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真・女神転生 デビルチルドレン 黒の書・赤の書 - (2016/09/26 (月) 12:49:01) のソース

*真・女神転生 デビルチルドレン 黒の書・赤の書
【しん・めがみてんせい でびるちるどれん くろのしょ・あかのしょ】
|ジャンル|RPG|&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/51NTquhhHqL.SL150.jpg)|&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/51TedgUusTL.SL150.jpg)|
|対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)&br;プレイステーション|~|~|
|メディア|【GBC】16MBitROMカートリッジ&br;【PS】CD-ROM 1枚|~|~|
|発売元|アトラス|~|~|
|開発元【PS】|アクセス&br;マルチメディアインテリジェンストランスファー|~|~|
|発売日|【GBC】2000年11月17日&br;【PS】2002年3月28日|>|CENTER:&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/61FRTCRXJDL.SL150.jpg)|
|定価|【GBC】各4,515円(税込)&br;【PS】6,090円(税込)|~|~|
|配信|【GBC】バーチャルコンソール:2013年11月13日/各600円&br;【PS】ゲームアーカイブス:2010年10月13日/600円|~|~|
|判定|なし|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[女神転生シリーズリンク>女神転生シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
『女神転生シリーズ』の外伝作品。子供を対象としており、かわいらしくデフォルメされたデビル(従来の「悪魔」)や簡略化されたデビルとの会話などが特徴。通称『デビチル』。~
当時大量に登場した「亜流ポケモン」の一つで、「2バージョン同時発売で主人公とパートナーが異なる」「通信により友達とデビルの交換や対戦が可能」という要素が存在する。~
これ以前にGBで展開していたラストバイブルシリーズから引き継いだ仕様も多い。「仲間に出来るデビルは主人公のレベル+5まで」「会話は仲間のデビルに任せる」など。~
後に第3の主人公が活躍する裏のストーリーを描いた『白の書』が発売されている。

**特徴
-バージョンにより異なる合体方法。
--『黒の書』では「混血合体」が可能。異なる種族のデビルを合体させることにより、別のデビルを作り出す。『赤の書』のようにデビルの能力を上げることは難しいが、こちらでは新しいデビルを作りやすくなっている。
--『赤の書』では「純血合体」が可能。同じ種族のデビルを合体させることで、デビルの能力を高める。混血合体もできるが、同じく「ベースとしたデビルの能力を高める」というもので、別のデビルを作ることが難しくなっている。
--デビルにはレベルアップの要素がないため、合体による強化が主要な戦力アップの方法となっている。
---「訓練所」へ預けることでも能力の底上げができる。効率はあまりよくないが、種族やレベル据え置きのままパラメータが上がっていくので、レベル不相応に強いデビルを育成することが可能。ただし順当に攻略を進めていると、合体で強化したデビルに追いつくためには、ずっと預けっぱなしのような形になってしまう。

-バージョンにより異なるパートナーデビル。
--黒の書ではケルベロスの「クール」、赤の書ではグリフォンの「ベール」がパートナーになる。
--パートナーとなるデビルは主人公の後ろについて回り、会話する事が可能。
--フィールドやダンジョンで話しかけると背中に乗って移動する事が可能となり、徒歩では越えられない地形を越える事が可能になる。
--なお、パートナーは合体しても他のデビルに変化する事はなく、純粋にパワーアップするだけの固定枠となっている。

-仲魔にしたデビルは主人公の持つポケットコンピューター「ヴィネコン」に入り、召喚銃「デビライザー」の弾に込める事で戦闘に出す事が出来る。ヴィネコンはデビル図鑑も兼ねており、デビルの説明などを読む事も可能。

**評価点
-一見子供向けのようでちゃんとメガテンしているストーリー。
--登場人物たちは全体的に冷静で、会話内容も淡々としたものであることが多い。よくある勧善懲悪ものではない、ダークな部分を持ち合わせた作風やプレイヤーの選択によるエンディングの変化という点は、本家シリーズのものと同様である。
--大筋のストーリーは共通しているが、それぞれの主人公の視点で展開されるためバージョンごとに異なる場面も存在する。

-デフォルメされたデビルたち。
--『黒の書』のパートナーであるケルベロスは、上位ランクになれば従来のように雄々しい姿となるが、最初のランクでは愛らしい犬のような姿となっている。他のデビルも、恐ろしさを感じさせながらもどこか可愛げのあるデザインとなっている。
--登場するデビルは200種類以上。複数のデビルの中から1匹を選ぶもの、1匹しか仲魔にならないものもいるため、1周しただけでコンプリートすることは出来ない。
--一部のレアなデビルはサブイベントをクリアすることで入手できる。これらのサブイベントは「お墓から怪しい声がする」「湖には化け物がいる」などの誰もが一度は聞いた事のあるような怪談や伝承がベースになっているものが多い。

**問題点
-会話システムが簡略化され過ぎている。
--会話を始めると表示されるのは「何か話しているような吹き出しと結果」のみ。本家シリーズのような多彩な会話内容を期待すると物足りないものとなる。
--これはこれでシンプルながらとっつきやすく、楽しめるとも言えなくはないが。

-黒の書がやや不遇。
--ストーリー的な差異を除けば基本的な差はないように見えるが、実は純血合体でないと仲魔にできないデビルが存在する。
--一方、混血合体でしか仲魔にできないデビルは存在しないため、黒の書がやや不遇な扱いになってしまっている。

-序盤の戦闘バランスが悪い。
--当初はパートナーの能力が低く、それでいながら引っ込めることのできない固定メンバーなので、戦闘でかなり苦戦する。
--本作のバトルは互いに最大2体までしか場に出ない2対2形式なのだが、パートナーの枠が交代できない関係上、HPが0になって気絶されると、残った仲間は1体きりで戦い続ける羽目になる。控えがどれだけいても、パートナーとの交代はできない。
---敵味方とも控えと交代することは可能((敵は倒れた場合のみ、控えが残っていれば交代で出てくる。))。ただし「パートナー」は固定で交代先がおらず、気絶しても気絶したパートナーが二つしかない枠の一つを占有したまま。気絶は戦闘終了しても回復してくれないので、町まで帰還するのさえ苦労する。
---中盤に新たな召喚器を手に入れると、「パートナー」「最初から持っている召喚器」「新たな召喚器」の三種から枠を使い分けられるようになる。これ以降はパートナーも、予備に回している側の召喚器との交代が可能。

**PS版
-『黒の書』と『赤の書』を同時収録しており、イベントシーンにアニメ版の声優による音声が付いている。新しいデビルも多数追加されている。
-また登場しているデビルのデザインはGB版『白の書』に準拠しており、「キツネのナマモノ」の名称も「タヌキのナマモノ」に変更されている((このデビルは漫画家・柴田亜美氏の自画像をベースにしており、その自画像はタヌキをベースにしているためにキツネだと間違いになる。これは同氏の漫画内でもネタにされた。))。
-通信システムはメモリーカード内のデータ同士で交換・合体・対戦が出来るようになっており、タイトル画面からいつでも実行可能となっている。

**総評
とっつきやすいデザインやシステムは好評で、後に多数の続編が制作されている。~
これまでファンの居なかった低年齢層に女神転生の世界観の魅力の一端を示した功績は非常に大きいといえるだろう。ここから女神転生シリーズを始めたプレイヤーも多い筈である。

**余談
メディアミックスも多数展開され、明るい雰囲気で「子供向け」を前面に押し出したアニメ版(2000年10月~2001年9月、TBS系列)はゲーム版プレイヤーの好評を受け((刹那役の森久保祥太郎氏とメッチー役の釘宮理恵氏は、『ペルソナ4』でそれぞれ花村陽介、久慈川りせ役として出演している。))、とてつもない暴力的な描写が全編に渡り展開された漫画版(コミックボンボンにて連載。作者は藤異秀明氏)は従来のメガテンファンから絶賛された((その描写から『児童誌のベルセルク』という異名がある。))。また、藤異氏は続編『ライト&ダーク』の漫画版も手がけている。