*Mega Man (北米ゲームギア版) 【めがまん】 |ジャンル|アクション|&image(http://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/b/bf/Mega_Man_%28Game_Gear%29_Coverart.png,height=160)| |対応機種|ゲームギア|~| |発売元|U.S.GOLD|~| |開発元|Freestyle|~| |発売日|1995年10月2日(北米のみ)&br;(※日本未発売)|~| //|定価|不明|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~| |ポイント|ゲームギア唯一のロックマン&br()緑色のスターマン&br()曲ショボい&br()これ足場続いてるの?&br()ワイリーの死体を吸収するロックマン|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -ゲームギアでアメリカでのみ発売されたロックマン。U.S.GOLDがカプコンのライセンスを取得して発売したゲームである。 --ファミコン版の『[[4>ロックマン4 新たなる野望!!]]』と『[[5>ロックマン5 ブルースの罠!?]]』がベースになっており、前半はボス4体、後半は順固定でボス2体+ラスボス1体とワールドシリーズを意識した作りになっている。 ---- **システム -内容は『4』と『5』の一部ステージ+αをファミコン版からほぼそのまま移植したものとなっている。 --ボスは『4』から「ブライトマン」と「トードマン」、『5』から「ウェーブマン」「ストーンマン」「スターマン」「ナパームマン」が登場する。 --タイトル画面で難易度選択が可能。「NORMAL」と「HARD」の2つ。難易度によって敵の数が変わる。 --サポートアイテムは「E缶」と『5』の「ニューラッシュコイル」が登場する。 -前半はブライトマン、ストーンマン、スターマン、ナパームマンの4体を好きな順から攻略し、後半はウェーブマン→トードマン→2のクイックマン(ステージのみ)→ワイリーカプセル(ラスボス。『5』のものがベース)という流れで進行していく。 --ブライトマンの「フラッシュストッパー」は性能が変更されており、『[[6>ロックマン6 史上最大の戦い!!]]』の「ケンタウロスフラッシュ」のような画面全体攻撃となっている。 --ウェーブマンは弱点を突く事が出来ず(前半4ボスの武器は決定打にならない)自力で倒さないといけない。 -本作はロックマンシリーズでは珍しくゲームオーバー後のコンティニュー''不可''。そのままタイトル画面に直行する。 --コンティニューは従来通りパスワード方式。なおパスワードはステージクリア時にしか表示されない。 ---- **評価点 -ハード性能の関係もあってか、ファミコン版に比べると色のパターンが多くグラフィック''だけ''は豪華。 --『5』ではBG(背景)に描かれていたウェーブマンステージの中ボス、『オクトーパーOA』も本作ではちゃんとスプライトで描かれている。…そのためかは知らないが、『5』の半分程度のサイズに縮んでしまっているが。 --特にクイックマンステージは『4』のリングマンステージのマップチップが追加されていたりレーザーのエフェクトが派手になっていたりと優遇もとい力が入っている。 ---ちなみに『[[ワールド>ロックマンワールド]]』ではボスとしてクイックマンを含む一部『2』のボス達が登場したが今作ではステージのみと真逆の恰好となっている。 -『ワールドシリーズ』でハブられていたウェーブマンとスターマンは本作で携帯機初参戦となる。 ---- **問題点 -4Mbitロムカートリッジを使っているにも拘らず、全8ステージとボリュームが少なめ。 --トードマンステージクリア後のクイックマンステージもボスのクイックマンがおらず、どうにも尻切れトンボな印象が拭えない。 ---仮にクイックマンからクイックブーメランを入手出来たとしても、後に控えるのはワイリーとの戦いのみなので武器を活用出来るかどうかは怪しいと思われる。中途半端に『2』のステージを捻じ込むくらいなら『4』か『5』のワイリーステージの流用でも良かったのでは? -色々と雑な部分、中途半端な部分が多い。一部のユーザーからは「作りかけ」「β版」と評される事も。 --ステージセレクト画面のスターマンは何故か''緑色''である。実際のゲーム中では茶色となっているが。 --ウェーブマンステージでは何故か本作不在であるはずの''グラビティーマンのステージ曲が流れる''。肝心のウェーブマンステージの曲はどういうわけかゲームオーバーで流れる((イントロ部分が1ループ流れた直後にタイトル画面に移行してしまうので最後まで聴けないが、ゲームの内部データにはフルコーラス収録されている。))のだが、だったらそっちを使えよと言いたい。 --トードマン(蛙)の弱点武器はウォーターウェーブ(水)となっているのだが、''水に弱い蛙''というのはいかがなものか…((余談だが『2』のメタルマンや『3』の8ボス全員は自分の武器が弱点という特性があり、スパークマンにスパークショックが効くと言った首を傾げたくなるような仕様はあるが、再戦時の隠し要素みたいなもので問題視される事は殆どない。))。 ---''シリーズ最弱と言われる程弱いトードマン''が後半のボスを務めている等、この辺りのチョイスにも疑問が残る。 --ブライトマンの特殊武器「フラッシュストッパー」が仕様変更された為、トードマンの「レインフラッシュ」と役割が被ってしまっている。一応威力の違いで差別はされているのだが…。 ---「レインフラッシュ」は残りの2ステージでしか使えず、燃費が非常に悪く4回しか撃てないので殆ど出番は無い。 ---加えて言うとその残り2ステージの内、クイックマンステージはトラップの突破がメインの構成で雑魚との戦闘は僅かであり、ワイリーステージは実質ラスボスであるワイリーとの戦いのみ。これらのステージで画面全体攻撃をどう使えと… ---原作の「フラッシュストッパー」はボス戦においても動きを止めてしまい、単調作業になる欠点があったので変更したのかと思いきや、この武器を弱点とするボスはおらず、ローテーションが完成していない。さらに武器性能まで他と被るとあっては不可解な変更と言わざるを得ない。 ---『[[ワールド2>ロックマンワールド2]]』の「サクガーン」のような、同じく終盤で入手出来るものの、癖がありすぎて全然使えないという訳ではないのが救いだろう。更にフォローを付け加えると難易度HARDでクイックマンステージに出現するスナイパーアーマーを楽に屠れるので攻撃力に関して言えばトップクラスの性能である。 --サポートアイテムがよりにもよって否定意見の多かった『5』の「ニューラッシュコイル」である点。ステージの構造上攻略に必須となる場面が存在しない((通常のジャンプでは届かない足場にあるアイテムを取る以外に使い道はない))ものの、これは従来のラッシュコイルで良かったのではないだろうか? --曲のアレンジも雑。曲によっては音が外れてたり「みゅーん」というマヌケな音が鳴ったりする。特にクイックマンステージの曲はイントロ部分が電話の呼び出し音のような音で誤魔化されており酷い。 ---ウェーブマンステージ(グラビティーマンステージ)の曲は後半のサビの部分が丸々カットされている。 -本作はファミコン版のステージを画面とキャラクターの比率を考えずそのまま移植しているので、ステージによっては先の地形が見えず奈落なのか足場が続いているのか、はたまたトゲが設置されているのかが非常にわかりにくい。 --ファミコン版のステージ構成を熟知しているならさほど問題にならないが、プレーした事のない人にとってはこれが特に顕著。 --本作オリジナルのステージが存在しないのはこの仕様に配慮しての結果なのだろうか…。 -スプライト欠けがやや激しい。 ---- **総評 ゲームギア唯一のロックマンであるが、「ゲームギアで作る必要はあったのか?」と言わざるを得ない作品。~ オリジナルからいいとこどりをしたつもりの中途半端なベタ移植であり、 携帯機でもオリジナルがプレイできるようになった現在では物珍しさでプレイするくらいだろう。 //わざわざゲームギアでやるくらいなら素直にファミコン版をプレーした方がよいと思われる。 //↑ゲームギアでも十分プレイする価値がある。 ---- **余談 -国内には出回っていないので、実際にプレイするには海外ショップかオークションでソフトを入手するしかない。 --出荷数が少ないのかカルト的な人気があるのかは不明だが、価格もかなりのプレミアがついており入手困難である。 --なおゲームギアにはリージョンロックは無いため、日本の本体でもプレイ可能。 -『4』のステージセレクト画面のBGMとコサックステージ前半部のBGMがデータ上に存在するが、本編で流れる場面が存在しない為没データとなっている。 --本作はBGMの再現度がおしなべて低いので、クオリティは推して知るべし。特にステージスタートの曲は殆ど原型を留めないレベルで酷い。 -ラスボスのワイリー戦でワイリーを撃破すると、''8ボス撃破時と同じ特殊能力取得エフェクトが流れる''。そのままコサック城が崩壊し、画面が暗転し「MISSION COMPLETE!」と表示、その後スタッフロールという流れ。 --''誰がどう見てもワイリーの特殊能力を取得している''。流れている曲は何故か「4」の「コサックステージ2」(強制スクロール面)のため、シュールなことこの上ない。 -ロックマンシリーズではお馴染みとなっているステージ開始時の「READY」の文字だが、今作は「GET READY」になっている。