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半熟英雄 ~ああ、世界よ半熟なれ…!!~ - (2016/12/29 (木) 01:15:13) のソース

本項目ではスーパーファミコン用ソフト『半熟英雄』と、そのワンダースワン移植版の紹介をしています。
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*半熟英雄 ~ああ、世界よ半熟なれ…!!~
【はんじゅくひーろー ああせかいよはんじゅくなれ】
|ジャンル|リアルタイムシミュレーションRPG|&amazon(B000068HDA)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|8MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|スクウェア|~|
|発売日|1992年12月19日|~|
|定価|9,500円|~|
//|プレイ人数|1人|~|
//|セーブデータ|個(バッテリーバックアップ)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
//|ポイント||~|
|>|>|CENTER:''[[半熟英雄シリーズリンク>半熟英雄シリーズ]]''|

**概要
前作『[[半熟英雄]]』の続編。~
ゲームシステム・シナリオ・演出、そしてお笑い要素を全面的にパワーアップし一気にスクウェアの人気タイトルへと押し上げた。~
現在でも半熟というとこの作品を挙げるファンは多い。

**ストーリー
>大陸を統一し、イリス姫と結婚した主人公。~
しかし平和ボケによりすっかりだらけきり、姫には逃げられる始末。大臣は胃薬を欠かせない日々を送っていた。~
そんなある日、突如『完熟クイーン』と名乗る女性が城に来訪。~
『黒きたまご』を持つ彼女と決着をつけるため、そして今一度主人公をフヌケ状態から抜けださせるために半熟軍と完熟軍の戦いの幕が開いた。

**評価点
-前作の難点がほぼ解消。難易度も下がり、非常にプレイしやすくなった。
--敵もたまごを使用するようになり、前作にはなかったエッグモンスター同士の戦いを楽しめるようになった。

-たまごの種類が非常に豊富になった。
--HPが高いエグモン中心の「ワンダーエッグ」、攻撃力重視の「スーパーエッグ」、悪魔的モンスターが多い「イビルエッグ」、ギャグ路線の「カラフルエッグ」など。
---他にも出すモンスターを選べる「エラベルエッグ」や1回限定の使い捨てたまご「いっぱつエッグ」、特定のモンスターしか出ないたまごもある。

-新たにフィールドの移動が速い騎馬将軍の追加や将軍ごとにたまごの補正が設定されるなど、将軍の個性がより強調された。
--将軍の「しゅみ」もこの作品から設定される。

-お笑い要素が全体的にパワーアップ。
--前作では月一イベントやエッグモンスターぐらいにしかお笑い要素がなかったが、本作ではシナリオがギャグ路線となっており、敵ボスも個性豊かなキャラクターが登場している。
--FFシリーズ(特に[[FFIV>ファイナルファンタジーIV]])のパロディが非常に豊富(例:竜騎士のパロディ切り札「リューキーシ」、ゴルベーザ四天王のパロディ「完熟四季王」、白魔導士のパロディ「城魔導士」など)であり、このパロディ路線が続編では別シリーズや合併相手の別作品にまで及ぶことになる。
---また、他のスクウェア作品のゲスト出演も散見される。FFIVのパロム・ポロム、[[ロマサガ1>ロマンシング サ・ガ]]のゲラハ、[[Sa・Ga2>Sa・Ga2 秘宝伝説]]のせんせいなど。
---将軍にも「カイン」「エッジ」「リディア」など、スクウェア作品からのゲスト出演がいるほど。

-藤岡勝利氏によるキャラクターも非常に好評。

-すぎやまこういち氏による格調高いBGMも魅力の一つ。
--FC版のファンだった氏自身がスクウェアに嘆願して続編を作らせたとの噂もある。
--月一イベントに時折すぎやま氏本人が登場し、サウンドテストが出来るという粋な計らいも。
---なお、[[続編>半熟英雄 対 3D]]では再び植松伸夫がBGMを担当。続く『[[4>半熟英雄4 ~7人の半熟英雄~]]』も植松氏を始めとする複数人の作曲者が担当したため、結果的にすぎやま氏は現時点では本作のみの担当になっている。

-本作からエッグモンスターの募集投稿が行われることとなった。実際に数多くの投稿作が採用されている。
--もっとも本作のみ投稿作と名前が異なるエグモンもいるが。

-スクウェアのゲームでは珍しく、タイトルコール、サブタイトル、次回予告などでボイスがついている。

**問題点
-戦闘バランスがやや悪目になった。
--将軍同士の戦闘は問題ないが、エグモンがかなり強くなったため、エグモンによる無双が簡単にできる。
--防衛戦だと奥の手で無双することもできてしまう。
---もっとも、奥の手はマイナスの効果を持った奥の手が多い上に、まともな奥の手も城をしっかりと築城していないと威力が低めのままになる。~
また、能力が低い将軍の救済ともとれる。
--またこれらは自軍にも当てはまり、いくら戦闘力が高くても、たまごを持っていない将軍は結局対エグモン戦には不利になってしまう。
---とはいえ切り札を使えば高ダメージを与えられるし、通常の攻撃はダメージが小さいものの全部避けられることはまずなく確実に削れ、「もうこうげき」は当たらない可能性も大きいものの将軍のHPが減っていればいるほど威力が上がる。また1回でなくなるが強い「いっぱつエッグ」の入手も可能。

-将軍のパラメータ「内政」がほぼ死に数値になっている。築城を行う際の費用に関わる数値だが、内政値が最高の将軍と最低の将軍を比べても費用は14ゴールドしか変わらない。
--これは費用計算式が前作のFC版と変わっていないため。FC版では入手できる資金自体が少なく、しかも城のレベルは雇える兵士数に影響するので重要だった。
--しかし本作ではそこまで金には困らない上、城レベルは兵士雇用数に影響しなくなった。また面クリア式になったため強化した城レベルは次面に引き継がれない。
---築城のメリット自体は複数あるが、序盤はそれほど上げる必要が無く、後半は14ゴールドの差などはした金になっている。
//城のレベルも「おくのて」を強くしたい時以外は上げなくてもよい。
//城レベルはエグモンの防御力・速さ、将軍の前進速度に関わる。攻めるのが主になるとはいえ金に余裕があるなら上げておいて損はない。

-エグモンの強さにバラつきがあり、弱いエグモンは本当に使えない。
--半熟レベルが低いうちは弱いエグモンで戦うよりも、大人しく白兵戦で戦う方がいい。
--また、エグモンの攻撃には回数が設定されているため、一回の攻撃力がどんなに高くても、将軍が相手だと兵士が壁になるため最高で8回攻撃をする羽目になることもある。最もこれは自軍にも(ry
--最終的にワンダーエッグが使いづらくなる。このたまごから出る最強のエグモンはHPが9999あるものの「敵味方双方のHPが半減する」「自爆して敵にダメージを与える」といった非常に極端な技しか持っていない。使ったら最後、ほぼタマゴは壊れると見ていい。
---これをラストステージで出てくる中ボスに対して出してしまうと、ある理由によりラスボスのHPが異常に高くなってしまう可能性がある。(逆に言うとラスボスを強化して戦うことができるとも言える。)
//自爆するモンスターはクーモンの食った数にカウントされず、ボイルドにの技にも反映されない。
//↑クーモンじゃなくてスーモンの方。HPを大量に吸われるとラスボスのHPがその分だけ高くなってしまう。
---そのため、初期からいる将軍の中で唯一ワンダーエッグ所持者であるゼウスを最後まで使い続けた場合、終盤で割を食う形になる。能力値は非常に優秀なのだが…。
--イビルエッグは最終的に中盤のボスを呼び出すようになりその時点では弱すぎる。カラフルエッグも最強レベルはイマイチな強さのため、タマゴ補正の低めの数人しかまともに使えなくなる。
---ただし、イビルエッグは特殊な切り札を使えば準最強のエグモンを呼び出せるようになる。最強のエグモンは呼び出し条件が厳しい上、呼び出したらほぼ勝てるというチート仕様のため、通常攻略においては最強といえる。
--一方でスーパーエッグはやたら強く、(実質的な)最高レベルまで上げるとほとんどの将軍がタマゴ3回使用時点でもかなり強いエグモンを呼び出せてしまう。
---しかしスーパーエッグには中盤レベルの頃に非常に弱い地雷エグモンが潜んでおり、計画的にスーパーエッグ使いばかり集めているとその期間は使いづらくなってしまう。

-戦闘の難易度は将軍の能力に依存するところが大きいが、初期の4人以外、どの将軍を獲得できるかは完全に運。
--その時マップに出ていない将軍の中から3人の候補将軍がランダムに選ばれてシャッフルされた上で1人選ぶことができる。が、実は乱数で選ばれているため''シャッフルをよく見ていても無意味である''。
--獲得できる将軍は章ごとに何人かの新しい将軍が敵として出てきて、その新将軍を倒すとそいつが将軍援護会に登録される形になって増えていくが、その分狙った将軍を獲得するのが困難になってくる。
--一応、時間を犠牲にすれば、セーブ&リセットで解決する。

-強力な切り札を複数所持していると、相手のたまご持ち将軍がすぐにたまごを使ってくる。
--相手にたまごを落とさせる目的で持っていても無意味になってしまうので所持数は抑えなければならない。

-半熟レベルを最大まで上げると弱い部類のエグモン「ランプキン」しか出せなくなってしまうという罠がある(ただし、半熟レベルを最大に上げるにはかなり特殊なプレイが必要。普通にプレイしているぶんには、最大になることはまずない)。

-アイテムである「切り札」は入手すると売ることも捨てることもできない。また、カーソル位置の記憶もできないため、出撃時にいちいち上から選びなおさなければならず面倒。そのためいらない切り札は買わず、入手したら早めに使いきらなければならない。

//-月一メニューでたまごの復活が出来ない。復活させるためにはわざわざあたしの館まで足を運ぶ羽目になる。
//問題点とするかは微妙。それができたら毎回壊すつもりで突っ込むことになりかねず、戦術性が薄まる。
-キャラクターに性別があるにもかかわらず、イベント進行で全く考慮していない。
--女性入浴中の露天風呂に迷い込んで騒がれるイベントや美人に取り囲まれて鼻を伸ばしているイベントなど。男性キャラでは全く問題がないギャグシーンだが、女性キャラで起こしてしまうと違和感があるどころの騒ぎではない。
--切り札「ブレイコウ」or奥の手「裸でぶつかる」を女性キャラが使うのも強烈。見た目はそれほど色っぽくはないが、それでも年齢制限のないゲームとしては史上まれに見るエロシーンだろう…。

-エグモン・切り札・奥の手の技性能、将軍の卵補正など、ゲームに大きく影響する事項なのにゲーム内で確認できない事が多い。

-季節が冬の間は地面が白くなるため、白い文字フォントが非常に見づらくなる。目をよく凝らす必要があるほど。
--『[[ロマサガ1>ロマンシング サ・ガ]]』の様に、その時だけ文字色を青に変えるなどはできなかったものか…。

**総評
前作の難点を解消、お笑い要素を大幅に増やしゲームとしてもバカゲーとしても進化し名作を張れるだけの作品となった。~
人気は高いのだが、次回作が出るまでに約10年の月日を要することとなった。

**余談
-92年の月刊コロコロコミックにて本作のコミカライズ版が連載された。作者はおちよしひこ氏。単行本は全1巻。
--ゲームの再現ではなくゲームの雰囲気の再現を重視したコミカライズ。ストーリーはゲームの序盤まで。

-本作のゲームオーバー画面が三途の川か天国の2種類になってランダムで決まる。
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*ワンダースワンカラー移植版
|ジャンル|リアルタイムシミュレーションRPG|&amazon(B00014ATUG)|
|対応機種|ワンダースワンカラー(専用)|~|
|メディア|32MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|スクウェア|~|
|開発元|スティング|~|
|発売日|2002年2月14日|~|
|定価|5,200円|~|
//|プレイ人数|1人|~|
//|セーブデータ|個|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|
|>|>|CENTER:''[[半熟英雄シリーズリンク>半熟英雄シリーズ]]''|

-SFC版の移植作。基本的に完全移植であるが、以下の変更点や追加点がある。
--ハード仕様上のためBGMとサウンドが全体的に劣化。
--エッグモンスターが数体追加された。なお、追加されたエグモンはすべて投稿作である。
--一度ゲームをクリアすると将軍やボス、エグモンのデータが見られる上に全てのBGM・サウンドが聴けるおまけモードが追加された。
--戦闘時にボタンを連打ではなく押しっぱなしに変更。
---これは、すぎやまこういち氏がプレイ中に連打は厳しいから変えて欲しいと要望を出したためという逸話がある。
--他、「''ワ''ンダーエッグ」が「''ナ''ンダーエッグ」に変更される((ナムコがかつて運営していた同名テーマパークと被ったためと言われている。))など、一部のエグモンや切り札の名前が変更されている。
---上記2点については続編『[[対3D>半熟英雄 対 3D]]』以降にも受け継がれている。

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