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クレヨンしんちゃん2 大魔王の逆襲 - (2018/01/27 (土) 10:08:41) のソース

*クレヨンしんちゃん2 大魔王の逆襲
【くれよんしんちゃんつー だいまおうのぎゃくしゅう】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000068GXT)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|さんえる|~|
|発売日|1994年5月27日|~|
|定価|6,800円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|あまりにも薄い内容&br()キャラゲーなのに登場キャラが少なすぎる&br()ハイグレ要素絶無&br()ゲーム性は改善されているが薄い内容で全てが台無し|~|
|>|>|CENTER:''[[クレヨンしんちゃんゲームリンク>クレヨンしんちゃんシリーズ]]''|

**概要
-1993年の夏に公開された映画『クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』の続編のゲーム。
-しんのすけ達の活躍で撃退されたハイグレ魔王が再び地球侵略を仕掛けてくる。
-ハイグレ魔王に捕まってしまったアクション仮面を救出するべく、しんのすけを操作してアクション仮面が囚われている牢の鍵である「コーワシストーン」を集めるのが主な目的。

**システム
-基本的には前作『[[クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ園児]]』をベースとした横スクロールベルトアクションである。~
敵を倒しながら先に進むタイプ。
--ただし、ステージ2,5,7は純粋な横スクロールアクションになっている。
--ステージの最後に待ち構えているボスを倒せばステージクリアになる。
--ステージごとに時間制限があり、あまり長くは無いのでのんびりしたプレイはできない。
-攻撃手段も前作とほぼ同じで「ジャンプからの踏みつけ」「敵が投げてきたものを拾って投げ返す」の2つ。
--そのほかに、道中の敵が落とす「アクションビーズ」を使って、ステージ道中に設置されているガシャポンから入手できる4種類のストックアイテムがある。入手後、任意のタイミングでAボタンで使用可能。一部のアイテムは前作からの流用だが、効果は大きく異なる。
---アクション仮面:一定時間しんのすけがアクション仮面に変身する。Yボタンでアクションビームを撃てるようになる。
---ぞうさん:下半身を出してぞうさんパオーンをやる。画面内のすべての敵にダメージを与えられるが1回きり。
---音符:しんのすけが半ケツフラダンスをやる。ぞうさんと同様にすべての敵にダメージ。
---こうもり:一定時間しんのすけがこうもりのマスクと羽を装備する。効果中は体当たりするだけで敵にダメージを与えられる。

**問題点
-ゲームがあまりに短い。わずか8ステージ。
--4ステージに各5エリアの全20面で構成されていた前作と比べて半分以下のステージ数になっている。また、マップも非常に短い。
--ステージごとにボスがいるが、それを含めても1ステージあたりの所要時間は約3分。30分もあればクリアできてしまう。このためゲームの価格とボリュームが非常に不釣合いである。
---ただでさえステージ数が少ないというのに、ステージ6は開始してすぐにボス戦が始まるバトル面になっている。当然ボスが複数存在するなんてことはなく、このボスを倒した時点でステージクリアである((ボスそのものはステージ内部をあちこち逃げ回り、それをしんのすけが追跡していく構図になっているので、ずっと1画面内ですごすわけではない。))。
--このボリュームのなさは本作を代表する不満点であり、多くのレビューサイトでも必ずと言っていいほど挙げられる。前作は様々なミニゲームや住人との会話イベントが用意されていただけになおさらである。

-前作の各所に用意されていた、しんのすけと他キャラ同士の会話が完全削除されている。
--前作では探索・謎解き要素が用意されていたため、道中の各所に攻略ヒントとしての会話シーンを用意する必要があったのだが、今作は一本道を進んでいくだけの構造になっているためか、前作のようなキャラ同士の掛け合いがほとんど存在せず、しんのすけもボス戦後に一言二言発言する程度で終わってしまうため、前作のようなメリハリのある漫才トークを楽しむことができない。
--本作は映画の後日談という設定なのだから、漫才トークを通して映画出演キャラのその後や現在の心情を語らせるなど、攻略のヒントとしての需要はなくとも、会話シーンを入れる余地はいくらでもあったはずである。

-キャラゲーなのに登場キャラが少ない&扱いに疑問。今作のストーリーはしんのすけとハイグレ軍団の戦いに焦点が絞られているため、ある程度は仕方ない部分もあるのだが、それを踏まえてもキャラゲーとしては出演数が寂しい。
--リリ子・ミミ子や幼稚園の先生達、ひろしやみさえはまったく登場しない。
--北春日部博士はステージ開始時やボス戦前の助言役として、顔グラとセリフのみの登場。
--映画ではハイグレ軍団の幹部だったハラマキレディースはなぜか雑魚敵になっている。Tバック男爵に至っては未登場。
--一方でステージのボスには「ブランジャー」「パンチラス」といったゲームオリジナルキャラが就任している。
--しんのすけの友達勢4人も捕まっており、おかしな姿に改造されてボス敵として立ちはだかる。
---魔女っ子ネネちゃんや風間ロボ((ネネちゃん、まさお君、ボーちゃんと戦うのは1度だけなのに対し、風間くんのみ何故か2回戦うことになる。元々風間くんはしんのすけのライバル的ポジションのキャラだったので、それが反映されているのだろう。))はまともな部類であるが、ゴキブリに改造されたまさお君はあんまりにもあんまりな扱いである。ちなみにボーちゃんは鈴虫の姿に改造されて登場する。

-しんのすけにのみボイスが少しあるが、音質があまり良くない。
--さらに全体的に棒読みなのも無視できないところである。全体的に前作から劣化してしまっているといわざるを得ない。

-原作映画らしさの無さ
--映画は地球侵略のために人々にハイレグ水着を着せて洗脳するハイグレ軍団の脅威が、子供向けながらも印象に残る作品である。しかし、ゲーム中ではハイレグ水着を着せられて洗脳された人間はまったく登場しない。
--唯一ハイグレ魔王が着用しているのみ。劇場アニメの続編にする意義がほとんど感じられない。

-これらボリュームや演出に圧倒的な物足りなさを感じさせる最大の原因として、前作比で1/3に減らされたデータ容量が挙げられる。
--前作は12メガビットだったのに対して、本作は4メガビットしかない。内容抜きの比較でおこがましいが、スーパーファミコン本体同発の『[[スーパーマリオワールド]]』と同じである。
--当時はゲームの大容量化に伴うソフトの価格上昇が進む一方で、あえてデータ容量を少なくして定価を抑えるソフトもいくつか見られた。
---しかしその多くがもともと大容量を必要としないレトロアーケードゲームの移植や新作パズルゲームであり、「ボリュームたっぷりの前作から様々な要素をそぎ落とした続編」という本作のようなケースは珍しい。クオリティを削ぎ落としてまで低容量化する意味はあったのだろうか。

**評価点
-ゲーム中のドット絵はそれなりに手が込んでいる。
--ハイグレ魔王の股間もしっかり山になっている。

-システム面は前作から改善された部分が多く、アクションゲームとしては悪くない出来。
--宇宙空間での宇宙遊泳や海底でのシューティングなど、色々なギミックが用意されているのは評価できる。

-BGMの質がよく、特に海底ステージの曲の評価が高い。
--タイトル画面では当時のアニメ版の主題歌『オラはにんきもの』がインストで流れる。


**総評
ゲーム性やシステムを見るならばバランス的に歪だった前作からの改善が見られるものの、今度は内容が薄すぎるという大きな問題を抱えてしまった残念な作品である。~
定価6,800円と、この時代のスーパーファミコンソフトとしては安価ではあるが、やり込みが重視されるコンシューマー向け作品でこのボリュームは1ゲームとしては薄すぎる上に、キャラゲーとしても敵のモチーフに映画の設定を使った程度でしかなく、とても価格相応とは言えない。~
まさに「[[キャラゲーに名作なし>用語集/ジャンル/1]]」のテンプレにハマってしまったと言える。~
せめてゲームとしてのボリュームが十分にあればこのような評価をされることはなかっただろう。

**余談
-今作の攻略本にはおまけマンガとしてゲームとは異なる展開でのハイグレ魔王の逆襲するストーリーが掲載されている。
--リリ子やミミ子、Tバック男爵といったゲームで出番のなかったキャラも出演している。
--プレイヤーの中にはゲーム本編よりこちらのマンガのほうが印象に残っているという人もいるぐらいである。