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イースVI -ナピシュテムの匣- - (2017/09/10 (日) 03:21:15) のソース

//[[移転議論スレ>http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/51440/1356145191/]]にて良作移転提案が出され、分類について検討中。~
//初回開始日:13/5/3~13/5/10(継続)
//作品単体としての意見募集のため、延期とさせていただきます。
//議論は途中でフェードアウトしてしまった様子。ログは残っているので、議論を引き継ぎたい人は上記スレを読んでみてください。
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*イースVI -ナピシュテムの匣-
【いーすしっくすなぴしゅてむのはこ】
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B004C3Q7O4)|
|対応機種|Windows 98~8|~|
|メディア|CD-ROM2枚組&DVD-ROM1枚|~|
|発売・開発元|日本ファルコム|~|
|発売日|初回限定版:2003年9月27日&br;通常版:2003年12月19日&br;Vista対応版:2007年3月29日&br;7対応版:2010年12月16日&br;8対応版:2013年3月22日|~|
|判定|なし|~|
|>|>|CENTER:''[[イースシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/444.html]]''|
#contents(fromhere)
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**概要
-SFCの『失われし砂の都ケフィン』から実に8年ぶりに発売された新作。
-本作をきっかけとして、以降のリメイクは『I・II』を除いて全て3Dリメイクとなる。
-キャッチフレーズは「『伝わる優しさ』、広がる『冒険心』」

**特徴と新要素
-エメラス剣
--序盤は普通の剣だが、その後はエメラス剣と呼ばれる三種類の剣をストーリー中で入手していき使う。これまでのイースは全て店で購入したり宝箱からより強い武器を入手したが、本作ではエメルと呼ばれる鉱石を使って工房で強化してもらう。強化が進むと剣魔法を使えるようになったり、剣魔法のゲージが時間で貯まるようになる。
-ダッシュ要素
--移動中に攻撃やジャンプのアクションを混ぜることにより、より遠くへ移動することが可能。
-クォータービュー化
--全てのマップが3Dとなり、攻略およびアクション要素を深めることになる。とはいうもののフル3Dではなく、一部奥行きがある程度で、次作の『フェルガナの誓い』で更に洗練されていく。
-アクション性のアップ
--『V』のアクションを進化させ、複数回の攻撃が可能となったため、爽快なアクションが可能となった。3Dをフル活用したマップは、今後リリースされる全てのイース作品の基盤となる。
-画像の進化
--Windowsの性能をフルに活かした美麗なインターフェースは、かつてのイースと一線を画すほどのクオリティをほこる。
--フルCGで描かれたマップは当時の水準でいえば平均以上。滑らかに靡く海等のリアルな造形は、ファルコム技術さまさま。
-イベントシーンのADV形式の採用
--より臨場感が向上。このスタイルも、後続作品のお決まりとなった。
-やり込み要素
--隠しボスが登場。ノーヒントで見つけるのはそれなりに困難な場所に居るが、登場地形も大きさもその辺のザコと思うような雰囲気であるにもかかわらず、ラスボスを遥かに凌駕する能力であり、初見のプレイヤーを恐怖のどん底に叩き落とした。

**評価点
-BGMのクオリティ
--「イントロで違いがわかるくらい、一曲ごとに変化をつけ、似た曲を作らない」((サントラのライナーノーツより。))ということから、これまでのイースよりも曲のジャンルが多種多様。~
相も変わらず曲の評価は高い。前作のOPがしっとりした落ち着きあるものだったのに対し、本作は歴代最高レベルのハイテンションな楽曲とし、イースシリーズ再興を予期させる((販促PVのキャッチフレーズが「あの赤毛の勇者が帰ってきた!」となっていたため、尚更その傾向を感じられる。))印象深いものになっている。~
中ボス戦の曲である「&bold(){Mighty Obstacle}」の人気は異常なほど高く、戦闘BGMが販促PVで使用されたのは&bold(){本作が最初で最後}である。~
また、ラスボス戦にはZUNTATAのような拍子を組み込むなど、サウンドはシリーズ一個性が強いといえる。 
-ファンサービスが盛りだくさん
--前作との地続きなのか、5に登場したヒロインであるテラが成長した姿で再登板し、旧来ファンを喜ばせた。扱いもヒロインのそれと同様で、2作連続でヒロイン続投したのはフィーナに続いて2人目。また1に登場したあるキャラも再登場する。
--多くのセリフにイースの設定や地名がふんだんに盛りこまれているためファンをにやりとさせる場面が多い。
-個性的なボス勢
--3Dを活かした独特なモンスターも登場。特に際立つのは、ボスの本体が奥にあるため、ボスが吐き出した弾を打ち返してダメージを与えるのがメインになるというもの。ファンの間では「&bold(){バッティングセンター}」と称されている。

**問題点
-ストーリーがイマイチ
--旧作キャラの登場などファンにとってはうれしい要素が多いが、ストーリー自体はあまり完成度が高くない。
#region(ネタバレ注意)
--特に新キャラのガッシュはアドルに戦いを挑むなどミステリアスな登場をした割に、アドルなどの他人に対して「この件に関わるな」だけで終盤になるまで詳しいことを何も語らないまま、ラストダンジョンに向かうアドルの前に唐突に現れて強引に便乗したうえ、一人先走ったまま返り討ちにあっている等、ただの印象の悪いキャラのまま終わる。
//存在意義や作中での役割が微妙な存在である。
--ストーリー中で欲深な商人たちが「大渦を止めようとする」行為が一部のキャラ(ラーバ、ガッシュ)に非難されるが、漂流者である彼らが大渦を止める外界への帰還を望むのは自然なこと。ラーバがその行為に難色を示す必要性がない。この面で過去作から登場したキャラであるラーバの印象を悪くしてはいないだろうか?という疑問が出る。
//自然なこともわかるが、ラーバの「慎重に」という言葉を無視してガッシュの貼った符を「我が物顔で」とまで言えば、ラーバが非難するのも無理はないと思いますが。家を建てるために遺跡を壊してたのは誰だったかと。
---ガッシュはそれまでの行動からプレイヤーにとっては「隠しごとをしてる癖にたびたび絡んでくる」という悪い印象しかないために、彼に非難されようが理不尽な言動として流せるのだが。
---大事なシーンになるほど、アドルが蚊帳の外におかれて空気になりがち
---最後に戦う人間も動機が理解不能な上に、死に際に突然改心する。まさにわけがわからない。~
一応[[後続の作品>イース セルセタの樹海]](時系列では本作より前だが)でそれっぽいフォロー(というか後付だが)はされてはいる。
//タグはつけたが一応詳細は伏せ。
#endregion

-アクション部分が大味
--ボスによっては正攻法の攻略法が非常にわかりにくい。空を飛ぶボス敵「ゾンプラス」は攻撃が効くタイミング(主人公アドルのジャンプの高さが大事?)がわかりにくく、中盤のボスで大きな二本の腕が特徴の「オージュガン」は本体が奥にあって通常の剣攻撃は届かない。本来は敵の弾を跳ね返して攻撃するのが攻略方法だが、を炎の剣をゲージが自動で貯まるレベルまで強化してあれば遠距離に伸びる炎の剣魔法でも倒せる。レベル的にもちょうど良くそちらの方法しか気づかなかったユーザーもいる。
--『イース』『イースII』といった初期作品にくらべれば大きく改善されてはいるが、相変わらずレベルと装備に極端に依存する戦闘バランスになっているため、レベルや装備強化が適正値に到達してないと全然ダメージが通らないことが起こる。つまり攻略適正レベルとのレベル差をヒット&アウェイを徹底することによって覆すといった楽しみが軽視された仕様になっている。
--また新要素のエメラス剣は強化による性能アップが急激なため、後半にもなると剣魔法・必殺技を乱発していればよいという大味なゲームになりがち。
//-三本あるエメラス剣が使いにくい
//--新要素のエメラス剣は三本バラバラに鍛えなければならないので費用がかさむ割に、使い分ける必要性は薄い。←プレイした上で攻略サイトを多く見ているが使いわけが推奨。そもそも使い勝手が大きく異なる。バラバラに鍛えるのは自然であり、入手時期が違うものを一括パワーアップにされたらそれこそ問題点である。また仮にストーリーを変更して入手時期を同じ設定にしてもバラバラに鍛えられる方が自由度が高いので良い。
//--必殺技の性能だけでいえばブリランテだけが強すぎて、他の二本は使う必要がないなど、エメラス剣同士のバランスも悪い。←剣魔法ならブリランテだが必殺技は他二本もいいような
//-イースシリーズの負の面
//--もともと次への誘導や導線が適当なシリーズの作品なので、今作でもその手の誘導はわかりにくい。ヒントをくれる住民もいるにはいるが、不徹底なので中途半端である。←主観多め
-落し物
--モンスターを倒すとアイテムやエメルを落とすが、これがやたら散らばる((例で言えば、『聖剣伝説 Legend of Mana』の経験値クリスタルのようなもの。これと違って本作は高低の問題があるため、余計面倒。))ため、即座に入手できない。更に高所から落下した日には、イライラも募る。
//-移動が面倒
//--本作は瞬間移動のアイテムがないためすべてのマップフロアをいちいち走って移動することになる。←羽でダンジョン脱出できますが そもそも広いマップが少ない←勘違いして失礼しました。
-ダッシュジャンプの操作性が悪い。
--攻略に必要だというのに、操作が難解で使いにくい。そのためボスのゾンプラスを筆頭に空中の敵にげんなりすることがことが多い。

**賛否両論点
-難易度曲線が大雑把
--今作のラスボスは単純かつ確定したルーチンを持つため、パターンを把握すればノーダメージ撃破が容易なほど弱い。
--しかしその直前のバトルは、そこまでと比べて極端に難しくなっていただけに、悪い印象に残りがち。
-画像とムービー
--画像はきれいになったが、それでも当時の並より上ぐらい。そのためOPや要所要所で流れるCGによるムービーの評判も微妙。当時の水準で見れば及第点といえるクオリティではあるのだが。
-ファンサービスが豊富なぶん、新規ファンにはわかりにくいセリフ回しもやシーンも増えている。
//-街と街を一気に移動したり、別のダンジョンへ移るワープアイテムがないので移動がたるい←個人的じゃないですかね イース6はフィールドもかなり狭い方だし、街間移動できるアクションRPGはかなり少ないと思いますよ 著名なゼルダの伝説シリーズやキングスフィールドシリーズなどみんな特殊な例を除いてできません。←うーん個人的かなあ。後続のフェルガナやイース7ではワープできるようになってるわけですし、私一人だけが感じた問題点というわけではないのでは?←気持ちはわからなくもないが、ワープが追加された後続作品を引き合いに出すのは少々筋違いでは?むしろ今作の不満点を後続作品に生かしたと考えます
//--後続作品では追加
-龍神兵の登場
--本作から有翼人の設定が盛り込まれたたため、後続作品において外せない重要な設定となった。しかしながら、多少無理やりな後付け設定(特にフェルガナの誓い)にも見受けられる。

**総評
前作『イースV』のアクション要素をさらに深化させ、画面のクオリティの向上により大きく進化した。攻撃が体当たりといった部分に象徴される「マイナーな古いゲーム」から、「現代風に作り直された一作」として殻を破っていく路線をひき、シリーズ物では一定の評価を得られたといえるだろう。~

美しいBGMとファンサービスにあふれた演出が堪らないものの、全体的にみるとさまざまな面で大味さがあり、一定の評価といってもあくまで“パソコンのアクションRPGとしては”と注釈がつく出来栄えなのは否定できない。さまざま面での大味さの改善は、次作以降に持ち越しされることになった。

**その後の展開
-後にPS2・PSPにも移植された。詳細は[[こちら>イース -ナピシュテムの匣-]]を参照。
-PSPで発売された『[[イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ]]』にガッシュが参戦((設定や使用スキルは、後に発売されたイース7基準。))し、オルハ・エルンストがサポートキャラとして登場する。
--前述の「Mighty Obstacle」を始め、一部楽曲が収録されている(OP曲はバンドアレンジ版収録)。ただし、OPムービーは未収録になっている。

*イース -ナピシュテムの匣-
【いーすなぴしゅてむのはこ】
|ジャンル|アクションRPG|CENTER:&amazon(B0006ZL2A6,image);|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|コナミ|~|
|開発元|Konami Software Shanghai|~|
|発売日|2005年3月10日|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|不要かつミスマッチなボイス&br;邪神姉妹&br;誰得なCG&br;隠し要素とBGMは評価対象|~|
|>|>|CENTER:''[[イースシリーズリンク>イースシリーズ]]''|
#contents(fromhere)

**概要
-Winで発売された『[[イースVI -ナピシュテムの匣-]]』の移植作品。PSPは後に拡張版である特別版も発売。

**移植による追加要素
-新ダンジョン「アルマの試練」が追加。プレイは自由だが、試練をクリアするたびに選択可能な報酬がもらえる。ストーリーを進めると行ける段階が増える。
-チートモードの導入。コマンドによりさまざまな状態でゲームをスタートできる。チートモードを利用したセーブデータは赤字で表示される。
--チートモードはPSP通常版でも利用可能。
-一度ゲームをクリアすると、レダの集落と港町リモージュにあるセーブポイントの色が変化し、それぞれにワープ移動出来るようになる。

**その他変更点
-キャラグラフィックの等身が少しだけアップ。ポリゴンではあるがWin版のものよりもぬるぬる動くように。
--爽快さではさすがに及ばないものの、次作の「フェルガナ」と変わりないほど動きが滑らかになっている。

**問題点
-CV
--声優の演技力よりもキャラと声があっていないという意見が多く、あまり評判がよくない。
--特にメインヒロインであるオルハとイーシャは前者は声が太く、後者は年不相応な声質ということで非常に評判が悪い。
--しかもオルハ役のさくら(現:丹下桜)は経験が豊富なベテランとはいえ、元々現役を引退してしばらく一線から退いていた((ただし、音楽活動は続けていた))声優である。ドラマCDでオルハ役を担当した松来未祐でも良かったのではないだろうか。
--またテラ、ユエ、ロロ、メイプル役の山田容子などは、他の声優たちと比べてあまりにも演技力が乏しく、凄まじいまでの超棒読みっぷりである。
---そのあまりに酷過ぎる演技力がさすがに問題視されたのか、PSP版イース7初回限定版付属のドラマCDでは、テラ役が彼女から三上枝織に変更になった。こちらはプロの声優として文句無しの堂々たる演技を披露している。
---そもそもこの山田容子、演技力が乏しいのは当たり前で、実はプロの声優ではなく''「歌手」''である。製作スタッフは一体何を考えて彼女を起用したのだろうか。そもそもオーディションの時点でおかしいとは思わなかったのか。
---確かに話題作りや知名度を上げる為に、本業では無い芸人や歌手などが声優を務める事自体は、別に珍しい事でも何でもない。だが本作が出た頃の山田容子は2004年にデビューしたばかりの新人歌手であり、話題性も知名度もクソも無い。あれだけの超棒読みでありながら、プロの声優を差し置いて起用した意味が分からない。
---ちなみにこの山田容子、大して有名になれないまま業界から姿を消したようで、公式サイトも消滅してしまっている。rainbookというソロユニットとして2010年頃まで歌手活動を続けていたようだが、現在その消息は不明である。
-ムービー
--CGで作られたムービーが追加されてるが、良好な意見は見受けられない。
--そして、&bold(){やっぱり}姉妹に関してになるが、非常にリアルな描写をしているため、''邪神姉妹''と呼ばれることも。特にイーシャは酷く、特徴的な二重の目がなぜか一重になっている。
---あえていうなれば、『テイルズオブハーツ』のCGエディションに近い造形となっている。こっちのが先だが。
//ムービーはチートでPCと同じに出来なかったか?
---なお前述のチートモードを使えば、挿入されるムービーをPC版と同じものにできる((ただ「ムービーをPC版にする」のみでもチート使用扱いになるので、セーブデータの表示が赤くなってしまう。))。
-隠しダンジョン
--本作最大の特徴とも言える隠しダンジョンだが、シナリオの都合上、一度クリアすると二度とプレイ出来なくなってしまう。
--ストーリーを終盤まで進めてからプレイすれば敵はほぼ問題にならないが、本篇よりも高度なアクション技術が要求される。
--しかも苦労してクリアしても入手出来るのは、通常では僅かばかりのゴールド、エメル石、消費アイテムのいずれかだけである。苦労に全く見合っていない。実は全てのお礼を断ると大きな利益があるが…。


**評価点
-やり込み要素
--隠しダンジョンである「アルマの試練」が実装、ナビゲータの新キャラも登場し、やりこみ要素が増加。
-再現度
--システム、バランス、BGMなどの再現度は中々高く、オリジナルと色褪せない出来となっている。~
ただし、バランスに関しては大味だったオリジナルのものを踏襲しているため一長一短である。

**総評
ゲームをプレイする上で得に問題はないものの、アニメ調のキャラをCGやボイスで改悪してしまっている。この点だけが非常に残念である。