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恐竜戦隊ジュウレンジャー - (2023/01/07 (土) 16:26:25) のソース

//理由もなく過去の状態へ復元しないでください。復元するならそれ相応の理由の併記を
*恐竜戦隊ジュウレンジャー
【きょうりゅうせんたいじゅうれんじゃー】
|ジャンル|アクション|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174002738.jpg,height=160)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|エンジェル|~|
|開発元|アークシステムワークス|~|
|発売日|1992年11月6日|~|
|定価|6,000円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|演出は『ジェットマン』以上&br()ゲーム性は『ジェットマン』以下|~|
|>|>|CENTER:''[[スーパー戦隊ゲームリンク>スーパー戦隊シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
1992年から93年まで放送されていたスーパー戦隊シリーズの1作『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のゲーム化作品。~
『[[鳥人戦隊ジェットマン]]』に続くゲーム化第2弾で、発売元も同じエンジェルだが、開発元はナツメからアークシステムワークスに変更されている。~
5ステージ構成の横スクロールアクションで、「イージー」「ノーマル」の2つの難易度が選べる。また、アクションゲームとは別に3種類のミニゲームが用意されており、パッケージでは「1つのカセットで4つのゲームが遊べる」ことを売りにしていた。
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**主なシステム
-十字ボタン左右でジュウレンジャーを操作。十字ボタン下でしゃがみ、十字ボタン上で入り口に入る。Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃を行い、移動中・しゃがみ中・ジャンプ中のいずれでも攻撃を出せる。
--操作キャラクターの初期武器はレンジャーガン(銃)で、ステージ中の不思議仙人バーザ((ジュウレンジャーの保護者兼司令官ポジションを務める魔法使い。))の洞窟に入ると、各キャラ専用の武器に切り替わる。
--レンジャーガンは威力が低く、射程も短い。専用武器は敵を一撃で倒せるほど威力が高いが、プテラアロー以外はリーチが短く、ダメージを受けるリスクが高まる。
--武器を変更するとレンジャーガンに戻すことはできない。専用武器の有無はクリアに関係ないので、レンジャーガンのままクリアすることもできる。また、ステージクリア後は後述のように操作キャラクターが変わるため、武器はレンジャーガンに戻る。

-各ステージの操作キャラクターは以下のように完全に固定されている。追加戦士のドラゴンレンジャー(緑)はミニゲームのイベントデモに出演するが、操作キャラクターとしては使用できない。
|ステージ|操作キャラクター|専用武器|
|ステージ1「恐怖の毒の沼」|タイガーレンジャー(黄)|サーベルダガー(短剣)|
|ステージ2「高熱地獄」|プテラレンジャー(桃)|プテラアロー(弓矢)|
|ステージ3「悪魔の罠の洞窟」|トリケラレンジャー(青)|トリケランス(槍)|
|ステージ4「天空高く雲の秘密基地」|マンモスレンジャー(黒)|モスブレイカー(斧)|
|ステージ5「バンドーラの神殿」|ティラノレンジャー(赤)|龍撃剣(剣)|

-敵やトゲ、溶岩にあたるとライフが減少し、全てのライフがなくなると1ミスとなる(穴に落ちて落下死することはない)。道中でミスしたときは最初からやり直し、ボス戦はその場で復活する。
--ステージ中に散らばっているメダルを10枚集めると、各キャラクターの守護獣((ジュウレンジャーの各部族の守り神で、5体が合体することで主神にあたる「大獣神」になる。身も蓋もない言い方をすれば、他の戦隊における巨大ロボットのパーツである。))がイラストつきで紹介されたあと、ライフが全回復(ノーダメージの時は残機が1アップ)する。獲得したコインを次のステージに持ち越すことはできない。

-3種類のミニゲームが用意されており、各ステージの合間に任意でミニゲームを遊ぶことができる。タイトル画面から直接ミニゲームを遊ぶこともでき、「バリアーブロック」「ドキドキバクダン」では2P対戦ができる。
|バンドーラクイズ|バンドーラ様がジュウレンジャーにまつわる3択クイズを出題する。正解でも間違いでも特にイベントなどが発生する訳ではなく、即終了する。|
|バリアーブロック|大獣神((ジュウレンジャーたちの主神。他の戦隊でいうところの巨大ロボ。))とドラゴンシーザー((ドラゴンレンジャーの守護獣。))がバリアーを操作して玉を跳ね返し、相手の陣地に玉を入れ合う。ぶっちゃけて言えば、『[[Pong]]』である。|
|ドキドキバクダン|ラミイスコーピオン((敵幹部・グリフォーザーの妻で同じく幹部であるラミイが、巨大戦を戦うときの姿。))と剛龍神((ドラゴンシーザー、ジュウマンモス、トリケラトプス、サーベルタイガーが合体した姿。))が爆弾を投げ合い、タイマーが0になったときに持っていた側が負けとなる。|

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**評価点
-『ジェットマン』よりもグラフィックが強化され、原作を意識した演出が多く挿入されている。
--ステージの幕間にはバンドーラ様、バーザとの会話シーンがあり、ジュウレンジャーのメンバーとバーザ、バンドーラ様のグラフィックがリアルに描かれている。
--ゲーム中の操作キャラクターは大きく特徴がよく分かるように描かれ、一目でジュウレンジャーを動かしていると実感できるようになった。守護獣のグラフィックも丁寧に描かれている。
--ボスの撃破後にハウリングキャノン((ジュウレンジャー5人の武器を合体させた、バズーカ砲のような武器。))でとどめを刺す演出が挿入される。

-BGMは前作同様上質な仕上がりで、原作のOP・ED曲もFC音源でばっちり再現されている。

-仮面をつけたラミイの姿((スチルは存在するが、本編で仮面をつけることは1回もなかった。))や守護獣の情報、バンドーラクイズで出題されるジュウレンジャーの設定といった、本編を見ているだけではなかなか知ることのない知識に触れることができる。

**問題点
-アクションゲームとしての調整不足
--敵から受けるダメージが大きいにもかかわらず無敵時間が少なく、敵や敵の撃ってくる弾が避けにくい。
--''操作キャラが大きく、小回りが利きにくいのに敵の弾の角度が浅い''ために、しゃがんでもかわしきれないことが多い。
--ダメージを受けると硬直して垂直落下するため、敵の弾に当たる→落下してトゲ・溶岩や下にいる敵に追い打ちを受けて大ダメージ、という事態に陥りやすい。
--ボス戦は被ダメージが大きくなっているため、攻撃パターンを把握していないとあっという間にライフがなくなっていく。上記の要素も合わせると、''1面ボスのプリプリカンが最強の敵''である。
--「イージー」「ノーマル」の違いが被ダメージとコイン配置の若干の差異にしかないため、難易度変更の存在意義はないに等しい。
--死にやすさのせいで目立たないが、1ステージが短いのに5ステージしかないので、アクションゲームとしての内容はかなり薄い。

-キャラクターの差別化の不足
--威力の高い飛び道具が放てるプテラレンジャーが若干有利なぐらいで、ジュウレンジャー5人の性能差はない。レンジャーガンで戦う初期状態はコンパチと言って差し支えない。
--見た目はコンパチだが武器の性能に差をつけていた前作に対して、今作は見た目は異なっているが中身は同じという、別方向での水増しになってしまっている。

-BGMの不足
--道中戦・ボス戦のBGMが1曲しかない(前作はステージごとに専用のBGMが用意されていた)。

-不親切なパスワード
--パスワードに使われているのが''ポーズを取ったティラノレンジャーのゲーム中グラフィック''で、いずれも似通っていてメモしづらい。
---また、入力数が3つでグラフィックが3パターンしかないので、総当たりで何とかなってしまう。

-原作と比べたときの物足りなさ
--ステージもザコ敵も原作との関連が薄く(ドーラモンスター(本作の怪人)「らしき」敵はいる)、ジュウレンジャーならではの要素がない。この点は戦闘員・怪人と戦うことのできた前作から大きく劣化した。
--バンドーラ一味がスーパー戦隊シリーズ屈指のアットホームな敵組織であるために、非戦闘員((ドーラモンスターの制作担当であり、原作では1回もジュウレンジャーと戦っていない。))のプリプリカンがボスを務めたり(しかも1番強い)、バンドーラ様のお顔がコワモテぎみだったり、倒したボスが既に死んでいるかのように扱われていたりと、細かい点に違和感を覚える。
--''巨大ロボ戦が存在しない''。ミニゲームには登場しているが直接戦うわけではなく、ロボと敵がガチで衝突し合う場面が一切ないのはスーパー戦隊のゲームとしてどうなのかと思わずにはいられない。
--人気の髙かったドラゴンレンジャーを操作キャラクターとして使うことができないのも、もどかしい点の一つである。

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**総評
演出面では『ジェットマン』から改善された点が多い一方で、劣化した点や物足りない点も多く、総合的な満足度は前作とどっこいどっこいである。~
アクションゲームの内容も、「ナツメ開発のアクションゲームとしては微妙」と評価される前作に対し、本作は調整不足・投げやりなところが目立つ「アクションゲーム全般から見ても微妙」な出来である。~
『ジュウレンジャー』はスーパー戦隊シリーズで初めて本格的なファンタジー要素を盛り込み、RPGを意識した演出((魔の大陸を冒険して伝説の武器を手に入れる、ドーラモンスターを倒すために弱点となるアイテムを探すといった展開が多かった。))を多用した作品であり、テレビゲームとの相性は良かったはずなのだが、それが生かされなかったことも残念である。~
それなりに遊べるが飽きるのも早い、キャラゲーにありがちな凡作である。

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**その後の展開
-事実上のバージョンアップ作品として、SFCで『[[マイティ・モーフィン・パワーレンジャー]]』((『ジュウレンジャー』のローカライズとしてアメリカで放送された特撮ドラマ。特撮パートは日本のものをそのまま使用し、ドラマパートを現地の俳優が演じることが特徴である。))が発売されている(発売元はバンダイ、開発元はナツメ)。

-iOS/Android用アプリ『スーパーロボット大戦X-Ω』に本作品が参戦。スパロボに参戦した初の戦隊作品となった。

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**余談

-実は「スーパー戦隊シリーズ」でファミコン化された前作『鳥人戦隊ジェットマン』と本作は結果的に原作のシリーズでも作品名の転換点になった作品である。
--それまでは1983~1984年の『科学戦隊ダイナマン』以後「~マン」が王道路線だったが、これ以後は「~レンジャー」が固定路線となった((これ以後「~マン」は1998~1999年「星獣戦隊ギンガマン」が単発で登場したのみ。因みにそれも当初の構想では「ガオレンジャー」だった(この名前は2001~2002年の「百獣戦隊ガオレンジャー」に転用されている)。))。
---その後2000年代後期にはさすがにネタ切れか「レン」にあたる部分もいろいろ改変されるようになったが「~ジャー」が王道と言うスタイルは、これから30年以上が経過した現在も続いている。