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スーパーマリオ 3Dワールド - (2014/10/11 (土) 04:07:07) のソース

*スーパーマリオ 3Dワールド
【すーぱーまりお すりーでぃーわーるど】
|ジャンル|3Dアクション|&amazon(B00FKSUIIG)|
|対応機種|WiiU|~|
|発売・開発元|任天堂|~|
|発売日|2013年11月21日|~|
|定価|5,700円(税別)|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|マリオシリーズらしい安定した出来栄え&br()シリーズ初の3Dマルチプレイ対応&br()4人(+1)のキャラ選択が可能&br()ここでもやっぱりロゼッタ押し&br()マルチプレイを意識しすぎてソロプレイに向かない部分も|~|
|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
前触れ無く『Nintendo Direct』で発表された、WiiUでは初の3Dスーパーマリオ。『[[スーパーマリオ 3Dランド]]』(以下、『3Dランド』)のコンセプトを受け継ぎつつ、様々な追加要素を加えたもの。~
元は3Dランドであることは間違いないのだが、マイナーチェンジの感が強いのがネックな『[[New スーパーマリオブラザーズ]]』とは違い、本作はわりと純粋なパワーアップ版と言って良い。~
2Dと同等のパートが多かった3Dランドと比べると、据え置きハードになったことでより世界観は広がり、背景もより美しくなったことで見やすくなり、より3Dアクションらしくなった。~
WiiUにとっては2013年の最後にぶつけられた、その年の勝負をかけたソフトである。
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**特徴
-キャラクターが4人(隠しを含めると5人)選択可能。性能は以下の通りで、基本的には『[[スーパーマリオUSA]]』と同じだと思ってもらえばよい。
--マリオ:平均的な性能。
--ルイージ:高いジャンプ力を持つが、滑りやすい。
--ピーチ:空中を少しだけ浮遊出来るが、足が遅い。
--キノピオ:足は早いがジャンプ力が低く、滞空時間が短い。
---これに加えて隠しキャラとしてロゼッタが使用可能となる。スピンによる滞空延長が特徴だがピーチと同じく足が遅い。
---キノピオ隊長を使用するステージもある。プレイヤーキャラのキノピオとは別キャラで、重たい荷物を背負っているためジャンプが出来ず、彼専用の3D迷路ステージを攻略する。

-3Dマリオ初となる4人同時のマルチプレイが可能に。
--4人プレイでもfpsは一切落ちない。
--後述のダブルチェリーでプレイヤーキャラが分身しまくってもほとんど処理落ちはしない。
--プレイスタイルは従来通り、分担して協力するのもよし、邪魔しあってプレイするもよし。

-ゲームパッドを使った補助要素。
--ゲームパッド画面にはミラーリングされたゲーム画面が表示されており、敵の足止めや、一部の仕掛けを起動させるなどの役割がある。

-ネットワークと強く連動した要素。
--マリオカートシリーズのように、他プレイヤーのゴーストを表示させることが可能。ゴースト最大表示人数は3人まで。
--各ステージごとにMiiverseに投稿をしたMiiが表示される。

-パワーアップアイテム
--基本的には3Dランドと同じだが、新しいパワーアップがいろいろと追加されている。アイテムはスーパーマリオワールドと同じく1つだけストックされる。スーパーキノコもストック出来るが、キノピオ隊長パートなど滅多に手に入らない。
---ファイアフラワー:『3Dランド』と同じく、ファイヤーボールを放つおなじみのパワーアップ。今回はファイヤーピーチなど珍しい人がパワーアップする姿が見られる。
---スーパースター、無敵このは:無敵になれるアイテム。無敵このはは『3Dランド』同様救済アイテム。
---スーパーこのは、ブーメランフラワー:『3Dランド』と同様の仕様。ルイージだけキツネになるのも同じ。
---スーパーベル:今作を代表する新パワーアップ。ネコとなり、攻撃ボタンで前方への攻撃を行い、壁を一定時間よじ登ることが出来る。ネコマリオでないといけないところも多く、非常に活用所の多いパワーアップである。
---ダブルチェリー:プレイヤーキャラの分身が一人増える。能力はオリジナルのものをそのままコピーする。最大5人まで増やすことが出来るほか、マルチプレイの時でもお構いなしに増える。
---ただしステージ終了後に解ける他、食らうと1体ずつ減っていく。他プレイヤーがヒップドロップをすると増えた他プレイヤーの分身を自分のものとすり替えることが可能。
---巨大キノコ:『Newスーパーマリオブラザーズ』からの登場。3Dでは初登場であり、かつてと同じくあらゆるものを踏み砕く。一定時間で解ける。
---まねきネコベル:隠しアイテム。ネコマリオと性能は同じだが、ヒップドロップをするとまねきネコに変身し、落下距離に応じてコインが手に入る。

**評価点
-ステージの多彩さ。
--ワールドごとに特色があるのは同じだが、それぞれまるで別世界のように多彩なギミックが用意されており、飽きない作り。
--一部『3Dランド』同様に使い回しはあるものの、前作の反省を踏まえてか今回はそういったことは少なめである。
--中にはマリオカートを意識したステージがあり、駆け抜けるだけでも楽しく作られていることがある。
--ステージごとに「ドッドルイージ」が隠されている。スコアに記録されないため意味は無いが、探してみるのも面白い。
--隠しスターに加え、今回はMiiverseで使えるスタンプもステージ中に隠されており、やりこみに一つエッセンスが加えられている。更には…。
#region
-本作には隠し要素としてマリオブラザーズのルイージ版ともいえる『ルイージブラザーズ』が収録されている。1Pは現在の緑色、2Pは昔の白色といった懲り様である。
-これらはエンディングを迎えるか、『New スーパールイージ U』のセーブデータがあればプレイできるようになる。
--ちなみにルイージブラザーズが収録された理由については販売された2013年が公式にルイージの年であったため。
#endregion

-スターコインからグリーンスターに変更され、視認性が上層した。
--マリオ的にはより高級感が増した他、見分けが付きやすくなった。
--ただし配置自体はやや見えない位置に置かれやすくなった。

-3Dの4人マルチプレイの楽しさ。
--2Dマリオとはまた違った協力体制、邪魔しあいなどが可能となり、別の盛り上がりを演出している。
--任天堂お得意の(?)いわゆる''友情崩壊ゲー''はここでも遺憾なく発揮されている。

-キャラクターを変えながらプレイ出来る。
--ステージごとにキャラを変えてプレイするということも可能。隠し要素を発見するための周回プレイもこのおかげで飽きにくい。
--お気に入りのキャラだけを使い続けることも出来るが、シャッフルという機能もあり、マルチプレイでそれぞれ使いたいキャラが被った時はこのシャッフルで平等になる。
---ちなみにこのシャッフル、一人用プレイでも可能。気分転換にキャラクターをランダムにするのも良いだろう。

-近年のマリオで定番化した、程よい難易度。
--序盤はあっさり味、後半につれ高難易度化という流れは今作でも健在。
--ちゃんと階段式に難しくなっていくので、いきなり理不尽なコースにぶち当たることは少ない。
---ぶち当たっても上述の救済措置があるうえ、今回も残機アップはとても簡単なのでぶち当たっても楽に再挑戦できる。
--裏コースはかなりやりごたえあり。

-新旧入り混じった敵の採用。
--本作オリジナルの新しい敵キャラも多数いるが、過去に登場した敵の再起用が見られる。
---特にスーパーマリオワールド(リメイク含む)以来の登場となるクリボンやブルの出演は一部で話題を呼んだ。
---クリボンは元々クリボーの代わりに登場したキャラであるが、2つの種族が同じ作品に登場したのは一応本作が初。個性付けもスーパーマリオワールド通りなので特徴も被っていない((ただしオリジナルのように、クリボンを持ち運ぶことは出来ない。スーパーマリオギャラクシーのクリボーに似ている。))。
---ブルはスーパーマリオワールドのように攻撃手段は多彩ではなく、本作では突進のみ。また、何度も踏んで倒す形式ではなくなった。ただし攻撃(猫マリオや尻尾マリオなどの攻撃を含む)してヘルメットを外してからもう攻撃すると倒されるキャラになった。なお、ヒップドロップなら一撃で倒すことが可能。
---何気にブルの踏んづけた音などは、スーパーマリオワールド当時のSEをそのまま利用している。

-Miiverseやゴーストによるネットワークを利用した強固な救済措置。
--ゴーストは、クリアタイムを競う他に、どうしてもわからない隠し要素の発見に貢献する。要はいちいち攻略サイトを見たり攻略本を見ながらのプレイにさよならできる。
--スタンプはMiiverseの盛り上げに貢献しており、気軽にMiiverseに投稿することが出来る。

-依然カメラワークが優秀。
--使わなくてもプレイ出来るが、多少角度を付けることで見えなかった隠し要素が見えることもある。

-マップがフィールドマップ化
--フィールドマップを自由に動き回ることが可能で、その道中でコインを見つけたりすることも可能に。

**問題点・賛否両論点
-数はそれほど多くないものの、一部ゲームパッドを使わないと攻略できないステージがある。
--WiiUのゲームなのだから標準付属されているゲームパッドを活用する部分があること自体はそんなに問題はないのだが、他コントローラを使っていてもゲームパッドの使用を強制されるのはやり過ぎな感が否めない((他のコントローラでプレイしていると、「ゲームパッドが必要なステージ」という注意書きが出る。))。
--「ゲームパッド単体プレイとテレビとゲームパッドのに画面を活かしたゲームの二面性が存在する」のが売りのWiiUであるが、今作に限って言えば「テレビとゲームパッドを組み合わせて遊ぶ」要素に関しては、単独プレイだと一部煩わしさを感じる要素になっている。
--裏を返せばこれはマルチプレイ用の要素(ゲームパッド使用者がギミック作動・敵の足止めなどの役割を担う)とも言えるので、一概に悪とは言えないが、単独プレイにおいてまでこだわる必要性は薄い。

-キャラクターの性能のやや極端な調整。
--普通にプレイするうえで使いやすいのはマリオとルイージの2名。ピーチとキノピオはややデメリットが強く扱いづらい。
--ピーチはジャンプの滞空時間を長く稼げるという能力を持つが、肝心の滞空時間がさほど長くない。足も遅く、マリオUSAのような扱いやすさに欠ける。
---ただしたぬきピーチになると、元の滞空時間+たぬきマリオの効果が別々に出るため、これによって長い滞空時間を稼ぐことが出来る。
--キノピオは足が早いが滞空時間が短いという特に使いづらいキャラ。普通なら飛べそうな間であってもキノピオだと助走を付けないと飛べない地点が多々ある。
---上級者向けのタイムアタック用キャラなためとはいえ、マリオUSAと違って「野菜の引っこ抜きが速い」といった攻撃面での利点がなく、通常プレイではあまり役に立たないのは残念。
--隠しキャラクターのロゼッタがやや露骨な感じに優遇されている。
--他のキャラクターはスーパー○○の状態で攻撃出来ないが、ロゼッタはスピンが使用可能。これにより滞空時間も稼げるため、上記に加えてピーチがやや不遇になってしまっている。
--もっとも、ロゼッタもパワーアップすると攻撃ボタンが潰されてスピンが使用出来なくなるので、必ずしも他のキャラを完全に押しのけるほど使いやすいわけではない。

-ストーリー関連。
--今回のクッパはようせい姫7人をさらってようせいの国を侵攻する内容だが…。
---一部プレイヤーからは(ネタか本気かはともかく)クッパを使う必要性が低いという意見がある。
---いつもならマリオ本編とされる作品((RPGやパーティ系、ペーマリやスピンオフを含まない。))において、(理由の有無に関わらず((「スーパーマリオギャラクシー」は銀河征服といった、しっかりした理由も少なからず存在する。)))ピーチばかりさらう内容、いわゆる「いつものマリオ」ばかり((「ペーパーマリオRPG」では実際にネタにされた。))なので、ようせいを必要とする理屈が分からないという面が大きい。
---ちなみに、過去作の敵キャラが多く登場することや、ロゼッタを除くプレイヤーキャラがUSAっぽいので、ファンからは「マムー((「スーパーマリオUSA」のラスボス。))がラスボスとして復活か!?」という意見がちらほら。

-ポーズの仕様。
--「地上または水中で自由に動き回れる時」しか、ポーズからのコース離脱ができない。
---空中はもちろん、透明土管の中や着地して手を広げている時((非常に高いところから落ちた時や透明土管から飛ばされた時に発生。))ではコース離脱ができない。
--「コースアウトしそうで危なかったのでやり直そう」という理屈を阻止したいのであろうが、初心者はもちろんタイムアタック狙いの上級者にも優しくない。
---ちなみに「[[スーパーマリオサンシャイン]]」でも同じような問題点があった。

-スタンプによるMiiverse本来の目的の崩壊。
--スタンプは普段Miiverseに投稿しないプレイヤーでも気軽に投稿出来る機能である。それゆえに、現在のMiiverseでは落書きのような投稿で溢れかえってしまっている。本来Miiverseが果たすべき「攻略補助」「感想の共有」という目的が薄れ、ただの遊び場になってしまっている。
--せっかく質問を投稿しても、そういったスタンプ遊びの書き込みで埋もれやすいのはネックである。

-ネットワークマルチプレイが出来ない。
--ある意味ゴーストとともに走るというのはそれに当たるかもしれないが、同時プレイ出来ないのは現代の観点から見ると少し寂しいものがある。

-マルチプレイでプレイヤーの見分けがつきにくいアイテムがある。
--「無敵このは」を取るとどのキャラも全員白タヌキ状態になるものの、ほかの状態と違い色が統一されていて自分のキャラか見分けが付きにくくなることも。特にズームアウトになると顕著。

**総評
『3Dランド』をより昇華させ、別物と言っても良いくらいにまでパワーアップさせたWiiUの良作である。~
映像もHD画質となって美しくなったばかりではなく、高fpsによる非常に気持よく動くマリオキャラの姿は見ているだけでも飽きない。~
突き詰めれば『3Dランド』の焼き直し感があるのは否めないが、過去の教訓を多く活かしている良作であることには違いない。

**余談
-本作のキノピオ隊長のパートを昇華させた単独ゲーム『&bold(){進め!キノピオ隊長}』が2014年11月13日に発売となる。
--タイトルを見ると別物に見えるが、本作の外伝的なゲームであり、値段も4000円程度。
--敵キャラが挙動を含め本作と同じものが多数登場するほか、本作で登場した新アイテムであるダブルチェリーも起用された。