*名探偵コナン 地下遊園地殺人事件 【めいたんていこなん ちかゆうえんちさつじんじけん】 *名探偵コナン 疑惑の豪華列車 【めいたんていこなん ぎわくのごうかれっしゃ】 |ジャンル|アドベンチャー|~| |対応機種|ゲームボーイ|~| |メディア|2MbitROMカートリッジ|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|地下遊園地: アクトジャパン&br()豪華列車: トムクリエイト(ピーソフトハウス?)、ピクセル|~| |発売日|地下遊園地: 1996年12月27日&br()豪華列車: 1998年8月7日|~| |定価|3,900円|~| |プレイ人数|1人|~| |備考|スーパーゲームボーイ対応|~| |>|>|CENTER:''[[名探偵コナンゲームリンク>名探偵コナンシリーズ]]''| **概要 青山剛晶の人気漫画『名探偵コナン』のゲーム化第一弾と第二弾。~ 基本はマップ上を歩き回って情報を収集し、フラグを立ててイベントを起こすことで進行するADV。~ 二作とも基本部分や評価点なども共通しているので、この記事では併記する。 -全部で3つのシナリオがあり、地下遊園地は最初に選択する行き先、豪華列車は最初に話かける人物によってどのシナリオに分岐するかが決まる。 -独自のシステムとして「かんがえる」コマンドで事件に関する謎について推理することが出来る。 --この時に出る選択肢を選ぶことで最終的な推理を組み立てていくこととなる。 --豪華列車では入手したキーワードから3つを選択するようになり、何度でも試行できるようになっている。 -ゲームが進むと犯人を指名する場面になり、選択すると推理ショーが始まる。上記で選択した内容に応じて推理が披露される。 --選択肢の選び方によって結末が変化するマルチエンディング方式。 --また、タイムに応じて5段階評価のランクが表示される。エンディングや隠し要素には関係しない完全なやりこみ要素となっている。 --クリア時に表示されるパスワードでプレイし、3つの事件をクリアすると最終パスワードが表示され、隠しミニゲームやおまけシナリオがプレイできる。 **ストーリー ''地下遊園地殺人事件''~ コナンや小五郎、少年探偵団の元にオープンしたばかりの地下遊園地の招待状が届いた。~ みんなで行ってみると、そこのオーナーが何者かに命を狙われており護衛の依頼をするため招待したのだという。~ 当初は遊園地を楽しむ一行だったが、オーナーは殺害されてしまい、さらなる連続殺人へと発展していくのだった…。 ''疑惑の豪華列車''~ 遊園地での事件の後、新造の豪華列車ジャパネスク号の試運転に招待されたコナンたち。~ 服部たちを加え旅行を満喫していたが、再び殺人事件に遭遇してしまう。 **評価点 -ゲームボーイながらグラフィックのクオリティは高く、顔グラフィックなどはよく原作の雰囲気を再現できている。 --特定の場面ではイベントグラフィックもあり、ストーリーを盛り上げるのに一役買っている。 -クリアランクは意外と攻略チャートを組み立てて素早く行動する必要があり、やりこみがいはある。 --豪華列車では推理の試行回数もクリアランクにも影響するようになっている。 -地下遊園地のある事件で登場する暗号は割とよく出来ており、解読時も自分で入力する必要がある。 --ヒントも多いので難易度は低いが、ミスは許されないので程よい緊張感もある。 -豪華列車では操作性の改善やパスワードがいつでも確認できるようになり、快適性が上がっている。 **賛否両論点 -グラフィックで緩和されているが、現在のマイルドな作風に比べると猟奇殺人があったりとなかなかエグい。 --対象年齢を考えると微妙なところではある。 **問題点 -メッセージスピードがめちゃくちゃ遅い。「はやい」にしても遅い。 -テキストが少なめなせいか、キャラクターの性格などに違和感がある。 -1つ1つのシナリオは短く、急がなくても1シナリオ30分もあれば終わってしまう。全体的にボリューム不足。 --内容もかなりお粗末。描写も全体的に不足している。 --特に地下遊園地はトリックも犯人の行動も無茶苦茶。小五郎だけならまだしも、少年探偵団に護衛を依頼するオーナーなどツッコミどころ満載。 #region(ネタバレ) --「ホラーハウス殺人事件」では自分も死んだと見せかけ、他の被害者と同じ首だけ死体のフリをして疑いの目を逸らそうとする。 ---調べられればすぐバレるはずだが、小五郎たちは死体を調べず危険だからという理由で放置。いくらなんでも綱渡りすぎ。 ---ちなみにアニメや漫画では、死体がみつかる→コナン達が死体の方に行く→小五郎が「危険だからあまり死体に近づくな!」と言って、小五郎が調べる→小五郎「駄目だ…死んでる…」という流れである。 --「ジェットコースター殺人事件」ではオーナーの席の壊れたセーフティガードを調べると、刃物のあとがあり他殺と断定。革製だったのだろうか? --「巨大迷路殺人事件」に至っては衝動的な犯行はいいとして、やたら手間がかかる手段((迷路の奥にある仕掛けを解いて地下への入り口を開き、そこから逃走。ちなみに死体発見現場から迷路の奥へ行く途中に出口があり、往復の時間を考えると非常に無駄な行動を取っている。))で逃走したうえ証拠品を落としてしまう間抜けっぷり。 #endregion -豪華列車の「カクテルグラス殺人事件」での、とある人物のジャケットを調べる→暗号発見(どういう暗号かは画面に出ない)→部屋で服部と暗号について会話→そうか、わかったぞ! という流れもひどい。 --本当にこれだけである。プレイヤー置いてきぼりな所も少なからずある。 -GBなので仕方ないところではあるが、トリックの解説は全て文章なので非常にわかりづらい。 ''個別の問題(地下遊園地)'' -話かける際の反応が悪く、隣接した状態でもう一歩踏み込む感覚で話しかけないと反応してくれない。豪華列車では改善されている。 -ゲーム途中でのコマンドである「はんにんすいり」では''絶対にクリアできない''。事件を最後まで進め、犯人推理の画面が自動で表示されるまで待たなければならない。 --一部では探索パートに戻るケースがあるが、その場合一本しかない麻酔針を撃った後なので結局待っているのは''ゲームオーバー''である。全く無意味なコマンドだったため豪華列車では削除された。 --ただ、中にはマヌケ過ぎて笑えるような結末もあるのでクリアしたら全てのバッドエンドを観賞して行くのもまた一興。 -推理は犯人当てや暗号解読以外は2択の選択肢を3回選ぶだけなので難易度は低い。 --ただし一度決定した選択は変更できない。誤った選択が一つでもあるとバッドエンド確定になる。よって誤った選択のままパスワード地点まで進めると''詰む''。このため「かんがえる」コマンドは最後のパスワード地点の後に行ったほうが良い。 ''個別の問題(豪華列車)'' -証拠品集めは基本ヒントなしの総当り。 --推理パートの難易度が下がっているのに対し、一見何もない場所を調べないとならないこちらの難易度は高い。 --またロマンス殺人事件は一見事件と何の関係も無い選択肢が証拠品のフラグ経てになっているなどかなり理不尽。 -前作よりマップが広くなったのに対し、マップ画面が廃止されたため迷いやすい。 -前作に比べバッドエンドの演出が簡素。 --今回は誤った人を選択した場合は全員似たような台詞を言ってコナンの苦言で締められるという味気ないものに。 **総評 複数シナリオが収録されてはいるが、2作とも演出や描写が不足ぎみで、推理モノとしてもADVとしても今ひとつな部分が多い。~ 初期の作品だけあって完成度の低い典型的なキャラゲーといったところか。