*キン肉マン マッスルグランプリ 【きんにくまん まっするぐらんぷり】 |ジャンル|対戦格闘| |対応機種|アーケード| |発売元|バンプレスト| |開発元|バンプレスト&br()アキ| |発売日|2006年3月15日| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| |ポイント|プロレス漫画なのに対戦格闘ゲーム&br()原作再現度もなかなか高め&br()リングコールはまさかのレニー・ハート&br()II世メンバーも登場&br()声優選びはやや中途半端&br()シリーズを重ねるごとにキャラもほぼ完璧に充実化| |>|CENTER:''[[少年ジャンプシリーズリンク>少年ジャンプシリーズ]]''| *キン肉マン マッスルグランプリ MAX 【きんにくまん まっするぐらんぷり まっくす】 |ジャンル|対戦格闘|&amazon(B000FGV6Y8)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|バンプレスト&br()アキ|~| |発売日|2006年7月27日|~| |定価|7,140円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| #contents(fromhere) ---- *概要 ゆでたまご原作の超人プロレス漫画『キン肉マン』を題材とした対戦格闘ゲーム。~ これまで『キン肉マン ジェネレーション』シリーズなどはプロレスゲームだったが、本作は3D格闘ゲームとなった。 攻撃や必殺技には打撃と組みの属性があり、ガードはそれに対応したアクションが用意されている。~ 必殺技はオリジナルのものもあるが基本的には原作を再現したものであり、その再現度はかなり高めである。~ 色替えはかなり豊富なうえ(原作版とアニメ版で大きくカラーの違うキャラは)、複数コスチュームがあるキャラはコスチュームチェンジも存在する。~ また、同キャラの変装も色替えという形で再現され、例えばテリーマンの色替えなら2代目キン肉マングレート、ラーメンマンの色替えならモンゴルマンと、かなりこちらも多彩。~ アーケード版は解禁キャラを含めて16キャラとキャラ数がやや少なめで、7人の悪魔超人も悪魔六騎士も揃っておらず、夢の超人タッグ編や王位争奪編のキャラは1人も存在しないという有り様だった。((一応、テリーマンの2Pカラーという形でキン肉マングレートが登場してはいる。))~ MAXではある程度改善され、悪魔超人軍勢は全員揃うこととなったが、キン肉マンソルジャーを除いて原作後半の超人はやはり登場していない。~ 一方でゲスト参戦という扱いとはいえ、キン肉マンII世のキャラの人選は連載当時のピックアップキャラが中心であったため、あまり馴染みのない人選が取り揃えられている。 **システム リングを舞台とした格闘ゲームであるが、リング外の乱闘は存在しない。~ ただし、打撃や投げの特定のコマンドでリングに追い詰めた場合、ロープの跳ね返りを利用した技が使用可能となる。~ レバー入れ(家庭用版は十字キーorスティック)による移動、打撃・組み・技・ガードの4ボタンを使用する。それぞれレバー入力と合わせることで他の技が使用可能となる。~ 攻撃やダメージによって、テンションゲージと呼ばれる技ゲージが蓄積され、9まで溜めることが可能。 -打撃 --ラッシュやコンボに向いている弱・強といった使い分けはない。レバー入れなどによって打撃方法が変わるため、それによる使い分けは存在する。 -組み --投げ技を放つコマンド。自分と逆のレバーを入れることで相手を背後に引くことが出来る。前述のロープアクションをもっとも活用しやすいコマンド。 -ガード --打撃を防ぐことが出来るコマンド。タイミング良くボタンとレバーを同時に入れることで攻撃を弾くことができ、自分と反対側のレバー入れで打撃かわし、進行方向と同じレバーで組み弾きが発動する。 -技 --ゲージを消費して技を発動させる。技にも打撃と組みの属性があり、ガードの際は上記と同じ法則が適用される。 ---- **評価点 -キャラゲーにしてはそこそこ完成度の高いゲーム内容。 --ペンタゴン、ザ・ニンジャ、悪魔将軍という3強と、意図的に最弱に設定されたベンキマンなどのキャラはおり、安定したゲームバランスとは言えないものの崩壊とまで無茶苦茶ではない。 -全体的な再現度の高さ。 --特に必殺技は全般的にテンポよく再現されており、ゲームのテンションをダラダラとした技の進行で下げないよう上手く演出されている。 --各必殺技は下にテロップが表示されるため、自分が何を繰り出したかもわかりやすい。 -当時としては細かいキャラリアクションの数々。 --ダメージを受ければちゃんとキャラが苦しむ表情をするし、技をかけた際の表情変化も比較的細かい。 -キャラクターの多さ。 --アーケード版は主に悪魔超人関係で多くの抜けがあったが、家庭用版のMAXでそのほとんどが解決され、格闘ゲームとしては十分以上のキャラ数が整うこととなった。 --MAXでキン肉マンソルジャーが追加されたことで、「運命の5王子も欲しい」という声があがることとなったが、その望みは続編で叶うことに。 -2Pカラーを原作カラー・アニメカラーと分けている点。 --ロビンマスクのカラーが特にわかりやすいが、これによりキン肉マンのファンにありがちな「アニメカラーか原作カラーか」の問題をちゃんと解消している。 --そうでないキャラでも衣装違いや変装をしっかり再現しており、比較的痒いところに手が届く内容となっている。 -キン肉マン(キン肉スグル)の声に神谷明が起用されていること。 --その付近のキン肉マンのゲームは、キン肉マンII世のテレビ版((テレビアニメに先行して制作された映画では神谷明が演じていた。))で担当していた古川登志夫が担当することが多かったが、マッスルジェネレーションズなどと同じく本作では神谷明の渾身の演技を聞くことが出来る。 --北斗の拳シリーズでは酷評されがちな神谷明だが、本作では往年の三枚目ヒーローなキン肉マンの声を効くことが出来る。必殺技の際は格好良い声音だが、やられると「いやじゃ~!」「痛いよ~!」など、格好良いだけじゃないキン肉マンが本作でも再現されている。 -レニー・ハートによるテンションの高いリングコール。 --プロレスゲームではないうえに、キン肉マンとはほぼ関係ないのだが、これだけでわりとプロレスな気分が味わえる。 **賛否両論点 -ゲスト出演だがキン肉マンII世のキャラも網羅されている点。 --キン肉マンII世自体がファンから賛否両論の評価を受けているためか、「II世のキャラを出すくらいなら初代のキャラを出せ」という声が多くあがった。 --ただしII世キャラがいると、TV版の名曲『Hustle Muscle』がかかることがあり、熱血ソングを背景に戦える点は評価する声もあった。 **問題点 -神谷明以外の声優は、II世におけるキャストを起用していることが非常に多い点。 --特にバッファローマンは、佐藤正治がサンシャイン役で参加している((II世でも佐藤正治が同役を演じている関係か。))のにも関わらず、II世で担当した乃村健次が起用されている。 --この点は家庭用版のMAXである程度改善されたが、テレビ版における悪魔将軍役の北川米彦がザ・魔雲天やビッグ・ザ・武道役で駆けつけてくれたのにも関わらず、再録はされなかった。 --抜けのあった悪魔超人達は全てTVアニメにおけるキャストだが、それらはII世のアニメ版やこれまでボイス付きゲームであまり登場していない超人が主だったためともとれる。 ---ただし後任の声優のクオリティが著しく低いというわけではない。 -II世のキャラ選の微妙さ。 --アーケード版では万太郎とケビンマスクの2名のみの参戦だったが、家庭用版のMAXでキャラがかなり大増量された。しかしその人選が当時進行中だった悪魔の種子編でメインの超人ばかり。 ---特に原作でも不人気であったバリアフリーマンの起用にはII世のファンですら首を傾げることが多かった。しかもベンキマンと同じネタ的に弱くしたキャラ、という趣きが強い。 --TV版を見ていた層からすれば馴染み深いガゼルマンや、原作でも再びスポットのあたったセイウチンは結局2になっても参戦しなかった。 ---- **総評 キン肉マンのゲームとしてはキャラ数もかなり多い部類で、格闘ゲームとしてもなかなかの人気を得た作品。~ プロレスゲームではないものの、原作ファンにも比較的好まれ、続編も登場した。~ アニメ版のファンとしては声優起用の中途半端さや謎さだけが残念なところであり、この点は2においても既存キャラに関しては改善されなかったのが惜しい。