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*脳開発研究所クルクルラボ 【のうかいはつけんきゅうじょくるくるらぼ】 |ジャンル|複合| |対応機種|アーケード| |発売・開発元|コナミデジタルエンタテインメント| |稼働開始日|2006年12月13日| |判定|なし| |ポイント|純然たるテクニックを要求されるオンラインアーケード&br()脳ゲーブームに埋もれた作品| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -タッチパネルを用いたオンラインアーケードゲーム。ゲームセンターに通信ゲームが置かれるようになった頃に出現した、「通信特化型アーケードゲーム」の一つ。様々なミニゲームでCPUや全国のユーザーと対戦する。 --この手のゲームに付き物のラグ(通信障害による時間差)の問題は「各筐体でミニゲームを行い、その結果のみを通信する」と言う単純な方法で解決している。 -『[[クイズマジックアカデミー]]』や『[[麻雀格闘倶楽部]]』同様、e-AMUSEMENT対応。しかし専用筐体はe-AMUSEMENTカードをわざわざ挿入する必要は無く、所定位置に置くだけで認識する。 **システム -本作はタッチパネルを用いた様々なミニゲームが収録されている。ミニゲームは全て記録のみで競われる。 ---これらのミニゲームをクリアする事で、プレイヤーのゲームに関する「脳」を開発しようと言う物。 --ミニゲームにはそれぞれ計画・視覚・聴覚・言語・運動・記憶のジャンル分けがなされている。それぞれ7つのゲームが用意されている。ミニゲームは東京大学講師の池谷裕二氏が監修した。 ---それぞれジャンルの代表例。~ 「計画」~ クルクルダンジョン:キャラクターの背後視点からの動きから、マップ上での到着地点を当てる。~ 金庫ブレイカー:ダイヤル式キーを指示に従い、メモリの数だけ右回転、もしくは左回転させる。何周もするようなメモリ数も出る。~ 「視覚」~ ドット打ち・改:タイル状に並んでいる四角の色を変え、提示された図形と同じ形にする。複数色ある問題もある。~ チョコレート工場:次々と表示されるチョコレートの形と同じものを、用意された三つの中から選ぶ。ただし用意された形はコロコロ変わるため、注意が必要。~ 「聴覚」~ ききとり動物:流れてくる鳴き声から、どの動物か当てる三択問題。~ ピアノレッスン:先に問題となるメロディーが流れ、そのメロディーを鍵盤で引く。~ 「言語」~ 四字熟語十六択:空欄を埋める四文字熟語テスト。~ 速攻ベル:表示された文字をテンキーで打つ。文字は五十音の行番、列番の組み合わせ。~ 「運動」~ ザブ避け:宇宙船を操作し、迫って来るサブを避ける。宇宙船には慣性が効いており、操作にはコツが必要。~ ボルト&ナットファクトリー:流れてくる様々なものの中から、ボルトとナットを一つのセットとして素早く選ぶ。~ 「記憶」~ ライト筐体:記憶力ゲームのサイモンとかなり似たゲーム。~ ルート909:一瞬だけ表示されるルートを憶え、その通りにラインを引いていく。 --ゲームクリアor対戦終了後、結果に応じて「ニューロン」と言う数値がプレイヤーに与えられる。ニューロンを溜める事でプレイヤーは「階級」が上昇していく。 ---他にもプレイヤーの分身である「クルクルメンツ」というキャラクターも結果に応じて変化して行き、クルクルメンツに装備できるアイテムも入手できる。クルクルメンツは植物や動物をモチーフとした可愛らしい外見をしている。 -えてがみシステム。他のユーザーに絵手紙を描いて送る事ができる。その際、クルクルメンツに装備できるアイテムも送る事ができる。 --このえてがみシステム、公序良俗に反するような内容の場合、通報する事ができる。 **評価点 -キャラクター面 --登場するキャラクター達はいずれも愉快で可愛らしく、主にライト層にターゲットを絞った本作らしい物と言える。 --本作には『[[沙羅曼蛇]]』のブレインゴーレムが所長役で登場しているが、ゲームの作風に合わせた可愛らしく愉快なキャラデザに収めているのは見事。 -シンプルかつ熱いゲームルール --本作は基本的にタッチペンで画面をタッチしていくだけで良いので、ライトな作風と相まってどんなプレイヤーでも直感的に取っつき易いメリットがある。ゲーム自体のジャンルもミニゲーム集という事もあってかプレイヤーの腕も早く上達出来る。 --アーケードゲーム故にオンライン対戦モードやインターネットランキングに全国大会と、他のプレイヤーと競い合える要素も存在している事から、ミニゲームをやり込む意義自体は存在していた。 -小ネタが豊富 --本作は様々なコナミ旧作の子ネタが搭載されていることもあり、お祭りゲーム的な印象が強い。以下は代表的なもの。 --『沙羅曼蛇』よりブレインゴーレム。本作のメインキャラクターであり、髭と眼鏡をつけている。 --『[[グラディウス]]』よりザブ。ミニゲーム(運動)にランダムで出現するザブをタッチして破壊するザブ撃破と、ビックバイパーを操作して延々出現するザブを避けつづけるザブ避けが収録されている。 --『[[ツインビー]]』よりツインビー。クルクルメンツにそのままツインビーがいる。 --[[BEMANIシリーズ]]とのタイアップでクルクルメンツにビーくんがいる。 -ゲームコンセプト自体の物珍しさ --当時ブームの絶頂だった「脳トレゲー」をアーケードの土壌でリリースしたことで一定の注目を集めた。 //下で意義が薄いと書いてるのに称賛に値するってのは変。 **問題点 -あまり活かされなかったオンライン要素 --本作のオンライン要素は対戦やコミュニケーション要素こそあったものの、アップデートを通したミニゲームの配信が無かった。収録されているミニゲームの数も限られていて、ルール自体の簡単さも相まってプレーを重ねるとやがて飽きが来てしまう。~ 近年のアーケードゲームはゲーム寿命の延命のための定期的なコンテンツの配信がほぼ前提となっているため、コンテンツ配信が無い点は致命的と言わざるを得ないだろう。 --公式イベントも計4回の大会とえてがみ投稿くらいしかなく、稼働してから1年程度で運営に見切りを付けられていたのも同然であった。 -ゲーセンで脳トレをする意義 --そもそも、脳トレゲームは「毎日少しずつ反復練習をする」という脳トレのセオリーと、どこでも自由に持ち運んで遊べる携帯機の特徴との相性がよかったからこそ爆発的にヒットしたジャンルである。~ なおかつ、当時は既に脳トレブームの絶頂期であり、携帯機市場に星の数ほど脳トレゲーがあふれ出て居たため、~ 「脳トレのためにわざわざゲーセンに足を運んでお金を払ってプレイする」意義は薄いと言わざるを得ず、プレイ意欲への結び付き難くさからくるインカムの悪さも手伝って、出回りは非常に悪かった。 **総評 えてがみ機能によるユーザー間のコミュニケーション等、斬新なアイデアはあるものの、明確なビジョンが見えない通信アーケードゲームの試作品と言う印象は拭えない。 本作は「読みと運が要求される麻雀」「予め問題の答えを丸暗記していると資産力が物を言ってしまう可能性があるクイズ」と異なり、''純然たるゲームのテクニックのみが勝敗を分けるストイックな作品である。''非常に競争心掻き立てられるコンセプトではあるが、アーケードゲーム業界を支えるユーザーの多くは、「自分の腕を試し勝利を勝ち取る」事を求めるのではなく、「勝つ事」を求め大量のコインを投入する。そのため、資産力や運が勝利にあまり絡まず、挙句キャラクターが子供受けしそうな見た目をしている本作はインカムが低く、早々に撤去、または『オトメディウス』に入れ替える店が多く、通信ゲームの魅力を生かすための出回りが悪いという重大な欠点を抱えていた。 そして最大の要因は、前述の通り''「このゲームがリリースされる前から家庭用で脳トレゲーが多く発売され、よほど物好きではない限りやりこむきっかけを見いだせず、先発の類似ゲームを買えば済んだこと」''が挙げられる。~ これらの欠点が複合した結果、名作となりえるポテンシャルを抱えていたにもかかわらず、ウリでありゲームの要素を最大限に引き出す通信機能を生かす事が出来ず、世に埋もれる形になってしまった。 ---- ---- **家庭用脳開発ゲームの氾濫の中のリリースと競合作品との同時稼動、ブームの終焉へ -2005年に『[[東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング]]』が国内のみで400万本のヒットをして以降、市場にはすでに色々な大学の教授が監修した類似の脳開発ゲーム(以下「脳ゲー」)で氾濫していた中で本作はリリースされたのである。詳しくは[[ここ>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E3%82%B2%E3%83%BC]]。 -それだけにとどまらず、本作の稼動から8日後の2006年12月21日にバンダイナムコから同様のゲーム『みんなで鍛える全脳トレーニング』が稼働。こちらは東北大学教授の川島隆太教授が監修し、『アイドルマスター』からのコンバート専用だった。また、キャラクターがアニメキャラだった。 --「どこででも手軽に遊べる携帯機と違い、アーケードでは限られた店でしか遊べない」、「どれも内容が類似している」、「脳ゲー自体のブームの終焉(2007年の『[[レイトン教授と不思議な町>レイトン教授と不思議な町/悪魔の箱/最後の時間旅行]]』以降、リリースされる脳ゲーが少なくなった)」、「脳ゲーで全国レベルでのスコアバトルをしたいと考える人は同様の携帯アプリやパソコンゲームで遊んだほうが手軽に安く遊べる」ことなどもあり((本作はベストスコアではなく最終プレイで遊んだときのスコアでランキングに登録されるなどの仕様であった))、アーケードでの脳ゲーの需要自体がさほどなかったとも考えられる。 ---そんな事情も災いし、本作のオンライン稼動末期には関東で遊べる店が1店もなく、全国でオンライン稼動していたのは''10店舗ほど''という有様であった。 **その後の展開 -『[[オトメディウス]]』等と入れ替えられるようにコンバージョンキットが販売されている。 -本作のe-AMUSEMENTサービスは、2010年9月30日に終了した。 --『オトメディウス』も同じ日にe-AMUSEMENTサービスを終了したのは何かの因縁か。 **余談 -コナミが発売しているカードゲーム『[[遊☆戯☆王デュエルモンスターズ]]』にこのゲームを元ネタとするカードが存在する。 --2020年の時点で、《トマボー》《プチトマボー》《オシャレオン》《脳開発研究所》《マジオシャレオン》の4枚がある。 -AC版『beatmania IIDX 14 GOLD』(2007年3月稼働)に、本作のテーマ曲のリミックス版が『クルクル☆ラブ ~Opioid Peptide MIX~』というタイトルで収録された(本作のスタッフによるムービー付)。 --ちなみに、2014年12月時点で当該楽曲は『[[beatmaniaIIDX 22 PENDUAL]]』(2014年9月稼働)にも削除されることなく収録されている。 -『ポップンミュージック15 ADVENTURE』では対戦専用オジャマとしてオブジェクトが本作のキャラクターに変化する『クルクルラボ』が存在していた。 --しかし、普通な性能にもかかわらず獲得難易度が「上級職(魔道師・侍・そっくりマン)のアイテムを全て集める」というギャップから不評に終わり、たった1作で削除されてされてしまった。
*脳開発研究所クルクルラボ 【のうかいはつけんきゅうじょくるくるらぼ】 |ジャンル|複合| |対応機種|アーケード| |発売・開発元|コナミデジタルエンタテインメント| |稼働開始日|2006年12月13日| |判定|なし| |ポイント|純然たるテクニックを要求されるオンラインアーケード&br()脳ゲーブームに埋もれた作品| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -タッチパネルを用いたオンラインアーケードゲーム。ゲームセンターに通信ゲームが置かれるようになった頃に出現した、「通信特化型アーケードゲーム」の一つ。様々なミニゲームでCPUや全国のユーザーと対戦する。 --この手のゲームに付き物のラグ(通信障害による時間差)の問題は「各筐体でミニゲームを行い、その結果のみを通信する」と言う単純な方法で解決している。 -『[[クイズマジックアカデミー]]』や『[[麻雀格闘倶楽部]]』同様、e-AMUSEMENT対応。しかし専用筐体はe-AMUSEMENTカードをわざわざ挿入する必要は無く、所定位置に置くだけで認識する。 **システム -本作はタッチパネルを用いた様々なミニゲームが収録されている。ミニゲームは全て記録のみで競われる。 ---これらのミニゲームをクリアする事で、プレイヤーのゲームに関する「脳」を開発しようと言う物。 --ミニゲームにはそれぞれ計画・視覚・聴覚・言語・運動・記憶のジャンル分けがなされている。それぞれ7つのゲームが用意されている。ミニゲームは東京大学講師の池谷裕二氏が監修した。 ---それぞれジャンルの代表例。~ 「計画」~ クルクルダンジョン:キャラクターの背後視点からの動きから、マップ上での到着地点を当てる。~ 金庫ブレイカー:ダイヤル式キーを指示に従い、メモリの数だけ右回転、もしくは左回転させる。何周もするようなメモリ数も出る。~ 「視覚」~ ドット打ち・改:タイル状に並んでいる四角の色を変え、提示された図形と同じ形にする。複数色ある問題もある。~ チョコレート工場:次々と表示されるチョコレートの形と同じものを、用意された三つの中から選ぶ。ただし用意された形はコロコロ変わるため、注意が必要。~ 「聴覚」~ ききとり動物:流れてくる鳴き声から、どの動物か当てる三択問題。~ ピアノレッスン:先に問題となるメロディーが流れ、そのメロディーを鍵盤で引く。~ 「言語」~ 四字熟語十六択:空欄を埋める四文字熟語テスト。~ 速攻ベル:表示された文字をテンキーで打つ。文字は五十音の行番、列番の組み合わせ。~ 「運動」~ ザブ避け:宇宙船を操作し、迫って来るサブを避ける。宇宙船には慣性が効いており、操作にはコツが必要。~ ボルト&ナットファクトリー:流れてくる様々なものの中から、ボルトとナットを一つのセットとして素早く選ぶ。~ 「記憶」~ ライト筐体:記憶力ゲームのサイモンとかなり似たゲーム。~ ルート909:一瞬だけ表示されるルートを憶え、その通りにラインを引いていく。 --ゲームクリアor対戦終了後、結果に応じて「ニューロン」と言う数値がプレイヤーに与えられる。ニューロンを溜める事でプレイヤーは「階級」が上昇していく。 ---他にもプレイヤーの分身である「クルクルメンツ」というキャラクターも結果に応じて変化して行き、クルクルメンツに装備できるアイテムも入手できる。クルクルメンツは植物や動物をモチーフとした可愛らしい外見をしている。 -えてがみシステム。他のユーザーに絵手紙を描いて送る事ができる。その際、クルクルメンツに装備できるアイテムも送る事ができる。 --このえてがみシステム、公序良俗に反するような内容の場合、通報する事ができる。 **評価点 -キャラクター面 --登場するキャラクター達はいずれも愉快で可愛らしく、主にライト層にターゲットを絞った本作らしい物と言える。 --本作には『[[沙羅曼蛇]]』のブレインゴーレムが所長役で登場しているが、ゲームの作風に合わせた可愛らしく愉快なキャラデザに収めているのは見事。 -シンプルかつ熱いゲームルール --本作は基本的にタッチペンで画面をタッチしていくだけで良いので、ライトな作風と相まってどんなプレイヤーでも直感的に取っつき易いメリットがある。ゲーム自体のジャンルもミニゲーム集という事もあってかプレイヤーの腕も早く上達出来る。 --アーケードゲーム故にオンライン対戦モードやインターネットランキングに全国大会と、他のプレイヤーと競い合える要素も存在している事から、ミニゲームをやり込む意義自体は存在していた。 -小ネタが豊富 --本作は様々なコナミ旧作の子ネタが搭載されていることもあり、お祭りゲーム的な印象が強い。以下は代表的なもの。 --『沙羅曼蛇』よりブレインゴーレム。本作のメインキャラクターであり、髭と眼鏡をつけている。 --『[[グラディウス]]』よりザブ。ミニゲーム(運動)にランダムで出現するザブをタッチして破壊するザブ撃破と、ビックバイパーを操作して延々出現するザブを避けつづけるザブ避けが収録されている。 --『[[ツインビー]]』よりツインビー。クルクルメンツにそのままツインビーがいる。 --[[BEMANIシリーズ]]とのタイアップでクルクルメンツにビーくんがいる。 -ゲームコンセプト自体の物珍しさ --当時ブームの絶頂だった「脳トレゲー」をアーケードの土壌でリリースしたことで一定の注目を集めた。 //下で意義が薄いと書いてるのに称賛に値するってのは変。 **問題点 -あまり活かされなかったオンライン要素 --本作のオンライン要素は対戦やコミュニケーション要素こそあったものの、アップデートを通したミニゲームの配信が無かった。収録されているミニゲームの数も限られていて、ルール自体の簡単さも相まってプレーを重ねるとやがて飽きが来てしまう。~ 近年のアーケードゲームはゲーム寿命の延命のための定期的なコンテンツの配信がほぼ前提となっているため、コンテンツ配信が無い点は致命的と言わざるを得ないだろう。 --公式イベントも計4回の大会とえてがみ投稿くらいしかなく、稼働してから1年程度で運営に見切りを付けられていたのも同然であった。 -ゲーセンで脳トレをする意義 --そもそも、脳トレゲームは「毎日少しずつ反復練習をする」という脳トレのセオリーと、どこでも自由に持ち運んで遊べる携帯機の特徴との相性がよかったからこそ爆発的にヒットしたジャンルである。~ なおかつ、当時は既に脳トレブームの絶頂期であり、携帯機市場に星の数ほど脳トレゲーがあふれ出て居たため、~ 「脳トレのためにわざわざゲーセンに足を運んでお金を払ってプレイする」意義は薄いと言わざるを得ず、プレイ意欲への結び付き難くさからくるインカムの悪さも手伝って、出回りは非常に悪かった。 **総評 えてがみ機能によるユーザー間のコミュニケーション等、斬新なアイデアはあるものの、明確なビジョンが見えない通信アーケードゲームの試作品と言う印象は拭えない。 本作は「読みと運が要求される麻雀」「予め問題の答えを丸暗記していると資産力が物を言ってしまう可能性があるクイズ」と異なり、''純然たるゲームのテクニックのみが勝敗を分けるストイックな作品である。''非常に競争心掻き立てられるコンセプトではあるが、アーケードゲーム業界を支えるユーザーの多くは、「自分の腕を試し勝利を勝ち取る」事を求めるのではなく、「勝つ事」を求め大量のコインを投入する。そのため、資産力や運が勝利にあまり絡まず、挙句キャラクターが子供受けしそうな見た目をしている本作はインカムが低く、早々に撤去、または『オトメディウス』に入れ替える店が多く、通信ゲームの魅力を生かすための出回りが悪いという重大な欠点を抱えていた。 そして最大の要因は、前述の通り''「このゲームがリリースされる前から家庭用で脳トレゲーが多く発売され、よほど物好きではない限りやりこむきっかけを見いだせず、先発の類似ゲームを買えば済んだこと」''が挙げられる。~ これらの欠点が複合した結果、名作となりえるポテンシャルを抱えていたにもかかわらず、ウリでありゲームの要素を最大限に引き出す通信機能を生かす事が出来ず、世に埋もれる形になってしまった。 ---- ---- **家庭用脳開発ゲームの氾濫の中のリリースと競合作品との同時稼動、ブームの終焉へ -2005年に『[[東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング]]』が国内のみで400万本のヒットをして以降、市場にはすでに色々な大学の教授が監修した類似の脳開発ゲーム(以下「脳ゲー」)で氾濫していた中で本作はリリースされたのである。詳しくは[[ここ>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E3%82%B2%E3%83%BC]]。 -それだけにとどまらず、本作の稼動から8日後の2006年12月21日にバンダイナムコから同様のゲーム『みんなで鍛える全脳トレーニング』が稼働。こちらは東北大学教授の川島隆太教授が監修し、『アイドルマスター』からのコンバート専用だった。また、キャラクターがアニメキャラだった。 --「どこででも手軽に遊べる携帯機と違い、アーケードでは限られた店でしか遊べない」、「どれも内容が類似している」、「脳ゲー自体のブームの終焉(2007年の『[[レイトン教授と不思議な町>レイトン教授と不思議な町/悪魔の箱/最後の時間旅行]]』以降、リリースされる脳ゲーが少なくなった)」、「脳ゲーで全国レベルでのスコアバトルをしたいと考える人は同様の携帯アプリやパソコンゲームで遊んだほうが手軽に安く遊べる」ことなどもあり((本作はベストスコアではなく最終プレイで遊んだときのスコアでランキングに登録されるなどの仕様であった))、アーケードでの脳ゲーの需要自体がさほどなかったとも考えられる。 ---そんな事情も災いし、本作のオンライン稼動末期には関東で遊べる店が1店もなく、全国でオンライン稼動していたのは''10店舗ほど''という有様であった。 **その後の展開 -『[[オトメディウス]]』等と入れ替えられるようにコンバージョンキットが販売されている。 -本作のe-AMUSEMENTサービスは、2010年9月30日に終了した。 --『オトメディウス』も同じ日にe-AMUSEMENTサービスを終了したのは何かの因縁か。 **余談 -コナミが発売しているカードゲーム『[[遊☆戯☆王デュエルモンスターズ]]』にこのゲームを元ネタとするカードが存在する。 --2020年の時点で、《トマボー》《プチトマボー》《オシャレオン》《脳開発研究所》《マジオシャレオン》の4枚がある。 -AC版『beatmania IIDX 14 GOLD』(2007年3月稼働)に、本作のテーマ曲のリミックス版が『クルクル☆ラブ ~Opioid Peptide MIX~』というタイトルで収録された(本作のスタッフによるムービー付)。 --ちなみに、2014年12月時点で当該楽曲は『[[beatmania IIDX 22 PENDUAL]]』(2014年9月稼働)にも削除されることなく収録されている。 -『ポップンミュージック15 ADVENTURE』では対戦専用オジャマとしてオブジェクトが本作のキャラクターに変化する『クルクルラボ』が存在していた。 --しかし、普通な性能にもかかわらず獲得難易度が「上級職(魔道師・侍・そっくりマン)のアイテムを全て集める」というギャップから不評に終わり、たった1作で削除されてされてしまった。

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