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Cuphead - (2019/03/21 (木) 07:16:16) の編集履歴(バックアップ)


Cuphead

【かっぷへっど】

ジャンル アクション
対応機種 Xbox One
Windows 10
Windows/Mac(Steam)
発売・開発元 Studio MDHR
発売日 2017年9月27日
定価 【One/Windows10】2,350円(税込)
【Steam】1,980円(税込)
プレイ人数 1~2人
レーティング ESRB:E10+(10歳以上)
判定 良作
ポイント 1930年代のカートゥーンを再現したアクションゲーム
難易度はかなり高め

概要

カナダ人の兄弟が立ち上げたデベロッパー、Studio MDHRの処女作となるアクションゲーム。
1930年代のカートゥーンアニメを再現するというコンセプトで作られた。
副題は 「Don't Deal with the Devil」


ストーリー

むかしむかし、インクウェル島という魔法の土地に、カップヘッドとマグマンという2人の兄弟及びケトル爺さんが暮らしていた。ある日、2人はケトル爺さんの忠告を破り、悪魔のカジノに入ってしまう。
そこで連勝し、気を良くしているとオーナーである悪魔が現れ、「もし自身との賭けに勝てたらこのカジノの金品は全てくれてやる。ただしお前たちが負けたら魂を頂く」と賭けを持ちかけられる。
金に目が眩んだカップヘッドはサイコロを振ってしまい、賭けに負けてしまう。何か別の方法で支払いができないかと命乞いする2人に悪魔は、「明日の夜12時までにカジノから逃げ出した債務者全員の魂を取り立てろ」と命じた。
悪魔にカジノから追い出された2人は大急ぎでケトル爺さんの元へと向かい、自分たちの命を賭けた大冒険へと旅立つ。

(Wikipediaより引用)


特徴

基本的なシステムは『魂斗羅』や『メタルスラッグ』のような2Dアクションシューティングである。

  • パリィ
    • 本作独自の要素。ジャンプ中にピンク色の敵や弾にタイミングよくジャンプボタンを押すと、敵や弾を消しつつ踏み台ジャンプができ、さらにパワーゲージを一つ溜めることができる。
  • ステージは債務者から魂を取るために戦うボスステージと、雑魚敵を蹴散らしながらゴール地点に向かうRUN&GUNの2種類。
    • ボスステージにもRUN&GUNと同じ形式で戦うアクションタイプと、飛行機に乗って戦うシューティングタイプの2種類がある。
    • RUN&GUNステージでは債務者の魂は手に入らないためゲームクリアには必須ではないが、ショップで使えるコインが配置されており、こちらも攻略すればクリアは当然楽になる。
    • なお、本作はアクションタイプのボスステージの比率がかなり多い。 ボスのライフは戦闘中は表示されず、負けた時にどこまで進んだか表示される。
      • これは開発当初は「ボス戦のみで構成されたゲーム」という企画内容だった事による影響である。
    • 各ステージにはクリアランクが設けられている。ボス・RUN&GUN両方で共通している評価は「クリアタイム」「残HP」「パリィ回数」で、ボスステージでは「パワーゲージ消費数*1」と「難易度」が、RUN&GUNステージでは「コイン獲得数」が評価される。
      • RUN&GUNステージでも難易度評価はあるにはあるが、レギュラー固定なので実質加味されていない。
      • RUN&GUNステージ独自のランクとして、「敵を一体も倒さずにクリアした」証であるP*2ランクが存在する。
      • 難易度によってランクの上限があり、シンプルのランク上限はB+、レギュラーはA+。最高ランクであるSランクを獲得するには一度ゲームをクリアし、最高難度であるエキスパートを解禁する必要がある。
  • アイテム
    • ショップから自機を強化できるアイテムを購入することができる。
    • ショット
      • 指から8方向に撃てる弾を発射する。最大2つまで持っていき、ステージ中に切り替え可能。
      • パワーゲージを一つ消費することでEXショットを放つことができる。
    • チャーム
      • ライフを増やしたり、ダッシュ中無敵になるなど、主に防御面の強化をしてくれる。
    • スーパーアーツ
      • パワーゲージ最大時に使用できる超必殺技も複数用意されており、1つだけ持っていける。
  • コイン
    • 集めることで、ショップで装備アイテムを購入することができる。
    • 基本はRUN&GUNステージで集めるが、NPCがくれたりフィールドに隠されていたりもする。
  • 神殿
    • ピンク色の幽霊をパリィで消し続けるステージ、クリアするとスーパーアーツが手に入る。
  • 難易度はレギュラーとシンプルの2種類。
    • ただし、最終面への挑戦にはレギュラーでの全クリアが必要。
    • ゲームクリア後には新たな難易度エキスパートが追加される。
  • 2人プレイ
    • ローカル2人プレイにも対応。相方が死んだ際に昇っていく霊体にパリィを当てると、ライフ1で復活させることができる。
      • 復活回数に制限はないが、霊体が昇っていく速度は復活する度に速くなる。

評価点

  • 良質な手描きアニメーションで作られたグラフィック
    • 本作のアニメーションは24fpsでぬるぬると動き、背景も水彩画で描かれている。プレイ動画を見ただけではゲームのプレイ動画だとは思えないほど。
    • 敵キャラクターの動きや攻撃方法も機関銃や飛行機などに変身したりと騒がしくコミカル、見てるだけでプレイヤーを楽しませてくれる。
    • 『蒸気船ウィリー』や『ポパイ』のような、昔のカートゥーンアニメのキャラクターをそのまま動かせるのは、他のゲームではまず味わえないだろう。
  • 1930年代のカートゥーンの再現度
    • 所々に有名作品のパロディやオマージュも含まれており、製作者のカートゥーンアニメ愛が伝わってくる。
    • BGMもジャズの生演奏を収録して使っており、より一層カートゥーンアニメらしさを醸し出している。
    • 画面に埃やシミが入り込んでいたり、映写機のノイズ音などが聞こえたりと中々凝った演出も。
    • また条件を満たせばモノクロ画面でプレイすることも可能。パリィ可能な攻撃の見分けがつかなくなるので、高難易度チャレンジの一つとなる。
  • 単体のアクションゲームとして見ても完成度が高い
    • アニメーションのフレームレートは24fpsだがゲームパートはしっかりと60fpsを保っている。
    • コインを使って購入できるアイテムは一長一短で、敵やステージにあった選択が必要。
    • パリィの存在によって被弾のリスクを冒してゲージを溜めるなど、駆け引きが生まれている。
  • ステージの再挑戦時はロードがほぼ無く、負けてもストレスなく再挑戦することができる。

賛否両論点

  • 難易度が高い
    • 本作は基本的にライフの途中回復手段が存在せず、敵や弾幕も複合的に押し寄せてくるので、旧世代さながらの超シビアな難易度が統一して続く。
    • カートゥーンアニメらしく奇想天外なアクションも多い。いきなり膨らんだり、伸びてきたり、高速で突っ込んできたりと、初見では予測不能な敵の攻撃パターンも多い。
    • ボス戦で負けた際、形態ごとに台詞が変わることからもわかるように、本作がトライアンドエラーを繰り返す死に覚えゲーであることは、留意しておいたほうがよいだろう。
      • 本作に残機やゲームオーバーの概念は無く、スピードの速い攻撃は大抵何かしらの予備動作があるため、繰り返し挑戦して覚えていくことが、主な攻略方法となる。
    • ちなみにこの難易度は意図的なもので、「簡単すぎると達成感がない」「本作のみ製作してスタジオ閉鎖の可能性が高かったため、なるべく製作者の意向通りにした」とのことである。
  • 一部のアイテムが突出して強力
    • ダッシュ中無敵になれるスモークボムは最初から購入することができ、ライフが少なく弾幕も多い本作ではかなり有用。また通常ならパリィを利用して跳び越す必要がある突進攻撃も楽に回避することができる。
    • チャージショットもゲージの回収率がよく、威力も高めでボス戦では比較的使いやすい。
      • ただし前述したように、難易度が高いので多少の救済措置にはなる。
  • 全体的にバタ臭い作風
    • これは本作が1930年代のカートゥーンアニメを再現するというコンセプトで作られている以上、当然ではあるのだが人に依ってはこの作風が受け付けられないことも想定できる。

問題点

  • レギュラーでクリアしないとラスボスと戦えずゲームクリアすることができない
    • 一応途中までは先のステージに進むことができるので、シンプルでクリアして、先のステージでコインを集め、装備を購入するなど活用ができる。しかし、難易度についてこれないプレイヤーの為にシンプルでもクリアできるようにして欲しかったところ。
  • 一部のステージでキャラクターや弾幕が手前にあるオブジェクトで隠れてしまう。
  • 神殿をクリアしてしまうと再び遊ぶことができない
    • パリィの練習や実績解除に使えるため、クリア後もプレイできるようにして欲しかった。
  • シューティングステージでは殆どのアイテムが反映されない。
    • ショットは2種類で固定、スーパーアーツも1種のみ、チャームはスモークボムとP.シュガーが使えない。
  • 再戦時のロードは殆どないが、ゲーム開始時やステージ選択時のロードはそこそこ長め。
  • 現時点で日本語には未対応。
    • と言ってもそこまで複雑な話ではなく、サイレント映画のように状況を説明するのに時折英文のカットが入る程度である。

総評

手描きアニメのグラフィックをキャラクターとして動かせるゲームは過去にいくつかあったものの、その中でも本作は破格の出来を誇る。
手応えある高難易度&カートゥーン系という路線は、懐古主義的なマニアックゲーマーに決して損をさせないだろう。


余談

  • 本作の開発は非常に苦労が多く、 発売に至るまで7年、スタッフも資金を得るために自宅を抵当に入れ、開発に集中するために仕事を辞めている。
    • 他社ハードへの移植要望も多いが、表向きはそもそもゲーム制作をしたことをない素人が1から始めたこともあり、他ハードの制作環境のノウハウが皆無なので移植はありえないとしている。
    • 実際のところは開発にあたってMicrosoftからの資金・技術面での支援を受けているため、Microsoft側との契約の都合上行われないという見方が強い。
      • しかし、その後、2019年4月18日にSwitch版が配信されることがStudio MDHRから発表された。Switch版はキャラクター選択、完全アニメ化されたシネマティック、日本語含む10言語へのローカライズ、新しいアニメーションとアート、バグ修正と調整といった多くの追加・変更がされており、既に発売済みのプラットフォームについてもこれらの要素は無料アップデートとして配信されるとのこと。
  • クオリティの高さは売上にも反映され、発売2週間で100万本売れ、3か月後には200万本に到達した。
    • そして発売1周年を前に売上300万本を突破。小規模デベロッパーの処女作としては異例中の異例と言っても過言ではない驚異のスピードである。
  • 2018年6月10日にE3でDLC「The Delicious Last Course」が2019年に配信されることが発表された。