判定不一致修正依頼」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。
依頼内容はスーパーファミコン版とワンダースワン版の判定の不一致の修正です。


本項目ではスーパーファミコン用ソフト『半熟英雄』と、そのワンダースワン移植版の紹介をしています。(判定はいずれも良作)



半熟英雄 ~ああ、世界よ半熟なれ…!!~

【はんじゅくひーろー ああ せかいよはんじゅくなれ】

ジャンル リアルタイムシミュレーションRPG
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売・開発元 スクウェア
発売日 1992年12月19日
定価 9,500円
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ)
判定 良作
バカゲー
ポイント シナリオやギャグ要素が固まり、『半熟』の特色が確立
牧歌的で独特の世界観を持つ
章立ての進行やシステム見直しで、手軽なゲーム性に
難易度は低めで、割とゴリ押しでいけるバランス
半熟英雄シリーズ


戦え、半熟英雄! 今こそ卵を割る時だ!!



概要

前作『半熟英雄』の続編。
ゲームシステム・シナリオ・演出、そしてお笑い要素を全面的にパワーアップし、シリーズをスクウェアの人気タイトルへと押し上げた。
難易度は高くはなく、前作をプレイしていないプレイヤーでも理解しやすいように専門用語等は無く、ゲーム中の解説もあるなど初心者に優しい作りとなっている。
現在でも『半熟英雄』というとこの作品を挙げるファンは多い。


ストーリー

大陸を統一し、イリス姫と結婚した主人公。
しかし平和ボケによりすっかりだらけきり、姫には逃げられる始末。大臣は胃薬を欠かせない日々を送っていた。
そんなある日、突如『完熟クイーン』と名乗る女性が城に来訪。
『黒きたまご』を持つ彼女と決着をつけるため、そして今一度主人公をフヌケ状態から抜けださせるために半熟軍と完熟軍の戦いの幕が開いた。


システム

根本的なシステムは前作と同様だが、今作は様々な変更点が存在する。

  • 前作はストーリー性が殆どなく、ただ敵城を攻め落として大陸の統一を目指すだけだったが、今作は明確なストーリーに沿って進む。
    • 各ステージの敵城を全て攻め落とすとボス城が出現し、そこを攻め落とすとステージクリアとなる*1
    • ボス城ではボスキャラクターとの対決が待ち受ける。ボス戦は序盤のうちは強力な敵総大将が相手だが、途中からエッグモンスター戦同様のコマンドバトルでボスモンスターと戦いとなる*2
  • たまごのシステムの刷新
    • モンスターの城は廃止され、たまごの回数を回復する「おはらい」は月一コマンドで自由に行えるようになった(有料)。また、切り札「エンジェリン」でも回復可能*3
    • 敗北で壊れたたまごは「あたしの家」に行き、ブサイクな「あたし」*4に愛を捧げる(貢ぐ)ことによって修復してもらえる。この際の回数の回復量は捧げた愛によって変わる(要は高いものを貢ぐほど回復量も多い)。
    • 「半熟値」「半熟レベル」と呼ばれる自軍全体で共有する経験値とレベルが導入され、レベルが上がると強力なエッグモンスターが召喚できるようになる。
    • そして今回からは敵もたまごを所有するようになり、エッグモンスター同士の戦いや、前作と逆の立場でこちら側の将軍がエッグモンスターと戦う事も可能になった。

評価点

  • 前作の難点がほぼ解消。難易度も下がり、非常にプレイしやすくなった。
    • おはらい、将軍の雇用は月一コマンドから自由に行えるため、前作のような手間もかからなくなった。
    • 敵もたまごを使用するようになり、前作にはなかったエッグモンスター同士の戦いを楽しめるようになった。
  • 倒された味方は復活できないが、その章の頭からプレイし直すことも可能になり、詰む危険性が減った。
  • 「半熟値」「半熟レベル」の導入により、たまごのシステムが大きく変化し、わかりやすくなった。
    • ただし全体的にギャグテイストの強いゲームなので、高レベルでもギャグ優先の使いにくいモンスターはいる。
  • たまごの種類も非常に豊富になり、召喚できるモンスターも系統分けされるようになった。
    • 基本となるのはHPが高いエグモン中心の「ワンダーエッグ」、攻撃力重視の「スーパーエッグ」、悪魔的モンスターが多い「イビルエッグ」、ギャグ路線の「カラフルエッグ」の4種類。
      • 他には、一回しか使えないが強力なモンスターを召喚できる「いっぱつエッグ」や、召喚するモンスターを3種類から選択できる「エラベルエッグ」等は目にする機会が多い(主人公はエラベルエッグを所持)。
      • HPが多い状態のマシンナイトを召喚する「サイバーエッグ」、キングエッグマンを召喚する「キングエッグ」、スロットが行われる「スロットエッグ」、1回使うと基本的な種類に変化する「おそなえエッグ」「かどまつエッグ」「ベビーエッグ」、勝利するとエラベルエッグに変化する「カボチャエッグ」、敵がエグモンを召喚すれば同じ種類を召喚できる「まねっこエッグ」、など様々な種類がある。
    • 特定の条件を満たすとたまごが変化することもある。
      • 殺害数、死者数、戦闘回数、退却回数、召喚回数、切り札使用回数、将軍被ダメージ、エグモン被ダメージなど、様々の要素が絡む。「おそなえエッグ」「かどまつエッグ」「ベビーエッグ」「カボチャエッグ」など更に変化するたまごになることが多い。
      • たまごを所持する将軍が退却を繰り返すとゾンビしか出ない腐っているたまごに変化してしまう。
      • また、たまごを持っていない将軍がたまご持ちの将軍を倒した場合は「いっぱつエッグ」を入手できる。
  • 新たにフィールドの移動が速い騎馬将軍の追加や、将軍ごとにたまごレベルの補正が設定されるなど、将軍の個性がより強調された。
    • 将軍の「しゅみ」もこの作品から設定される。
  • お笑い要素が全体的にパワーアップ。
    • 前作では月一イベントやエッグモンスターぐらいにしかお笑い要素がなかったが、本作ではシナリオがギャグ路線となっており、敵ボスも個性豊かなキャラクターが登場している。
    • FFシリーズ(特にFFIV)のパロディが非常に豊富(例:竜騎士のパロディ切り札「リューキーシ」、ゴルベーザ四天王のパロディ「完熟四季王」、白魔導士のパロディ「城魔導士」など)であり、このパロディ路線が続編では別シリーズや合併相手の別作品にまで及ぶことになる。
      • また、他のスクウェア作品のゲスト出演も散見される。『FFIV』のパロム・ポロム、『ロマサガ1』のゲラハ、『Sa・Ga2』のせんせいなど。
      • 将軍にも「カイン」「エッジ」「リディア」など、スクウェア作品からのゲスト出演がいるほど。もっとも趣味などを見る限り、こちらは名前が同じというだけの別人と思われるが(それでもやはり能力の高めの優秀な将軍が多いので特別感は強い。中でもリディア将軍は攻撃、内政ともに最高値な上にHPも高め、その上賃金も安くしかも所持しているタマゴはスーパーエッグと最強クラスのキャラクターだったりする)。
    • 個性豊かなボスを象徴するように、各ステージのボス城もユニークなデザインと出現方法が用意されている。茨に覆われた塔、湖の底に沈む城、禍々しい山の下に隠れた城と言った真面目なものは勿論、城を落とす度に工事が進む高層ビル、森の木がジェットで飛んで行って姿を見せる秘密基地、門が開いて高そうな絨毯も引かれるホ◯イト◯ウスなど、実に多彩。
    • ゲームオーバー画面が2種類用意されており、ランダムで決まる。
      • どちらも死亡した主人公があの世に行くというものだが、「亡き両親に呼ばれて三途の川を渡る」「天国で大臣にそっくりの神様に叱られる」という小芝居が入るのもまたユニーク。
    • 本作の主人公に台詞は無いが、その理由は平和ボケで言葉も失ってしまったからとの事。
      • しかしエンディングの一方では突然喋り出すサプライズがある(実は〇〇オチなので、実際に喋っているというわけではないのだが)。
  • それに伴い、ストーリー性も大幅アップ。ギャグ満載のシナリオながらシリアス要素も相応に含まれ、終盤は「半熟」というキーワードにまつわる意外にも深いテーマが語られる。
    • 特に、条件次第で2形態に分岐するラスボスの片方の形態は、出るゲームを間違えたとしか言いようが無いシリアスな姿をしており、FFかロマサガのラスボスだと言われても違和感が無いほど*5
    • 後年発売された次回作以降では、かなりギャグが人を選ぶ路線に走ってしまったが、本作は比較的万人向けであり、誰でも気軽に楽しむ事ができる。
    • 強敵を倒せば更に強い敵が現れる少年漫画的な展開だが、その敵も玉石混淆のぶっ飛んだ面子となっている。完熟大魔王を倒しても、完熟戦隊→完熟伯爵→完熟大将軍と、どんどん上(?)の役職が現れ、一体誰が完熟軍のトップなのか、いつになったらトップに行き着くのかという中でストーリーを進めていく事になる。最終的に行き着くラスボスは…。
  • 藤岡勝利氏によるキャラクターも好評。
    • 主役である主人公や大臣を始め、将軍達も敵味方問わず印象に残りやすいデザインになっている。ボスキャラ達もとにかく濃く、ストーリーの描写と相俟って魅力的且つカオスな面々が揃っている。
    • 終始登場する大臣は泣く度にドットが巨大化するので印象は強烈。ちなみに主人公も片方のエンディングで巨大化してトボケ顔を披露してくれる。
  • すぎやまこういち氏による格調高いBGMも魅力の一つ。
    • 月一イベントに時折すぎやま氏が登場し、サウンドテストが出来るという粋な計らいも。
      • 説明が無い為に気付きにくいが、クリアデータがある状態だと聴ける曲が増えており、ラスボス曲やエンディング曲も試聴できる。
      • 余談だが、後年のアプリ版ではなんとすぎやま氏自身のボイス付きで登場する。
    • なお、続編では再び植松伸夫氏がBGMを担当。続く『4』も植松氏を始めとする複数人の作曲者が担当したため、すぎやま氏は本作のみの担当になっている*6
  • 本作からエッグモンスターの募集投稿が行われることとなった。実際に数多くの投稿作が採用されている。
  • タイトルコール、サブタイトル、次回予告などでボイスが付いている。
    • 次回予告では次のステージのボスがシルエットで表示され、プレイヤーのプレイ意欲も高める演出になっている。
    • 次回予告のボイスはストーリーの節目で変化し、章始めのタイトル表示演出もそれに応じて変わる。まるでTVアニメのような構成になっている。

賛否両論点

  • 戦闘の難易度は将軍の能力に依存するところが大きいが、初期の4人以外、どの将軍を獲得できるかは完全に運。
    • その時マップに出ていない将軍の中から3人の候補がランダムに表示され、シャッフルされた上で1人選ぶことができる。が、実は乱数で選ばれているためシャッフルをよく見ていても無意味である
    • 獲得できる将軍は章ごとに何人かの新しい将軍が敵として登場し、その新将軍を倒すことで将軍援護会に登録される形になって増えていくが、その分狙った将軍を獲得するのが困難になってくる。
    • 無論、セーブ&リセットを繰り返せば解決するが、時間と手間を犠牲にすることになる。
  • 強力な切り札を複数所持していると、相手のたまご持ち将軍が城攻めで速攻たまごを使ってくる。
    • 相手にたまごを落とさせる目的で持っていても無意味になってしまうので、威力大+卵落下率最高の切り札「グルミー」の所持数は抑えなければならない。
  • 半熟レベルが16になると全てのエッグから「タマゴキャリー」、最大の17になってしまうと全てのエッグから「ランプキン」しか出なくなってしまうという罠がある。これは各将軍に設定されている卵レベルの補正とは関係がない。
    • ただしレベル15までに必要な半熟値が4000なのに対し、16では9000と極端に跳ね上がるので、意図的に稼がなければ到達はしない。ちなみに1戦闘の勝利で得られる半熟値は多くて20程度。大幅アップの月一イベントである将軍の裏切りや美女への貢ぎでも100ほどしか入らない。
      • また、半熟レベル自体は、上がることはあっても下がることはない。どうしても心配なら、半熟レベル15に到達次第、半熟値を下げるように立ち回ればよい。敵のエグモン相手に退却を繰り返すのが最も効果的。
    • だがこれらに関する説明は無いため、それを知らず「必要半熟値が跳ね上がってレベルアップが困難に=達成すれば凄く強くなれる」と考えて半熟値稼ぎに精を出したプレイヤーは膨大なプレイ時間の末に泣きを見る事に。尤も、そこまでやり込んだプレイヤーなら恐らく本編はクリア済みと思われるし、達成したという自己満足は得られるかもしれないが。
    • これはリメイク版でも同様なので設定ミスではなく、意図的に入れられた仕様(ギャグ)だと思われる。半熟が行き過ぎると完熟になってしまう…といったところか。

問題点

戦闘関連

  • 戦闘バランスがやや悪くなった。
    • 将軍同士の戦闘は問題ないが、エッグモンスターがかなり強くなった。
      • これにより将軍の戦闘力がいくら高くても、たまごを持っていなければ結局エッグモンスター戦には不利になってしまう。
      • とはいえ強力な切り札を使えば高ダメージを与えられるし、通常の攻撃はダメージが小さいものの全部避けられることはまずなく確実に削れ、「もうこうげき」は当たらない可能性も大きいものの将軍のHPが減っていればいるほど威力が上がる。だが強いモンスターにもなるとこれらを駆使しても大したダメージにならず、一撃で兵士を全滅させられたり将軍ごと瞬殺されるため、結局は生身で戦うのは不利に。勿論、ボスモンスター相手に生身で挑むのは無謀でしかない。
      • 救済措置なのか、たまごを持たないor壊れている将軍がたまご持ちの敵を倒すと、使い捨てだが強い「いっぱつエッグ」が必ず入手可能となっている*7
    • 防衛戦だと「奥の手」で大逆転を狙うこともできる。能力が低い将軍の救済ともとれる。
      • 3つの候補が表示されてキャンセル不可能。マイナスの効果を持った奥の手も多くマイナスの物ばかり3つ並ぶこともある*8が、城をしっかりと築城していればマイナス効果は低くなる。当然、プラス効果も上がっていく。
      • 特に奥の手「だいじんアタック」は、「だいじん ファイナル クラーーーッシュ!!」の掛け声とともに大臣が敵を一撃で倒すまさに奥の手と言える技。発動出来ればどんなに強力なエグモンであろうが一発で昇天させることが可能な最強の奥の手といえる技なのでなかなかお目にかかれないモノではあるのだが。ちなみに演出は切り札の「ハリケーン」に似ている。
      • 奥の手の中に「せいしゅん」というものがある。その内容が「若い頃ならした、 カーリングをつかい攻撃をしかける 」という内容のもの(効果はマイナスにはならない程度の技)。本作発売から十数年後の冬季オリンピックからカーリングが注目されたことを考えると、先見の明があったのかもしれない…(?)
    • 手持ちの切り札の組み合わせによっては、それだけで敵将軍を完封して何もさせず倒すことが出来る為、切り札がそろってくればどんな敵将軍も脅威にならない構図が出来上がる*9
      • 城外で敵を迎撃すればそれは無敵の防衛戦を意味するため、攻略のみに主眼を置いた場合は城内で戦う意義がない。ただし切り札の詳細性能や切り札のランクなどの仕様を把握していなければ、いっぱつエッグ獲得の主戦場は防衛戦である。
  • エッグモンスターの強さにバラつきが大きい。
    • 弱い・ハズレとされるエッグモンスターは、将軍の攻撃で突破することもできる。
    • また、エグモンの攻撃にはヒット数が設定されているため、一回だけの攻撃力がどんなに高くても、将軍が相手だと兵士が壁になるため最高で約8回攻撃をする羽目になることもある。もっとも、これは自軍にも(ry
    • 最終的にワンダーエッグが使いづらくなる。
      • このたまごから出る「ちきゅう(地球)ちゃん」はHPが9999あるものの「敵味方双方のHPが半減する」「自爆して敵にダメージを与える」といった非常に極端な技しか持っていない。 普段から地球を大切にしていようねというメッセージが込められているのかもしれない。
      • これをラストステージで出てくる中ボスに対して出してしまうと、ある理由によりラスボスのHPが異常に高くなってしまう可能性がある。(逆に言うとラスボスを強化して戦うことができるとも言える。)
      • 初期からいる高能力将軍のゼウスを最後まで使い続けた場合、終盤で割を食う形になる。
    • イビルエッグは最終的に中盤のボスを呼び出すようになるのだが、その時点では相対的に弱くなってしまい、戦力としては微妙。カラフルエッグも最強レベルはイマイチな強さのため、タマゴ補正の低めの数人しかまともに使えなくなる。
      • ただし、イビルエッグは特殊な切り札を使えば準最強のエグモンを呼び出せるようになる。最強のエグモンは呼び出し条件が厳しい上、呼び出したらほぼ勝てるというチート仕様のため、通常攻略においてはこの準最強の方が使いやすい。
    • 一方でスーパーエッグはやたら強く、(実質的な)最高レベルまで上げるとほとんどの将軍がタマゴ3回使用時点でもかなり強いエグモンを呼び出せてしまう。
      • しかしスーパーエッグには中盤レベルの頃に非常に弱い地雷エグモンが潜んでおり、計画的にスーパーエッグ使いばかり集めているとその期間は使いづらくなってしまう。
  • アイテムである「切り札」は入手すると、売ることも捨てることもできない。また、カーソル位置の記憶もできないため、出撃時にいちいち上から選びなおさなければならず面倒。そのためいらない切り札は買わず、入手したら早めに使いきらなければ邪魔になる。
  • ゲームに大きく影響する事項なのにゲーム内で内容を確認できない値や効果が多い。エグモン・切り札・奥の手の技性能、将軍の卵補正など。

その他関連

  • 将軍のパラメータ「内政」の影響がとても小さい。築城を行う際の費用に関わる数値だが、内政値が最高の将軍と最低の将軍を比べても費用は14ゴールドしか変わらない。
    • これは費用計算式が前作のFC版と変わっていないため。FC版では入手できる資金自体が少なく、しかも城のレベルは雇える兵士数に影響するので重要だった。
    • しかし本作ではそこまで金には困らない上、城レベルは兵士雇用数に影響しなくなった。また面クリア式になったため築城しても次面には引き継がれない。
      • 築城のメリット自体は複数あるが、序盤はそれほど行う必要が無く、後半は14ゴールドの差などはした金になっている。
      • 切り札戦法で敵将軍を確殺する場合、そもそも築城する必要が無い。
  • 季節が冬の間は地面が白くなるため、マップ上のメニューウィンドウのフォントが見辛くなる。目をよく凝らす必要があるほど。
    • 『ロマサガ1』の様に、その時だけ文字色を青に変えるか、ウィンドウを半透明にしないようにするなどの配慮はできなかったものか…。
  • 中ボス「スプリミリョーネ」の名前が、戦闘中は「スプリミョーネ」と誤表記されている(「リ」の字が抜けている)。
    • また、エンディングで大臣の名前が「だいじんじゃ」と表示されるシーンがある。
  • 各章のプロローグやエピローグなどのシナリオに関するイベントでは、文字速度が早送り出来ない。
    • 月一イベントなどでは可能なのだが。
  • キャラクターに性別があるにもかかわらず、イベント進行で全く考慮していない。
    • 女性入浴中の露天風呂に迷い込んで騒がれるイベントや、洞窟で美人集団(正体はあたし集団)に取り囲まれて鼻を伸ばしているイベントなど。男性キャラでは全く問題がないギャグシーンだが、女性キャラで起こしてしまうと、違和感があるどころの騒ぎではない。
      • マップ上のちびキャラは複数種類存在するが、頭身が高めのイベント絵は男性将軍の2種類(通常のものと、裏切りや挑戦時における目つきや兜が微妙に違うもの)しか無い。これらの出るイベントでは女性将軍だろうがこの姿で表示され、口調も全て同じである。将軍雇用時のシャッフルはともかく、他のイベントではやはり違和感に。
      • その一方、切り札「ブレイコウ」or奥の手「裸でぶつかる」は女性キャラでも使え、キャラドットはしっかり女性差分が用意されている。見た目はそれほど色っぽくはないが、それでも年齢制限のないゲームとしては史上まれに見るエロシーンだろう…。
    • また、主人公を出撃させて洞窟イベントを起こしても全く同じ。ストーリー中は基本無口なはずの主人公がしゃべりまくる様子を見ることに。
  • 月イチコマンドで「築城」か「メインメニュー」を選んで画面を切り替えると、敵側の築城処理が丸々スキップされてしまうというバグがある。
    • 通常プレイの場合、築城は毎月行うので、敵側の城は全く築城されることがない。ほとんどのプレイヤーが知らないうちにバグを利用して有利にゲームを進めていたということになる。
      • 特に9話は敵城が築城するスピードが異常に速く速攻しなければ不利になるというステージなのに、このバグのせいでゆっくり進めても全く問題にならない。
    • このバグを起こさないようにプレイするには、プレイヤー側が築城しないで進めなければならない。
      • 自軍も敵軍も築城をして防衛網を固めるという、制作者が想定していたであろうバランスで遊ぶことができない。あまり大きな影響が出るわけではないが、ゲームとしては致命的な欠陥であろう。

総評

前作の難点を解消、お笑い要素を大幅に増やしゲームとしてもバカゲーとしても進化し名作を張れるだけの作品となった。
人気は高いのだが、次回作が出るまでに約10年の月日を要することとなった。


その後の展開

  • 人気作でありながら、『ドラクエ』同様にすぎやまこういち氏が関わっている故か、長らくバーチャルコンソールでの配信は行われなかった。
    • 2017年10月にて各種スマートフォン向けの移植版が配信がされた。
  • 2018年2月15日、『インペリアル サガ』にてコラボイベント『二人の半熟英雄!? ああ、ディスノミアよ半熟なれ…!!』が開始。本作より王子、大臣、ヴィーナス将軍が参戦したほか、後述の『かみ』も登場し、元ネタの『かみ』との夢の競演まで実現された。

余談

  • 92年、小学館の児童誌『月刊コロコロコミック』にて本作のコミカライズ版が連載された。作者はおちよしひこ氏。単行本は全1巻。
    • ゲームの再現ではなくゲームの雰囲気の再現を重視したコミカライズ。ストーリーはゲームの序盤まで。
    • 前述の理由により喋ることのないはずの主人公が普通に会話をしている、ヴィーナス将軍が一般の女性将軍と同じ容姿等といった面はあるものの、ゲームの雰囲気を上手くマンガに落とし込んでおり、当時のプレイヤーならば納得のいく仕上がりの作品となっている。序盤までの内容なのが惜しい作品である。
  • 2017年にはスマートフォン移植版配信に伴い、マンガアプリ『マンガUP!』内にて沖野真歩氏によるコミカライズ版が連載される。単行本は全2巻。
    • 多くの将軍キャラが氏によるアレンジを施して登場し、漫画独自のパロディ要素も描かれるなどオリジナル要素が見られている。反面、主人公の出番は少々控えめ。こちらもストーリーは序盤まで。
    • なお、沖野氏は後にTwitterにてゲームを未プレイだった事を明かしている。しかし本編のシナリオを手掛けた時田貴司氏が監修しているので、極端な原作崩壊は無い。
  • かの「ファミマガ」に、ゲーム中に登場する一部のエグモンを1ページのマンガで紹介するという冊子が付録として収録されていた。
    • 何気に現在でも著名な作家が数名参加しているという、今見ると豪華な内容になっている代物であった。
  • NTT出版から「天下泰平記」なる攻略本が発売されていた。『ロマサガ』シリーズの本などに比べれば、間違いは少ない。
    • ただし、公開されていない情報もいくつかあるため(将軍の隠しステータス「卵レベル補正」やラスボスの変化の分岐条件など)、より詳しく調べたければネット情報を検索したほうがよい。
    • 将軍やエグモンの紹介コメント(エグモン全てはもちろん、なんと将軍一人一人にもしっかりとコメントがある)、ステージ攻略のページにはその面のボスからの挨拶が紹介されていたりと、読み物としてなかなか楽しめるものになっている。
      • ゲーム上では趣味が確認出来るくらいで、あまり個性が出ているとは言い難かった将軍の性格や人物像が文章は短いもののよく書かれており、個性の掘り下げに一役買っているといえる。
      • エグモン自身の紹介はもちろんのこと、使用する技の説明もなかなか面白おかしく書かれているものが多く、経験者ならかなりの確率で笑える内容となっている。ただしやはりNTT出版…といったところか、単発攻撃の技が複数回攻撃と間違えた説明文になっているものが妙に多かったり、 そもそもの技の効果がまったく違う内容で載ってしまっているものがあったりする のはご愛嬌…。
  • 当時、「THEスーパーファミコン」の「すぎやまこういちのゲーム漂流記」という対談コーナーで植松伸夫氏*10とすぎやま氏の対談中にすぎやま氏が半熟英雄愛を熱烈に語り、「もし半熟英雄Ⅱ(このSFC版)を作るなら僕、乗るよ!」と逆ラブコールし、それに植松氏も「早速持ち帰って…」と盛り上がってしまい、そこからスクウェアがすぎやま氏に依頼している。すぎやま氏が切り出さなければシリーズ化は無かったと言われる程で、楽曲制作はすぎやま氏が「音楽作るからゲームを作って!」の半ば売り込みが叶った形。
    • 当時結構有名になった「逆売り込み事件」であるが、雑誌対談きっかけの為か、他誌等では「すぎやま氏が半熟好きだからスクウェアから依頼された」扱いになってしまっている事も。
    • また、次作からの連打リングでのスタミナ消費のオートはすぎやま氏のリクエストからつけられている。
      • リクエストした理由が「連打は僕(すぎやま氏)にはきついから」と語られている。

ワンダースワンカラー移植版

ジャンル リアルタイムシミュレーションRPG
対応機種 ワンダースワンカラー(専用)
メディア 32MbitROMカートリッジ
発売元 スクウェア
開発元 スティング
発売日 2002年2月14日
定価 5,200円
セーブデータ 5個
判定 良作
  • SFC版の移植作。基本的に完全移植であるが、以下の変更点や追加点がある。
    • ハード仕様上のためBGMとサウンドが全体的に劣化。
      • ただしBGMは再びすぎやまこういち氏が直接監修しWSに合ったアレンジを施しているので、「無理にSFC版を再現しようとして失敗」という風にはなっていない。
    • エッグモンスターが数体追加された。なお、追加されたエグモンはすべて投稿作である。
      • 魔界塔士Sa・Ga』のラスボスをパロった「チェーンソーを持った紙」のモンスター「かみ」、月一イベント等に登場していたお茶の間の夫婦をそのままモンスターにした「松井さん夫妻」など、投稿作はどれも奇抜で優秀。10年近くシリーズ作が途切れたことで待たされ続けた往年のファンの期待が窺える。
    • 一度ゲームをクリアすると将軍やボス、エグモンのデータが見られる上に全てのBGM・サウンドが聴けるおまけモードが追加された*11
    • 戦闘時のゲージ消費を「ボタンを連打」ではなく「押しっぱなし」に変更。
      • これは、すぎやまこういち氏がプレイ中に連打は厳しいから変えて欲しいと要望を出したためという逸話がある。
    • 他、「ンダーエッグ」が「ンダーエッグ」に変更される*12など、一部のエグモンや切り札の名前・外見が変更されている。
      • 上記2点については続編『対3D』以降にも受け継がれている。
    • ボスキャラクターに状態異常が効くようになっており、難易度が低下している。
  • スマートフォン移植版は本作をベースとした移植となっている。
    • ドットグラフィックの解像度が上がっており、『RPGツクールVX』や『ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション』に近い雰囲気になった。
    • BGMはSFC版原曲を使用している他、上記のたまご名や一部切り札の名前はSFC版に戻ったが、エグモン名や一部のメッセージなどはWSC版準拠と両機種の折衷といった所。
    • 本作でもエグモンの公募が行われた他、漫画家ちょぼらうにょぽみデザインのエグモンの登場やセガとのコラボによりDr.エッグマンかーばんくるレンタヒーローがエグモンとしてゲスト出演する。
      • なお、WSC版に追加されたエグモンとのデータを交換する形での登場のため、WSC版からの新エグモンたちは登場しない。
    • 新たにタイムアタックである「チャレンジモード」や課金アイテム、DLCであるエクストラマップなどが追加されている。
    • クラウドセーブに対応しており機種変更も安心。
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最終更新:2023年10月26日 20:04

*1 第4話のみ4つ存在するボス城が最初が出現しているので、無理に他の城を攻め落とす必要は無い。

*2 終盤に差し掛かる頃にもう一度だけ将軍戦はある。もっともヘタなエグモンよりも強いキャラなので、まともに将軍でぶつかってもまず勝てない様なことになっているので結局はモンスター同士の戦いになる可能性が高いのだが

*3 しかもこちらは使用回数が最大値の4を超えた5まで回復し、より強力なモンスターを召喚できるようになる。

*4 前作における「ブス」。ただ金をせびるだけだった前作に比べるとこのようにたまごの修復をしてくれたりと役割的に改善されてはいるが、せびる時はせびるし、おはらいをさせると半熟値が下がったりなど迷惑さは健在。

*5 もう一方の形態は多数のエグモンが無秩序に融合した異形という半熟らしいラスボスだが、同時期に出た『FFV』のラスボスもある意味同系統であり、そちらを意識していた可能性も。

*6 2021年9月30日に逝去された。

*7 たまごを持たないor壊れている将軍がいっぱつエッグを使って倒した場合は手に入らない

*8 「敵を説得しようとして失敗する」「近付いたら死ぬぞ、と脅すも容赦無く攻撃される」「てぶくろを逆から読んだら?と尋ねてしっかり六回攻撃される(=ろくぶて)」など。

*9 HPを半減させる「クースカン」を2連発した後、「グリンボー」「カルゲンジー」「ラピニアール」といったランクの低い敵将軍に有効打が入る切り札を使うと、ほぼとどめが確定する。ランクが低い切り札のため、敵にエッグモンスターを先出しされる事も無い。

*10 当時はスクウェア社員。

*11 BGMはSFCでも全て聴けるが、クリア後に月一イベントですぎやまこういちが出るまで待たねばならなかった。

*12 ナムコがかつて運営していた同名テーマパークと被ったためと言われている。