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龍が如く 維新! - (2024/01/01 (月) 00:38:06) のソース

このページでは『龍が如く 維新!』(&color(,lightgreen){良作})及びリメイク作『龍が如く 維新! 極』(&color(,lightgreen){良作}/&color(,khaki){劣化})について紹介する。
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#contents
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*龍が如く 維新!
【りゅうがごとく いしん】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B00F331UEO)|&amazon(B00F332DHC)|
|対応機種|プレイステーション4&br()プレイステーション3|~|~|
|発売元|セガ|~|~|
|開発元|セガ(龍が如くスタジオ)|~|~|
|発売日|2014年2月22日|~|~|
|定価|8,190円(税別)|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|ポイント|今度の舞台は幕末&br『見参!』で指摘された点は改善&br''中身はまさに『龍が如く』オールスター''&brキャラクターの雑な扱いが批判を招いた|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[龍が如くシリーズ]]''|
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#center(){{
 &big(){''かつて日本には、英雄がいた。''}
 }}
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**概要
『[[龍が如く]]』シリーズの8作目であり、PS4ローンチタイトル。~
PS3の『[[見参!>龍が如く 見参!]]』同様、本家となるナンバリングタイトルとは関連性がない、日本史をモチーフにしたスピンオフ作品である((もっとも、『2』に登場した河内流と古牧流の対立に関する設定が『見参!』で明かされたり、『見参!』の祇園無手流が古牧流の源流として『3』に登場したりと、完全に関連性がないパラレルワールドとは言い切れない部分もある。本作にもわずかながらナンバリングとの関連性を匂わせる要素があり、とあるアイテムの説明文には『見参!』の登場人物であった仰天斎の名前が出てくる事にも繋がりを感じさせられる。))。~
一時期は複数の主人公がメインとなった本家と違い、主人公は桐生一馬演じる「坂本龍馬 / 斎藤一」ただ1人。幕末を舞台にしている。

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**ストーリー
 日本という国が大きく変わろうとしていた時代、幕末。
 
 攘夷や倒幕という理想実現の為、大勢の志士たちが京に集まる中、世の中を変える為でもなく、ただ復讐の為だけに生きる1人の男、「坂本龍馬」が居た。
 
 恩師の仇を捜すべく、素性を隠し京の街に潜伏する彼が行きついた先は、壬生狼と恐れられる最強の人斬り集団「新選組」だった。
 
 龍馬は己の名を捨て「斎藤一」という偽りの名で、死と隣り合わせの潜入を決意する。
 
 時代を駆け抜けた英雄・坂本龍馬、もう1つの伝説が今始まる。

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**特徴
-バトルシステム
--幕末という時代設定ということもあり、バトルシステムもそれに沿った剣術主体の形になっている。
--「4つの型(戦闘スタイル)」を基本とし、型の切り替えがいつでも行える点は『見参!』と同様。本作における「4つの型」は以下の通り。
---刀を使用しボタンの長押しによるタメ攻撃が可能なスタイル「一刀の型」
---銃を使用し遠距離からの攻撃が可能なスタイル「短銃の型」
---拳を使い受け流しや町中にある武器を使ったりと素手によるアクションを中心としたスタイル「格闘の型」
---刀と銃を使用し素早い回転系の動きと斬撃と銃撃を織り交ぜたスタイル「乱舞の型」
--『見参!』では二刀流で有名な宮本武蔵がモチーフということで素手・一刀・二刀・その他特殊武器というカテゴリ分けだった。
--だが、本作では護身用に拳銃を携帯していたという坂本龍馬のイメージに合わせ、銃を使った戦闘スタイルが取り入れられている。
--『5』に登場した絶技も各型にそれぞれ1つずつ用意されている。
--チュートリアル以降は4つの型を自由に使えるが、一部メインストーリーのバトルと修行では型が固定される。

-バトル
--本作はシリーズ史上最も激しい演出となっており、またバトルの評価を行う「戦績」によりバトル後の「肩書き」が決定し、経験値や報酬が加算される方式に変更された。
--シリーズ恒例の天啓もバトル中に閃くようになり、閃いた直後にそのヒートアクションを使うことが可能となっている。

-キャラクター強化
--レベルは99にまで設定され、また4つの型にそれぞれ25までの段位が設定されているなど、よりキャラクターを鍛える要素が進化している。
--シリーズ恒例の修行は、『見参!』のようなミニゲーム形式のものが多くなっている。

-装備の作成・強化
--武器は従来のシリーズに比べかなり豊富になり、基本となる刀と銃以外にも大太刀、槍、大筒といった特殊武器がある。
--新たなシステムとして、装備に特殊な能力を持たせる「印」が追加。同系統の装備を合成すれば、ひとつの装備に複数の印を付加できる。
--装備強化はミニゲーム形式になり、結果が良いほど効率よく強化できるという形になっている。
--装備には「鈍(なまくら)」「業物(わざもの)」といった「格」が存在し、同じ装備でも格が高いほど強化上限が高くなり印のスロットも増える。
---刀の場合は格が高いほど上記に加えて鍔迫り合いに勝ちやすくなり、ガード時に相手が武器を落としやすくなる。

-徳システム
--物を買う、ミニゲームをするといった簡単な事や、様々な条件付きの「精進目録」をクリアする事で徳が貯まるようになった。
--貯めた徳でサイドコンテンツを充実させたり、アイテムと交換したりとできる事は多い。このシステムは続編にも引き継がれていく。

-PSV用アプリとの連動
--PSV用アプリ『龍が如く 維新! 無料アプリ for PlayStation Vita』が2月13日に無料配信され、一部のゲームモードがクロスプレイに対応している。
---製品版と連動するまでは「レベルは20まで」といった制限があるが、金銭に関しては制限がなく、上限一杯まで稼ぐことが可能。

-PS4版とPS3版の違い
--PS4版はスペックを活かしたフルHD・60fps・バックグラウンドでのインストール等が嬉しいところ。
--PS3版は過去のPS3作のセーブデータ引継ぎによる特典が存在する。

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**評価点
-さらに強化された演出
--最新作になってプレイヤーが1人に絞りこまれた分、戦闘システムはド派手かつ大きく進化。
--本作では、新選組の屯所にいる隊長達など特定の人物に近付くと、話しかけるまでの間字幕の出ない短い会話を聞くことができる。
--酔った状態だと内容が変わるなど、ついつい話しかけずに最後まで聞きたくなる魅力がある。
---また、目的地まで特定の人物の後ろを付いていくシーンなど、歩きながら雑談しているようなやり取りを聞けることもある。
--この会話によって、目的地まで歩く時間を手持ち無沙汰に感じることが少なくなった。
--美しい町の作り込みやメインストーリーが一向に進まないほどの寄り道要素等、シリーズ特有の魅力も健在である。

-オールスターズと言っても過言ではないキャラクター達
--『見参!』の宮本武蔵に続き、主人公の坂本龍馬を本家主人公の桐生一馬が演じている。
---『見参!』では、武蔵以外のメインキャラクターは遥・サイの花屋・真島が演じる3人以外は全員新規キャラクターであったが((他に本家から引き続き登場していたのは、サブキャラクターの古牧・亜門・秋元と美月程度。))今作ではそれ以外にも、本家に登場したキャラクターの多くがそれぞれ(一部を除き)歴史上の人物に扮して登場する。
---外伝だからこそ可能な、本家で死亡したキャラの再登場はファンには嬉しい。ちなみに、岡田以蔵は錦山なのだが「もし桐生と同じ年まで生きていたら」というIFを再現したものなのか、後の『0』『極』に登場する錦山より老けた見た目をしている。
---本家を彷彿させる活躍をするものから、まるで別人のような立ち回りのキャラまで多数。全体的に『[[5>龍が如く5 夢、叶えし者]]』からの出演が多い。
---本編で登場しない歴代キャラクターも、バトルダンジョンの隊士カードという形で多数登場する(名前は時代背景上若干変えられているが)。
--過去のシリーズをやっていなければ楽しめない、という部分は少なく、新規の人でも安心して楽しめる作りになっているが、過去のシリーズを知っていることによる楽しみが無いかと言えばそんなことも無く、ニヤリとできるネタも多数ある。逆に本作からシリーズを始めた場合、後で本家をプレイした時に「維新の○○はこのキャラがモデルだったのか!」と発見する楽しみも生まれるだろう。
---『3』のラスボスだった峯義孝は、最重要人物の1人である新撰組副長・土方歳三を演じており、主人公坂本龍馬にとって信頼できる仲間の1人となる。彼の本編での最後のセリフを知っているシリーズファンはこのキャスティングに涙した人もいる。
---桐生にとっての恩人の1人である風間組若頭・柏木は新撰組六番隊隊長・井上源三郎として出演している。幕末当時に日本には冷麺は無い(普及していない)のだが、この源さんは''歴史を捏造してまで冷麺を食べている模様。''
---そして真島吾朗は新選組一番隊隊長・沖田総司に扮して登場。隻眼の壮年男性には似合わぬ「美少年」の肩書にファンはおろか作中の龍馬(一)からも突っ込みが入った。が…

#region((以下ストーリー中盤以降の重要なネタバレに触れるため注意))
-中盤において「実は、かつて近藤勇と並ぶ壬生浪士組(新撰組の前身)のトップであった芹沢鴨の暗殺を沖田ら3人が独断で実行、返り討ちにあっており、芹沢一派の3人が近藤の指示によって沖田たちに成り代わっていた」という事実が判明する。
--ここで判明する真島の真の配役は、「芹沢一派所属の"平山五郎"」というもの。
--この「平山五郎」という人物は花火の事故によって左目を失っていたと言われており、真島とは「名前が"ごろう"」「左目を失った隻眼の男」という共通点がある。
--そのため、「なんで真島の兄さんが沖田なんだ」と首を傾げていたファンのうち、元々新撰組に詳しかったり「平山五郎」について調べた層は「そういうことだったのか」と大いに納得することとなった。
---この点は、『龍が如く』のキャラクター設定と史実をうまく融合させた配役と言える。
#endregion


---特に評判になったのは、『5』の登場人物・朴美麗が扮する「お登勢」のキャラクター像である。お登勢は龍馬が活動拠点としている寺田屋の女将で、新選組の策のために自分の宿を提供するなど、気風の良い姉御肌なキャラで好感を得ている((実際、本編における元夫の真島も「気に入った」と好感触を示している。))。
---『5』における朴は拒否反応を示すプレイヤーが多く、発売前は否定的な意見もあったが、発売後は「この『維新!』のお登勢に朴と通じる部分があるなら、真島と付き合うのも理解できる」「『5』で否定した人も変化すると思う」などと評価されている。
--もう1つの特徴点として、遥がメインヒロインでなくメインストーリーにも絡まない役回りであり、寄り道要素であるアナザーライフでの出演となっている点が挙げられる。
--事実上の前作である『5』の反省からか本作のラスボスは様々な面で納得できる人選となっており、その存在も序盤に示唆されるため唐突感も緩和されている。
---この路線は事実上の次回作である『0』でも引き継がれている。
--純粋なゲスト俳優として船越英一郎氏(近藤勇役)や高橋克典氏(武市半平太役)などが出演している。
---また、サブイベントに登場するライバル飛脚集団の面々は(元)プロサッカー選手の武田修宏氏や稲本潤一氏が担当している。

-『見参!』の頃に比べてサウンド面がより充実しており、曲数も大幅に増加した。アドベンチャーパートだけで7000以上の効果音((サウンド担当者曰く、一般的には7000もサウンドがあれば1つのゲームとして成立するらしい。))を使用している。
--また戦闘では状況に応じて流れるBGMの曲調がシームレスで切り替わるなど、新しい試みがなされている。
---ラスボスBGM「菩薩」はこの演出と『5』で好評だった「ラスボス戦でQTEでド派手な演出をしながらステージを変える」という演出をフルに生かしており、今作のBGMの中でも評判が高い。

-シリーズお馴染みの要素として、圧倒的ボリュームを誇るサブイベントやアナザーストーリーは今作でも完備。
--サブイベントの内容も時代設定に合わせて多数あり、「ええじゃないか」音頭を踊る斎藤や風呂に入っている間に盗まれた服を取り返すため''褌一丁で盗人を追う斎藤''、いなり寿司を並んで買おうとする斎藤などどれも必見物。「''それは俺のおいなりさんだ!!''」
--今作のアナザーストーリーは「アナザーライフ」として登場。本家のヒロインであった遥は本編ではなくここでの登場となる。
---遥の家を別邸として使えるようになり、畑を耕したり、ペットと戯れたり、料理をしたりと、普段の激しい戦いを忘れてゆったりと過ごす、いうもの。
---目的は遥の借金を返済すること。そのためには行商で金を稼がなければならない((返済できるだけの所持金を持っていても、行商をやらないと返済請求が来ない。))。
---行商は質屋でアイテムを売るよりも換金レートが良く、余ったアイテムの整理に有効。また料理は通常のアイテムとしても使用可能で、一部のサブイベント進行にも必要になる。
---行商や料理を成功させると遥との友好度が上がっていき、友好度の高さに応じて「和みイベント」が発生するようになる。
--他にも釣り、カラオケ、賭博などのお馴染みのお遊び要素のほか、競鶏や日本舞踊と言った時代設定ならではのミニゲームも楽しめる。遊女遊びも『見参!』に引き続き可能だが…(後述)。
---時代的に無理があるためか、カジノ系はポーカーのみ賭場に吸収され、それ以外のブラックジャック等は削除されている。
--実在する店舗とのコラボも健在。とはいえ、さすがに幕末という設定上あっても違和感の少ない店舗に絞られている。
---中には「ドン・キホーテ」と言った明らかに有り得ない店舗も存在するが、こう言ったものも時代設定に合わせた形にアレンジされて登場している。
---一方で、ナンバリングタイトルにはありそうでなかった京都や土佐が舞台((過去のシリーズ作品で京都が舞台となったのは『見参!』のみ。土佐は当然ながら本作が初。))ということもあり、「聖護院八ツ橋」や「土佐鶴酒蔵」など他の作品では見られない店舗ともコラボしている。
--新要素にバトルダンジョン(盗賊退治)が追加。ダンジョンに潜って敵を倒し武器素材をゲットするというもの。PSVの無料アプリでもプレイ可能。
---これには「隊士カード」という概念があり、最大3枚(組み合わせによっては4枚)の隊士カードで支援部隊を結成しダンジョンへ挑むこととなる((部隊を結成しないとダンジョンへは行けない。))。
---隊士にはそれぞれ、いつでも発動可能だが再使用まで時間がかかる「隊士能力」と、部隊のリーダーにしている間だけだが常に効果がある「伍長能力」が備わっている。
---伍長能力は能力強化や自動回復、隊士能力はそれに加えて広範囲攻撃や大回復といった効果があり、これらをうまく使いこなすことが攻略のキーとなる。
---隊士はダンジョンクリアの報酬として入手できるほか、町中で襲ってくる浪人をスカウトしたり、所持金を使い募兵することで増やすことができる。
---また、特定のサブイベントを完了させることでイベントに絡むキャラクターが隊士になってくれることもある。
--京の至る所に不要品の入った壺が置いてあり、中に入っている物を自由にもらうことができる。
---ミミズやダンゴムシといったゴミから、貴重な装備素材までいろいろな物が入手可能。

-京の街の作りこみ
--今作は1つしか街がないに等しい。そのため隅々まで作りこまれ、様々な遊びを設置しており、濃厚な箱庭になっている。
--拠点となる寺田屋があり最初から歩き回れる「伏見」・ゲームの中心となる「洛内」・伏見と洛内の中間に位置する荒廃した「洛外」・新選組屯所のある「壬生」・遊郭や料亭が店を連ねる「祗園」・本作オリジナルのスラム「骸街」とエリアによって様々な顔があり、歩き回っているだけでも面白い。
---他にはチュートリアルマップを兼ねる「土佐」や、イベントダンジョンとして「清水寺」などがある。

-遊びやすさの改善
--アドベンチャーパート中ならどこでもセーブできるようになった。いちいち地蔵や神社(本編で言う公衆電話)に行く必要が無くなったのは大きな評価点と言える。
--×ボタンでダッシュが可能になり、移動が快適になった。ダッシュは長時間使用すると息切れしてしまうため、適度に足を止める必要がある。
---後述する精進項目等で得られる徳を使用することで、ダッシュの持続時間を伸ばすことが可能。
--ほかにも、徳を使用することでアイテム所持数の上限を拡張出来たり、アナザーライフや武器強化に関わるアイテムは別枠で管理されていたりと、できるだけ快適になるよう調整されている。
--裏技的なものに近いが、敵に追いかけられている際に何かに話しかけると、敵を消すことができるようになった。
--残り体力や酔い度に関係なく、アイテムの使用や食事・飲酒ができる。
---本作には「特定のアイテムや食事メニューにより一時的に能力がアップする」というシステムが存在するため、それに合わせての変更であろう。その代わり、体力ゲージ2本目はバトルダンジョン限定要素になった。
---ともあれ、この変更によって食事コンプリートの難易度が大きく低下した。一方で精進目録の項目にはこの仕様を前提としたようなものが含まれている。
--セレクトボタンでマップを即座に開けるようになった。

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**賛否両論点
-一部キャラクターの扱い
--『4』の主人公の1人である谷村正義は未登場、『5』の主人公であった品田辰雄はバトルダンジョンの隊士カードのみの登場など、一部キャラクターの扱いについては残念がる意見も多い。谷村に関しては『OTE』でも出演していないため、演じた成宮氏の事情があると推測されるが…((なお、顔グラフィックが変更されたPS4版『4』以降に発売された後述の『維新 極』にも谷村は一切登場しない。))。
---また、本編に登場する歴代キャラクターも台詞が一言もなくそのまま退場するパターンもある((例えば『4』の葛城、『5』の金井を模したキャラクター。))。これを出ただけマシと見るか扱いが悪いと見るかは人それぞれだろう。
//この時まだ成宮氏は引退してない。
--本家のヒロインであった遥は「アナザーライフ」のみの登場となる。そのため本編から外れた遥の出番に戸惑う声もあった。
--今作のメインヒロインとなるおりょうだが、本編のストーリーにあまり関わってこないので、感情移入しにくいという意見も多かった。
--最終章近くに龍馬とデートをするのだが、史実との擦り合わせとはいえ出番を無理やり増やし、取って付けたような展開だと批判的な意見もある。
--他にも、『5』のラスボス・相沢聖人をモデルにしたキャラの扱いが酷い。

#region((ネタバレ注意))
---彼をモデルにした新選組十番隊隊長・原田左之助は、「火事場泥棒を龍馬に見とがめられ、口封じついでに始末しようとするも敗北、自らも火事に巻き込まれ死ぬ」という、救いのない最期を迎える。
---もっとも、その他のイベントに目を向ければ他の隊士と比べて左之助だけが悪辣に描かれているわけではなく((例えば『5』で男気を見せた八幡を外見モデルにした「谷三十郎」は、強欲で立場を悪用する人物になっている。))、「強さこそが全て」という相沢の人物像が活かされている。
---上記のシーンについても「敗北後の態度が"背を向けた敵を背後から襲うようなこともせず、ただ戦いの感想を求める"という潔いとも取れるもので、救いようがない下衆とまでは言えない」という意見があるものの、最後の最後で小悪党に貶め惨めな死を迎えさせたことについては否定的な声も少なくない。

#endregion

-史実の要素を元にまったく異なる展開で進むストーリー。
--幕末志士・坂本龍馬と新選組三番隊隊長・斎藤一が同一人物と言う時点で分かる通り、本作は史実を盛り込みつつもオリジナルのストーリーとなっている。
--池田屋事件、薩長同盟、大政奉還と言った歴史上の事件やエピソードも登場し、時に史実通りに、時に大胆にアレンジされ、史実とは違う全く新しい「『龍が如く』の幕末」が展開される。
---逆に言えば、フィクションと割り切れる人向けの内容と言える。登場人物もほとんどが架空のオリジナルキャラではなく実在の人物に扮して登場するため、好みが分かれる部分がある。
---この点は『見参!』と同様だが、龍馬や新選組の場合は武蔵に比べると信頼性の高い史料が多いこともあってか、『見参!』よりは史実の流れに沿ったストーリー展開が多い。
---また、本作のエピローグは作中の「龍馬」が起こした事件と史実として語られる「坂本龍馬」の行動に上手く折り合いを付ける形で描かれている。
---だが『5』ほど大きな粗や破綻は無いものの、終盤の展開はまたも若干荒削り。
---また、史実と死亡のタイミングが大きく異なっている人物も多いのだが(特に新選組)、それについてのフォローは少ない。
--テーマがテーマだけに致し方ない面もあるのだが、幕末の頃の日本史を知っておかないと分かりにくい部分もある。
---幸い開発もそれを見越してか、「郷士」「上士」「白札郷士((土佐藩に存在した身分制度。「郷士」は最下層の武士、「上士」は上級武士、「白札郷士」はその中間。))」といった聞き慣れない単語はしっかり解説してくれるので、話の内容が理解できなくなることはない。
//総司は評価点と言えるのでそちらに移動、左之助についてはキャラの扱いに属することなのでそちらに移動。

-バトル難易度が急上昇
--今回の難易度は「スキルや装備の鍛錬を怠って進められるほど甘くはない難易度」になっており、従来のプレイヤーにはこの変化に戸惑うこともある。
--全体的に敵の攻撃力・防御力が高めで思考能力も高く、時代背景から武器(特に銃)を当たり前のように使うため、龍馬や武器が弱いうちは戦闘が長引きやすい。
---終盤では防具ゲージのある雑魚が登場するようになり、7人程の群れで襲ってくることも。
---敵はある程度距離を取る思考で、これまでと違い気軽に掴ませてくれない。
---回復アイテムがほとんど戦闘中に手に入らない。
---今作から敵が積極的に追い打ちをかけてくるようになった。1ダウンにつき1回という制約はあるが、×ボタンを連打しても復帰に間に合わず確定で食らう場面が多く、ストレスが溜まる。
--ならばきちんと強化すればどうなるかというと、難易度が高いという点は変わらないものの、動きの幅が大幅に増えて楽しく爽快なバトルはできる。
---問題なのは、あまりに劣悪な武器強化の仕様やレベルアップの遅さゆえ、強化がままならないという点であろう(詳しくは後述)。

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**問題点
-敵の攻撃がかなり激しく、スタイルを切り替える暇がない。
--スタイルチェンジ自体にも短いながら硬直時間が存在し、高難易度では命取りになる場面も少なくない。また、バトル開始時にも硬直が発生する。
--しかも、戦闘中以外はスタイルの変更ができない。
--メインストーリー中では開幕時のスタイルが勝手に変更されてしまう、中にはスタイルが固定されてしまう場面もあり、構えを確認しておかないと狙った技が出ないことも。

-戦闘スタイルのバランスが悪い。
--短銃の型が便利すぎる。~
初期状態ではそれほど目立たないが、強化による伸びしろが大きく、最終的には他のスタイルを食ってしまう。
---本作の銃はそもそも''リロードや残弾数という概念が無い''((強化弾などはちゃんと数に限りがある。))ので、切れ目なく無限に撃ち続けられる。それでいて命中精度も高いため適当に撃っているだけでガンガン当たる。
---それでも最初の頃は連射速度が単純に遅い、威力が低いなどの点であまり目立たないのだが、強化を重ねると連射速度が上昇する上に1回の発射モーションで2発の弾が出るようになったりと、最終的に突撃銃並の連射速度を誇るようになる。
---適当に動き回りながら乱射しているだけで大抵の敵は圧倒できる。武器やスキルを適切に強化していけば、戦闘そのものが単なる作業になってしまうほど。
---ヒートアクションも間合いの広いもの、複数の敵を巻き込めるもの、''ダウン中に発動できるもの''などが揃い、様々な状況に対応可能。
---さらに絶技は大量のヒートゲージを消費するものの、距離関係なく視界内の任意の数の敵をロックオンして同時に射撃するもので絶大な攻撃範囲を誇る。
---だが、これが対少数になると1体の敵に多重にロックオンして大ダメージを与えられるため、どんな状況でも出せば多大な効果を得られる極めて強力な攻撃になっている。
---「攻撃をガードされやすい」という欠点はあるが、連射で難なくガードを崩せるため問題にはならない。
---一部のボスは銃弾をガードしながら素早く接近してくるものの、うまく立ち回ればそれさえ反撃のチャンスになりうる。
---もちろん格闘/一刀/乱舞の型にもそれぞれ強みがあり、短銃の型より優れている部分もあるのだが、絶対的な使い勝手ではどうしても劣ってしまう。
---とはいうものの、前述したように本作の戦闘は難易度が高いため「これくらいの強さが無いとゲームをスムーズに進められない」という意見があるのも事実である。
--大太刀・槍・大筒は"とりあえず実装してみた"程度の性能で、実戦的とは言い難い。
---貧弱な習得スキルや武器自体の攻撃力の低さから、終始火力不足に悩まされる。さらに、これらの武器には「使用中はスタイル経験値が加算されない」というペナルティまで存在する。
---特に大太刀は攻撃モーション・ヒートアクション共に使い勝手が悪く、一刀の型の下位互換のようになってしまっている。
---比較的使い勝手の良い槍は、''全モーションが拾得武器の使いまわし。''
---大筒は動きも重く連射もできないが、当てればとりあえず敵は吹っ飛んでダウンするため使い道は一応ある。
---強化をよほど重点的に行わないとダメージそのものが素手の1発よりも弱いため、結局は他の型の方が強いという事になるが…。

-レベルを上げるのが面倒すぎる。
--単純に必要な経験値が多く、うんざりするほど場数をこなしてようやくレベルがMAXに''ならない。''
--経験値の取得量が多いバトルダンジョンでも、何回もクリアしてようやくレベルが1アップということはザラ。
--しかも本作は龍馬自身のレベルに加え、4つの戦闘スタイルにもレベルの概念があり、その両方をバランスよく上げていかないとうまく強化できないようになっている。
--スタイルのレベルアップは「攻撃を当てるたびに経験値が加算される」という形式になっており、スタイルによってレベルの上げやすさが大きく異なる。
---隙の無い遠距離攻撃が主力、かつ手数の多さで勝負する短銃の型ならば、普通に戦うだけで容易にレベルを上げられるが、他のスタイルはそうはいかない。
---「できるだけ弱い武器を装備し(格闘の型はダメージ強化の印を装備せずに)、ザコ敵を1人だけ残し、壁際に追い込んで□ボタン連打」ぐらいのことをしなければ、スムーズなレベル上げはできない。
---一刀の型は特に悲惨で、攻撃モーションの隙が大きいため、時間あたりの経験値取得量は圧倒的に少ない。
---使うだけで経験値が獲得出来るアイテムも存在するが、こちらは異常な量の徳が必要になり、面倒な事には変わりない((一応、戦闘を行わずにレベルを上げられるメリットはある。))。
--また、本作の成長には「限界突破」という要素が存在する。"条件を満たすとレベルアップの限界が上がる"というものだが、要はレベルキャップを設けて成長を阻害しているだけに過ぎない。
---限界突破の条件も"龍馬と全スタイルのレベルを上げ切ったうえで専用のイベント戦闘に勝つ"と非常に面倒。
---きちんと鍛えきることができれば歴代最強クラスの性能になる((短銃の型のメリットを含まない比較である。))だけに、このレベルの上がり辛さは何とかしてほしかったところである。

-エンカウント率が高め
--正確には、細い道を塞ぐように敵が配置されているため、必然的にエンカウントする機会が多くなっている。
--厄介なことに、目的地へ向かう道が1つしかない(特に洛内、洛外が多い)パターンが多く、敵が待ち伏せしていることもあったりと、避けて通れない場面が多い。
--ダッシュが追加されたことにより、敵の追跡スピードもダッシュで振り切ることを前提とした速さになっている。
--ダッシュ能力を強化しておかないと敵を撒くのは難しく、従来よりも戦闘回避が困難になってしまったといえる。
--従来のシリーズではエンカウントを無効化する装備があったが、今作ではそれに代わる印が無い。

-装備の強化・作成が面倒。
--上では「ミニゲームの結果が良いほど効率よく…」と述べているが、実際は悪い結果のデメリットが強調される仕様になっており、''ミニゲームを完璧にこなせて初めて、真っ当な強化が行える''というのが現実である。
--攻撃力・防御力の強化に至ってはミニゲーム以前の問題。一回の強化で上がる数値が極端に少なく、そのうえいちいち強化用素材が必要になる。
--絶対的な数値が小さい防具ならまだしも、強化幅の広い刀ともなれば大量の資金と素材を浪費する羽目になる。
--ひとつの装備を強化するためには何種類もの強化用素材が必要になり、しかもレアリティの高い強化用素材ほど必要な個数が多くなる。
--おまけに、一部の強化用素材は極めて入手効率が悪く、強化1回分を手に入れることすら苦労する。
---唯一の救いは「上位の装備に改造した際にも、強化で上昇した分の攻撃力・防御力は引き継がれる」という点。
---そのため、「入手困難な強化用素材を要求されるタイミングで改造」という手順をとれば、比較的容易に実用的な装備を作ることができる。
---…のだがこの手順には大きな落とし穴があり、強化幅の狭い装備を経由するとそれに合わせて上昇した値も切り捨てられてしまう。
---最強クラスの装備は多くがこれに引っかかり、限界まで強化しようとすると結局は面倒な素材集めを強いられる事になる。
---とはいえ、大抵は1、2回分の素材を集めれば済むので、未強化のまま改造するよりはずっと効率的である。
--強力な装備を作るためには何段階もの装備を経由する必要があり、段階ごとに少なくない素材を要求される。
--印合成用の装備も合わせれば素材集めの負担はかなりのものとなり、せっかくの新システムを活用しづらくなってしまっている。
---そんな有様でありながら、コンプリートにはしっかり装備の項目が存在する。
---しかも装備だけではなく「合成に成功した印の種類」という項目まであり、コンプリート達成はかなりの重労働となる。

-闘技場
--難易度が大幅上昇。戦闘自体の難しさに加え、本作では途中の体力回復無しで全ての敵を倒す必要がある。そのうえ、今回は勝ち抜くのに5回も戦う必要がある。
--一部の装備は闘技場でしか入手できないのだが、景品の交換レートが悪く、効率の良い百人斬りでも何十回とクリアする必要がある。

-作業色の強いバトルダンジョン。
--基本的に雑魚を倒しつつ閉ざされた扉を開き、素材を拾い終えたらボスを倒すの繰り返し。かなり単調な内容ゆえ「すぐ飽きる、苦行でしかない」という声も。
---そのくせダンジョンに登場する敵は、しっかりと龍馬や部隊を強化している事が前提の能力となっており、個々がやたらと強い。
---中盤からそこらのボスをも上回る能力を誇った敵が複数登場し、ゲーム難易度を上げていればワンコンボ即死もあり得るほどになる。
---また、本作のレベル上げや装備作成は、長期間バトルダンジョンをやり込むことを前提としている節がある。にもかかわらず攻略が難しいため、ストレスが溜まりやすい。
--隊士カードの性能は全体的に格差が大きい。
---ずば抜けて高性能なのが「SR 品田辰之助」と「SR 白川般若」で、この2枚の伍長能力は「攻撃力と防御力を大幅に強化する((攻撃力と防御力を一度に強化できるのはこの2枚のみ。また、同ランクの強化能力には普通なんらかの制約が付いているが、この2枚だけはそれが無い。))」という反則気味な伍長能力を持っており、他にロクな隊士カードを持っていなくても大半のダンジョンに対応できてしまう。
---品田辰之助はさらに「一時的に敵の動きを止める」という隊士能力を有する強力ぶり。
---本来は能力相応に入手しづらいカードなのだが、発売から早い段階でアップデート特典として無条件に配布されるようになり、入手性も抜群。本編には出られなかった品田だがこのような形で注目を浴びる形となった。
---この2枚を抜きにしても、各能力間のバランスは悪い。実戦で役に立つのはもっぱら攻撃力アップ系、能力効果アップ系で、反対にアイテムで代用可能な体力回復系、ヒートゲージ回復系は冷遇されていると言える。
---回復系カードしか使えないステージも存在するのだが、それはそれでクリアが面倒という問題点につながっている。
---隊士能力はカード合成による能力強化を何度も行わないと、本来の効果を発揮できない(前述の品田辰之助はその代表格)。
---能力強化をするにはカードをわざとダブらせるか強化専用のレア隊士を入手する必要があり、無駄な手間を増やしている。
--隊士カードの収集はとにかく面倒。
---いわゆるガチャのような仕様になっており、似たような性能のカードによる水増しや排出率の偏りが当たり前のように存在する。
---クリア報酬やエンカウントでは滅多に強力なカードが手に入らず、なかなか戦力強化につながらない。
---募兵であればまずまずの確率で強力なカードを入手できるのだが、金銭的な負担が大きい。
---「募兵前にセーブし、強いカードが出るまでロードを繰り返す」という方法ならば確実だが、そこまでしなければ満足な戦力強化ができないバランスがすでに問題と言える。

-本当に精進させられる「精進目録」
--『[[OF THE END>龍が如く OF THE END]]』に存在した「長谷川の指令」をアレンジしたシステムで、指定された行動を何度もこなすと、目標回数に達するごとに徳が加算されるが、調整の甘さや作業色の強さから、批判の対象になりやすい。
--適当にプレイしていてもある程度目標をこなせた『OF THE END』と異なり、本作では専念してやりこまなければ達成できない目標がほとんど。
--目標設定には実際の手間が一切考慮されていないうえ、「料理を成功させる」「井戸の水を汲む」など各回に時間のかかる行動が指定されている場合も多く、達成への意欲を削がれやすい。
--目標を達成して入手できる徳の量は、達成にかかる手間に見合っているとは言い難い。
--徳交換のメリットを享受しようとすれば、ゲームの進行が大きく滞ってしまう場合もある。
---実際のところ、徳稼ぎの効率だけを考えると、精進目録の存在自体がミスリードとさえ言える。
---手早く徳を得たい場合「ひたすら競鶏で賭け点を貯め、白金の皿と交換して質屋で売りまくる」といった、高額な売買を繰り返す方が手っ取り早いのである。
---徳を入手するためのわかりやすい目安になっている、という点では評価できるのだが…。
--なお、精進目録には徳入手以外のメリットは存在せず、完全制覇でトロフィーが得られるのみ。やりがいが無いとみるか、むしろ救いとみるかはプレイヤー次第。
---それなのに精進目録の進行状況は''次の周回には引き継がれない''ため、完全制覇には相当な忍耐力が求められる。
---稼いだ徳や徳交換の状況は引き継がれるのでゲーム進行への支障は出ないが、コンプリート項目の引き継ぎを考えると疑問を抱かざるをえないだろう((「徳が足りなくなるのを防ぐための配慮」とも考えられなくはないが、徳交換による特典解除は精進目録をそこそこに消化できれば一周ですべて開放可能。徳とアイテムを引き換える神主との取引では確かに大量の徳が必要になるのだが、そこまでに至るのは大抵徳稼ぎのカラクリに気づいた後である。))。

-『5』の大きな不満点だった「プレミアムアドベンチャー(本作の呼称は「幕末漫遊」)内でのクリアデータの作成」ができない点がそのままなのも残念。
--『5』で問題だった、本編で特定の行動をしないとその周ではコンプリートが不可になる仕様については改善されており、メインストーリーを最終章手前まで一気に進めても取り返しのつかなくなる要素はない。

-「釣り」はアナザーライフの一要素として扱われているものの、釣り場は全て京の街中にあり、''別宅でできる事は何も無い。''
--PSV向けの連動アプリでは別宅から直接出向く事ができるが、一部の釣り場にしか行けない。

-サブイベントの会話がスキップ不可。
--イベント完了のためには何度も足を運び何度も同じ会話を見るハメになるので、さすがに面倒臭くなってくる。
--本作のサブストーリーの大半は街の住人、動物と絆を深めるものが多い。
--サブストーリーのコンプリートだけなら絆を上げる必要はないが、精進目録をこなすためには絆を最大まで上げる必要があり、作業感が強い。

-駕籠(タクシー)が相変わらず使い辛い
--骸街と伏見北~洛外西あたりは頻繁で移動する場所ながら駕籠で直接移動できない。
--また、大半の施設は駕籠の配置場所から離れており、移動に手間がかかる。
--乗り場のひとつ「洛外東」はサブイベントで絆を上げないと解禁されない。

-新しく追加されたミニゲーム「日本舞踊」「うどん屋手伝い」が異様に難しい。
--「日本舞踊」は画面表示に合わせてボタンを押すリズムゲームなのだが、あろうことか''判定ラインが四方八方にちりばめられており''、視認性が極めて悪い。音楽ゲームの経験者でも、一度はつまづくことだろう。
--幸い入力のテンポはゆっくりでボタン同時押し等も無いため、譜面を覚えて画面をうまく見切れるようになれば十分クリアは可能。とはいえ、そこまでの道のりは険しい。
---ゲーム画面を一切見ず、攻略Wiki等の譜面画像だけを見ながらプレイした方が簡単…という意見すらある。リズムゲームとしてそれはどうなのか…。
--「うどん屋手伝い」は客から提示されたボタン(うどんの種類)を覚え、時間内に入力していく暗記ゲームである。
--1回につき最大7回もの入力を用意されるため、短期記憶力に乏しい人には辛いミニゲームになっている。
--それ以上に問題なのが、ボタン入力の猶予時間がやたらと短い点。最終的には''押すボタンの順番がわかっていても間に合わないほど''短くなり、完全な運ゲーとなってしまう。
--BGMに原作カラオケで使われた「MachineGun Kiss」のアレンジが起用されていることもあり、最初のうちは比較的楽しめるのだが…。

-斜め上の変化を遂げた遊女遊び
--『見参!』で「キャバクラ+ミニゲーム」という難易度の高さを批判された遊女遊びは、大きな変更が加えられた。
--その変更というのが「キャバクラ要素を撤廃し、ミニゲームのみにする」こと。
--キャバクラは『龍が如く』シリーズの伝統であり「ミニゲームではなくキャバクラを残してほしかった」という声は多い。
--また、キャバクラ要素廃止の影響か、本作では遊女が1人しか登場しない。
--ミニゲームの内容もナンバリングシリーズで存在したものに近く、『見参!』よりはわかりやすくなったものの、あえて遊女遊びとして実装すべきだったかは疑問が残る。
---なお、この遊女遊び、難易度の高さと言う点でも評判が良くない。
---特にシューティングゲームの「介抱」は無駄に本格的で、しっかりパターンを構築できないとクリアは不可能。

-「土佐」を歩き回る機会が本編の始めのみ
--龍馬の故郷である土佐はシナリオを進めると戻れない。また幕末漫遊でも行けない。
--小規模なマップではあるがしっかり作りこまれており、一度しか行けないのはあまりにも勿体無いと言えるだろう。

#region(シナリオの終盤(ネタバレに触れるため注意))
-武市の再登場
--今回のラスボスである武市は序盤で死亡したという情報がもたらされたが、実は生きていたということが明らかとなる。
--しかし、その際に龍馬の前に姿を現した武市は白髪になるなど老人のようにやつれきっており、その変わり果てた姿を見た龍馬は愕然とする。
--ところが、その後土佐での最終決戦で龍馬と対峙した武市は若々しい姿に戻っている。
---一応、老人のようになるまでやつれた理由は恩師を心から慕いつつも思想の相違から殺害に至った懊悩から、元に戻った理由は近江屋で対峙した龍馬の「なぜそんな(同情を禁じ得ない)姿で俺の前に現れた、憎いままで斬らせてくれ」という嘆きの声に対する対応と解釈できる。
---だが、詳しく描写されているとは言えないため、「そもそも変貌させる必要性があったのか」という声も出た。

#endregion

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**総評
単調な作業部分やキャラクターの扱いの粗さも目立つ作品になってしまった点は残念ではある。~
だが、前作の時代劇『見参!』とナンバリングタイトルの『5』にあった問題点をきちんと反省・改善し、良い意味でシリーズ自慢のボリュームは健在。~
ストーリーの賛否はあるが過去作の繋がりは一切ないので新規ユーザーでも楽しめるだろう。~
PS4版は国内ローンチタイトルだったので、発売当時においてはとりあえず当たり外れの少ない国産ゲームをプレイしたい人にもうってつけだった。

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**余談
-本作発売より6年後、ソーシャルゲーム『龍が如く ONLINE』でコラボが決定した。
--本作で描かれなかった「禁門の変」が追加ストーリーで登場といった豪華仕様になっている。さらにSSRの坂本龍馬が無料で貰える。
--吉田東洋も登場するが、演じた石塚運昇氏は故人となっているのでライブラリー出演となっている。

-シリーズで桐生を演じている黒田崇矢氏は、1990年のNHK大河ドラマ『翔ぶが如く』にて主人公である西郷隆盛の介錯をしたことで知られる別府晋介を演じていた過去がある(当時の芸名は黒田隆哉)。

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*龍が如く 維新! 極
【りゅうがごとく いしん きわみ】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|CENTER:&amazon(B0BDQLHYWW)&amazon(B0BDQ82WF1)|
|対応機種|プレイステーション5&br()プレイステーション4&br()Xbox Series X/S&br()Xbox One&br()Windows(Steam/Microsoft Store)|~|
|発売元|セガ|~|
|開発元|セガ(龍が如くスタジオ)|~|
|発売日|2023年2月22日|~|
|定価|7,689 円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~|
|ポイント|物語は据置き一部キャスト変更&br()改善点はあれど新たな問題点も|~|
|>|>|CENTER:''[[龍が如くシリーズ]]''|
//#contents(fromhere)
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**概要(極)
PS4ローンチタイトルとして登場した、外伝ながらもナンバリングに負けず劣らずの人気を誇る作品『[[龍が如く 維新!]]』のリメイク作品。~
元々欧米圏で未発売だったオリジナル版を海外へ提供するために制作された特殊な経緯から、過去作のリメイクにあたる『極』を冠したシリーズ作品とは少し違う出来となっている。

なお、本記事ではオリジナル版からの追加点・変更点を中心に解説する。~
ゲーム内容・基本システムについては上記のオリジナル版の記事を参照されたし。

#region(オリジナル版とリメイク版の比較動画)
#video(https://youtube.com/watch?v=1H6Q9W-eQqM)
#endregion

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**オリジナル版からの変更点
-一部のキャストが変更
--元々多かった『[[5>龍が如く5 夢、叶えし者]]』出典のキャストを中心に、主に[[『0』以降の >龍が如く0 誓いの場所]][[作品の >龍が如く6 命の詩。]][[キャラに >龍が如く7 光と闇の行方]]差し替えられている。
--一例を挙げると、『0』で堂島組の若頭3人である久瀬・阿波野・渋澤を演じた小沢仁志氏・竹内力氏・中野英雄氏はそれぞれ伊東甲子太郎・武田観柳斎・武市半平太を演じる。
--それ以外でも船越英一郎氏が演じていた近藤勇が『7』の足立に差し替えられるなど、多数のキャラに差し替えが行われており公式サイトに記載がないキャストも何人か変更されている。

-隊士システムの調整
--バトルダンジョン限定要素だった隊士編成が本編でも適用されるようになり、本編においても隊士の援護や体力上昇といったバフを受けられる。また、隊士の士気も街の食事で回復できるようになった。
--流石に師匠との修行やシナリオ上素手で固定されるバトル、闘技場では適用されない。
---これの影響か食事による能力補正は廃止された。
--合わせて、隊士編成の管理もメニューからいつでも行えるように変更。
--隊士カードに『0』~『7』のキャラをモデルにした隊士が追加。また、既存の隊士も一部スキルが変更されている。
--『7』主人公の春日も隊士としての出演となる他、『0』のマキムラマコトや『7』のソンヒ、紗栄子といった女性キャラ、『7』のコケコッ子といった動物まで追加隊士として登場している。
--世界観の関係か『JUDGE EYES』組は不在。当然木村拓哉氏演じる八神も居ない。

-バトルダンジョンで装備そのものがドロップするようになった。
--ドロップする装備の格もランダムになっており、一種のハクスラ要素となっている。

-サブストーリーが6種類追加された。これに伴い、新キャラクターとして『0』のバッカスが演じるアーネスト・サトウ、同じく『0』のタツ姐が演じる山本八重(後の新島八重)等が追加されている。&s(){『0』の桐生の師匠枠でカモジだけは不在。}
--この追加サブストーリーに関連する収集要素として幕末の歴史や文化が記された「手記」が追加された。
--一方で削除されたサブストーリーが1つある。削除されたのはオカマの鎌使いに関するものなので、ポリコレ関連の可能性が高い。ポリコレの観点としては寧ろ深いエピソードなのだが…。

-武器強化のシステムが一新され、鍛錬および装備合成が廃止。武具に直接印を埋め込んで強化する形になった。
--これに伴い鍛錬の際のミニゲームが廃止され、確率で成否が決定するようになった。
--印は敵およびバトルダンジョンでのドロップまたは装備の分解で入手する形になった。

-自室や地蔵、神社でのセーブが廃止され、メニューからのセーブに統合された。

-プレイスポットの歌声酒場(カラオケ)に「ばかみたい」の和風アレンジと新規曲「い・ち・ず・侍」の2曲が追加された。
--「い・ち・ず・侍」ではムービーに実写を使用。セクシー女優の波多野結衣氏、桃乃木かな氏、小倉由奈氏が出演している。
--一方の「ばかみたい」にはお馴染みのあの演出もあるが、その対象は…?

-フォト機能が追加
--自由にキャラの向きやポーズを決めて撮影が可能で、200種類以上のスタンプ、40種類以上のフォトフレーム等カスタマイズ性が高い。

-バトルダンジョンのラスボスが豊臣姓から真田姓に変更されている。変更の理由は謎。
--合わせて、バトルダンジョンの第3階層も豊臣家をイメージしたものから真田家をイメージしたものに変更されている。

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**評価点(極)
-幕末時代の世界観掘り下げ
--セリフ中にわかりにくい単語が出た際にボタンを押すと意味を確認できる字引き機能が追加。
--収集要素として作中世界の人物が記した手記集めが追加。一般市民の愚痴から世界情勢を記したメモ、遺書といったものまで種類は豊富。
--当時の世界観を垣間見ることができる要素で、時代背景を理解しやすくなった。

-グラフィックの向上
--一見しただけでは原作との違いが分かりにくいが、光と影の表現は向上している。
--街を照らす提灯や人肌の質感、刀身の輝き等といった様々な分野でグレードアップしており、リアルな幕末の空気感を演出。
--昼の野外でもやや暗めだった原作と比較すると、柔らかく自然な明暗描写となっており人の表情や町の雰囲気が違って見える。

-維新アレンジで蘇る名BGM、懐かしのシリーズBGMの採用
--桂小五郎・土方歳三・永倉新八・佐々木只三郎の4名との戦闘にはそれぞれの出演作における戦闘曲がアレンジされて登場。
--また、『龍が如く0』の久瀬戦や『龍が如く6』の通常戦闘BGMなどシリーズの人気BGMが要所で使われており、経験者にとっては懐かしい。

-バトルの調整
--前述のように隊士編成が本編でも適用されるため、全体的な難易度が低下。
--『[[JUDGE EYES:死神の遺言]]』のDLC仙薬のような気功波や電撃を放つ技等が使用可能となる隊士が追加され、バトルは派手に。
--また、バトルスタイルにも調整が入っており、火力不足気味だった格闘の型はコンボスピードが上昇し、防御に難があった乱舞の型は連続スウェイが追加。
--ダウン時ボタン連打が無くなり直ぐ起き上がるようになったため、敵からの追撃を貰い難くなった。

-ストーリー進行に応じた武器の入手
--一部のボスを倒した際にそれなりに強い武器が入手出来るようになり、ストーリー進行だけなら鍛冶屋を利用しなくても済むようになった。
--特に7章の虎鉄や10章の菊一文字はバトルダンジョンを最終盤まで進めてようやく作成できる装備であり、これらを中盤に入手できるようになったのはかなり大きい。

-鍛冶屋、武器強化の調整
--鍛錬による強化が廃止されたことで、一度作ってしまえば以後の強化は印の埋め込みのみとなり、装備の強化にかかる手間が大幅に低減。
--基礎能力は装備の格と埋め込んだ印でのみ変動する形になった。とはいえ最低格でも相応の性能は担保されており、格の高い装備でないと苦戦するということはない。
--格上げに関してはシステム変更に伴う別の問題点も発生しているのでそちらは後述。
--装備の作成ツリーが追加され、目当ての装備へのルートや必要素材、性能がいつでも確認できるようになった。
--鍛冶屋で作成してもらえない妖刀に関しても必要素材の確認が可能。

-ミニゲームの難易度が一部緩和
--うどん屋手伝いは注文のデザインが変更されボタンの指示が見やすくなった。
---また、ポーズをかけても画面が切り替わらないため、じっくり見て覚えることができるようになった。
--日本舞踊も画面のレイアウトが変更され見やすくなっているほか、譜面が一部変更されておりオリジナルより難易度が下がっている。
---一例として、オリジナルでは異なるボタン3種を順番に押す形だった「鼓動」などの3連符が同じボタンを3連打する形に変更されている。


-その他の評価点
--飲食店や薬屋、万屋などの店舗への入退店がシームレス化。店に入る度にロードを挟む必要がなくなった。
--鍛冶屋前に駕篭の乗り場が追加され、洛外西部へのアクセスが改善された。
--精進目録で回数が多いと批判されがちだった項目が一部緩和。
---料理や水汲みといった時間のかかる行動が指定されている点は変わらないが、意識してプレイすれば終盤には達成できる程度に調整。
--クリア後モードの「幕末漫遊」のデータを引き継いで最初から遊ぶ事が出来るようになった。&br()原作では非常に惜しい点として槍玉に挙げられたたためやり込みプレイヤーに喜ばれる事に。

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**賛否両論点(極)
-キャストの変更
--新たに出演したキャストはそれぞれの作品で人気を博しており、本作への出演自体は好評。
--原作は『5』のキャラ選が多く偏りがあったが、今作は多くのシリーズからまんべんなくキャラ選がなされているため“真の龍が如くオールスター”とも言って良い内容となった。
--その反面、変更前のキャストも人気があったことや人気俳優が演じていたキャラも変更されたことからキャスト変更を惜しむ声もある。
--この辺は人ぞれぞれ好みの問題だが「前の方が好きだった」という意見が多い。

-敵の体力ゲージ
--『6』の賛否両論点であった敵の体力ゲージの1本化と頭上表示が復活している。
--そちらでも述べられている通りこの表示形式は残体力が視覚的にわかりやすい反面、ボス戦の迫力が薄れてしまう難点があった。
--逆に大人数戦が主体となるバトルダンジョンや一部のストーリー戦闘では雑魚の体力が視認しやすいメリットはあるが、やはり賛否両論。一応、ボスとの1対1の状態の際にはボス敵の頭上ではなく画面下部に表示される。

-金策のバランス調整
--金策用アイテムの皿の売却額がおよそ1/3まで大幅ダウンし、プレイスポットの稼ぎ効率が悪化した。
--逆にバトルダンジョンでドロップした不要な装備を売り払って費用を工面する手段が追加されており、金策方法が一部のプレイスポット一強だった原作からバトルも有効な金策となった点は評価されている。
--しかし、後述の問題点と隊士システムの重要度が上がり寡兵を利用する必要性が増したことを踏まえると、出費が激増しているため否よりの声が多い。

-追加要素や目新しさの薄さ
--元々は海外向けに『維新』を提供する制作背景があり、日本での発売の予定はなかったが国内向けに「極」として発売することとなった経緯を持っている。
--また、過去の『極』でこうしたから今回も踏襲するという考えではないことも明言されており、これらの経緯から目新しさは控えめになっている。
--過去作のリメイクである『極』では「どこでも真島」や錦山彰に関するエピソード、『極2』では真島吾朗を主人公にしたエピソードや水商売アイランドなどといったやり込み要素と目玉要素になり得る追加要素が存在しており、難点もあるもののリメイク版における1つの評価点とされてきた。
--しかし今作における追加要素や変更点はグラフィックの向上や新たなサブストーリーの追加といった程度。目新しさを求める層からは変わり映えの少なさについて不満が出ることとなった。
---裏を返せば、大きな変更がなかったのは原作の時点でそれなりに完成していたからという見方もできるが…。
--ストーリーに関してもサブ以外に追加シナリオが無い。先述のバッカスやタツ姐以外にもシンジや新藤、神田といった初期作品のみに登場した懐かしい顔が出るのはファンとしては嬉しいものの…。
---原作においてイマイチ扱いが悪かった原田左之助等のキャラの何かしらの活躍が期待されていたが、結局何も変更されなかった。
---ソーシャルゲームである『ONLINE』では、本作で描かれなかった「禁門の変」が追加ストーリーで登場しており、それらのストーリーを追加するなど何かしらの手立てはあったはずなのだが…
---ストーリーに関しては「ストーリーのネタバレになりかねないし世界観的に無理がある」「メインストーリーには付け加えるべき要素はない」と判断されたためである([[参照1>https://www.famitsu.com/news/202302/28293555.html]])。
--音声も変更されたキャスト以外は原作の流用。左之助の武田観柳斎への発言が「あんた、(オカマの割に)頭いいな」となっているように問題がある点が編集されている程度となっている。例えば黒田崇矢氏の演技も「変える必要はない」という判断がされていたりする([[参照2>https://news.denfaminicogamer.jp/interview/220922j]])。

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**問題点(極)
-ロードや読み込みといった動作上の問題点がある。
--建物やマップの切り替え等で頻繁にロードが入りテンポが悪く、エンカウントバトルでも発生する。
--また切り替え直後はテスクチャが読み込み切れておらず、この状態で壺等を調べたりすると画面が固まったまま読み込みが再度発生する。
--オリジナル版でも建物やマップの切り替えにロードが入ったもののここまで長くはなかった。
--バトル突入場面に関しても敵の名称が入る間こそあるものの、概ねシームレスに移行していた。
//PS5版ではロードはそれほど気にならなかった。
--一部場面での処理落ちも報告されており、特に12章では演出上常時フレームレートが大幅に低下するレベルでシナリオを楽しむ所ではない。
--該当部分では何度か戦闘もあるため、プレイヤーが実感しやすい問題点となっている。
--これらの問題点に関してはPS4版の場合であり、最新機種であるPS5版であれば軽減される。
---PS4版はPS5アップグレードに対応しており、セーブデータの引継ぎも可能。快適にプレイしたい人はPS5版をおすすめする。
//One/XSX/XSS/Steam版は未確認。

-キャスト変更に伴う問題点
--シナリオの役柄を考えると無理のある配役や扱いの悪い人物が何名かいる。
--主に原作で配役されていたキャラに応じた立ち回りが、今回の新キャストとは噛み合わないことが原因。特にキャラの年齢に関わるものは、原作を知らないプレイヤーでも若干目に付く。
--そもそも『龍が如く ONLINE』でのコラボ時に純粋なゲスト俳優組も顔出しして深掘りを行っており、元のビジュアルに愛着が湧いているところを変える必要があったのかというと疑問である。

#region(&bold(){ネタバレ注意})

&bold(){沖田総司(本物)}
-原作では沖田総司に扮した真島吾朗が自分を「美少年」と言い張ることがネタにされていたが、ストーリーを進める事で実は「本名は平山五郎で、芹沢一派の3人が近藤の指示によって沖田たちに成り代わっていた」という事実が判明。
--美少年の通り名もそれの伏線であり、『龍が如く』のキャラクター設定と史実をうまく融合させた配役と評価されていた。
--ところが、原作での本物の沖田総司は俳優の大野拓朗氏を起用した文字通りの美少年であったが、本作では『0』の「尾田純」に変更。
--尾田も二枚目の部類ではあり、決して容姿が悪いわけではないのだが、年齢的にも明らかに美少年とは程遠いキャラクターであり伏線としての意外性が薄れてしまった。&s(){真島の前は尾田が「美少年」と主張していたとすれば妙な方向で整合性が取れる形にもなったが}

&bold(){山崎丞}
-『5』の釘原広志から『6』または『7』の「ハン・ジュンギ」に変えられたのだが、顔に大きな傷が見受けられる事で不気味な雰囲気を出していた釘原に対してハンは爽やかな美形のキャラと真逆の雰囲気で、いくら変装していても監察という立場上逆に目立ってしまいかねない見た目になっている。
とはいえ『6』のハンはとある人物の顔面に大火傷を負わせるという強烈なシーンがあるため、拷問シーンにおいては一応山崎の配役が合っているような部分もある。

&bold(){伊東甲子太郎&武田観柳斎ほか新選組}
-伊東甲子太郎は『3』『4』で登場した浜崎豪から『0』の久瀬大作に、武田観柳斎は『1』『2』に登場した林弘から『0』の 阿波野大樹に変更。
--しかし、『0』における久瀬は何度桐生に返り討ちにされても男としての「意地」や「信念」を優先して何度も挑んでくる生粋の武闘派として高く評価されているキャラであった。
--そのため、策謀を捏ねくり回して虎視眈々と権力を求める伊東に合っていないという声が多い((伊東のキャラ設定は原作『3』時代に浜崎が行っていたことが由来だと推測されるために尚更。))。演じた小沢氏からも冗談交じりながら「ミスキャストだ」と言われている。
-策謀ならまだ阿波野のほうが適任なのだが、阿波野は阿波野で男色家設定を残したまま拳銃使いの武田観柳斎を担当している。林なら男色家扱いでも問題無いというわけではないが、阿波野のビジュアルと言動でも男色家設定の違和感は残る。
-その他の新選組面子も存在感ある演技の船越氏から『7』の足立宏一に変わった近藤勇、『5』の馬場茂樹から『7』の趙天佑に変わって若者らしくなくなった藤堂平助と評価は微妙なライン。
--評判が良いのは『5』の八幡から『7』の馬淵昌に変わって下衆ぶりが分かりやすくなった谷三十郎、『5』の荻田冠から『6』の小清水寛治に変わったが元から存在感が薄く気にされていない鈴木三樹三郎ぐらい。「(元も変更後も維新でのキャラも)誰だっけこいつ」「同じスキンヘッドのヤクザだし、今度は八幡がやってるのかと思った」と言われる後者はあまり褒められた話ではないが。
-全体的に新選組面子はなぜ変えたかが不明瞭で首をひねるようなキャスト変更が多い。変わったメンバーと変わってないメンバーの基準もイマイチ不明。メイン組はともかくとして松原忠治だけは何故か『5』の森永悠のままである。
//推測の域を出ないのと『7外伝』執筆解禁前のため一旦削除。

&bold(){勝麟太郎}
-『5』の青山稔から『7』の荒川真斗に変更された。
--真斗への変更自体は喜ばれたのだが、勝麟太郎は政府側の人物であり、彼の役割や本編での性格や肩書を考えると、どちらかと言えば癇癪持ちで強いコンプレックスを抱えたヤクザのドラ息子という要素が強い真斗より、(そもそも同一人物だが)爽やかな笑顔の下に野心と謀略を隠し持つ東京都知事・青木遼としての登場のほうが適任という声もある。もっとも、端役ということや、真斗自体は人気キャラなので批判の声は少なめ。

&bold(){山南敬助&吉田稔麿}
-山南敬助は『4』で登場した葛城勲から『1』と『0』で登場した世良勝に、吉田稔麿は『5』で登場した金井嘉門から同じく『1』と『0』で登場した嶋野太に変更された。
-どちらもライブラリーの戦闘ボイスのみでストーリー上ではセリフが無く退場するのだが、原作では会長や組長という立場でありながらこのような扱いに残念がるプレイヤーが多い。
--特に山南敬助は3番隊隊長であるが、組を脱走し捕らえられ、龍馬に勝てば釈放される条件の元入隊試験に利用されるキャラであり、葛城はまだしも世良は『1』でも『0』でも情けない描写は殆ど無く役に合っていない。
--嶋野は金井と同じくパワーファイターだが、金井の配役自体が桂小五郎である秋山との『5』での因縁から起用されたものであるため、前提が崩れてしまった。

&bold(){武市半平太}
-俳優の高橋克典氏から『0』の渋澤啓司に変更。龍馬の兄弟分という設定だが、渋澤はどう見ても若者には見えない。演じた中野氏は変更前の俳優と同い年といえばそうなのだが…。
なお、一応0の渋沢よりは若干若くグラフィックが描かれてはいる。

&bold(){おりょう}
-起用された女優モチーフから『0』『極2』で登場したユキに変更された。龍が如くの女性キャラクターの中で、人気投票でも上位に入っていたキャラクターである。
--ユキは確かに人気であり綺麗どころだが龍馬(一)である桐生とは『極2』において業務上の関係しか無く、違和感がある抜擢となっている。
-ヒロインの立ち位置としては『1』の由美や『2』の狭山を『極』系列のキャスティングで起用することもできたはずなのだが性格が合わないなど色々と問題があったのだろうか((なお狭山は隊士として登場している。))。
#endregion

-バトル面の問題点
--一部ボスの弱体化
---前半のボスは強化されているが、後半のボスは必殺技が追加されているものの、総じて弱体化。いわゆるスーパーアーマーの撤廃や行動パターンが一部変更されているのが原因。
---特に弱体化が一番顕著なのはシリーズ恒例の隠しボス、亜門玄丈斎。&br()一刀の型におけるアーマーや極技に対する耐性の消滅、隊士スキルの追加が行われた結果大幅に弱体化してしまった。
---裏を返せば、ある程度やり込みさえすれば誰でも勝てるようになっているともいえる。
--隊士スキルがどこでも使えるようになった弊害
---派手なバトルを楽しめる一方でボスも隊士の攻撃スキルを使うようになり、火を纏った波動や電撃が飛び交う光景はファンタジー世界のような雰囲気になり、世界観がぶち壊しとの声も。
---攻撃スキル発動中は無敵になるため一方的に攻撃出来たり、敵の連撃や攻撃スキルをやり過ごせたり、終盤になれば原作で強力だった品田((時間停止ではなく緩やかになるよう変更され弱体化はしたがまだ強力。))と本作で追加された春日((他の隊士スキルと比べて短時間な代わりに攻撃力が大幅に上昇する。))を組み合わせれば、ボスの体力を安全に大幅に削れるようになりゲームバランスが崩壊する。
---隠しボスとの最終決戦では原作では隊士は連れて行かず1人で挑むと言っていたが、本作では隊士スキルが使用可能にも拘らず、セリフがそのまま流用され矛盾している。

-BGMの流用
--先述の通り、過去作における戦闘曲の和風アレンジが追加された一方で何故かそのまま流用されたBGMも存在する。なぜ流用となったのかの基準は不明瞭であり、特に久瀬のBGMなどは和風アレンジされなかったことへの不満の声が多い。

-アドベンチャー関連の問題点がそのまま
--原作で存在していた様々な問題点が改善されていない。
--特に龍馬の強化につながるレベル上げ、隊士カード収集、精進目録に時間と手間がかかる点は問題視されがち。
--ミニゲームも評価点で述べた通り難易度が若干低下したものはあるが、ほとんどは難易度が据え置き。&br()特に麻雀やポーカーといったテーブルゲームにイカサマアイテムが追加されなかったのが痛い。
---更に、本作で追加されたカラオケの「い・ち・ず・侍」は8分と16分多数の物量譜面で歴代最高レベルの難しさを誇り、全ての曲で90点以上の獲得が困難になった。((あまりにも難易度が高かったためかアップデートで調整が入ったほど。))
--相変わらず土佐には戻れない。

-手記集めの面倒さ
--単なる収集要素であれば良かったのだが、収集量に応じてサブストーリーが発生するのでコンプリートのためには必ず全て集めなければならない。
---しかも落ちているアイコンが福引券と同じで見分けがつかず面倒さに拍車を掛けている。
---メインストーリー進行が出現フラグになっている手記もあるため、必然的に完了できるのも終盤になってしまう。
---手記とは関係なかった原作の一部サブストーリーが、なぜか手記の取得率をトリガーにして発生する形に変更されている。

-装備作成費用の大幅なインフレ
--装備作成後の強化が廃止された為か、作成にかかる費用がオリジナルから大幅に上昇。&br()例えば、初期装備である吉行の最終段階「天龍神馬」の作成費用はオリジナルでは約4両だったのに対し本作では約280両と70倍近い値段に跳ね上がっている。
--特殊弾作成も同様で原作では全種類10発あたり500文だったが、本作では5両と100倍に上がっており、一部は250倍の約13両と破格。とてもではないが資金の乏しい序盤は手が出ない。
---火炎弾については骸街の武器屋で10発あたり1両で購入できるので作るより安上がりだが、それ以外は基本的に作成以外の入手手段がない。
--鍛冶屋レベルを上げれば必要金額が最大4割引されるが、それでも高い。
--原作が安すぎた節はあるが、所持金が少ない序盤中盤は特殊弾が使いにくくなり良調整とは言いがたい。
--前述のように本作ではメインシナリオのボス撃破で装備が入手できるほかバトルダンジョンでほぼ全ての装備がドロップするようになっている。
---そのため、それらを装備を使ったりドロップした不要な装備を売り払って費用を工面するといった手段は用意されている。

-格上げシステムの変更
--装備の格上げが作成時のみとなり、後から上げることができなくなった。そのため、作成時に格が上がらない妖刀や妖銃は事前に格を上げておく必要がある。
---この影響を受けたのが賭場景品の黄金の銃と闘技場景品の黄金の刀。報酬として交換できるのは最低格で、格の高いものはバトルダンジョンのドロップでしか入手できない。~
同じく賭場景品であり妖刀「夢龍砕」の素材となる「朽ちた妖刀」も同様だが、こちらは亜門撃破の報酬として最上格のものが貰えるためそこまで問題はない。
---店売りの装備も最低格のみであり、その次が最終段階となる装備はバトルダンジョンで格の高いものを入手する必要がある((最低格から最高格まで上げられるアイテムも存在するが、有料DLCを除けば1周当たり1個+コンプリート報酬の1個のみという貴重品なのでおいそれとは使えない。))。
--とはいえ最低格でも十分な性能は担保されているので、どちらかといえばやり込みの領域ではある。

-アイテムのページ送りが出来ない。
--本作では特に金銭稼ぎで持ち物を売る事が多いのだが、アイテムと装備でしか分別されておらず、アイテムを売る場合は手持ち・倉庫・素材・野菜・魚と壮大な量から探し出す羽目になる。
--全く同じ性能の装備においても別々にされているため、バトルダンジョンで拾った装備をまとめて売る時も1つ1つ決めなければならない。
---ボタンを押し続ける事で一気に移動は出来るがその場合目当ての物を飛ばしてしまう可能性もあり、近年のゲームとしては不便な仕様。

#region(アップデートで改善)
-処理落ちやバグが多く一部の場面や特定の動作でフリーズしてしまう。表示が乱れる部分も散見され、特に12章でキャラの髪が金髪化するものは確実に発生していた。
--シリーズ初のアンリアルエンジンによる開発という点を擁護してもバグが多い((龍が如くシリーズにおける開発体制は自動でバグを発見するシステムの存在が以前から知られており、2020年のCEDECではバグを自動で修正するシステムが公表されていた。))。現在はほとんど修正済み。

-競鶏で特定の手順を行うと掛け金が減らず一方的に稼げてしまう。
--先述の通り出費が激増しているためバグ修正で金策が苦しくなってしまった。
#endregion

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**総評(極)
『極』シリーズとしてはキャスト変更以外に変化や追加要素が乏しいため、原作をプレイしたプレイヤーに再購入を促すほどの魅力に乏しい((PS4ソフトはPS5でも動作するということもある。なお、原作のDL版は配信終了している。))。~
逆に今から最新機種でプレイしたい人にはメインシナリオを進める分には原作より遊び易くなっており、ボリュームも原作そのままである事、何しろ歴代龍が如くシリーズの人気キャラが総出演している為、ファンは買って損はない。~
隊士スキルの仕様変更によるバランス悪化や世界観のイメージの変化はプレイヤーによっては気になるところであるが、気にならなければ純粋に楽しめるだろう。
//隊士スキルによって世界観が壊れる影響でオリジナル版の方を好む人も居る。

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**余談(極)
-原作に存在した、現代の親子が龍馬像を見つめるラストのシーンは丸ごとカットされている。
--おそらく海外プレイヤーが見た際に疑問や違和感等を感じさせない為の措置だと思われる。

-今作では『極2』や『7』など近年の龍が如くスタジオ作品で使用されているドラゴンエンジンではなくUnreal Engine 4が使用されている。
--これについては「ドラゴンエンジンは夜のシーンに強いが、今作では昼のシーンが多いためそれに強いUnreal Engineを採用した」「今後の作品でもUnreal Engineを使用するかはケースバイケース」としている。

//-バトルダンジョンのラスボスが何故か豊臣家残党から真田家残党になっている。
//大坂の陣以降も真田幸村の兄信之の一族が存続していた訳だが…
//もともと変更点に書いてあるのでCO

-原作にあった主題歌であるONE OK ROCKの『Clock Strikes』は別の楽曲に差し替えられている。
--これは当時まだ所属していた名越プロデューサーの強い要望でうまれたタイアップだったことや、ONE OK ROCK自身が現在株式会社アミューズから独立したことにより、元楽曲の権利関係が変更されて以前の契約のままでは使えなくなったためと考えられる。

-概要で述べたようにオリジナル版は日本のみの発売だったが、このリメイク版は『Like a Dragon: Ishin!』のタイトルで海外版が発売された。
--また、本シリーズは海外では『YAKUZA』のタイトルで発売されていたが、同時発表された2作((『龍が如く8』『龍が如く7外伝 名を消した男』も『Like a Dragon 8』『Like a Dragon Gaiden』として海外で発表された。ただし、『8』のみ海外ではナンバリングの問題があるとして、後に『Like a Dragon: Infinite Wealth』に変更された。))も共に洋題は『Like a Dragon (龍が如く)』になっており、今後のタイトルはこちらに統一される。
---ちなみに、リメイク版の発売に伴いオリジナル版のダウンロード版は販売が終了した。『維新!』がリメイクされることとなった経緯は[[この記事>https://news.denfaminicogamer.jp/interview/220922j]]を参照。


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