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アクションゲーム マジカルウィップ - (2014/03/06 (木) 09:39:32) のソース

*アクションゲーム マジカルウィップ
【あくしょんげーむ まじかるうぃっぷ】

|ジャンル|2Dアクション|~|
|対応機種|ニンテンドーDS(ニンテンドーDSiウェア)|~|
|発売・開発元|シルバースタージャパン|~|
|配信開始日|2010年11月10日|~|
|価格|200DSiポイント|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|1箇所|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|ほんわかファンタジーな面クリア型アクション&br()見た目の可愛らしさとは裏腹に、難易度は極悪非道な高さ|~|
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**概要
携帯機のダウンロード専用ソフト中心のメーカーであるシルバースタージャパンからリリースされたDSiウェアソフト。ジャンルとしては横視線の面クリア型アクションゲームに該当する。~
同社の『[[アクションゲーム 翔べよ!! ドラゴン!]]』と同じ「アクションゲーム」の冠が付くゲームタイトルだが、関連性は特にない。~
迷いの森に迷い込んだ2人の見習い魔法使い達が、森に彷徨うモンスター達を倒しながら脱出を目指すというストーリー設定。~
オートセーブ方式。操作は十字キーとボタンのみで行う。ゲーム中のステージは例外なく"DSの上下画面が繋がった状態"で表示される。
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**主なルール
-プレイヤーセレクトについて。
--ゲームを始める前に使用する魔法使い(以下:自機)を「男の子」か「女の子」のいずれかから選択できる。
---男の子は「最大ライフ数値は5つ」「魔法ゲージの回復が遅い」という性能。初心者向け。
---女の子は「最大ライフ数値は2つ」「魔法ゲージの回復が早い」という性能。上級者向け。

-ゲームの流れ。
--基本は一般的な面クリア型アクションゲームと同じ感覚でのプレイとなる。
---ステージクリア条件は大きく分けると3タイプがあり、それぞれ若干のクリア条件が違っている。詳細は後述にて。

--「通常ステージ」
---5の倍数以外のステージ全般がこれに該当する。画面内にいる雑魚敵を全滅させるとステージクリア。
--「中間ボスステージ」
---ステージ5・15・25・35・45がこれに該当する。画面内にいるボス敵を倒せばステージクリア。
---ボスと共に雑魚敵が無限に出現するが、ボスさえ倒せば"こいつら"も勝手に全滅する。
--「ドラゴンボスステージ」
---10の倍数ステージがこれに該当する。このステージにはクリア条件が2つある。
---画面内にいるボス敵のドラゴンを倒せばステージクリアとなる。その間には雑魚敵が無限出現し、ドラゴン撃破と同時に"こいつら"も全滅する。
---一定時間経過してもドラゴンを倒せないでいると、"やつ"は逃走してしまう。しかし、ステージクリアにはならず、残された雑魚敵らが続け様に襲い掛かってくる。&br()ドラゴンがいなくなると雑魚敵の無限出現が止まる為、残された"こいつら"を全滅させるとステージクリアとなる。
---ドラゴンを倒すと「ランク」が1つ上がった状態で次ステージへと進める。ドラゴンを逃した状態でのクリアは、ランクが上がらないまま次ステージへと進む。

-操作系統。
--自機の操作は以下の通り(全キャラ共通)。
---十字キーで左右移動。B・R・Lボタンのいずれかを押しながらキー操作すると、ダッシュ移動が行える。&br()ダッシュ中は小さい穴場を"ダッシュだけ"で走り抜けられる(いわゆるBダッシュに相当)。
---Aボタンでジャンプ動作。ボタンを押す長さでジャンプ力が変化し、ジャンプ中の移動制御も可能。
---Xボタンで魔法の弱ムチ(以下:弱ムチ)で攻撃。Yボタンで魔法の強ムチ(以下:強ムチ)で攻撃。&br()雑魚敵を持ち上げている状態でXかYボタンを押すと、"そいつ"を前方へと投げる。

-自機の攻撃手段について。
--自機には「魔法のムチ(以下:ムチ)」」という攻撃を持っており、これをいかに使いこなすかが最重要課題となる。
---ムチには2種類の攻撃があり、弱ムチはリーチ・攻撃共に低く・強ムチはその逆(長いリーチ・高攻撃力)の性能である。
---ムチを出す度に「魔法ゲージ」が消費されていく。弱ムチはゲージの消費が低く、強ムチは消費が非常に激しい。
---ゲージが尽きてしまうとムチが出せなくなり、大きな危険を伴ってしまう。消費されたゲージは時間経過により自然回復する。
--大方の雑魚敵にムチを当てると、自機が"そいつ"を持ち上げる。
---持ち上げている状態でボタンを押せば"そいつ"を前方に投げ、前方にいた雑魚・ボス・ドラゴンといった様々な敵共にダメージをあたえられる(例外あり)。
---雑魚敵が複数で密集している状態でムチを当てると、"そいつら"をまとめて持ち上げるられる。この状態で前方に投げると、単体よりも莫大な攻撃力の投げつけができる。
---投げられた雑魚敵は、他の敵や壁すべてを貫通しながら消滅する。また、雑魚敵を持ち上げている最中は、魔法ゲージが微小に減り続けてしまう。
---投げられた雑魚敵を別の敵に当てる(倒す)と、そいつは軽く放物線を描く感じで落下する。この時、落下する敵にムチを当てると"そいつ"を持ち上げる事ができる。&br()この持ち上げを行う度に「コンボ」が発生する。コンボは別の敵を持ち上げる度にカウントされ続け、現状コンボが攻撃力に乗算されていく。

-魔法の実について。
--とある行動する事で、ステージ中に時折以下の「魔法の実(以下:アイテム)」が出現する場合がある。
---「ライフの実」…自機ライフを全回復する効果。
---「魔力の実」「悪魔の実」…前者は魔力ゲージを全回復する効果。後者はゲージを減らしてしまう効果。
---「ドクロの実」…自機が1ミスしてしまう効果。
---「飛行の実」…取得したステージ限定で多段ジャンプが行える効果。ジャンプ回数に制限はない。
---「復活の実」…クレジット(コンティニュー回数)が1増える効果。

-敵・仕掛けについて。
--ステージ中には以下の敵や仕掛けが配置されており、様々な手段で自機を苦しめてくる。

--敵系。
---「雑魚敵」…全ステージに大量出現。所詮は雑魚ではあるが、一部には「複数回ムチを当てないと倒せない」「持ち上げられない」という難敵もいる。
---「中間ボス」…ボス敵の1種。耐久力があり、複数回のムチ当てや雑魚敵の投げつけを行わないと倒せない。
---「ドラゴン」…ボス敵のもう1種。耐久力がある上に、雑魚敵の投げつけでしかダメージをあたえられない。しばらくしても倒せないでいると、即逃げてしまう。
---「死神」…各ステージをしばらくしてもクリアできなと出現。素早い動きで浮遊し、絶対に倒す事ができない。自機が"やつ"触れると即ミスとなる。ステージクリアか自機ミスで消滅する。
--仕掛け系。
---「魔方陣」…その場から動かず、存在する限りは雑魚敵を無限に沸かせてくる。ムチ一発で消滅できる。
---「クモの巣」…自機が触れると一定時間動けなくなる。掴まっても自然消滅するが、十字キー連打で比較的早く脱出できる。ムチ一発で消滅できる。
---「稲妻」…定期的に自機の上方向へと落ちてくる。触れると感電によるダメージ。
---「炎」…地形に"たむろ"する形で配置されている。触れると火傷によるダメージ。
---「動く床」…常に特定方向へと動いている床。自機がこれの上に乗ると、その方向へと流されてしまう。

-ミス条件について。
--ライフ & 残機製を採用している。すべての残機がミスしてしまうとゲームオーバー。
---初期残機数は使用キャラ共通で4つ。ライフ数値は使用している自機によって変わる(上記)。ダメージによるライフ減少は即死系を除き一律で1となる。
---ダメージ条件は「自機が敵や敵弾・一部仕掛けに触れる」事にある。死神に触れるとライフ残量に関わらず即ミスとなってしまう。
---ミス後はステージ最初の地点から復活となる。敵や仕掛けの状態はミス前のままで継続される。
--ゲームオーバー後は有限のコンティニューが行える。コンティニュー後はそのステージ最初からの再開となる。
---コンティニューの初期クレジットは3つだが、復活の実アイテムを取得するとクレジットが増加する。

-ランクについて。
--本作には「ランク」という概念が存在する。
---上記ゲームの流れの項で述べた通り、ドラゴンを倒すとランクが1つ上がる。初期ランクは「E」であり、ドラゴンを倒す度に「E ⇒ D ⇒ C ⇒ B ⇒ A ⇒ S」の順で上がっていく。
---本作にはスコアの類は存在しない。この「いかにランクを上げているか」という状況が、スコアの代用として表示される形となる。
---ステージをオールクリアすると現状のランクが記録される。どれだけランクを上げても、オールクリアしないとランクの記録はされない。
--Sランクでオールクリアすると、上級者向けの隠しモードが解禁される。

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**批評点
***極悪非道な難易度
-''本作の難易度は度が過ぎる程に高く、プレイヤーの多くは後半ステージへ進めるかどうかも怪しいレベルに達している''。

-燃費の悪すぎる攻撃手段。
--大方のプレイヤーが真っ先に突き当たる問題として挙げられる点。''無闇な攻撃多用は死に繋がる''。
---基本攻撃であるムチを行う度に魔法ゲージが特定量消費されるのはルールで述べた通りだが、''ゲージの減り方があまりにも激しすぎる''。
---''大ムチを2回連続で行っただけでゲージが底を尽く''。よって、大ムチの使用場面は大幅に限られてしまい、ゲージ消費が少ない小ムチメインで攻撃しなければならない。
---''小ムチはリーチ・攻撃力共に短い為、敵が大量にいる場面で使いこなすのは相当な危険を伴ってしまう''。大ムチが無闇に使用できない以上、もうどうしようもない。
---''大・小ムチ共に攻撃の隙が大きく、あまりにも敵と密着していると打ち負かされる危険性が高い''。よって、ゲージがあるからといって必ずしも攻略が容易ぬなるとも限らない。
---''敵を持ち上げていない状態でゲージがなくなると、完全に攻撃手段がなくなる''。こうなってしまうと、死亡フラグへの道へと転落する可能性が濃厚となる。&br()自機が女の子の場合はゲージ回復が早いのでまだ勝機がある方だが、''ゲージ回復が"とろい"男の子は地獄の土壇場である''。

-陰険すぎる敵・仕掛けの配置。
--前半戦はまだ楽にクリアできるが、''後半戦(ステージ25以降)からの難易度があまりにも鬼畜''。
---「''足場の少ない地形の中、敵が大量に沸く''」「''敵が弾幕攻撃を張ってくる''」「''魔方陣を破壊しないと、敵の繁殖が無限に続く」などの難関が連続で続く。
---特に魔方陣系のステージの鬼畜っぷりは非道。''魔方陣に近づく頃には周囲に敵がたむろしており、用意に魔方陣に近づく事が困難となる為''である。&br()魔方陣を残したままミスをすると、ステージ最初の位置に戻される。すなわち、''倒したはずの魔方陣周辺の敵繁殖が元に戻っている有様''。

-短すぎる制限時間。
--各ステージには永久パターン防止策として、目には見えない制限時間が設けられているが、''ちょっと時間が経過するだけでタイムオーバー''となる。
---タイムオーバーになると死神が登場し、自機を一撃で葬ってくる。ただでさえ、敵の猛攻で"あくせく"しているのに、その上に一撃死のペナルティも課してくる惨状…。
--ドラゴンボスステージのドラゴンの登場時間も異様なまでに短く設定されている。
---そのくせ、ドラゴンはトリッキーに動き回り、ダメージをあたえる事すらも困難を極める。倒させる気が"まるで"感じさせない程に…。
---ドラゴンを1体でも逃してしまうとランクアップがなくなってしまう為、例えオールクリアしても隠しモード解禁は絶たれてしまう。

-少なすぎる残機数・コンティニュー回数。
--上記の通りの有様なのに、''初期残機は4つ・コンティニューの初期クレジットはたったの3つしかない''。
---自機が女の子だとライフ数値が2しかないので、''2回ダメージを受けると即ミスとなる''。いくら何でも虚弱体質すぎる…。
---正直、無限コンティニューでもクリアへの道が辛いのに、わざわざ有限コンティニューにする意味があったのだろうか?
---なお、''ステージセレクト機能がない為、必ずぶっ続けで50ステージを攻略しなければならない''。まさにストレス全快仕様である。

***その他の批評点
-操作性・テンポ感は優秀。
--難易度がアレすぎる点はともかく、ゲームとしての土台は丁寧に作られている。
---操作性は軽快かつオーソドックスで、この手の面クリア型アクションゲームに馴染んでいるプレイヤーならば即効で入り込めるだろう。特に難解な操作に悩まされる心配も薄い。
---過剰な演出やもっさり感が皆無なので、(攻略に詰まらないのであれば)さくさくテンポで次ステージへと進める。この辺は普通に評価できる。

-敵を投げつける一撃必殺性。
--ムチで雑魚敵を大量に持ち上げ、前方にいる敵共を吹き飛ばす爽快感はなかなかのもの。
---敵を大量に持ち上げる程に攻撃力が増すので、上手くいけばボスクラスの敵を瞬殺する事も可能。尤も、余裕があればの話だが…。
---コンボを繋げて攻撃力を強化する応用テクニックを駆使すれば、攻略がかなり楽になってくるだろう。

-%%嫌し%% 癒し系のグラフィックデザイン・BGM周り。
--外観が非常に和み可愛らしく、"見た目だけでいうならば"非常に癒される。
---主人公2人や敵キャラ全員がコミカルタッチで描かれており、その外観は古き良き80年代アクションゲームのノリである。
--優しくも勇気感溢れるBGMの評価は非常に高い。
---どことなく80年代のタイトー製面クリア型アクションゲームと同じ匂いがする楽曲で、大いにゲームを盛り上げてくれる。%%まぁ、盛り上がる余興も感じさせない難易度であるが…。%%

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**総評
見た目の可愛らしい外観と200円相当という安価に釣られて購入したはいいが、''その実態は極悪難易度の極みだった''という現実に振り回されたプレイヤーが多そうな作品である模様。~
実際レビューサイトでも「ある意味サムネイル詐欺」「どうしてこんな難易度にした?」的なコメントが多く、相当な高難易度趣のプレイヤーでもない限りは楽しめるかどうかも怪しい次第。