ロックマン エグゼ4.5 リアルオペレーション
【ろっくまんえぐぜよんてんご りあるおぺれーしょん】
ジャンル
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データアクションRPG
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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メディア
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64MbitROMカートリッジ
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発売・開発元
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カプコン
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発売日
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2004年8月6日
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定価
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5,040円(税5%込)
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プレイ人数
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1~2人
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セーブデータ
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1個(ストーリーの進行度はナビ別)(バックアップ用フラッシュROM)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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周辺機器
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バトルチップゲート対応
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配信
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バーチャルコンソール 【WiiU】2016年1月13日/702円(税8%込)
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判定
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なし
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ポイント
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ロックマンを含む総勢21体のナビをオペレート ストーリー性は他作品に比べて薄い
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ロックマンシリーズリンク
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概要
ロックマン エグゼシリーズの外伝。タイトル通り『4』と『5』の間に発売された。
大きな特徴として、『4』で登場した操作システム「オペレーションバトル」に特化した点と、シリーズ初の要素としてロックマン以外のキャラクターも操作できる点が挙げられる。
今までの作品で登場した魅力的な脇役・敵キャラが自分の手でオペレートできるようになったのは大きな魅力だが、その犠牲としてシリーズの他作品に比べ、ストーリー性が大きく薄まってしまっている。
ストーリー
好きなナビを選んでインターネットを駆けめぐろう!!
自分だけのナビをもって、インターネットを探検!
『ロックマン エグゼ4.5 リアルオペレーション』は時計機能を搭載しており、現実と同じ時間の流れにそってゲームを進めます。
好きなナビを選んで自分のスケジュールを管理させながら、インターネットにプラグインしたり、ネットバトルをしてナビとの生活を楽しむことができます。
自分自身がオペレーターとなりネットバトラーとして ナビとコミュニケーションを重ねる事で強くなるだけでなく、オペレーターと秘密を共有したりするナビはまさにパートナーと言える存在になっていきます。
バトルはナビに指示を与えて戦うオペレーションバトル形式。
目標は土日に開催されるオフィシャルトーナメントに出場し、優勝を目指そう!
(公式サイトより転載)
特徴
戦闘システム
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従来のロックマン エグゼシリーズとは異なり、『4』で初登場となった「オペレーションバトル」を用いた物になっている。『4』では別売りのバトルチップゲートを接続しなければ使えないおまけ要素だったが、今作はこのシステムに特化して作られている。
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ナビの移動はCPUにより自動で行われ、プレイヤーはバトルチップのスロットインや基本装備の切り替えといったサポートを担当する。
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スロットインのやり方も大きく異なり、カスタム画面が存在しない代わりに、画面の最下部に常時表示されている3枚のバトルチップから1つを選択して使用する。使用したチップは表示から消え、変わって次のチップが空きスロットに入る。
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ナビは自動で移動しているが、チップの使用を指示する事で、攻撃範囲に合わせて自動的に敵の元へと移動してから使用してくれる。この移動は瞬間的に行われる為、「移動している間に敵が範囲外に逃げてしまった」という事態は発生しない。
ただし、選択した時点で敵が攻撃不可能な位置に居る場合、あても無く自分のエリアをランダムに飛び回り、一定時間経過後に無理矢理使用して外してしまう。この時は回避ルーチンも働かない為、地味に大きな隙となる。
また、「敵エリア全体に効果が及ぶチップ」「召喚などの時間停止系の暗転チップ」「回復・状態変化などのサポートチップ」は即座に使用する。
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ウイルスや敵のナビからの攻撃も自動で回避してくれる。この性能は中々に高く、余程激しい集中砲火を浴びない限りは軽々とかわしてくれる。
一方、ナビは前述したチップの選択による移動を優先する為、近距離でしか攻撃できないチップを選択すると、敵の攻撃が迫っていてもナビは突っ込んで行ってしまう。
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チップの選択以外に、プレイヤーは「基本装備の使用」と「作戦の変更」をナビに指示できる。
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基本装備は全ナビ共通のバスター+ナビ固有の武装二つの計三種類。内二種類を予めL・Rボタンに割り当てることで、バトル中任意のタイミングで使用出来る。
固有の武装は「シールド」や「チャージバスター」といったおなじみのものから、「インビジブル」や「スイコミ」「トップウ」といった、本来バトルチップであるものまで様々。
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「作戦の変更」はバトルの最初に必ず行われ、「どの敵を攻撃の標的にするか」「標的との間合いは何マス取るか」を決定する。この二つは十字キーの上と下でバトル中いつでもいつでも変更可能。バトルの逃走もここから行う。
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別売りのバトルチップゲートを使用してのサポートも可能。ただし接続に通信ケーブルの差し込み口を使う都合上、DSやバーチャルコンソールでは使用不可。
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カスタムゲージの仕様も大幅に変更されており、「時間経過で自動的に溜まる」点は同じだが「チップを一枚使うとその分だけ減る」という形で、RPG作品におけるMPや行動ゲージに近くなっている。
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チップ使用時のゲージ消費量はクラスに応じたコストの分だけカスタムゲージが消費され、不足している場合は選択できない。また逃走に失敗した際も消費される。
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ゲージの増加自体は従来と同じ時間制であるが、満タンまで溜まってもギガクラスチップが使えるようになるだけで特に意味はない。
また基本装備のバスターが敵に命中するたび、若干ながらゲージが増える他、「シールド」「インビジブル」等の一部固有武装も、使用時に微量のゲージを消費する。
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ソウルユニゾンやダークチップ、ココロウィンドウなど4で搭載された新システムは、本作ではほとんど削除されている。
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ただしフルシンクロ及びカウンターは続投しており、成功時に敵が一定時間麻痺するという従来の効果に加え、カスタムゲージが大幅に回復するという効果も追加された。
カウンターが取れるタイミングもシリーズの他作品に比べて若干長く、初心者でも積極的に狙っていける物になっている。
以上のように、ナビを直接操作して戦闘を行う他のエグゼシリーズとは異なり、あくまでもオペレーターの立場からナビを支援する役割に徹しているのがオペレーションバトルの大きな特徴である。
ナビとの交流
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本作の目玉は、なんといってもロックマン以外のナビも操作できるという点に尽きる。今までのエグゼシリーズに登場した魅力的な脇役・敵キャラ達が自分の相棒になる。
選出された面々も、シリーズの常連から一作品のみ登場のキャラまで幅が広く、かなりバラエティ色豊か。
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ゲーム開始時に使用可能なナビの一覧が表示され、そこから好きなナビを選んでストーリーを開始する。
当初は「ロックマン」「ロール」「ガッツマン」「ナンバーマン」の4名。王道というか、いかにもな馴染みの面々が揃っている。
しかしオフィシャルトーナメントに優勝しエンディングを迎えれば、操作可能なナビが増加。本編シリーズで火花を散らしたナビも手元に呼び出す事ができるように。
他にも、バトルチップゲートによるスロットインを利用することでも更にナビが増える。これについては後述。
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ストーリーの進行度及び使用フォルダはナビ毎に個別。しかし一々ナビのデータを消さなければいけない訳ではなく、「電源OFF後、『つづきから』を選ぶと再びナビ選択画面に入り、ここで再度ナビを選択できる。
要はナビの数だけセーブデータが存在しているようなものの為、進行イベント等はそれぞれに進める必要はあるが、それまで交流してきたナビとの記録が無くなる訳ではない。
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また、進行度とフォルダそのものはナビ毎だが「フォルダに組み込んでいないチップは全ナビ共通」なので、あるナビのストーリーで手に入れた強力なチップをあえてフォルダから外しておき、別のナビのストーリーで使用するといった事は出来る。
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ナビ達の本来のオペレーターは登場しないどころか、人間のキャラクターが登場すること自体がほぼ無い。舞台も全編に渡りPETか電脳世界であり、プレイヤーのアバターなども登場しない。正しくオペレーター=プレイヤー。
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唯一の例外として、トーナメントの司会・実況にデンサンニュースネットワークの緑川ケロだけ登場する。ただし彼女の持ちナビであるトードマンは未登場。
またオフィシャルの職員もトーナメントの受付メールや一部ナビの指令メールで顔を出す。
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「プレイヤー=ナビのオペレーター」である都合上から、各ナビの設定や性格は今までのエグゼシリーズの物とは若干異なっており、本作の世界観はパラレルワールドに近くなっている。
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例として、ロールは他作品ではロックマンのことを「ロック」と呼んでいるが、本作では他のナビと同様「ロックマン」と呼び、特に親しい間柄でもない。
そのロックマンも取り巻く秘密などの設定も全てオミットされており、あくまでも数あるナビの中の一人にすぎない。
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また、悪役としてロックマンに襲いかかってきたナビ達も、本作では悪事に荷担せず、プレイヤーの相棒としてトーナメントの優勝やインターネット内で起きる事件の解決に向かっていく。
そのため本編で見せた凶悪さや非情な面はどのナビにも見られない。まあフォルテだけはいつも通りというか普通に一般ナビデリートしまくってるけど
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オフィシャルトーナメント優勝で使用可能になるナビ
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ファイアマン
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ウッドマン
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ウインドマン
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サーチマン
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アクアマン
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サンダーマン
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メタルマン
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ジャンクマン
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ブルース
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バトルチップゲートによるスロットインで使用可能になるナビ
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スターマン
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ナパームマン
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アイスマン
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エレキマン
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プラントマン
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ナイトマン
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シャドーマン
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フォルテ
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ナビ毎に属性や基本装備などのステータスが変わり、HPの上限を上げる手段も異なる。
中にはプラグイン前にミニゲームの攻略を求めてくるナビや、一日の運勢を占ってくれるナビも存在し、バリエーションは豊か。
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PETの中では折に触れてナビが話しかけてくる。日常の雑談のような軽い話から、本編では見られなかった意外な一面を知れる物まで様々。
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猫耳なのを気にするエレキマン、鎧を脱ぐのを恥ずかしがるナイトマンなど思わずギャップ萌えしてしまうものや、ムーンウォークが得意なメタルマン、コレクション好きなジャンクマンといったニヤリとしてしまうものも。
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また、話の最中にプレイヤーのプロフィールを質問してくることがある。
回答は選択肢ではなく文字入力で行われ、以降は設定した情報に基づいた話もしてくるようになる。
例えば「友達の名前」を聞かれて入力すると、フォルダの改造を行った後に、「新しくなったフォルダで○○(入力した名前)とバトルしよう」などと言われる。
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ナビがプレイヤーの事を理解していく事で絆の深まりを感じられる演出だが、正直に答えすぎると個人情報を入力することになる為、ソフトを手放す際にはくれぐれも注意。
一応入力を拒否することや、後から変更する事も可能。
なお、この質問に答えた内容についても、各ナビの間で共有されており、ロックマンに聞かれた質問をロールにも聞かれるといった事は無い。
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大半のナビは何らかの特殊能力を持っており、インターネット内で道をふさぐ障害物を排除することが可能。
一度排除した後は他のナビでプラグインした後も通行できるようになる為、強いこだわりが無ければナビを定期的に入れ替えるのも悪くない。
その他ナンバリング作品との違い
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電脳世界での移動についてはほぼ変わらない。
ただし現実世界が登場しない都合上、プラグイン時は必ず自分のHPから探索を始める他、他のオペレーターもいない為、寄り道的に誰かのHPに入ったりすることも無い。
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この為、インターネットの一本道感が初代並みに強くなっており、シナリオが進むにつれ目指す地点が遠くなってしまう。
ただ、途中で自分のHP内に特定の場所までショートカットできるワープエリアを設置出来る。
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チップのコード及びレギュラーシステムも廃止。
カスタムゲージが続く限り、連続してチップを使う事ができるが、初手チップの選別は不可。プログラムアドバンスも残ってはいるものの、本作の特性上、非常に使い勝手が悪くなっている。
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グラフィックやドットは基本的に『4』のものを流用している。
それ以前の作品から登場しているナビは、マップ上でのドット絵が『4』のやや小柄な頭身に変更されている。
評価点
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なんといってもロックマン以外のナビが操作できる点が大きい。総勢21体という人数は、エグゼシリーズはおろかロックマンシリーズ全体から見ても一番のボリュームを誇る。
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ナビ毎に性格も立っており、前述した「ギャップ萌え」の様なものこそあれど、接している中でナビの性格や言動に違和感を覚える事はほとんどない。
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漫画やアニメでの熱斗のような「相棒の戦いを外部から支援する」方向にゲームデザインされており、まるで本物のネットバトルを楽しんでいるかのような臨場感を味わえる。
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AIが優秀なので、雑魚敵との戦闘なら適当にチップを選択したり基本装備を使わせたりするだけでも楽に勝てる。
逃走の手間やリスクも他作品より小さい。
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ナビとの交流はエグゼシリーズ随一の面白さ。プロフィールを詳細に設定すれば親密感も増し、まさに自分だけのナビを持つことが出来る。
賛否両論点
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これだけ大勢のナビが登場していながら、戦闘中は自分で操作できないというのはやはりもったいない。
オペレーションバトルを売りにしている以上仕方のないことではあるが。
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戦闘バランスはシリーズの他作品に比べてやや大味。
敵からの攻撃はナビが自動で回避してくれるので、こちらが攻撃するタイミングを間違えなければ、勝敗はほぼフォルダ内のチップの強さで決まってしまう。
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逆に見ればアクションの苦手な人でも楽に攻略できるという利点になる。
難易度もエグゼシリーズの中では低い方であり、他のナビによる周回プレイもそれほど時間が掛かるわけではない。
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一部ナビの基本装備が強すぎる。
ナパームマンのナパームボム、ナイトマンのキングダムCなど。
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特に隠しナビであるフォルテの性能は凄まじく、冗談抜きでチップを使わずに最後まで進められる。
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ただし、気になるのであれば使用を控えれば済む話である。
これらのナビはバトルチップゲートが無ければ使用可能にならず、ストーリークリアの条件にも含まれていない。
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各種トーナメントは毎日開催されているエブリデイトーナメントを除き、開催時期はリアル時間の土日であり、平日の間にエントリーを済ませなければ参加出来ない。
また一体のナビにつき一つのトーナメントにしかエントリー出来ない。
シナリオ上で攻略するトーナメントは二つなので、最速でプレイを進めても二週間以上はかかってしまう。
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電源OFFによるリセットは通用するので、敗退してしまいエントリーからやり直しという事態にはならない。
土日を待つ間に他のナビでの攻略を進めるのも手。
問題点
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ストーリーは他のエグゼシリーズに比べて薄い。
基本的には「ボスの出現情報がメールで届く→出没地点に向かい、ボスを倒す→プラグアウト後、別のボスの出没情報が届く」の繰り返しである。
起伏や面白みはなく淡々と進み、戦闘前後の会話や専用のエリアも無い。
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ナビによってストーリーが変化するといったことも無い。
そもそもプラグイン中はナビが殆ど話さず、無言に近い状態でシナリオが進む。
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一応「ボスのナビ達は全員何らかの影響により自我を失い暴走しており、会話が可能な状態ではない」という理由はある。
しかし、戦闘に勝利し正気を取り戻した後であっても、感謝の言葉が述べられることはなく達成感に欠ける。
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展開はどのナビでも同じなので、作業感が非常に強くなってしまっている。
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ハードスペックの都合上、21体ものナビ全員に個別のストーリーを用意するのは無理があり、仕方がない面はある。
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どのナビで話しかけても齟齬が起きないようにする為か、電脳内にいる他のナビやプログラムくんの話もどこかそっけない物になっている。
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高い回避性能を誇るナビ達だが、敵からの突進攻撃に対してだけは無防備。
上下1マスに移動すれば簡単に回避できるものを、何故か延々後ろに下がり続けて結局攻撃を食らってしまう。
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また、状態異常によってはナビが勝手にランダムな移動をするようになり、チップも狙って使えなくなるため、これらの状態異常にする敵の危険度も上がっている。
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使用可能なナビのうち、バトルチップゲートのスロットインで使用可能になるナビ8体(上記参照)は、他に使用可能になる条件が無い。その為バトルチップゲートが無ければ操作することはできない。
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バトルチップゲートを持っていても、対応するナビチップが無ければ操作することはできない。
また最初からバトルチップゲートが接続できないDSでも操作(ry
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一応現在配信されているVC版では、ナビ選択画面で特定のコマンドを入力することにより使用可能になる。
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現在ではバトルチップゲート・ナビチップ共に生産中止しており、入手難易度は高い。
またチップの端子部分がむき出しであり、経年劣化や破損等で使用できなくなる恐れもある。
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それ以外では、PARなどの非公式改造ツールを用いるしか方法がない。
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時計機能が搭載されているが、ソフト内に内蔵されているリチウム電池が切れてしまうと、シナリオの攻略進行が不可能になり、時計設定を変えるとトーナメント参加登録が取り消され、所持しているゼニーも失ってしまう。
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2016年現在、中古市場で出回っているソフトのほとんどは電池が切れてしまっていると考えた方がよい。
どうしてもバトルチップを使いたいのでなければVC版を購入するのが無難。
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ただ、そのVC版も据え置き機であるWiiUにしか対応していない謎仕様である。
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現在はサポート終了になっている為、自分でカセットを分解し電池を取り替える事も出来る。
総評
「ロックマン以外のナビが使える」という点を売りにした意欲作だが、戦闘システムやストーリーにやや難が見られる惜しい作品。
シリーズの中では評価が分かれる『4』の後に発売された事もあってか、売り上げは余り奮わなかった。
使用可能ナビの人数を抑え、余力をストーリーの差別化やオペレーションバトルのブラッシュアップに回していれば、より良い評価が望めただろう。
余談
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PETの画面で流れるBGMはナビ毎に異なっており、本家ロックマンシリーズから登場しているナビのBGMは、原作で攻略するステージの物をアレンジした曲が使われている。
ただし、ロールは原作のロールのテーマソングである「風よ伝えて」が使われている。
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ロックマンはロックマンエグゼ1作目のBGMが使われている。
最終更新:2023年08月03日 01:05