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Miitopia - (2019/06/22 (土) 13:48:54) の編集履歴(バックアップ)


Miitopia

【みーとぴあ】

ジャンル みまもりシミュレーション
対応機種 ニンテンドー3DS
発売・開発元 任天堂
発売日 2016年12月8日
定価 4,700円(税別)
判定 なし
ポイント Miiを使ったRPG
ストーリーは王道的
良質かつ拘りを感じるBGM
あくまで「みまもり」主体のゲーム


概要

  • プレイヤー自身やその友人・家族にそっくりなキャラ(通称Mii)を登録し、RPG風の世界を冒険するゲーム。
  • 平和な島「ミートピア」に突如現れた魔王の手によって奪われたMii達の顔を取り戻すことが目的。
  • 公式で「普通のRPGとはちょっと違う」と謳っているが、実際基本はRPGでもプレイヤーのやることは基本的にMii達の戦いを見守ることが主となる。

Miiの配役

  • 登場するMiiは脇役から主要キャラに至るまで、全てがプレイヤー自身の手で好きな人物を選択可能。
    • 友達を仲間にする、先生を魔王にするなど、自由自在。後から変更も勿論可能。
    • また、Mii作成時における追加点として選べる色が大幅に増えた上に各パーツそれぞれ別々に色を設定出来るようになった。
  • 普通に作る以外にも、「トモコレ新生活」「Miitomo(スマホアプリ)」「本体のフレンドリスト」「Miiスタジオ」「インターネット」「QRコード」と、あらゆるソフトから連れてくることができる。いつの間に通信で他のプレイヤーが作成したMiiが出てくることも。
    • なおPTメンバー用のMiiはストーリークリア後、最大で100人まで作ることが出来るようになる。

性格と職業

  • 各Miiには「げんき」「てんねん」「がんこ」「やさしい」「マイペース」「クール」「しんちょう」の7種類の性格を割り当てることができる。各性格にはそれぞれ他にない固有行動があり、ランダムで発動する。
    • 例えば「やさしい」はピンチの味方キャラを庇う、「げんき」は味方キャラを応援してMPを回復するなど。ただし、時にはその性格固有のマイナス効果が発動することも(後述)。
  • 職業は12種類の中から好きな物を選ぶことができる。「戦士」「魔法使い」といったオーソドックスなものもあれば、「戦車」「花」といった珍妙なものも。
    • 初期から選ぶことが出来るのは「戦士」「魔法使い」「僧侶」「盗賊」「アイドル」「料理人」の6種類で残りはストーリーを進めることにより3種類ずつ解放されていく。
      • 転職もストーリーを進めると出来るようになるが、レベルは職業毎の管理となるため、全く新しい職業に転職した場合は1からの上げ直しとなる。なお食事で上げたパラメーターについては引き継がれる。
      • 隠し職業も2種類あり、どちらも手に入れるためには強力な敵と戦う必要がある。

コミカルな行動

  • 各Miiには好感度が設定されており、冒険中に特定の行動を取ることで他のMiiとの好きレベルが上昇する。
    • 仲良くなることによって「好き行動」を取るようになり、他のMiiをサポートしてくれるようになる。
      • 主に与えるダメージや回復量が増える他、戦闘不能となったMiiの敵討ちをすることもあり、仲良くなればなるほどどんどん戦闘を有利に進められるようになる。
      • 戦闘中にも好きレベルが上がることがあり、その場合はお互いの体力が全回復する。
  • しかし、時には他のMiiに嫌われるような行動をとってしまうこともあり、その場合はムカムカ度が上昇する。一定のムカムカ度が溜まり堪忍袋が爆発するとムカムカ行動を取るようになる。
    • 大半のムカムカ行動は仲間の足を引っ張ったり、いらぬ行動をするなどマイナス要素ばかり。解消する条件は基本的に好感度を上げる行動と同じ。
      • 拗ねたり手を抜いたりして与えるダメージが減ってしまう他、相手に気を取られて受けるダメージが増えてしまうなど戦闘が不利になるような行動を取るようになる。
      • その反面相手のターンに割り込み自分も攻撃したり、敵にやつあたり攻撃をして大ダメージを与えたり、Mii同士の大ゲンカに敵を巻き込み大ダメージを与えるなどのメリットもある。

神の力

  • プレイヤーは基本的にMiiの戦いを見守ることが主だが、ピンチのMiiを助けることも可能。
  • 冒険が進むと「ふりかけ」「安全地帯」という能力を得る。任意のタイミングで使用でき、Miiをサポートすることができる。
    • ふりかけの主な使用用途はHP・MPを回復させること。実際に振りかけるように使用することで回復させることができる。使用できる量は限られているが、Miiの顔を助ける(魔物を一定数倒す)毎に増量していく。
    • 後半では1回だけ蘇生できる「命」、通常攻撃しかできなくなる代わりに攻撃力が倍増する「ノリノリ」、どんな攻撃も1回だけ防げる「守り」のふりかけも入手できる。いずれも使うタイミングを見極めればピンチを切り抜けるのに役立つもの揃い。
    • 安全地帯はMiiを後方に下げて休ませることができる。安全地帯にいるMiiは一切の攻撃を受けない・状態異常がすぐ治る・HPとMPが回復するという恩恵を得られるが、一人しか入れることができない上に誰かを入れている間は必然的に戦闘可能キャラが一人減ることにもなるので、おいそれと多用はできない。

宿屋でサポート

  • 本作における宿屋はただの回復スポットではなく、Mii達の冒険の拠点となる場所でもある。
  • 一つの部屋には2人のMiiを入れることができ、同室のMiiは好感度が上昇する。割り当てはいつでも入れ替えが可能。
    • たまに何かしら好感度が上昇するイベントがランダムで発生することも。
    • 部屋の数は五つあるので最大で10人まで宿屋に宿泊させることが出来る。11人目以降のMiiはストーリークリア後に解放される「別荘」に入れられることになり、いつでも宿屋にいるMiiと入れ替え可能。
      • ただし別荘に入れられているMiiには装備や料理を与えることは出来ず、好感度に関するイベントも発生しない。
  • 魔物を倒すとたまに「料理」を落とすことがある。これらの料理はMiiに食べさせることができ、食べた料理によって各種ステータスを上昇させられる。
    • 多くの料理には「並・上・特上」の3種類があり、レアな料理ほど上昇率が高い分ドロップ率は低い。中には戦闘以外のイベントで手に入る物も。
    • 各Miiには好き嫌いがあり、好きな料理だと上昇しやすいが嫌いな料理だと上昇しにくい。このためMiiによってあげやすい・あげにくいパラメーターが異なる。
  • 戦闘によって入手した資金はプレイヤーが管理する。Miiが何かをほしがっている場合、「おこづかい」としてあげる形になる。
    • 新しい武器・服(防具)は基本的にこの手段で入手する。しかし、時々間違えて別の物を買ってくることも……
    • ちなみに装備させた武器や服は性能はそのままに見た目だけを好きなものに変更することが出来る。また、特定の場所で対応しているamiiboを使うことにより特別な服を手に入れることも出来る。
    • また、ストーリーを進めると「カタログ」が使えるようになり、(一部のものを除き)一度手に入れたことのある武器や服をいつでも購入し好きなMiiに与えることが出来るようになる。新しく作ったMiiにいきなり最強の武器や服を装備させることも可能。
      • なお「アイドル」に限り性別によって手に入れられる服が異なるが「カタログ」を使えば異性用の服を着せることも出来る。ただし、あらかじめ着せたい服を手に入れておくことが必要。
  • 冒険中「ゲーム券」というアイテムを入手することがある。このゲーム券は消費することでミニゲームがプレイできる。
    • 「じゃんけん」ではお金を賭けて勝負。勝つ毎に賞金が倍々に増えていくが、負ければ勿論ボッシュート。
    • 「ルーレット」はハズレ無し。武器or服・経験値or料理・旅行券(好感度上昇)・回復アイテム1個のうちどれか一つが必ず手に入る。当選確率は毎回異なり、完全な1/4でないことも多々ある。

評価点

  • Mii達のコミカルな戦い・やり取り
    • 仲間と協力し合ったり、助け合い、時にはケンカをするなど、馬鹿馬鹿しくも思わず微笑んでしまう行動が多い。
    • 新しく今作オリジナルの表情が追加されている他、これまでのMiiには無かった「瞳の動き」が追加されたことにより、よりMiiに愛嬌やキャラクター性が増した。
  • 取っつきやすい難易度
    • ボス戦を除いて、攻略中はいつでも撤退可能。戦闘中の逃走も必ず成功し、全滅によるデメリットもなし。
    • ふりかけや安全地帯の存在があるため、色々とごり押しがきく。そのためクリアまでの難易度は低く、どんなパーティー編成でもほぼ問題なく進行できる。
    • かといって徹頭徹尾ぬるいかと思えばそんなことはなく、中ボス・大ボス系の魔物は序盤から2〜3回連続で攻撃してくるものが多いため、単純にレベルを上げているだけでは全滅寸前に追い詰められやすい。
      • しかしMii同士の仲良し度を上げていれば案外どうにかなることも多く、難易度のバランスはしっかり取れている。
      • また、クリア後にはやりこみ派向けの高難度マップが解放される。これらのマップでは上記のごり押しがほぼ効かなくなる(というより使うことが前提の難易度になる)ため、なかなか歯ごたえのあるプレイが楽しめる。
      • 救済処置としてHP回復アイテムである「バナナ」とMP回復アイテムである「MPアメ」を無限回収することが出来るポイントもしっかりと用意されている。またこのポイントでは運次第にはなるがレアな料理やたくさんの経験値を稼ぐことも出来る。
  • 「トモコレ」に通じるおバカな点
    • どのマップもステージの最後には必ず宿屋がある。火山地帯や氷山はおろか、魔物が巣くうはずの魔王の城の中にすらも。一体誰が経営しているのか?
    • 魔物が落とす料理は例外なく全て調理済み。一体誰が調理しているのか? それだけならまだしも、説明文を読むと色々な意味でヤバそうな料理までチラホラ……
    • 装備品はMiiにおこづかいをあげれば買ってくるのだが、最終的には伝説の装備品まで買ってくる*1。一体どこで買ってくるn(ry
    • Mii同士で行われる会話やイベントも『トモコレ』を彷彿とさせるようなユルいものが多い。が、時にはRPGらしく熱くなったり考えさせられるような深いセリフが登場することも。
  • 魅力的なストーリーとMiiの配役
    • 主要キャラクターは途中で離脱と参戦を繰り返すため、数人のキャラクターだけで話が進むということはない。そのため、育成を一辺倒にすると後々困ることに…
    • 敵やNPCとなる人物は、Miiを決めた後に意外な立ち位置の人物だと発覚することも。
      • 身近な人物をモチーフとしてMiiを決めると、想像の真逆の性格の人物で登場することもあり面白い。
      • 特にラスボスまでの展開はコミカルな道中とは対照的に熱いものがある。
    • 「Miiスタジオ」などと比べるとMii作成の自由度も上がっており、特に髪や眼の色のバリエーションがかなり増えている。それによりアニメやゲームのキャラの再現も容易になった。
  • バラエティに富む良質なBGM
    • 国ごとにマップや戦闘BGMが異なり飽きを感じさせない構成となっている。また、全ての戦闘BGMはふりかけ選択画面やMii達の状態などに応じて細かくテンポや曲調が変化する。特に全てのMiiにノリノリふりかけを使った際のハイテンポっぷりは興奮するMii達のビジュアルも含めてある意味圧巻。
      • ただしこれらのテンポの変化したBGMはあくまで戦闘時限定であり下記のサウンドテストでは聴くことは出来ない。
      • ボス・中ボス戦にも複数の曲が用意されており、特にラスボス戦BGMはこれまでの展開や物語を思い起こさせ気持ちを高ぶらせるようなとても熱く燃えるものとなっている。
    • 一度聴いた曲はいつでもメニュー画面からサウンドテストで聴くことが出来る。また、曲を再生した際上画面にMiiが現れ満面の笑みをこちらに向けながら曲に合わせて踊り出す。
      • ただし曲送りやランダム再生などの機能は無くただひたすらBGMだけを聴きたい場合はやや不便に感じてしまう。
    • ちなみに中断した国によってタイトル画面の背景やBGMも変化する。また、その際に流れる歌声は主人公Mii達のものである。

問題点

  • 性格のバランスが悪い。
    • 具体的には「クール」が強すぎる。確率ではあるが攻撃回避・弱点を突く(通常より大ダメージ)・受け流す(一部の状態異常無効)といったメリットが多い。デメリットはせいぜいピンチの味方を庇わない*2・穴掘りイベント*3を途中で諦めることぐらいしかない。
    • 「がんこ」は味方からの回復を断ることがある*4、「やさしい」は弱った敵を見逃す*5、「マイペース」は味方を盾にするなど、他の性格は何かしら困った個性を持っているため、余計に「クール」の強さが目立つ。
    • とは言え「げんき」は致命的なダメージも耐えることがある、「やさしい」は自分の回復アイテムを味方に分け与えるなど、他の性格にも固有の良い部分があるので、「クール」だけが有用というわけではない。
  • むしろ性格以上にバランスがとれていないのが、この手のゲームでお約束の職業。
    • 特に回復技の回復HPが固定でレベルが上がるにつれて回復技の威力が物足りなくなる上、全体回復技は発動がターン最後で固定で間に合わないことも多く、更に味方のイライラをためる攻撃技の使用頻度が高い「料理人」、素早さが0で固定の上攻撃する度MPを消費し(一部の敵に武器を奪われると反撃できなくなる)更にこちらも味方のイライラをためる攻撃技の使用頻度が高い「戦車」はほぼ地雷と言っていいほど使いづらい。
      • しかし「料理人」は「僧侶」と違い攻撃技も使える(僧侶も使えるが最大レベル50の内33で習得可能な1つのみ)他、僧侶の即死技にアイテム獲得の効果の付いた技の使える職業なため、回復までこなせると「僧侶」の立場がなく差別化のため仕方のないこととも取れる。
      • また前述のように本作の難易度は低めなのでどの職業であってもゲームクリア自体はさほど問題なく可能である。
  • 本作では行動を選べるのは自分のMiiだけで、仲間は必ず自動操作になっている。そのため職業によっては「やってほしい行動をやってくれない」「やってほしくない行動をやる」といったプレイヤーの意に反した行動を取ることがある。
    • 味方のイライラをためる技をランダムで平然と使う、厄介な敵を真っ先に倒したいのに弱った敵を優先して攻撃する、どうでもいい特技ばかり行ってロクに攻撃してくれないなど。ドラクエなどである「作戦」といったものもなく、こういった行動に制限をかけることは一切できない*6
      • これらの問題点・不満点は特にクリア後ダンジョンでの戦闘で感じやすい。しかし元々「見守ること」が主体のゲームなので、ある程度好き勝手に動かれるのは仕方のない部分と言える。
      • ちなみに仲間のMiiは"プレイヤーが全体攻撃を行なった場合は体力が最も減っている敵を狙い、プレイヤーが単体攻撃を行った場合はその敵を優先的に狙う"特徴がある。
      • 攻略の効率を考えるなら戦士や僧侶など技や行動がオーソドックスな職業を味方に任せるほうが安定しやすい。
      • ムカムカ度が溜まることにより発生するケンカ対策として、唯一ムカムカを取り除くワザを持つ「アイドル」を一人パーティに入れておくと安定しやすくなる。ただし「アイドル」がケンカをしてしまった場合、相手から「アイドル」へのムカムカは取り除けても「アイドル」から相手へのムカムカは取り除けないので注意。
      • あえてムカムカ度を溜めやすい職業のみをパーティに入れ人間関係が崩壊していく様子を楽しむのもまた一興?
  • 風邪ハプニングの存在
    • ある程度ストーリーを進めると宿屋に入った際にランダムで「宿泊しているMiiのどれかが風邪を引く」というハプニングイベントが発生するようになるのだが、これがなかなかのクセ者。
    • 風邪を引いてしまったMiiは治るまでの間冒険に出したり料理を食べさせることが出来なくなる。一定量の経験値を稼ぐと治すことが出来る他、風邪を引いているMiiと他のMiiとの好きレベルが上がるとその場で即復帰する。
    • 「デデーン!」という特徴的な効果音と共に勢いよくベッドから起き上がったり、相手のMiiが突然の回復に驚き飛び上がるシーンはなかなかにシュール。
    • 対策・予防法などは特になく、場合によっては同じMiiばかり風邪を引いてしまうことも…。
      • ストーリークリア後であれば「別荘」が避難場所となるが、装備を整えたり冒険に出す際に一々宿屋に呼ぶ手間がかかるためやはり面倒であることに変わりはない。せめてすぐに治すことの出来る「風邪薬」のようなものがあれば良かったのだが…。
  • ミニゲームのうち「じゃんけん」が明らかに不要。
    • ゲームを進めるにつれて入手できる金額も増えてくるが、所詮じゃんけんなので勝率はランダム。安定して稼ぐのには運が絡むため全く不向き。
    • 後半ではむしろ「ルーレット」で強力な装備品を入手し、売却して金に換えた方が効率よく稼げる(売却価格は半額にならず、100Gの物は100Gで売れる)。特に装備品の当選確率が高い時は稼ぐチャンス。これも最終的には運次第だが、リスクを負って運次第のじゃんけんを続けるよりははるかに確実。
      • プレイするにはゲーム券が必要となるが、いざというときの金稼ぎの手段にもなる。

総評

  • 好きなMiiで好きなようにプレイでき、複雑なシステムも撤廃させ誰にでも気軽に遊べるようにした佳作。
    • そのおかげでライト層からの評価は高いものの、より高度なゲーム性を求めるヘビーユーザーからは不満の声がチラホラ見られる。
  • ちょっとした空き時間にゲームを楽しみたいという人や、身近な人物や好きなキャラクターをRPGに登場させてプレイしたいという人にとってはかなり楽しく遊べる作品だろう。

余談

  • 本作が発売されるよりも前に、「好きなMiiで見る Miitopia (ミートピア) 予告編」というDLCが無料で配信された。
    • 全ての登場人物の配役を自由に選べるなど、予告編にしては意外と作り込まれており、一見の価値あり。