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みんなでぷよぷよ - (2017/07/12 (水) 13:05:42) のソース

*みんなでぷよぷよ
【みんなでぷよぷよ】
|ジャンル|落ち物パズルゲーム|&amazon(B00005QF5M)&br;&amazon(B00009MDCS)|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|メディア|64MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|セガ|~|
|開発元|ソニックチーム / CARET HOUSE|~|
|発売日|2001年10月18日|~|
|定価|4,800円|~|
|廉価版|お買い得版:2003年7月3日/3,800円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|ぷよぷよとしての基本はおさえてある&br()それ以上でも以下でもない出来&br()[[ぷよぷよフィーバー]]への踏み台|~|
|>|>|CENTER:''[[魔導物語・ぷよぷよシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/574.html]]''|

**概要
90年代に一世を風靡した落ち物パズルゲーム・[[ぷよぷよ]]シリーズの外伝(?)的作品。特に記念というわけではないが、ぷよぷよ誕生から10周年にあたる2001年に発売された。~
本作は生みの親のコンパイルではなく、''セガが独自に開発した最初のぷよぷよ''である。コンパイルは本作発売の数年前に経営破綻をしており、セガ(当時はセガ・エンタープライゼス)にぷよぷよシリーズの知的財産権を売却していた。とはいえ当時はコンパイルが依然としてシリーズの制作を請け負っていた((ただし、コンパイルのぷよぷよ関連の知的財産権の使用期限は2002年8月までだったため、実質的にはコンパイルによる開発はできない状態だった。))ため、セガが独自に開発・発売することにファンは驚いた。

**特徴
基本システム、漫才デモ、連鎖ボイスなどシリーズのポイントはきちんとおさえてあり、(若干の操作性の悪さはあるものの)ゲームとして、あるいはぷよぷよシリーズの作品として大きな問題があるわけではないのだが、本当に''「ポイントをおさえた」だけ''で、新要素やこれといった大きな特徴はない。

-ゲームシステムのベースはシンプルな『[[ぷよぷよ通]]』、個別連鎖ボイスなどは『[[ぷよぷよSUN]]』がベースと、ある意味無難な作品である。
--強いて本作独自の点を挙げるとすれば、「ひとりでぷよぷよ」ではステージによって「固ぷよ」「得点ぷよ」など降ってくるおじゃまぷよの種類が変更されたり、場合によっては『[[ぷよぷよ~ん]]』の遺跡ステージのようにおじゃまや固・得点ぷよがいくつかのパターンで最初から敷き詰められる等ぐらい。

-登場キャラクターは総勢17名。ほとんどが『[[ぷよぷよSUN]]』に登場したものだが、一部『SUN』に登場していないキャラクターもいる(新キャラクターはいない)。ただし、キャラクターデザインは旧作を担当したイラストレーターではない(NANA SHIRAO氏が担当)。

#region(登場キャラ)
アルル・ナジャ、スケルトンT、インキュバス、セリリ、のほほ、すけとうだら、キキーモラ、ドラコケンタウロス、ミノタウロス、ハーピー、ウィッチ、シェゾ・ウィグィィ、ぞう大魔王、ルルー、ラグナス・ビシャシ、サタン、カーバンクル
#endregion

-連鎖ボイスは基本的に『ぷよぷよSUN』のものから流用されているが、大人の事情で変更になったサタンは新規のもの(セガ再販『SUN』)、『SUN』に居なかったセリリは『よ~ん』と同内容の台詞だが新録ボイスになっている。また、''ミノタウロスの連鎖ボイスが聞けるのはPCエンジン版以外では本作だけである''((『SUN』『よ~ん』ではサブキャラ、『ぽけよん』では参戦したものの一人だけボイス無しだったため))。
-BGMも基本的に『ぷよぷよ通』からのアレンジがほとんど。Windows版『なぞぷよ』からの曲もあるが、新曲は無い。
-ストーリーは章区切りで小分けされている。そのためか同じ敵が何回か再登場している。一章ごとにセーブされるため、少しずつプレイできるのでオールクリアはしやすくなった。
--また、何度もクリアしていく毎に微妙に台詞の反応が変わったり、新しいアイテムを入手できたりする。
-日本語表示と英語表示を切り替え可能。英語表示にするとタイトル画面と各種ボイスを除くゲーム中のメッセージ全てが英訳される。

***問題点
以下に挙げるような問題点があり、特に''漫才デモや対戦中のエフェクトに関する演出が皆無と言っていいほど存在しない''せいで、ひどく地味な仕上がりになってしまっている。これらのことから過去作と比べて「劣化している」と言われることが多い。
-漫才デモは上半身の一枚絵とテキストが表示されるだけで『[[ぷよぷよ~ん]]』のようにボイスがつくこともないどころか、キャラの表情すら変わらないため、非常に淋しい。また、漫才デモが終了してから画面がフェードアウトするまでの時間が微妙に長くイライラさせられる((これはスタートボタンでデモをスキップした場合でも同様。なお、本作には漫才デモをオフにするオプションはない。))。
-ぷよの落下タイミングのテンポが多少悪く、ぷよを設置してから次のぷよが出るまでが一瞬遅い。このため他作品と比べると操作に違和感を覚えることも。
-対戦画面には連鎖時のカットインや戦況を伝えるアニメなどは一切なく、表情の変わらない一枚絵(漫才デモのものと同じ)が中央に表示されているのみで、淡々とぷよを落としていくだけの味気ないものになっている。''ぷよを落とす効果音さえ出ない''((該当の効果音自体はゲームに収録されているのだが、なぜか実際の試合中では未使用になっている。))。
-「ひとりでぷよぷよ」は前述通り章区切りなのだが、1章クリアするごとにランキングのネームエントリーを経ていちいちタイトル画面まで戻されるため、テンポがやや悪く面倒。
-「ひとりでぷよぷよ」は上記のようにプレイ回数ごとに微妙にデモが変化していくのだが、セーブデータを初期化することはできないため、一度見ると二度と見られなくなってしまうデモも存在する。デモ鑑賞モードなんてものはもちろん無い。
-対戦は「ふたりでぷよぷよ」「みんなでぷよぷよ」の2つがあるが、どちらも通信対戦(ワンカートリッジ対応)しかできず、''任意のキャラクターを選んでコンピュータと対戦するフリー対戦モードはない。''そのため、1人で遊ぶときは「ひとりでぷよぷよ」か「とことんぷよぷよ」しかできないが、その場合使えるのは''アルルだけ''(「とこぷよ」の連鎖ボイスもアルルのもの)である。
-一定条件を満たすと登場キャラクター全員と連戦するモード(『通Remix』の『通モード』のようなもの)やグラフィックの鑑賞モード、対戦で使える隠しキャラクター・追加ルールなどが解禁されるが、前述のとおり1人でプレイする場合はアルル以外は使えないので、そういった人にとってはふたぷよの隠しキャラクターや追加ルールの解禁は何の恩恵もない。
--一応、各キャラの連鎖ボイスはギャラリーを収集すればいつでも聴くことができる。

***評価点
-ストーリーそのものは旧作の流れから逸脱しておらず、イメージを大きく壊すような内容も無い。
--従来どおりの雰囲気で安心ではあるが、逆に言えば新鮮味はあまり無く、今までのテンプレ通りにまとまった平凡で無難な内容。
-キャラデザが変更されたものの、こちらも絵柄に違和感はそれほどない。

**総評
セガが初めて開発したこともあってか「お手本どおりに作ってみただけ」で終わっている部分が多く、パズルゲームとしての作りからキャラクターの使い方まで全体的に「カタさ」が残っている。操作性の悪さや演出のショボさからシリーズの作品としては「ガッカリゲー」という感じが拭えない。
なお、下請けの「CARET HOUSE」はコンパイルを退職したかつてのぷよよん製作スタッフによる下請け会社という噂がある。

後に同じくソニックチームが製作した『[[ぷよぷよフィーバー]]』はシステムが1から作り直されており、キャラクターの大幅入れ替えなど賛否両論の要素はあるが、ゲームモード・操作性・演出面などが本作から大幅に改善されている。本作の教訓は『フィーバー』に活かされているといえるだろう。

**その後の展開
-日本で発売された翌年、欧米でも『Puyo Pop』のタイトルで販売された。基本的には本作の英語設定と同じでボイスも日本版のままだが、会話メッセージのテキストが全面的に改めて英訳し直されている。
-iアプリに本作をベースとした『ぷよぷよDX』がある(ただしストーリーは全く異なる新規のものに変更)。対戦画面が味気ない等の問題点はほぼこのゲームと同様だが、iアプリなので「ボイスもアルルのもののみ」(対人戦では2P側の表示がカーくんになるものの、2Pボイス無し)と、さらに短所が増えている。