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ファイナルファンタジーIV - (2020/12/01 (火) 08:31:02) のソース

#contents
//イージータイプの項目もあるので大見出しは消さないで下さい。
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*ファイナルファンタジーIV
【ふぁいなるふぁんたじーふぉー】
|ジャンル|RPG|CENTER:&amazon(B000068HD7,image=https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3512/1703/ff4box1.jpg,width=160)[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3512/1701/400.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3512/1702/401.jpg]]&br;&br;&image(FF4image.jpg,width=160)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|8MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|スクウェア|~|
|発売日|1991年7月19日|~|
|定価|8,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人(バトル時1~2人)|~|
|セーブデータ|4個(バッテリーバックアップ)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2009年8月4日/900Wiiポイント&br;【WiiU】2014年2月19日/900円&br;【New3DS】2017年8月23日/926円(税8%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|スーファミ進出作&br()ATB初登場など以降のシリーズの礎を作る&br()『ビジュアル面』のFFをより決定づけた|~|
|>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ]]''|
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**概要
スクウェア初のスーパーファミコンソフト。~
『ファイナルファンタジー』シリーズの第4作目にして、プラットフォームをスーパーファミコンに移した初の作品である。

大容量化によって強化されたグラフィックとSFCの持ち味である回転・拡大・縮小機能により、演出面がグレードアップした。シナリオはドラマ性を重視した作風を確立し、後のシリーズの大きな礎ともなった。~
戦闘にリアルタイムの時間経過の概念を取り入れたアクティヴタイムバトルの導入により、旧作と比較して戦略性が増しているが、ゲームバランスはこの当時としてはどの層にも味わいやすい、絶妙な難易度設定となっている。

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**ストーリー
>世界唯一の飛空艇団「赤い翼」を擁する軍事国家、バロン王国。~
部隊長として「赤い翼」を率いる暗黒騎士セシルは、バロン王の命により魔法国家ミシディアのクリスタルを強奪しバロン城に持ち帰る。~
しかし罪のない者からの略奪を命じるようになったバロン王の変心に疑問を抱き、クリスタルを献上した後、~
セシルは王の真意を問いただそうとするが王に不信を見抜かれて怒りを買い、「赤い翼」の隊長を解任されると共に辺境の地ミストの幻獣討伐を命じられる。~
幼馴染の白魔導師ローザとの再会もそこそこに、親友の竜騎士カインと共に、セシルはバロン王国を後にした。
>
>赤い翼によって最強の軍事国家となったバロンがなぜ、クリスタルを求めたのか?~
そしてなぜ魔物たちが各地で活発に暴れ始めたのか?
>
>クリスタルはただ静かにその光を湛えていた。全てを知っているかのように……。

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**特徴・評価点
***従来作から進化した要素
&bold(){戦闘システム・難易度面}
-ターン制を排し、時間の概念を導入した「ATB(アクティブタイムバトル)」。
--リアルに経過する時間により緊張感が生まれ、戦闘シーンがよりスリリングになった。また、これにより時間の概念を活かした行動パターンを持つ敵が増え、戦略性に深みが生まれた。
--以降のFFシリーズにおける他社製RPG作品との差別化を大いに支えることとなった。特許も取られている。

-戦闘時の戦略性が従来作より高まっており、「特定のパターン下でダメージを与えると、特定の行動をしてくる」タイプの敵キャラ(主にボスクラス)が増えている。
--「特定の敵(大抵リーダー)を倒すと行動が変化」したり、「最初からリフレク(白・黒魔法を跳ね返す)がかかっていてこちらから使える魔法に制約がある」「一定時間ごとに強力な攻撃がくる」「こちらの行動にあわせて反撃してくる(例:召喚魔法で攻撃するとカウンターでバイオを放ってくる)」など。単純な能力面以外での強さが構築されているため、単純な力押しでは勝ちにくい。
---強さ以外にも、「ひたすらモンスターを召喚し続ける敵」や「魔法を受けるとバーサク化する敵」など個性的な敵が多いのが特徴。自ら弱点を教えてくる敵や、こちらに一切ダメージを与えてこない敵などもいる。
--味方に強力な攻撃が少なく、敵から不意打ちやバックアタックを受ける確率が高めに設定されているため、ATBを考慮に入れずに見た場合、戦闘の難易度自体は高めになっている。
---しかし、FC時代や本作のDS版のような「初心者完全お断り」「レベルを上げて力押しが最適手段」といった極端な理不尽さを伴うものではなく、もう1回プレイすればクリアできそうな手応えを感じさせる絶妙なゲームバランスに調整されている。~
上記の戦略性に関しても、相手の行動パターンを把握した上で的確な行動を取ればアッサリ勝てることも多く、それ以外にも、補助魔法やアイテムなどをいろいろ使って試してみることで、突破口が開ける場合が多い。
---また設定で「魔法やアイテム選択時も時間が経過するかどうか(アクティブorウェイト)」や、「時間の進み具合の速さ(バトルスピード調節機能)」をそれぞれ任意に変更でき、自分にあった難易度の調節ができる。この仕様は後続のシリーズにも受け継がれている。
--そのような戦略重視の強い大半の戦いと打って変わり、ラスボスはステータス面で「純粋に強い」強敵として立ちはだかる。シリーズのラスボスの中で最強との声も多い。全体のHPの大半を奪ってくる『ビッグバーン』を筆頭に猛烈な火力を誇っているため、十分にレベル上げしていないとビッグバーンで全員即死は珍しくない。
---仮に耐えられるだけのレベルであったとしても、攻撃パターンを熟知していないとビッグバーンでごりごり削られ、回復に専念していたらフレアやバイオなどで削られ、またビッグバーン…の無限ループにはまることが多い。

-魔法の詠唱ターンの概念
--本作では魔法を選択してから発動するまで詠唱ターンがかかるようになっており、威力が弱いものほど待ち時間が短く、強力な魔法ほど発動まで長い待ち時間を要する。
---例えば召喚魔法バハムートは3ターン、それよりちょっと弱い黒魔法フレアは0ターンで選択と同時にすぐに発動、といった具合で、リアルタイム性を取り入れた本作における戦略性のひとつとして機能している。

-戦闘におけるドラクエ式のメッセージ表示が完全に廃止。それに伴い確立された戦闘演出のスタイルは、以後受け継がれるシリーズの伝統となった。
--ダメージ値などHP増減は『III』と同様に敵グラフィック上に数字のポップアップで示し、敵から受けた状態異常や魔法による特殊効果も全て視覚的に表現される。(例外として、味方側の武器攻撃による状態異常の追加効果はウィンドウに補足メッセージが表示される)
---本作以降でのコマンド使用メッセージなどは画面上部の横長のウィンドウに表示されるようになり、本作では敵のセリフや敵から受けた特殊攻撃の補足説明などの一行メッセージ、イベント戦闘での会話などもこれが使用される。
--前作まであった「ヒット回数」方式も継続しているが、こちらはメッセージ表示されなくなった上、攻撃の際の武器を振るアニメーションの回数が一律2回に統一されたことにより、見た目ではわからなくなった。
---例外的に、『弓矢』と『竪琴』で攻撃した際はヒット音が二重に発するので判別可能である。

&bold(){演出面}
-グラフィックはFC時代とは比べ物にならないほど進化しており、SFC初期の作品でありながら後期の作品と見比べても見劣りしない。

-楽曲は深い残響音が印象的な物になっており、クラシックな音色を中心とした非常に安定した仕上がりとなっている。
--特に「愛のテーマ」は、小6の音楽の教科書に掲載されたほど。
--戦闘曲では通常ボスとの戦闘曲((最終盤のみザコ戦でも流れる。))「バトルII」が名高い。『[[スーパーマリオRPG]]』でも隠しボスとの戦闘BGMとして採用された。
--SEも特徴的な物になっており、剣攻撃時の過剰なまでの金属音やバイオ使用時の奇怪な効果音など、印象深い音使いが多くみられる。


&bold(){システム面}
-インターフェースの進化
--アイテムを一つに纏める「せいとん」コマンドが追加。
--アイテムの詳細もウィンドウに表示されるようになり、コマンドの選択実行がスムーズに行えるよう調整されている。
--アイテムと魔法がよく使う順に並べ替えられるようになっている(『V』でアッサリ廃止されたが)。
--「にげる」コマンドがL+R長押しに割り当てられた。押しっぱなしにすることでキャラクターが敵に背を向けてその場でちょこまかと走るようになり、逃走成功判定が成立した時点で全キャラクターが一斉に画面外に脱出し、戦闘が終了する。
---本作以降の共通操作として、メインコマンドの増減と無関係に必ず使えるようになった。コマンド選択に影響しない操作となるので、LR同時押し中もコマンド選択が可能で、同時押し中に選択した行動は逃走判定が成立するまでの間に必ず実行される。
--コンフィグコマンドの追加
---前述の戦闘関連のシステムの調整のほか「ウィンドウの色やボタン配置の変更」「カーソル位置の記憶の有無」と言った、現在では標準となっているシステムの追加、各キャラクターのコントローラの振り分け(戦闘時のみ2人で操作が可能)といったオマケ的なものまであるなど、オプション周りが充実し、ユーザービリティが飛躍的に高まった。

-ダンジョンにセーブポイントが設置され、長丁場になりそうな状況でも中断が容易になった。

-本作以降、魔法はMP制となり、魔法レベルによる回数制は採用されなくなった。

-本作から「プレイ時間」が計測されるようになった。
--これにより自分がどれだけ遊んだのかが分かったり、タイムアタックという新しいやり込みが生まれることとなった。
--ちなみに本作と次回作の『V』は、プレイ時間の「時間」が「三桁」まで表示される。しかし何故か『VI』以降は(スクウェアの他のゲームでも)二桁までしか表示されない作品が多くなってしまった。再び100時間以上カウントされるようになるには、『VIII』を待たないといけない。

-独自システムに対するプレイヤーへの配慮
--バロンの町にトレーニングルーム((一応、シナリオに絡む設備も備えられている。))があったり、セーブポイントについてキャラが説明してくれたりと、シリーズ経験者・本作がFF初プレイのユーザー双方に対し、今作から追加されたシステムにスムーズに馴染めるように配慮されている。

&bold(){シナリオ面}
-キャラクターに明確な背景設定や個性が与えられ、ドラマ性が深められた。
--「主人公=プレイヤー」というドラクエスタイルの影響下にあった『I』や『III』と異なり、プレイヤーキャラクターに明確なキャラクター像と個性を与えシナリオのドラマ性を重視した『II』の作風をSFCへの移行に伴ってより深めた作風となっている。~
一方で、キャラ育成面にも力をいれていた『II』と異なり、成長システムは極めてオーソドックスなレベルアップ型が採用され、『II』以上にシナリオ描写と劇中の演出に重点が置かれている。&bold(){プレイヤーが第三者視点で物語を鑑賞していく}という、いわゆる「劇場型RPG」の先駆的作品として後発のRPG作品に大きな影響を与え、J-RPGの特徴である「シナリオ主導型RPG」の手本となった。~
手にした闇の力と己の生き様に思い悩むセシルの苦悩と葛藤、セシル、ローザ、カインの三角関係からくる愛憎劇など、複雑かつシリアスな人間ドラマが本作のシナリオの持ち味である。
---過去作からキャラを回転させたり飛び跳ねさせるなどの動作演出はあったが、本作では片手を上げているパターンと頭を下げているパターンが各主要キャラに作られており、ストーリー進行の会話場面でセリフによって使い分けられ、挨拶やビンタなどといった表現に活用されている。((このドットキャラクターの演技を当時のクロスレビュー絶賛しているが、そのレビューをしたのは実態の無い謎のレビュアー「森下万理子」。))以降『V』の驚きの表情、『[[FFUSA>ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト]]』の呆れジェスチャなど、仕草のバリエーションは増やされていく。
--かなりシリアスで複雑な人間関係を描いていることもあってか、本筋のシナリオにおけるギャグ要素は後続のシリーズと比較すると薄い。

-5人パーティーというシリーズ最多のメンバー構成。
--シナリオ重視の作風を活かし、全5人のパーティメンバーが、主人公を除き展開に応じて次々と入れ替わるというシナリオ構成となっている。
--仲間になるキャラは『III』のようなジョブや固有のコマンド(アビリティ)を持っているが、ジョブやアビリティは各キャラ固定。
--キャラの前衛・後衛を設定することが可能だが、本作ではキャラ単位で設定することはできず、前衛・後衛単位で前後に入れ替わる。(隊列パターンがMの字かWの字のみ)
---戦士系キャラのセシルを中心に、前衛キャラが多め、後衛キャラが多めなど様々な構成のパーティーが組まれていき、その都度ゲームバランスも変化していく。
--なお、FFシリーズで5人パーティーという形式を取っているのは今のところ、本作と『IVアフター』『レジェンズ』のみ。

&bold(){SF要素を押し出したスケールの大きな世界}
-『I』と『III』に見られた「中世ファンタジー世界+SF要素」という世界設定の独自性がより全面に押し出されている。
--機械で動くロボット兵器、宇宙船、月に住む宇宙人など、従来以上にSFの要素に比重が置かれており、物語の舞台は地球から地下世界、更には宇宙にまで及び、スケールの大きな世界を構築している。

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**賛否両論点
-壮大である一方で粗もあるシナリオ
--ドラマチックな所謂泣き所は「スポット参戦キャラがセシル達の絶体絶命のピンチを自己犠牲で救う」という展開が殆どで、ややワンパターン。~
しかもその自己犠牲をしたキャラが、中盤から終盤で御都合主義的に助かったり実は生存していた事が判明する展開が多い。
---スポット参戦キャラが自己犠牲する展開は4回ほど存在するか、そのうち本当にそのまま死亡してしまうキャラは一人だけ。『II』で死なせ過ぎて不評だったためという事らしい。
---ちなみにスポット参戦キャラ以外は主要人物であろうと大した描写もなく割とあっさり死んでしまう事が多い。
#region(ストーリーのネタバレ)
-本作のストーリーの大部分で黒幕としてセシル一行を苦しめるゴルベーザだが、終盤にて実はセシルの実の兄である月の民であり、月の神殿奥に居座る邪悪な存在・ゼムスに操られて悪事を働いていた善人だった事が唐突に判明する。~
操られていたとはいえ今までの悪事の責任を取り、同じ月の民であるフースーヤーと共にゼムス打倒に向かうという描写はあるものの、多くの人々がゴルベーザ一味の犠牲になった作中の描写を考えると、この展開にプレイヤーの心情がついて来れるかは意見が分かれるところである。
--また上記の流れの通り、本作の真の黒幕である「ゼムス」は典型的なポッと出の黒幕である。~
しかもゴルベーザ&フースーヤーのWメテオによってゼムスとしてはセシル達と戦う前に倒され、新たな存在「ゼロムス」として復活し、セシル達が戦うラスボスはそのゼロムスとなる。~
これを二転三転の展開と好意的に取れるか、とっ散らかった展開と取るかはプレイヤーによって分かれやすい。
---ちなみにゼムスvsゴルベーザ&フースーヤーのイベントバトルからゼロムス誕生、ゼロムスにと戦えるようになるイベントを挟んでラスボス戦突入…までの流れは途切れなく行われる為、ラスボス戦でゲームオーバーになると最初のゼムス戦のイベントからやり直しとなり、やや冗長。
#endregion
--説明不足な箇所もある。
---道中で主人公一行の乗った船を幻獣王リヴァイアサンが襲撃するシーンがあるが、後にリヴァイアサンが主人公一行の味方ポジションであることが判明するものの、襲った理由は一切説明されない。
--悪く言えば典型的な「やらされているゲーム」であり、愛着あるキャラが強制的に外れる点に対する不評の声も存在する。
--この点に関しては経営陣の方針による指示があり開発スタッフとの対立もあったと、元スタッフが明かしている。

-キャラ育成や攻略面での自由度の低下。
--パーティメンバーを強化する手段は「レベル上げ」「装備品の購入」「強化アイテム」のみ。
---この内、装備品はキャラクターごとの固有性・制約が厳しい為、順次手に入った物を使うだけになる事も多く、攻略に関して創意工夫を行える余地は少ない。
---強化アイテムは「HPとMPの最大値を増やす」ものしか無く、キャラごとの傾向から外れた育成はまず出来ない。
--この点、同じ「ドラマ重視」でありつつ「熟練度システム」によって成長面での自由度を(FCというハードの制約の中で)追求した『II』とは対照的である。

-シナリオ展開によって頻繁に発生するメンバーチェンジの問題。
--今作は、シナリオ上、パーティメンバーの離脱が激しい。初見では離脱タイミングが解りにくく、『II』のように唐突に離脱が起きるため装備を失ってしまう。再加入するキャラはその時点での最強装備を新たに所持しているが…。
--この問題が最も強く圧し掛かるのはローザの再加入時であろう。このイベント前にテラが離脱((今作のメインキャラクター中唯一の死亡退場である。))し、ローザの装備は「しゅうじんのふく」のみ(ローザ用の装備を用意していれば変えることはできる)、更にゴルベーザ四天王の強敵「風のバルバリシア」とのボス戦が控えている。テラの装備を事前に外して、加入後のローザに装備させるのを前提にしているような感じを受ける。
--この点は、アイテム所持数の上限や、離脱時にいちいち装備が残るとゲーム的に不自然になるという問題も関係していると思われるが、やや難があるのは確か。

-パーティメンバーの名前付け。
--本作でもキャラの名前を変更することが可能だが、ゲーム開始直後から公式キャラ名のままゲームがある程度進行した後に、あだ名をつけることが趣味のNPC「ネミングウェイ」を通じて名前を変えるという形になっている。
---このため、設定上は「プレイヤーの付けた名前=『そのキャラのあだ名』」という設定になっており、多少の違和感が否めない。
//--『V』では主人公以外の仲間の名前が付けられなくなり、『VI』以降は「そのキャラの初登場時は名前が伏せられており、名前入力画面に移行して名前を決定した後にその名で呼ばれるようになる」という形に変更された。

-プレイヤーに有利なアイテム増殖バグ。
--シリーズおなじみのエクスカリバーが「なげる」で投げられる武器なので、これを増やして投げるプレイヤーも多かった((エッジの性能の評価が人によって落差があるのもこれが原因と思われる。))。
--もっとも、これはあくまでも裏技なので、&bold(){嫌なら使わなければいいだけ}の話であり、賛否というより、単に好みの問題である。

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**問題点
-前述の通り、戦闘におけるメッセージ表示が廃止されたことにより、一部わかりにくくなった面もある。
--攻撃回数が把握できなくなっており、本作から始めたプレイヤーは攻撃回数の概念に気づきづらい。
--また、敵のカウンター行動と普通の行動との区別がつきにくい。

-新システムのATBだが、本作の時点ではまだ不完全。
//--アニメーションやイベント中も時間が流れ続ける、コマンドが表示される為『行動可能になっているが順番待ち』になる事が多い。
//ゲージが確認不可能だから断言は出来ないけど、エフェクト中に既にコマンドが表示されているキャラ以外はコマンド入力が可能にならないし、スリップダメージもエフェクト中は止まる事を考えると、多分エフェクト中は時間が止まっている。
--時間の基本単位が非常に荒く((行動速度が素早さの値そのものではなく、主人公セシルの素早さとの相対差によって設定される。基準となるセシルの待ち時間で5コマ分しかなく、1コマあたり敵味方問わず1キャラクターしか行動できない。))、敵数・味方人数ともに多い本作では行動が渋滞してしまい「行動可能になっているが順番待ち」になる事が多い。これはATBゲージが実装されたリメイク版ではっきりとわかる。
--特にコンフィグ設定でバトルスピードを早くすると、プレイヤーがコマンド操作中の状態での時間の流れに異様なまでに激しい緩急が付く。上記の渋滞しやすさも相まって本作で迂闊にバトルスピードを上げると一方的に不利になりやすい。
--本作では待機時間ゲージが搭載されておらず時間推移が分かりにくいため、どのキャラクターに順番が回ってくるのかが把握しづらく行動が遅れやすい。スピーディーなバトルが要求されるATBでは圧倒的に不利。
---更にコマンド数も本作では『V』『VI』より1つ多く、短縮コマンド((『VII』で廃止されたが))もまだ無い分だけ煩雑である。メンバーが最大5人まで増える事もこれに輪を掛けている。

-各キャラクターの固有コマンドに落差があり、使い物にならないものが多い。
--失敗する可能性が高かったり、発動までに時間が掛かったり、効果自体が雀の涙というもので占められる。中には効果すらないものまである。
--パロムの「つよがる」だけは逆に異常な強さになっており、数回使うだけで黒魔法の威力に影響する知性が最大値の99に達してしまう。ボスに対して超強力。
---但し仲間になる期間が短いキャラなのでバランス崩壊には至らずに済む。また、彼が仲間になる時点で挑むことになるダンジョンの出現モンスターは、この時点におけるセシルのジョブ特性が通用しにくいアンデッドがメイン(暗黒騎士系の装備による攻撃が通じ難い)となるため、その点を考慮しているとも考えられる。

-一部の魔法の詠唱ターンの問題
--本作では魔法を選択してから発動するまで詠唱ターンがかかるようになっており、弱いものほど待ち時間が短く、強力な魔法ほど発動まで長い待ち時間を要する。
---例えば召喚魔法バハムートは3ターン、それよりちょっと弱い黒魔法フレアは0ターンで選択と同時にすぐに発動、といった具合。
--大体の魔法は詠唱ターン込みでリアルタイム性を取り入れた本作における戦略性のひとつとして機能している((「限られた時間の中で速攻で倒さなくてはならない敵(封印の洞窟のボス・デモンズウォール)に対しては高威力の魔法の連発は控える」など。))のだが、黒魔法メテオ等の一部の魔法は詠唱ターンが長すぎて((メテオは発動まで10ターンもかかる。))実戦ではほぼ使い物にならない。

-攻撃アイテムや武器のアイテム使用による魔法効果の弱さ。
--使用者のステータスに関係なくアイテム固有の値によりダメージや回復量が決まるようになっている。その大半が非常に低い値に設定されているため、序盤でMP節約の為に使ったり、物理攻撃に対して反撃してくる敵に使ったりといった用途以外ではほぼ使い道が無い。

-「にげる」成功時のペナルティ
--本作では戦闘から逃げるとペナルティとしてたまにお金を落としてしまう。
---落とす額は『''その戦闘に勝った際に得られるはずだった金額の1/4''』で、ゲーム進行と共に敵1体あたりの入手金額が増えてくるのに比例して落とす額も上昇していく。終盤近くになると4,5ケタ台、酷い時には6ケタ近くもの金額をダイナミックに失う羽目になるので、地味にストレスがたまる。
--白魔法の「テレポ」やエッジの「けむりだま」を使えば回避は可能である。

-アイテム・装備品の売買時・装備時の不便さ
--アイテムは何をいくつ持っているのかが売買画面中に表示されない。
--武器防具を購入の際は、誰かが装備可能なのかが表示されるだけで、手持ちの個数や装備中のキャラ等については表示されない。新加入メンバーがその時点で装備している品を重複して買ってしまわないよう、事前に何をいくつ所持しているか、誰が装備済みなのかをチェックしておく必要がある。
---装備時においても、着脱前後のステータス推移が事前に表示されないのでどの値がどれだけ上昇したのかがわかり難い。表示されるパラメータがアイコン表示だけで、パラメータの名称が表示されないのもわかり難い。
//個数指定は可能。10個は2個から99個の範囲で変更できる

-やり込みプレイの障害。
--HPとMP以外のステータスの成長率はレベル70まで固定だが、以降はレベルが1上がるたびにステータスの成長が8パターンの中から1つ選ばれる形になる。このパターンの中には''マイナス成長''も存在するため、好みに成長させるにはリセットとの闘いになってしまう。
//更にGBA・携帯版では新たにパーティーチェンジが採用されたが、いないキャラにも経験値が入る仕様であるため、これもやり込みとの相性が悪い。
//--DS版ではレベル70以降の成長にマイナス要素とランダム要素が無くなり、続編の『アフター』ではHPとMP以外のランダム成長が完全に廃止された。
//移植版での改善点については当該記事で。

-敵が落とすレアアイテムのドロップ率が非常に低い。概算で''1/1092''ほど。
--レアアイテムの性能や難易度的に必要になるような場面は無く、コレクター的な趣味の範疇ではあるのだが、あまりに確率が低過ぎて存在を知らないプレイヤーも多かった。
//--DS版では1/256に緩和されている。

-ゲーム全体に影響を及ぼすような、ほぼ回避不能のバグがいくつか存在する。
--炎耐性の防具は氷弱点を、氷耐性の防具は炎弱点を併せ持っている。これ自体は『III』から続く仕様であり、複数の防具で両耐性を身に付ければ上書き可能。しかしSFC版とPS版では、炎氷耐性と同時に『耐性&弱点を増幅する』性質を持つ「アダマンアーマー」に限り、装備してから外してもそのキャラの「増幅された弱点」のリセットが行われず''炎氷の4倍弱点''になってしまう。
---ただしアダマンアーマーは異常な性能を持つ最強装備で入手が極めて難しいレアアイテムなので、通常プレイではそもそも入手することはない。
//フレイム製品(冷気半減)からアイス製品(炎半減)の乗り換えのときこのバグが発生すると勘違いされやすいが、そもそもアイス製品は冷気弱点である。
--SFC版では戦闘開始時(イベント戦闘含む)に戦闘不能・石化・離脱状態だと、それ以降そのキャラは''ゲーム内で一切攻撃のクリティカルが出せなくなる''。
---戦闘不能と石化はゲームの進め方次第で回避は可能だが、問題は「イベントによる離脱状態」であり、これはゲーム進行上回避できない。
---本作はイベント戦闘が比較的多く、「パーティー外のキャラが戦闘するイベントシーン」というものも複数存在する。その場合、現在パーティーにいるキャラクターは全員「そのイベントに参加していない=離脱状態」であるためクリティカル不能バグが適用され、二度とクリティカルは出せない。
---ラストバトルイベント前の時点でクリティカルが出せるキャラは最大でも5人中2人。その2人もラスボス前のイベントで出せなくなる。
---ただしヒット数の関係上元々ダメージのバラつきが多いゲームな上に、クリティカルでも劇的にダメージが増えるわけでもないので、出なくてもそこまで気になるレベルではない。
--弓矢やブーメラン等の後列からでも命中率の落ちない武器は、一度でも装備するとそのキャラは''永久に後列攻撃可能になる''。
---こちらは前列のリスクを覆す有利なバグだが、隊列の仕様で最終的には誰かが前列に立つ必要がある為、活用できる場面は少ない。
--もっとも、これらのバグは製品としての詰めの甘さを示すものではあるが、ゲームバランスを崩壊させているようなものでもない。認知度も低く、発生条件の解明も発売後ずっと経ってからのことである。

-アイテムの所持数の上限がある。
--48種類とそこまで少なくはないが、終盤に消費アイテムや装備品が溜まってくると結構カツカツにもなりがち。特に今作では敵の弱点を突く武器が多く、戦闘中に臨機応変に持ち替えることで有利に進められるのだが、それらを揃えると結構な量になってしまい、慣れたプレイヤーほどアイテム欄の整頓に苦慮することになりがち。
--『III』同様、特定の場所で、もしくはアイテムで任意に呼び出せるアイテムの預かり所役のキャラ「でぶチョコボ」も存在し、これを利用すればアイテム欄が足らず泣く泣くアイテムを捨てるなどということはまず起きない。
---ただ、でぶチョコボ分を合わせても持てる種類はラスボス段階で持てるアイテム種を大きく割っているため、いわゆるアイテムコンプリートはできない。

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**総評
SFCのハード性能や容量を活かした演出面のグレードアップにより新しいFFシリーズの幕開けを告げるのに十分な魅力を産みだし、音楽、シナリオ、演出面でのクオリティの高さで人気を呼んだ。

また、それまでの作品が難易度的な面でマニアックなとっつき難さがあったのに対し、本作では従来の作品にみられがちだった雑多なバランスを極力排除して万人向けのゲームバランスに調整されている。それによりシリーズの間口が大きく広がり、前作『III』で確立したスクウェアの主力RPGシリーズとしてのFFの立ち位置を更に大々的に固めたと言って過言ではない。

シナリオと劇中演出を重視した作風は後のシリーズ全般にも大きな影響を与えており、その意味でも、新たなハードに舞台を移したことも含めてシリーズの大きなターニングポイントとなった作品であるといえよう。

//イージー版の余談と入れ子になっていて紛らわしいので、FF4そのものに関する話題は無印版の下に移動。
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*数多くの移植・リメイク
FFシリーズの中でも移植・リメイクが『I』『II』並に多い。ほとんどの移植・リメイクで戦闘、特にボス戦の難易度が上昇している。

-イージータイプ
--より遊びやすく、初心者向けにしたという触れ込みのマイナーチェンジ版。
--詳しくはこの頁内の後段で紹介する。

-[[''PS版''>ファイナルファンタジーコレクション]]
--CGムービーが新たに追加された。
--他はダッシュが追加された以外はSFC版ほぼそのままの内容で、ロード時間が僅かに見受けられるが殆ど気にはならない良移植。
--あくまで通常版ベースであり、イージータイプで修正されているバグをそのまま放置している点には注意。
--後に『V』『VI』と3本セットのファイナルファンタジーコレクションとして発売されたので少しお得。

-''WSC版''
--移植度が非常に低く、SFC版とは違う形で致命的なバグが多々ある。後列攻撃武器が全て無効等、後のGBA版にそのまま受け継がれたバグも。
--画面サイズの関係上モンスターの絵を一回り小さくなる形で美麗に描き直す等、ビジュアル面には力が入っている。

-[[''GBA版''>ファイナルファンタジーIVアドバンス]]
--WSC版をベースにし、隠しダンジョンなど独自の追加要素があるが、やはりバグも多い。
--後期出荷ではバグ修正版が出されたがパッケージ上では見分けが付かず、メーカーは初期版の交換に一切応じなかった。~
海外では最初からバグ修正された物が出されたため、日本版は「有料デバッグ」と揶揄されることも。

-[[''DS版''>ファイナルファンタジーIV (DS)]]
--初のフル3Dリメイク。アビリティ等を駆使しないとクリアが難しいバランスに変更された。
--デカントアビリティシステム、新イベント、隠しボスが追加されたがGBA版の追加要素は不採用。また、月の民の設定が原作と一部異なる。

-''バーチャルコンソール版''
--オリジナル(SFC版)を完全再現しており、ほぼ全く同じ。900円。

-''ゲームアーカイブス版''
--PS版の再現。上のVC版より若干高く、1200円。

-''携帯アプリ版''
--基本的にGBA版の内容をベースとしつつ、DS版や続編『アフター』の設定にも準拠したリメイク。~
見た目は微妙に続編の『アフター』っぽくなっており、隠しダンジョンの内容もGBA版から変更されている。~
難易度は激増しており、一説にはDS版以上とも。価格は800FFポイント(税込840円相当)

-[[''PSP版''>ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション]]
--GBA版の内容を元に進化させた良移植。『コンプリートコレクション』として続編の『[[THE AFTER YEARS 月の帰還>ファイナルファンタジーIV THE AFTER YEARS -月の帰還-]]』、追加シナリオの「interlude」と3本セットになって発売。

-''スマートフォン(iOS・Android)版''
--DS版がベースの3D仕様。解像度が向上したほか、難易度選択が追加された(ノーマルは敵が弱くなってやや簡単になっており、DS版準拠仕様がハード)。

-その他、海外ではSteam経由でWindows版も配信されている。内容はスマートフォン版準拠の移植。
--日本の公式ストアからは残念ながら購入できない(海外プレイヤーからのギフト等で貰うことは可能)。当然ながら日本語表示にも対応していない。

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*続編『ジ・アフター 月の帰還』

-派生作品として携帯アプリ向けの続編『[[ファイナルファンタジーIV THE AFTER YEARS -月の帰還-]]』も作られ、後にWiiウェアにも『FFIV THE AFTER YEARS』として移植された。章ごとにバラ売りされている(Wii版は全章購入すると3700円、携帯版にあった月額料金は当然無し)。

-前述の通り、前作とセットでPSPにリメイクされた。

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*余談
-パッケージのゲームタイトルのレタリングとデザインが一新。この字体は『XIV』までほぼ統一して使われる事となる。
--タイトル文字には主人公のセシルではなくカインが描かれている。ネタバレ防止のためらしい。
--ちなみにSFC版のパッケージにいるデフォルメキャラの内の「赤いナイトのような人物」は主人公セシルに該当するが、ゲーム中の容姿とはかなり異なっている。((。携帯版『IV』の公式サイトで配布されている壁紙の一部には、全キャラクターの公式デザインに準拠したデフォルメ絵が用いられているものがあるため、恐らくはネタバレ防止のためだと思われる))
--このデフォルメキャラは、『V』でゲーム中のキャラドット絵を手がけた渋谷員子氏の手によるもので、低年齢層に対する親しみやすさを前面に押し出す意図で採用されたもの。次作『V』でも同氏の手によるデフォルメイラストが使用されている。
---ちなみに主人公ではない人物が描かれている作品は意外と多い。特に『II(リメイク)』『IV(DS)』『VI』『XII』『XIII-2』では悪役が描かれている。

-元々本作は[[『V』として企画されたが、FC版IVの開発が中止になった事で番号繰上げで『IV』に変更された、という経緯>http://web.archive.org/web/20100116081712/fami.tamahobby.com/?eid=975280]]がある。

-シームレスバトルにする企画案もあり、こちらは『[[聖剣伝説2]]』や『[[クロノ・トリガー]]』に繋がった。

-植松伸夫氏ら本作の音楽スタッフは、先に発売されたSFCソフト『[[アクトレイザー]]』(エニックス)で古代祐三氏が手掛けたBGMの音色の質の高さに衝撃を受け、開発末期にもかかわらずサンプリングをやり直したが、それでも音については勝てなかったと述懐している。((SFCはPCM音源の搭載により、録音した音を和音の一つに活用できるので、凝ればオーケストラさながらの合奏を実現させることが出来る。))
--もちろん、本作の楽曲のクオリティは(音質も含めて)十二分に高い評価を受けている。

-なんと、ゲームソフト発売前にBGMをラスボス戦やエンディングの曲まで全曲収録したCDがリリースされた。
--曲タイトルに若干のネタバレもあったが、楽曲のクオリティの高さにゲームの期待を更に高める効果が上がった。
---因みにリリースされる情報が上記の楽曲クオリティの見直し情報が出た後で若干の不安も出ていた頃で、CDを聴いて安堵した…なんて事も。

-本作を手がけた時田貴司が後年に製作した『[[ライブ・ア・ライブ]]』の中世編は、本作のセシル・カイン・ローザの関係を元に、「もしセシルとカインの立場が入れ替わったら」というコンセプトで作られている。

-パロム・ポロムのやり取りは人気があったようで、本作を手がけた時田貴司が後年に製作した『[[半熟英雄 ~ああ、世界よ半熟なれ…!!~]]』でゲストとして登場し愉快な漫才を披露してくれる。他にもFFの外伝作品にゲスト出演していたり、この姉弟をモデルにしたキャラクターが登場する作品もある。
--ちなみに『半熟英雄 ~ああ、世界よ半熟なれ…!!~』では、ゴルベーザ四天王のパロディキャラとして「完熟四季王」なるキャラも登場している。

-余談ではあるが、テレビCMが非常に印象的である。一度見たら忘れられないほどにインパクトのあるCMなので一度見てみるといいだろう。

#region(テレビCM)
&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=kNgG4RIqaiU)
#endregion

-召喚魔法の「シルフ」にバグがあり、見た目の回復量は低めなものの、実際の回復量が''画面に表示された数値の2倍''になっている。
--リディアの安定した全体回復手段として役に立つ上に、回復量が実際よりも多く、さらにアンデッドにも通用するなど、かなり強力な性能となっている。
--ただし、発売当初は画面表示される数値の低さや他の召喚の高い威力からあまり目立っておらず、当時の攻略本などの記事でもほとんど触れられていなかった。

-中盤で、一時期全員男キャラかつ「セシル以外は全員髭面のオッサンあるいはジジイ」というパーティー編成となり、他のRPGではめったに見られない編成であることから一部で''「伝説のパーティー」''などと呼ばれている。

-最終決戦直前で、ゴルベーザがラスボスと戦うイベントがあるのだが、その際に彼が言い放った''「いいですとも!」''という台詞はFFシリーズ屈指の名言(迷言?)となり、[[派生作品>ディシディア ファイナルファンタジー]]などでも公式ネタとして使われている。

-旧エニックスの国民的RPGのナンバリング4作目である『[[ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]』が「FC最後のドラクエ」であったのに対し、本作は「SFC初のFF」という真逆の立ち位置となっている。
--双方のシリーズは共に『IV』を除いて『VII』まで、同じハードで発売されており、そのせいで「DQとFFは7作目まで同じハード」と一部で勘違いされることがある。一応、双方の『IV』がDSでリメイクが発売されているという共通点はあるが。

-『III』制作時に坂口氏は、少年ジャンプ名物編集鳥嶋氏から「ファイナルファンタジーが何でダメなのか」を懇々とダメ出しされ、それから物語重視に舵を切ったと語っている。その時系列から物語重視として出来上がったのがこの『IV』だという。
--ただし、当時のジャンプはというと、一時期に比べて軟化したと言え、彼が関わっているドラクエのライバルになりつつあるFFをまだまだこき下ろしていた頃である。
--鳥嶋氏の意図はともかく、当時「ゲームは映画に勝てない」と断じていた坂口氏が変質してストーリー重視を突き進んで『IV』を作るに至る。

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*ファイナルファンタジーIV イージータイプ
【ふぁいなるふぁんたじーふぉー いーじーたいぷ】
|ジャンル|RPG|
|対応機種|スーパーファミコン|
|発売・開発元|スクウェア|
|発売日|1991年10月29日|
|定価|9,000円(税別)|
//|セーブデータ|4個(バッテリーバックアップ)|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|

**概要(イージータイプ)
システムや単語の簡略化、難易度を下げた初心者向けのバージョン。~
説明書とは別に、ゲーム中盤までのダンジョンマップや攻略のポイントを記した「冒険ガイドブック」を同梱している。

**主な変更点
-大半の敵のHPが下がるなどの数値バランスの調整。
--敵の特殊攻撃もなくなっている。

-全体的にシステムが簡略化されている。
--状態異常を回復するアイテムは全状態を治療する「ばんのうやく」1種に統合され、その他戦闘用アイテムがほぼ全て削除された。
--独自コマンドの大半が削除
---ローザの「いのり」、ギルバートの「くすり」、ヤンの「がまん」、「ためる」、テラの「おもいだす」、パロムの「つよがる」、ポロムの「うそなき」、フースーヤの「せいしんは」が削除された。
--ネーミングに関しても、同系統の魔法は「ケアル・ケアルラ・ケアルダ・ケアルガ」→「ケアル1・ケアル2・ケアル3・ケアル4」といった数字表記になった。アイテムや敵も「フェニックスのお」→「ふっかつやく」、「ハンドレッグ」→「おおむかで」、「シーポッツ」→「きょだいばいきん」など、より分かりやすい(直球な)名前に変更されたり、英語が和訳されている。

-システムに関する説明が増えた他、チュートリアル的な施設「トレーニングルーム」が大幅に拡張された。
--トレーニングルームは、オリジナル版では最初の町にて「デビルロード」という建物の地下に存在する小さな部屋だったが、イージータイプでは専用の建物が用意され、2階建てで部屋も広くなり、説明用のキャラも大幅に増加。更に世界各地の町に同様のトレーニングルームが設けられた。

-ダンジョンの構造の変化
--全体的にわかりやすくなるよう変更されており、くぐれる天井が削除されたり、一部の隠し通路は目に見えている。また、一部ショートカットが追加されている。
--ラストダンジョンのラスボスの少し手前のフロアにセーブポイントが追加された。

-アイテム増殖技などのバグもほとんど修正された。

-オリジナル版のアイテムがいくつか削除された一方で、イージータイプで追加されたアイテムも一部存在する。

-ラスボスのグラフィックがオリジナル版から大幅に変更された(ただし海外版はオリジナルの姿に戻された)。
--後にこのイージータイプのラスボスグラフィックがGBA・携帯・PSP版のリメイクに裏ボスとして再登場することとなる。

-ゲームの開発者達が登場するお遊びコーナー「開発室」が削除された。

**評価点(イージータイプ)
-売り文句の通りRPG初心者にも遊びやすくなった。
--元々難易度が高めのゲームだったが、数値バランスの調整で遊びやすくなった。
--名称の変更もシンプルになった事で、RPGに慣れていない人にも一目で効果がわかりやすい。

-同梱の初心者向け攻略本「冒険ガイドブック」
--操作方法から丁寧に解説されており、初心者向けとして丁度良い。
--ただしシドのコマンド「しらべる」が「のぞく」になっている等、細かい誤植が多い。
--これが好評だったのか、スクウェアはその後のSFCのRPGにおいて、通常の攻略本とは別に初心者向けの攻略本を「冒険ガイドブック」の名前で出している。

**賛否両論点(イージータイプ)
-名称のシンプル化の賛否
--アイテムや敵の名称など、簡略化したことで分かりやすくなった反面、味気なくなってしまった面もある。
--一部モンスターは却ってわかりにくくなっていることも。特に「こおりのきし」(オリジナルでは「れいきし」)は全くの誤情報である。
---「冷」騎士ではなく「霊」騎士。種族も霊体であり、別に氷耐性は無いし氷属性の攻撃もしない。無論炎弱点でもない。勿論、これらの特性はイージータイプでも変更なし。

-攻撃アイテムや固有コマンドの大規模な削除
--大半が使い所の難しいアイテムや死にコマンドで活用し難いものであったため、煩雑さの解消には繋がっている。
--一方で数少ない有用な固有コマンドである「つよがる」まで削除されたことで、かえって通常版より難易度が上がっている面もある。
---総合的にみれば、各種戦闘用アイテムや「つよがる」などが必要ないほどヌルくなっているのだが、取れる戦術の幅は狭まっている。

-通常版にあったバグの多くが修正された。
--本来なら喜ばしいことであるのだが、これに伴いアイテム増殖技・クリスタル早取りなどの有用なバグ技もほぼ不可能になった。
--ファミマガのウル技コーナーで「このコーナーで以前紹介されたIVのウル技はイージータイプで使えますか」という投書があり、回答は「大技は修正がされておりほぼ不可能(隠し召喚はできそうだが検証できなかった)」だった。
---実際には隠し召喚はイージータイプにもあるものの、何故かコカトリスだけ削除されている。
--また、後述のシルフMP0バグのような新たに発生したものもある。

**問題点(イージータイプ)
-「アラーム」の削除
--使用することで特定の敵と100%戦えるアイテム「アラーム」が削除されたため、低確率で出現するレアモンスター「プリンプリンセス」との遭遇が困難になった。
---プリンプリンセスが低確率で落とすレアアイテムは最強防具の入手に必要なので、やり込みプレイヤーにとって重要な敵である。
---ただしイージータイプでは通常エンカウントによるプリンプリンセスの出現確率が上がっており、レアアイテムを落とす確率も大幅に引き上げられているので、実際にはそこまでレアアイテムが入手困難になっているわけではない。

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**総評(イージータイプ)
簡略化が施されたことで原作よりも易しくなっており、原作が難易度的に難しいと感じられる人にはちょうど良い塩梅になっている。~
その反面、簡略化によって少々味気なくなっている面も否めない。~
当時は初心者向けとしての役割もあったが、今となっては様々なメディアで攻略法が周知されているのに加え、シリーズ作品自体が数を重ねていることや、続編や続編とのカップリング移植作品などが改めて発売されていることもあり、あえてこちらを手に取る意義はあまりないだろう。

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**余談(イージータイプ)
-「インターナショナル版」の原点
--日本でのイージータイプの約1ヶ月後に発売された海外SNES版『FINAL FANTASY II』は、このイージー版をベースに作られている。……というより、海外向けに製作していた物を日本でも先行して出した、と言った方が正しいかもしれない。
---ナンバリングがズレて『II』となっている理由は、向こうでは当時FC版『I』発売後、ほぼ完成していたがSFC/SNES発売により時代遅れになったFC版『II』の海外版が発売中止になっていた経緯があり、その後SFC版『IV』のナンバリングを改めて『II』として発売することになった。同様に『VI』は向こうで『III』として発売された。
---しかしこの時点ではアメリカであまりヒットはせず、「まだ難易度が高すぎたのか」と考えたスクウェアは、さらに難易度を抑えた『FFMQ』(日本では『[[USA>ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト]]』として逆輸入)を発売した。
---なお、後に改めて海外PS向けに移植された『IV』は上記と違って通常版がベースであり、ナンバリングも日本と同じものに戻っている。

-シルフの消費MP0バグ
--原作で圧倒的な強さだった「シルフ」に関してはこちらでも新たなバグが発生し、回復量の異常な多さはなんと''表示の方を修正''されてほぼ据え置きのまま、さらに''実質消費MP0で使用可能''(使用にはMPが25以上必要だが、使っても減らない)という事態に。このため本作では安易に連発可能になってさらに猛威を振るうことになってしまった。
--ただしこちらも発売当初はあまり知られておらず、後年になって広まったものである。

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