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シンクロニカ - (2016/07/15 (金) 03:24:25) のソース

*シンクロニカ
【しんくろにか】
|ジャンル|音楽シミュレーション|初期版筐体&br;&ref(http://www.otogesai.jp/img/entry5.png,,width=250)|リニューアル筐体&br;&ref(http://bandainamcoent.co.jp/am/vg/Synchronica/img/figure_01.png,,width=250)|
|対応機種|アーケード|~|~|
|発売・開発元|バンダイナムコエンターテインメント|~|~|
|稼働開始日|2015年6月18日|~|~|
|判定|なし|~|~|
|ポイント|『太鼓の達人』の次段階を目指す音ゲー&br;作り込みは悪くないがとにかく地味&br;設置店舗数少なすぎで知名度も低い&br;マツコ「無理よこれ…」|~|~|

**概要
-[[太鼓の達人シリーズ]]で有名なバンナムによる「二人協力音楽ゲーム」という触れ込みの新たな音楽ゲーム。
--「二人協力」と言っても、一人ではプレイ出来ない訳ではないのでご安心を。

-「『太鼓の達人』をある程度極めた人が次にやる音ゲー」というコンセプトであり、『[[crossbeats REV.]]』程では無いが設計思想はややコアユーザー向け。
--とはいえUIデザインや低難易度譜面は簡単にすることで、ある程度間口の拡大を図っている。

**ゲーム概要
-自由位置式のタッチパネル音ゲー。他音ゲーで例えるなら『[[押忍!闘え!応援団]]』が構造としては一番近いと思われる。
-譜面の難易度はNORMAL、ADVANCED、TECHNICALの3段階((ただし2016年のエイプリルフールネタとして「PANDORA」という第4の難易度が1日限りで追加されていた。一人プレイでもライフゲージが出現し、連続5回ミスで強制終了になるが、ライフゲージを回復させることは可能。後に「PANDORA」で出して欲しい曲や仕様についてアンケートを募集している。))。
--一部の楽曲のTECHNICALはADVANCEDでAランク以上か「UNBROKEN COMBO」を達成する必要がある。
-マーカー(ノート)の種類は以下の通り。
--タッチ
---マーカーの外枠から球が入ってくるので、球と外枠が重なった瞬間にマーカーをタッチする。
--ホールド
---タッチと同様に球と外枠が重なった瞬間にマーカーをタッチ。そのまま押し続けると外枠に沿ってゲージが左右から伸びるので、伸びたゲージが触れた瞬間に離すとボーナス(リリースボーナス)。一瞬だけなら離してしまってもホールドは維持される。
--ムーヴ
---ホールドと同様に押し続けるが、押しながら終点まで移動する必要がある((移動する軌跡と最適なスピードも表示されるが、実は終点に移動するだけでよく、軌跡もスピードも判定には影響しない。))。ホールドと同じく左右からのゲージが触れた瞬間に離すとボーナス。ちなみにこれも一瞬だけ外れても大丈夫。
--スワイプ
---大きい弓型のマーカー。同じ弓型のシルエットがマーカーと重なる瞬間、指定の方向に向けて滑らせる。
--フリック
---スワイプと同様に素早くドラッグするノーツだが、「タッチ」と同じ程度の大きさ。難易度ADVANCED以上の譜面でのみ出現。
-判定はPERFECT、GREAT、GOOD、FAST/SLOWの4段階。
-判定によって画面左上のCLEAR RATEが上昇。演奏終了時に70%を超えていればクリア。なおホールド、ムーブのリリースボーナスはここには関与しない。
-リザルトでは演奏中のCLEAR RATEにリリースボーナスの取得率、コンボの継続率がそれぞれ最大10%ずつ加算される。よってCLEAR RATEの理論値は120%となる。
--これを元にRz(Rezonated、リリースボーナス含めて全てPERFECT)、AAA、AA、A、B、Cとランク評価がされる。
-スコア計算はPERFECT10点、GREAT8点、GOOD4点、FAST/SLOW0点で計算され、曲終了後にリリースボーナスの判定分と最大コンボ数の10%が得点として加算される。
--よってスコアの理論値はノーツ数×12になる。

**特徴
-二人協力を推すため、1筐体は2画面が横に連なる構造をしている。
--片側で1人プレイも可能。この場合、左右それぞれで独立して1人プレイを行う事も出来る。
--2人プレイではコンボを繋ぐマルチコンボという要素が追加される。目標を開始前にマルチミッションで選択し、その分を達成する事でミッションクリアとなる。
---ライフゲージは連続5ミスまでは耐えられる。どちらかのライフが残っている限りマルチコンボは継続され、上手く演奏出来ればゲージも回復していく。
---ライフが尽きた状態でミスをすると、ライフ1つ分回復するまでマルチコンボは減少し続ける。
--曲の終盤になると「Sync Burst」が発動しマルチコンボの増加数が増える。
--二人で同時に同じ判定を取るとSYNC判定となり、曲が終わるとSYNCの達成率に応じてマルチコンボにボーナスが加わる。
--曲終了までマルチコンボを継続させた場合は「UNBROKEN COMBO」となる。

-オプションについて
--デフォルトでは「ノーツのタイミング予告速度がBPMに依存する」仕様のため稼働時点ではBPMが早ければ早い程ノーツの予告時間が短くなる欠点を抱えていた。
--アップデートにより「タイミング予告速度をBPMに依存させず一定にする」オプション((他音ゲーで言えば『beatmania IIDX』のREGUL SPEEDのような感覚。))、ハイスピードオプション、ノーツサイズオプション(見た目のみで判定範囲は変わらない)が追加され、自分好みに設定できるよう改善された。

**評価点
-自由配置方式によるアクション性の高さ
--マーカーは画面上どこにでも配置されるため画面全体をフルに使って演奏する必要がある。さらにムーヴやスワイプ/フリックの存在によって、タッチパネル音ゲー随一とも言える高いアクション性を持っている。
--自由配置式だからと言って、視覚的などに辛い配置はあまり無いといった配慮はキッチリされている。

-ビジュアル面の良さ
--各曲には専用の背景ムービーと固有のタッチエフェクトが搭載されている。
--タッチパネル音ゲーではそこそこ演出に拘られているゲームでもあり、ノーツ種類や曲の場面ごとに多彩なタッチエフェクトが出現する。例を挙げるなら「夏祭り」における夜空の背景に対する花火のエフェクトや「紅蓮の弓矢」における炎のエフェクトなど。天下一音ゲ祭参加に際して『太鼓の達人』から移植された「きたさいたま2000」では背景に埼玉県図が出現し、譜面では歌詞通り(元)埼玉県北埼玉郡をホールドさせる構成になっておりプレイヤーの笑いを誘った。

-スクリーンショット機能
--演奏中のミス、PERFECT/GREAT/リリースボーナスを逃したなどのプレーに関する印象的な場面と曲中でのビジュアルエフェクト、リザルト画面が自動的にスクリーンショットとして保存されており、リザルト画面で見ることが出来る。さらにこの内5枚を保存することができ、連動サイトのシンクロニカラウンジから最新50枚がいつでも見られる。
--ビジュアルエフェクトはノーツが取り除かれた状態で保存されるためビジュアルをじっくりと見ることが出来る。

-やりこみの深さ
--上記のようにCLEAR RATEにはコンボとリリースボーナスが関わっている。
--『maimai』などと違いこのゲームの長押し終端は初見では対応しづらく、理論値取得には反復や研究が必要。『crossbeats REV.』とは違った方向性で奥深さを生み出すことに一役買っている。
--またクリアするだけならコンボやリリースボーナスに関係なく単に良い判定を取ればいい設計になっているので初見でもクリアするのはそこまで難しくはない。

-イヤホンジャック搭載
--太鼓の達人では環境によってはスピーカーが聞き取りづらく、外装の仕様上イヤホンジャックの後付けは難しい。しかしシンクロニカでは標準搭載で気軽に使用可能。
--画面左下のヘッドホンマークをタッチした後、表示されるバーをスライドして音量調整が出来る。

-一部の楽曲チョイス
--太鼓の達人に続くと言う事もあり、あちらから「さいたま2000」や「エンジェルドリーム」等のオリジナル曲が移植されている。
---こちらは『太鼓の達人』でも人気のある曲のためチョイスとしては好評。
--他にも「シンデレラガールズフェス」と題して『アイドルマスター シンデレラガールズ』の楽曲を収録するイベントが行われ、他音ゲーはもちろん太鼓の達人にも収録されていない同タイトルからの楽曲が収録されている点は評価できるだろう。更に難易度ADVANCED以上でフルコンボすればアニメの映像が導入される特殊な演出も用意されている。
--オリジナル楽曲である「Synchronicity」や「God Ray」等高評価を得ている物もあり、太鼓の達人にも数曲が相互移植されている。

**問題点
-楽曲面の決定打の無さ
--楽曲は定番J-POPとアニソン・ゲーム音楽、クラシック、ボカロ・東方アレンジと一通りそろえているが、正直決定打に欠ける面子。
---「他機種で収録されている有名曲を一通り揃えている」とも言えるが、「他機種の使い古し・出がらしを集めただけ」という見方もできる。
--音ゲーはゲーム性はもちろん、インパクトのある機種独自の楽曲も重要な存在であり、そういった面で本作は安易な人気曲を一通り集めただけで、独自性をほとんど発揮できていない。
---アップデートにより万遍なく着々と収録曲は増えてきているが、インパクトのある選曲という意味では現時点でもあまり出来ていない。
--ナムコの顔でもあろう『アイドルマスター』(THE IDOLM@STER)シリーズ楽曲を多数収録しているが、その選曲の片寄りも問題の一つとなっている。
---メインと言える765プロダクションの楽曲は「MUSIC♪」のみ。
---『アイドルマスター シンデレラガールズ』の「-LEGNE- 仇なす剣 光の旋律」もアニメジャンルではあるがデフォルト収録。
---その後イベントで「メッセージ」「Star!!」「Memories」「Trancing Pulse」「M@GIC☆」「LET'S GO HAPPY!!」「Heart Voice」「GOIN'!!!」が収録されるがいずれもアニメでシンデレラガールズの楽曲である。
---なお『アイドルマスター ミリオンライブ!』の楽曲に関しては''一曲も収録されていない}''((ちなみに太鼓の達人においても「Thank You!」一曲のみ。なぜバンナムはミリマスを冷遇したがるのか…付け加えれば、876プロのDearly Stars楽曲及びJupitarなどsideMの315プロの男性楽曲も未収録だが、両者とも太鼓の達人には一部収録されている。))。
---キャッチーでテンポもノリも良くニコニコ動画などで話題にもなった「GO MY WAY!!」や「キラメキラリ」などもまさかの未収録。なぜこういった人気曲を使わないのか。
--問題点…とは言えず余談でもあるが、「バラエティ」はバラエティという皮を被った「東方アレンジ」フォルダである。
---他社の『[[GROOVE COASTER]]』『ビートストリーム』『CHUNITHM』などはしっかりと『東方アレンジ』としてカテゴライズされている。
---やはり収録曲の少なさもあると思うが、太鼓の達人のようにCMオリジナルソングやお笑い芸人の持ち歌など入れれる余地はあったはず。

-パッとしないジャケット
--オリジナル楽曲・カバー楽曲におけるジャケットがムービーの一部の一枚絵そのもの。
---それどころか一部を除いて楽曲名もアーティスト名も表記されていない。悪く言うなら手抜きである。
---楽曲イメージキャラとしてイケメンや美少女を描かれたジャケットは数多に存在し、半乳などのエロ衣装など。逆に筋肉ムキムキの裸マッチョやそれの褌などで笑いを誘うジャケットも多く存在する。言うなれば楽曲同様''インパクトに欠ける''。
--「第二回 天下一音ゲ祭」の課題曲であった「夜明けまであと3秒」はムービー引用そのものだがクオリティも高く曲名も入っている。
--本人歌唱の楽曲はちゃんと本人のものを使用している。
---先程の「MUSIC♪」もゲーム内で使用されているもの。
--一部では「ジャケットの必要は…」との声も。
--しかし製品版のゲーム内での表示はないが太鼓の達人の公式サイトのイメージジャケットの一部も手抜きと言えば手抜き。
---シュガーソングとビターステップなど。
--余談になるが「ロストワンの号哭」も初めは机とハサミの公式PVをイメージした凡庸ムービーの一枚絵ジャケットだった。
---現在はタイトルこそはないものの、例の背合わせのジャケットに戻されている。

-全体的に漂う地味な印象
--筐体は見た目も形状も非常にシンプル、さらに白とオレンジのカラーリング、まだ電飾も一切ないなど非常に地味。初心者が威圧感を覚えないように、との事なのかもしれないがシンプル極まって地味過ぎる。
--UIも水色を基調としたこちらもシンプルな配色。ゲーム全体を通して抽象的なビジュアルで構成されている。画面もゴテゴテせずオシャレかつ格好良くはあるのだが、いかんせん派手さに欠けるため他の音楽ゲームと比べるとどうしても見劣りしてしまう。

-イベントに関して
--楽曲に関しては大部分が無条件追加であるが一部の隠し楽曲と隠しマーカーの解禁条件が指定楽曲数曲を「『ADVANCED』以上でフルコンボ」もしくは「2人とも『ADVANCED』以上でUNBROKEN COMBO」に設定されている。当然ながら初心者には厳しい設定であり、UNBROKEN COMBOの方が達成しやすい関係上仲間のいない1人プレイヤーにも厳しい。
---ただし指定楽曲1つを何度もやることでも解禁可能。だが何故か筐体上のみ、しかも一瞬しか説明されない。

-設置店舗数の少なさ、及び知名度の低さ
--2016年5月21日時点で''172店舗''と設置店舗数が極端に少ない。バンナムグループの直営店にすら設置が少なく、1台も無い、あるいは1店舗しか設置されていない県も多く、場合によっては「遊びたくても設置店がなく、遊ぶことができない」という事態に陥ることも。
---同時期に稼働した作品で例を上げると『crossbeats REV.』が587店舗、『CHUNITHM』に至っては''1170店舗''(共に2016年6月18日現在)と圧倒的な少なさが分かるだろう。
--加えて、宣伝等も全くと言ってよいほど行っていないせいで設置数の少なさも相まり知名度がとにかく低い。勝手にユーザーから寄ってくると思ったのだろうか。店によってはインカム低迷により店の奥に追いやられてさらに新規の目に付きづらくなるという悪循環まで起こっている。
---なお、本作の稼動は『CHUNITHM』や『crossbeats REV.』よりも若干だが早く、当時は新作音ゲーが存在していないというスタートダッシュを決めるのに絶好の環境であり、立ち回り次第では後続の作品群に大きく差をつけることも不可能ではなかった。にも関わらず稼動当初から積極的な行動に出ることもなく、『CHUNITHM』の台頭を許す事になってしまったのが残念でならない。

**総評
アクション性やビジュアル面、奥深さなどポテンシャルを持ちながらもシンプル過ぎる見た目や決定打の無い楽曲面、アピールポイントの「二人協力プレイ」による誤認((上記のように1人プレイが可能でかつそれによるプレー上のハンデは一切無い。イベントでは上記のように条件達成の難易度は下がる。))、宣伝不足による知名度不足、そして何より設置店舗不足によってポテンシャルが伝わる土壌が育っていないのが現状である。~
更に同時期に稼働した『crossbeats REV.』共々、『CHUNITHM』に話題を掻っ攫われてしまった点は致命傷。~
稼動から一年経った現在でも人気は低迷しており、復活の兆しは見えていない。今後のアップデートに期待したいところ。~
//稼働から一年経ち、第2回天下一音ゲー祭の参加作品に選ばれるなど芽は出てきているが、魅力を伝えられる土壌を作れるかでその先が決まると言っても過言ではないだろう。

**余談
-売り込み方針
--ロケテ時から筐体背面のポップには大きく「太鼓の達人に続く!!」とロゴ入りのキャッチコピーと「和田どん/かつ」が鎮座しており、『太鼓の達人』の威を借りているのが丸分かり。いくら新規の作品で知名度がないとは言えこの節操のない売り込みには批判的な声が大きい。

-第2回天下一音ゲー祭に参加した事により、同じく新規参戦機種の『[[SOUND VOLTEX]]』と共に第1回の予選楽曲4曲が移植された。
--いずれも全て最高難易度だが「きたさいたま2000」は他の3曲を引き離すボス曲となっている。バンナム自社製曲の意地というところだろうか。

-マイナー機種ではあるもののテレビ番組「マツコの知らない世界」の音ゲー特集にて紹介されたのは本作だった。
--マツコ・デラックス氏もプレイするが、高難度だったため「無理よこれ…」とコメント。
---音ゲーマーには汎用性の高いそのシーンがコラ画像の素材になったり、何故か''番組とは全く無関係の''『crossbeats REV.』にて称号として登場する等、それなりに話題を集めた。