方であり、他のナビによる周回プレイもそれほど時間が掛かるわけではない。
  • 一部ナビの基本装備が強すぎる。ナパームマンのナパームボム*3、ナイトマンのキングダムC*4など。
  • 特に隠しキャラのフォルテは凄まじく、溜め攻撃のダークネスオーバーロードは範囲が敵エリア三列中左二列、威力100(強化すれば最大130)、ブレイク、対インビジブル、対ユカシタ効果あり。トドメに攻撃した場所はひび割れパネルになるためその後の敵の移動を制限できるというチートぶり。冗談抜きでチップを使わずに最後まで進められる。
    • ただ気になるのであれば使用を控えれば済む話である。これらのナビはバトルチップゲートが無ければ使用可能にならず、ストーリークリアの条件にも含まれていない。
  • 各種トーナメントは毎日開催されているエブリデイトーナメントを除き、開催時期はリアル時間の土日であり、平日の間にエントリーを済ませなければ参加出来ない。また一体のナビにつき一つのトーナメントにしかエントリー出来ない。
    シナリオ上で攻略するトーナメントは三つなので、最速でプレイを進めても三週間以上はかかってしまう。
    • 電源OFFによるリセットは通用するので、敗退してしまいエントリーからやり直しという事態にはならない。土日を待つ間に他のナビでの攻略を進めるのも手。

問題点

  • ストーリーは他のエグゼシリーズに比べて薄い。基本的には「ボスの出現情報がメールで届く→出没地点に向かい、ボスを倒す→プラグアウト後、別のボスの出没情報が届く」の繰り返しである。起伏や面白みはなく淡々と進み、戦闘前後の会話や専用のエリアも無い。
    • ナビによってストーリーが変化するといったことも無い。そもそもプラグイン中はナビが殆ど話さず、無言に近い状態でシナリオが進む。
      • 一応「ボスであるダークロイドは全員何らかの影響により自我を失い暴走しているネットナビであり、会話が可能な状態ではない」という理由はある。しかし戦闘に勝利し正気を取り戻した後であっても、感謝の言葉が述べられることはなく達成感に欠ける。
    • 展開はどのナビでも同じなので、作業感が非常に強くなってしまっている。
    • ハードスペックの都合上、21体ものナビ全員に個別のストーリーを用意するのは無理があり、仕方がない面はある。
    • どのナビで話しかけても齟齬が起きないようにする為か、電脳内にいる他のナビやプログラムくんの話もどこかそっけない物になっている。
  • 高い回避性能を誇るナビ達だが、敵からの突進攻撃に対してだけは無防備。上下1マスに移動すれば簡単に回避できるものを、何故か延々後ろに下がり続けて結局攻撃を食らってしまう。
  • 使用可能なナビのうち、バトルチップゲートのスロットインで使用可能になるナビ8体(上記参照)は、他に使用可能になる条件が無い。その為バトルチップゲートが無ければ操作することはできない。
    • バトルチップゲートを持っていても、対応するナビチップが無ければ操作することはできない。また最初からバトルチップゲートが接続できないDSでも操作(ry
    • 一応現在配信されているVC版では、ナビ選択画面で特定のコマンドを入力することにより使用可能になる。
    • 現在ではバトルチップゲート・ナビチップ共に生産中止しており、入手難易度は高い。またチップの端子部分がむき出しであり、経年劣化や破損等で使用できなくなる恐れもある。
    • それ以外では、PARなどの非公式改造ツールを用いるしか方法がない。
  • 時計機能が搭載されているが、ソフト内に内蔵されているリチウム電池が切れてしまうと、シナリオの攻略進行が不可能になり、時計設定を変えるとトーナメント参加登録が取り消され、所持しているゼニーも失ってしまう。
    • 2016年現在、中古市場で出回っているソフトのほとんどは電池が切れてしまっていると考えた方がよい。どうしてもバトルチップを使いたいのでなければVC版を購入するのが無難。
      • 現在はサポート終了になっている為、自分でカセットを分解し電池を取り替える事も出来る。

総評

「ロックマン以外のナビが使える」という点を売りにした意欲作だが、戦闘システムやストーリーにやや難が見られる惜しい作品。
シリーズの中では評価が分かれる『4』の後に発売された事もあってか、売り上げは余り奮わなかった。
使用可能ナビの人数を抑え、余力をストーリーの差別化やオペレーションバトルのブラッシュアップに回していれば、より多くの好評価が望めただろう。

余談

  • PETの画面で流れるBGMはナビ毎に違うが、本家ロックマンシリーズから登場しているナビのBGMは、原作で攻略するステージの物をアレンジした曲が使われているが、ロールの場合は出典元のキャラクターの都合からか「風よつたえて」が使われている。