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CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000 - (2021/04/11 (日) 01:36:51) のソース

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本項ではアッパーバージョンの『CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000 PRO』についても記述する。判定は2作品とも「''なし''」。
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#contents(fromhere)
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*CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000
【かぷこん ばーさす えすえぬけい みれにあむふぁいと つーさうざんど】

|ジャンル|格闘ゲーム|#amazon(B000069TEV,width=180)|
|対応機種|アーケード(NAOMI)&br;ドリームキャスト|~|
|販売・開発元|カプコン|~|
|稼働開始日|2000年8月18日|~|
|発売日|【DC】2000年9月6日|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|夢のクロスオーバー&br;''ぶっちゃけほぼ『ストII VS. KOF』''&br;問題の多いレシオ関連&br;DC版の隠し要素解禁に要するポイント総量が鬼|~|
|>|>|CENTER:''[[CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''[[SNKクロスオーバー関連作品シリーズ]]''|
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**概要
格闘ゲームブームを起こしたカプコンと、そのライバル的存在であったSNKのクロスオーバー作品。本作はその中のカプコン側リリース一作目である((SNK側からは先に『SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ』『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』という2作品がリリースされている。))。~
『[[MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES]]』から引き続き、当時の最先端基板であるNAOMIにて稼働、NAOMIと互換であるDCにも移植された。

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**登場キャラクター
『PRO』からの登場キャラクターもまとめて記載。出典作品は裏キャラクターを除き、キャラクターセレクト画面で確認可能。~
なお、対戦キャラクターとしてはバイスは『[[THE KING OF FIGHTERS '96]]』、ユリは『[[龍虎の拳2]]』からだが、本作ではサブキャラクターを含めた初出作を出典として扱っている。~
キャラクター名の後ろの括弧内はレシオ値。また、モリガン・ナコルル・豪鬼・ダン・ジョー以外の全員に性能違いのEXキャラクターが存在((リュウは殺意の波動に目覚めたリュウ、庵はツキノヨルオロチノチニクルフイオリが対応。))。~
|CAPCOMサイド|[[ストリートファイター]](3人)|リュウ(2) ケン(2) サガット(3)|
|~|[[ストリートファイターII]](''9人'')|春麗(2) ガイル(2) エドモンド本田(2) ブランカ(1) ダルシム(1)&br;ザンギエフ(2) M.バイソン(2) バルログ(3) ベガ(3)|
|~|[[スーパーストリートファイターII]](1人)|キャミィ(1)|
|~|スーパーストリートファイターIIX(1人)|豪鬼(4、隠しキャラクター)|
|~|[[ストリートファイターZERO]](0人→1人)|ダン(1、『PRO』追加キャラクター)|
|~|[[ストリートファイターZERO2]](1人)|春日野さくら(1)|
|~|[[ヴァン>ヴァンパイアハンター]][[パイア>ヴァンパイアセイヴァー]](1人)|モリガン(2/PROでの乱入時は4、隠しキャラクター)|
|~|裏キャラクター(1人)|殺意の波動に目覚めたリュウ((本作ではリュウのEXキャラクター扱いだが、キャラクターとしての実際の初出は『ストリートファイターALPHA2』。))(4、隠しキャラクター)|
|SNKサイド|[[THE KING OF FIGHTERS '94]](3人)|草薙京(2) 二階堂紅丸(1) ルガール・バーンシュタイン(3)|
|~|[[THE KING OF FIGHTERS '95]](2人)|八神庵(2) バイス(1)|
|~|[[餓狼伝説 宿命の闘い]](3人→4人)|テリー・ボガード(2) ジョー・ヒガシ(1、『PRO』追加キャラクター)&br;ライデン(2) ギース・ハワード(3)|
|~|[[餓狼伝説2 新たなる闘い]](2人)|不知火舞(2) キム・カッファン(2)|
|~|[[餓狼伝説3 遥かなる闘い]](1人)|山崎竜二(3)|
|~|[[龍虎の拳]](3人)|リョウ・サカザキ(2) ユリ・サカザキ(1) キング(1)|
|~|[[サムライスピリッツ]](1人)|ナコルル(2/PROでの乱入時は4、隠しキャラクター)|
|~|裏キャラクター(1人)|ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ((本作では庵のEXキャラクター扱いだが、キャラクターとしての実際の初出は『THE KING OF FIGHTERS '97』。))(4、隠しキャラクター)|

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**特徴
-グラフィックはカプコン側は『ストリートファイターZERO』シリーズや『ヴァンパイア』シリーズのドット絵、SNK側はそれらとは異なるフォーマットで新規に作り下ろしたもの。
--カプコン側は原則使い回しだが、『ZERO』は『II』の前日談という設定なので、リュウは新たに「SNKキャラと同じ画風で書かれたストII時代のリュウ」ということで新規に書き起こされた。それに伴い、ケンと豪鬼も同じフォーマットで書き直されている。
--また、ベガも『ZERO』のマッチョベガと違い「SNKキャラと同じ画風のストIIベガ」として新規で作られた。
-''操作系はSNK側に寄せ、弱強・パンチキックの4ボタン。中攻撃は基本的にはなし。''
--カプコン側の中攻撃で重要なものは特殊入力技として再現されている。例としてリュウは左斜め下方向に入れての強キックでしゃがみ中キックが出る。
-ゲームルールは『[[THE KING OF FIGHTERS>THE KING OF FIGHTERSシリーズ]]』シリーズのような勝ち抜き戦。ただしチーム人数は変動し、1~4人で組むことが可能。
-''キャラクター属性「グルーヴ」''
--CAPCOMグルーヴとSNKグルーヴのどちらかを選択可能。CAPCOMキャラクターもSNKグルーヴを使えるし、その逆もまた。但し、チーム全体で一つのグルーヴしか設定できないため、キャラとの相性はよく吟味したほうがよい。
--「CAPCOMグルーヴ」
---『ストリートファイターZERO』・『ZERO2』、及び『[[ZERO3>ストリートファイターZERO3]]』の「Z-ISM」がベース。
---攻撃によりスーパーコンボゲージがLv1からLv3まで溜まり、その具合でキャラの攻撃力もアップする。
---スーパーコンボ使用時にはボタン入力によってゲージ使用量を変えられる。ボタン数の関係上、強ボタンでLv2、弱強同時押しでLv3となる。
--「SNKグルーヴ」
---初期の『KOF』シリーズ(『[['97>THE KING OF FIGHTERS '97]]』・『[['98>THE KING OF FIGHTERS '98 DREAM MATCH NEVER ENDS]]』での「EXTRA」相当)がベース。ただしこちらも攻撃避けではなく回り込みのため『'96』の方がやや近い。
---ゲージ溜め動作によりエクストラゲージが溜まり、最大まで溜めると攻撃力がアップするMAX状態になり、全消費で超必殺技が使える。
---体力が一定以下になると超必殺技が使いたい放題になり、更にゲージも満タンだとMAX超必殺技が使用可能になる。
--また、本作では選択したグルーヴによってイラストの画風のタッチが変化する。
---CAPCOMグルーヴのイラストは、CAPCOMキャラをイケノ氏、SNKキャラを西村キヌ氏が担当。
---SNKグルーヴでは当時まだSNKに在籍していた森気楼氏が描いたCAPCOMキャラを見ることができるが、SNKキャラは''CAPCOMのBENGUS氏が森気楼氏に似せた画風で描いたもの''になる。
-''本作最大の要素「レシオ」''
--各キャラクターに最初からレシオという、簡単にいうと強さの度合いを示す数値が1~4で固定されている。
--女性や線の細いキャラクターなどは1、ボスクラスのキャラクターは3、隠しキャラクターの一部はレシオ4、それ以外は2という具合の設定。
---一応、高レシオのキャラほど単発攻撃力や体力は高目に設定されてはいるのだが、しかし…(後述)。
--チーム作成は、この合計がちょうど4になるようにしか組み合わせることができないので、必然的に人数は1~4人で組むことになる。
-EXキャラクター
--隠しキャラクターとして、デフォルトで使えるキャラクターほぼ全員にEXキャラクターという性能違いの裏キャラクターが存在している。隠しではあるが、感覚としては『[[サムライスピリッツ>サムライスピリッツシリーズ]]』シリーズの修羅・羅刹に近い。
--主に必殺技の入れ換えが行われており、例えば通常版の京はラッシュ重視の『KOF'96』以降の性能を、EX京は波動昇竜系の『KOF'95』までの性能を再現している。
--一見通常版から必殺技が減っただけに見えるキャラクターもいるが、そうしたキャラクターは通常キャラクターとは異なる特殊技を持っていたり、同じ必殺技でも性能が異なるなどの差別化が行われている。
--リュウと庵については他のキャラと異なり、姿やレシオすら異なる別枠の殺意リュウと暴走庵がEX扱いになっている。また、ナコルルとモリガンと豪鬼にはEX自体が存在しない。

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**評価点
-とにかく(アーケードでは)初のドリームマッチ。ファミ通のクロスレビューでは「プロ野球で言うならばオールスター戦」と称された。会社内でのクロスオーバーが各社煮詰まってきていたところ、まさかの会社越境の対戦にファンは涙した。
--しかしその人選は決して褒められた物ではなかった(後述)。
-新規に書き下ろされたドット絵、背景などのクオリティは高い。SNK側のキャラクターもカプコン側と違和感なく溶け込み、それでいて元のデザインの良さは殺されていない。
--メトロシティやパオパオカフェなどのステージ背景に、両社のキャラクターが随所にカメオ出演するなど芸が細かい。
-『KOF』や『[[ストIII>ストリートファイターIII 3rd STRIKE]]』シリーズのような、ステージの演出も評価が高い。
--鳥が通過してからキャラクターが向かい合う画面になるタイステージや、篝火の炎が燃えながら画面が広がる城門前のステージなど、かなり凝った作りになっている。
---次回作では、こういった演出は無くなってしまったため惜しむ声は多い。また、ステージもすべて完全オリジナルになっている。
-EXキャラクターの存在で広がるバリエーション。
--パワーウェイブがまったく使えないEXテリーなんてものもいるが、『KOF』風の性能や『スパIIX』風の性能などキャラクターの人数が実質倍近いので好評である。
-NAOMI基板とDCとの連携
--カラーエディットしたキャラクターをアーケードで使えたり、いろいろな連携が見られた。

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**賛否両論点
-BGMは『ZERO3』に続いてテクノミュージック系で、ビートを重視した曲調になっている。
--家庭用ではシークレットファクターとしてだが、懐かしのテーマ曲としてカプコン・SNKそれぞれのステージBGMに切り替えることが可能。

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**問題点
-&bold(){レシオによるバランス崩壊}
--最初からキャラクターに序列を与えてしまうという改革は失敗だった。高レシオのキャラにはそこまでの優位が与えられていないことが多く、結局はレシオ1×4が強い。
---レシオは性能よりも''設定上の立ち位置で決まっている''面が大きく、レシオ1のキャラクターだからといって単純に弱いというわけではない。また、ステータスなどにもそこまで極端な違いがない。
--そのため結局、合計すれば体力も性能も他レシオと大差ないレシオ1×4人チームが強い、という単純な結果に。
---レシオ1に最強キャラ疑惑のあるキング(ノーマル)がいるのも痛い((EXキャラの場合は「ダブルストライク」がゲージ使用技となり、「サイレントフラッシュ」が使えなくなるため、立ち回りの制圧力が落ちて最強クラスからは一歩劣ると言われている。))。強脚払い、及びスライディングの隙が少なく、回り込みも高性能な上に「ダブルストライク」をノーゲージで使える必殺技として所持しているため、本作で重要な『差し合い・飛び道具の打ち合い』を制しやすい。さらに超必殺技の「サイレントフラッシュ」がLV1から高性能で、出掛りに長めの無敵時間がある上、ガードされてもほぼ問題ないほど隙が小さい。空中コンボに取り入れることで投げや強脚払いからの追撃にも使える万能技となっている。
---また、レシオ1抜きにしても隠しのナコルルがあまりにも突出しており、ナコルル+レシオ1×2チームも4人チームに負けず劣らず強いほどである。レシオ2ではナコルルの次点だが、LV1から無敵時間が攻撃判定発生後まで持続する「トータルワイプアウト」で守りの堅いガイルも猛威を振るった。
--隠し要素であるペアマッチモード(弱P+強Pを押したままゲームスタート)では全員のレシオが2に統一(攻撃力・防御力もそれに合わせて調整)され2人固定になるが、コマンドが必要かつ2人だけしか使えないということもあり、一般的なルールにはならなかった。

-&bold(){キャラ選出の大幅な偏り}
--&font(b,red){CAPCOM側は隠しのモリガンを除いた全員が『ストリートファイター』シリーズ出身キャラクターである。}
---さらに内訳を見るとほぼ全員が『ストII』シリーズにも登場している上に、''無印『ストII』時点で登場していた12人全員が参戦している''。ここまでやるといっそ清々しいほど。((なお、同様の事例は先駆けて家庭用『ストZERO3』でもあり、そちらは最終的に『スパIIX』に登場した17人全員が一堂に会した。ただし、そちらは明確に『ストリートファイター』シリーズであることを考慮すれば特に問題のある人選ではない。))
---それ以外は『ストZERO』シリーズからさくら(と殺意リュウ)が出ている程度で、当時最新作だった『ストIII』シリーズからは誰も出場していない。
---『[[ファイナルファイト>ファイナルファイトシリーズ]]』((背景としては存在している))や『[[MARVEL VS. CAPCOM>MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES]]』に登場していたCAPCOM側キャラクターも不在。ここまで極端に偏る人選は後にも先にも本作のみ。
--''SNK側も大半が『KOF』シリーズ登場済キャラで、当時KOF本編に出場経験が無かったのはライデンと隠しのナコルルのみ。''((本編以外ではゲームボーイ版『熱闘KOF'95』にナコルルが出場していた。残るライデンについても本作の後に『KOFXII』へ出場を果たし、ナコルルも本編の『KOFXIV』に出場した為、現時点で見ると全員がKOF本編出場キャラということになってしまう。))
---一応、大元の作品を辿れば『KOF』オリジナルは5人(+暴走庵)で、残りは『[[餓狼伝説>餓狼伝説シリーズ]]』から5人(+ライデン)、『龍虎の拳』から3人と、『KOF』参加内でもある程度は散らしてキャラは選出されているが、それを考慮しても出典元はこの3タイトル+ナコルルの『サムスピ』のみに絞られている。
---『KOF』不参加を優先するとマイナー作品やキャラばっかりになってオールスター感がなくなってしまうし、そもそも『KOF』自体が自社内のお祭作品である為、これは仕方ないとも言える。
//とはいえ、人気のアテナやレオナを差し置いてバイスが選出されるなど、疑問に思える選出もあるにはある。
//バイスは女性の投げ主体キャラという貴重なポジションだし、カプコンが人気より操作キャラに落とし込む上での個性・差別化での選出は昔からだったのでちゃんとした意図はある筈。アテナが出ていないのも、最初から人気キャラを全て出したら次回作での新規参戦の目玉キャラが減ってしまうし、いい塩梅。
--このためこれでは実質的に''『ストリートファイターII vs. THE KING OF FIGHTERS』''ではないかと揶揄されることも多い。
--第一弾ということで比較的世界観の近い2作を中心にし、時代劇やファンタジー要素は薄めの世界観にまとめたのであろうと思われる。
---その割にはなぜか背景にスーツ姿の柳生十兵衛がいたりするが、これについては本編の十兵衛ではなく『[[真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変]]』の開発時にスタッフの落書きから生まれた「柳生課長」という公式スピンオフキャラ((「職を失い職安通い中のサラリーマン」という設定で、旧SNKの公式ホームページにイラスト掲載コーナーが作られていた。))。また、グルーヴセレクトの背景には何故かプレイヤーキャラクターが登場していない『パワーストーン2』と『[[私立ジャスティス学園>私立ジャスティス学園 LEGION OF HEROES]]』のタイトル画面が映っている。
--SNK側の『[[頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM]]』ではある程度キャラクターの出典作品が散らされてバリエーション豊かな顔ぶれとなっていたため、その対比で本作の人選の偏りが余計に目立つことになってしまったとも考えられる。

-空中ガード等の対空を制御するシステムがなく、無敵技及び対空技がかなり強いバランスであるため、「差し合い重視の守りが強いゲーム」であったこと。
--一概に悪い点とは言えないが、全体的にジリジリと相手の体力を減らしていく展開になりがちで、攻めて勝つ爽快感はあまりないゲームであった(高レベルの対戦になるほど特に)。

-ボタン減によるカプコン側キャラクターの違和感
--操作感自体はストリートファイターに近いだけに、かえってボタンの少なさが違和感増大。
--ただし順押しコマンドの瞬獄殺やダークネスイリュージョンは若干出しやすくなった。
-カプコン側の使い回しキャラクターのドット絵が汚い
--新規に書き下ろされていないストリートファイター出身のキャラクターは『ZERO3』のグラフィックの使い回し。そのまま拡大だけしたようで、ハードのドット比違いのしわ寄せが来た。
---特に、『ヴァンパイア』からの使い回しであるモリガンは、ドットの粗さに加えてタッチが違うので非常に浮いてしまっている。
--さらに描画バグもよく見られ、グラフィックが壊れてる事が度々あった。
--SNK側や今回書き起こしのリュウ辺りは非常に綺麗なドットなのでその差がますます顕著。
---また、開発初期はそのリュウ等も『ZERO3』のドットが使用されていた。カプコン側で胴着キャラクターとベガのグラフィックが浮いているのはその名残。これならSNK側も『ZERO3』の画風・アスペクトで描けばよかったのではないのだろうか…

-(無印では)''キャラクターごとのエンディングが一切無い。''
--最終ボスがベガ・ギース・豪鬼の誰だったかで3種類の共通エンディングに分岐する方式だが、ベガとギースのルートではボスの逃亡、豪鬼のルートでは即座に復活して再度死合う展開となり、どれも後味が悪い。

-キャラクターの扱いでも特にSNK側はおかしな点が多い。
--特に物議を醸したのが、京が庵に対して「八神」ではなく「''庵''」と呼んでいる事。続編の『2』ではきちんと原典通りの呼称に戻された。
//『CAPCOM VS. SNK 2 ミリオネアファイティング2001 公式ガイドブック』で確認しましたが、これについては『2』で修正したようです。
//『2』のゲーム中で直っているのを確認しました
--リョウやユリ、キム、山崎のキャラ付けは出典作品よりも『KOF』に近くなっている。発売当時は『KOF』の印象が強かったため仕方ない部分もあるのだが。

-シークレットファクター(隠し要素)をオープンにするためにバーサス(通貨)が必要になるのだが、これの入手量とショップの値段のバランス設定がおかしい。
--1回エンディングまで到達すると大体300~400バーサス位もらえるのだが安い物でも200はする上、EXキャラクターはレシオによって2000~7000バーサスと高く、ナコルルやモリガンは乱入戦(これもそれぞれ購入する必要がある)に勝利したうえで自分のサイドのEXキャラクターをすべてオープンにしないとショップに並ばず、値段も8000バーサスと高い。
--豪鬼に至っては乱入戦に勝利した上でモリガンとナコルルを両方オープンにして懐かしのテーマ((ステージBGMを『ストII』や『餓狼伝説』などで流れた曲に変更できるようにするもの))も購入する必要があり、やっとショップに並んでも購入には9500バーサス必要になる。
--これでは数百回クリアしないとコンプリート出来ない。
--ネオジオポケットカラーと接続用ケーブルがあるなら、『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』からポイントを受け取ることができる。これの利用を想定したものとなっていると思われるが流石に高すぎ。

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**総評
カプコンとSNKというライバル社同士の初のアーケードクロスオーバーということで格ゲーファンからの注目は高かったが、荒削りな部分が多く色々と問題は山積であった。その一方で独自の背景や演出、BGMなど注目すべき点も多く、また本作の新要素は全て続編への叩き台にもなっており、まさに礎になった作品といえる。

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&aname(PRO){}
*CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000 PRO
【かぷこん ばーさす えすえぬけい みれにあむふぁいと つーさうざんど ぷろ】

|ジャンル|格闘ゲーム|#amazon(B0000AFZKZ)DC版|#amazon(B000062V65)PS版|
|対応機種|アーケード(NAOMI)&br;ドリームキャスト&br;プレイステーション|~|~|
|販売・開発元|カプコン|~|~|
|稼働開始日|2001年6月6日|~|~|
|発売日|【DC】 2001年6月14日&br;【PS】 2002年4月18日|~|~|
|判定|なし|~|~|
|ポイント|バランス調整で高レシオキャラ有利に&br;隠し要素の無条件解禁移行&br;PS版はキャラのみ要解禁(必要なポイントのバランスは問題なし)|~|~|
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**概要(PRO)
本作と続編『2』とのちょうど中間あたりで出たアッパーバージョン。~
DCのほか、『PRO』に限りPSにも移植されている。~
以下、比較のため初期バージョンを『無印』と表記する。

**変更点(PRO)
-新たに火引弾(ダン)と東丈(ジョー)が追加。
--この2人は『無印』ではプレイヤーとしては登場してないが、共通EDにおいて大会優勝タッグということになっていた。

-キャラクターごとのエンディングメッセージが追加。
--上述の通りダンとジョーがプレイヤーキャラクターになったことで二人が優勝チームという設定がなくなったため、優勝はプレイヤーチームということになり、「ニュース番組中に流れる優勝者への一言インタビュー」という簡素なものではあるものの個別のエンディングテキストが追加されている。
--ただし、『無印』同様に豪鬼撃破ルートでは専用エンディングに変化するため、この個別インタビューは見られない。

-前作の隠し要素は最初から開放(PS版除く)。
--DC版は『無印』のシークレットファクター全開放の項目も用意されている。

-乱入CPU(モリガン、ナコルル)のレシオが4に強化。また、ランダムでそれぞれ殺意リュウ/暴走庵に差し替わる。
--総じて乱入キャラは前作のように簡単には倒せなくなった。
--モリガン/ナコルルはプレイヤーキャラとしてはレシオ2のまま。

**評価点(PRO)
-レシオ数値に準じた性能調整をより顕著に
--全体的に見るとレシオ1・レシオ2は基本ステータス及び性能面がかなり弱体化し、逆にレシオ3・レシオ4は基本ステータス及び性能面が上昇していることが多い。
--特にレシオ1の弱体化が目立ち、これにより「レシオ1×4人」や「ナコルル+レシオ1×2人」のチームは、かなり勝ちにくくなっている。
--このため、『無印』と比べて「レシオ2×2人」や「レシオ3+レシオ1」の編成に日の目が当たり、「レシオ4」ソロでも充分立ち回れるようになった等、結果的にキャラクター選択の駆け引きの幅は広がったといえる。

-隠し要素の無条件解禁移行(PS版除く)
--上述したようにDC版『無印』では隠し要素の解禁に必要なポイントの総計が非常に多く、必要クリア回数も相当なものとなっていた。~
それが無条件解禁に移行した点は、アーケード版も含めて評価に値するだろう。
--さらに、DC版には『無印』の隠し要素全解禁サービスも用意されている。
--PS版ではシステム関連は無条件解禁となっているが、キャラクターに関しては解禁が必要。詳細は後述。

**賛否両論点(PRO)
-PS版のキャラクター解禁に関する仕様
--PS版のキャラクターに限り、『無印』同様に自力で解禁する必要がある。
---一応、解禁ポイントや条件自体は『無印』から緩和・調整されているため困難ではないものの、無条件解禁だったDC版と比べると面倒ではある。
---必要ポイントはEXキャラが各50VS、モリガン/ナコルル/殺意リュウ/暴走庵/豪鬼は各300VS。~
参考までに、アーケードモード1回クリアで300VS強。つまり1回クリアでEXキャラ6人もしくはモリガン/ナコルル/殺意リュウ/暴走庵/豪鬼の中から1人という計算で、10回程度クリアすれば全キャラそろう計算になる。
---『無印』にあった各種の前提条件もないため、解禁順自体は完全に任意。

**問題点(PRO)
-追加キャラ自身の問題
--ダン・ジョーともにEXキャラクターは存在せず、完成度はどちらも手抜き感が否めない。
---ダンは新規グラフィックではあるものの『ZERO』ベースでアスペクト比もそれに準拠しており、ほかの胴着キャラクターと比べて動きがぎこちなく違和感がある。
---ジョーは次回作に向けて制作途中のものを引っ張ってきたせいか技がやや少ない。
---なお、ダンの出典作品は『ストZERO』、ジョーは『餓狼伝説』(+『KOF』出場済)と、本作の出場作品枠の偏りをさらに上昇させる選出となってしまっている。

-既存キャラの問題
--守りが強いゲームを崩すためか、対空技が全体的に弱体化されている。特に草薙京などは強みの百式・鬼焼きの弱体化で厳しい状態となっている。

-PS版固有の問題
--選択グルーヴに関わらずCAPCOMキャラクターがSNK絵、SNKキャラクターがCAPCOM絵に固定される。
--その他にも、ゲージ類がややシンプルなデザインに変更されたり、演出が一部省かれている等、ハード性能の問題で色々と削減されている。
--そもそも次回作が既に''PS2で''出ているのにPSに移植したこと自体も謎。

**総評(PRO)
AC/DC版はバランス調整とシークレットファクター全開放を行った上位バージョンと言える。~
だがAC版の稼働タイミングが''続編『2』の2ヶ月前''という近さだったこともあり、あまり流行しなかった。

PS版はキャラのみ解禁制に逆戻りしているなど多少の劣化はあるが、解禁までのバランスはきちんと調整されておりDC版と比べると多少面倒という程度。~
ただ既にPS2で『2』が発売された''半年後''のタイミングで今更PSで出したこと自体は謎である。

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*その後の展開
2001年8月に続編『[[CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001]]』(以下、『2』)が発売。~
『2』が2D格闘ゲームの決定版とでもいうべき大作になったことに比べ、正直本作は続編へのつなぎ、前段階というイメージが強い。~
実際『2』は異例ともいえるほどさまざまな機種に移植されているが、本作は発売当時のハードへの移植のみであり、配信なども一向にされない。~
本作の独自要素を全て見直した『2』が非常に評価が高いということは、裏を返せば本作が失敗だった、ということを裏付けているとも考えられる。~
しかし、本作があったから『2』がある、ということを忘れてはいけない。~
後継作品の影響で割りを食ったという意味では、SNK側の『[[餓狼伝説2 新たなる闘い]]』と相通じるものがある。~
こちらもアッパーバージョンの『[[餓狼伝説スペシャル]]』の存在のため、現在では目立たない状態となっている。

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