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謎の村雨城 - (2019/11/01 (金) 23:25:30) のソース

*謎の村雨城
【なぞのむらさめじょう】
|ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B00F4Q1NNI)&amazon(B0002M2U8G)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ ディスクシステム|~|
|発売・開発元|任天堂|~|
|発売日|1986年4月14日|~|
|定価|2,600円(データ書き換え:500円)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2008年8月19日/500Wiiポイント&br;【3DS】2013年7月3日/500円&br;【Wii U】 2014年7月30日/514円|~|
|備考|GBA『[[ファミコンミニシリーズ]]』第三弾(2004年8月10日発売)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|ゼルダに似ているようで似ていない&br;出来は純粋に良くも悪くもない&br;BGMは名曲|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
ファミコンのROM容量の頭打ちと価格高騰に頭を悩ませていた任天堂が打った起死回生の一手が、安価かつデータ書き換え可能なメディアを持つ拡張システム「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」(以下ディスクシステム)であった。~
本作『謎の村雨城』はこの新ハードの発表と同時に発表され『[[ゼルダの伝説]]』とともにゲーム誌の紙面を飾り、しかも前人気はゼルダよりこちらの方が上だったが、結局ディスクシステムのロンチタイトルにはならなかった。一説には「任天堂が商品として売り出せるレベルに達していないと判断し、発売を見送ったため」とされている。~
しかし前人気が高かったことから商品化要望が任天堂に殺到、その結果遅れて販売されることとなったという経緯を持つ。

『ゼルダの伝説』がアクションRPG的な要素を持つファンタジー作品であるのに対し、本作は時代劇をモチーフとした純然たるアクションゲームである。

**ストーリー
>江戸四代将軍、徳川家綱の時代。多くの謎に包まれた「村雨城」には巨大な石像「ムラサメ」が祀られていた。~
ある嵐の夜、天上を引き裂くような雷鳴と共に、流星のような物体が村雨城に落ちた。~
それ以来、村雨城から異様な叫び声がするようになり、その噂は瞬く間に広まった。~
「ムラサメ」に棲み着いた正体不明の生命体は村雨城以外の4つの城の城主を謎の力で支配し、~
城主たちは忍軍を操って暴れ始めた。~
城主反乱と「ムラサメ」の噂に事の重大さを感じた幕府は、城下の平定と噂の真偽を確かめるべく、剣法指南役の青年剣士、鷹丸を密かにその城下に送り込むのであった。~
(取扱説明書より要約)

**特徴
-主人公「鷹丸」を操り、全9ステージを戦い抜くアクションゲームである。
--見下ろし視点型である点や画面の端に達するとスクロールするという点では同時期の『ゼルダの伝説』に近いが、『ゼルダ』が謎解きとアイテムの使いこなしを重視してるのに対し、こちらはアクション重視の作りである。
--ステージは順に青雨城、赤雨城、緑雨城、桃雨城、村雨城の5つの城で構成されており、村雨城以外の4つの城は道中ステージと城内ステージとに分かれている。これら4つの城の道中ステージではゴールに到達すればステージクリアとなり、城内ステージではボスを倒して出現する玉を取得すればステージクリアとなる。
--最終ステージである村雨城の最奥に潜むラスボスを倒せばゲームクリアとなるが、エンディングの後、2周目、3周目…と続いていく。

-ゲーム開始時にセーブデータを作成すると、ゲームオーバーになったときに進行状況やハイスコアをセーブすることができる。再開時は各ステージの最初からとなる。
--セーブデータを作成せずにゲームを始めることもできるが、その場合だと進行状況やハイスコアは記録されない。

-道中や城内には飛び道具や必殺技が入っている狸の置物や強化アイテムが入っている玉手箱があり、これらを入手するとパワーアップできる。
--玉手箱と必殺技が入っている狸の置物は画面内に出ておらず、特定の場所を通過するか刀で斬るかで出現する。このため、アイテムの位置を覚えておくことが攻略上重要なポイントである。

-Aボタンで攻撃。武器は刀と飛び道具で、敵や敵弾との距離に応じてこの2つを使い分ける。Bボタンで必殺技を発動させることもできる。
--刀はリーチは短いが使用制限はなく、敵の飛び道具の一部を弾き返すことができる。ザコ敵はほぼ一撃で倒せるが、ボスには通用しない。
--飛び道具は小柄、風車剣、火炎の3種類で、風車剣と火炎には使用回数制限がある。敵を倒したときに出てくることがある白い巻物を取ると使用回数が10増える(255が上限)。
---小柄はリーチが長いが、威力が最も低い。風車剣か火炎を手に入れたら自動的にそちらに切り替わる。
---風車剣は威力は低いがリーチは長いので、ザコ相手に便利。
---火炎はリーチが短い代わりに威力が高いので、ボス戦で活躍する。
--必殺技は2種類あり、短い時間だが姿をくらませる「透明の術」と画面全体攻撃の「イナズマの術」がある。それぞれ3回まで使用可能。
---透明の術で見えない間はダメージを受けないが、飛び道具が使えなくなるというデメリットもある。
---イナズマの術は画面内に隠されたアイテムを出現させることもできる。

-玉手箱に入っている強化アイテムは次の通り。

#region(強化アイテム一覧)

--赤いわらじ(忍法早足の術):移動速度が上がる。
--青いわらじ(忍法水ぐもの術):水の中に入っても移動速度が落ちなくなる。また、入ると数秒間動けなくなる赤い沼の効果を無効にする。
--白い羽矢(忍法羽矢の術):飛び道具を投げる速さが上がる。
--赤青の羽矢(忍法四連射の術):飛び道具を最大4発まで連射できる。
--将棋の飛車(忍法飛車筋連射の術):飛び道具を前後左右に同時に放てる。
--将棋の角(忍法角筋連射の術):飛び道具を前3方向に放てる。
--将棋の王(忍法三連の術):飛び道具を3つ束ねた状態で前方に放てる。
---赤青の羽矢、飛車、角、王は同時に使うことはできない。
--青いかぶと(忍法無敵の術):一定時間無敵になる。
--白い印籠(忍法復活の術):力(ライフ)が全快する。
--赤い印籠(忍法分身の術):1UP。道中の最後のボーナスステージで狸の置物の中に入っている。

#endregion()

-難易度はやや高め。
--大量に襲来する敵忍者、鷹丸に向かって飛んでくる手裏剣などの飛び道具、ギリギリまで近づき、刀を振りかぶった隙に攻撃しないと倒せない侍、独特で強力な攻撃を行うボスなど歯ごたえは十分。

**問題点
-ゲームバランスが若干悪い
--鷹丸は4方向にしか動けないのだが、敵は自在に動き回る上に四方八方から飛び道具を放ってくる。また、敵の動きも早く攻撃の密度も高い。敵の動きや出現位置、アイテムの場所を覚えれば十分に対策は立てられるのがまだ救いか。
--本作は「ライフ制&残機制」だが、ライフ回復アイテムこそあれ最大ライフ上昇アイテムが無い。さらにミスした後もその場復活で、((ただし、時間切れでミスになった場合はそのステージの最初からやり直し。))必殺技以外のアイテムが初期化される。そのため、ミスした後のリカバリーのために来た道を戻ることを強いられる場合もある。

**評価点
-グラフィックはそれなりに良く、FCのソフトにしては十分多彩かつ、綺麗である。

-BGMも好評。曲数こそ少ないが名曲ぞろい。
--のちのスマブラXにて原曲のまま使用されていることからも、そのレベルの高さが分かる。中でも「道中BGM」は評価が高く、アレンジVer.がいくつか投稿されている。

**総評
ゲーム自体の出来は普通なのだが、この作品ならではの独自要素があまりないため、『ゼルダの伝説』や『[[スーパーマリオブラザーズ2]]』『[[メトロイド]]』といったヒットタイトルに隠れてしまい、その後の続編展開がなかったことも相まって、当時の任天堂の作品群の中でもマイナーな地位にとどまっている。

一方、シンプルながらも歯ごたえのある難易度でそれなりに遊べる作品であり、時代劇を舞台とした世界観や軽快な音楽も個性的で味わい深い。~
ややバランスは悪いが、歯ごたえあるアクションゲームを好む人にはおススメできる作品である。

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**余談
-無敵技が存在するが、その条件は「鷹丸の残機を100機以上にする」こと。正直そんな芸当が可能なプレイヤーには無敵技など不要である。((理論上、1周する間に増やせる残機は最大18なので、ノーミスクリア前提としても100機に到達できるのは6周目以降。))
//1周につき、道中面クリア後のボーナスステージで最大8機、城内面で姫を救出したときに最大10機。

-説明書の中にラスボスの弱点を示すモールス信号を元にした暗号が載っているが、実は初期版には誤植があり正確には解読できない。ただしこの内容が分からなくても普通に攻略できるので問題はない。


-評価、知名度は今ひとつなのだが、なぜか1986年にドラマ化されている。

-週刊少年ジャンプで「謎の村雨くん」という漫画が連載されていたが、本作とは関係ない。

-双葉文庫から「謎の村雨城 不思議時代の旅」という名のゲームブックが発売された。ただし、主人公は鷹丸ではなくオリジナルキャラ(現代の高校生)である。

-本作そのものは表舞台に出る機会が少なかったゲームだが、近年では日の目を見る場所が増えてきている。具体的には…
--Wii・3DS・WiiUのVC(バーチャルコンソール)で配信された。海外でも3DS版が配信されている。
--様々なゲームに鷹丸やBGMが登場する。

#region(登場作品紹介)
|''機種''|''タイトル''|''概要''|
|GC|ドンキーコンガ3 食べ放題!春もぎたて50曲♪|BGMとして本作が登場。|
|GC/Wii|[[ピクミン2]]|お宝アイテムとして本作のディスクカードが登場((ピクミン2のお宝アイテムの一部は、パナソニックや食品メーカー数社の実在の商品や、任天堂の昔の商品が登場している。))。|
|GBA|[[ファミコンミニシリーズ]]|GBAのファミコンソフト復刻版シリーズ。第三弾タイトルの一作。|
|Wii|[[大乱闘スマッシュブラザーズX]]|本作BGMが収録されている。|
|~|[[キャプテン★レインボー]]|任天堂のマイナーキャラが集まるゲーム。鷹丸本人が登場。|
|~|[[戦国無双3]]|任天堂公認コラボ。3Dアクションシステムで鷹丸を操作し、謎の村雨城を攻略していくモードが収録されている。|
|WiiU|[[Nintendo Land]]|本作をモチーフにした『鷹丸の手裏剣道場』というミニゲームが収録。((あれ? 鷹丸さん、作中で使ってた武器は十字手裏剣じゃなくて小柄と風車剣だったような…?))|
|3DS/WiiU|[[大乱闘スマッシュブラザーズ&br;for Nintendo 3DS / Wii U>大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]|アシストフィギュアとして鷹丸が登場、CVは杉田智和氏。BGMも「謎の村雨城メドレー」としてアレンジされている。編曲はZUNTATAの土屋昇平氏。|
|Switch|[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]|~|
|Switch|[[スーパーマリオメーカー 2]]|オトアソビの仕掛けの1つとして、道中面の音楽と共に鷹丸と青忍者が出現する。|
#endregion