「下級生2」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

下級生2」(2021/07/01 (木) 06:10:15) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*下級生2 【かきゅうせいつー】 |ジャンル|恋愛シミュレーション|&amazon(B0002H9S7C,image);| |対応機種|Windows 98SE/Me/2000/XP&br()【DL版】Windows 7/8.1/10|~| |発売元・開発元|エルフ|~| |発売日|2004年8月27日|~| |定価|8,800円(税抜)|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |配信|DMM:2017年10月18日/4,104円(税8%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|挑戦的というか挑発的なメインヒロイン&br;エルフブランド没落の流れを加速させた?|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1996年に発売された恋愛シミュレーションゲーム『[[下級生]]』の約8年ごしの続編。~ といってもシステムは類似しているものの世界観のつながりはほぼない。前作ヒロインらしいキャラクターが背景かチョイ役として出演しているに止まっている。 門井亜矢氏が前作に引き続きキャラクターデザインを担当しているが、シナリオは前作の蛭田昌人((エルフの元社長にして、ドラゴンナイトシリーズ、同級生シリーズ、おやぢシリーズなど数多くの作品を手がけ、エルフブランドの屋台骨を築いたゲームデザイナー。当時は既にゲーム業界から退いていた。))ではなく「モーニング息子、」となっている((今村という人物をトップにしたライター集団であるらしいが、詳細は不明。))。また当初は『WHITE ALBUM』などで知られる原田宇陀児(はらだ うだる)を起用することが宣伝されていたものの、差し替えられている。 蛭田昌人氏の引退などにより往時の勢いに陰りが見えていたエルフブランドが復権を期して送り出したと思われる作品であり、当時も以降もエルフは発売前の宣伝に消極的とされていながら、専用サイトが作られるなど例外的に力を入れていた。 **ゲームシステム -頼津(らいつ)学園の3年生、織屋浪馬(おりやろうま。名前変更可能)となり、学園最後の1年間を通して目当てのヒロインと仲良くなっていくのが目的である。 --『下級生』というタイトルではあるが厳密な意味での下級生なヒロインは2人で、他校の年下が2人、同級生2人年上3人である。~ ヒロイン数が減っているので、比率で言えば前作よりは年下が増えているかもしれない。 -システムに関してはほぼ前作を踏襲しており、そちらを参照してほしい。 --ゲーム期間は4月10日の土曜から3月6日の日曜までの約11ヶ月間。 --前作同様、学園や街中をRPG風マップで探索して女の子と会話したりお金を稼いだり、チャンスがあれば女の子をデートに誘ったりして日々を過ごしていく。 -『1』では冬服のみだったアダルトシーンでの「おさわり」は季節ごとにヒロインの私服差分あり。 -エロシーン回想枠は一人10個だがエロCGは一人当たり10枚弱で少なく、必然的に違うシーンで同じCGを流用することになる。 --ヒロインの多さから仕方がないという点もある。 -エンディング曲はヒロインごとに1曲ずつ声優が歌うキャラソンが用意されている。 ---- **評価点 -前作のヒットによりファンから続編が望まれていた『下級生』の復活。 --『○級生』(というよりPC98時代に売れたタイトル全般)はもう終わったものと思われており、当時はファンを驚かせた。 -エンディングで意中のキャラに告白できるようになったため、前作のように同時攻略した場合結ばれる相手が分からなくなる……という事態は起こりづらい。逆に構っていなかった相手に突撃してわざとバッドエンドを迎えることも可能である。 -カレンダーによって過去のデートの約束を振り返ることが可能になった。 -前作とシステム的に大きな変更もなく、不満があった点を解消したところは評価できる。 -前作に引き続き門井亜矢氏がイラストを担当しており、8年の歳月が画風に現れている。 --彩色でトップクラスだったスタッフの仕事により、とても綺麗でかわいい絵に仕上がっている。 **賛否両論点 -今作においては、前作でも一部のヒロインに存在した好感度制限がほぼ全キャラに導入されており、特定の時期に特定のイベントを起こさなければ攻略できなくなっている。 --これは「簡単なキャラは毎週毎週デートしまくれば少なくとも秋頃にはもうエッチ解禁で、それ以降は作業プレイ化」という前作のゲームバランス上の問題を解決しようとしたため、もしくはストーリー性付加のためと考えられる。 ---ただ前作がストーリー性より女の子とのコミュニケーションを重点においたシステム(例外もあり)だったことを考えると、余計な手出しであった可能性もある。元々の自由度の高さが足かせになってしまった。 --キャラクターによってこの点がプラスにもマイナスにもなっており、スケジュールと好感度制限の設定がいい感じに組み合っている場合テンポが良く、悪く組み合ったキャラの場合ダルく無意味な作業を続けるゲームとなってしまった。 -男キャラが基本空気。前作では、プレイヤーが構ってないヒロインを持っていくほどだったのだが… --「スポーツマンでイケメン」という分かりやすい設定の雨堂や、「攻略対象である図書室司書に惚れてる」裏設定を持つはずの志藤先生すらプレイヤーに有害な行動を何もしてこない。 --「ヒロインが主人公を好きか嫌いかは関係なく、主人公以外の男になびかない」というのが定着しつつあったが、それの影響だろうか。幼馴染云々の風潮を皮肉りながらここだけ萌えゲの文法に則っているのは解せない話である。 ---尤も前作の佐竹晴彦(イヤミなイケメンのボンボン)もヒロインに対していかがわしい行動を繰り返しているが、『同級生』及び『同級生2』の類似キャラと違いコイツのせいでヒロインと破局することはまず無く、おこぼれ拾いもしなかった。 --ただしこの男キャラが空気というのはヒロイン達の「主人公以外の男にはなびかない」というプラスイメージのためだろう。むしろあからさまに性格の悪い男キャラとヒロインが結ばれる可能性がある場合、「ヒロインもそういう人間」とユーザーから扱われる。 -オープニングテーマは2種からランダムで選ばれるが、うち一つの「18」が無駄に強烈で当時批判や笑いが起こった。もうひとつの「恋の歌」は普通。 --80年辺りの歌謡のオマージュらしき歌詞及び曲調に「やんやんややんや~ん」という謎の合いの手が入るというもの。 **問題点 -前作で金を払うとランダムで誰かの好感度を上げてくれた「地蔵」が撤廃された。これにより地道な会話とデートの繰り返しでヒロインを攻略していくしかなくなった。 --好感度限界に引っ掛かると数値的にはデートが無駄になるが、かと言って放置すると好感度が下がっていく。好感度を維持するための作業デートを要求されることになる。 -ヒロインの減少と没個性化。 --10名を超えていたヒロイン数も時代の影響か9名と減少。 --エルフの純愛モノで特徴的な意外性のある設定が非常に少なくなり、全年齢ギャルゲーにありがちな凡庸な属性と、前作のキャラを組み替えたような設定の女の子ばかりになった。 --ストーリーも意外な展開が少なく盛り上がりに欠ける。前作の蛭田氏のシナリオが秀逸過ぎた点もあるが、それを考慮しても今作のストーリーは並。 ---心情の変化や状況を書き入れようという気は感じられるが、その点がプレイヤーの想像力に任せるゲームシステムと合っていない。 --門井亜矢氏の能力向上によって生じた垢抜けた感じや明るい塗り、萌えの流行に乗ったイラストの均一的な調子も影響していると思われる。 --尖ったキャラとしては、ダイエットに成功し見た目がまったく変わる子くらいであろう。だが、いかんせん分かりやすい展開である。 -''意外性を突き過ぎたメインヒロインの柴門たまきのストーリーで、プレイヤーの多くが嫌悪感を覚え、批判が高まった。'' #region(柴門たまきシナリオのネタバレ) -「いわゆる世話焼きの幼馴染で、年齢の上下を問わずモテる人気者。だが問題児な主人公のフォローに回ることが多い」という、ここまでは結構ありがちな設定である。~ しかし、そういうキャラ立ちであると同時に、ゲーム開始時点で既に年上の彼氏がいて肉体経験も持っている。ちなみに相手はハデなスポーツカーを乗り回す遊び慣れした風の医大生、というバブル期からやって来たような人物像。名前は後に配布されたファンクラブ会報にて「正臣(まさおみ)」であることが判明している。 --他の女の子とデートしていると、時間と場所によっては彼氏とたまきのデート現場を見せつけられることになってしまう。誰得? ---にも関わらずわざわざ主人公宅まで夕飯を作りに来る強制イベントがあり、なおかつこの時点で彼氏の存在を知っていた場合、~ 「あの人にフラれたらお嫁さんになってあげようか」的なジョークが出る。~ 笑えたユーザーがどれほどいたかは謎。 ---そして(あくまで幼なじみとしての前置きがつくものの)デートに誘えば初期段階でもほぼOKしてくれる。''当然彼氏との関係も継続中なのに''。 -シナリオ構成は、「たまきが主人公をキープにしようとしたもののお遊びが過ぎて本命にフラれ、結果主人公に拾われる」という釈然としないもの。一応三角関係モノと言えなくもないが、フラれる直前まで主人公はカヤの外であるし、自覚の有無関係無しにキープを作ろうとするのは嫌われて当然な行為である。 --話の構成自体は『同級生』の黒川さとみに近い((主人公と悪友的な関係、別の男性と交際関係にあった、交際がうまく行かずに主人公に零す場面があった、フラれた場面に居合わせることで話が進行する、という点で共通する。))。~ しかし黒川さとみの場合は「相手の男が主人公も顔を知っているイヤな野郎であり、相手側がヒロイン側を一方的に振ったと見てよい」という点があり、寝取りにしても(ユーザーの)自己正当化の余地は大きかったし、さとみ側にも同情するところ大であった。 ---かたやたまきの場合、どう考えても「主人公はちょっかいを出して能動的に彼氏との関係を崩壊させた」「たまきは主人公を拒否せず、しかも彼氏とも付き合い続ける」と感情移入しがたい代物。更にたまきは医大生に指摘されるまで主人公とのデートを「幼馴染のよしみ」としか考えていなかったらしいこと、しかも主人公の方もたまきを落とすつもりだったか疑わしかった((最初にたまきをデートに誘おうとすると、主人公がプレイヤーに対して異論を唱え提案を拒否してしまう。確かにエルフ作品の主人公はプレイヤーの存在を意識した発言をよくするが、女の子へのアプローチを否定する形でのメタ発言は異例である。))ことから、方向性すら定まらない釈然としない状況になっている。 --たまきと付き合っていた男に関しても、いかにも金持ちで遊びなれてそうな雰囲気こそあるが、主人公とは直接的に合う場面もないため詳しい性格も分からない為、上記の黒川さとみの元彼のような寝取りに対して自己正当化できる部分も少ない。 ---その男も、「たまきが自分以外の男と付き合うことに釘を刺すような発言を行う」等、付き合っている彼氏としては当然ともいえる言動を行っている上に放置や許容していたわけでも発覚後即別れを切り出したわけでもないことに対して、たまきからは「ただの幼なじみ」とはぐらかされていたらしいということが窺い知ることができる。 ---男がたまきを振った理由も「自分と主人公の両方に親しくし、どっちつかずの態度をとるたまきが面倒になった」というもの。「面倒になった」というのは一見印象が悪いものの、彼の立場から考えると上記のような行動・言動のたまきと縁を切りたくなる気持ちは十二分に理解できる為、『たまきに引っかかってしまった男』という同情的な感覚を覚えるプレイヤーすらいる。 -ちなみに主人公とくっついたらくっついたで、主人公と比較して元彼をコケにするような言動が続出する(つまり「[[サラマンダーよりずっとはやい>バハムート ラグーン]]」)((しかも主人公が「元彼と比べてどっちがいい?」と聞く場面もある))。元彼の立場は一体…一層彼からすると引っかかってしまった感が強くなる。 --「だから主人公が好き!」と持ち上げようとしてくれているのかもしれないが、「だったら何でつきあってたんだ!?」と思いたくなるし、あまり度が過ぎると正直気分の良いものではない。 --また、同シリーズには、男遊びに抵抗の無い性に奔放なヒロインや、既に彼氏がいるヒロインもいたが、男遊びするヒロインは「『他の男には身体は開いても心は開かなかった』所謂享楽的なキャラを主人公が変える((本作のヒロインの一人・堀出実果がこのパターン))」、彼氏持ちヒロインは「彼氏と破局してから実質的な攻略がスタートする。破局の理由は主に当人同士の問題」といった構成だったため、たまきの二股(に見える)交際とそれを原因とする破局、「元彼に本気だったから身体を許した」等を公言しておきながら、他方では主人公との身体の相性を比較して元彼を下げる等のちぐはぐなシナリオに批判が集まったものと思われる。 -この手の「限られた期間と箱庭の中で自由に行動し、女の子と会話したりデートしたりする」というゲームのメインヒロインであるためか攻略難易度は低めで、重要イベント以外はあまり意識せずクリアに持っていける。 --重要でないイベントの中に彼氏と主人公との板ばさみに葛藤する描写があり、葛藤したからと言ってもフォローしがたいが決して何も考えていないわけではないことがわかる。しかしこれを見逃した場合、たまきが余計尻軽に見えることになる。 --デート自由のゲームデザインと、現在進行形で彼氏持ちというキャラ立ちも噛み合っていなかったと見られる。&br()仮にもメインヒロインである以上、前作の彼氏持ちのようにチャンスまで待つキャラにはしづらかったのだろう。 --ちなみに、システム面で挙げた好感度制限を特に煩わしく感じさせるキャラでもあり、ゲーム開始当初から本気で狙うと8月辺りで関係が進まなくなり、制限解除イベントの起こる10月まで暇になってしまう。 結局、純愛だと思ったらハードル高すぎる上に「これ純愛…?」な描写であり、かと言って肉欲や寝取り方面でのカタルシスも薄い、~ 誰得メインヒロインになってしまったと言えるだろう。 結局のところたまきの取り扱いは中途半端だと言わざるをえない。~ はっきりとしない辺りはある意味リアリティがあるかもしれないが…リアルでも嫌われる女の代表例と言える。 #endregion ---- **総評 システムの親切さとしては続編として相応しいが中身は凡作で、エルフの捲土重来を託すには役者が足りなかったと言える。少なくとも『2』独自の魅力には乏しい。~ 前作のファンや、既存のゲームジャンルに囚われないかつての作風を期待していた往年のエルフファンからは「守りに入っている」などと苦言を呈された。~ さらに色々と抱えた柴門たまきがメインヒロインという、トンデモ変化球のお陰で実態以上の悪評を被ることになってしまった。~ 本作以降エルフブランドから恋愛系タイトルの新作がほぼ出なくなったことからもエルフブランドに与えた影響は大きく、これをもって「エルフブランドの終焉」などと呼ぶ向きもある。~ ---- **その後の展開 -テレビアニメや18禁OVAなどのメディア展開がなされているが、特にテレビ版は特殊なシナリオ構成で評判が芳しくない。 --テレビ版の監督・シリーズ構成を務めた影山楙倫氏は2017年に奇妙な作風で話題となった「ダイナミックコード」においても監督・シリーズ構成を務めており、両者の作風は似通っている。 -メディア展開においてたまきの設定はブレまくっている。 --テレビアニメ版:そもそも彼氏がどうこうの話題すらなし。 --OVA「Anthology」版:医大生の彼氏がいる一方、主人公とも肉体関係あり。 --OVA「Sketchbook」版:男性経験なしで主人公に片思い中。 -2015年2月26日より、DMM専売でダウンロード販売が開始された。~ ファン会報用であったアナザーストーリー3編も同梱となっている他、前作とのコンプリートパックも同時発売。 --2017年10月18日にはWindows10に対応させたバージョンが配信された。 **余談 -続編であることにちなんでなのか、街中には続編モノだけを放映する映画館が存在する。 --最初に訪れた際に出る「あの名作映画の微妙な続編だからといって見捨てないでほしい」というセリフには、蛭田抜きの体制で続編を作らねばならなくなったスタッフの心の叫びがにじみ出ているのだろうか。 ***メインヒロインを巡る騒動 -発売当時は上記のシステム面よりも、主要ヒロインとされる「柴門(さいもん)たまき」のキャラクター設定を巡り大騒ぎとなっていた。~ 現在では「下級生2のタイトルや内容は知らないが、下記のディスクの件だけは知っている」という人までいる。 #region(詳細) -たまきの設定にキレたと思われるあるユーザーが、''ディスクを叩き割って文書つきでエルフ本社に送付する''という事件が発生した。 --曰く「柴門たまきの脳髄及び処女膜が破損している為、彼女が『誤作動』を起こしてしまいプレイ環境が整わなくなったので返品いたします。破損製品は御社(エルフ)での処分をお願いします。製品の交換や返金を求めるものではありません」。 //今後一層の品質向上を期待します //↑この「品質向上を期待する(皮肉)」という内容、今ネット上に出回ってる添付文書とされる画像の文章には書かれてないのだが…一旦COするけど、ソース知っている人居たら復元お願いします ---品の交換や返金を求めないことから一見マシに見えるが、よく読めば皮肉たっぷりのクレームである事がすぐに分かるだろう。 //--この行為は後に「ディスク割り」という、オタク界隈での抗議活動として定着した。 //---とは言っても現在ではこのような事件に敏感になりつつあるため、行う際には自己責任が前提であることを忘れずに。 -前述のように従来のエルフ作品であれば彼氏持ちのヒロインを奪う、もしくは彼氏持ちが主人公になびいてしまう、男遊びするヒロインという''だけなら''決して奇異ではない((メインヒロインではないが、前作の「橘真由美」は肉体関係から始まる恋。「皆川奈々」は恋人に振られてからの恋愛(肉体関係なし)。「山下美夏」はキャバクラ嬢。「三月静香」は元の彼氏ときっちり別れてからの恋愛。))のだが、本作のたまきが大騒ぎになった背景には「幼馴染」という萌え属性が2004年当時で固まりつつあったという事情もある。 --『[[To Heart]]』の神岸あかり以来、幼馴染ヒロインは主人公のことが一途に大好きであるケースが増加してきており((例えば『ときめきメモリアル2』の「陽ノ下光」、『ONE』の「長森瑞佳」、『とらいあんぐるハート』の「鷹城唯子」&「野々村小鳥」など。))、2000年代では半ば当たり前の状態になっていた。 ---翻ってたまきの場合は、エロゲー的幼馴染の萌え要素をあらかた備えながらも、彼氏持ちで経験済みという、当てこすりで作られたかのようなキャラクターであった…。 ---しかしながらこの様な設定でありながら良い年頃の幼馴染の世話を焼くという時点で既に異常(前例の彼女達は普通とは言えないが異常ではない)であり、そこに前述のキープや彼氏へのage、sageなどの問題行動も加わるので…残念ながら幼馴染キャラへの当てこすりという推測をしても何の慰めにもならない。 -更に悪い要素として、発売前に雑誌などで公開された情報では「''オーソドックスで王道な''幼馴染キャラ」として宣伝されており、それを信じて購入したユーザーからは悪い意味で『騙しうち』を受けることになった。これも騒動の大きな要因である((事前情報と実際の作品内容を食い違うものにして、インパクトを与える作戦自体はしばしば見られる。))。 --「パーフェクトなマドンナの雛型となった桜木舞(同級生)、妹萌えの走りと言われる鳴沢唯(同級生2)、桜木舞に親しみやすさと市民要素を加えた結城瑞穂(下級生)などの名ヒロインを輩出してきたエルフとして、単なるテンプレ幼馴染を出すことは許されなかった」というプレッシャーから変化球に走った((実際、「エルフに同じヒロイン無し」の法則があるほどに基本的にエルフ作品のヒロインはメイン・サブ含めて完全に同じようなタイプのヒロインは少ない。))、または従来のエルフ作品で描かれる「幼馴染キャラ」と同じ扱いに戻した((そもそもエルフの作品に登場する幼馴染・腐れ縁タイプのヒロインは(行動選択次第で回避が可能なケースもあるが)悲惨な境遇に陥ることが多い。本シリーズでは『同級生』の「黒川さとみ」、『同級生2』の「水野友美」などが該当。))という見解も一部のファンサイトで挙がっている。 ---客観的に見ればエルフ作品の一ヒロインとしては決して悪くなく、メインヒロインでなければここまでの騒動にはならなかったのでは……とする意見も極一部にはあるが、流石にキャラ設定と話が歪過ぎるので批判が減る程度でしかないと思われる。 -キャラ人気は当然サブヒロインに流れた。しかし、エロゲーやギャルゲーが隆盛を誇った時代を経ており、サブヒロインもどこかで見たようなキャラばかり。時代は「ツンデレキャラ」という言葉が認知され特に人気が出た時期であり、典型的な委員長ツンデレキャラの「高遠七瀬」人気が揺るぎないものになった。 --その七瀬にしても「ほとんど相手にされない→ギスギスしているが普通に会話は成立する→言葉はキツいが以前よりずっと友好的」を経て、ある重要イベントからいきなりデレ化するので違和感は大きい。 #endregion
*下級生2 【かきゅうせいつー】 |ジャンル|恋愛シミュレーション|&amazon(B0002H9S7C,image);| |対応機種|Windows 98SE/Me/2000/XP&br()【DL版】Windows 7/8.1/10|~| |発売元・開発元|エルフ|~| |発売日|2004年8月27日|~| |定価|8,800円(税抜)|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |配信|DMM:2017年10月18日/4,104円(税8%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|挑戦的というか挑発的なメインヒロイン&br;エルフブランド没落の流れを加速させた?|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1996年に発売された恋愛シミュレーションゲーム『[[下級生]]』の約8年ごしの続編。~ といってもシステムは類似しているものの世界観のつながりはほぼない。前作ヒロインらしいキャラクターが背景かチョイ役として出演しているに止まっている。 門井亜矢氏が前作に引き続きキャラクターデザインを担当しているが、シナリオは前作の蛭田昌人((エルフの元社長にして、ドラゴンナイトシリーズ、同級生シリーズ、おやぢシリーズなど数多くの作品を手がけ、エルフブランドの屋台骨を築いたゲームデザイナー。当時は既にゲーム業界から退いていた。))ではなく「モーニング息子、」となっている((今村という人物をトップにしたライター集団であるらしいが、詳細は不明。))。また当初は『WHITE ALBUM』などで知られる原田宇陀児(はらだ うだる)を起用することが宣伝されていたものの、差し替えられている。 蛭田昌人氏の引退などにより往時の勢いに陰りが見えていたエルフブランドが復権を期して送り出したと思われる作品であり、当時も以降もエルフは発売前の宣伝に消極的とされていながら、専用サイトが作られるなど例外的に力を入れていた。 **ゲームシステム -頼津(らいつ)学園の3年生、織屋浪馬(おりやろうま。名前変更可能)となり、学園最後の1年間を通して目当てのヒロインと仲良くなっていくのが目的である。 --『下級生』というタイトルではあるが厳密な意味での下級生なヒロインは2人で、他校の年下が2人、同級生2人年上3人である。~ ヒロイン数が減っているので、比率で言えば前作よりは年下が増えているかもしれない。 -システムに関してはほぼ前作を踏襲しており、そちらを参照してほしい。 --ゲーム期間は4月10日の土曜から3月6日の日曜までの約11ヶ月間。 --前作同様、学園や街中をRPG風マップで探索して女の子と会話したりお金を稼いだり、チャンスがあれば女の子をデートに誘ったりして日々を過ごしていく。 -『1』では冬服のみだったアダルトシーンでの「おさわり」は季節ごとにヒロインの私服差分あり。 -エロシーン回想枠は一人10個だがエロCGは一人当たり10枚弱で少なく、必然的に違うシーンで同じCGを流用することになる。 --ヒロインの多さから仕方がないという点もある。 -エンディング曲はヒロインごとに1曲ずつ声優が歌うキャラソンが用意されている。 ---- **評価点 -前作のヒットによりファンから続編が望まれていた『下級生』の復活。 --『○級生』(というよりPC98時代に売れたタイトル全般)はもう終わったものと思われており、当時はファンを驚かせた。 -エンディングで意中のキャラに告白できるようになったため、前作のように同時攻略した場合結ばれる相手が分からなくなる……という事態は起こりづらい。逆に構っていなかった相手に突撃してわざとバッドエンドを迎えることも可能である。 -カレンダーによって過去のデートの約束を振り返ることが可能になった。 -前作とシステム的に大きな変更もなく、不満があった点を解消したところは評価できる。 -前作に引き続き門井亜矢氏がイラストを担当しており、8年の歳月が画風に現れている。 --彩色でトップクラスだったスタッフの仕事により、とても綺麗でかわいい絵に仕上がっている。 **賛否両論点 -今作においては、前作でも一部のヒロインに存在した好感度制限がほぼ全キャラに導入されており、特定の時期に特定のイベントを起こさなければ攻略できなくなっている。 --これは「簡単なキャラは毎週毎週デートしまくれば少なくとも秋頃にはもうエッチ解禁で、それ以降は作業プレイ化」という前作のゲームバランス上の問題を解決しようとしたため、もしくはストーリー性付加のためと考えられる。 ---ただ前作がストーリー性より女の子とのコミュニケーションを重点においたシステム(例外もあり)だったことを考えると、余計な手出しであった可能性もある。元々の自由度の高さが足かせになってしまった。 --キャラクターによってこの点がプラスにもマイナスにもなっており、スケジュールと好感度制限の設定がいい感じに組み合っている場合テンポが良く、悪く組み合ったキャラの場合ダルく無意味な作業を続けるゲームとなってしまった。 -男キャラが基本空気。前作では、プレイヤーが構ってないヒロインを持っていくほどだったのだが… --「スポーツマンでイケメン」という分かりやすい設定の雨堂や、「攻略対象である図書室司書に惚れてる」裏設定を持つはずの志藤先生すらプレイヤーに有害な行動を何もしてこない。 --「ヒロインが主人公を好きか嫌いかは関係なく、主人公以外の男になびかない」というのが定着しつつあったが、それの影響だろうか。幼馴染云々の風潮を皮肉りながらここだけ萌えゲの文法に則っているのは解せない話である。 ---尤も前作の佐竹晴彦(イヤミなイケメンのボンボン)もヒロインに対していかがわしい行動を繰り返しているが、『同級生』及び『同級生2』の類似キャラと違いコイツのせいでヒロインと破局することはまず無く、おこぼれ拾いもしなかった。 --ただしこの男キャラが空気というのはヒロイン達の「主人公以外の男にはなびかない」というプラスイメージのためだろう。むしろあからさまに性格の悪い男キャラとヒロインが結ばれる可能性がある場合、「ヒロインもそういう人間」とユーザーから扱われる。 -オープニングテーマは2種からランダムで選ばれるが、うち一つの「18」が無駄に強烈で当時批判や笑いが起こった。もうひとつの「恋の歌」は普通。 --80年辺りの歌謡のオマージュらしき歌詞及び曲調に「やんやんややんや~ん」という謎の合いの手が入るというもの。 **問題点 -前作で金を払うとランダムで誰かの好感度を上げてくれた「地蔵」が撤廃された。これにより地道な会話とデートの繰り返しでヒロインを攻略していくしかなくなった。 --好感度限界に引っ掛かると数値的にはデートが無駄になるが、かと言って放置すると好感度が下がっていく。好感度を維持するための作業デートを要求されることになる。 -ヒロインの減少と没個性化。 --10名を超えていたヒロイン数も時代の影響か9名と減少。 --エルフの純愛モノで特徴的な意外性のある設定が非常に少なくなり、全年齢ギャルゲーにありがちな凡庸な属性と、前作のキャラを組み替えたような設定の女の子ばかりになった。 --ストーリーも意外な展開が少なく盛り上がりに欠ける。前作の蛭田氏のシナリオが秀逸過ぎた点もあるが、それを考慮しても今作のストーリーは並。 ---心情の変化や状況を書き入れようという気は感じられるが、その点がプレイヤーの想像力に任せるゲームシステムと合っていない。 --門井亜矢氏の能力向上によって生じた垢抜けた感じや明るい塗り、萌えの流行に乗ったイラストの均一的な調子も影響していると思われる。 --尖ったキャラとしては、ダイエットに成功し見た目がまったく変わる子くらいであろう。だが、いかんせん分かりやすい展開である。 -''意外性を突き過ぎたメインヒロインの柴門たまきのストーリーで、プレイヤーの多くが嫌悪感を覚え、批判が高まった。'' #region(柴門たまきシナリオのネタバレ) -「いわゆる世話焼きの幼馴染で、年齢の上下を問わずモテる人気者。だが問題児な主人公のフォローに回ることが多い」という、ここまでは結構ありがちな設定である。~ しかし、そういうキャラ立ちであると同時に、ゲーム開始時点で既に年上の彼氏がいて肉体経験も持っている。ちなみに相手はハデなスポーツカーを乗り回す遊び慣れした風の医大生、というバブル期からやって来たような人物像。名前は後に配布されたファンクラブ会報にて「正臣(まさおみ)」であることが判明している。 --他の女の子とデートしていると、時間と場所によっては彼氏とたまきのデート現場を見せつけられることになってしまう。誰得? ---にもかかわらずわざわざ主人公宅まで夕飯を作りに来る強制イベントがあり、なおかつこの時点で彼氏の存在を知っていた場合、~ 「あの人にフラれたらお嫁さんになってあげようか」的なジョークが出る。~ 笑えたユーザーがどれほどいたかは謎。 ---そして(あくまで幼なじみとしての前置きがつくものの)デートに誘えば初期段階でもほぼOKしてくれる。''当然彼氏との関係も継続中なのに''。 -シナリオ構成は、「たまきが主人公をキープにしようとしたもののお遊びが過ぎて本命にフラれ、結果主人公に拾われる」という釈然としないもの。一応三角関係モノと言えなくもないが、フラれる直前まで主人公はカヤの外であるし、自覚の有無関係無しにキープを作ろうとするのは嫌われて当然な行為である。 --話の構成自体は『同級生』の黒川さとみに近い((主人公と悪友的な関係、別の男性と交際関係にあった、交際がうまく行かずに主人公に零す場面があった、フラれた場面に居合わせることで話が進行する、という点で共通する。))。~ しかし黒川さとみの場合は「相手の男が主人公も顔を知っているイヤな野郎であり、相手側がヒロイン側を一方的に振ったと見てよい」という点があり、寝取りにしても(ユーザーの)自己正当化の余地は大きかったし、さとみ側にも同情するところ大であった。 ---かたやたまきの場合、どう考えても「主人公はちょっかいを出して能動的に彼氏との関係を崩壊させた」「たまきは主人公を拒否せず、しかも彼氏とも付き合い続ける」と感情移入しがたい代物。更にたまきは医大生に指摘されるまで主人公とのデートを「幼馴染のよしみ」としか考えていなかったらしいこと、しかも主人公の方もたまきを落とすつもりだったか疑わしかった((最初にたまきをデートに誘おうとすると、主人公がプレイヤーに対して異論を唱え提案を拒否してしまう。確かにエルフ作品の主人公はプレイヤーの存在を意識した発言をよくするが、女の子へのアプローチを否定する形でのメタ発言は異例である。))ことから、方向性すら定まらない釈然としない状況になっている。 --たまきと付き合っていた男に関しても、いかにも金持ちで遊びなれてそうな雰囲気こそあるが、主人公とは直接的に合う場面もないため詳しい性格も分からないため、上記の黒川さとみの元彼のような寝取りに対して自己正当化できる部分も少ない。 ---その男も、「たまきが自分以外の男と付き合うことに釘を刺すような発言を行う」等、付き合っている彼氏としては当然ともいえる言動を行っている上に放置や許容していたわけでも発覚後即別れを切り出したわけでもないことに対して、たまきからは「ただの幼なじみ」とはぐらかされていたらしいということが窺い知ることができる。 ---男がたまきを振った理由も「自分と主人公の両方に親しくし、どっちつかずの態度をとるたまきが面倒になった」というもの。「面倒になった」というのは一見印象が悪いものの、彼の立場から考えると上記のような行動・言動のたまきと縁を切りたくなる気持ちは十二分に理解できるため、『たまきに引っかかってしまった男』という同情的な感覚を覚えるプレイヤーすらいる。 -ちなみに主人公とくっついたらくっついたで、主人公と比較して元彼をコケにするような言動が続出する(つまり「[[サラマンダーよりずっとはやい>バハムート ラグーン]]」)((しかも主人公が「元彼と比べてどっちがいい?」と聞く場面もある))。元彼の立場は一体…一層彼からすると引っかかってしまった感が強くなる。 --「だから主人公が好き!」と持ち上げようとしてくれているのかもしれないが、「だったら何でつきあってたんだ!?」と思いたくなるし、あまり度が過ぎると正直気分の良いものではない。 --また、同シリーズには、男遊びに抵抗の無い性に奔放なヒロインや、既に彼氏がいるヒロインもいたが、男遊びするヒロインは「『他の男には身体は開いても心は開かなかった』所謂享楽的なキャラを主人公が変える((本作のヒロインの一人・堀出実果がこのパターン))」、彼氏持ちヒロインは「彼氏と破局してから実質的な攻略がスタートする。破局の理由は主に当人同士の問題」といった構成だったため、たまきの二股(に見える)交際とそれを原因とする破局、「元彼に本気だったから身体を許した」等を公言しておきながら、他方では主人公との身体の相性を比較して元彼を下げる等のちぐはぐなシナリオに批判が集まったものと思われる。 -この手の「限られた期間と箱庭の中で自由に行動し、女の子と会話したりデートしたりする」というゲームのメインヒロインであるためか攻略難易度は低めで、重要イベント以外はあまり意識せずクリアに持っていける。 --重要でないイベントの中に彼氏と主人公との板ばさみに葛藤する描写があり、葛藤したからと言ってもフォローしがたいが決して何も考えていないわけではないことがわかる。しかしこれを見逃した場合、たまきが余計尻軽に見えることになる。 --デート自由のゲームデザインと、現在進行形で彼氏持ちというキャラ立ちも噛み合っていなかったと見られる。&br()仮にもメインヒロインである以上、前作の彼氏持ちのようにチャンスまで待つキャラにはしづらかったのだろう。 --ちなみに、システム面で挙げた好感度制限を特に煩わしく感じさせるキャラでもあり、ゲーム開始当初から本気で狙うと8月辺りで関係が進まなくなり、制限解除イベントの起こる10月まで暇になってしまう。 結局、純愛だと思ったらハードル高すぎる上に「これ純愛…?」な描写であり、かと言って肉欲や寝取り方面でのカタルシスも薄い、~ 誰得メインヒロインになってしまったと言えるだろう。 結局のところたまきの取り扱いは中途半端だと言わざるをえない。~ はっきりとしない辺りはある意味リアリティがあるかもしれないが…リアルでも嫌われる女の代表例と言える。 #endregion ---- **総評 システムの親切さとしては続編として相応しいが中身は凡作で、エルフの捲土重来を託すには役者が足りなかったと言える。少なくとも『2』独自の魅力には乏しい。~ 前作のファンや、既存のゲームジャンルに囚われないかつての作風を期待していた往年のエルフファンからは「守りに入っている」などと苦言を呈された。~ さらに色々と抱えた柴門たまきがメインヒロインという、トンデモ変化球のお陰で実態以上の悪評を被ることになってしまった。~ 本作以降エルフブランドから恋愛系タイトルの新作がほぼ出なくなったことからもエルフブランドに与えた影響は大きく、これをもって「エルフブランドの終焉」などと呼ぶ向きもある。~ ---- **その後の展開 -テレビアニメや18禁OVAなどのメディア展開がなされているが、特にテレビ版は特殊なシナリオ構成で評判が芳しくない。 --テレビ版の監督・シリーズ構成を務めた影山楙倫氏は2017年に奇妙な作風で話題となった「ダイナミックコード」においても監督・シリーズ構成を務めており、両者の作風は似通っている。 -メディア展開においてたまきの設定はブレまくっている。 --テレビアニメ版:そもそも彼氏がどうこうの話題すらなし。 --OVA「Anthology」版:医大生の彼氏がいる一方、主人公とも肉体関係あり。 --OVA「Sketchbook」版:男性経験なしで主人公に片思い中。 -2015年2月26日より、DMM専売でダウンロード販売が開始された。~ ファン会報用であったアナザーストーリー3編も同梱となっている他、前作とのコンプリートパックも同時発売。 --2017年10月18日にはWindows 10に対応させたバージョンが配信された。 **余談 -続編であることにちなんでなのか、街中には続編モノだけを放映する映画館が存在する。 --最初に訪れた際に出る「あの名作映画の微妙な続編だからといって見捨てないでほしい」というセリフには、蛭田抜きの体制で続編を作らねばならなくなったスタッフの心の叫びがにじみ出ているのだろうか。 ***メインヒロインを巡る騒動 -発売当時は上記のシステム面よりも、主要ヒロインとされる「柴門(さいもん)たまき」のキャラクター設定を巡り大騒ぎとなっていた。~ 現在では「下級生2のタイトルや内容は知らないが、下記のディスクの件だけは知っている」という人までいる。 #region(詳細) -たまきの設定にキレたと思われるあるユーザーが、''ディスクを叩き割って文書つきでエルフ本社に送付する''という事件が発生した。 --曰く「柴門たまきの脳髄及び処女膜が破損しているため、彼女が『誤作動』を起こしてしまいプレイ環境が整わなくなったので返品いたします。破損製品は御社(エルフ)での処分をお願いします。製品の交換や返金を求めるものではありません」。 //今後一層の品質向上を期待します //↑この「品質向上を期待する(皮肉)」という内容、今ネット上に出回ってる添付文書とされる画像の文章には書かれてないのだが…一旦COするけど、ソース知っている人居たら復元お願いします ---品の交換や返金を求めないことから一見マシに見えるが、よく読めば皮肉たっぷりのクレームである事がすぐに分かるだろう。 //--この行為は後に「ディスク割り」という、オタク界隈での抗議活動として定着した。 //---とは言っても現在ではこのような事件に敏感になりつつあるため、行う際には自己責任が前提であることを忘れずに。 -前述のように従来のエルフ作品であれば彼氏持ちのヒロインを奪う、もしくは彼氏持ちが主人公になびいてしまう、男遊びするヒロインという''だけなら''決して奇異ではない((メインヒロインではないが、前作の「橘真由美」は肉体関係から始まる恋。「皆川奈々」は恋人に振られてからの恋愛(肉体関係なし)。「山下美夏」はキャバクラ嬢。「三月静香」は元の彼氏ときっちり別れてからの恋愛。))のだが、本作のたまきが大騒ぎになった背景には「幼馴染」という萌え属性が2004年当時で固まりつつあったという事情もある。 --『[[To Heart]]』の神岸あかり以来、幼馴染ヒロインは主人公のことが一途に大好きであるケースが増加してきており((例えば『ときめきメモリアル2』の「陽ノ下光」、『ONE』の「長森瑞佳」、『とらいあんぐるハート』の「鷹城唯子」&「野々村小鳥」など。))、2000年代では半ば当たり前の状態になっていた。 ---翻ってたまきの場合は、エロゲー的幼馴染の萌え要素をあらかた備えながらも、彼氏持ちで経験済みという、当てこすりで作られたかのようなキャラクターであった…。 ---しかしながらこの様な設定でありながら良い年頃の幼馴染の世話を焼くという時点で既に異常(前例の彼女達は普通とは言えないが異常ではない)であり、そこに前述のキープや彼氏へのage、sageなどの問題行動も加わるので…残念ながら幼馴染キャラへの当てこすりという推測をしても何の慰めにもならない。 -更に悪い要素として、発売前に雑誌などで公開された情報では「''オーソドックスで王道な''幼馴染キャラ」として宣伝されており、それを信じて購入したユーザーからは悪い意味で『騙しうち』を受けることになった。これも騒動の大きな要因である((事前情報と実際の作品内容を食い違うものにして、インパクトを与える作戦自体はしばしば見られる。))。 --「パーフェクトなマドンナの雛型となった桜木舞(同級生)、妹萌えの走りと言われる鳴沢唯(同級生2)、桜木舞に親しみやすさと市民要素を加えた結城瑞穂(下級生)などの名ヒロインを輩出してきたエルフとして、単なるテンプレ幼馴染を出すことは許されなかった」というプレッシャーから変化球に走った((実際、「エルフに同じヒロイン無し」の法則があるほどに基本的にエルフ作品のヒロインはメイン・サブ含めて完全に同じようなタイプのヒロインは少ない。))、または従来のエルフ作品で描かれる「幼馴染キャラ」と同じ扱いに戻した((そもそもエルフの作品に登場する幼馴染・腐れ縁タイプのヒロインは(行動選択次第で回避が可能なケースもあるが)悲惨な境遇に陥ることが多い。本シリーズでは『同級生』の「黒川さとみ」、『同級生2』の「水野友美」などが該当。))という見解も一部のファンサイトで挙がっている。 ---客観的に見ればエルフ作品の一ヒロインとしては決して悪くなく、メインヒロインでなければここまでの騒動にはならなかったのでは……とする意見も極一部にはあるが、流石にキャラ設定と話が歪過ぎるので批判が減る程度でしかないと思われる。 -キャラ人気は当然サブヒロインに流れた。しかし、エロゲーやギャルゲーが隆盛を誇った時代を経ており、サブヒロインもどこかで見たようなキャラばかり。時代は「ツンデレキャラ」という言葉が認知され特に人気が出た時期であり、典型的な委員長ツンデレキャラの「高遠七瀬」人気が揺るぎないものになった。 --その七瀬にしても「ほとんど相手にされない→ギスギスしているが普通に会話は成立する→言葉はキツいが以前よりずっと友好的」を経て、ある重要イベントからいきなりデレ化するので違和感は大きい。 #endregion

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: