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コープスパーティー BLOOD DRIVE - (2022/08/02 (火) 16:14:15) のソース

*コープスパーティー  BLOOD DRIVE
【こーぷすぱーてぃー ぶらっどどらいぶ】
|ジャンル|廃校監禁ホラーアドベンチャー|&amazon(B00J7FH3YA)|
|対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~|
|発売元|5pb.(MAGES.)|~|
|発売日|2014年7月24日|~|
|定価|通常版:7,344円&br()限定版:9,504円(税込)|~|
|レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|天神小学校編完結|~|
|>|>|CENTER:''[[コープスパーティーシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ソフコン時代から続く『コープスパーティ』シリーズにおける、天神小学校編の完結作品。~
『[[Book of Shadows>コープスパーティー Book of Shadows]]』最終話から直接の続きとなっている。~
サチコたちの呪詛が次第に現実世界にも影響を与え始めた中、惨劇を切り抜け生還したはずの哲志たちは再び狂気に呑まれた天神小学校へと足を踏み入れる。

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**システム
-全11章、EXCHAPTER10章の充実したボリューム
--本作は、チュートリアルも兼ねた0章で天神小とは別の場所をまず探索した後、再び天神小を巡る1章から10章までのストーリーとなっている。また、EXCHAPTERも10章用意されている。ただし…(後述)

-再び探索型ADVへ
--[[1作目>コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー]]と同じく、マップ内を歩き回って探索するスタイルに回帰。
--過去作でも校内は常に薄暗かったが、本作では殆ど光源の無い場所も多い為ライトを使って照らしながらの捜索となる。またライトのバッテリーは自然回復せず、落ちている電池を回収しなければならない。
--加えて各所に悪意を感じるダメージトラップが置かれ、回復アイテムも重要性を高めている。
--また、悪霊に追いかけられる場合にはロッカーに隠れる事も可能になった。

-主人公の交代と大幅に増えた操作キャラ
--本作は持田哲志に代わって主人公に昇格した篠崎あゆみが物語の中心となり、操作する機会も多いが、章ごとに様々なキャラクターの視点に切り替わる。ブラッドカバーで生き残ったあゆみ達5人は勿論、2Uからのキャラや本作から登場するキャラ等、実に様々な人物が天神小学校へ訪れる。
--前作までに死亡したキャラクター達も、天神小内で幽霊や死体など様々な形で登場する。
--また、ブラッドカバーからの変更点として、複数人で探索している場合、操作するキャラクターを切り替えることが可能になった。特定のキャラクターを操作キャラにしていないと進行できない箇所もある。

-トラップ
--上記の通り各所に仕掛けられており、うかつな行動はダメージによるゲームオーバーを誘発することになる。
---朽ちた床:数回上を通過すると音を立てて抜け落ち、動きが止まったうえダメージを受ける。
---ガラス片:上を通過するとダメージ。ライトで照らすと光って見えるので多少は分かりやすい。
---ワイヤー:廊下などの端から端へと渡されているトラップ。触れるとダメージを受けて消える(=切断されてトラップの用を為さなくなる)。また近づいて解除も可能。だが…(後述)
---呪肉:呪いによって作られた、肉色の床トラップ。視認は容易だが、接触すると動けなくなる上これで死亡すると「黒化」する。

-幽霊
--天神小学校をウロついている、いわゆる悪霊。視界に入ると何処までも追ってくる。護符を使用するか校内の女神像に祈ると元の場所へと強制的に戻される。

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**評価点
-さらに強くなった恐怖へのアプローチ
--これまでの作品に比べても恐怖演出は強化されており、特にシリーズ通してのウリだったサウンドに関しては非常に気合が入っている。
--序盤に聞こえてくる「おかえりなさい…」という声は、ゲームと知っていても反射的に後ろを振り向いてしまうレベル。
--ロッカーに隠れた際の鼓動音なども恐怖をあおり、加えてトラップでボロボロになりながら追い詰められていく感覚はさすがシリーズ完結作といった所。
--グラフィックはデフォルメされたものだが、起きている事態は恐ろしく凄惨。ゲーム内では苦悶の声とSEで表現されているシーンが予約特典冊子収録の漫画では、(COLOR(white){''凄まじい力で身体を折り砕かれ、臓物を撒き散らし血の涙を流して絶命する''})というとんでもないシーンになっている。

-救われなかった登場人物
--これまでの死者が助かるルートなど''当然''無く、これまで生存してきたメンバーも悉く性格が危険な方向に傾き((依存体質や自傷癖など、良くない方向へと性格がねじ曲がっていっている。))、取り返しがつかない状態へ追い込まれていく。
--誰も救われない心折設計でおなじみコープスパーティのラストを飾るに相応しい、絶望の中で話は進んでいく。

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**問題点
-素のままでは難度が高すぎる箇所が幾つか見受けられる
--具体的に言うと、ライトに頼らなければマトモに進めない場所が多いのに電池が少ない。
--トラップはライトで照らさなければ視認が困難なものが多い。そのため、ライトの残量が少なくなってから慌てて電池を回収しようとすると、道中のトラップで余計なダメージを受けがちになる。特にワイヤーは解除しようと近づいた際に接触してしまう場合が多く、そもそも照らして尚見えにくい。
---それもあってアップデートでバッテリー無限モードが追加された。
--また一部イベント以外での幽霊は、次のイベントを起こしてシナリオを進める他に切り抜けるのが難しい。
---相手がこちらを見失っていない状態でロッカーに隠れると、引きずり出されてダメージを受けたうえで追いかけっこを再開する羽目になることも。
---幽霊がこちらを追尾する速度はこちらの移動速度に合わせており、走っても振り切れないが歩いても追いつかれないという妙な設計。上述の通り、道中で拾える護符を持っていれば触れられても元の場所に戻されるが、いずれまたこちらを発見して追い掛けてくる。その為、こまめにセーブをしているのであれば、出現させた時点でロードしてやり直した方が良い。
--ただし、ある章では出現させられる全ての幽霊に護符を使用することで取れるトロフィーも存在している。

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**賛否両論点
-チャプターごとの濃度の違い
--シリーズの伝統というか、それぞれのチャプターはプレイ時間がバラバラ。佳境に入ってもイベントが少ないチャプターもある一方、障害物走をさせられるアクション多めのチャプターも。
--また配置されている幽霊の数もそうで、チャプターによっては名札回収がかなり大変

-EXチャプターの偏り
--全部で10話あるにもかかわらず、半分は十三月愛狩関連となっている上、これで1話分なのか?というボリュームのものも多い。数を増やす為に分割したと言われても仕方ない。
---大きなネタバレは避けるが、十三月愛狩は本シリーズとかけ離れた雰囲気の服装に加え、本作以前でも漫画や小説版、ドラマCD等で散々悪事を働いてきたキャラなのだが、作者のお気に入りなのか本作でもやたら出番が多い。その上EXCHAPTERでも何故か彼女ばかり出てくる為、人によっては不快に感じるだろう。

-触手的要素の増加
--起動して最初の画面が「肉壁に呑み込まれようとしている篠崎あゆみ」であり、また天神小学校の中にも触手や呪肉などそういった要素が多めになっている。%%まぁ初代コープスのコミカライズ版((『コープスパーティ;娘』の方。))でも、男の娘(オリキャラ)が触手に掘られたりしてたけどね。%%
-今作は背景・キャラクター等が1作目(『BR』)のようなドット絵ではなく3Dなのだが、その分過激な演出が抑えられたりワンパターン化している面もある。
--1作目の場合、ドット絵ならではの粗さを活かして過激な描写を行ったり、WRONGENDでは文章だけで猟奇的な結末を描いたりしていたのだが、今作ではそういった要素が抑えられている。
--特にドットの凄惨さと文章の猟奇さが好評だったWRONGENDは、3D化の弊害により却って物足りないものとなっている。
---もちろん3D化による恩恵もあり、廃校舎の質感やライトの明かり、時折落ちる雷などは3D化によってリアルさを増しており恐怖を煽る目的は充分に果たされているが、ドット絵だからこその良さが3D化によって失われた面があるのも事実である。

-新キャラクター全般について
--秘密結社・マルトゥバの墓を始めとして、これまでほとんど出てこなかった設定を当たり前のように使ってくる。その為関連作品までチェックしているヘビーユーザーならまだしも、CS版をやっているだけのユーザーにしてみれば唐突感が強い。
--新キャラクター達も、冴之木七星を主人公とした漫画や小説版に登場してきたキャラクターはともかく、本作から登場した人物達は殆どがこれまで影も形もない者ばかり。

-いわゆる悪魔崇拝・黒魔術の存在について
--CS版では悪魔や黒魔術といったものは『BR』で校舎のある場所に描かれた魔法陣の存在から匂わされているのみだったが、本作ではブックオブシャドウズの物語から続く為、それらの要素が大きく関わってくる。一応、リメイク前であるRPGツクール版初代『コープスパーティー』ではラストに「怨霊たちが悪魔を召喚しようとする」という展開があるのが、CS版ではその展開は変更されている。

-完結編として
--突然出てきた設定もそうだが、これで天神小学校編完結と銘打った割には未回収の伏線なども幾つか残されたままである。
---終盤の展開は「普通の高校生達が異常な心霊現象からの生き残りを図る」という当初のストーリーからかなり趣旨が変わるという点も、人によっては気になる。
---割と早い段階で、「妙な服を着た男と痴女としか言いようのない服を着た女が、傘と鎌で切り結ぶ」という、これまでのシリーズの雰囲気とはかけ離れた展開と一枚絵が表示される。勘が良い人はこの辺りで嫌な予感がしたことだろう。
--原作元であるグラインドハウスは、ストーリー上の続編である『[[コープスパーティー2 DEAD PATIENT>http://grindh.web.fc2.com/cps2_index.html]]』を発売しているが、''2022年現在もチャプター1のみが発売されたまま続編が途絶えている状態である。''

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**総評
3Dになったことで格段に雰囲気が上がり、探索する恐怖はシリーズ随一。~
探索ADVというスタイルに戻ったことで、ただ読むだけでなく自ら恐怖と狂気の中に歩み寄っていくある意味「ホラーの王道」ともいえる出来に。~
しかし、シリーズの総括としてはちょっと疑問が残るのが残念なところで4ある。
//また、''猟奇耐性が低い人は絶対にプレイしてはいけない''。
//さすがに総評の最後にこの一文を持ってくるのは違和感がある、というかそもそもそういうゲームシリーズなんだからわざわざ総評で言う必要はないだろう。
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**その後の展開
-2019年10月11日にWIndows(Steam)版がXSEED Gamesから発売されたが、発売当初は日本語対応されておらず、後々日本語対応された。

-2020年8月6日にSwitch移植版が発売された。