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ラングリッサー リインカーネーション -転生- - (2023/08/22 (火) 18:32:59) のソース

*ラングリッサー リインカーネーション-転生-
【らんぐりっさー りいんかーねーしょん てんせい】

|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00UL0YSAM)&br;&amazon(B00UL0YSPC)|
|対応機種|ニンテンドー3DS|~|
|発売・開発元|エクストリーム|~|
|発売日|2015年7月23日|~|
|定価|通常版:5,537円&br;限定版:9,241円(共に税8%込)|~|
|レーティング|CERO:C(15歳以上対象)&br;アイコン:セクシャル|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|&color(blue){''2015年クソゲーオブザイヤー携帯機部門次点''}&br;基本的なインターフェースすらまともに出来てない&br;驚愕の低品質戦闘画面&br;お約束の「BGM以外まともな所がない」&br;FC時代のSLGにも劣るゲーム内容&br×ラングリッサー転生 ○クロスノーツ転生|~|
|>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''|
|>|>|CENTER:''[[ラングリッサーシリーズ]]''|
//後作でのキャラ救済は直接関係がないので削除

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#contents(fromhere)
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**概要
DCおよびWSでリリースされた外伝作『ラングリッサーミレニアム』から実に15年振りとなる、名作SLG『[[ラングリッサー]]』シリーズのコンシューマー用最新作。~
旧シリーズを一作目から手掛け続けてきたメサイヤ(NCS=日本コンピュータシステム)の版権を受け継いだ、エクストリームによってプロデュースと開発が行われた。~
特に旧シリーズのスタッフの監修は行われていない。~

ラングリッサーの本編にあたるナンバリング作は5作目までリリースされており、本作は特に2作目の移植版『[[デア ラングリッサー]]』を模倣した印象が強い。~
ただし世界設定と登場人物がほぼ一新されており、ストーリーに至っては全く異なるので、リメイクの類ではなく「新作」の立ち位置にある。~

「15年ぶりの新作((実際には『ミレニアム』と本作の間に、他社作のMMORPG『ラングリッサーシュヴァルツ』と、ブラウザゲー『ラングリッサートライソード』も存在したが、前者は開発頓挫、後者はサービス終了済み。))」という事で、ファンの期待は一時的に高まったのだが、「映えないスクリーンショット」「動画で公開されない攻撃実行シーン」「開発元の社長が『[[ラングリッサーIII (PS2)>ラングリッサーIII#id_c0215c6c]]』の移植を手掛けたクロスノーツ創業者と同一」など、不安要素ばかりが重なり、一転してファンは不安な日々を過ごすこととなった。~
そして発売直前ニコニコ生放送が満を持して行われたものの、そのイベント内容が既に酷い有様((ゲームと番組双方に出演している声優の反応でも微妙、言い訳するメーカースタッフなど。))であったため、発売前にしてある意味決着がついてしまった。~
それでも熱心なファンは本作を手に取ったが、''中身は大体予想通りだった…''。~

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**ストーリー
>物語の舞台となるプルガトリウムは、世界の四方、大洋の彼方を『ガイアの門』と呼ばれる巨大な壁で囲まれている。~
そんな世界で、水位の上昇が突如として始まり((実は魔剣の力によるもので、帝国皇帝が仕組んでいたと帝国ルートで判明する))、多くの島が水没してしまう。それでもなお水害は収束しそうにない。~
しかし愚かにも、世界では三つの勢力に分かれての大戦が続いており、文明の崩壊が危ぶまれるほどの現状でも移住がままならない。~
~
古の遺産である巨大戦艦『方舟』と魔剣『アルハザード』を所有し、全世界を侵略している【グレスデン帝国軍】…~
女神ルシリスを信仰・旗印にし、帝国のレジスタンス達が結集した【光輝軍】…~
ルシリスとは対をなす、破壊と進化を切望する神カオスを信仰する【闇の軍勢】…~
~
帝国の現皇帝である『オウトクラト4世』は侵略を繰り返し、最終的には『方舟』を使って、貴族と選抜した者だけを乗せガイアの門を越えようとしている。~
これがエリュシオン計画と呼ばれるものである。~
彼の意向に刃向かい、世界中の者を救うべきと唱えているのは帝国内だと宰相『フロレンティア』とその一派くらいであり、戦乱は止まらない。~
~
ある日のことオウトクラト4世は、臨海都市ボルスレーヌへの総攻撃を決断する。~
そこは聖剣『ラングリッサー』があると噂され、~
闇の軍勢の長『リコリス』の兄であり前皇帝の隠し子でもある主人公『アレス』が父親に疎開させられていた都市なのだった。~
~
皇帝の思惑に気付いた者たちは、三者三様にボルスレーヌ周辺へと配下の軍勢を走らせる。~
アレスと、魔剣と聖剣に導かれた者たちの運命が大きく動き出したのだ。~
果たしてアレスは、どの勢力に与し、世界を救うのだろうか。それはまだ誰にも分からない。

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**基本システム
旧作であるSFC&PC-FX版『[[デア ラングリッサー]]』(以下『デア』)のシステムをベースにしている。

-各ステージでは最初に、1ユニット最大10名(=HP10)で構成される自軍ユニット達をMAPのマスに配置して、それらに個別で移動・攻撃の指示を与え敵軍を撃破していく。
--ユニットは、大別すると「指揮官」(メインキャラ)と「傭兵」(顔無しのモブ)の二種に分かれる。「傭兵」は、「指揮官」の指揮範囲から離れると能力値がガタ落ちするので行軍の際は要注意。
--「指揮官」だろうと「傭兵」だろうとボス敵だろうと、ステージ開始時のHPは例外なく10で、0になるとMAPから撤退してしまいそのステージ中の復活はできない。
---各ユニットにはMAP上でHPの数字が併記されており、一望するだけで戦況を把握できる利点がある。10が並んでいればその一帯は体力全快だと一目で分かる。
--1人の指揮官につき複数の傭兵を雇える。
---例えば指揮官が5人おり、全指揮官が3隊の傭兵を雇ったとしたら、5×3で計15ユニットも操作することになる。
---実際の戦闘画面では傭兵の場合、HPの数値分の兵士が登場するので壮観。
--ユニットには他に「兵種」も存在しており、歩兵>槍兵>騎兵>歩兵 という3すくみ(グー・チョキ・パーの関係)や、弓兵は飛行系に一方的に強いという相性や特性を持つのでそれも活用していく。

-敵ユニットを倒すと経験値と資金が得られる。経験値は回復魔法を使用してHPを回復しても得られる。
--倒した敵がアイテムを装備していた場合、そのアイテムを奪うこともできる。
---指揮官がやられると、その指揮官の配下の傭兵は倒さなくても一斉に撤退するが、経験値は入手できない。この点は敵味方共通で例外は無い(作品によっては数%だけ経験値を入手可)。
//プレイヤーが経験値を稼ぎたい場合に限っては面倒でも倒したほうがいい。
--経験値が貯まると指揮官がレベルアップし、攻撃力や防御力などの能力が上がる。
---また指揮官はレベル10で強制的にクラスチェンジする。上位クラスはクラス5まで存在するが、クラスによっては強化だけではなく弱体化する面もあるため慎重に行う必要がある。

//進行はターン制。自軍フェイズと敵軍フェイズを交互に行い、お互いのフェイズが終わると1ターン経過。「敵の全滅」などといった勝利条件を達成するとステージクリア。
//以上すべては『デア』のシステム説明であり、本作でもほとんどをそのまま流用している

***本作独自のシステムなど
-敵味方問わず、「素早さ」を基準に、指揮官ユニットとその傭兵から順に動く。そのため、味方フェイズ敵フェイズという概念については無い。
--この点は『デア』と大幅に違っており、『ラングリッサーV』に類似したシステムである。有名どころでは『[[タクティクスオウガ]]』など。
---ただし本作では、どれだけの距離を移動しようと、行動せずにその場で待機させようと、''次の行動順が遅くなったり早くなったりはしない''。
---しかも不便なことに「素早さ」の数値はマスクデータとなっている。一応、誰から行動するかは画面上のキャラアイコンで分かる。

-ステージ中に敵ユニットへ攻撃を仕掛ける際、「戦闘結果予測」が出るようなり、有利か不利かと成果の度合いが事前に分かる。

-遠距離攻撃である弓の射程が2マスにまで狭められたが、攻撃力が非常に高くなった。
-僧兵系のユニットは全体的に防御力を上げられ、歩兵を凌ぐほどの硬さを誇るようになった。
--上記2点は、本作の後にリリースされた『ラングリッサー モバイル』にも引き継がれている。
-指揮範囲外へ出てしまった際の傭兵の能力値低下が極端に激しく、はるか格下の敵にも倒されてしまうほどの低下になった。
-3すくみによる相性差で、あまり能力値の補正が働かなくなった。

-ステージ中、味方指揮官が自身の指揮範囲内の他の指揮官を一時的にパワーアップさせる「支援」システムが登場。
--一作目から指揮官が配下の傭兵を強化させる要素はあったが、指揮官がノーコストで他の指揮官を強化できるシステムが常備されたのは何気に初。
---本作はゲーム開始時にのみ難易度を選択できるが、実際に難易度によって変わるのはこの支援システムでの敵の補正値のみである。

-各ステージのMAPは『デア』だと真上からの俯瞰視点2Dだったが、本作では3Dで表現。少しパースをつけたアングルで、俯瞰視点なのは同様。

-ステージの開始前には準備画面を利用できる。旧作よりデザインやレイアウトは豪勢になっている。
--旧作のようにここでユニット配置を行う。出撃可能な指揮官の人数がステージによって異なるのも同様。
--斡旋所があり、ギルド長との会話の他、傭兵を雇うことができる。初期は弱い傭兵しか雇えないが、指揮官が成長するとより強い傭兵を雇えるようになる。
--ショップも利用でき、そこでキャラクターの装備品の売買を行える。なお傭兵は旧作通り何も装備することができない。
--データのセーブやロードはここで行える。
--「会話」コマンドが有り、自軍入りしている任意のキャラクター(指揮官)を選んでイベントシーンを発生させ、好感度を上げられる。
---会話イベントシーンは一般的なビジュアルノベルゲームとほぼ同じタイプになった。
---好感度を上げ続ければ告白イベントも発生する…のだが、実はこの告白イベントにも大きな問題があったりする(詳細は後述)。
--その他、戦術指南(チュートリアル)の確認、所持品やステータスの確認もできる。

-『デア』では主人公の選択によりストーリー展開が変わっていったが、本作でも主人公(プレイヤー)の選択により与する陣営が変わる。
--本作では「光輝軍」「帝国軍」「闇の勢力」、この3勢力全てを敵に回す「放浪軍(『デア』でいう所の独立軍)」の4つのルート(シナリオ)へと、選択肢によりシンプルに分岐する。
---ルートによって使用できるキャラが変わる点は旧作通り。主人公のみ全ステージで強制出撃だが、他に誰を使用するかはプレイヤーの自由。

|''全ルート共通で使用可能''|アレス、マイヤ、エルマ、アンセル、トワ|
|''光輝ルート''|ジェシカ、リュグナー、ロザリア、マリエル、シュゼット、ノエミ、ミシェル、ユリアン、オディロン|
|''帝国ルート''|フローレ(フロレンティア)、ルクレチア、ヒルダ、ヴェルナー、ツバメ、クリス(クリスティアーネ)、ヨア、コニー|
|''闇ルート''|リコリス、ケルティス、グスタフ、パツィル、レナ(レナータ)、ポリアル、ロナ|
|''独立ルート''|リコリス、パツィル、レナ(レナータ)、ポリアル、ロナ、クリス(クリスティアーネ)、ヨア、コニー、ノエミ、ミシェル|
※括弧付きのキャラは、本作のメニュー等では本名ではなく愛称のほうで記載される

以下、ネタバレつきのため格納。
#region(close,光輝ルートの主な展開)
-光輝軍入りしたアレスとその仲間たちが、闇の軍勢、次いで帝国軍と戦う。
--リコリス(妹)の救出に成功し、実力差があるはずの帝国軍もあっという間に追い詰めていく。
--帝国軍のメンバーのほとんどは交戦後に戦死(生死不明)となり、物語最後の関門として覚醒した皇帝が立ちはだかる。
--最終決戦の直後、リコリスまで余波で覚醒してしまう。
---真の最終決戦を乗り越え、妹も救い、エンディングでは光輝軍が中心となって、帝国の方舟を奪い世界を脱出する。
---終盤以外は派手な展開がほとんどなく、難易度的にも地味。アレス以外、カルザス(旧作でも登場した国)のユリアンに多少のスポットが当たる。
#endregion()

#region(close,帝国ルートの主な展開)
-帝国の宰相『フロレンティア』が、世界を救いたいという真意をアレスに打ち明け、早々に勧誘を試みる(他ルートではこの展開が無い)。
--アレスはフロレンティア派の人間を信用。どういうわけか皇帝の側近のルクレチアまでもがろくに説明も無いまま仲間になる。
--特にアレスにはスポットが当たらず、フロレンティアが活躍の中心になり、中盤で皇帝に叛逆して(相手が覚醒もしないうちに)そのまま倒してしまう。
--帝国の秘宝であるアルハザードを自由に扱えるからと、やむなく途中で救出したリコリスを次期女皇帝に据えて、帝国を存続させる。
--そのことに猛反発した光輝軍が終盤の相手になる。
---ジェシカまで無事に降伏させたアレス(フロレンティア)一行だったが、リコリスの別人格「ボーゼル」が正体を表し、妹を正気に戻すため最終決戦が始まる。
---難易度が本作にしては高め。クリア条件、敗北条件が特殊なステージまで存在する。
---描写、説明は全体的に不足しがちだが、エンディングでは犠牲者が最も少なく平和的に脱出できるルート。
---『ラングリッサー モバイル』は、この帝国ルートを主軸にしつつ、光輝ルートの展開も足して二で割ったような独自描写になっている。
#endregion()

#region(close,闇ルートの主な展開)
-いったんは光輝軍入りしたアレスだが、妹が闇の軍勢でお飾りの頭目を務めているのを発見し、救出するのではなく闇の軍勢に鞍替えを決意する。難易度が最も高い。
--実際に闇の軍勢を指揮している男『ケルティス』の天才的な指揮のもと、光輝軍と帝国軍を大胆にも同時に相手取っていく。終盤では両軍が結束し、さらに難易度が上がる。
--本作の闇の軍勢は弱小勢力で、世間に疎まれる者たちの集まりでもある。本作にしては、そこからどう成り上がっていくかの描写、敵味方キャラの活躍が詳しい。
--帝国に攻め入った際、アレスとリコリスが帝国の王子と王女だったことが判明する唯一のルートでもあり、本作の中でもメイン級の位置付けになっている。『ラングリッサー モバイル』には採用されていないが…
---アレスとリコリス達は残った光輝軍と決着をつけ、エンディングでは己の闇を抱えたまま真の平和を目指して方舟で仲間たちと脱出する。
#endregion()

#region(close,独立ルートの主な展開)
-いったんは光輝軍入りしたアレスだが、妹が闇の軍勢でお飾りの頭目を務めているのを発見し、立場を放棄させ全軍勢から逃げようと説得する。
--光輝軍、帝国軍、闇の軍勢をすべて敵に回すルートとなるが、各軍はあまり連携がとれず、それどころか各軍のはみ出し者が裏切ってアレス側についてくれる。
--元帝国軍の男『ヨア』が参謀として働き、ほぼゼロからの旗揚げだったにもかかわらず、いとも簡単に各軍はアレス達に敗れていく。
--闇ルート同様に、最後まで残った光輝軍が決戦の相手となる。
---難易度的には平凡。ラングリッサーもアルハザードも捨て去り、接収した方舟で強引に脱出したら思いのほか民もついて来て無事(?)エンディングとなる。
#endregion()

-なお各ルートで、終盤の選択肢を間違えると「バッドエンディング」にも移行可能。
--簡素ながらルートごと異なる悲惨な展開が語られ、徒労や全滅を示唆する報われない終わり方になる。
---終盤でアレスが告白したキャラクターのセリフも登場し、アレスと”最期”に向かう様子が見られるという、原作のバッド展開を彷彿させるような凝った仕様である。

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**問題点
-旧作よりずっとお馬鹿な敵AI。
--基本的にプレイヤーが近付くと、[[勝手に突っ込んできて勝手に死ぬのを繰り返すだけ>エルヴァンディアストーリー]]。
---プレイヤー側がかなり強くなりやすいゲームに調整されているため、適当に味方のエースで辺りを歩かせるだけで敵は壊滅する。これでは戦略も何もあったものではない。
---近付くまで行動開始しない敵も非常に多い。そのため、一斉攻撃されて負けるといったケースも稀。
--目の前に移動不能の壁があったとしても、おかまいなしに突撃を繰り返そうとする。なぜ壁を避けて迂回するなどの基本的な行動ができないのか。
--おまけに敵の攻撃対象の判別基準がおかしく、消耗している相手を無視して無傷の相手を攻撃したりする。
--極めつけに、ほとんどの敵がいわゆる通常攻撃しか行なってこず、スキルを持っていても使わなかったり、使ってもその効果が極端に低かったりし、敵に個性を感じられない。
---更新データVer.1.1のアップデートで、「突っ込んでくるが、''強い相手には手を出さず目の前で止まる''」という行動を新たにとるようになった。他に目立った改善はないが、勝手に死なないぶん幾らかはマシである。

-『デア』に比べると敵味方のユニット数、ステージ中のイベントが激減。
--『デア』では画面を埋めるほどの敵味方ユニットが溢れ、いかに敵軍を削っていくかが醍醐味だったものの、敵も味方も最大数が抑えられたため、自ずとステージの解法が狭まった。
---「突然に増援が現れる」といったイベント類もほとんど無く、あっても大した脅威でないため、順当に端から倒していくだけでステージクリアできてしまう。
---終盤でようやく旧作の中盤くらいの敵ユニット数になる。

-操作性が悪化。
--誇張表現でも何でもなく「プレイ自体が苦行」と言えるレベル。
--とにかくボタンを押した際のレスポンスが悪く、何をするにしても動きがもたついており、水中下のような感覚。カーソルの移動速度も遅く、操作可能になるまで読み込みする「間」があった。
--''ユニットの居るマスに触れるとカーソルがカクつく''という更にイラっとくる仕様。ユニットが合わさると下画面にユニットステータスが表示されるのだがその際に読み込みが入り、一瞬は画面が(カーソルも)止まってしまうため。
---Ver.1.1ではカーソル移動の高速化が可能になったが、大勢のユニットが居る所だと処理落ちし、そこでもカクつく。
---結局、カーソル移動はユニットを避けるように行わなければならない様は、昔のバラエティ番組に例えて''「イライラ棒」''のようである。
//---一応カーソルの移動の高速化は可能だが、''なぜかユニットがいるマスに触れるとカーソルが突然停止してしまう''という謎仕様。カーソル移動はユニットを避けるように行わなければならない様は、''「イライラ棒」''と揶揄されるほどであった。
---こんな仕様であるにもかかわらずマップが無駄に広く、ユニットの移動速度まで遅い(移動の高速化は不可能)。少数の敵を倒すために画面を見渡し、長距離を移動させられ、とてもストレスが溜まる。

-戦闘中に中断セーブする機能がない。
--何らかの理由でプレイを途中で中断しなければならなくなった場合、またそのステージの最初から遊ばなければならなくなる。
--中断セーブは長丁場となりがちなこのジャンルでは定番かつ欠かせない機能であり、かなり初期から搭載されている機能である。技術面でも搭載不可能とも言える機能ではないと思われるのだが…。
---PS2版『ラングリッサーIII』では中断セーブも可能であった。クロスノーツ時代より開発スタッフの質が低下しているのだろうか。
---一応3DSにもスリープ機能はあるため擬似的に中断はできるが、あくまで低電力状態にしているだけなので電池の消耗などのリスクがある。

-基本的なインターフェースすらまともにできていない。
--出撃準備画面で敵ユニットの配置を確認できない。
---つまり、実際に進軍するまでユニットごとの相性(おなじみの“3すくみ”)が分からないということ。難易度が低いゲームであるがゆえ、分からなくてもどうにでもなってしまうのだが…
--レベル10到達ごとにクラスチェンジでき、2種類あるクラスのどちらか片方を選ぶことになるのだが、''選ぶ際に各クラスの詳細なデータを確認できない''。
---文字通りカーソルを合わせて選択した時点で、データを確認することさえもできずに強制的にそのクラスへとクラスチェンジしてしまうのである。中断セーブ機能もないので、もし気に入らなかったらそのステージの最初からやり直さなければならない。
---これに関しては更新データVer.1.1のアップデートにより修正されて確認後にキャンセルができるようになった。
--入手した装備品を''装備はできても“外す”事ができない''。そのため装備を外したければ別の装備品をいちいち装備しなおさなければならない。
---武器や防具ならまだ別にいいのだが、店売りされていない貴重なアクセサリーを間違えて目当てのキャラ以外に装備してしまうと、他にアクセサリーが手に入るまで装備が固定されてしまうことに。

-メインキャラクターデザイナーの変更と生じた難点。
--『I』から『V』までメインビジュアルとメインキャラを担当したのはうるし原智志氏。同氏はシリーズの顔ともいえるスタッフだが、『ミレニアム』以降は起用されていない。
--本作ではカイエダヒロシ氏が担当している。エクストリーム側は「新しい層にラングリッサーシリーズを遊んで貰いたいという想いがあったから」と公式発表しているが、やはりラングリッサーといえばうるし原氏の印象が強いため、戻してほしいという声は多かった。
---カイエダ氏は『[[超速変形ジャイロゼッター]]』のキャラデザインを担当するなど実績もあるが、ミスマッチな人選だったという印象が拭えない。
---本作のイラストやその他のカイエダ氏のイラストを見ればわかるのだが、そもそも氏の画風はデフォルメ寄りでそれこそ『ジャイロゼッター』のようなホビーコンテンツ向けである。色使いもアニメ塗りならともかく、本作のようなリアル調を意識した塗りと合っていないため、違和感がある。
---パッケージイラストと立ち絵のクオリティに明らかに差がある上、キャラによっても力の入れ具合に差がある。そしてゲーム中の顔グラフィックは、何故か揃いもそろって''口が半開きの間抜け面''。
--また、公式に記載された「鬼才カイエダヒロシ氏による血の通った魅力あるキャラクターたち」なる胡散臭い宣伝文句もユーザーを困惑させた。というかカイエダ氏本人もこんな紹介をされたら困惑するのではないだろうか。
---この一文はアレだったためか発売前に削除されている。

-劣悪なシナリオ。
--序盤の流れは大まかに、帝国軍が主人公アレス・ロヴィナーが住む街に突然襲撃を仕掛けてきたので、アレスは逃げ込んだ教会において成り行きでラングリッサーを手にし帝国軍を相手に戦うというもの。
--つまり、あろう事か伝説の聖剣であるラングリッサーを、''オープニングで偶然にもいきなり入手してしまう''のである。
---これだけだとさほど問題ではないと思われるが、これまでのシリーズではラングリッサーを入手するまでに様々なドラマが待ち受けていたということもあって、物語開始直後から初期装備としていきなり伝説の武器を入手してしまうと言うご都合主義的展開に違和感を感じるプレイヤーも多い。シナリオでもそれが特に活かされてるとはいいがたい。
---この部分はメタセリフが非常に多い『ラングリッサー モバイル』においても、とある人物の個人シナリオで「ご都合展開過ぎる」と突っ込まれている。
--これ以外にもシナリオ全体を通して内容が非常に薄く常に説明不足、投げっぱなし、ユーザー置いてけぼりで全体的に足りていない。誇張表現でも何でもなく、今現在何が起こっているのかをユーザーの脳内で補完するしかないレベルなのである。
---また、本作では『デア』や『IV』のように物語途中で異なる勢力に所属できるようになるのだが、シナリオが上記の有様であるだけでなく、基本的に本作の物語は主人公であるアレスの視点でしか描かれないため、この2作品の様な異なる勢力同士のドロドロの対立ドラマなどの要素は見られない。
---詳細が語られるケースが少なく、ステージによってはどうしてそこを訪れたのか、前後の状況が分からないまま始まることさえある。このため、妙に物語が淡々と進んでいく印象が強い。
---各ルートの仲間は、極一部の例外を除き、加入後は裏切ったりせず目立つセリフもやり取りもなく、ずっと主人公達に付き添ってくれる。半ば、シミュレーションゲームにありがちな喋らない汎用ユニットのようなものである。

-シリーズ最新作としての時系列が不明な上、細かい矛盾点も多い
--本作は外伝作ではなく、旧作でレギュラーの不老不死キャラ(ジェシカ。ボーゼルもリコリスの別人格として)が登場しているため、メインストーリーのどこかで起きた大戦であるのは間違いない。
--ラングリッサーシリーズの時系列は『III』→『I』→『II(デア)』→『IV&V』となっているのだが、本作がそれに対しいつ頃の話なのかイマイチはっきりせず、メーカーからの公式発表は一切無かった。
---作中でのキャラの会話や、『モバイル』における本作版ジェシカのセリフから、少なくとも『II(デア)』よりは後の物語だということは確定している。
---グレスデン帝国が『III』の登場人物のボーゼルの縁者を始祖としているという設定があるため、デア闇ルートから繋がると考察するユーザーも居るが、旧作のボーゼルと本作のボーゼルが同一人物とは限らないためどうとでも解釈できる域を出ない。((『ラングリッサー モバイル』ではダルシス帝国から連なる帝国だという、本作では語られない更なる独自設定が加わった))

--地理的には、大陸を囲む「ガイアの門」が現れて世界から隔絶され海面が上昇している設定で、『II』に登場したカルザス北東の山中にあった聖地レイテルが南の島として登場しており、湾を挟んで東にあったヴェルゼリアも南に長く伸びた半島のないヴェルゼリア島になっていて、その北西にバルディス大陸ガルド大陸がある。
---つまり、過去シリーズで地図から北に見切れていたエルサリア大陸北部だった場所が本作の主な舞台で''過去シリーズの舞台はほぼ水没している''とも推測できる。
---なお肝心の「ガイアの門」が何なのかは謎のまま。
--シリーズ最新作として見た場合、シリーズ経験者にとっては細かい所で矛盾点や違和感を感じ、整合性が取れていない部分が多い。詳しく書くと長くなってしまうので詳細は省くが、後述の「こうき」問題といい、シリーズを全く遊んだことのない者がシナリオを担当したとしか思えないレベルなのである。
---現在は『III』以外は過去作がゲームアーカイブスやバーチャルコンソールで配信されているので、「過去作が古過ぎて入手できなかったので資料だけを頼りにシナリオを作った」などという言い訳は通じないだろう。

-登場人物の1人である''ジェシカ''の扱い。
--これまでナンバリング作の全てに登場し、光の女神ルシリスの使いとして常に主人公達を導いてきた光の巫女だが、本作ではあまりにも雑に扱われ過ぎてしまっている。
--「女神の使い」という立場からか、知的で聡明で神秘的な雰囲気を纏う人物として描かれていたのだが、本作ではなぜかそのイメージとは逆の振る舞いが多い。
---老いて肉体に限界が来るたび赤子に転生しているキャラで、従来のシリーズでは転生して20年程度の肉体年齢で登場しており、知識は博識だが転生前の老婆の頃より能力的には未熟な扱い。今作では転生して11年程度の肉体年齢設定だった。しかし…。
---部屋の片付けができない、すぐに拗ねる、子供扱いされて怒り出す。更になぜか金をやたらと強調したり、戦時中だというのにいきなり何の脈絡もなく編み物を始めたりと、前作までの神秘的なイメージがない。それこそ何処にでも居そうな、悪い意味で外見年齢相応な俗物キャラになっている。
---人間味を足したかったのかもしれないが、旧作でその兆候が無かったため、これでは単なるキャラ崩壊である。シリーズを通してプレイしてきた熱烈なファンの人たちの中には、あまりの改悪ぶりに激怒した人もいたのではないだろうか。
---彼女の声を悠木碧女史が担当している事から、彼女の代表作の某アニメになぞらえ「''魔法少女ジェシカ''」という、ある意味不名誉な呼び名まで付けられる羽目になってしまった。確かにジェシカは女魔術師ではあるが…。
---ぶっ飛んだ性格付の一方で、本作の複数のルートでラスボス役を務め、自軍入りする光輝ルートでも最強クラスのキャラ、オープニングのキャラメイクを担当するなど、単純にキャラとしての扱いはむしろすこぶる良かったりする。
--尚、『IV』でジェシカと恋仲になった''マクレーン''は『ラングリッサーモバイル』だと旧ジェシカと他ジェシカを区別して接する。

-告白イベントの問題点
--本作には『III』『IV』『V』でも実装されていた、主人公が各ヒロインの好感度を上げて告白し恋仲になる「告白イベント」が実装されているのだが、これにも大きな問題点が存在する。
---前作までは各ヒロインの好感度は隠しパラメーター扱いだったのだが、本作では主人公にどれだけ好感度を持っているかというのが視覚的に分かるようになっている。好感度が一番高い状態の場合「恋仲の関係」だと表示される。これだけならまだ前作から進化したとも取れるのだが…。
---しかし、実際に''「恋仲の関係」となっている人物に告白してもなぜか断られるケースがある''。バグなのか仕様なのか不明だが、さすがにこれは問題ではないだろうか。どうやら好感度以外にも何らかの条件があるのだろうか。
---これは有志によるプレイ検証の結果、全キャラ共通で「恋仲の関係になってからもさらに好感度を上げ続ければOKで、それ以外の特殊な条件は一切ない」とのこと。
//↑内部データを検証したという話は発売一年内でも見たことがない。普通に何度もプレイしての検証なら某wikiでやった
---自軍に、「恋仲の関係」のキャラが複数居る場合だと告白失敗するケースが有る一方で、自軍内で目当てのキャラの好感度を一番高くしておくと告白失敗しない。本作、内部的な数値(好感度)が100だろうが200だろうが、表記上はどちらも「恋仲の関係」なのである。単に内部的な数値をゲーム上で隠しているから余計な誤解を生んでいるだけなのかもしれない。
---おまけに本作では[[リコリス・ロヴィナー>https://www.4gamer.net/games/290/G029062/20150306116/SS/001.jpg]]''(血の繋がった実妹)とも恋仲の関係になれる''。更に上手くやれば複数の人物と恋仲の関係になれたりする。それだけならまだハーレム化で済ませられるのだが、''なぜか男性キャラとも恋仲になれたりする''。しかも''7人中3人が告白成功時に裸になる''。''アッー!''
--これらの問題について開発者は「''好感度はアレスの単なる思い込みであって、本当に恋仲になっている訳ではない''」などと釈明している。あくまでも「''バグではなく仕様''」との事らしい。
---確かに上記の通りならば「恋仲の関係」だと表示されていても、実際には「アレスがそう思い込んでいるだけ」なのだから、告白された本人が実際にはアレスを何とも思っていない…というケースも考えられるのだが…。
---しかしそんな説明はゲーム中で一度もされておらず、説明書や設定資料集にもそのような記述はない。発売前のニコニコ生放送で出演者から指摘されるほどなので、ユーザーも同様の指摘をするのは予想できたはずだがフォローは無かった(アップデート後もこの部分の仕様は変わらない)。指摘され仕方なく苦し紛れの言い訳だけして逃げたと思われても仕方がないだろう。

-劣悪な戦闘アニメ
--本作の戦闘アニメは『III』以来となる3Dで描かれているのだが、''忌憚なく言えばその出来は「最悪」の一言。''これによって評価が即座に決定付けられたと言っても過言ではないひどさであり、''本作を端的に象徴するダメ要素''である。
--戦闘が始まると、出てくるのは''1.5頭身ほどの「チビキャラ」''。もはや「巨大な頭の下に身体がひっついている」というレベルで、シリアスさのかけらも感じられない。衣装もイラストと比べかなり簡略化されたものになっている。
//流石に↑の文までCOすると説明として成り立たなくなると判断し復活
//---一応説明しておくと、本シリーズは基本的には正統派ファンタジー寄りの作風であり、旧作でも戦闘シーンは高頭身のキャラの格好いい立ち振る舞いが魅力であった。→Iからチビキャラですぞ
---(表現という意味においては)グラフィックがFC以下。キャラが必要以上にデフォルメされている……というより、''「ビー玉」「豆電球」''とまで言われる程に酷い有様となっている。
--さらにキャラの動きが非常にもっさりしており、とてもテンポが悪い。
--戦闘とは言うが、実際は何が行われているのかがさっぱりわからない。というのも「前述した玉がトロトロ歩み寄る(実際は歩いているように見えない。というか下手したら足も見えない)」→「謎の光が出てくる(斬撃とか矢が飛ぶエフェクトのつもりらしい多分)」→「相手は死ぬ」といった謎のやりとりで表現されているため。
--騎兵系ユニットの戦闘は、「可愛い」のレベルにデフォルメされた馬に乗った頭身の低いキャラが、のったりのったりと敵に近づいていき、ぴょこんとジャンプすると''なぜか剣撃と火花が走って敵が倒れる''という、幼児向け作品かなにかと勘違いしそうなシロモノである。
--おまけに''魔術師系のユニットでさえも敵を殴りに行く。''前作まではちゃんと魔法で攻撃していたというのに、なぜこんなことになってしまったのか。
--あまりにも酷過ぎるので、本作での戦闘アニメはOFFにするのが推奨されている。(OFFにできなければ、今よりも更に酷評されていたのは間違いない)
---……というよりも、実際は誰に言われるまでもなく、''殆どのプレイヤーが自主的にOFFにする''有様であった。
---なお、この戦闘が初めて公開されたのは''発売直前''(前述したニコニコ生放送)である。
---ただし時間がかかるSRPGというジャンルゆえに、過去シリーズでもほとんどOFFにしていたプレイヤーは少なくなかった。
--戦闘用ボイスを聞きたければONにするしかない。各状況毎のボイスは結構種類がある。
---全て聞こうと思ったらクリティカル時のカットインボイスが大変だが、「ウェポンブレイカー」「アーマーブレイカー」「サウザンドダガー」といったスキルは確実にカットインが出るため重宝する。
---一部のルートではボーゼルに意識をのっとられ残忍な性格と化したリコリスがラスボスを務めるが、ボイスは残念なことに通常の無邪気なボイスのままだったりとここでも詰めが甘い。

-豪華声優陣の圧倒的無駄遣い
--本作の声優陣は前述の悠木女史、[[たかは>THE IDOLM@STER]][[し智秋>THE IDOLM@STER LIVE FOR YOU!]]女史、上坂すみれ女史など名の知られた顔ぶれが揃っているのだが、残念ながらフルボイスではない。
---本作において流れる音声は、基本的に「いくぞ!!」「レベルアップした!!」などの、俗に言う''「パートボイス」のみ''。テキスト上のキャラクターのセリフを声優陣が熱演してくれる訳ではないのが非常に残念。
---パートボイスの作品は現在でもある程度見られるものではあるが、本作はゲーム本編のテキスト量がそこまで多くないので残念がられている。
---何より本シリーズはキャラ性を高めるために、重要シーンなどで部分的にはフルボイスでやってきたという経緯がある。上記のさまざまな点と合わせて、作る側がシリーズの魅力を全く理解していないという証左だろう。
--パートボイスの使い方も下手。
---キャラ同士の会話の場面では、ボイスの口調・内容がテキストの文脈と全く合っていないことが非常に多い。恐らくデバッグ不足と思われる。手抜きにも程があるのではないだろうか。
---一方で告白時と個別エンディングは主人公のアレス側を除いてフルボイスで、こちらは表示される文字通りに読み上げてくれる。しかも断られる場合もフルボイスになっているのが救い。

-これまでのシリーズでは最早恒例となっていた、シナリオセレクトモードが本作では未実装。
--その代わりという意味合いなのか、本作は前作までと比較して難易度がかなり低く抑えられており、またクリア後にデータを引き継いで最初からやり直せる。
--だが今までのシリーズにおいて搭載され続けてきた(裏技扱いだが)システムが搭載されていないということで、反発したユーザーも多かった。本作は前述の通り非常にテンポが悪いので、好きなシナリオを任意に遊べないのは余計に不便だと言える。
---ちなみにクロスノーツが開発したPS2版『III』にも、シナリオセレクトモードは搭載されていない。こちらもそれを見越して難易度調整が図られているのだが、力を入れる所を間違えているのではないだろうか。
//--ちなみに実質エクストリームと同一企業であるクロスノーツが開発したPS2版『III』にも、シナリオセレクトモードは搭載されていない。こちらもそれを見越して難易度調整が図られているのだが、力を入れる所を間違えているのではないだろうか。

-本作では4つの勢力に所属できるのに、セーブデータが3つしか作れない。
--中盤から光輝ルート、帝国ルート、闇ルートの3つに分岐するが、さらにそれぞれのルート続行と別ルートに乗り換える2択の分岐によって「光輝ルート」(光輝ルート続行)、「帝国ルート」(帝国ルート続行)、「闇ルート」(闇ルート続行もしくは光輝や帝国からのルート乗り換え)、「独立ルート」(闇ルートから独立ルートへの乗り換え)、の4種類に分岐する。
---終盤残りステージ1つ(独立は最終ステージクリア時)という段階でグッドエンドとバッドエンドの2択の分岐があり、エンディングは8種類。
--これら全てのイベント、さらに全ての勢力のエンディングを観たいと思った場合、3つのセーブデータでは心許ない。
--『デア』でもSFC版・FX版共に同じ仕様だったのだが、こちらは両機種共にシナリオセレクトモードが搭載されていたので、分岐直前や終盤にジャンプでき、致命的な問題にはならなかった。
---だが本作では前述の通りシナリオセレクトモードが未実装な上にゲームのテンポが非常に悪いので、かなり面倒なことになってしまっている。

-準備画面の会話イベントシーンの内容について、独立ルート用のものが全く存在しない。
--会話イベントが起きなくなるわけではなく、どの仲間も、他のルート用の会話イベントをそのまま流用するという杜撰な仕様になっている。そのため、''独立していない''状況の話が語られてしまう。
---仕様自体が残念極まるが、もし独立ルートを真っ先にプレイした場合、そんな仕様の実態にも気付けないためいよいよもって意味不明なことに。

**賛否両論点
-難易度が低い。
--先述の敵AIの稚拙さに加えて、自軍キャラのレベルアップ頻度が凄まじいためすぐにクラスチェンジができ、どんどん強くなる。さらに店売りの装備品まで高性能。
---敵の強さはというと、終盤になるまでかなり控えめで、旧作に比べればいとも容易く勝利できるようになった。
---そのため、経験値を貯めるべく敵傭兵を意識して倒しまくる必要もない。強いて挙げれば、後半加入のキャラをどうしても一軍で起用したい場合に必要なくらいか。
---旧作は難易度が高めであり、経験値稼ぎは激戦の合間に行わないといけない設計だったため初心者に手厳しかった。救済措置のシナリオセレクトなどはいずれも攻略本などで手順を見ないと発生させられない隠し要素である。
---敵のステータスなどがバグで狂っているわけではないので、ショップの使用を自主的に封印して味方の成長を抑えてやれば、それなりに終始、旧作寄りのバランスでもプレイできる。ただのやり込みではあるが。

**評価点
-''セクシーな姿の女性キャラが沢山登場する''伝統は一応守られている。
--リコリスや''獣っ子姉妹''[[ポリアル・イテリメ>https://www.4gamer.net/games/290/G029062/20150624094/SS/004.jpg]]&[[ロナ・イテリメ>https://www.4gamer.net/games/290/G029062/20150624094/SS/005.jpg]]など特定の層には刺さるだろう。
---ジェシカも[[露出度の高い恰好>https://www.4gamer.net/games/290/G029062/20150221004/SS/001.jpg]]をしている。重ねて言うが、''当ジェシカは11歳のルシリス教総司祭''である。
--フルボイスの告白イベントも、尺こそ短いものの雰囲気はなかなか出ている。旧シリーズの演出に比肩できる数少ないポイント。

-クソゲーのお約束、良BGM。
--作曲を手がけたのは本シリーズの作曲を手掛け続けてきた岩垂徳行氏と福田康文氏、大井定光氏が参加している。
--BGMは一部が旧作BGMのアレンジだが、アレンジとしてはかなり上質のものに仕上がっている。序盤からいきなり『デア』の光輝ルート最終面の熱いBGMが流れるので、懐かしさと共にテンションが上がった旧作ファンも多かったのではないだろうか。
---ただしゲーム中のものはモノラル音源で、音質も良いわけではない((サウンドトラック(特典のものは歯抜けあり)や『モバイル』ではちゃんとステレオ音源のものを聞けるのでご安心を。))。
---また、発売日になったと同時に配信されたジェシカの3DSテーマは好評であった。使用されている元BGM故の好評でもあるのだが。

--これらのBGMは、大半が『ラングリッサーシュヴァルツ』からの流用である。
---といってもこの作品は開発が頓挫し、PVや試聴曲が公表されるもゲームはリリースされておらず、プレイしようがないので、本作でやっとBGMだけ日の目を見たともいえる。
---本作以前にも『ラングリッサートライソード』で流用されたこともあったが、こちらはこちらでサービス終了しておりやはり遊べない。
---その後『ラングリッサー モバイル』にも再度流用され、真の意味で日の目を見ることとなった。本作の主題歌もPVやCMなどで再利用されている。
---スタッフロール用BGMは本作専用の新曲である。

-準備画面にチュートリアルが常備されるようになった。
--ラングリッサーシリーズは、説明書を分厚くし、ゲーム内では初期のほうのステージで「熟練キャラクターが解説しつつ戦う」というイベントシーンを設けることで説明を行っていた。
--本作ではそれに加えてさらに準備画面でいつでも紙芝居形式のチュートリアルをゲーム内で見返せるようになった。シリーズのイロハ、基本要素の説明は丁寧なほうである。
---その割に、''本作独自システムの説明はやたらと薄い''。

-主人公以外の仲間になる指揮官が、全ルート合わせて28人と多い。
--色違いといった水増し気味な人物も存在しない上でこの数を実現しており、主人公と合わせれば計29人がプレイアブルキャラ。人数だけならシリーズ最多となっている。
---この人数のおかげで、準備画面の会話イベントシーンについては相当な物量がある。

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**総評
「''名作の看板を借りただけの“何か”''」……正にそうとしかいい様がない駄作である。~
あまりの酷い出来に旧作のファンは激怒し、開発者側が本来狙っていた新規層からもそっぽを向かれる結果となってしまった。~
一応、アップデートを行って遊びやすさが部分的に改善されたものの、現状でもSLGとしてはレベルが低く、風当たりは厳しい。

//ちなみに本作を発売したエクストリームは、メサイヤ関連の新作第2弾、3弾も企画していると公式発表している。~
//だが、本作の評判や売り上げ、そして[[過去の例>重装機兵ヴァルケン (PS2)]]からここまでファンの信頼を失ってしまったエクストリームが、果たしてどこまで巻き返せるのだろうか……~
//その過去の例よろしく「音沙汰なくそのままフェードアウト」も十分あり得ると考えるユーザーも少なくない以上、巻き返すための道程は決して平坦ではないことは説明するまでもないだろう。
//趣旨を無視した改変はやめてほしい←趣旨とはなにか? 叩きありきで文を書くのはよくないですぞ ここの編集はしてないが
//「未来の展望をいろいろ語った(結局全て消えた)」という点で似たものを感じさせるので、ヴァルケンを例として挙げてます。『ラング3』を出すのは不適切です。
//ありがちな微妙ゲーと評するにはあまりにも問題点が多すぎる
//『モバイル』などで風向きが変わったようにも感じるので、コメントアウトしてみた(一部はその後の展開に移動)

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**余談
-前述の開発元の社長は『ラングリッサーIII』以降のメサイヤ事業部長である。シリーズと縁深いメサイヤというブランドに思い入れがあり、復活を悲願としていた人物ではあるものの、開発チームの人間ではなくコンピュータゲームにも疎いとのこと。そして悪名高い『[[重装機兵ヴァルケン>重装機兵ヴァルケン (PS2)]]』のエグゼクティブプロデューサーでもあった。
--なお彼が再旗揚げしたエクストリームはクロスノーツともはや縁がなく、版権もNCSからメサイヤブランドの全著作権を譲受し、クロスノーツはその後休業している。
--エクストリームは旧メサイヤを抱えていた日本コンピュータシステムと同様にデジタル人材派遣や受託開発が主業であるが、メサイヤ出身者もいて自社ゲーム開発を望む声が多くあり、そのためにオンライン麻雀ゲーム『桃色大戦ぱいろん』が自社開発でリリースされた。(2008年サービス開始、2016年全てのプラットフォームでサービス終了。)。開発経緯の関係で外注したほうが効率的な部分もなるべく自社でやるという方針が貫かれた。
--本作はエクストリームの自社ゲーム開発第2弾にあたる。

-本作の惨憺たる出来は、評価となって明白に現れている。
--ニンテンドーeショップでは''発売から1年以上が経過した時点で平均☆1.5''と、''これまでに発売された3DSの全てのゲームでもワーストクラスの低評価''(内訳プレイヤーの実に8割以上が☆1)となった((ちなみにeショップでの評価は甘く付けられる傾向にあり、本作と同じく2015年KOTY携帯機部門次点の『パズルボトル』は平均☆3.5、2013年大賞の『ホームタウンストーリー』ですら平均評価が☆4となっている点を考えれば、本作の評価の低さがいかに突出しているかが分かるだろう。))((因みに2021年4月時点での評価は、平均☆2で、☆1を付けたプレイヤーの割合は6割強にまで減った。しかし、それでも3DS最底辺クラスの評価である。))。
--2019年8月時点で大手通販サイトAmazon.co.jpの評価も平均☆2とかなり厳しく、通常版は8割以上、初回限定版は7割以上のレビュアーから☆1を付けられている。

-幸いにして(?)本作の発売時期はジャンルがSRPGのゲームが沢山発売されていたためか、売り上げは伸びず被害者は少なかった。
--エクストリームの決算報告によると、本作の売り上げは初週こそ9000本を達成したものの、それ以降全く売れず、目標の売上高には遠く及ばなかったとのこと。人気シリーズだからというだけで売れる程甘くはないという事を露呈した結果となった。

-TVCMも2種類放送されたが、こちらも2種類共にゲーム画面はマップくらいと戦闘アニメを映していない。
--内1種類は女性キャラを前面に押し出すなど、まるでギャルゲーのような印象。

-ちなみに発売前に放送された前述のニコニコ生放送において、スタッフは「光輝」のことをドヤ顔で''「こうき」''と読むという大失態を犯していた。
--シリーズ作品を少しでも遊んだ経験がある人ならわかることなのだが、''本シリーズにおける「光輝」の一般的な読み方は「ひかり」''である。それさえも全く理解していないスタッフが続編を製作していたというのだから、シナリオ面の破綻はなるべくしてなった当然の結果であろう。
//---某氏が「ひかり」読みを気に入らずに、「こうき」へと改めたかったという可能性も考えられるが、真相は不明。仮にその通りならかえって性質が悪いが。

-そのあまりに衝撃的な出来栄えから、発売後1ヶ月を待たずして携帯機KOTYに選評が届けられた。
--先に選評が届いていた『[[パズルボトル]]』と共に、2015年携帯機KOTYの門番として並み居るクソゲーをことごとく追い返したという…。
--最終的に本作は、大賞作『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』(対応機種:PSVita)((2015年7月16日にサービスが開始された基本プレイ無料のRTS。劣悪なゲームバランス、原作再現性の乏しさ、エラーが多発しまともにプレイできない状態が長期間放置されたことなどが問題視された。2016年5月26日にサービス終了。))とは真逆に「アップデートである程度遊びやすさが改善された」という点により大賞争いから脱落。~
とはいえ『リリース時のままであったら大賞も有り得るひどさだった』と総評でわざわざ触れられている以上、根本的なレベルでは推して知るべしである。
---勿論大賞を逃したからといって、本作の出来の酷さや、ユーザーによる本作への酷評は何ら変わりはしないという点は記述しておく。
//所謂「お客様(KOTY用語)」や「動画評論家」対策に必要と考え復活。実際居るんだよ、KOTYはネタスレでしかないってのに「KOTY大賞以外はクソゲーにあらず」とかのたまう連中って…。
//(2018/01/01)バトルフォートレスに関する概要を脚注に追記。現在プレー不可能につき、記事作成が絶望的と判断したため。

-特典のサウンドトラックの説明詐欺
--本作の初回限定版には、本作のBGMを収録したサウンドトラックが同梱されているのだが……
---Amazonや楽天などの通販サイトでの説明文では「うるし原氏による、『I』と『II』に登場するクリスとリアナのイラストが入ったピクチャーレーベル仕様」などと書かれているのだが、''実際にCDに描かれているのはカイエダ氏による本作のジェシカとリコリスのイラスト''である。
---遅筆で知られるうるし原氏の都合や、各著作権の問題など、いろいろと大人の事情があったと思われるが、この文章はなぜか現在も修正されていない。

**その後の展開
-擁護困難なレベルのクソゲーではあるが、''何をトチ狂ったのか海外版も発売された''。
//--そもそもラングリッサーシリーズは、海外では『I』しか販売されていない。((海外では『Warsong』というタイトルで発売されている。))続編が全く発売されていない環境下において、シナリオが非常に理解しにくい本作を発売して大丈夫なのだろうか…。
//シリーズプレイ前提のシナリオで困るようなことはこのページで一切説明されてないようだけど。
//『I』しか発売されていない環境下でシリーズ最新作を出すこと自体が問題なのではないかと思う。いくら何でも削除は不当かと。
//シナリオが直接繋がってるような続編なら問題だろうけど、独立したシリーズ作品ならわざわざ書くことじゃないだろう。 過去作やっててもやってなくても評価変わらんだろ、このゲーム。
//公式発表はないがキャラクターのセリフから察するに『II』の続編ではないかと推測される。
//推測される程度の話でしかないならシリーズ出てなくても問題ないよ。
--これは売り上げ目標にまるで届かなかった本作の補填目的だと思われていたのだが、後に他ならぬエクストリーム自らが、公式サイトの決算資料(PDF)にて素直に補填目的だという事を認めた。
---過去資料は現在、エクストリーム社公式サイトのIRニュース→2015年→2015年11月17日 適時開示3月期(第2四半期)決算説明会資料 まで行くと読める。
--[[海外版公式サイト>http://aksysgames.com/langrisser/]]でも不自然なまでに実際のゲーム画面を公開していない。これを騙し売りと呼ばずして何と呼ぶのか。
---システム関係についても特に記載はないが、実際に海外版を触ってみると戦闘マップやメニューの仕様は部分的にだがオリジナル版より少し改善されている。但し改善されたのは本当に部分的で、しかも少しだけなのでユーザー評価を一変させる程には至っていない。
--[[メタスコアは35>https://www.metacritic.com/game/3ds/langrisser-reincarnation--tensei-]]。「絶対に買うな(意訳)」というレビューが投下されるなど、案の定、海外のユーザーからも酷評を受けている様子。

-本作を発売したエクストリームは、メサイヤ関連の新作第2弾、3弾も企画していると公式発表していたが音沙汰なく、そのままフェードアウトしていた。
--その後、自社開発ではなくライセンス許諾・監修の立場でいくつかメサイヤ関連作品のリメイクや新作がリリースされた。
--2021年、ネクストンの株式を15%取得して持分法適用会社化。2016年のぱいろん運営終了で最後になった自社開発のコンテンツプロパティ事業を再び拡充する意志を見せている。

//モバイル関連の記述が本作とは直接関係ない方向に肥大化していたため整理。
-2018年8月2日にスマートフォン用アプリとして、シリーズのキャラが共演するソーシャルゲーム『ラングリッサー モバイル』が中国で先行配信。他国でも順次配信され、日本でも2019年4月2日からサービス開始となった。
--本作のキャラクターも2020年1月から続々と参戦し、いつしか他作品よりずっと多くのキャラが集う事態に。
---2023年現在では、本作のプレイアブルキャラ29人中、26人と、敵専用キャラだったオウトクラト4世も参戦。しかも全員が作中で最高ランクのSSRキャラである。
---ただし容姿どころか設定・バトルスタイルが根本的に別物となった、別人化レベルの変更が加えられたキャラも少なくない。『ラングリッサー モバイル』ストーリー内の描写も本作のものと合致せず、本作以降を描いた場面も本作からは直接繋がらないほぼオリジナル展開となっている。
---『モバイル』ではアメルダ(同作のヒロイン)が本作を「''あのゲームっていろいろ人気なかったから(笑)、あなた達を知ってる人も少ないよ''」(意訳)と述べており、本作の不出来っぷりは公式公認のものとなってしまった。
---改変の成果もあってか、『ラングリッサー モバイル』に登場する本作のキャラたちは、ジェシカ((旧ジェシカを先輩と呼ぶ、もう別人と割り切ったようなキャラになっている))も含めうまく作中に溶け込んでいる。曲がりなりにもシリーズ作品としてきちんと受け入れられた結果とも言えるだろう。

-本作の主題歌が『ラングリッサー モバイル』にも転用された影響なのか、2019年12月に主題歌のフルバージョン(初出)が音楽配信サイトで販売開始された。ジャケットイラストは『II』主人公であるエルウィン(キャラデザは『ラングリッサー モバイル』版)。

-さらにその後、2018年8月22日にエクストリーム公式より『[[ラングリッサーI&II]]』の更なるリメイクが開発中であることが明かされた。
--今回は角川ゲームスが企画、販売を行い、開発はシティコネクションとキャラアニが担当。版権所有者のエクストリームは監修という形で参加する事となった。
--2019年4月8日にNintendo SwitchとPS4のマルチタイトルで発売された。詳細は[[こちら>ラングリッサーI&II (Switch/PS4)]]。
--なお角川ゲームスは2022年にKADOKAWAから独立して、株式会社ドラガミゲームスとしてエクストリームの子会社になっている。

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