本項ではアッパーバージョンの『CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000 PRO』についても記述する。判定は2作品とも「なし」。
【かぷこん ばーさす えすえぬけい みれにあむふぁいと つーさうざんど】
ジャンル | 格闘ゲーム | |
対応機種 |
アーケード(NAOMI) ドリームキャスト |
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販売・開発元 | カプコン | |
稼働開始日 | 2000年8月18日 | |
発売日 | 【DC】2000年9月6日 | |
判定 | なし | |
ポイント |
夢のクロスオーバー ぶっちゃけほぼ『ストII VS. KOF』 問題の多いレシオ関連 DC版の隠し要素解禁に要するポイント総量が鬼 |
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CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ | ||
SNKクロスオーバー関連作品シリーズ |
格闘ゲームブームを起こしたカプコンと、そのライバル的存在であったSNKのクロスオーバー作品。本作はその中のカプコン側リリース一作目である(*1)。
『MARVEL VS. CAPCOM 2 New Age of Heroes』から引き続き、当時の最先端基板であるNAOMIにて稼働、NAOMIと互換であるDCにも移植された。
『PRO』からの登場キャラクターもまとめて記載。出典は裏キャラクターを除き、キャラクターセレクト画面で確認可能。
なお、対戦キャラクターとしてはバイスは『THE KING OF FIGHTERS '96』、ユリは『龍虎の拳2』からだが、本作ではサブキャラクターを含めた初出作を出典として扱っている。
キャラクター名の後ろの括弧内はレシオ値。また、モリガン・ナコルル・豪鬼・ダン・ジョー以外の全員に性能違いのEXキャラクターが存在(*2)。
CAPCOMサイド | ストリートファイター(3人) | リュウ(2) ケン(2) サガット(3) |
ストリートファイターII(9人) |
春麗(2) ガイル(2) エドモンド本田(2) ブランカ(1) ダルシム(1) ザンギエフ(2) M.バイソン(2) バルログ(3) ベガ(3) |
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スーパーストリートファイターII(1人) | キャミィ(1) | |
スーパーストリートファイターIIX(1人) | 豪鬼(4、隠しキャラクター) | |
ストリートファイターZERO(0人→1人) | ダン(1、『PRO』追加キャラクター) | |
ストリートファイターZERO2(1人) | 春日野さくら(1) | |
ヴァンパイア(1人) | モリガン(2/PROでの乱入時は4、隠しキャラクター) | |
裏キャラクター(1人) | 殺意の波動に目覚めたリュウ(*3)(4、隠しキャラクター) | |
SNKサイド | THE KING OF FIGHTERS '94(3人) | 草薙京(2) 二階堂紅丸(1) ルガール・バーンシュタイン(3) |
THE KING OF FIGHTERS '95(2人) | 八神庵(2) バイス(*4)(1) | |
餓狼伝説 宿命の闘い(3人→4人) |
テリー・ボガード(2) ジョー・ヒガシ(1、『PRO』追加キャラクター) ライデン(2) ギース・ハワード(3) |
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餓狼伝説2 新たなる闘い(2人) | 不知火舞(2) キム・カッファン(2) | |
餓狼伝説3 遥かなる闘い(1人) | 山崎竜二(3) | |
龍虎の拳(3人) | リョウ・サカザキ(2) ユリ・サカザキ(*5)(1) キング(1) | |
サムライスピリッツ(1人) | ナコルル(2/PROでの乱入時は4、隠しキャラクター) | |
裏キャラクター(1人) | ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ(*6)(4、隠しキャラクター) |
カプコンとSNKというライバル社同士の初のアーケードクロスオーバーということで格ゲーファンからの注目は高かったが、荒削りな部分が多く色々と問題は山積であった。
その一方で本作独自のEXキャラや背景および演出、BGMなど注目すべき点も多く、また本作の新要素は全て続編への叩き台にもなっており、まさに礎になった作品といえる。
+ | 元カプコン・岡本吉起による開発秘話(YouTube) |
【かぷこん ばーさす えすえぬけい みれにあむふぁいと つーさうざんど ぷろ】
ジャンル | 格闘ゲーム | ||
対応機種 |
アーケード(NAOMI) ドリームキャスト プレイステーション |
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販売・開発元 | カプコン | ||
稼働開始日 | 2001年6月6日 | ||
発売日 |
【DC】2001年6月14日 【PS】2002年4月18日 |
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判定 | なし | ||
ポイント |
バランス調整で高レシオキャラ有利に 隠し要素の無条件解禁移行 PS版はキャラのみ要解禁 必要なポイントのバランスは問題なし |
本作と続編『2』とのちょうど中間あたりで出たアッパーバージョン。
DCのほか、『PRO』に限りPSにも「カプコン最後のPS用新作ソフト」として移植されている。
以下、比較のため初期バージョンを『無印』と表記する。
AC/DC版はバランス調整とシークレットファクター全開放を行った上位バージョンと言える。
だがAC版の稼働タイミングが続編『2』の2ヶ月前という近さだったこともあり、あまり流行しなかった。
PS版はキャラのみ解禁制に逆戻りしているなど多少の劣化はあるが、解禁までのバランスはきちんと調整されておりDC版と比べると多少面倒という程度。
ただ既にPS2で『2』が発売された半年後のタイミングで今更PSで出したこと自体は謎である。
後の『連合vs.Z.A.F.T.(PSP)』の件といい、カプコンは世間の需要とのズレが大きい移植をよく行う傾向があるようだ。
2001年8月に続編『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』(以下、『2』)が発売。
『2』が2D格闘ゲームの決定版とでもいうべき大作になったことに比べ、正直本作は続編へのつなぎ、前段階というイメージが強い。
実際『2』は異例ともいえるほどさまざまな機種に移植されているが、本作は発売当時のハードへの移植のみであり、配信なども一向にされない。
本作の独自要素を全て見直した『2』が非常に評価が高いということは、裏を返せば本作が失敗だった、ということを裏付けているとも考えられる。
しかし、本作があったから『2』がある、ということを忘れてはいけない。
後継作品の影響で割を食ったという意味では、SNK側の『餓狼伝説2 新たなる闘い』と相通じるものがある。
こちらもアッパーバージョンの『餓狼伝説スペシャル』の存在のため、現在では目立たない状態となっている。
*1 SNK側からは先に『SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ』『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』という2作品がリリースされている。
*2 リュウは殺意の波動に目覚めたリュウ、庵はツキノヨルオロチノチニクルフイオリが対応。
*3 本作ではリュウのEXキャラクター扱いだが、キャラクターとしての実際の初出は『ストリートファイターALPHA2』。
*4 サブキャラクター(ルガールの秘書)としての初出であり、プレイアブル初出は『THE KING OF FIGHTERS '96』。
*5 サブキャラクター(Mr.ビッグに誘拐されたリョウの妹)としての初出であり、プレイアブル初出は『龍虎の拳2』。
*6 本作では庵のEXキャラクター扱いだが、キャラクターとしての実際の初出は『THE KING OF FIGHTERS '97』。
*7 ベガとキャミィ、ルガールとバイスなど、それぞれキャラ間で関係のある組み合わせがCPU戦の時点で存在する
*8 EXキャラの場合は「ダブルストライク」がゲージ使用技となり、「サイレントフラッシュ」が使えなくなるため、立ち回りの制圧力が落ちて最強クラスからは一歩劣ると言われている。
*9 LV1から無敵時間が攻撃判定発生後まで持続する上、ガードされても隙が少なくほぼ5分。かなりめり込んだ時に1フレ投げでようやく反撃できる程度。しかもヒット時は同じスパコンの「サマーソルトストライク」で追撃可能で、威力も決して低くない。
*10 なお、同様の事例は先駆けて家庭用『ストZERO3』でもあり、そちらは最終的に『スパIIX』に登場した17人全員が一堂に会した。ただし、そちらは明確に『ストリートファイター』シリーズであることを考慮すれば特に問題のある人選ではない。
*11 背景としては存在している
*12 本編以外ではゲームボーイ版『熱闘KOF'95』にナコルルが出場していた。残るライデンについても本作から9年後に発売された『KOFXII』にて出場を果たし、ナコルルも本編の『KOFXIV』に出場した為、現時点で見ると全員がKOFシリーズ本編に出場済ということになる。
*13 「職を失い職安通い中のサラリーマン」という設定で、旧SNKの公式ホームページにイラスト掲載コーナーが作られていた。
*14 CAPCOMグルーブだと、例えばレシオ2の場合リュウを筆頭にカプコンキャラ並んでからSNKキャラになって京が一番奥に。SNKグルーブだと真逆の配置になる
*15 当時のKOFシリーズではリョウは道場に門下生が集まらない=実家が貧乏な描写にされ、ユリは台詞の語尾に「~ッチ」と付けて話す、舞はアンディの事しか頭にないかの様なキャラ、キムは悪人と判断した相手を誰彼構わず更正しようとするなど元々の生真面目で正義感の強い面が誇張、山崎は常に狂気を剥き出しにした狂人(『リアルバウト餓狼伝説スペシャル』での描写を更に誇張)、ジョーは尻を出して挑発するなど、どのキャラも見方によってはギャグキャラともとれる立ち位置となっていた。
*16 ステージBGMを『ストII』、初期の『餓狼伝説』シリーズ、『KOF'94』などで使われた曲に設定変更できるようにするもの