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信長の野望 覇王伝 - (2024/04/10 (水) 23:43:04) のソース

*信長の野望 覇王伝
【のぶながのやぼう はおうでん】
|ジャンル|SLG|CENTER:&amazon(B000068I4Z,image=https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/31HqxRcU5+L.SL160.jpg)&image(Kikiakita.png,https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/1417/215/Kikiakita.png,width=160,title=この台詞を聞くのは何度目だろうか…)|
|対応機種|PC-9801、X68000、Macintosh、DOS/V、&br()FM-TOWNS、Windows 95~2000、&br()スーパーファミコン、メガドライブ、&br()メガCD、3DO、プレイステーション|~|
|発売・開発元|光栄|~|
|発売日|1992年12月|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|初のパワーアップキット(以下PK)&br()大名が減るたび「介錯を願おう」&br()プレイヤー泣かせの新要素&br()あまりにも弱すぎる本願寺&br()固有顔画像を持つ武将の基準が謎&br()じっくりプレイしたいユーザー向け|~|
|>|>|CENTER:''[[信長の野望シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-「信長の野望」シリーズ第5作。
-前作『武将風雲録』までは国取りだったが、本作から城取りになった。
-シナリオは1551年「信長出世」、1568年「天下布武」、1582年「平安楽土」の3本。
--開始年が1551年と前作よりもさらに早まった事により、大内義隆、尼子国久、尼子誠久といった初登場の武将も多数。また、村上氏、浦上氏、三村氏、立花氏、肝付氏といった大名もこの作品で初登場となった。
--また「天下布武」が標準のシナリオ((コンシューマ版PK限定隠しシナリオ(『将星録』)や有料DLCシナリオ(『革新』『創造』)として収録されているシリーズ作もあるにはある。))として扱われているのは珍しく、『天道』で再び扱われるまではシリーズでも唯一だった。
-PC98版とWindows版(『「信長の野望」30周年記念歴代タイトル全集』収録分とSteam版)のみだが、初めてPKが発売された作品である。
--新シナリオ及びこのシナリオにしか出ない武将が追加される・ゲーム中にユーザーの作成した新武将を登場させられるなどの特徴がある。
--FM-TOWNS版には、PK版のシナリオと武将がデフォルトで収録されている。MCD・3DO・PS版も一部のシナリオが収録されている。
-本作で新登場となった要素のいくつか((城取り化、向きや士気の概念、家宝など))は、先駆けて発売された『[[太閤立志伝]]』で採用されたもので、それが信長の野望シリーズに逆輸入された形になる。

**評価点
-戦闘に「向き」の概念が追加。部隊は凸型で表示され、後ろへの長距離移動はできない(一旦向きを変える必要がある)・横や後ろから攻撃されるとダメージが増える等の特徴がある。
--敵部隊との接触時の向きは非常に重要。強敵であっても後ろから攻撃することで大打撃を与えられる。「兵力を二部隊に分けて挟み撃ち」といった戦法も取れるようになった。
--凸型表示は、その後の作品には長らく取り入れられず『創造』まで採用されなかった。
-論功行賞の雰囲気やアイディアそのものは良い。
--金・領地・家宝・「一字拝領」などで褒美を与えたり、無能な家臣を追放・切腹させたりできる。
---ただし家宝没収・切腹を命じた場合だと、家臣が命令を拒否して逃げ出すことがある。
--家臣に満足な褒美を与えた場合は家臣が大名を称え、逆に満足な褒美を与えなかった場合は家臣が不満を漏らす。
---また、稀に大名の評価について語ることも。
-他大名との同盟が、対等な「会盟」と従属関係になる「威圧」を選べるようになった。代わりに脅迫がなくなった。
--従属した場合、破棄されない限り攻め込まれる事はなくなるが、合戦で援軍を要請されたら必ず援軍を出さねばならない。
---ただし、CPU大名を従属させた場合は援軍要請を普通に断ってくるインチキ仕様がある。また別の大名の城に攻め込んだ瞬間に同盟を破棄して敵対関係になり、そのまま敵側の援軍に来ることもある。
--武力で他大名を全て攻め滅ぼす以外に、自大名が征夷大将軍になり他大名を全て従属大名にすることでもクリアできる。
-家宝と官位の導入。
--家宝には、前作にも登場した茶器と新たに追加された武器((具足や鞍なども武器表記))・絵画・書籍・舶来・財宝の6種類がある。
---家宝の中には複数の能力を高められるものも存在する。
--朝廷貢献度が高ければ、官位の叙任を受けることができる。
---また、複数の官位を持っていた場合、論功行賞で最高位以外の官位に家臣を叙任させることも可能。
-東北が細分化され、蠣崎(松前)・南部・安東(秋田)家などが『全国版』以来、久々に登場。
--ただし本来の陸中に相当する地域が陸奥に組み込まれた結果、陸前が陸中、磐城・岩代が陸前となり、国名にずれが生じてしまっている。
-籠城戦のマップは、城ごとに異なっており個性がある。
-軍師の資格を持つ武将が2名以上いても自分で選ぶことが可能になった。
--前作・前々作では軍師の資格を持つ武将のうち最も能力の高い武将が自動的に軍師となっていた。
-武将の能力に『智謀』が導入され、武闘派でない武将にも戦場での活躍の場が提供されるようになった。
--それに伴い戦略コマンド『調略』の種類が増え、合戦では計略で敵部隊を誘導したり、敵部隊の士気を下げたり、城に火を放ったりできる。敵城を火で埋め尽くす様は愉悦の極みである。
--不評だらけの新要素の中では、後のシリーズに受け継がれている数少ない評価点である。((シリーズによっては『知謀』や『知略』と表現される。))
//家宝と官位も後のシリーズに受け継がれているので唯一ではない。
-プレイヤー大名の改名(実際には改姓)が可能になった。また、コンピュータの思考を「理知的」「好戦的」から選べるようになり、初期設定の幅を広げる走りとなった。

-前作で追加された歴史イベントが、本作(PK含む)でも追加されている。
--中には[[当時の日本政治>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E5%B7%9D%E5%86%85%E9%96%A3]]を連想させるネタイベントもあり、そのネタイベントは条件こそ非常に厳しいが実は強力な効果がある。

//このネタイベントって何? 斉藤道三、浅井久政、伊達輝宗の隠居イベントのこと?
//↑秀吉の周辺大名がすべて健在な時に羽柴秀吉が死亡して後継者を細川一族にすると、周辺の大名が配下になる細川連立政権イベント。動画はhttps://www.nicovideo.jp/watch/sm16211495参照。

**問題点
***新要素関係
//-''半強制的にやらされる上に、非常に面倒な論功行賞。''本作最大の問題点である。
//国主に一任することで時間短縮可能な論功行賞が下の城の数が多すぎて統一に時間がかかる問題以上のものとは思えない。
-''半強制的にやらされる上に、非常に面倒な論功行賞。''
--一応論功行賞を行うかどうかは任意だが、戦争や内政などで勲功が溜まった家臣をそのまま放置しておくと忠誠度が下がるため、否が応でも行うことになる。
---しかも論功行賞は大名の気合を最大値の三分の二消費するため、大名は論功行賞を行うだけの存在になってしまいがち。
--領地と家臣が増えるほど煩わしくなり、ゲーム後半で論功行賞を行うと煩雑なことこの上ない。
---地域によっては国主に任せられる事もある((その国で知行を受けている武将が国主であることが条件))が、自分で論功行賞を決めなければいけない場合もある。
-城が多い上に、一つの戦いにつき一つの城しか攻めることが出来ないため、統一するまでに時間がかかる。
--宝島社文庫『戦国武将』によると、光栄社員は「『覇王伝』という作品では170の城が出てきたんですが、それらの城をすべて攻略するのはいかにもしんどい」と語っている。
---つまり、光栄側も何も考えずに城の数を多くした事は失敗と半ば認めている。ただ、城主に内応が成功すると城ごと寝返るようになっていれば幾分マシになっていたかもしれない。
--コンシューマー版では城の数が110に減っている代わりに、CPUの思考時間が長くなっている。
-征夷大将軍EDを見るためには武力統一以上に膨大な手間がかかる。そのため、''普通に武力で統一したほうが早い''。
--理由は2つあり、1つは征夷大将軍は官位扱いであるため、征夷大将軍になるためには他の官位と同じ様に朝廷に大量の金を献上しないといけない。しかも征夷大将軍は最上級の官位であるため他の官位を手に入れるより手間がかかる。((足利将軍家当主のみ最初から征夷大将軍である。))
---さらに献上するにも官位を受領する(コマンドは朝廷工作)にも気合を最大分使用する必要がある。気合は最良でも最大値の三分の一ずつしか回復しないので再び朝廷工作出来るようになるまでに最短でも3ヶ月かかる((一応、バケツリレーの要領で大名居城に各城から資金を集めた上で武将を数人揃えると期間を短縮することができる。))。
---貢献度を最大にしても最初は従六位上までしか貰えない。しかも貰った''官位はたとえ征夷大将軍であろうが基本的に1代限り''なので大名が亡くなったら一からやり直しとなる。
--もう1つは自分以外の大名を従属させるには自分の大名が圧倒的に優位でなければならない。そのような状況であれば、なおさら武力で統一が容易である。
--これだけ手間がかかるくせに、征夷大将軍EDの音楽や最後の部分は通常EDと同じ。
-家宝を購入できるかはランダムな上、値段が高いので購入が難しい。
--しかも''大名が居る城の金が少ないほど商人が来る確率が上がる''仕様となっているため、''商人が来た時に限って家宝を購入する金がない''という事がよく発生する。
--前作では初期状態で茶器を持ってる武将が多かったが、今作では初期状態で家宝を持っているのは松永久秀と1568年の織田信長((前述の松永久秀から献上された九十九茄子。なぜか1582年シナリオでは商人の手に渡っている。))しかいない。
--コンシューマー版では開発段階では常に家宝が買える仕様だったらしいが、残念ながら採用されなかった。
-戦争になる際に雑兵として、無料でいくらかの兵を部隊に追加する事が可能となったが、雑兵は士気や訓練度が極端に低いため、混ぜると士気や訓練度が大幅に下がる上、行軍速度が遅くなり、''かえって弱くなるだけ''でほとんど意味がない((混成部隊を作らず足軽のみの部隊と雑兵のみの部隊に分けて運用すれば、士気維持のための兵数水増し(兵数で不利だと士気が上がりにくく下がりやすい)、鉄砲隊を守る壁、総大将に持たせて敵の射撃を引きつける囮など、一応の使い道はある。))。
--内政時に雇う兵は足軽(傭兵)として、雑兵は合戦時に駆り出される農民兵という扱いで兵農分離をシミュレートしているのだろうが、雑兵が弱すぎるため、かえってバランスが悪化するだけとなってしまっている。また、CPUは積極的に雑兵を部隊に引き入れるため、''烏合の衆と化す''。
//--せめて兵農分離が進んでいない大名(一領具足を率いた長宗我部家など)の場合は士気・訓練度がある程度しか落ちないとかにすれば価値はあったのだが…
-ウリにしていたCPU思考のニューラルネットワークは『覇王伝事典』で「鉄腕アトム幻想の残骸」と評されるほどの失敗システムだった。
--やたらと攻撃的で攻め込みまくり、しかも部隊に大量の雑兵を入れるため、どんどん疲弊していく。
---一旦領土を広げることに成功した勢力は、その後も攻め込みまくって急速に領土を増やすが、''強いのは前線だけで内部はスッカラカンのまま''。なのでいざ対決してみると悲しいほどに弱い。
---委任した場合も同様の思考になる。敵勢力と隣接していない安全国を委任しても''城を空にして最前線に集まろうとするので浪人に空城を乗っ取られる''。安全を確保するなら留守番役を置いて直轄領にしておくしかないのだが、各国ごとのターン送りが非常に面倒。
---こちらの兵力が少ないと積極的に攻め込んでくるが、''大量の援軍が到着した途端に兵糧を置き捨ててスタコラ逃げていく''。繰り返すと兵糧が枯渇するので無血開城できてしまう。
---金や兵糧が少ない城には攻め込む価値がないと判断する現金な思考。''兵糧0でも攻めてこない''。金と兵糧を0にして留守番役の武将を一人置いておくだけで鉄壁の防衛ができる。
--そのためか98版PKのエディタにはニューラルの項目があったのだが、Windows版PKでは削除されている。
--次作『天翔記』もニューラルネットワークを採用していたらしいが、その次の『将星録』からは完全にニューラルの単語は聞かれなくなった((「ニューラルネットワーク」の専門研究はその後も進められ、21世紀に入ってより脳に近い「ディープ・ラーニング(深層学習)」が実用化され始めている。「ディープ・ラーニング」の代表例としてはGoogleの音声検索や囲碁のプロを破ったAlphaGOなどがある。2022年発売の『新生』では、ニューラルを称しこそしていないが、自律的AIによる”生きた武将”を売りとしている。果たして、少しはニューラルネットワークに近づけただろうか。))。
--前作『武将風雲録』より好戦的である一方、戦線が膠着しやすく、CPUが全国統一することはまずない。明らかに173城(前作は48国)のゲームシステムに付いて行けていない。
---これは、城数と比較して武将不足に陥りやすいのも理由である。
---110城に減らされたコンシューマー版の方が、武将不足は起きにくく、CPUも攻勢が止まりにくくなっている。
-東北では前作にも登場した伊達・最上・蘆名の三強((シナリオによっては最上も脱落して伊達・蘆名の二強になることがある。))になりやすい。蠣崎・安東はおろか南部ですら伊達の餌である((南部家は有能な割に義理や忠誠度が低い武将が多いため、国力が上がりにくい。さらに戦争になると大量の兵ごと次々に寝返って自滅する展開が多い。))。

***人材関係
-大名の存在をなくすには、全ての城を落として大名を''自害させる''しかないため、一度大名になった武将は基本的に他大名の家臣に出来ない。
--脅迫により大名を従属させることは可能だが、完全に屈服させて配下にすることはできないためである。
---前作および前々作では、大名の能力値が高いかつCOM大名でない限り、外交で脅迫して屈服させることで配下にできたため退化している。
--一応、シナリオ1であれば徳川家康(松平元康)・本願寺光佐・長宗我部元親・真田昌幸といった一部の後期シナリオ大名が特定の大名の配下武将(もしくは待機武将)として登場するため、該当大名を滅ぼした際に配下に加えられる可能性はある。
---またマルチプレイで始めて配下にしたい大名を隠居させた後、メインの大名で捕らえて登用するという方法があるが、あらかじめ高い忠誠度を下げておく必要があり、論功行賞で領地を与えてからそれを召し上げるといったことが必要で一手間かかる。しかもシナリオや大名によっては''そもそも隠居できない''場合もある。
--なお、大名である武将が他大名の家臣になる唯一の例外が、前述したネタイベントである。
-前作では豊富だった自害時の台詞が、「介錯を願おう」と「貴様にこの平蜘蛛を奪われるよりは……」の2種類のみとなった。しかも後者は松永久秀専用なので実質「介錯を願おう」の1種類のみ。
--自分の大名が滅ぼしたor滅ぼされた場合はもちろんCOM大名が別のCOM大名を滅ぼした場合も自害の台詞が流れる仕様であるため、大名が減るたびに「''介錯を願おう''」を見る事になる。
-浪人(在野武将)を見つけるためのコマンド「取立」は、''発見成功率が極めて低い''という地雷コマンド。浪人武将が仕官を志願してくる方が圧倒的に高確率。
--そのため、浪人武将が志願してこないと浪人武将の登用はおろか、対面すらおぼつかない。
--コンシューマー版では、現在の城に近隣の浪人武将が来るよう呼びかけるコマンド「募将」が追加された。これと「取立」を組み合わせることで、ある程度成功率が上がるようになった。
--そのくせ、浪人武将が空城を乗っ取る事が多い。前述の通り、本作では大名は強制的に自害するため、浪人武将が城を乗っ取るとその武将はほぼ確実に無駄死にとなる。
-家臣の忠誠度が表示されず、忠誠度の判別方法は気力の回復量から何となく推察するだけ。そのため裏切りの危険性が判別しにくくなった((気力回復量は1~5。2以下は危険というのが一応の目安にはなる。もちろん、義理の低い武将は5でも裏切ることがある。))。裏切って独立した場合は前述の理由のためリセットするか諦めて死んでもらうしかない。
--家臣の忠誠度を上げるには論功行賞を行う必要があるのだが、非常に手間がかかる癖に忠誠度は少しずつしか上がってくれない。
---「加増」「報奨金」は勲功に見合った量+αを与えないと効果が薄い。とはいえ、他は効果がほとんどなかったり効果が高くても制約が強かったりするため、基本的にこの二つを使って恩給を与えることになる。
---「感状」は一回の論功行賞につき与えられる数に限りがある上、効果もほとんどない。一応大名が官位を持っていると若干効果が上がるが焼け石に水。
---「宝物」「官位叙任」は低い物でも効果は高いが前述したように入手が面倒。また、すでに家宝・官位を持っている家臣には他の家宝・官位を与える事はできない。((一応家宝なら没収した後に別の家宝を与えることができるが、没収を拒否して逃亡や没収直後に出奔・謀反で失敗することがある。))
---「一字拝領」は効果が高く無料だが、名前が変わらなかったり、奇妙な名前(織田信長が黒田官兵衛に一字拝領で「黒田官信衛」になるなど)になったりする場合がある上に、一度限り(プログラムにより「高坂信信」のような同じ漢字2字のぶっ飛んだ名前にはならない模様)。
//---「織田信長が高坂昌信に一字拝領で高坂信信」はコピペ等で有名なエピソードだが、[[検証を行ったサイト>http://awak-labo.com/chinghiskhan/haouden.html]]によればこのような現象はPC-98版(通常版)、Windows版(定番シリーズ)、SFC版、PS版と多くの機種で発生しないことが確認されているためデマ。
---また家臣に勲功に見合った量を大きく上回る褒美を与えると他の家臣の忠誠度が下がるので平等に行う必要がある。さらに勲功が少ない時に褒美を与えても、逆に家臣全員(褒美を与えた武将を含む)の忠誠度が下がる場合があるため、しばしば論功行賞を行うわけにもいかない。
--城主の武将が謀反を起こした場合、その城にいる他の武将が殺されることがある。しかも謀反を起こした武将の一門でも容赦しない。
-『[[三國志II]]』ほどではないが、武将が寝返る頻度が高め(さすがに総大将や他家の援軍は寝返らないが)。
--義理の低い武将は本当に寝返りやすく、不義理な武将の代表格である松永久秀などは1回の戦争で複数回寝返る事もある。
--しかも籠城している武将が寝返った場合は城からの脱出に失敗して殺されることがある。

***その他の問題点
-野戦マップが使い回しばかりで、高山が多いマップだと自軍を満足に配置・移動できないことがある。挙句''マップが無駄に広い''上に、低山と高山のグラフィックが同じ。
--低山か高山かどうかは実際に進軍するまでほぼわからない((一応進軍前でも地形の確認はできるものの、広いマップを一つ一つしらみ潰しに確認する必要があるため現実的ではない。))ため、進軍がし辛くなるケースも出てくる。
-篭城戦での城が''ただの大きい的''でしかない。
--本作の篭城戦は、前作までとは異なり城の中に入り込んで敵部隊を殲滅するのではなく、城壁を直接攻撃する事で相手兵力と防御度を減らすものとなっている。
---よって野戦と篭城戦との差がほとんどない。籠城戦では雑兵も出せず援軍が来るまでの時間稼ぎもできないため、攻められたときに篭城戦を選ぶメリットはない。にもかかわらずCOM大名は足軽がいなくてもいきなり篭城する事があるため、兵0で簡単に落とされてしまう。
--また、防御度は高ければ高いほど一度の攻撃で大きく減るため、高すぎてもあまり意味がない。防御度を上げるコマンド「作事改修」はほぼ無意味。また「築城普請」というコマンドもあるが、こちらも実行できる条件が厳しい((「作事改修」で防御度を上限まで上げる必要がある。))という空気コマンド。
-前作の最強兵器『鉄甲船』が削られている。
--『技術』のパラメータが廃止されたのはまだ良いとしても『鉄甲船』もカットされたため、史実で毛利水軍を破る等の猛威を振るった『九鬼水軍』等が再現できず退化したようにも取られかねない。
---次作では鉄甲船が復活し、各武将に兵科適正が導入された事と相まって、水軍適正の高い九鬼の強さ等が体現されるようになった。
-武将の顔画像の基準が滅茶苦茶。
--長宗我部元親や石田三成など、一部の有名武将ですらモンタージュになっているのに、知名度のあまり高くないマイナー武将((松下之綱や滝本寺非有などシリーズ作の中では本作のみしか出てない固有の顔持ち武将もいる。))が固有の顔画像になっていたりする。
---本作で初登場した武将(南部信直・肝付兼続など)や過去作では『全国版』のみに登場した武将(津軽為信・一条兼定など)は固有の顔画像を持っていることが多い((今や顔芸で有名な二階堂盛義も本作が初登場で、固有の顔持ち。))。

#region(どれがどの武将のものか分かるかな?(ヒント:全て有名な武将です))
画像の上にマウスカーソルを載せるか、長押しすると答えが出ます。
&image(zenbuyuumeibusyou.png,title=左:長宗我部元親 中央:鈴木佐太夫 右:石田三成)
#endregion
//隠す必要はないのでは
-勢力分布では本城を持っている勢力しか表示されず、支城しか持ってない勢力がわからない。
--PC版だと、近くの勢力はわかるもののコンシューマ版だと一切不明である。
--PK版ではすべての地域の詳細地図が見れるように改善された。
-武将がいない城を攻めた場合、防御側にどんなに兵士がいようが確実に城を取ることができてしまう。
--兵糧が無い場合も同様。しかもいずれの場合も''援軍を送ることすら出来ない''。
--また城に武将がいないと前述したように浪人や裏切った武将が城を乗っ取る可能性もあるため、城を空にするメリットは基本的にない。
---ただし武将に直接命令できるのは大名または国主のいる城のみのため、武将が少ない時はリスク覚悟で大名または国主の城以外を空にして武将を集中させる必要もある。
---また、この仕様を逆手にとって家臣の知行地がある国をあえて敵に取らせ、家臣の知行を(忠誠度を下げずに)0にするテクニックもある。
-効果を実感できないコマンドや実行できる条件が厳しいコマンドが多い。
--「取立」「作事改修」「築城普請」が使えないコマンドなのは前述した通り。
--「評定」も大まかな指示しかできない上に本城にいないと使えない。
-一向一揆の効果が前作では一つの国で起こせたが、今作では一つの城のみなので相対的に弱体化している。
--また大名の気合を最大分消費するため、使い勝手も非常に悪い。
---ただし本願寺プレイであっても(発生場所含め)ランダムで発生した前作と違って、本願寺プレイなら(条件はあるものの)任意に起こせるようになっている。
--そもそも発生条件の一つである本願寺家は、今作ではCPU担当だと長尾(上杉)家や朝倉家はおろか''神保家や能登畠山家にすら勝てないほど弱く''、10年もしないうちに滅亡することが多い。そのため、東国や西国の大名でプレイした場合一向一揆の被害を受けることはあまりない。被害を受ける場合のほとんどが、本願寺家の遺臣が神保家や能登畠山家の後を継いだ場合である。
---ガイドブックでは当然ながら「''このゲームの本願寺には、史実での活躍を期待してはいけない。''領地は加賀だけでその加賀の貫高も隣の越中より低い。大名も家臣もまったく戦闘向きではない((ただし戦闘は低いが、采配は全体的に高く、長尾を別にすれば十分に渡り合える能力ではある。))。鉄砲は多いが数回戦争して減ったらそれまでである。(要約)」と辛辣な評価。
//---本願寺一門・坊官は他家に属した状態で本願寺家と戦うと、忠誠度に関係なく本願寺に帰順することがあり、専用の台詞が用意されている。本願寺への優遇措置ではあるのだが、本願寺が滅亡するまで戦場に出さなければよいため回避は難しくない。
//PC98版で検証したが、確認できなかったためCO。
---あまりにも本作の本願寺が弱すぎたためか、[[次作>信長の野望 天翔記]]での本願寺は大幅に強化された。
---ちなみに、本願寺光昭(准如)が出てくるのは、シリーズ作の中では本作と『将星録』のみ((派生作品も含んだ場合は『Internet』『Online』『100万人の信長の野望』にも登場))。''本作の本願寺はシリーズ屈指の弱さであるにもかかわらず''。
//単にゲームバランス上本願寺が弱いというだけなので
//↑大大名でも恐れた勢力がそこら辺のマイナーな大名でも簡単に滅ぼせるほどに過小評価されたのが問題なのでは?
-客人来訪が大幅に減り、ボッタクリ商人と浪人の士官しか来なくなった。
--前作のように茶器が手に入るイベントなどがあれば、家宝システムももう少し生かせたのだが…。

-[[彌助>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%A5%E5%8A%A9]]が出るイベントがあるのだが、黒人差別といわれても仕方がない扱いである。
--言葉が一部除いて記号のみ。しかも彌助がいる状態で本能寺の変イベントを起こすとなんと''織田信忠の身代わり''になる。((史実でも彌助は本能寺の変の際、二条御所で織田信忠を守るため明智軍と戦ったが投降している。その後、彌助は逃がされて一命を取り留めている。))
---そして生き延びた信忠は姫路城で秀吉と合流、山崎の合戦にも参戦し清州会議で他の重臣たちに生存報告をして織田家を継ぐことになる。
--この扱いにクレームが入ったのか、長い間シリーズ作品に登場することはなかったが『創造』のダウンロードコンテンツで「弥助」として再登場。さらに『新生』でも20年ぶりに歴史イベントで登場している。
--ちなみに作品が出た当時は黒人の扱いが社会問題になっていた([[参考>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E4%BA%BA%E5%B7%AE%E5%88%A5%E3%82%92%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%99%E4%BC%9A]])。
---肌の色が黒いのを信長が化粧と勘違いして体を洗おうとしたというエピソード自体はかなり有名であり歴史小説等でもたびたび目にするシーンではある。この点では時期が悪かったとしか言いようがない。

-鉄砲を売り買いするだけで簡単に銭が増やせる。
--鉄砲の値段は商業と鉄砲生産国かどうかで決まる。
--鉄砲生産国で商業が高いと安く買えるのだが、非生産国で商業が低い国の売値より安くなってしまう。このため鉄砲生産国で鉄砲を買う→商業が低い城に運ぶ→商業が低い城で鉄砲を売るで簡単に増やせる。
-東北では豊作イベントが起こらず、逆に凶作イベントが頻発する。史実通りではあるものの、東北の生産力がおのずと下がっていってしまう。

**バグ
-兵力の少ない武将を城に特攻させて捕まると、''防御度が一気に10も下がる''バグがある。普通に攻めて防御度が減ってきたところで何人か特攻させれば簡単に落城させられる。捕まった武将も帰ってくるので問題ない。
-明らかな誤字がある武将(本荘(本庄)繁長と角隅(角隈)石宗)が存在している。
-SFC版では家宝を手に入れた武将の能力値が変わらず、そのくせ家臣の持つ家宝を没収した際には所有により上がるはずだった能力値が下がるというバグがある。
-Windows版では敵城を越えてその先の城に攻め込めてしまったり強制終了しやすいというバグが存在する。
-PK版の新シナリオにバグが多い。
--改名前の斎藤道三(長井新九郎)が裏切って独立した際、1度斎藤家の家紋になるがまた別の家紋になってしまう。
---改名時に斎藤家の家紋か否やにかかわらず家紋が変わるようになっているためである。
--シナリオ0でプレイすると、一部武将が何故か新大名の一門衆扱いになってしまっており新大名の家臣として登場してしまう。
---佐竹家の家臣であるはずの岡本禅哲が紀伊畠山家の一門扱いになっている。
---また大内家の家臣であるはずの内藤隆世も阿波細川家の一門扱いになっている。
--何故か名前にスペースが入っている武将(大崎 義隆((ちなみに通常版からあるシナリオだとスペースはない)))も存在している。

**総評
論功行賞・雑兵・家宝などの戦国時代要素をゲーム上で再現しようとした意欲作だが、ゲームシステムにうまく昇華できなかった。~
そのためだろうか、[[前作>信長の野望 武将風雲録]]や[[次作>信長の野望 天翔記]]に比べ評価は高くない。~
近年、信長の野望の新作の評価が下がりつつあるが、当作品は未だにシリーズの中でも低い評価である。~
例えばコーエーテクモゲームスが実施した「[[あなたの好きな『信長の野望』を教えてください>http://www.gamecity.ne.jp/net/campaign/nobunaga30th/questionnaire_result.htm]]」という公式アンケートでも当作品は「[[嵐世記>信長の野望 嵐世記]]」「[[初代>信長の野望]]((現在となっては全国版の下位互換扱いなのも事実だが、発売当時は画期的な内容でいくつかの賞も受賞されている。 非常に古いPCゲームである上に集計当時は比較的遊ぶ環境を整えやすいコンシューマーやWindowsには殆ど移植されなかった(現在はSteamでオリジナル版が配信されている)ためプレイした人が少ないのも原因の一つとなっている。))」「[[将星録>信長の野望 将星録]]」の次に票が少ない。~
一連の件を挙げれば何かと不評だらけの本作だが、じっくりプレイするのが好きなユーザーからの支持は高い。