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RULE of ROSE - (2016/03/29 (火) 06:30:56) のソース

「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。''依頼内容:概要の追記と総評の補強及びゲームシステムの詳細についての補強''
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*RULE of ROSE
【るーる おぶ ろーず】 
|ジャンル|サイコミステリーアドベンチャー|&amazon(B000BX2Q5S)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|メディア|DVD-ROM 1枚|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|パンチライン|~|
|発売日|2006年1月19日|~|
|定価|6,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO:15才以上対象|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|陰鬱な世界観&br;後味の悪い結末&br;ロリコンホイホイ|~|
//鬱ゲー(一覧の後段)判定(2015/03/18 無断編集対策の目印用。判定欄への明記は不可)

**概要
今はなきパンチラインが開発し、ソニー・コンピュータエンタテインメントによって発売されたゲーム。~
PS2中期とあってグラフィックも安定している。

ジャンルは「サイコミステリー・アドベンチャー」だが、その不気味で薄暗い世界観から「ホラー」とされることもある。

主人公ジェニファーは孤児院の子どもたち(主に少女)で構成された赤いクレヨンの貴族に属し、お使いをこなしつつ謎を解いていくことになる。
ローズガーデン孤児院・飛行船・おかしの家の3つの舞台で子どもたちに何が起こったのか。また、自身の状況・経歴についても徐々に明らかになる。
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**ストーリー
1930年、イギリス。ある夜、ジェニファーはバスの中で謎の少年から絵本を手渡され、森の中へと誘われる。~
ジェニファーが少年の後を追いかけていった先は、ローズガーデン孤児院。そこでは「赤いクレヨンの貴族」と呼ばれる階級制度を作った少女達が支配していた。~
そこでは、子どもたちによる、バラの掟に縛られた、赤いクレヨンの貴族の社交界があった。毎月薔薇の姫からお達しがあって、貢ぎ物を探してこなくてはならない。~
それは蝶であったり、ウサギであったり、だんだんとエスカレートしていく……。
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**システム
-お使いゲーム
--基本的には「少女たちから依頼されたアイテムや人物を探してアイテムを入手し、依頼主に渡す」という、ありふれたお使いゲームである。~
その中で「探索パート」と「戦闘パート」に分かれている。戦闘では探索中に見つけた武器(フォーク、ナイフ、鉄パイプ等)で応戦することができる。
-犬
--ストーリーを進めていくと、ブラウンという犬と行動を共にすることになる。非力なジェニファーにとっては頼もしい味方であり、アイテム探索もしてくれる。~

**登場人物(メインキャラクターのみ)
-ジェニファー
--主人公。非力で不幸で気弱な19歳。バスの中で少年に出会ったことを機に、不思議な世界に迷い込む。貴族の位は最下層の「びりっけつ」。

-ブラウン
--ジェニファーが拾った犬。唯一の味方。

-ダイアナ
--勝ち気なお姫様。「赤いクレヨンの貴族」のリーダー。肩書きは「こうしゃくふじん」。気が強く、高慢で身勝手な性格。右腿に包帯を巻いている。

-メグ
--賢そうなお姫様。常にノートを手にしている優等生タイプの眼鏡っ娘。肩書きは「だんしゃくふじん」。ダイアナに付き従い、異常なまでに慕っている。

-エレノア
--冷ややかなお姫様。ショートカットの無口な少女。肩書きは「はくしゃくふじん」。
--無口で何を考えているか分からない、冷めた印象を与える少女。空っぽの鳥かごを大事そうに持っている。

-アマンダ
--小さな心のお姫様。歯に矯正器具を付けた、ミシンが好きな太った少女。肩書きは「ひんみん」。冒頭ムービーで口紅を塗りたくる姿が印象的。
--同じ下層階級扱いだが自分の方が優位と思っており、執拗にジェニファーに絡んでくる。

-ウェンディ
--寂しがり屋なお姫様。病弱だが、優しく健気な性格。唯一ジェニファーと友好的に接する少女。「ピーター」という名前の兎の世話をしている。
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**評価点
-美麗なオープニンググラフィック
--白組が担当したオープニングに関してはプレイステーション2としては非常に美麗である。

#region(オープニング)
&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=r3BSPqjAio0)
#endregion

-美しくもどこか不安にさせるBGM
--曲もただ美しい旋律を奏でるだけでは無く、音色の中に時折入る狂気のような不協和音と、ゲームの盛り上がりに一役買っている。残念ながら、サントラは国内未発売である。

-心に闇を抱えたキャラクター
--人魚になろうとして足を切ろうとしたり、親友が自分だけをみるように残酷な手段に手を出すなど、見た目は可愛らしい少女だがどこか陰湿で不気味な面を潜めている。~
また、敵も息子が死んだことで精神に異常をきたした大男や孤児院の子どもと姦淫する院長などこちらも相当闇が深い。~
これも本作の世界観にいい意味でも悪い意味でも深みを増している。

-謎の多いシナリオ
--結末としては後味の悪いものであり、随所にある日記や資料からある程度察することはできるが事件の全容は謎のまま終わってしまう。「妖精さん」の正体や、主人公ジェニファーの生死についても不明のまま((そもそもゲーム開始時から不明であるが))。~
だが、その点が逆にファンを魅了し、ネットでは考察も多い。
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**賛否両論点
-陰鬱な世界観
--子供によるいじめやグロテスクなシーン、同性愛や性的虐待を仄めかす表現が多く含まれており、人によっては大きな不快感を催す。
--例えば''足をグルグル巻きにされ、逆さ吊りの人魚に見立てられた少女が突然降ってきて嘔吐物を吐いて攻撃してくるボス''、~
孤児院の子どもたちが主人公を押し込めた箱に虫などの嫌悪感を催すモノを順番に入れていくというイベント、棒に巻きつけたドブネズミを顔に無理やりくっつけてくる、~
少女が少女に馬乗りなって滅多打ち等、枚挙に暇がない。
---ただし、この陰鬱な雰囲気がたまらないという意見も多くあり、評価が非常に難しい点である。このところはやはりプレイヤーの感性や嗜好によるところが大きいだろう。
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**問題点
-操作性等の極めて劣悪なアクション面
--操作キャラの動きが鈍い。走っても歩いてるんじゃないかと思うぐらい遅い。また、方向転換時にも小回りするため煩わしい。
--武器のリーチが短い・当たり判定がわかりづらい。~
本作では戦闘や狩猟といった目的の武器は一部を除いて存在せず、ナイフ・包丁・アイスピックと行った本来の用法とは異なる短い武器が多い。~
また、本作の汎用敵である「妖精さん」は子供体型であり、19歳のジェニファーとの身長差から狙いづらいのもある。
---一応序盤の終わりから鉄パイプやスコップなど比較的リーチの長い武器も手に入る。~
ボス戦では有用だが「妖精さん」には数で押し切られることもあり、十分とは言いがたい。
--本作では度々狭い通路や柵の中で強制戦闘があるが、上記3つもあって袋だたきに合うことも多い。アクションが苦手な人は何度もゲームオーバーを見る程であり、ストレスが貯まる。
--ストーリー重視のアドベンチャーの為、そこまでアクション性の重要性は高くないという意見もあるが、上記の点からそれは言いにくいだろう。

-ブラウンの性能
--能力は探索のみであり、威嚇したり、噛み付くことで敵の行動を遅らせることができない。

-オプション機能
--保存機能が無い。音量等を変えても、一度電源を切ってしまうと、再プレイの度に設定し直さなければならない。
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**総評
アクション面は劣悪と言わざるをえないものであるが、それを覆すほど魅力的な「陰鬱な世界観・心に闇を抱えたキャラクター・謎の多いシナリオ」の中毒性は高く、ハマる人はとことんハマるだろう。
特に考察の余地が十分すぎるほどあるので、2週目以降細かいところに目を向けたり、考察サイトを巡回したりするのも一興だろう。

ホラーとしての本作は、バイオハザードやサイレントヒルのようなグロテスクなクリーチャーを銃火器で倒すものではなく(戦闘自体はあるが)、ひ弱な女の子がどうにかして窮地からの脱出や事件の解決を試みる『クロックタワー』や『DEMENTO』に近いものと言える。~
そういったホラーが好きな人にもおすすめできる作品といえる。
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**余談
-ポーランドではこのゲームについての議論が巻き起こり、教育省は暴力・性表現(同性愛的表現)が未成年者にとってふさわしいかとどうかは疑わしいとした。
--また、EUの司法大臣フランコ・フラッティーニはこのゲームを「みだらで暴力的だ」と批判した。

-生産本数が少なく、ゲームアーカイブスでも2015年1月現在未配信の為、中古価格でも発売当時の新品価格と同等で取引されていたが、2015年12月頃にまさかの再生産がされた。