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ときめきメモリアル2 - (2022/01/02 (日) 21:00:08) のソース

*ときめきメモリアル2
【ときめきめもりあるつー】
|ジャンル|恋愛シミュレーション|CENTER:&amazon(B00005QBMY)&amazon(B00005QBOH)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|メディア|CD-ROM 5枚組|~|
|発売元|コナミ|~|
|開発元|コナミコンピュータエンタテインメント東京|~|
|発売日|1999年11月25日|~|
|定価|通常版:7,140円 / 限定版:10,290円|~|
|廉価版|コナミ・ザ・ベスト:2001年1月18日/4,179円|~|
|配信|ゲームアーカイブス:2009年11月25日/600円&br※EVSアペンドディスクも同時|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ときめきメモリアルシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ギャルゲーというジャンルを世に知らしめた金字塔的作品『[[ときめきメモリアル]]』の続編。~
基本システムは前作を踏襲しながらも、グラフィックの向上やEVSの追加など様々な面でパワーアップしており正統進化した続編になっている。

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**ストーリー
このゲームの主人公(プレイヤー)は幼い時にひびきの市に住んでいた男の子である。主人公は小学2年生まで光や華澄たちとひびきの市で一緒に楽しい日々を過ごしていたが、両親の都合でひびきの市を離れ、引越す事になってしまう。

それから7年が経ち、主人公は再びひびきの市に戻ってくる。ひびきの高校に入学する事になったからだ。入学式の当日、主人公はショートヘアが似合う元気で快活な少女に成長した光に偶然再会する。その後、クラスメイトになった坂城匠から「卒業式の日に告白の時に校庭にそびえ立つ時計塔の頂上についている伝説の鐘の音に祝福されたカップルは永遠に幸せになる」というひびきの高校の伝説を聞く。

主人公は、光やその他ヒロインからの告白を目指して勉強やスポーツ、容姿などを日々鍛錬し己を磨いていく。
(Wikipediaより抜粋)

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**特徴
-ディスク5枚組の大ボリューム。それも、全部のディスクに容量ギリギリまで詰められているので、全容量は4GB近くとDVD並みである。これは未だにシリーズ最大級とも言われている。
--それゆえ、攻略対象はシリーズ最多の13人。また、脇役を含めた登場人物もシリーズで一番多い。

-任意の名前を、キャラが合成音声で呼んでくれる「Emotional Voice System (EVS)」を搭載。
--「ゲームキャラが自分の名前を呼んでくれる」という技術は、当時のゲーム業界に衝撃を与えた。

-キャラクターデザインの大幅な路線変更。
--アニメーター出身の大塚あきら氏(OVA版「下級生」作画監督)を起用したことで、アニメ調の強いグラフィックになった。

-ゲームの基本システムは前作を踏襲。というより前作とほぼ同じ。
--ただし、藤崎詩織を攻略するという一応の目標があった前作と違い、今作では特に設定されていないため、よりギャルゲーらしくなったと言える。

-ニューゲームを開始すると、プロローグパートとして「幼年期編」が始まる。
--ここでは主人公は小学2年生であり、舞台となる町のマップ上を自由に移動して散策できる。幼い頃のヒロインたちと出会ったり会話することでイベントも起き、後の本編に影響する。また、選択肢によって初期パラメータが多少変動する。
--ヒロインたちのデザインも当然、年相応に幼くなっている。ファンの中には、「この時の方が良かったのに…」と7年後の姿を残念がる人もいるとかいないとか。

-キャラクター思考ロジックの導入。
--本作ではプレイヤーキャラクターと同様に、ヒロインたちもパラメータを伸ばすコマンド実行を毎週選んでいるという設定になっている。
--キャラクターごとに選ぶコマンドの比率が異なっており、そのキャラクターの性格や趣向に沿ったコマンドを選ぶことが多い。
--関係が親密になったヒロインは、プレイヤーの選んだものと同じコマンドを選びやすくなる。これによって各ヒロインの進路をある程度コントロールさせることも可能になった。

-ライバルキャラクターの登場。
--前作の早乙女好雄と同じように、本作でも主人公のクラスメイトとなる男キャラ、「坂城匠」と「穂刈純一郎」が登場する。
--前作ではただの情報役止まりだった男キャラだったが、本作では主人公と同じようにヒロインたちに恋をして、最終的に恋愛を成就させたりフラれたりするようになった。
--先述したキャラクター思考ロジックは、彼らにも適用されている。彼らもまたヒロインたちとデートを通じながら交友を深めているのだ。

-ヒロインに対する「呼び名」の変更システム。
--前作ではヒロインによって呼び名が固定されていたが、本作では下校時のイベントでヒロインに対する呼び方を変更することができる。
--基本的に最初は「苗字+さん付け」のように他人行儀でしか呼ぶことができず、無理に呼び方を変えても怒られてしまうことがしばしば。
--しかし関係が親密になれば、仇名や下の名前を呼び捨てにすることが可能。ヒロインとの距離が縮まっていることをより深く実感できるようになったと言える。
---なお本命以外のヒロインに対しては、「わざと嫌がる呼び方にして好感度を下げる」というテクニックも存在する。

-「天候」の導入。
--本作では1日毎に天候が「晴れ・曇り・雨・雪」の4つからランダムに変化するようになっている。
--天候ごとに背景やヒロインの服装が変化するため、よりデートのバリエーションが豊かになったと言える。
--一部のデートスポットは雨や雪だとデートが中止になってしまう事があるので注意が必要。

-「待ち合わせ場所」の導入。
--本作では一部例外を除き、基本的にデートの際は一旦どこかの待ち合わせ場所で待ち合わせてからそれぞれの場所に向かうようになった。
--前作では海やスキー場でも現地集合という無茶な待ち合わせだったためと思われるが、後述の不良戦も関係していると思われる。
--次回作以降にも採用されているが、『3』や『4』では近場の場合は現地集合になっている。

-追加デートの導入。
--関係が親密になったヒロインとデートをすると、一定条件を満たせば追加デートが発生することがある。
--内容は喫茶店などに寄って談笑するというもの。この時の様子もアルバムに収録される。

-当時としては物珍しかった、オンライン要素が含まれている。
--ただし現在のオンラインゲームのような形式ではなく、パッケージに記されているシリアルナンバーを使用してウェブ上に再現された「ひびきの高校」に生徒登録する、というものだった。つまりはファン同士の公式交流サイトである。
--が、マナーの悪いユーザーや厳格な''俺ルール''を押し付ける「自治厨」の大量発生などにより、後味の悪い消え方を強いられてしまった。

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**評価点
-システムは前作を引き継いでいるので、初代とほぼ同様の感覚でプレイできる。

-グラフィック、サウンドなどが全体的に強化されており、キャラクター、背景画、通常画面問わず綺麗。音質も改善されている。
--前作ではヒロインたちがときめき状態になっても、通常状態の立ち絵が赤面する程度しか変化がなかったが、本作ではときめき状態になると立ち絵のポーズそのものが大きく変化するようになった。
---細かい点では、あこがれ状態((ときめき度が高く、友好度が低い状態。))でもときめき状態とは異なる立ち絵が用意されている。
--服装パターンも増加。特に前作では対象キャラの少なかった浴衣姿や振袖姿が、本作ではほぼ全員分用意されているのは大きい。
--画面にキャラが2人同時に表示されるようになり、前作では少なかった「他ヒロイン同士の交流」の機会も増えた。

-全体的に難易度の高かった初代(特にPCE版は極悪難易度と言われる)に比べ、爆弾の発生頻度や好感度上昇率の改善などで難易度が引き下げられた。そのため、普通にエンディングを見るだけなら初心者でもなんとかなるレベルであり、間口の広い出来になっている。
--もっとも攻略難度で言えば初代以上に難しいキャラもおり、縛りプレイや同時攻略などを目指すと更に難易度は上がるためやりこみプレイにも対応している。

-前作以上に個性のハッキリとしたヒロインたちと、それを印象付けるイベントの数々。
--毒舌家や薄幸少女、生意気な後輩や新人教師など、各ヒロインのキャラの濃さはシリーズの中でも随一だと言える。
--イベント数も増加。全体的にときめき状態専用のイベントが多く追加され、内容も濃いものが多い。
---前作では3人分しか用意されていなかったクリスマスイベントは、(一部の隠しキャラを除いて)ほぼ全員分搭載。内容もヒロインごとに大きく異なるため、ゲームの佳境を締めくくるイベントとして名高い。
---告白イベントも前作では全ヒロインで共通のシチュエーション(伝説の樹の下で待つ)だったのに対し、本作ではほぼ全員異なったシチュエーションで行われる。

-前作メインヒロインの藤崎詩織が、幼馴染であるにも拘らず冷めた態度をとっていた(ように見えた)キャラであったのに対し、本作メインヒロインの陽ノ下光は、明るく主人公に最初から好意を持っているキャラとなっている。このことから、(あくまで詩織との対比においてだが)「これぞ幼馴染!」と非常に好意的に受け止められ、人気投票では常に1位か2位に入る人気キャラとなった。
--その一方、強制登場キャラであることや、好感度の上がりやすさ・爆弾発生率の高さから他キャラ攻略時にはむしろ厄介な存在になるという一面も持ち合わせており、(詩織とは別の意味で)「ときメモ2真のラスボスは光」と言われることも。
---ちなみにどれほど好感度が上がりやすいかというと、「一度もデートしないでクリア」や「爆弾を○回爆発させてクリア」等の縛りプレイが可能なほど。その影響でバッドEDが非常に難しいという、ギャルゲーとしては首を傾げたくなるようなことになった(他にも要因はあるのだが)。そのバッドED、一見の価値はあるのだが…。いや、むしろ難しいからこそ、あのクオリティなのかもしれない。

-声優の演技のレベルが格段にアップしている。
--前作では、イメージのついた人を選ばない(という名の経費節約)という選考をしたため、畑違いだったりそもそも声優経験が無い人まで集めていた。当然、レベルも高いものではなかった。
--しかし、本作では最初からそこそこ知名度のある声優や期待の新人がキャスティングされており、中には、当時デビューしたての田村ゆかり氏やくまいもとこ氏といった名前も。
---また、脇役に納谷悟朗氏(『ルパン三世』銭形警部)や若本規夫氏(『サザエさん』穴子さん)までいたりする。

-ミニゲームの完成度も高い。特に「メルティングポイント」は、それだけで遊べるほどのシューティングとなっている。

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**賛否両論点
大ヒットした前作の影響もあり、様々な賛否意見がある。こればかりは続編の宿命か。
-アニメ調のキャラクターデザインは概ね良い評判だったが、ファンの中には「オタクに媚びている」として難色を示す者もいた。また、初代の続編と言うには余りに[[雰囲気が違う画風も賛否両論ある。>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3951&file=%E6%AF%94%E8%BC%83.png]](左が初代、右が『2』である。中央下は『3』)。
--そうした声を受け、続編の『3』では、何をどう解釈したか3D化してしまい、初代ファンや継続ファンをがっかりさせた。なお、シリーズ最新作の『4』のキャラクターデザインは、本作同様大塚氏が手掛けている。そのため、2ファンは喜んだが、初代ファンはまたもがっかりした。

-キャラは皆非常に濃いが、それゆえ「狙いすぎ」という声もあった。結果、上記のキャラクターデザインと併せ、これを「これこそが『ときメモらしさ』」と受容できるか、「こんなキャラ現実的じゃない」として拒否するかで大きく意見が分かれている。
--初代にも濃い・現実的じゃないキャラは居る。

-「バトル」周りの仕様変更
--デート時に不良に絡まれてRPG的な戦闘ミニゲームが発生するという前作にもあったイベントだが、前作では不良とのバトル条件が「同じ場所で3回デートをする」ことだったのに対し、本作では「同じ待ち合わせ場所を3回選ぶ」ことになった。これにより、バトルに遭遇する頻度が飛躍的に上がってしまった。
--ときメモシリーズにおいてバトルは一種のお邪魔イベントであり、避けるに越したことはない。加えて本作ではバトルに負けてしまうと、体調のパラメータを大幅に減らされてしまうデメリットを伴っている。
--ちなみにこのバトル画面は''PS版『FF』シリーズまんま''であり、ATB・獲得アイテム名・演出・音楽などは『[[FFVII>ファイナルファンタジーVII]]』や『[[FFVIII>ファイナルファンタジーVIII]]』の丸写しレベルでパロディしている。流石にグラフィックは本家より大きく劣るが…。
---なお前作のバトルもSFC版FFシリーズのパロディだったのである意味正統進化(?)である。
--反面、回復魔法の導入や、ヒロインたちが積極的に戦闘に介入してくれるようになったことからバトルの戦略性は増している。
---前作では負けイベントだった動物バトルも、本作ではパラメータと戦略次第で自力で勝利することが十分に可能。ちょっとした見返りもある。
--ボスキャラの数も大幅に増えた他、奥義のユニークさも健在。更にはボスキャラによって奥義の効果が細かく変化するなど、その作りこみは決して伊達ではない。

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**問題点
-シミュレーション部分は誰がやっても失敗し辛くなるように全体に平均値に収束する修正がかけられており、ライトユーザーには概ね好評だったものの、反面、誰がやっても似たようなパラメータになる事から、1のような自由度を求めるゲーマーには不評であった。
--自由度低下にはディスク4枚組みになっている事も要因の一つになっている。~
最初の1年半(ディスク2)にはときめき状態が用意されていない為、どんなに頑張っても一部のキャラクター以外は友好で止まってしまう。
---内部的には上がっている為、2年の夏休みが終わった途端(ディスク3)いきなり態度が変化する事になる。
//楓子はディスク2でもときめき状態になります。

-バグが結構あり、中にはエンディングに関わる重大なものも(全く関係なさそうなものも真エンド条件だった)。
--後の廉価版で修正されたが、通常版とベスト版でセーブデータの互換性が無いという、これまた重大な欠点をも抱えている。

-部活数が前作の11種類から10種類に減少((正確には11種類存在するが、1年次に存在した科学部は2年次に電脳部に変わってしまうため、事実上10種類。))。それに伴い、関連する文化祭の出し物や奥義の数も減っている。
--特に剣道部は、所属するヒロインが存在しないことや上昇するパラメータの微妙さから、「入るメリットが存在しない」とまで言われている。

-天候システムの練り込み不足。
--晴れと曇りは事実上同じ扱いであり、ヒロインの天候に関するコメントにも変化がない。
--一方、雨や雪では一部のデートスポットが利用不可能になってしまう他、雨や雪の時のみ発生するイベントも存在しないため、マイナス要素にしかなっていない。
--あまり意味が無かったためか、天候があるのは今作と次回作の『3』だけとなった。

-ディスク枚数が多いため入れ替えの煩雑さがある。
--とはいえ節目で切り替わる仕組のため、頻繁にディスク入れ替えが発生する訳ではない。

-イベント数が多くなったのは結構だが、発生期間が前作よりも大きく制限された上に、ものによっては条件も少々煩わしい。全てのイベントを回収するとなると、前作以上に計画的なプレイが求められることも。
--また、ヒロインによってはクリアに必須なイベントも存在する。このことから「物語を読まされている」という意見も挙げられた。
--これは『3』で最も先鋭化され、批判意見の一つになった。

#region(ゲーム最終盤に待ち受けている、とあるイベントについて)
-先述したライバルキャラである、坂城匠・穂刈純一郎と恋人がバッティングしてしまった際、それぞれ卒業式前に決闘イベントが発生する。
--この時匠とバトルをして負けてしまった場合、''バッティング対象のヒロインを無条件で奪われてしまう。''ときメモシリーズにおいて、後にも先にもこんな暴挙に乗り出すキャラクターは匠1人だけである。
--匠自信の戦闘力は大したことないのだが、彼の使用する奥義の威力が非常に高く、何の対策もしていなければあっとういう間にやられてしまう。
--当然、匠に奪われたヒロインは攻略不可能となり、時期的に別のヒロインを攻略し始めることも不可能。事前に同時攻略しているヒロインがいなければ、バッドエンドは確定である。
--事前に匠の恋人を知って対策することも可能だが、ある一定の条件を踏まなければならない上にノーヒント。
--今まで地道にパラメータを上げ、交友を深めてきたヒロインが、匠とのバトルを経ただけでコロっと心変わりされるのは「理不尽」と感じるプレイヤーも多い。もっと他にやりようはなかったのだろうか。
---余談だが、本作で陽ノ下光を演じた野田順子氏も、初回プレイで光を攻略中に匠とバッティングしてしまい、光を攫われてしまったとのこと。
--なお、別のライバルキャラである純一郎にも決闘イベントは存在するが、彼の場合は勝っても負けてもその後の展開には影響しない。
---純一郎の場合、恋人ができる条件がやや特殊であり、狙ってプレイしない限りはバッティング自体発生しない。
#endregion

-売りのはずのEVSだが、実はプレイ中に設定できるのはヒロイン1人分だけ。
--更に、ヒロインは13人いるのに本編ソフトで設定できるのは光と華澄さんの2人だけで、残りのキャラのEVSを作成するには後に刊行されたファンブック「ひびきのウォッチャー」付属のアペンドディスクを使わねばならなかった。
---しかも、これは発売当初アナウンスされなかったため、大いに批判された。
-本体ディスク5枚、アペンド3枚のフル装備8枚組は、家庭用ゲーム機用ソフトとしては最大規模だろう。これは容量換算でも単純計算で約5.1GBとなり、PS2のDVDソフト(『3』など)すら上回る。ダウンロード販売では本体で2.2G、アペンドで825Mと控えめになるものの、重複部分を省いたとしてもやはり巨大なシステムである事には違いない。
--メモリーカード使用量が最低12ブロック必要というのもツクール系を除けば最大規模である。
--ここで足を引っ張ったのは言うまでもなくEVSの巨大なシステムである。 CDの半数(4枚)がEVSのためだけに存在し、メモリーカードの11ブロックを音声データで占有した。 女の子に名前を呼ばせたいというのは素朴な改善点であるが、製作スタッフにはそれを実現するためにいかなるリスクを伴うか(開発に4年もの歳月を費した原因も主にEVSである)、そのリスクに見合うほどユーザーがそれを求めていたのかを判断するバランス感覚に欠けていたという評価は免れ得ないだろう。~
EVSは当時の環境では明らかにオーバースペックだったし、音響監督、担当声優の負担も相当なものであった。
---EVSの収録は意味の無い言葉の羅列を長時間、同じ声の高さで発声し続けるというものであった。担当声優にEVSに入るというと嫌がられたらしく、音響監督自身も辛かったという感想を述べている。
//--上記のポリゴンは容量の面でも問題であった。また、たとえ粗いポリゴンであってもPS1の能力では明らかに高負荷であり、CD読み込みを含めて動きが重かった。更にディスク交換の煩わしさも相まって、1と比べれば、ゲームのテンポは明らかに悪いと言わざるを得ないものだった。
--だが、システムが巨大な分、1の5~8倍のボリューム・密度があったかというと、やはり賛否両論になるだろう。先述したように部活数が減っているうえに、ヒロイン数も増加していない。
--ダウンロード販売では上記のようなPS実機でのデメリットは薄れている。
---ただし、PS用ソフトとしては依然巨大なシステムに変わりないので、メモリースティックの容量には充分注意を要する。

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**総評
4年間の開発期間は伊達ではなく、シリーズトップクラスのクオリティとボリュームを誇りシリーズ最高傑作の呼び声も高い。~
評価点が少ないが、それは根本的なシステムが前作の、言わば移植だからである。そういう見方をすると、本作は良移植の要素も多分に含んでいると言えよう。問題点も純粋にゲームとしてみれば気にならない程度。

だが、メーカーの意欲的な試みが悉く潰えている点も見過ごすことはできない。この傾向は続編の『3』でも繰り返されたため、シリーズに大きな影を落とすことになる。~
良くも悪くも前作とは余りに違いすぎる作風のため、前作の「懐古廚」と本作の「壊古廚」の争いが激しい。なので、同じシリーズなのに1か2かでファンが真っ二つに分かれている。基本的に、2ファンは1ファンでもあることが多いのだが…。

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**配信
-2009年11月25日に、発売10周年を記念して(あるいは『4』のプロモーションに)、本作がゲームアーカイブスで配信された。
--ディスク入れ替えの煩雑さもホームボタンのメニューから行う形になったことである程度解消され、ベスト版のためバグも無くなっている。さらに、現在は入手困難なアペンドディスク収録のEVSデータも(別売りではあるが)販売されたためファンからは喜びの声が上がった。
--中古市場に出回り難く移植されていない作品だったためか、或いは前作の絵が現在ではきついものがあるのか、ゲームアーカイブスのシミュレーションランキングでは常に上位をかっさらう人気作となった。

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**余談
-プロデューサーのメタルユーキ氏曰く「開発途中でチームのメンバーが差し替えられたため」で、発売までに5年近くかかったという。その間、スピンオフや関連グッズのみで続編のぞの字も出ることなく、そもそも発売されるのかとさえ言われていた。
--だが、その年月は決して無駄ではなく、当時の作品としては今なお通用する魅力を放っている。

-もちろん、待たされたファンの期待は尋常ではなく、発売日当日の様子は『トゥナイト2』でも取り上げられた。

#region(当時の『トゥナイト2』)
&youtube(https://www.youtube.com/watch?v=o-0EUTFuK_g)
#endregion

-10年前の作品ながら、なんだかんだで未だに高い人気があり、30万本を売り上げたにも拘らず、中古市場には出回ることも少ない。
--『4』以前、コナミの出すグッズに1や3の商品が出ることはなくとも、本作はほぼ必ず発売していたことからも高い人気が窺える。
--現在では、シリーズ初心者には『2』か『4』が勧められる場合が多い。もっとも、売上30万本は前作PS版からかなり減っている。

-高校生活シミュレーションに恋愛要素をプラスしたのが1だとすれば、『2』は当時の典型的なギャルゲーの素地に1のシステムを乗せたものだったともいえる。 温度差はそのあたりにあるかもしれない。

-前作(PCE版)時の愚策(ゲームに対しての「壊れた」発言が初期にはメインであり、冷静に攻略を行い攻略体系を確立したのはかなり遅い段階であった。
--その為、現在においても間違った攻略法が蔓延している)を反省し、『[[ファイナルファンタジーVIII]]』の800人の攻略チームによる体制に対抗するかのような1,000人体制で攻略にあたった。
--結果として、初代攻略チーム内での分担攻略・メールなどによるリアルタイムでの情報共有・有給を景気よく使った総力戦体制など、ギャルゲーで取れる攻略体制としては最大級の物ともなった。

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**セールス落ち込みの理由
-ギャルゲーブームの落ち込み
--本作が出る2年前、悪名高き『[[センチメンタルグラフティ]]』が発売されていた。これにより、活況を呈していたギャルゲー市場は徐々に冷めていく。当然、下降過程の中で発売された本作にも影響は少なからず出てしまっている。
--また、すでに『ときメモ』ライクの育成型ギャルゲーが飽きられていた、という点も忘れてはならない。ギャルゲーブーム自体ときメモフォロワーが中心だったから、似たような内容のギャルゲーが氾濫していたのである。ブーム期から現在まで続いているシリーズが、本シリーズ以外育成型のギャルゲーではないことからも理解ができよう。

-コナミ自身によるあざとい商法
--前作はギャルゲーのパイオニアであると同時に、限定版商法やグッズ商法のパイオニアでもあった。ことグッズ商法に関しては凄まじく、この売上でコナミが立ち直ったと言われるほど。グッズの中身も、フィギュア、テレカ、キーホルダーなどの普通なものから、果てはシーツやPHSまでと、(悪い意味で)多彩、かつ高い。これらをまとめた本が2冊出ているが、これも1冊4,500円程度と割高。
---そして、それらが皆高品質だったかと言えばそうでもない。特にフィギュアやドールなどは現在でもネタにされる酷さで、世が世なら「[[邪神>ゼノサーガ エピソードII 善悪の彼岸]]」の尊名が与えられていてもおかしくはないほど。
---さらに著作権・訴訟を持ち出して、メーカー純正でない、同人作製物に対し徹底的なプレッシャーをかけたことで、本シリーズの同人活動はこれだけの人気があったにも拘らず、極端に規模の小さいものとなってしまっている。
--これらは現在、「コンマイ商法」と蔑まれており、当時から現在に至るまで悪名高い。これにより、ファン離れを起こしたのも事実である。

-人材問題
--本作のプロデューサーであるメタルユーキ氏は前作の''音楽担当''である。何故彼がプロデューサーをやることになったかと言うと、''他の前作スタッフはコナミに残って居ない''から。そのため正式な続編ではあるが模倣作同然と言う状態になってしまった部分がある。
--初代『ときメモ』の中心人物であった永山義明、立石流牙両氏は退社しており、中でも立石氏は本作を作るべく再起用されたのだが結局再退社し、メタルユーキ氏に御鉢が回ることになったようだ。
---ただし、コナミはかなりの大手企業でありながら、社員の平均勤続年数がとても短いことで知られている((特にコナミデジタルエンタテインメントにゲーム事業を譲渡してからはそれが顕著であり、わずか2年という有様。参考までに、業界トップクラスの平均勤続年数を誇る任天堂は14年であり、圧倒的な差である。))。よって前作のスタッフがコナミに残っていなかったというのは、何もときメモスタッフに限った事象ではなく、コナミという企業の抱える問題だと言える。