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SDガンダム Gジェネレーション PORTABLE - (2019/05/18 (土) 13:00:50) のソース

*SDガンダム GGENERATION PORTABLE
【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん ぽーたぶる】
|ジャンル|ウォー・シミュレーションゲーム|&amazon(B000FGUNOC)|&amazon(B001DUB4ZG)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|~|
|開発元|トムクリエイト|~|~|
|発売日|2006年8月3日|~|~|
|価格|4,800円(税別)|~|~|
|廉価版|PSP the Best&br()2008年10月23日/2,800円(税別)|~|~|
|判定|なし|~|~|
|ポイント|携帯機初の原作再現系&br()ハロスコアが鬼畜&br()|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[SDガンダム Gジェネレーションシリーズリンク>SDガンダム Gジェネレーションシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-バンダイナムコ名義では初、携帯機ハードで出た初の原作再現型シナリオのGジェネ。
-予約特典には過去のGジェネシリーズのムービーを収録したDVD「Gジェネ プレミアムディスク」が付属した。

**新システム
''ダブルカットイン''
-味方と敵の双方が主要キャラクターの戦闘のみ、戦闘アニメーションの表示前に掛け合う形で音声カットインが出てくる。

''マスターユニット''
-より多くのユニットから援護を受けられるマスターユニット((通常は2体までだが、マスターユニットは6体まで。さらにゲストユニットからの援護も受けられる。))を自由に選択できる。
-マスターユニットに設定すると、HPとENが毎ターン回復する。ただし、戦艦に収容することはできず、撃墜されるとゲームオーバーになってしまう。
-編成しなかった場合はそのステージで予め決まっているユニットがマスターユニットになる。

''一斉射撃''
-一部の戦艦のみが使える、MAP兵器とは別の複数の敵を攻撃する武器。後のシリーズにおけるマルチロックオンの原型とも言える。
-戦艦の種類により使用回数や狙える敵の数は異なる。

''ハロスコア''
-ステージごとに、アクションゲームのようにスコアが集計される。これを「ハロスコア」と呼ぶ。クリア時に獲得したハロスコアによって「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4段階の「ハロランク」が授与される。
-敵を撃墜するとスコアが上昇し、一定数上げるとランクアップする。シナリオクリア時のランクにより資金やオプションパーツを入手できる他、高いランクほど入手できるアビリティポイント(機体を強化するポイント)も上がる。
-本作は同じステージを何度でも繰り返しプレイできるので、自軍を強化したり、プレイヤー自身の腕前を上達させたりしながら、ハイスコア更新に挑むことができるのである。これだけなら良かったのだが……。

**評価点
-収録ユニットは約1,100体と『[[F>SDガンダム Gジェネレーション F]]』を抜いて歴代最多、登場キャラクター数も約750人と歴代トップクラス。収録ユニット数で本作が立てた記録は現在でも破られていない。
--特にコズミック・イラ作品は『ASTRAY』シリーズからも多くの機体が収録されている。リジェネレイトなど本作にしか登場していない機体も多い。さらにロンド・''ミナ''・サハクが登場する数少ない作品(弟のギナは他作品への出演機会が多いが、ミナのほうは後の『[[OVER WORLD>SDガンダム Gジェネレーション OVERWORLD]]』など数えるほど)であり、『[[GENERATION of C.E.>機動戦士ガンダムSEED DESTINY GENERATION of C.E.]]』で作られた専用のBGMまで用意されている。が、残念ながらボイスまでは収録されていない。

-『F』ではボーナスステージ扱いだった『∀』と当時の最新作『[[DESTINY>機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』のシナリオが本格的に収録されている。
--前述の『ASTRAY』シリーズの機体・キャラクターが多数登場する他、『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』からガンダム・ヘイズル、『MS IGLOO 1年戦争秘録』からヅダが登場する。

-ムービーのほとんどは過去の作品からの流用だが、本格参戦の『∀』、初参戦となる『DESTINY』のムービーは完全新作。また、『[[G>機動武闘伝Gガンダム]]』の一部ムービーもボイスは『F』の流用ながら新規に作られている。
--流用とはいえ、初期シリーズ4作のムービーが本作1本でほとんど視聴できるのは初代Gジェネからのファンにとっては嬉しい限り。本数から見ても歴代トップクラスである。
--しかしそのせいで、ボイスが『F』から流用されているドモンなどは声質に違和感を覚えてしまうことも。
--なお、フリーダムvsプロヴィデンスのムービーでは『DESTINY』のストーリーを反映して、『[[GジェネSEED>SDガンダム Gジェネレーション SEED]]』版で冒頭に映ったストライクの頭部が消されている。

-何より本作の最大の特徴は''『F』のシステムで遊べる最後のGジェネ''ということである。

**難点
-部隊編成UI回りがシリーズ中最悪。
--他のシリーズでは編成画面ひとつでパイロットも機体も配置できたのに、本作ではいちいち別画面で1機づつパイロットを搭乗させてからでないと部隊に配置できないので乗り換えの度にストレスを感じる。
--また、キャラクターが縦一列に並べられており、ジャンプやページ送りといった機能も一切ないので、キャラが増えてくると延々と画面をスクロールさせながら目当てのキャラを探す羽目になり、とにかく面倒。
--そしてパイロットが搭乗している機体でしか「設計」できないので、新しい機体を手に入れる度にわざわざキャラを乗せて確認しなければならない。

-ローディングが地味に長くて多い。
--発売日からわかるように本作はPSPでも比較的初期の作品であり、当時はメディアインストールなどという便利な物はなかったので仕方ないと言えば仕方ないのだが。
--『[[ZERO>SDガンダム Gジェネレーション ZERO]]』や『F』のように、ロード画面がキャラクターによって変化せずワンパターンなのも体感的な長さに拍車をかけている。

-本作におけるアナザーガンダムは''EN量は多いが消費も激しい''。例えば初代ガンダムとストライクガンダムを比べると、EN量はストライクが圧倒的に多いが燃費で見るとほとんど変わらない(どちらもビームライフルなりビームサーベルで5回も攻撃すればEN切れになる)。
--しかも戦艦に収容したときの回復量がかなり少なく、整備値を限界まで上げたクルーを配置しても1ターンあたりの回復量は''140''。ENが空の状態から全回復させるのにガンダムなら1ターンで済むのに対しストライクは3ターンもかかる。回転率を考えればむしろガンダムのほうが優秀。
---とはいえ、アナザーガンダムのほとんどが特殊な基本アビリティをデフォルトで複数持っている(単体飛行能力、ゼロシステムなどの機体パワーアップ能力、PS装甲に準ずる各種防御能力)。そこを考えると、EN消費の激しさは機体のアビリティ搭載の代償と見ることもできる。
--ただしデュートリオンビーム受信を持つインパルスなどザフトセカンドステージおよびデスティニー、レジェンドは例外。戦艦からの「照射」を受けることで''その場でENが全回復する''ので、鍛えれば帰艦せずに延々と戦うことができる永久機関と化す(ただし戦艦側は「照射」を実行すると行動終了になる)。だが、その「照射」を使えるのが原作通りミネルバだけなので、これらを最大限に活かすのならば母艦がミネルバ一択となってしまう。
--もちろん攻撃力などはもともと差がある以上いかんともしがたい。が、シリーズの伝統で''改造していけば何の意味もなくなる''。
--なお本作ではゲームシステム上サブフライトシステムが戦艦の搭載枠を圧迫しないので、資金さえあれば''移動力と地形適性はどうとでもなる''。加えて、フリーダムなどSEED系の後期ガンダムはなぜかSFS搭乗不可の機体がほとんど。オプションパーツでしか移動力を強化できないので''単独で飛べるのに相対的には足が遅くなる''という奇妙な現象が起きる。

-いくつかのユニットはステータス画面のアビリティと実際の能力が噛み合っていない。
--ミネルバは水上適性を持ち、実際に水上移動ができるが、アビリティには記載されていない。
--逆にプロヴィデンスはステータス画面では「ビームシールド防御可能」となっているが、実際は''防御そのものができない''(それ以前にプロヴィデンスが装備しているのはアンチビームシールドであってビームシールドではない)。
--また、何人かのキャラクターが原作を見れば首を傾げるような性格に設定されている。
---例を挙げるとシン・アスカが''冷静''、レイ・ザ・バレルが''強気''に設定されている。明らかに逆である(後のシリーズではシンは激情、レイは冷静に設定されている)。

-ハロスコアが鬼畜。
--前述の通り敵を倒していくことで少しずつ加算されていくのだが、ハロスコアの基準が''敵に与えた総ダメージ数''のため、普通に敵を倒しているだけではせいぜいブロンズかシルバーが精一杯。最高ランクであるプラチナにするにはマスターユニットによる多数の援護や超強気によるクリティカルヒットを用いた「援護攻撃によるオーバーキル」を連発しなければならない。MAP兵器で倒した場合はスコアが増えず、さらに戦艦を撃沈され白旗を揚げている機体は撃墜してもほとんどスコアが加算されない。
--このため、ハロスコアを気にする人は「雑魚に至るまで全ての敵ユニットに対して、自軍数ユニットによる支援攻撃を敢行、最大HPの10倍ものダメージを与えて最高得点を得る」という徒労じみた作業が必要になる。
---これはクリア時の資金獲得・後述のパーツ獲得・成長といった、通常プレイ上での有利・不利という要素に関わってくるため、神経質なプレイヤーにとって、このプレイスタイルを強制されることは非常に苦痛となった。
--そんな精神的苦痛を助長するかのようにハロスコアを獲得するたびにいちいちスコアが加算されていく演出が挟まれ、「ハロッ」「ハロッ」というハロの声が鳴り響く。プレイヤーのイライラは頂点に達した。
--ハロスコアの獲得と敵ユニットの捕獲には相反するプレイスタイルが要求され、これもストレスの元となった。
--オプションパーツの入手にもハロスコアが関与。下位のハロランクしか取れないプレイヤーは、いつまでたっても低性能なパーツしか獲得できない。
--更に入手できるパーツも、全て入手するには全部のランクでクリアしなければならない((「高ランクでクリアすれば、他ランクのアイテムも入手できる」といった仕組みにはなっていない。))。 
--どのパーツが入手できるかはランダムな上に、入手済パーツと未入手パーツが区別されておらず''一度入手したパーツが普通に出る''。ダブると破棄されるが、散々苦労してプラチナランクを取った挙げ句ダブったパーツが出たときの虚脱感は筆舌に尽くしがたい。
--とどめがユニットの成長にもたらすハロスコアの適用の悪弊である。ユニットはレベルアップするたびに各能力にアビリティポイントを割り振り、各ポイントが10に達した時、初めて各能力が成長する。
---しかし、ハロランクがノーマルやブロンズといった低評価の場合、2~3LVUPごとに能力成長なのに対し、ハロランクがゴールドやプラチナの場合、アビリティポイントは1LVUPで2回近く能力成長という数値になる。
---つまり、ステージの序盤で十分なハロスコアが溜まっていない状態で敵を倒し、レベルアップしてしまうと、能力の成長が低くなってしまう。そして、''レベルアップ以外にアビリティポイントを獲得できる方法がないので、成長が遅くなるわけではなく、成長の上限が低くなる。これはあとで挽回できる問題でもない。''
---かといって、強いユニットにしたいと思えば、前述の理由からハロランクがゴールドやプラチナの状態の時にレベルアップしなければならないのだが、そんな状態は''ステージの敵ユニットのほとんどを常時最大数の味方ユニットで支援したマスターユニットで撃墜する''(捕獲不可)という条件を満たした上で、さらに''特定のステージ終盤でしか実現しない''ようなスコア設定になっている。

//-BGMのアレンジが微妙。
//--『GジェネSEED』ではまともなアレンジだったBGMも、『F』のように音を外したようなものになっている。
//アレンジというのは元となったものに近づけることではない。従って問題点ではない。

-コズミック・イラ作品から多数の機体が加わった一方で、『THE BLUE DESTINY』『センチネル』『閃光のハサウェイ』『クロスボーン』を除くゲーム、漫画、小説作品に登場する機体やキャラクターはほとんど登場しない。『MSV』系統は削られた機体が少ないのが救いかもしれない。
//-『∀』までのユニットやキャラクターのデータの殆どは『F』から流用されており、内部データには未使用となった『F』の没ユニット・キャラクターデータが大量に存在する(本作には登場しないMA・ディビニダドや木星帝国の指導者クラックス・ドゥガチ等)。改造ツール等を使えば殆どの没ユニットは使用可能で、没キャラクターもボイスや顔グラは無いが、台詞が用意されている。この関係で本作の収録ユニットと登場キャラクターの数は実は裏の方でとんでも無い事になっている。
//評価点として挙げる意味がわかりません

-ステージ数も『F』に比べるとかなり削られている。
--ただし、本格参戦となった『∀』および『[[SEED>機動戦士ガンダムSEED]]』、『DESTINY』は当時の最新作品(特に『DESTINY』はシリーズ初登場)ということもあり、比較的多くのステージが用意されている。

**総評
携帯機で初めて出された原作再現系のGジェネ。Gジェネらしさはしっかり保っているものの、色々と粗の目立つ作品となっている。~
しかし本作は『F』のシステムをほぼそのまま採用した最後のGジェネであるため、『SEED』シリーズなどが入った『F』らしいGジェネをしたい方はやってみてはいかがだろうか。~
もっとも、面倒な編成画面と地獄のようなロード、そしてハロスコアに耐えられればの話だが。
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