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ワイルドカード - (2011/05/03 (火) 06:24:33) のソース

*ワイルドカード
【わいるどかーど】
|ジャンル|ロールプレイングカードゲーム|&amazon(B00014ATTM)|
|対応機種|ワンダースワンカラー|~|
|発売・開発元|スクウェア|~|
|発売日|2001年3月29日|~|
|定価|	4,300円(税込)|~|
|>|>|CENTER:''[[サガシリーズ・関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/281.html]]''|
#contents(fromhere)
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*概要・特徴
-『サガ』シリーズでお馴染みの河津秋敏や伊藤賢治らに加え、FFTの吉田明彦を加えたスタッフ陣によるRPG。
-クエスト形式の進行や技の成長システム、一部のネーミングなどサガシリーズと類似する部分がある。
--特にキャラクターの能力成長システムや、ダンジョンにおけるトラップ解除、宝箱の鍵を開ける仕組みなどは後の『[[アンリミテッド:サガ>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/257.html]]』に通じており、ユーザーからは 「初代アンサガ」 や 「アンサガの前身」 などと言われることもある。
-ほぼあらゆるものが「カード」で表現されている。
--キャラクターも場所も、コマンドもアイテムも、ライフやパワーなどの能力値も制限ターン数もカード。
--あくまでも従来のRPGにおける各種インターフェイスをカードという形に統一しただけであり、いわゆるカードゲーム的なルールは皆無である。

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*ゲームシステム
**シナリオ進行
-一貫したストーリーはほとんどなく、大量のサブクエストをクリアしていくことでゲームが進む。
--ゲームはいくつかの章ごとに分けられており、一定期間が経過すると章が進行する。
--章ごとに主人公や仲間を交代させながら進む。&br()特定の章で仲間に加えたキャラは特定の章では登場しなくなるため、前の章と同じパーティ編成は通用しない場合が多い。&br()後々の為に強いキャラを残しておいたり、ステータスを上昇させるカードや強力な装備を温存しておくなど、&br()計画的なプレイを行わないと終盤非常に辛くなるという、サガシリーズを彷彿とさせるシビアな面がある。
--最後の章のラスボスを倒すまでには大体40時間前後と、それなりに長く遊べる。

**ワイルドカード
-プレイヤーの戦闘以外の基本行動は 「前進」 「見回す」 「アクション」 という3種類のワイルドカードというカードを使うことで実行される。
--これらを使用することで、マップの移動や周囲の探索、目の前のアイテムや人などに対するアクションなどが行える。
--ワイルドカードの使用には制限が無く、無限に使える。

**クエスト攻略の流れ
-クエスト攻略およびマップの進め方は非常に独特。
--クエストごとに定められた「特定の敵を倒す」「特定のアイテムを入手する」「特定のマップに辿り着く」いずれかの条件を達成すればそのクエストはクリアとなる。
--「前進」することで、いくつかの種類がある「マップ」の中からいずれかのマップへと移動する(マップも一枚のカードで表現されている)。
---過去に来たことのあるマップと同種のマップに移動することもザラにある。
--各マップで敵を倒したり、アイテムを入手したり、前進を遮る何らかの障害(大岩や穴など)を打開したりすることで&bold(){「クリア条件のカードに遭遇する確率」を上げていく}。
--どのクエストにも制限ターン数が設定されている。基本的に残りターン数がゼロになるとクエスト失敗となる。残りターン数が少なくなるほど、クリア条件のカードに遭遇する確率も高くなる。
--敵への攻撃や味方の回復などは、技や魔法などのカードを対象に使用することで行う。
---カードの効果量は一定の数値の範囲内でランダムに決定される。運が良ければクリティカルが発生し、数値のランダム決定がもう一度追加(加算)される。運が良ければクリティカルは何度でも発生するので、どんなカードでも運次第で絶大な効果を発揮し得る。
--目の前の物(宝箱など)にトラップや鍵が仕掛けられている場合は、「トラップ解除」や「オープンロック」といった専用のカードを使用することでそれらを解除できる。
---ただし確実に解除できるわけではなく、一定値以上の数値を出さないと成功しない。

**成長システム
-成長はクエストクリア後にまとめて行われ、能力値や技など、キャラの成長に関わるカードをいくつかの候補の中から選んでゲットできる。
-候補となるカードは、そのクエスト全体での各キャラの行動内容や各カードの使用回数によって決定される。
--そのため、特定の能力値や技の使用回数などを重点的に上げたい場合は、その辺りも考慮した上でプレイする必要がある。

**その他
--中断機能あり。ゲーム中ではいつでも中断セーブ可能。

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*評価点
-良く練られた独特のゲームシステム。
--じっくりコツコツ遊べるという点で、非常に携帯ゲーム機らしいRPGと言える。
--クリティカルや強力なリンク攻撃は快感。

-グラフィック
--900枚以上の各種カードは緻密なドット絵で描き込まれており、その一枚一枚にドッターの職人芸が伺える。ドット絵好きにはたまらないだろう。
--手に入れたアイテムや一度遭遇して調べた敵・場所などはアルバムモードで観賞でき、やりこみ要素としても楽しめる。

-音楽
--伊藤賢治作曲の音楽も聴き応えがあり、耳に残る。ちなみに、スクウェア社員としては本作が伊藤氏の遺作となった。

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*問題点・賛否両論点
**作業感が強い
-見た目の変化に乏しく、同じようなことの繰り返しという感覚が強い。
-目当てのカードを入手するために、特定のカードを何度も乱発することになる。
--ステータスカードを狙って入手しようとすれば、FF2のABキャンセルのような行為を繰り返すことになる。

**カード選択の操作が非常に煩雑で面倒
-特にカードの所持枚数が増えてくると、任意のカードを選択するまでには左右キーを長々と連続入力しなければならなくなり、手間が掛かる。
-一つのクエストだけで何十回と使うことになる「見回す」などのワイルドカードでも、以下のような手順を踏まなければならず、ボタン入力回数が多い。&br()Bボタン → (左右キーでカード選択→) Aボタンでカード決定 → Aボタンで使用確認(使う/使わない) → 対象選択
-ワンダースワンはボタン数が多い携帯型ゲームにも関わらず、そのボタンの多さをショートカットキーに当てるといった親切設計が全くなされていない。

**ゲームのテンポを損ねている部分がある
-前述の通り、いちいち特定のカードを乱発することになったり、カード選択にいちいち手間が掛かる。これらの仕様が快適でテンポの良いゲームプレイの妨げとなっている。
-敵味方のカード使用時の演出(効果音)がやたらと長いものがあり、無駄に待たされることがある。

**ゲームバランス
-下手すれば取り返しのつかないことになる、罠のような仕様がある。
--特定のステータスを上げすぎると新しいカードが入手できなくなってしまう。ゲーム中での説明は一切無し。
--パーティの人数は基本的に3人で十分。4~5人でパーティを組むと逆に辛くなりやすい。その章の中では人数を途中で減らすことはできない。
---章が切り替わるとパーティが解散する。
-終盤になるにつれて、あまり役に立たないカードが増えてくる。
--序盤~中盤では敵の一掃&アイテム入手に有用なスキル「アニマルトーク」は、終盤になるとクリティカルが発生しない限り成功しなくなる。
--重要なスキル「トラップ解除」と「オープンロック」も高い数値を出したりクリティカルを出さないとなかなか成功しなくなり、宝箱や扉一つ開けるのに何枚もカードを浪費することになる。
-麻痺や石化の状態異常が非常に強い。
--味方全員がこれらの状態に陥ると全滅する。
---パーティの人数が少ないほど脅威。このために一人旅プレイはかなりの運ゲーになっており、制限プレイ(縛りプレイ)のやり甲斐に欠ける。
--敵を麻痺や石化の状態にすれば、その敵は即死扱いになる。
---敵をこれらの状態にする魔法は最強の攻撃手段。終盤は敵のライフが多いこともあって、これらの魔法を連発する麻痺・石化ゲーになりがち。
---ただしこれらの魔法に耐性がある敵もいるので、その他の攻撃手段が無意味なわけではない。

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*総評
-クセが強く、極端に人を選ぶゲーム。ハマる人はかなりハマるが、合わない人には全く合わない。
-暇潰しのつもりで遊ぶならかなり遊べる。

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