所さんのまもるもせめるも
【ところさんのまもるもせめるも】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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512KbitROMカートリッジ
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発売元
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CBSソニーグループ (EPIC・ソニーレコード)
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開発元
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制作: イスコ 開発(プログラム): HAL研究所
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発売日
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1987年6月27日
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定価
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4,900円
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判定
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クソゲー
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ポイント
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理不尽ワープの運ゲー 電波グラフィック・BGM トラウマED
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概要
ミュージシャン、タレントとして当時から現在まで有名な「所さん」こと所ジョージが、企画・構想・キャラクターデザイン・BGMを手掛けたゲーム。
所ジョージの看板番組はなぜか『所さんの○○』とタイトルが付けられる場合が多いが、本作もそれに倣ったタイトルとなっている。
クソゲーというより怪作、電波ゲーの雰囲気を漂わせているその内容は…
ストーリー
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一言で説明すると、都内にいたところ娘さんの母親がおかしくなったというテレパシーを感じた所さんが、娘さんのいる所沢に向けて都内を駆け抜けるというもの。
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ところがファミコンな街に変貌しており、スタッフさんたちのレプリカント(複製人間)が所さんに襲ってくる。
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敵が所さんに襲い掛かる理由や、敵の狙いなどの背景は、全然説明されない。
特徴
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システム
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時間制限制の横スクロールアクション。ライフ制で残機はなし。武器として装備している水鉄砲を使用して戦うのだが、これが「水の残量」という現実的な理由により、やたらとゲームを難しくする原因になっている。詳しくは後述。
問題点
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理不尽な仕様による、無駄に高い難度
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水鉄砲は弾数が数字ではなく「WATER」ゲージで管理され、打つごとにゲージが無くなり威力も飛距離も弱くなる(一応アイテムで補充可能)。ゲージがゼロになってもいちおう撃てるが、ほとんど弾は飛ばないも同然。ほぼ真下に落ちるようになるので、ジャンプして敵の真上で撃つというプレイを要求される。
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実際の水鉄砲も、水圧を使って飛ばす都合上、タンクの水が減れば飛距離は落ちていく。が、それをゲーム中の「唯一の武器」でやられるとかなり厳しい。更に地上エリアに存在するアイテムは全て隠しアイテムであり、特定の場所で水鉄砲を撃たないと出現しない仕様になっている。…あれ? そんなゲーム、どっかで見た事があるような…
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ただし敵自体は(一定時間ごとに問答無用でダメージを与えるフラッシュを放つ序盤のボス「ピント」など限られた敵以外は)別に強くはない。ちゃんと水鉄砲が飛びさえすればだが…。
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だが、出てくるものは風邪マスクをした豚、目がイッちゃった二足歩行の水色の犬、唇が付いたピンクの球体、ピンク色の長靴といったもので、見た目に関していえば「まともな敵」はほとんどいないと言っていい。
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ちなみに襲ってくる敵キャラの多くは当時の「所さんのスタッフ」らしい。例えば豚の敵「ブーチャン小林」のモデルは、「笑っていいとも」のディレクターや当時放送していたテレビ番組「所さんのただものではない!」のディレクター&プロデューサーだったブーチャン小林こと小林豊。
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キャラクターデザインは所本人が担当している。ということらしいが…。
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また、マップに関しても色々とおかしい。
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東京23区(登場しない区もある)、西武線沿線の自治体、所沢、そしてラストステージは所御殿。それは別に構わないのだが、ボスを倒してもその先の扉のどれに入るかで、次のステージが決まる。しかし、各扉は行き先が2種類設定されており、どちらになるかはランダムなので、どの区のどの扉から何区に行けたかメモって2種類の候補を把握していっても、なかなか先に進めず何度も同じ面を攻略する羽目になる場合も多い。
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つまり正解の扉が分かっても確率50%の完全に運次第でプレイヤーの技量ではどうにもならない。一応23区ステージのラストである練馬区まで行けば後は一本道になるが、運が悪いと延々と千代田区や文京区に戻されることにもなりかねない。
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豊島区に行って練馬区に繋がる可能性のある扉を通るのが正攻法だが、港区に行って品川区に繋がる可能性のある扉を通るのもあり(品川区から確実に練馬区に行く手段がある)。
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品川区の仕掛けを見つけて扉の把握も済めば、「千代田区(スタート) → 新宿区or港区の扉 あるいは 文京区or港区の扉」「文京区 → 新宿区or豊島区の扉」「新宿区 → 千代田区or豊島区の扉 あるいは 文京区or港区の扉」「豊島区 → 文京区or練馬区の扉」「港区 → 新宿区or品川区の扉」くらいにルートが絞られる。
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東京23区ステージの中にはアイテムを入手できる高速エリアや地下エリアなどの隠しエリアもあるが、はっきりいって行き方が分かりにくい。
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BGMが当時としても色々と出来が悪い
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所ジョージ作曲との触れ込みだが、はっきりいってその多くが電波にしか聴こえない(所さん作曲のソングは名曲が多いはずなのだが)。
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効果音がBGMに干渉して音程が狂う現象が、BGMの出来の悪さを高めている。
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ちなみに所さんの本職は「ミュージシャン」である。多趣味なうえ様々な新しいことに挑戦し続けるので、芸人とか思っている人も多いだろうが、彼は「ドキュメンタリーソングの第一人者」と評されたこともある唯一無二の個性派ミュージシャンとして、業界でも高い評価を受けている人物である。
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「ミュージシャン関連作なのに音楽が悪い」というのは他にも『聖飢魔II 悪魔の逆襲!』が有名だが、あちらはそもそもがヘヴィメタルであり、ファミコンの音源で再現できるかどうかはかなり厳しいものであった。
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エンディングが酷い
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所御殿では所さんのレプリカントである「もどき」が登場。
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ラスボス「ドンナマ」はストーリーで言及されている所さんの奥さん(のレプリカント)。まぁ所さんが作成しテレビ放送もされた「デジタル所さん」でも鬼嫁キャラだったので、それ自体は特に驚くほどではない。問題はそのあとである。
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なぜかゲームオーバーと同じ『Love is over』が流れる中、娘さんとの対面を喜ぶ所さん。
ところが‥
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いきなり凶悪な姿で所さんを襲う娘さん(のレプリカント)
つづく‥かもね‥
評価点
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敵キャラとは異なり、プレイヤーキャラクターである所さんのデザインや挙動については、可愛らしくできている。
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上述のように、攻撃の仕様は理不尽であるものの、操作性自体はさほど悪くない。
総評
言ってしまえば「タレント名義で売ろうとした半端な出来のゲーム」であり、当時多かった駄作の一本である。
とは言え、『たけしの挑戦状』のようなインパクトのあるクソさではなく、「思うように攻撃できない」「運が悪いと先に行けない」「エンディングが酷い」と小技でジワジワとダメージを蓄積させるようなタイプのクソさなので、慣れてしまえば遊べないこともない。
もっとも、そんな苦行を積むくらいなら、最初からちゃんとできている名作をプレイする方が、絶対に有意義ではあるのだが…。
余談
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エンディングで「つづく‥かもね‥」と言った割には、本作の続編は未だに出ていない。
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所ジョージは本作以外にも『ToKoRo'sマージャン』や『所さんの大富豪』などでゲームに携わっているが、本作以外はどれもマイナーである。
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と言うより、本作の評判が独り歩きしている節がある。
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双葉社から『所さんのまもるもせめるも ~アクアク大冒険~』というゲームブックが出ている。この本の内容も所さんが手がけている。
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こちらはファミコン版とはまた違ったストーリーが展開され、ゲームブックとしてもなかなか面白い。
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ストーリーに出ている長女「さやか」は所ジョージの実の長女の名前なので実在の人物。
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同年1月~3月にTBSで放送されていたTBSのホームドラマ『パパはニュースキャスター』では、主人公「鏡竜太郎(演:田村正和)」の隣人「松本保」を演じたのだが、そのドラマの役柄でも「さやか」という同名の娘がいる。
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上記ドラマはファミコンシーンを挿入するなどして子供からの人気もあったので、所自身の家庭の実情は知らなくても「所ジョージの娘=さやか」というイメージは割と定着していた。
最終更新:2024年01月04日 20:34