*NieR:Automata 【にーあ おーとまた】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B01LYS572Y)&amazon(B07L8KKFFJ)| |対応機種|プレイステーション4&br;Windows7/8.1/10&br;Xbox One|~| |メディア|【PS4】BD-ROM/ダウンロード&br;【Win】Steam配信&br;【One】ダウンロード|~| |発売元|スクウェア・エニックス|~| |開発元|プラチナゲームズ|~| |発売日|【PS4】2017年2月23日&br;【Win】2017年3月17日&br;【One】2018年6月26日|~| |価格|通常版:7,800円(税別)&br;廉価版(Game of the YoRHa Edition):4,800円(税別)&br;【Win】Game of the YoRHa Edition:5,280円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:D (17歳以上対象)|~| |備考|PS4 Pro 対応&br;Xbox One X 対応&br;Xbox One版はDLC同梱版の『BECOME AS GODS Edition』として発売。|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|アクション&シューティングRPG&br;爽快なアクションと○○へのこだわり|~| |>|>|CENTER:[[''ドラッグ オン ドラグーンシリーズリンク''>ドラッグ オン ドラグーンシリーズ]]| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''命もないのに、殺しあう。''} }} ~ ---- **ストーリー >突如襲来したエイリアンの繰り出す「機械生命体」の圧倒的戦力を前に、~ 人類は地上を追われ月へと逃げ去った。 &br 地球を奪還すべく、人類はアンドロイドによるレジスタンスを組織。~ さらに最新鋭の戦闘用アンドロイドで編成された「ヨルハ部隊」を地上へ送り込む。~ &br 荒廃した地で延々と続くアンドロイドと機械生命体の熾烈な戦い。~ その争いの中、ヨルハ部隊員「2B」と「9S」は~ 知られざる真実の扉を開けることとなる。 &small(){''※パッケージ裏面より、一部表記を改めた。''} ---- **概要 -エイリアンに侵略され荒廃した地球を舞台に、彼らの配下であるロボット、「機械生命体」を殲滅し、地球を奪還するために戦うアンドロイドを描いたアクションRPG。 -本作の登場キャラの殆どは前作『[[NieR RepliCant]]』や『[[DOD1>ドラッグ オン ドラグーン]]』で起こった事を知らないため、前作を遊んでいなくても基本的に本作のプレイに支障は無い。 --ただし、続投キャラクターや、前作に関わるアーカイブなども多数あるため、前作をプレイしておいた方が理解はしやすい。 -開発元のプラチナゲームズは『[[ベヨネッタ>BAYONETTA]]』や『[[メタルギアライジング>メタルギアライジング リベンジェンス]]』等の「カッコよさを追求したアクションゲーム」で知られており、本作もまた特にメタルギアライジングからの影響を受けた気質が全編に渡って発揮されている。 ---- ***主なゲームシステム -''探索'' --広大なオープンワールドで、「クエスト」をこなすことでメインのストーリーは進んで行く。 --クエストはメインのストーリーに関わるものだけでなく、ワールド上の様々なNPCの悩みを解決する「サブクエスト」もある。 --サブクエストの報酬にはそこでしか貰えない装備や貴重な素材など、比較的オイシイものが多いのだが、難易度は高めで面倒なことが多い。 --ワールド上にはアンドロイドに敵対しない機械生命体もおり、中にはサブクエストを依頼してくる者もいる。 --前作に引き続き動物たちが登場し、素材を入手したり移動に使うことができる。 --マップに点在する宝箱には武器やお金、素材のほか、「アーカイブ」が入っていることがあり、かつての人類の生活を垣間見ることができる。 -''周回プレイ'' --本作は大きく分けて3周プレイする事が前提となっており、その分1周は短めになっている。 --1周目と2周目は同時系列であり、それぞれ2B、9Sの視点で、3周目は新たに操作できるA2と2B、9Sの視点が切り替わりながら1周目及び2周目の続きのストーリーを攻略することになる。 ---本作はマルチエンディングシステムを採用している。1、2周目はA、B一つずつしかエンディングを持たないが、3周目は選択肢に応じてC、D、Eに分岐する。 ---その他にはストーリー上で特定の行動を起こすと発生する、いわゆる「バッドエンド」がF~Zまで存在する。こちらは条件さえ満たせば1周目からでも収集可能。 -''プラグイン・チップ'' --本作の大きな特徴として挙げられるのが自由多彩なスキル構成である。 --最大で容量が126((厳密な容量は128だが、装備必須のチップが存在するため実質的には126となる。))あるストレージの許す限り、自由に「チップ」を組み込める。 --チップ構成はメニューからいつでも変更でき、いわゆる「マイセット」を3つ作っておける。 --チップは店で買えるほか、敵からドロップしたりクエストの報酬や宝箱から入手できる。 --チップにはそれぞれ「コスト」が設定されている。 ---同じチップでもコストの大小があり、スキルを詰め込むためには、コストの安いチップ((最低コストならば名前に◆マークが付く。))を敵のドロップから厳選する必要がある。 --チップは大きく分けて5種類あり、以下はその例。 ---システム:HPゲージやミニマップなどのUI。 ---攻撃:攻撃力アップや武器の射程延長など。 ---防御:防御力アップや自動回復など。 ---補助:回避距離アップや取得経験値アップなど。 ---ハッキング:リモート操作強化や敵炎上など。 --同じチップ同士は合成することで強化可能で、強化後は当然コストも上がるが、コストの安いチップを合成に使えば効率良く強化チップを作ることが可能。 --難易度EASYではオート操作系チップを使用することもできる。 ---これは移動以外のすべての操作(攻撃操作・回避操作・回復アイテム使用など)をプレイヤーのかわりにAIが勝手にやってくれるチップ。 ---AIの操作はかなり優秀なため、ほとんど無敵モードと化す。アクションゲームが苦手な人でも戦闘をコンピューターに任せることで、ストーリーをノベルゲームのように楽しむことが出来る。 -''難易度'' --難易度は上がると受けるダメージ量が上昇するほか、それぞれに特徴がある。 ---EASY:敵をロックオンでき、戦闘をプレイヤーの代わりにAI任せにできるプラグイン・チップを装備可能。 ---NORMAL:ロックオン可。 ---HARD:ロックオン不可。 ---VERY HARD:ロックオン不可。''敵の攻撃を一撃でも受けると死亡する。'' --以上の4種類から選択可能で、ゲーム中いつでもメニューから変更可能である。 ***戦闘システム -''地上戦'' --基本となる戦闘パート。 --弱攻撃用武器と強攻撃用武器をそれぞれ設定し、その2本を織り交ぜた「コンボ」で近接攻撃を行う。 --ボタン長押しによる溜めやジャンプ、回避を利用して特殊な攻撃を行うことができ、そこから普通のコンボに繋げることも可能。 --武器は小型剣、大型剣、槍、格闘(+素手)の4種類があり、それぞれコンボを繋げられる回数が設定されている。 ---「弱:小型剣、強:大型剣」の組み合わせが基本だが、「弱:小型剣、強:槍」のようなスピードタイプや「弱:大型剣、強:小型剣」のような変則パターン、果ては両方素手という漢の戦闘スタイルも可能であり、多彩なパターンから好きな戦闘スタイルを選ぶことができ、組み合わせでモーションが変化する。 --2BとA2の攻撃モーションは同じだが、2Bのみスタン状態の敵に「スタンフィニッシュ」という追撃を行うことができる。 --A2は「Bモード」を発動できる。一定時間以内攻撃力が大幅に上昇するが、HPが急激に減少するデメリットを伴う。 --9Sのみ武器を1本しか装備できないため攻撃の効率が悪いが、代わりに後述する「ハッキング」が可能。 --「ジャスト回避」((発生時には、キャラクターが分身するような独特のエフェクトが発生するため判別は容易。))を発生させれば、特殊な反撃を行える。回避判定はかなり広めに取られているため、慣れれば簡単に行える。 ---また、「オーバークロック」というチップを装備していればジャスト回避成功時に数秒だけ自分以外の時間の流れを遅くすることが可能。 --離れた敵は随伴する「ポッド」を使って遠距離攻撃ができる。 --ポッドは以下の3種類があり、初期装備のポッドa以外はワールド上を探して入手する必要がある。 ---高速弾を高レートで連射するガトリングを搭載したポッドa ---射線上の敵に貫通してダメージを与えるレーザーを装備するポッドb ---プレイヤーの視界内にいる敵をミサイルで攻撃するポッドc --ポッドそれぞれには「ポッド・プログラム」を一つずつセットすることができ、戦闘や探索を補助してくれる。 --近距離武器、遠距離武器ではそれぞれ敵の弾を相殺することができる。色の濃い弾は近距離攻撃で、色の薄い弾は遠距離攻撃で相殺することが可能で、これを前提としたとしか思えないほどの弾幕を張ってくる敵もいる。 -''空中戦'' --一部のイベントで飛行ユニットに搭乗し、シューティングゲームの要領で敵を破壊するパート。 --一般的な縦・横スクロール型シューティングのほかに全方位型のものもある。 --ポッドの弾種はここでも反映され、戦闘中に変更できる。 --メニューを開くことはできないため、チップ構成を変えたり強化アイテムを使うことはできない。回復アイテムは十字キー下のクイックメニューから使用することが可能なので、STGが苦手なプレイヤーでも回復アイテムによるゴリ押しが利く。 --また敵弾の相殺や回避は地上戦と同様に行えるため、一般的なシューティングゲームよりは簡単である。 -''ハッキング'' --近接攻撃力に乏しい9Sの基本的な攻撃手段。 ---2BとA2も一部のイベントでのみ行う必要がある。 --対象の中枢コンピューターに侵入し全方位型シューティングのミニゲームをプレイするというもの。 --成功させれば敵は大ダメージを食らい、撃破時には爆発するほか、不意打ちであれば味方にしたり(従属化)、精神を乗っ取り自分で操作する(リモート操作)ことも可能。 --3回被弾したり時間切れになると失敗となり、自分がダメージを食らってしまう。 --戦闘以外でもハッキングを要求される局面は多々あるが、ネタバレになってしまうので詳細は省く。 --当たり前だが生き物には使えない。 -前述した通り、難易度EASYの場合にはこれらの戦闘全てが自動化可能である。しかし例外もある(後述)。 ---- **評価点 -システム --難易度は自由に変えられるため、ゲーム初心者からシビアな難易度を求める層にまで幅広く対応している。 --戦闘は快適かつスタイリッシュで見ていてとても気持ちがいい。特に攻撃終了後の残心は非常に拘って作られており美しい。 --普通にプレイしていても気付きにくいような小ネタ・小技も多く仕込んであり、新しいアクションを模索する楽しみも多い。それなりに時間をプレイしていたのに、うっかり知らないモーションが暴発したということもザラにある。 --敵が多数登場したり濃密な弾幕にさらされる局面は少なくないが、いずれも安定して動作しフレームレートの低下は気にならないレベル。ただし、場合によってはプレイに支障のない程度で多少カクつくことはある。 --サブクエストや釣りなどのちょっとした寄り道要素もある。 ---特に釣りは無駄にネタが豊富であり、どう考えても魚いないだろと思うような場所まで釣りポイントになっている。~ さらに、釣れる魚はまともな方が少ない。頭が二つある魚や''カブトムシが進化した魚''にロボ魚やらゴミやらパイプ((ちなみにこのパイプはRepliCantのチュートリアルにて主人公が最初に使う武器で、本作でも武器として使える))やら…~ 値段も高めなので金策に役立つほか、説明文も極端なためジワジワと笑いを誘ってくる。~ もっと言うと、釣り関連のエンディングはなぜか2つも用意されている。 -オープンワールド --最初からほとんどの場所へ行くことができ、探索の自由度は高い。 --プレイヤーの移動も快速で、ストーリーを進めれば転送装置(ワープポイント)の使用も可能になるため、移動がストレスとなることはほぼ無い。((ストーリーの展開によっては目当ての場所に転送させてもらえないこともある。)) -グラフィック --人類が去った後の街が錆びつき、ひび割れて廃墟と化していく中を、大木が芽吹き、シカやイノシシなどの動物が闊歩するさまを緻密に描いている。 --中でも水の表現は秀逸。川は現実世界さながらのクオリティを誇っており、濡れた場所をキャラが歩けば水に触れた部分が濡れ、時間経過で乾燥もする、といった細部までのこだわりが見られる。 --キャラクターのデザインも美麗である。斎藤プロデューサー曰くデザイナーに「コスプレしやすいキャラクター造形にして欲しい」という注文を出し2B、9Sのハチマキで目を隠すという独創的なキャラクターデザインが生まれた。この目論見は成功し、世界中のファンで本作のキャラのコスプレをした。 --お色気要素としても、ハイレグレオタードのTバックの姿の2Bに多くのユーザーの心を捕らえた。特に「''2Bのスカートの中''」が世間を騒がせたことを知っている諸氏も多いだろう。 --他にも、とあるシーンである人物が「&color(white){裸で砂場に倒れた後、お尻に砂が付いている}」という非常に細かい演出がなされている。文章では伝わらない不思議な感動があるので、是非、自分の目で確かめて欲しい。 -BGM --前作から続投した岡部啓一氏およびMONACAが担当しており、名曲揃いである。 --戦いの興奮を誘う中にどこか、終末的な哀しさの漂うボス戦BGMの「双極ノ悪夢」、環境BGMでは人間がいなくなった街の寂しさと、廃墟を侵食していく自然の悠久を感じられる「遺サレタ場所/斜光」、美しく楽しそうな雰囲気が物悲しく、そして不気味な「遊園施設」などが特に好評。 --また、ワールドマップの曲は同じ曲でも使用楽器の違いやボーカルの有り・無し等によっていくつものバージョンがあり、場面やエリアごとに細かく使い分けられている。 --前作で絶大な人気を得たとある曲も、本作では「贖罪」というアレンジで収録され、本作でも非常に好評。 --サウンドトラックも発売されており、各販売サイトで視聴できるので、興味があれば是非試聴してみてほしい。 -ストーリーとキャラクター --非人間のアンドロイド/機械生命体を主な登場キャラとしつつ、全体を通して「生きる意味」を問うようなストーリーは興味深く、考えさせられるものがある。 ---アンドロイドや機械生命体たちそれぞれが、機械ならではの独特な「死生観」を持っていることも面白い。 --さらに、復讐や愛憎のような人間の「闇」に焦点を当てたサブクエストや会話も多く、それについて語るキャラクター達は不気味な程に人間臭い。&br()その一方、好きなものを見つけて、熱くソレ一筋に生きる漢たちもいる。狂ったように趣味に没頭する機械たちは微笑ましい。 --世界設定もきちんと設定されており、オープンワールドながらの自由度が高いシナリオ選択も存在する。特に物語に登場する機械生命体のパスカルから終盤にあるお願いをされるが、それの選択次第で彼の村の環境が変化するなど細かい作り込みがある。 --前作のファンにとっては驚いてしまうようなキャラもおり、しかもストーリーによく絡む。こちらは自分の目で確かめてほしい。 -世界観とゲームデザインの一致 --登場人物がアンドロイドという設定をゲームシステム・世界観ともにうまくマッチさせている。 --セーブやオプションといったメタ要素に至るまできちんと設定を活かしており、没入感を高めることに成功している。 --ゲームのメニュー画面もあくまでもアンドロイドのシステムという設定なので、アンドロイドが危機的状況だと使用できなくなるなど忠実な再現をしている。 -オープンワールドとマルチエンディングの融合。 --様々なキャラの視点になって物語を進めるため、周回プレイを経ることで新たに分かる背景もある。 --通常のオープンワールドではシナリオは一本道だが、本作はオープンワールドの特徴を活かしてのマルチエンディングとなっている。イベント中に他の場所に行ったり、特定の人物を攻撃したりなどの通常のゲームではできない、自由度の高いシナリオ分岐を見ることができる。 #region(結末に関するネタバレ要素あり) ---『DOD』や『NieR RepliCant』をプレイした諸氏は不穏な空気を感じるかもしれないが、本作の最終EDは一応ハッピーエンドである。 #endregion ---- **賛否両論点 -シューティング要素の多さ --アクションRPGを名乗ってはいるが、飛行ユニットなどのシューティングパートの比重が多い。 --さらに事前の告知がほとんどなされていなかった事も物議を醸した。(勿論、体験版にもシューティングステージは無い。) --これらに関してはオート操作系チップを使えば操作する必要もなくなるが、そのパート突入時にわざわざ難易度やプラグインチップをいじるのも面倒であるため、自力操作することのほうが多い。 #region(結末に関するネタバレのため格納) ---最後のエンディング、「Eエンド」でこれが問題になる。 ---詳細は省くが、ここではゲーム内で一番長く難しいシューティングに&bold(){スタッフロールの間ずっと}付き合うこととなる。 ---にもかかわらず、オート操作系チップは機能しない。 ---そもそもこのゲームはアクションRPGなのだが……[[ん? 似た話をどこかで聞いた?>ドラッグ オン ドラグーン]]。 ---一応、PSNアカウントを持っていれば救済措置が得られる。というよりも、演出を見る限りこれの利用が前提。(余談項参照) //↑の通りEエンドはPSN前提と思われるのでSTG要素が云々というのも違う気が…(前半はガチ避けが確かに必要ですが) //どちらかというと「最終エンドのEエンドにオンライン環境が事実上必須」の見出しで余談項に書かれてる部分を統合しつつ整理したほうがいいような気も… ---余談だが、これの伏線がよく見るとパッケージに書かれている。 #endregion -詳しく語られないストーリー上の要素が相変わらず多い --詳しく回収や説明をしない伏線が多く、各々のユーザーが自由に考察を楽しめる、という造りを前作から引き継いでおり、こういったスタンスが好きなユーザーにとっては楽しめるが、合わない人間にとっては馴染めない要素になりやすい。 --また、前作は設定資料集にゲーム中で明かされない謎や描かれない設定などが詳細に網羅されていたが、今作は設定資料集でも語られない部分が多く、大部分が不明のままである。 ---ちなみに、ディレクターのヨコオタロウ氏は今作の前に手掛けた『[[ドラッグ オン ドラグーン3]]』の際に、前作の資料集に関して「プレイヤーの考察の余地を無くしてしまった」という旨の反省(?)を述べ、『DOD3』では資料集でも全てを明かすつもりはないということを公言していた。 -あくまでライト向けのゲーム性 --アクション性は大幅に向上したもののそこまで複雑ではなく、こちらが強くなってきたり慣れてしまうと単調なゲーム性にもなりやすい。 --オープンワールド風ゲームではあるが、オープンワールドとしては探索できるフィールドはそこまで広くはない。前作よりは広い程度。 ---特に「遊園地」や「水没都市」といったロケーションは一見広大のように見えて進入できる箇所が露骨に制限されており、期待していると探索要素の乏しさに落胆しやすい。一般的なオープンワールドというよりは、そうでないゲームの複数のステージを単にシームレスに繋いだだけといったほうが正確かもしれない。 ---とは言え、本作はあくまでストーリー重視のアクションRPGであり、あまりにアクションゲーム寄りorオープンワールド特化にしてしまうと取っ付き辛くなりかねないため、ライト向けとしては適度な調整と言える。 -トロフィー・実績の購入 --3周目になると、あるショップで全てのトロフィー・実績をゲーム内マネーで購入することが出来てしまう。 --いくらゲーム内マネーとは言え、労せずして取得できることに対してトロフィー・実績の獲得を目指すユーザー達にとっては物議を醸した。 ---何らかの不具合により条件を満たしても獲得できない場合の救済にもなっているので一概に否定されるものではないだろう。 --最も、自力での取得もそこまで難易度が高いわけではないので挑戦してみるのもいいだろう。 -2Bと9Sウェポンストーリーのバリエーションの偏り --『DOD』シリーズで好評だった要素を持ち込み、これまでのテイストを崩さず取り入れている点は好評。しかし、話のバリエーションが「悲惨なオチ」系にやや偏りすぎではないか?という批判意見も見られる。 -セーブシステム --今回もセーブポイントはオートセーブはなく、セーブポイントでセーブするスタイルである。これは、アンドロイドの記憶というゲーム内の世界観を重視して良いという意見もある一方で、オートセーブにして欲しいという意見も根強い。これは前作『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』の際にユーザーの意見で「手動セーブなんて古臭い」に対して、ディレクターのヨコオが「&bold(){絶対に次も入れてやる}」と反発した結果である ---- **問題点 -9Sのハッキングで会話が途切れてしまう。 --厳密にいうと、会話のテキストが一定のところで区分けされており、9Sがハッキングをすると現在再生中の区画が中断され、次の区画のテキストに至るまで登場人物が声を発しなくなってしまう。 --特にボスは良く喋るため、慌ててハッキングをすると会話を聞けないまま終わってしまうこともしばしば。 --感動的なシーンも全て飛んで行ってしまうのは悲しいので、相手が話しているときは静かに耳を傾けてあげよう。 -ハッキングについて --特に2周目において強制的に複数回ハッキングを行う場面があり、アクションゲームとかけ離れた強制ミニゲームは「大して気にしない」という意見こそ多いものの、賞賛意見はあまり見られず不評寄り。一方で、ハッキングとしてに没入感は仕上がっている。 -チップについて --一部のチップが死に性能であり、特にハッキングに関するチップは全てが産廃といっても良い。 --「リモート操作した機械生命体を強化するチップ」などは最たる例だろう。そもそも、通常戦闘において未発見状態の敵はほぼいないため使える機会がまず少ない。 --いざ使える局面になっても、機械生命体の操作はお世辞にも快適とは言えない。さっさと爆破したり刀を振るったほうが効率的。 --ハッキング中の時間延長や被弾可能な回数の増加などいくらでも作りようはあったと思うのだが。 -取り返しのつかない要素 --本作はC、Dエンドのどちらかをクリア後「チャプターセレクト」機能が解放され、サブクエストやバッドエンドの補完、武器収集など自由にできるが、一度取り逃がすと同セーブデータでは二度とコンプリート不可の要素が存在する。 ---「強化パーツ・小」というアイテムはサブクエストをこなすことで計3個入手できるが、その1つは敵からのドロップするもので、拾わないままサブクエストをクリアするとその敵は二度と出現せず、入手不可となる。 ---あるバッドエンドはわざとサブクエストに出現する敵に敗北することで達成できるが、その敵を倒す(=サブクエストをクリアする)と再受注できず、達成不可となる。 -処理落ち --基本的にとても滑らかな動作を実現しているが、一部エリアで大きな処理落ちが起きる。廃墟都市、殊に中心部で顕著。 --CS版の上位機種かWin版でプレイすればマシにはなる。 //-一部のカメラ固定 //--基本3Dの3人称視点であるが、一部横スクロールの2D視点となる部分やカメラが固定されて自由に視点を動かせない場面がある。固定されると、障害物や敵が見えず、ストレスが貯まる。オープンワールドと銘打っているので、自由度の妨げにもなっている。 //↑言うほど問題か? //逆に何故問題じゃないのか?ゲーム性、バトル性の妨げにしかならん。 //そもそも意見箱に誘導するCOしたはずなんですけど…どうして消した挙句編集合戦してるんです?次に誘導無視をするようであればどのような言い分があっても悪質と見なしますのでご注意ください ---- **総評 システム面では前作の不評点がほぼ改善され、快適なプレイが可能になり、ストーリーやグラフィック、BGM、プラチナゲームズらしいハイスピードなアクションなど全てが好評で、ゲームとしての完成度は非常に高い。~ //システム面では前作で不評だったからこそ今作にも入れなかったと明言されているオートセーブなどの例外は除き前作の不評点が改善された。 //↑言ってる事が間違ってるわけじゃないんだけどオートセーブの件一つだけ取り上げる事でやったら冗長な文章になっちゃってるし以前の総評を参考に短縮 「宇宙人と手下のロボット達から地球を取り戻す」という単純なストーリーに留まらず、アンドロイドや機械生命体の織り成す「人間」ドラマが大きく扱われる重めのストーリーである一方、随所にユーモアが感じられ、決して鬱々としたゲームにはなっていない。~ アクション、シューティング、RPGとしての要素が綺麗に詰め込まれた、初心者から上級者まで楽しめる良作となっている。~ ---- **余談 -本作は前作同様、タイトルに前作の主人公「ニーア」の名を冠しているが、本作にはニーアは登場しない。ヨコオ氏曰く「''呪い''」らしい。 -本作の前身となったのは2014年にヨコオ氏本人が立ちあげた『舞台ヨルハ』という女性アイドルプロジェクトである。企画をプラチナゲームズに持ち込む際に「ヨルハ」の世界をより広げ、ゲーム向けにブラッシュアップさせたものが『NieR:Automata』として形になった、という流れである。 -前作及び『DOD』シリーズに出演していたピーター氏は本作には出演していない。 -Steamにおけるリリース当初、2Bのスカートの中を10回覗こうとすると獲得できる実績「何をしているのですか?」の取得率が99.9%である時期があった。 --実際は表示のバグだったのだが、当時のこの話題の盛り上がりようからも、注目度の高さが実感できるエピソードである。 // Steamの実績獲得累計は全世界のみのため表現を変更。 -前作に引き続き、本作も「とある事」を行うエンディングが存在する。 #region(ネタバレのため格納) --「Eエンド」の最後ではスタッフロールの間、作中におけるハッキングと同じタイプのシューティングゲームに挑むこととなり、長丁場を3ライフで耐え切らねばならない。~ しかも、中盤から大幅に難易度が上昇し並のプレイヤーではとても乗り切ることのできない程になる。 --5回コンティニューすると世界中の他のプレイヤーがいわゆるオプションとなって自機を取り囲み、攻撃の補助をしたり、攻撃を受ければ身代わりになってくれる。 ---スタッフロール終了後、セーブデータを消去することで、自分も「ネットワーク上、Eエンドのシューティングを挑戦する他のプレイヤー」の助けになるかの質問を受け、ここで「はい」を選び続けると、全てのセーブデータ(他のスロットも)が消去される。 ---だが前作と違って、Eエンド自体はデータ消去しなくても到達でき、達成記録も残る。また、消去しても追加セリフ少々((シリーズ恒例のあのセリフである。))とタイトル画面が変化する程度で、トロフィー取得にも影響しない。 --更に、事前にセーブデータをPS Plusや、自前のUSB装置などにコピーすれば、簡単にデータ復旧をできる。 ---ちなみにストーリー的に言うと、上記の方法は''ヨルハ機体の再起動方法の原理と一致している。'' #endregion -ファミ通.comで2019年4月3日~4月8日の期間に「平成に登場したゲームの中から“最高の1本”を読者に選んでもらうアンケート」が実施され、本作が3位の座を獲得した。~ ちなみに、2位は『[[ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド]]』、1位は『[[クロノ・トリガー]]』である。 ---- **その後の展開 -2017年5月2日にDLC「3C3C1D119440927」が配信開始。本編では入れなかった謎の扉の先で、3種のコロシアムに挑むことができる。 --いかにも『ニーア』らしい小話や追加エンディングが楽しめるほか、クリア特典として、前作キャラのコスチュームなどの報酬も獲得できる。 --一部のバトルでは「その時点では存在しないはずのあの敵」も出現するなどの驚きもある。 --また、おまけ要素として、このゲームに関連するとある人物とのバトルも追加される。 ---この人物の選出理由は「DLC宣伝生放送のための一発ネタが欲しかったが、もう予算が残っていなくて困っていたところ、『[[FF15>ファイナルファンタジーXV]]』開発チームからその人物のモデルデータを丸々貰えたため」とのこと。 --2019年2月21日((PS4版の発売日。PC版は2月26日。))にはこのDLCとポッドスキン、アクセサリー((一部各プラットフォーム専用のアクセサリが同梱されている))などが同梱された『NieR:Automata Game of the YoRHa Edition』が発売されている。 -2017年8月には本編のノベル版『長イ話』が、同年10月には短編集『短イ話』が発売された。著者は両作とも映島巡氏。 --前者は本編では明かされなかった主要人物の心情がクローズアップされており、後者は本作の過去話や前作の人物にスポットを当てた話が収録されている。これらを一読してから本編をプレイすると新たな発見や違う感想を抱けたりと評価が高い。 -前作に引き続き本作もスクエニ主催でコンサートイベント『人形達ノ記憶』が2017年に東京・大阪の2会場で行われた。 --特筆すべきはライブと共に行われた本作声優陣による朗読劇企画で、本編では語られなかったキャラの重要な過去や心情、裏設定、更には真エンドと言っても過言ではないEエンドのその後の話など、全5公演で全て内容の違うものが語られるというファンにはたまらないイベントとなった。 --この公演が収録されたBDはオリコン週間BD総合ランキングで一位を獲得。ゲーム音楽のコンサートというニッチなジャンルが一位を取得したのはオリコン初の快挙であり、小規模イベントとは思えないセールスを記録し関係者をも驚かせる結果となった。 --2018年2月にはPS Plus会員向けにPS4用アプリとして配信開始された。こちらは4月6日までDL可能。 -2018年の1月から2月に掛け、本作のスピンオフである完全新作舞台『少年ヨルハ』と、上記の『舞台ヨルハ』を更にゲーム内容とリンクしリファインした『音楽劇ヨルハ』が公演された。&br()共に本作の前日談にあたり、『少年ヨルハ』はとある男性機体チームに起きた悲劇を男性キャストのみで、『音楽劇ヨルハ』は本作のある人物の壮絶な過去を女性キャストのみで演じているのが特徴。 --なお『音楽劇ヨルハ』の主人公を演じたのは本作の主人公である2Bの声を担当した石川由依氏である。