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ゴルゴ13 (AC) - (2020/06/16 (火) 22:21:26) のソース

*ゴルゴ13
【ごるごさーてぃーん】
|ジャンル|ガンシューティング|#image2(grg13_ac.jpg)|
|対応機種|アーケード(SYSTEM12)|~|
|販売元|ナムコ|~|
|開発元|ライジング、エイティング|~|
|稼働開始日|1999年|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|~|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|
|ポイント|キャラゲーとしての原作再現は合格&br()だからこその''ゴルゴ13しかクリアできない''ような難易度&br()実力さえあればゴルゴのスーパーショットを疑似体験できる|~|
|>|>|CENTER:''[[ゴルゴ13関連リンク>ゴルゴ13シリーズ]]''|
※混乱を避けるため作品名を『ゴルゴ13』、キャラクターとしての名を『ゴルゴ』で統一しています。
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#contents(fromhere)
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**Part1 概要
1968年に連載が始まり、50年以上経った現在も連載中である、さいとう・たかをによる劇画アクション『ゴルゴ13』を題材としたガンシューティング。~
ゴルゴはしっかりした理由と依頼金があればどのような依頼でも受ける超A級の狙撃手で、依頼の多くは要人の暗殺だが、中には「無実の証明のため耳のピアスのみを狙撃」だの「核による自動報復装置が暴走した衛星を破壊するため宇宙空間で狙撃」などといった、とんでもないものもある。

ナムコの『ガンバレット』系統のように複数のミッションを次々とクリアしていくルールを取っているが、最大の特徴は劇中でゴルゴが愛用していたM16アサルトライフル型のコントローラーを用い、スコープを覗いてプレイすること。
-ちなみに筐体に据え付けられているスコープは米国タスコ社製の''実銃''で用いられているもの。
-スコープは顔の位置が近過ぎても遠過ぎても画面が見えなくなるよう設計されている。

この項目ではバージョンアップ版の『ゴルゴ13 奇跡の弾道』(2000年)と『ゴルゴ13 銃声の鎮魂歌』(2001年)についても述べる。

**Part2 特徴
-スコープを覗くとセンサーが反応して狙撃ができる画面になり、顔を離すと遠景が見える画面になる。
-ゲーム開始時にライフルの照準のテストがある。
-ただ狙撃するだけではなく、次々と現れる敵を連射して倒したり、標的が誰なのかを見極めて撃つなどミッションのバリエーションも豊富。
-ミッション失敗になる条件は時間切れか弾丸切れか標的を撃ち損じるのいずれか。攻撃してくる敵はいるが演出と言っていい。
-ミッションの数は全部で20。5ステージごとに4列に区切られていて、5つのミッションから1つを選択する方式。
-ミッションごとのスコアは1000点満点で判定されるが、累計スコアは「銀行残高」として記録される。ただし満点を出すのは至難の業。
-各ミッション開始前に、ストーリームービーが挿入される。漫画のコマそのものを切り抜いて使っており、ゲーム用にアレンジが加わっているが、ゴルゴ13らしさの再現は十分できている。
--もっともゲームの都合上、ストーリーや設定は大幅に改変、省略されている(例・ソリスト→企業家、ショービジネスの帝王→情報屋や、実在の国名が登場しないなど。キャラクターの名前や設定も変更されている。)。
--中には狙撃内容が異なるものも。(例・狙撃手の指を撃つことで狙撃位置をずらし、依頼人のすぐ後ろのターゲットを狙撃させる→狙撃手そのものを撃ち、狙撃を阻止する。スティンガーミサイルのシーカー部を撃ち抜き、追跡能力を無力化する→何発も銃弾を撃ち込みスティンガーミサイル自体を破壊する。『メジャー・オペレーション』と『バトル オブ サンズ』が題材の『G暗殺計画』はコマを流用しただけ((ストーリーは「バスで移動中にゲリラ部隊の襲撃を受けたゴルゴが報復のためゲリラ部隊を殲滅、逃げだした司令官をヘリを撃ち落として仕留める。」というものだが、冒頭の襲撃部分が『メジャー・オペレーション』冒頭の米軍の攻撃、狙撃され驚く司令官の顔アップが『ヘッドハンター』の交通事故(ゴルゴ無関係)の場面、最後のヘリ爆発シーンが『バトル オブ サンズ』の爆弾によるヘリ撃墜コマ。))でほとんどオリジナルの内容になっている。)。元の話を知っていると少し戸惑うかも。
--ミッション途中で狙撃対象が変更される様な事は無く、依頼に虚偽や罠はない。(例・『傑作・アサルトライフル』が題材の『砂塵舞う大地』ではラリーカーのタイヤを狙撃すればそれでミッションクリアになる。サビーヌ兄弟との死闘を予想したプレイヤーには肩透かしとなるかもしれない。)
---このせいか依頼人の裏切りがある『シンプソン走路』原作の『クーデター前夜』が初代では逆にややこしくなってしまい、原作の「依頼人が標的の将校(弟)をかばってすり替わる」という展開がカットされ「標的(一般兵の黄色い軍服)の傍に何か目立つ青い士官服の男がいる」という原作を知らないとこいつ誰?な展開になっていた。(開始前の標的表示はちゃんと黄色い軍服の男)スタッフもややこしいと思ったのか2作目では顔が描き直され「黄服→ただの一般兵士、青服→標的の将校」になっている。
-ミッションの題材となったエピソードはいずれも評価の高い名作及びスーパーショットが行われている作品((稼働後に出版された公式ファンブック『ゴルゴ学』で行われた総合人気投票とベストスナイプ投票で上位にランクインした作品の多くが採用されていた。また後にアニメ化された作品も多い。))から選出されている。ゴルゴ13ファンなら喜ぶ非常にわかっているラインナップ。
--『スーパー・スターの共演』『G線上の狙撃』『死闘ダイヤ・カット・ダイヤ』『36000秒分の1秒』『スティンガー』『呉越同舟』『アッシュ最良の日』『幻のジゼル』など。ヒュームが依頼人となる『薔薇の下で』があるのもファンには嬉しい点。


**Part3 評価点
-アーケードでの狙撃をメインとしたガンシューティング。意欲的かつオリジナリティ溢れる作品である。
-- 余談だが同年にコナミから狙撃ガンシューティング『[[サイレントスコープ]]』が稼働している。(稼働時期はあちらの方が先)
//バンダイナムコ公式サイトの「2006年3月までの株式会社ナムコのプレスリリース」内の記事では2000年3月3日に発売となっています。一方『サイレントスコープ』は1999年8月に新製品として稼働していたとの情報あり。
-前述の通りミッション開始前のムービーやスコア、細かな部分までゴルゴらしさを演出、再現している。また、ヒュームの他にデイブやマークも登場している。
-ミッションの題材も素晴らしい選出で内容の再現度も極めて高い。ゴルゴ13の狙撃の感覚を十二分に堪能できる。後述するがこれが問題点となってしまったのだが…。
-キャラゲーとしての出来は非常によく、ゴルゴ13ファンなら納得の原作再現度である。製作者側に熱烈なゴルゴ13ファンの人物がいるのが容易に想像できる。
--あえて不満点を挙げるとするならば、せいぜいストーリーを改編しすぎなミッションがあるのと(例・『G線上の狙撃』((バイオリンの弦を撃ち抜いて切断する、という点は同じだが、原作では依頼主はソリストで演奏中に弦が切れて醜態を晒してしまい腹いせにライバルにも同じ目に遭わせるために依頼しているのだが、ゲームでは形見のバイオリンが借金のカタにとられてしまい他人に弾かれるのが我慢ならないという理由で依頼をしてくる。ゴルゴに依頼できる金があるなら普通に取り返せと言いたくなる。任務が成功してもバイオリンが返ってくる訳でもない。タイトルの『思い出のバイオリン』というのもゴルゴ13らしくない。)))強敵との死闘というミッションが少ないということ(該当するのは『バイオニック・ソルジャー』ぐらい((第三弾のエンディングでは『鬼畜の宴』のスパルタカス、『落日の死影』のAX-3、『海に向かうエバ』のエバ、『テレパス』のアンナ等が登場する。出演させられなかった制作者の未練だろうか?)))くらい。
--もう一つ謎な改変として「防弾ガラスを連射で撃ちぬく」ミッション(『防弾の城』)のストーリーが、なぜか原作で同じネタをやっていた『動作4/24』ではなく、激しいビル風をぬって狙撃(それもストーリーにはほぼかかわらず、最後に黒幕が報復されるだけのシーン)をやっている『ブラック・ジャイアント伝説』を元にしたムービーを使用。なぜわざわざ違う話を・・・
-獲得スコアを『報酬』、累計スコアを『''スイス銀行残高''』と称する辺りもポイント。単位は$である。
--一件の依頼(ミッション)で受け取る報酬は高得点を出すと150万ドル~200万ドルに達するが、ギリギリでのクリアだと数10万ドルまで落ち込む。ゴルゴへ支払う報酬としては適切な額である。ちなみに、依頼失敗すると失敗の度合いにもよるが基本的に数千ドル程度といった経費相当の額しか振り込まれない(致命傷ではないが一応命中した、信頼度低下の低いパターンでは数万ドル振り込まれる場合もある)。


**Part4 問題点
''ゴルゴ13らしさを追求しすぎたのか、総合的な難易度は非常に高い。''~
''単純な狙撃難易度の高さもさることながら過酷過ぎる仕様が存在する。''
-大抵のミッションが一発勝負。ミスショットしてしまえば終わり。
-標的が小さく、当たり判定が非常にシビア。ゴルゴが行う狙撃なので当然と言えば当然なのだが…。
--標的が人間の場合、命中しても頭部か心臓(に近い胴体部)に当たらないと失敗扱いになってしまう(得点は入る)。頭の方が高得点。
-稼働から時間が経つ事によってスコープに狂いが生じてしまう。微差と言っていい僅かなズレでもこのゲームではプレイに支障をきたす。
--このスコープの狂いが非常に厄介でこのゲームを鬼畜難易度にしている大きな要因である。元々の難易度も高い上に運ゲーの要素が加わってしまう。
--競合作のサイレントスコープでは、スコープが実物ではなく液晶画面内蔵になっている(最新作では実物に変更されているが)。
-標的が動き続ける、または画面が揺れるミッションは鬼門。前述のスコープの狂いが酷い筺体では安定したクリアは困難でほとんど運ゲーとなる。狂いまでもを計算に入れた''未来予測射撃''なんて並のプレイヤーに出来るはずがない。
-ライフ制ではなく「信頼度制」。ミッションに失敗すると下がり成功すると回復する。上がり幅(というか落ちた信頼度の回復量)は成果によって10%~30%と低いが、下がり幅は失敗の度合いにもよるが基本的に''50%~80%(大抵80%)''と、下がり幅の方が極めて大きい。当然ながら、信頼ゼロになるとゲームオーバーとなる。''最悪2ステージでゲームオーバーとなってしまう''。超A級スナイパーたるもの、失敗は許されないのだ。
//50%の場合もありましたので修正しました。下記にもあるが大抵80%減る事が殆ど。
-信頼度は無論初期値(100%)より上には行かない。
-本作は一部のSTGの様な内部ランクがあり、連続で依頼を成功して行くとゲームランクが上がる。
--ランクが上がるとミッションの制限時間がどんどん短くなり、一部ミッションでは狙撃対象や護衛の行動などが変わってより当て辛くなり、失敗時の信頼度ペナルティが拡大していく(''といっても大抵は80%なのだが'')。一発勝負の多い仕様+ランク上昇のせいで実際の難易度はとんでもない事になる((ノーミスで進めていくと、後半のミッションではおおよそ時間切れの0.3秒以内にターゲットを発見・狙撃を決めなければならなくなるなど、難易度が凄まじい事に…。))。
-根本的な問題点として、前述のスコープも含めたライフルコントローラーのメンテがかなり難しいらしい。調整がガタガタな台だとさらに難易度が上がる。現在ではもはやしっかりしたメンテがなされている筺体は稀だろう。((相当古いゲームだが、現在でも稼働しているという報告は結構ある。))

-完全に初見殺しとしか思えないミッションもある。その反面、内容を理解してしまえば簡単なものも含まれるが。
#region(その例)
|トローリング・ボート|標的が寝そべっているため心臓を狙うと腕や肩に命中してしまう。船からの狙撃なので画面が揺れているのも厄介な点。|
|暗殺の庭園|候補の4人の中からランダムに設定される標的を見抜いて狙撃するというミッションなのだが、とにかく素早く狙いを定める技術を要求される。|
|独房という名の密室|回転扉の隙間を縫って狙撃するのだが、チャンスが二回しかなく、原作を読んでいなければ間違えて隣に立つ接見者を撃ってしまいがち。|
|マフィアの履く靴|ハイヒールの踵を撃ち抜くのだが''標的が歩いているため''屈指の難度。事前のミッションで失敗しているとランクが下がって立ち止まってくれるのが救い((実は狙撃ポイントがある程度決まっているため、そこに足が来た所を撃てば高確率で狙撃が成功する事を知っていると意外と楽だったりする。))。|
|殺人教団の夜|標的が誰なのか、どこに居るのかまるで見当がつかず、初見ではまずクリア不可能のミッション。((初見では大体の場合最初に銃を乱射している護衛を撃ってしまうだろう。なお、ターゲットは時間切れ寸前にようやく出てくる。))照明弾を頼りに狙撃するため画面がチカチカしているのも厄介。|
|防弾の城|弾数が「無制限」と表示されるが、実際には防弾ガラスを連射して破った後、標的に対しての一発を外すとその時点で狙撃失敗になる。|
|オーバーロード|威嚇射撃で標的を脅して走らせて心臓発作を起こさせて殺害するというミッションだが、命中スレスレの威嚇射撃を連射しなければならない。|
|チャイナ・シンドローム|「写真を頼りに狙撃」としか説明されず、どこを撃てばいいのか判り難い。原作が名作故に是が非でもクリアしたいミッションなのだが…。|
-いずれもゴルゴが行う狙撃、ゴルゴらしい厳格さを再現したが故の難易度である。
#endregion

-フォローすると難易度が高いのは確かだがまったく手が出ないような壊れた難易度というわけでもない。
--失敗したら次のミッションは内部ランク低下によって難易度が下がるし、比較的簡単にクリアできるミッションもある。
--また高得点を狙うと難しいが、クリアするだけなら簡単な方法があるというミッションも存在する。弾数が無制限なのをいい事に当たるまで撃ちまくる、標的が盾にしている人物を殺して体を晒すまで待つ((公式サイトの攻略指南では人物の安否についてはゴルゴの知ることではない、と人質を見捨てる方法を推奨している。ちなみに原作でもその人物は射殺されている。))など、ゴルゴらしくないやり方になってしまうが。
--そもそも実際の狙撃ではトリガーを引いてから着弾までにかなりのラグ(M16の銃口初速は公称975m/秒、仮に公称有効射程の半分の250mで狙撃したとしても、着弾まで約0.25秒かかる。)があるため、先読みを要求される。それ以外にも重力や風の影響も加味しなければならず、それらも忠実に再現されていたら確実にクソゲーレベルの超高難易度だったであろう。
-最終ステージ以外は失敗してもコンティニューで先に進める((失敗したペナルティで信頼度がゼロにならなかった場合、選択画面から失敗したミッションが選べなくなる。))ので、金さえつぎ込めばいつかはクリア出来るかも…しれない。
-何度も挑戦すればコツが掴めるはず。徹底的にやり込めば攻略法を確立させることも不可能ではない…のかも。
-この作品をクリアするため及び楽しむためには不屈の精神力と何度も挑戦するための資金が必要になる。
--原作の言葉を借りるなら''「10%の才能と20%の努力、そして30%の根気強さ、残る40%はカネ」''である。


**Part5 総評
キャラゲーとしては合格だが難易度が高過ぎた…というより、''キャラゲーとして合格だったせいで難度が高くなりすぎた''…といったところであろう。~
題材がゴルゴ13だから仕方ないのかもしれないが、流石に原作再現をゲームバランスに直結させ過ぎな感はどうしても否めない。

高難度による敷居の高さが大きな難点だが、他に類を見ないゲームであること、原作に対する愛と敬意が強く感じられる作品なのも確かで、そのあたりは十分評価すべきところである。
また、難易度こそ高いが決して理不尽な域という訳ではなく、ミッションをクリアできる腕さえあればゴルゴの狙撃の疑似体験が十分に堪能できる。本気で挑むのなら甘えが許されぬ仕様と高難度故に、一つのミッションごとの緊張感とプレッシャーは半端ではなく、そしてクリアした際の解放感、喜びもひとしおである。~
原作ファンならずとも、原発事故を食い止めるべく原子炉内で狙撃を行う『チャイナ・シンドローム』や超人兵士との壮絶な死闘を繰り広げる『血塗られた遺伝子』をクリアした喜びと感動、そして達成感は言い尽くせないものがある。

原作再現度を少々犠牲にしてでも弾数や時間、信頼度ペナルティや当たり判定の緩和や、初心者向けの個別モードの選択実装などをしていれば、もっと違う評価になったかもしれない。~
あるいは、低料金化でも緩和できただろう。実際、2プレイ50円などといった低料金設定では大幅に稼働率がアップしている。~
原作の存在と秀逸な原作再現度、独自性の強い内容に惚れ込み、高難度に挑むプレイヤーも存在する。二度もバージョンアップ版が出たのがその証拠だろう。~
ある意味[[北斗>北斗の拳 (AC)]]に近い部類のゲームと言える。

もしプレイする機会があり、挫折しそうになったら「スイス銀行ではなく筐体に100円振り込もう。クリアできたら総合報酬は国連に全額寄付されたもの」と考えれば意欲を取り戻せるかもしれない((ただし原作でゴルゴが(匿名で)多額の寄付をする話は「敵対者に流れを追跡されていた金を捨てる代わりに」「目撃者として口を封じたが、尊敬に値する人物だったので最後の願いを聞いてやった」と言うように何らかの理由がある。一応、普段から「善良な一市民」を演じるために一般的な寄付にも応じてはいるようだが、当然この場合は少額であろう(高額だと反って邪推されるので)。))。

ただ、既に筐体が修理困難なレベルに達してしまったらしく、レゲーを大量に並べている愛知県の天野ゲーム博物館の設置筐体も、一般的な修理屋から「うちでは修理不能なんだけどいる?」というオファーを受けて引き取り、店長が個人でレストアした物である。~
レトロ物にはありがちだが、動いてる筐体を見つけたらプレイしないと次が無い可能性がある。

ゴルゴ13は今も絶賛連載中の作品。もしかしたら後継機が稼働することもありえるかもしれない。

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**Part6 バージョンアップ版
『ゴルゴ13 奇跡の弾道』と『ゴルゴ13 銃声の鎮魂歌』について
-基板に倍精度演算モジュールを導入し、銃の精度を大幅にアップしたと公式サイトで語られている。
-全体的に''難易度は上がっている。''だが調整はされており、序盤に選べるミッションは簡単なものが多く、弾数が無制限のミッションが多い。少なくともあっという間にゲームオーバーになるという点については配慮がなされた。
-一部のミッションで「ミッションの選択順やミッション開始前にプレイヤーの狙っている位置に応じてターゲットの出現する位置や挙動が変化する」という厄介な仕様が加わっており、覚えゲーがし難くなっている。
-『~奇跡の弾道』では20ステージ中半数が新規ステージに差替えられ((残りの10ステージは前作から続投))、ミッションの題材は『臆病者に死を』『ノー・リレーション』『顔のない逃亡者』『覚醒・クーデターの謎』『マイアミの奇跡』『バイオニック・ソルジャー』『2万5千年の荒野』『死の翼ふれるべし』『傑作・アサルトライフル』『誇り高き葡萄酒』等、やはり名作揃いのわかっているラインナップ。前作より続投したミッションにも変更点がある。
-『~銃声の鎮魂歌』では、20ステージ中半数が再度新規ステージになり、残りの半数は前2作から人気のミッションが選抜された「ベストセレクション」という形で再録されている。これら再録分のステージについても依頼内容やシチュエーション等に変更が加えられている。
--また、前作まで最終ステージのみだった2部構成のミッションが通常ミッションに追加された。地雷を狙撃して処理した後に警備隊を殲滅するなど。また、ミッションの最中にカットインが入るミッションもある。(例・敵がドーピングをする、標高の高い場所に誘い込んで銃の射程を伸ばしたのか、と驚く敵の台詞など。テンポが良く演出としていい。)


-隠しモードとして「ゴルゴモード」が追加されたが、これが通常モードに輪をかけて極悪。開始前のストーリーやミッション説明が省かれる((この点も鬼畜難易度の一因。標的が出る位置を覚えておいて開始前の説明やコマを目印にしてライフルを固定し狙い撃つという方法ができなくなるため。))ほか、全ミッションの中から''ランダムでステージが選択''される上、全てのミッションが''最高の内部ランク難易度に固定''される。そして''コンティニュー不可能''というまさに本物のゴルゴ13を完全再現した超絶難度となっている。
--しかし、最も点数が稼げるのもこのモードなので、ハイスコアラーなら挑むしかない。実際、公式サイトで行われたランキングではこのモードで高得点を叩き出した凄腕のプレイヤー、さながらリアル・ゴルゴが多数いた。

**Part7 余談
-原作のコマの切り抜きをそのまま使っているが故に心臓を撃ったのに額が撃ち抜かれるコマが表示されるということがある。ちなみにお色気シーンはカケラも無い。[[これ>ゴルゴ13 第一章 神々の黄昏]] とはえらい違いである。一方で射殺されるシーンや死体のコマ等のグロいコマは普通に出る。また、まったく違う話のコマが表示されたり、いくつもの作品から切り抜きして巧妙につなぎ合わせているミッションもある。ゴルゴファンならどの話か探してみるのも面白いかも。
-バージョンアップ版では公式サイトに最終ステージを除く全てのミッションの解説と攻略指南を載せている。高難度をナムコも危惧したのだろう。
-弾切れ、または時間切れになると「ACCIDENTAL」と表示される。これはゴルゴの狙撃失敗の代表例からきている。
-コンティニュー画面は「プレイヤーが本物のゴルゴ13から狙撃される」というような感じの構成になっている。
--ゴルゴは自分の名を騙る者を許さず、偽物に制裁を与えるシーンが何度もある。これも味のある原作再現である。
--バージョンアップ版では「ゴルゴが敵に捕まり、拷問を受けているシーン」のコマの切り抜きがカウントとともに表示されるという『[[ルパン三世 THE SHOOTING]]』のような構成になった((なおコンティニューした場合、ゴルゴが敵兵に反撃し倒すシーンのコマが入る芸の細かい部分も。敵兵を倒して脱出し、ミッションに戻ったと考えればいいのだろうか?))。
-内部ランク変動による難易度での標的の挙動の変化や、狙撃を失敗した際のリアクションなど、作り込みがなかなか細かい。
--犬を頼りに標的を見抜いて狙撃するミッションで''犬を撃つことができるのは公式サイトでネタにされた。''当然ミッション失敗になるのでマネしないように。
---また、このミッションでは標的は顔を整形したマフィアという設定なのだが低難度だとマフィアも他の人物も''近寄ってきた犬に親しげに接する''。みんな犬好きなのだろうか。高難度だとこちらの意図に気付くらしく、犬が特定した瞬間に逃げるように動く。
-コアなファンなら気付くであろうツッコミ所がある。例を挙げると、『見えない軍隊』が題材の『最大有効射程』というミッションでは敵部隊の中に''何故か燐隊長((原作の『白龍昇り立つ』に登場する「極地法など登山家の恥だっ!!」の台詞で有名なキャラ。クリア後に表示されるカットインの中にいる。おそらく本来戦う敵部隊と服装が似ているので数合わせに流用したと思われる。))が居る''など。
-「ゴルゴモード」の入り方はコイン投入後にあるコマンドを撃ちこむことで、''「ゼビウス」の曲とともに出現して画面を流れてくる板(バキュラ)を連射して破壊し、その後出現した「スペシャルフラッグ」を撃つというもの。''ナムコらしいネタである。ちなみにバキュラは256発ではなく13発で破壊できる。((但し、バキュラを逃した場合の再チャレンジは不可。また、ゴルゴモードのコマンド成立後、そのクレジットでのプレイは強制的にゴルゴモードでのプレイとなる。))
-''原作の『ゴルゴ13』にこのゲーム(らしき筺体)が登場している。''
--登場するのはSPコミックス151巻収録、文庫版127巻収録の502話『爆弾魔』。舞台は名古屋港で、依頼を受けたゴルゴが要人の暗殺を阻止すべく爆弾を仕掛けたテロリストを狙撃するというストーリー。筺体はリアリティを追求した本物志向で迫力のある大きな銃声がすると語られており、ゴルゴは狙撃する場所の近くにあるゲームセンターにあらかじめロケテとして筺体を設置しておく事によって、''ゲームのSEの銃声によって実際の狙撃の銃声が怪しまれないようにカムフラージュした。''
---残念ながら本物のゴルゴがゲームをプレイするシーンはない。
---作中内ではこのゲームはロケテバージョンながら順番待ちが出る程の好評((もっともそういう風に運ぶ様に偽装工作をするのもゴルゴの協力者の仕事の範疇だが))だった。もし過疎ゲーだったらゴルゴのカムフラージュは失敗に終わっていただろう。
-『~奇跡の弾道』稼働直前((実質的な稼働は2000年11月))の2000年10月1日にライジングはエイティングに吸収合併された。
--最終作である『~銃声の鎮魂歌』まで実際の開発は元々ライジングが担当していたものの、発売版のクレジットではエイティングのみの表記となっている。((『~奇跡の弾道』まではライジングのクレジット表記がある。))
-同時期に同様のライフルガンシューティングゲーム「サイレントスコープ」がコナミから発売されている。ゲーム業界は何故かこの様な「ガチンコライバルになりそうな作品が同時期に出る」事が多いが((ゼビウス3D/Gとレイストーム等))、これもその好例の一つ。
--本作が作られた背景には「サイレントスコープ」を見たナムコの故・中村雅哉社長が『うちでもガンもの作れ』と言う命令があった((参照:https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20200229004/))との事。
--こちらが一発勝負のスリリングなゲームであり、サイレントスコープは長距離射撃で連続で撃っていくと差別化されている。ゲーム内容に合わせて、ゴルゴはゲーム画面が拡大するのに対し、サイレント〜はスコープ内に小さなモニターがあり、デュアルモニタ仕様。