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パルスマン - (2019/04/11 (木) 17:38:28) の編集履歴(バックアップ)


PULSEMAN

【ぱるすまん】

ジャンル アクションゲーム
対応機種 メガドライブ
販売元 セガ
開発元 ゲームフリーク
稼動開始日 1994年7月22日
判定 良作
ポイント ポケモンのマイルストーン的な作品
メガドライブ特有の3大ショックを活用
ゲーム性も高品質
海外では国内より知名度が高い

概要

本作は開発元であるゲームフリークの『ポケットモンスター』が出る前に作られた作品であり、開発スタッフが同じ*1である影響からか、本作はその『ポケットモンスター』への繋がりが多い。

ストーリー

時は1999年、科学者だった鈴平良山は自ら作ったC-Life、サント アンヌに恋を取り憑かれ、その2人との間にパルスマンが誕生した。その16年後の2015年にて「ギャラクシー ギャング」を率いるドク ワルヤマが野望を企んでいた。その野望を阻止するべく、パルスマンはヒーローとして立ち上がり、彼女であるリーチェと共にギャラクシーギャングへ立ち向かった。

特徴

  • 横スクロールのアクションゲーム。様々な仕掛けを駆使してステージをクリアしていく。
  • パルスマンは走るか方向キー2度押しで短い距離を高速移動する「ライトニングダッシュ」を使うとエネルギーを溜め、スパークリング状態になる。この時、Aボタンを押すと斜め上方向へ高速で飛び上がる「ボルテッカー」が発動する。
    • ボルテッカー中は壁や天井で跳ね回り、攻撃が可能。アイテムの「ボルテック・エネルギー」を取得するとステージ終了までスパークリング状態を維持できる。
  • Bボタンで近距離攻撃「パルスラッシュ」。スパークリング状態だと遠距離攻撃の「スラッシュ・アロー」が出せる。
    • 方向キー上を押しながらジャンプすると「バックスピンキック」で攻撃可能。
  • ステージ上にある電線(ワイヤー)に触れたときにAボタンを押すと、ワイヤーに沿って移動できる。近くにワイヤーがあれば乗り換えることも可能。
  • ステージ中に置かれている「IN」と書かれたテレビに入ると電子世界へ行ける。
    • 電子世界ではボスを倒すなどの条件を満たし、「OUT」のテレビに入る(もしくはステージを突破する)ことで現実世界へ戻れる。
  • ライフ+残機制。
    • ライフは画面左上のリストコンピューターの色で表され、青→黄→赤の順で低下していく。ライフが赤い時にダメージを受けると残機が減る。残機がなくなるとクレジットを消費して復帰できる。
    • ライフはステージ中に落ちているライフアップを取得することで1段階回復する。
    • 残機は「1UPを取得する」、「スパークボールを10個集める」、「スコアが5万、10万、15万点に達する」と増える。
      • コンティニューはあるが、そのコンティニュー自体は5回限りで残機と異なって増やす方法が無い。

評価点

メガドライブ特有の3大ショックを活用した内容

  • メガドライブ特有の"SPEED SHOCK"、"SOUND SHOCK"と"VISUAL SHOCK"が活用されている。
    • 背景にカラフルでデジタルな雰囲気を出しており、当時にしてはとても高品質なビジュアルを表現していた。
    • BGMは増田順一が担当しており、どれらも良曲揃い。特にStage 1の「NEO TOKYO」、Stage 2の「STEREO PROTECT」等のBGMは評価が高い。
    • SPEED SHOCKの部分も活発的に活用しており、特にパルスマンのボルテッカーを活用する事でゲームの進行もとても良くなる。
      • 但し一部の場面では演出の重さによる処理落ちを発生する事がある。

斬新なゲーム性

  • 本作のコンセプトが「赤いソニック」だからか、そのゲーム性も元ネタの「ソニック ザ ヘッジホッグ」に劣らない程高品質である。
    • パルスマンの攻撃法が複数ある上、醍醐味であるボルテッカーを様々な場面にて不可欠になる程、演出だけではなく上記の"SPEED SHOCK"を活用している。

賛否両論点

処置落ちに関して

  • 頻繁程ではないが、一部の場面では演出等による処置落ちが起きる。高難易度(特にステージ6)なステージになるとそれを使う攻略法がある為、本作の処理落ちに関してはそこまで悪く言えない。

ステージが長い

  • ステージ数が7つ+ラスボス戦である代わりにステージ自体が長い。チェックポイントが多いのが幸いだが、悪く言えば1つのステージをクリアするのに約数十分もかかる。
    • ちなみにステージ5は迷路場面がある為、暗記をしない限りはその場面だけで攻略時間が一番長くなる。

眩しさによる目に厳しいデザイン

  • 例としてSTAGE 3のカジノステージでは非常にカラフルなデザインになっており、良く言えば上記の"VISUAL SHOCK"のアピールとも言えるが、悪く言えばカラフルしすぎて目に厳しいデザインになっている。

問題点

一部の場面が厳しい

  • 以下の場面がこの問題点の例として挙げられる。
    • Stage 4のボスであるT.M.Nは形態が4つある上、ライフが非常に高い為、攻撃が当たっているかどうかすら怪しく感じる。
    • Stage 5のボスであるヴェールはボルテッカーで激突しながらヴェールに攻撃するという初見殺しな倒し方がある。
    • Stage 6の水中ステージでは下に来る棘物体が分からない上、記憶をしなければ何度もミスしやすい。
    • Stage 7のシューティングステージでは強制スクロールである上、隕石や落とし穴等が多くなっている。

総評

同社の『ポケットモンスター』に隠れがちだが、いざやってみると評価できる部分が多い作品になっており、ゲーム性も良い出来になっている。
現在はWii バーチャルコンソール*2が終了した上、本ソフトにもプレミア値が付いているのだが、本作はかなりおすすめできる作品になっており、持参していれば是非やってみるのはいかがだろうか。


余談

  • 本作のBGMをリミックスしたアルバムにStereotype*3の「Electrace Pulseman Stereotype」とFrogman Recordsの「PULSEMAN」の2枚があり、それとは別にMijk Van Djikの「Gamer’s Night」という楽曲がある*4
    • 後者のアルバムは国内外からのテクノミュージシャンが参戦している為、本作の海外での人気ぷりが伺えられる。
  • 本作の25周年を記念し、本作のデザインを担当した杉森建本人が主人公であるパルスマンのイラストを描く企画がGame Freakの公式YouTubeチャンネルにて第1弾として開催された。そのイラストが後に応募プレゼントとして1名様に配られた。
    • 本人曰く、本作のパルスマンがお気に入りであるとの事。
  • 開発スタッフが同じためか、本作は後の『ポケットモンスター』へと繋がっている部分が多い。
    • 例としてパルスマンのボルテッカーは『エメラルド』以降のピカチュウ系統の専用技、サントアンヌは豪華客船の名前に引用されたり、更に本作に登場する梨沙 ハットフィールドも劇場版ポケットモンスターにてカメオ出演を果たしている。
      • 特に『スマブラ』版のボルテッカーの演出はSEGAからのゲストキャラもいる縁か青い稲妻のエフェクト・球体状になったキャラクターを操作するという本作のボルテッカーに酷似した物となっている。
    • また、パルスマンが現実世界と電脳世界を自由に行き来できるという設定は小説版ポケモンにて語られた全てのポケモンは自己電気信号化能力「携通力(携帯獣通信能力の略称。あるいはポケコムとも)」を持ち、現実世界と通信ネットワークを行き来できるという設定と似ており、
      パルスマンを思わせる設定である*5
  • 本作にはステージセレクトの裏技が存在するが、その正確なやり方が不明。しかも遊んでいる機種によっては対応していない事がある。
    + ...
  • ゲームセンターCX(本作が取り上げられた第148回)では「SEGAロゴが出る間に1PコントローラーのボタンをABCCBAの順に押す」と説明している。
  • 裏技大技林(2011年発行)では「リセットボタンを押しながら2PのコントローラーのボタンをABCCBAの順に押す」と表記されている。