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所さんのまもるもせめるも - (2021/01/28 (木) 22:50:52) のソース

*所さんのまもるもせめるも
【ところさんのまもるもせめるも】
|ジャンル|アクション|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174000392.jpg,height=160)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|512KbitROMカートリッジ|~|
|発売元|CBSソニーグループ&br()(EPIC・ソニーレコード)|~|
|開発元|制作: イスコ&br()開発(プログラム): HAL研究所|~|
|発売日|1987年6月27日|~|
|定価|4,900円|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|理不尽ワープの運ゲー&br()電波グラフィック・BGM&br()トラウマED|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
ミュージシャン、タレントとして当時から現在まで有名な「所さん」こと所ジョージが、企画・構想・キャラクターデザイン・BGMを手掛けたゲーム。~
所ジョージの看板番組はなぜか『所さんの○○』とタイトルが付けられる場合が多いが、本作もそれに倣ったタイトルとなっている。~
クソゲーというより怪作、電波ゲーの雰囲気を漂わせているその内容は…

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**ストーリー
-一言で説明すると、都内にいたところ娘さんのテレパシーを感じた所さんが、娘さんのいる所沢に向けて都内を駆け抜けるというもの。
-敵が所さんに襲い掛かる理由や、ラスボスの狙いなどの背景は全然説明されない。

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**特徴
-システム
--時間制限制の横スクロールアクション。ライフ制で残機はなし。武器として装備している水鉄砲を使用して戦うのだが、これが「水の残量」という現実的な理由によりやたらとゲームを難しくする原因になっている。詳しくは後述。

-ゲームオーバー
--残機はなく、死ぬとゲームオーバー。欧陽菲菲の『Love is over』が流れる画面に表示されるのは
 GAMEOVER…
 かなしい けれど
 おわりに しよう
 きりが ないから
 GAMEOVER…
     オーヤン カフェ
--コンティニューは3回まで。しかし、ある隠しアイテムで無制限にすることができる。

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**問題点
-理不尽な仕様による、無駄に高い難度
--水鉄砲は弾数が数字ではなくゲージで管理され、打つごとにゲージが無くなり威力も飛距離も弱くなる(一応アイテムで補充可能)。ゲージがゼロになっても敵は撃てるが、ほとんど弾は飛ばないも同然。ほぼ真下に落ちるようになるので、ジャンプして敵の真上で撃つというプレイを要求される。
--水鉄砲は水圧を使って飛ばす都合上、実際にタンクの水が減れば飛距離は落ちていく。が、それを「唯一の武器」で実際にやられるとかなり厳しい。更に地上エリアに存在するアイテムは全て隠しアイテムであり、特定の場所で水鉄砲を撃たないと出現しない仕様になっている。[[…あれ? そんなゲーム、どっかで見た事があるような…>スーパーピットフォール]]
--ただし敵自体は(''一定時間ごとに問答無用でダメージを与えるフラッシュを放つ''序盤のボスなど限られた敵以外は)別に強くはない。ちゃんと水鉄砲が飛びさえすればだが…。
---だが、出てくるものは''風邪マスクをした豚、目がイッちゃった二足歩行の水色の犬、唇が付いたピンクの球体、ピンク色の長靴''といったもので、見た目に関していえば「まともな敵」はほとんどいないと言っていい。
---ちなみに襲ってくる敵キャラの多くは当時の「所さんのスタッフ」らしい。例えば豚の敵「ブーチャン小林」のモデルは、「笑っていいとも」のディレクターや当時放送していたテレビ番組「所さんのただものではない!」のディレクター&プロデューサーだったブーチャン小林こと小林豊。
--またマップに関しても色々とおかしい
--東京23区(登場しない区もある)、西武線沿線の自治体、所沢、そしてラストステージは所御殿。それは別に構わないのだが、ボスを倒してもその先の扉のどれかから行けるステージには分岐があり、さらに''ランダム''なので、なかなか先に進めず何度も同じ面を攻略する羽目になる場合も多い。
--つまり''完全に運次第''でプレイヤーの技量ではどうにもならない。一応23区ステージのラストである練馬区まで行けば後は一本道になるが運が悪いと23区ステージを延々と回ることにもなりかねない。
--東京23区ステージの中には高速エリアや地下エリアに行けるルートもあるが、はっきりいって行き方が分かりにくい。

-BGMが当時としても色々と出来が悪い
--所ジョージ作曲との触れ込みだが、はっきりいってその多くが電波にしか聴こえない(所さん作曲のソングは名曲が多いはずなのだが)。
--効果音がBGMに干渉して音程が狂う現象がBGMの出来の悪さを高めている。
--ちなみに所さんの本職は「ミュージシャン」である。多趣味なうえ様々な新しいことをし続けるので芸人とか思っている人も多いだろうが、彼は「ドキュメンタリーソングの第一人者」と評されたこともある唯一無二の個性派ミュージシャンとして業界でも高い評価を受けている人物である。
--「ミュージシャン関連作なのに音楽が悪い」というのは他にも『[[聖飢魔II 悪魔の逆襲!]]』が有名だが、あちらはそもそもがヘヴィメタルであり、ファミコンの音源で再現できるかどうかはかなり厳しいものであった。

-エンディングが酷い
--ラスボスはどう見ても所さんの奥さん((ちなみに所さんの事務所の社長でもある。))。まぁ所さんが作成しテレビ放送もされた「デジタル所さん」でも鬼嫁キャラだったので、それ自体は特に驚くほどではない。問題はそのあとである。
--なぜかゲームオーバーと同じ『Love is over』が流れる中、娘さんとの対面を喜ぶ所さん。
 ところが‥
--いきなり凶悪な姿で所さんを襲う娘さん
 つづく‥かもね‥

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**評価点
-敵キャラとは異なり、プレイヤーキャラクターである所さんのデザインや挙動については可愛らしくできている。

-上述のように、攻撃の仕様は理不尽であるものの、操作性自体はさほど悪くない。
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**総評
言ってしまえば「タレント名義で売ろうとした半端な出来のゲーム」であり、当時多かった駄作の一本である。~
とは言え、『[[たけしの挑戦状]]』のようなインパクトのあるクソさではなく、「思うように攻撃できない」「運が悪いと先に行けない」「エンディングが酷い」と小技でジワジワとダメージを蓄積させるようなタイプのクソさなので慣れてしまえば遊べないこともない。~
そんな苦行を積むくらいなら、最初からちゃんとできている名作をプレイする方が絶対に有意義だが…。
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**余談
-エンディングで「つづく‥かもね‥」と言った割には、本作の続編は未だに出ていない。

-所ジョージは本作以外にも『ToKoRo'sマージャン』や『所さんの大富豪』などでゲームに携わっているが、本作以外はどれもマイナーである。
--と言うより、本作の評判が独り歩きしている節がある。

-発売元のエピックソニーは、同社が所属する芸能人を題材にしたゲームを出した作品として、本作以外にも『[[田代まさしのプリンセスがいっぱい]]』『[[TM NETWORK LIVE IN POWERBOWL]]』を出している。
--また『[[ドラゴンズレア>ドラゴンズレア (FC)]]』をファミコンで出したのもここ。

-双葉社から『所さんのまもるもせめるも ~アクアク大冒険~』というゲームブックが出ている。この本の内容も所さんが手がけている。
--こちらはファミコン版とはまた違ったストーリーが展開され、ゲームブックとしてもなかなか面白い。