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三国志大戦 (2005)」(2021/08/20 (金) 11:53:56) の最新版変更点

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ここではAC『三国志大戦』(良作)及び、Ver2.01のDS移植版である『三国志大戦DS』(劣化ゲー)を紹介する。 ---- #contents(fromhere) ---- *三国志大戦 【さんごくしたいせん】 |ジャンル|トレーディングカードアーケードゲーム|~| |対応機種|アーケード(LINDBERGH・Chihiro)|~| |発売・開発元|セガ|~| |稼働開始日|2005年3月15日(2015年1月16日ネットワークサービス終了)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 日本人に親しみ深い『三国志』をテーマにしたアーケードゲーム。~ 三国時代の君主となり、各国の武将を率いて敵の城の落城を目指す。 大きなバージョンアップと共に『三国志大戦2』『[[三国志大戦3]]』と呼び名も変化。~ オンライン稼動はVer3.594まで(“さんごくし”の語呂合わせ)。~ 2013年6月28日のVer3.595が最後のバージョンアップとなっている。 2015年1月16日を以ってネットワークサービスを終了。現在は店内対戦および英傑伝のみプレイ可能。 **基本ルール -1対1(相手はCPUか人間のどちらか)で行う対戦ゲーム。 --それぞれのカードにはコストがあり、合計で8になるようにデッキを組む。コストの種類は1から3まで0.5刻みで存在し、基本的には、強いカードであるほどコストは重い。最大8枚登録する事が出来る。コストを使い切らずに登録したカードだけで対戦を始めることも一応は可能だが、純粋に損をするだけ。 ---コストの大きい武将のみを入れた「ケニア」((8コスト使い切った場合の最少枚数となる3枚デッキをメインで使い、有名になったプレイヤー「ケニア」氏の名前に由来する))や、それとは逆に低コスト武将を大量に入れて物量で押し切る「ワラワラ」といった構成も可能。 -カードのスペックには「所属国」「部隊の種類」「武力」「知力」そして「計略」などが存在。 --「所属国」は大きく分けて「魏」「呉」「蜀」の三つだが、このいずれにも属していない「他勢力」も存在。「魏」「呉」「蜀」以外の他勢力は後に増減していくのだが、ここでは割愛する。 --各勢力それぞれに得意・不得意(例えば魏は『騎兵および計略「反計」を持った武将』が多いが、逆に『(蜀に多い)槍兵及び回復手段を持つ武将』が少ない)の傾向が存在し、これがデッキ構築時のコンセプトにもなっている。 ---同じ国(単色)の武将のみで構築されたデッキなら最大士気12となり、以下2国混合なら最大士気9、3つ以上だと最大士気6、と保有できる最大士気量が下がってゆく。士気を大量に消費する計略が使えなくなるため、勢力を超えて強いカードで組んだ際のデメリットは非常に強い。そこに目を瞑ってあえて2色以上で組むかどうかは、プレイヤー次第。 --基本兵科として「弓兵」「槍兵」「騎兵」があり、これらは3すくみの状態となっている(弓→槍→騎→弓…のリング)。他に「歩兵」「攻城兵」などが存在。後のバージョンアップでは「象兵」なども現れた。 --「武力」は攻撃力と防御力の両面に影響を及ぼし、高ければ高いほど有利となる。 --「知力」は伏兵(後述)によるダメージ量や、計略の効果量・効果時間などに影響を及ぼす。こちらも基本的には高ければ高いほど有利。 --一部の武将はそれ以外にも「特技」を持つ。 ---魅力:開戦時、士気が+0.5溜まった状態で開始できる。君主武将と女性武将が所有していることが多い。 ---防柵:自陣に置いた状態で開戦すると、所持武将の前に柵を設置することができる。味方は自由に通行できるが、敵にとっては邪魔地形となり、何度か部隊をぶつけて完全に壊さないと通過できない。 ---復活:兵力を失い撤退した際、普通の部隊よりも早く復帰できる。 ---伏兵:自陣に置いて開戦すると発動((味方の城の中にカードを設置することもできるが、その場合には発動しない。))。通常時より移動速度が大幅に低下するが、敵から見えない特殊な状態となる。この伏兵部隊に敵が接触した瞬間、姿を表すと同時に、一度だけ彼我の知力差に応じて大ダメージを与えることができる。細かい条件でダメージを与えることなく解除されてしまう場合があるがそれは省略する。知力の高い武将が所持していることが多い。 ---勇猛:一騎打ち(後述)が発生した場合、有利に戦うことができる。武力の高い武将が持っていることが多い。 ---その他、バージョンアップで追加された特技が存在するのだが、ここでは省略させて頂く。 -盤面に置かれたカードを移動すると、武将の部隊が動く。敵と接触すると自動的に乱戦状態になり、お互いの兵力が減ってゆく。減った兵力は味方城内に武将を戻すことで回復させることが可能。 --合戦中、敵部隊と味方部隊が接触した際にランダムで「一騎打ち」が発生することがある。ただし一合戦に発生するのは最大2回までと決まっており、また「文官」と性格設定されている武将は絶対に一騎打ち状態にならない。 ---流れてくる5本のバーをタイミングよくボタンを押して止め、その判定結果で勝敗を決定する。負けた武将は現在の武力・兵力値に関係なく、即座に撤退となる。 -特殊なアクションが存在する兵科も存在する。代表的なのは「騎兵」と「槍兵」。 --「騎兵」は一定距離を止まることなく進み続けるとオーラのようなものを纏い、「突撃」状態となる。この状態では弓攻撃がほとんど効かなくなるうえ、敵部隊に突っ込むと「突撃」攻撃により大ダメージを与えられる。ただし「槍兵」の槍先に対して突撃してしまうと、「迎撃」されて逆に大ダメージを負ってしまう。 --「槍兵」は乱戦状態でない場合、部隊の正面方向に大きな槍のオーラを出す。この槍先には攻撃判定があり、より広い間合いで相手の兵力を削ることができる。さらに先述の通り「騎兵」の突撃に対してこの槍先を向けると迎撃することができる。 --「弓兵」は部隊を動かさずに止まっていることで、一方的に相手の兵力を削っていく遠距離攻撃ができる。 ---後に弓兵にもタッチアクションが設定されるが、ここでは省略する。 -兵力がゼロになると「撤退」扱いとなるが、一定時間が経つと復活し、再び味方城内から出撃できるようになる。''ゲームの勝利条件に「部隊の撃破」は(一部計略を使った時の特殊な状況を除いて)一切関係がない。'' --「敵城を攻撃し、敵城ゲージを削り」、ゼロにするか、99カウント後に自軍の城ゲージが敵軍の城ゲージを上回っていれば、勝ちとなる。 ---城には「攻城エリア」が存在し、相手の敵城エリアに部隊が入ると「攻城準備」状態となる。この状態では敵城から攻撃を受けつづけているということなので徐々に兵力が減ってゆく。敵部隊に邪魔されずに一定時間が過ぎると「攻城」が行われ、城ゲージを減らすことができる。攻城できる場所は正面門と城壁の2種類があり、正面門を攻撃した方が城ゲージの減りが大きい。 -合戦開始から時間と共に士気ゲージが溜まっていく。計略を使いたい武将をタッチし、「計略」ボタンを押すことで士気ゲージを消費して計略を発動させる。 --計略の種類は実に多種多様。上手く使ってこちらに優位な状況を作り出そう。 -さらに、武将ではなく君主(プレイヤー自身)の必殺技として、「兵法」(Ver.3では軍師カード登録による『奥義』)が存在する。 --あらかじめ合戦前に使いたい兵法を選び、1合戦中に1回だけ、任意のタイミングで「兵法」ボタンを押すことにより発動させられる。 --Ver2時代にはMasterとなった兵法に「外伝」と呼ばれる追加効果が付くようになった。「左伝」「右伝」で効果がわかれ、効果としては小さいものだが組み合わせ次第で兵法の使い勝手を劇的に変える物も多い。 **特徴・評価点 -カードゲームにRTS・アクション要素を取り入れ、先発作WCCFでもあったカードの移動による操作をより強めたゲーム。~ カードを直接動かすことによって兵士を移動させたり、カードを「突き出す」ことで槍撃を行ったりといった直感的なカード操作を強く押し出したのはこれが初で、後発ゲームにも大きな影響を与えた。 --三すくみの関係、象兵の存在、奥義・兵法など、エイジオブエンパイアやエイジオブミソロジーとの共通点が見て取れる。 -シンプルな内容であるが多彩な武将による様々な計略・能力のお陰で深い駆け引きを楽しむことが出来る。 --「兵法」は成長させることで効果が増したり効果時間が延長されたり、追加効果を付けることも可能。 --Ver.2時代には「戦器」と呼ばれるアイテムも存在し、手に入れるとその戦器に対応したカードの能力が少し増し、また種類が多彩なためコレクション要素も強かった。 -イラストは有名漫画家によるものが多く、ゲーム以外にもコレクションアイテムとして人気を呼んだ。 --概ね武将のイメージをよく掴んでいる。三国志に馴染みのある人はもちろん、薄い人にも興味をそそらせる美麗な絵が多い。特に女性武将(大抵は誰かの妻だったりするのだが)の人気は総じて高く、名前をあげられると本作のイラストが頭に思い浮かんでしまう人も多いのではないだろうか。 --特に王異、張春華、歩婦人(練師)などは本作以降の三国志モチーフのゲームにはほぼ確実に登場するなど、本作のおかげで日の目を見たといえる人物は多い(丁度[[『無双』と孫尚香>三國無双]]のような関係性と言えるだろう)。 ---当初はCLAMP、川原正敏など講談社系列の漫画家が多かったが、3では高橋留美子や若杉公徳ら一ツ橋系列の漫画家も参加している。 --中には罰当たりになりかねない強烈アレンジを施されている武将もいたりするが、それはあからさまな「ネタカード」として作られていることが分かりやすく、真面目に描かれている別レアリティの同名カードが存在することが多い。 ---ネタと真面目の中間層としては%%この時代にはまず無い筈の%%眼鏡のイケメンとして描かれことあることに''「ここにいるぞ!」''と叫ぶ風間雷太デザインの馬岱が有名か。 ---Ver.2以降はLE(レジェンド)カード枠として他の著名な三国志作品(『横山光輝三国志』『天地を喰らう』『蒼天航路』「レッドクリフ」など)とのコラボも存在している。 ---というか三国志でない作品からもどうみてもクラウザーさんな袁術や「あしたの」夏侯惇やどうみても島耕作な孔明(カード裏の説明すら島耕作仕様)もいたり、WARBEGINSでは『美味しんぼ』・『闇金ウシジマくん』・『伝染るんです』などが参戦した。しかしこれらのカードに対しては&bold(){既存の漫画のキャラに武将の名前を被せただけ}という批判が多い。 -レアリティの高いカードに強力なものが多いのは事実だが、きちんと頭を使って考えれば低資産でもそれなりに戦えるデッキを組むことが出来るのも魅力。 --逆に言えば、R・SRといった高レアリティばかり入れていてもスキルが伴わなければボロ負けすることだってざらにある。実際、コモン・アンコモン縛りで全国対戦ランキング上位に食い込み有名になったプレイヤーもいる。 -派手な演出も概ね好評だった。 --今ではみんな見慣れてしまったが、最初期のインパクトは大きいものだった。特に「超絶強化」系の計略の演出である、群がる敵兵を回転しながら武器を叩きつけて一蹴する武将の格好良さは癖になること請け合い。一瞬スローモーションになるのもニクイ。 --3D武将に関してはイラストとの乖離が激しいものもあり、批判も確かに存在したが、それもこのゲームの味として納得できてしまうところもあった。 **賛否両論点 -ゲームのバランス調整などでこまめなバージョンアップを行っている。 --ただし、プレイヤーが望んでいたものとは違う調整が行なわれたり、調整の結果ゲームバランスが崩壊することもあったりするため一概に良い点とも言い難い。 --例えば、Ver3.50→Ver3.51に変わった時に1.5コスト以下の攻城力が激減し低コスト多枚数デッキが大ダメージを受けた。 ---3は特にバランスが崩壊していた時期として知られる。詳しい点は[[こちら>三国志大戦3]]を参照。 --一方で高コスト入り低枚数デッキは変わらず攻城力がありむしろ強化される事になった。 -もっともこの手のゲームにおける終焉と言われる、強デッキの一元化が起こり辛く多様性を生んでいるのは評価できる。 -初期作ゆえの対戦の荒削りさ --「1」を代表するテクニックとして挙げられるのが通称''「槍ワイパー」''。槍オーラによる攻撃は基本的に一定時間毎に武力に応じたダメージを与えるものだが、これは槍オーラに触れた瞬間にもダメージが入る。これを利用して「上下左右にカードを揺らしまくることで槍オーラの初撃ダメージだけを高速で与える」という戦法が確立し、乱戦などで移動速度が遅くなっている敵武将に瞬間的なダメージを与える手段として猛威を振るった。 ---このダメージは連突((騎兵が連続で突撃を行うテクニック。シリーズ共通))のそれを遥かに超えるもので、武力差で優勢だった場合された側は一瞬で兵力が蒸発するほど。象徴的な当時のフレーズとして「栄斗の程イクは武力4((「栄斗」氏とは「1」当時ぶっちぎりの1位を走っていたプレイヤーで、程イクは本来武力1の槍兵なのだが、それを感じさせない程ワイパーによる攻撃は凶悪なものだった。))」というものが存在する。 ---このテクニック自体は多くのプレイヤーに「槍兵の特徴のひとつ」として受け入れられたものの、全国対戦では''ラグありか否かでワイパーのダメージが大きく変わる''ことがあり公平とは言えなかった。「2」以降は槍撃という形にとってかわられ、この戦法は消滅する。 --後期と比べると「1」は全体的に計略の効果時間や範囲が凄まじく、食らった時点で負けがほぼ確定するデスコンボもかなりある。そのため良くも悪くも計略のウエイトが非常に大きいゲーム性だった。 **問題点 -プレイ料金が非常に高め --当初の1プレイ料金は300円で、全国対戦時は「勝った場合のみ」最大2回まで追加で進軍できる仕様で、負けるとそこで1プレイ終了になってしまう。勝って進軍しても、その際にも追加料金が発生する。 --勝ち続けると進軍(コンティニュー)料金が安くなる(2戦目は200円、3戦目は100円)ため、プレイヤーは必然的に勝敗に物凄く拘ることになる。稼働当初は非常に人気が高く、台の順番を巡るトラブルなどが発生しやすかった。 --Ver3.12から特別進軍というものが設けられ、1戦目に負けても2戦目がプレイできるようになったが、それでもまだ負けた時の損は大きかった。Ver3.59でようやく特別進軍の仕様が変更となり、勝敗に関わらず3戦目までプレイできるようになってこの点は解消された。 //-プレイヤーの「民度」(モラル)が低い。 //--相手君主の名前や店名はマッチング時にバッチリ表示されてしまうため、先述の料金体系の仕様と相まって「ヘイト」を溜めやすい。プレイヤー間のトラブルを招き易かった。 //---シャレにならないプレイヤーの逸話も数多いゲームであるが、あえてここでは記述しない((最も本作だけが問題となっているわけではなく、アーケードのTCGにおいては民度は全体的に低い。))。 //ゲーム内容に関わる事じゃないし、最近の対戦要素のあるゲームじゃ避けられないことだから問題点に上げるのはどうかと。 -カメラワークの悪さ。 --といっても、自分がプレイしている分には問題がない。問題なのは「全国対戦」や「店内対戦」などのリプレイ時。このカメラワークがコントロール出来ない上に見づらく、戦場のどこで何が起こっているのかが分かりにくかった。右上のレーダーを常に見ていないと戦況を把握できない。 --戦術・タイミングの研究などにも非常に使いにくかった。後にセガは「演武場」という、公式で動画撮影をサポートするシステムを立ち上げ、動画サイトにも本作動画が多数挙げられることになるのだが、「第三者が見た時のカメラワークの悪さ」は最後まで改善されなかった。 **総評 『稼働から10年もの間バージョンアップを続けながら存続した』という事実そのものが稀有なものであるだけに、大ヒットを巻き起こし、ゲーセンの在り方を変化させたという点では語るのに外せないであろう作品。~ 余談ではあるが、元スクウェア・エニックスの安藤武博が三国志大戦などがカードバトル系ソーシャルゲームの始祖であると言っているなど、他所にも大きな影響を与えた((https://app.famitsu.com/20120423_56673/))。 問題点もあったが、「自らの手で武将を操り、全国の対戦相手たちに勝利する」のはそれを吹っ飛ばすぐらいに楽しく、面白いものであったのは疑いようがない。~ ネットワークサービスは終了となり、今後徐々に撤去が進んでいくであろうが、本作を懐かしく語る人も、また後を絶たないことであろう。 **その後の展開 -Ver2.01を元に『三国志大戦DS』としてDSに移植された。詳しくは下記。 -姉妹作として戦国時代を舞台とした『[[戦国大戦]]』がある。 -2012年3月にいわゆるアナログタイプのカードゲームとして『三国志大戦TCG』が発売された。 --『三国志大戦3』後期にはTCGとコラボしたEXカードも登場した。 --TCGの方は2016年4月27日発売の第16弾『運命の邂逅』発売をもって商品展開休止となった。 -2013年以降、サービス終了の噂が常に囁かれていたが、とうとう公式に宣言が出された。2015年1月16日を最後にネットワークサービスを終了する旨が発表され、約10年に渡る歴史に幕を閉じることとなった。 --ちなみに、ネットワークサービスの稼働日数は「3594」日。最終バージョンはVer3.595((オンライン稼働する最終バージョンが3.594=三国志))。 -『三国志大戦3』終了から1年後、[[『三国志大戦』(2代目)>三国志大戦 (2016)]]が発表された。 --早速2016年4月22日~24日にロケテストが開始された。2016年12月21日から『三国志大戦』(2代目)のサービスが開始している。 --2代目のロゴに「4」に見える数字が乗っているので勘違いしやすいが、正式名称は『三国志大戦4』ではなく『三国志大戦』である。 ---- *三国志大戦DS 【さんごくしたいせんでぃーえす】 |ジャンル|トレーディングカードゲーム|&amazon(B000MQAWQY)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売・開発元|セガ|~| |発売日|2007年1月25日|~| |定価|5,980円(税5%込)|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~| |ポイント|『三国志大戦2』をコンシューマで再現&br;8枚重ね槍無双&br対戦マナーの悪さ|~| **概要(DS) アーケードゲーム『三国志大戦』(Ver2.01)をDSに移植した作品。~ 両手で動かすアーケード版と違い、タッチペンを使ってカードを動かしたり計略を使用する形で動きを再現している。~ 初回特典としてEX凌統(イラスト:小林智美)が付属している。 **問題点(DS) -AC版では両手を使っていたカード操作を、DS版ではタッチペン1本でまかなわなければならない。当然ながら操作面において限界があり、思い通りのカード操作は困難。 ---カードの向き変更には何故か十字キーを使うため、アーケードで強計略とされる「玄妙なる反計」やダメ計は狙いを定めにくい。 --機動力の高い騎兵を複数扱うようなデッキはまともな操作が不可能とも言われている。 -ハードの仕様上タッチスクリーンの2ヶ所同時操作が出来ない為、複数のカードを同時選択した状態でカード移動を行うリンク機能も搭載しているが、使い勝手は悪い。 --また、カードが重なる(ACではその仕様上できない)のを利用して、1コストの槍兵8枚でデッキを組み、束になって槍撃で敵を薙ぎ倒す「8枚槍」が猛威を奮い、戦術もへったくれもない試合になる事も多い。 -そして、対戦マナーの悪さも問題視される。 --改造したデータで挑む輩もいれば(例としては兵法に付くことはないはずの外伝を使うなど)、負けそうになると切断して無効試合にする輩もいた。 --切断を利用した対戦マナーの悪さはWi-Fiで対戦できるゲームの宿命ともいえるが。 -初心者向けの配慮が少ない。 --複数のカードを動かして、戦場の各所に目を配るのは初心者には難しい。が、最低限のチュートリアル以外はそれをするしかないため、「手軽に触れられるDS版から始めよう」と言う三国志大戦初心者にとっては、前述の操作面の限界もあって難しすぎる。 ---規模の小さなデッキでプレイ出来るステージなどがもっとあればよかったのだが。 -自分のデッキと対戦できない --こういったカードゲームでは、ライバルのデッキを再現して(人が操作しない都合上完璧じゃないにしろ)シミュレートしたり、テーマごとのデッキを用意して戦わせたり(例:魏対蜀、好きな武将オールスターVS有名武将オールスターなど)、そういった楽しみ方もあるものだが((例えば、パワプロシリーズを持っていれば、エディットチーム同士で試合をしたことがない人はほとんどいないだろう))、それができない。 --同時期のゲーム、例えば『[[JUMP SUPER STARS]]』などには搭載されているので、DSではできないとか需要がないなどということはないと思うのだが…。 **評価点(DS) -Ver2.01を元にしているだけあり、兵法外伝や戦器などの要素は完備されている。 --逆に言えば、しっかりと戦器集めや兵法の成長を行えばWi-Fiで戦える環境にあるということ。 -DSオリジナルのカードが何枚か存在している。 -また「三国英傑伝」クリアでVer1時代の排出停止カードをゲットでき、ある程度ならVer2のカードの代用もできる。 --Ver2.01以降のものに関しては収録されていないが、カード図鑑(あるいは画集)としても使える。 **総評(DS) 「三国志大戦」の内容を再現しようとした努力は伺える。~ しかしゲーム内容もありカードの方は高値で取引された一方、特典カード無しの通常版が値崩れを起こした。~ 1年半後、Ver3をベースに『[[三国志大戦・天>三国志大戦3#id_1f4bce95]]』が発売されるのである。
ここではAC『三国志大戦』(良作)及び、Ver2.01のDS移植版である『三国志大戦DS』(劣化ゲー)を紹介する。 ---- #contents(fromhere) ---- *三国志大戦 【さんごくしたいせん】 |ジャンル|トレーディングカードアーケードゲーム|~| |対応機種|アーケード(LINDBERGH・Chihiro)|~| |発売・開発元|セガ|~| |稼働開始日|2005年3月15日(2015年1月16日ネットワークサービス終了)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 日本人に親しみ深い『三国志』をテーマにしたアーケードゲーム。~ 三国時代の君主となり、各国の武将を率いて敵の城の落城を目指す。 大きなバージョンアップと共に『三国志大戦2』『[[三国志大戦3]]』と呼び名も変化。~ オンライン稼動はVer3.594まで(“さんごくし”の語呂合わせ)。~ 2013年6月28日のVer3.595が最後のバージョンアップとなっている。 2015年1月16日を以ってネットワークサービスを終了。現在は店内対戦および英傑伝のみプレイ可能。 **基本ルール -1対1(相手はCPUか人間のどちらか)で行う対戦ゲーム。 --それぞれのカードにはコストがあり、合計で8になるようにデッキを組む。コストの種類は1から3まで0.5刻みで存在し、基本的には、強いカードであるほどコストは重い。最大8枚登録する事が出来る。コストを使い切らずに登録したカードだけで対戦を始めることも一応は可能だが、純粋に損をするだけ。 ---コストの大きい武将のみを入れた「ケニア」((8コスト使い切った場合の最少枚数となる3枚デッキをメインで使い、有名になったプレイヤー「ケニア」氏の名前に由来する))や、それとは逆に低コスト武将を大量に入れて物量で押し切る「ワラワラ」といった構成も可能。 -カードのスペックには「所属国」「部隊の種類」「武力」「知力」そして「計略」などが存在。 --「所属国」は大きく分けて「魏」「呉」「蜀」の三つだが、このいずれにも属していない「他勢力」も存在。「魏」「呉」「蜀」以外の他勢力は後に増減していくのだが、ここでは割愛する。 --各勢力それぞれに得意・不得意(例えば魏は『騎兵および計略「反計」を持った武将』が多いが、逆に『(蜀に多い)槍兵及び回復手段を持つ武将』が少ない)の傾向が存在し、これがデッキ構築時のコンセプトにもなっている。 ---同じ国(単色)の武将のみで構築されたデッキなら最大士気12となり、以下2国混合なら最大士気9、3つ以上だと最大士気6、と保有できる最大士気量が下がってゆく。士気を大量に消費する計略が使えなくなるため、勢力を超えて強いカードで組んだ際のデメリットは非常に強い。そこに目を瞑ってあえて2色以上で組むかどうかは、プレイヤー次第。 --基本兵科として「弓兵」「槍兵」「騎兵」があり、これらは3すくみの状態となっている(弓→槍→騎→弓…のリング)。他に「歩兵」「攻城兵」などが存在。後のバージョンアップでは「象兵」なども現れた。 --「武力」は攻撃力と防御力の両面に影響を及ぼし、高ければ高いほど有利となる。 --「知力」は伏兵(後述)によるダメージ量や、計略の効果量・効果時間などに影響を及ぼす。こちらも基本的には高ければ高いほど有利。 --一部の武将はそれ以外にも「特技」を持つ。 ---魅力:開戦時、士気が+0.5溜まった状態で開始できる。君主武将と女性武将が所有していることが多い。 ---防柵:自陣に置いた状態で開戦すると、所持武将の前に柵を設置することができる。味方は自由に通行できるが、敵にとっては邪魔地形となり、何度か部隊をぶつけて完全に壊さないと通過できない。 ---復活:兵力を失い撤退した際、普通の部隊よりも早く復帰できる。 ---伏兵:自陣に置いて開戦すると発動((味方の城の中にカードを設置することもできるが、その場合には発動しない。))。通常時より移動速度が大幅に低下するが、敵から見えない特殊な状態となる。この伏兵部隊に敵が接触した瞬間、姿を表すと同時に、一度だけ彼我の知力差に応じて大ダメージを与えることができる。細かい条件でダメージを与えることなく解除されてしまう場合があるがそれは省略する。知力の高い武将が所持していることが多い。 ---勇猛:一騎打ち(後述)が発生した場合、有利に戦うことができる。武力の高い武将が持っていることが多い。 ---その他、バージョンアップで追加された特技が存在するのだが、ここでは省略させて頂く。 -盤面に置かれたカードを移動すると、武将の部隊が動く。敵と接触すると自動的に乱戦状態になり、お互いの兵力が減ってゆく。減った兵力は味方城内に武将を戻すことで回復させることが可能。 --合戦中、敵部隊と味方部隊が接触した際にランダムで「一騎打ち」が発生することがある。ただし一合戦に発生するのは最大2回までと決まっており、また「文官」と性格設定されている武将は絶対に一騎打ち状態にならない。 ---流れてくる5本のバーをタイミングよくボタンを押して止め、その判定結果で勝敗を決定する。負けた武将は現在の武力・兵力値に関係なく、即座に撤退となる。 -特殊なアクションが存在する兵科も存在する。代表的なのは「騎兵」と「槍兵」。 --「騎兵」は一定距離を止まることなく進み続けるとオーラのようなものを纏い、「突撃」状態となる。この状態では弓攻撃がほとんど効かなくなるうえ、敵部隊に突っ込むと「突撃」攻撃により大ダメージを与えられる。ただし「槍兵」の槍先に対して突撃してしまうと、「迎撃」されて逆に大ダメージを負ってしまう。 --「槍兵」は乱戦状態でない場合、部隊の正面方向に大きな槍のオーラを出す。この槍先には攻撃判定があり、より広い間合いで相手の兵力を削ることができる。さらに先述の通り「騎兵」の突撃に対してこの槍先を向けると迎撃することができる。 --「弓兵」は部隊を動かさずに止まっていることで、一方的に相手の兵力を削っていく遠距離攻撃ができる。 ---後に弓兵にもタッチアクションが設定されるが、ここでは省略する。 -兵力がゼロになると「撤退」扱いとなるが、一定時間が経つと復活し、再び味方城内から出撃できるようになる。''ゲームの勝利条件に「部隊の撃破」は(一部計略を使った時の特殊な状況を除いて)一切関係がない。'' --「敵城を攻撃し、敵城ゲージを削り」、ゼロにするか、99カウント後に自軍の城ゲージが敵軍の城ゲージを上回っていれば、勝ちとなる。 ---城には「攻城エリア」が存在し、相手の敵城エリアに部隊が入ると「攻城準備」状態となる。この状態では敵城から攻撃を受けつづけているということなので徐々に兵力が減ってゆく。敵部隊に邪魔されずに一定時間が過ぎると「攻城」が行われ、城ゲージを減らすことができる。攻城できる場所は正面門と城壁の2種類があり、正面門を攻撃した方が城ゲージの減りが大きい。 -合戦開始から時間と共に士気ゲージが溜まっていく。計略を使いたい武将をタッチし、「計略」ボタンを押すことで士気ゲージを消費して計略を発動させる。 --計略の種類は実に多種多様。上手く使ってこちらに優位な状況を作り出そう。 -さらに、武将ではなく君主(プレイヤー自身)の必殺技として、「兵法」(Ver.3では軍師カード登録による『奥義』)が存在する。 --あらかじめ合戦前に使いたい兵法を選び、1合戦中に1回だけ、任意のタイミングで「兵法」ボタンを押すことにより発動させられる。 --Ver2時代にはMasterとなった兵法に「外伝」と呼ばれる追加効果が付くようになった。「左伝」「右伝」で効果がわかれ、効果としては小さいものだが組み合わせ次第で兵法の使い勝手を劇的に変える物も多い。 **特徴・評価点 -カードゲームにRTS・アクション要素を取り入れ、先発作WCCFでもあったカードの移動による操作をより強めたゲーム。~ カードを直接動かすことによって兵士を移動させたり、カードを「突き出す」ことで槍撃を行ったりといった直感的なカード操作を強く押し出したのはこれが初で、後発ゲームにも大きな影響を与えた。 --三すくみの関係、象兵の存在、奥義・兵法など、エイジオブエンパイアやエイジオブミソロジーとの共通点が見て取れる。 -シンプルな内容であるが多彩な武将による様々な計略・能力のお陰で深い駆け引きを楽しむことが出来る。 --「兵法」は成長させることで効果が増したり効果時間が延長されたり、追加効果を付けることも可能。 --Ver.2時代には「戦器」と呼ばれるアイテムも存在し、手に入れるとその戦器に対応したカードの能力が少し増し、また種類が多彩なためコレクション要素も強かった。 -イラストは有名漫画家によるものが多く、ゲーム以外にもコレクションアイテムとして人気を呼んだ。 --概ね武将のイメージをよく掴んでいる。三国志に馴染みのある人はもちろん、薄い人にも興味をそそらせる美麗な絵が多い。特に女性武将(大抵は誰かの妻だったりするのだが)の人気は総じて高く、名前をあげられると本作のイラストが頭に思い浮かんでしまう人も多いのではないだろうか。 --特に王異、張春華、歩婦人(練師)などは本作以降の三国志モチーフのゲームにはほぼ確実に登場するなど、本作のおかげで日の目を見たといえる人物は多い(丁度[[『無双』と孫尚香>三國無双]]のような関係性と言えるだろう)。 ---当初はCLAMP、川原正敏など講談社系列の漫画家が多かったが、3では高橋留美子や若杉公徳ら一ツ橋系列の漫画家も参加している。 --中には罰当たりになりかねない強烈アレンジを施されている武将もいたりするが、それはあからさまな「ネタカード」として作られていることが分かりやすく、真面目に描かれている別レアリティの同名カードが存在することが多い。 ---ネタと真面目の中間層としては%%この時代にはまず無い筈の%%眼鏡のイケメンとして描かれことあることに''「ここにいるぞ!」''と叫ぶ風間雷太デザインの馬岱が有名か。 ---Ver.2以降はLE(レジェンド)カード枠として他の著名な三国志作品(『横山光輝三国志』『天地を喰らう』『蒼天航路』「レッドクリフ」など)とのコラボも存在している。 ---というか三国志でない作品からもどうみてもクラウザーさんな袁術や「あしたの」夏侯惇やどうみても島耕作な孔明(カード裏の説明すら島耕作仕様)もいたり、WARBEGINSでは『美味しんぼ』・『闇金ウシジマくん』・『伝染るんです』などが参戦した。しかしこれらのカードに対しては&bold(){既存の漫画のキャラに武将の名前を被せただけ}という批判が多い。 -レアリティの高いカードに強力なものが多いのは事実だが、きちんと頭を使って考えれば低資産でもそれなりに戦えるデッキを組むことが出来るのも魅力。 --逆に言えば、R・SRといった高レアリティばかり入れていてもスキルが伴わなければボロ負けすることだってざらにある。実際、コモン・アンコモン縛りで全国対戦ランキング上位に食い込み有名になったプレイヤーもいる。 -派手な演出も概ね好評だった。 --今ではみんな見慣れてしまったが、最初期のインパクトは大きいものだった。特に「超絶強化」系の計略の演出である、群がる敵兵を回転しながら武器を叩きつけて一蹴する武将の格好良さは癖になること請け合い。一瞬スローモーションになるのもニクイ。 --3D武将に関してはイラストとの乖離が激しいものもあり、批判も確かに存在したが、それもこのゲームの味として納得できてしまうところもあった。 **賛否両論点 -ゲームのバランス調整などでこまめなバージョンアップを行っている。 --ただし、プレイヤーが望んでいたものとは違う調整が行なわれたり、調整の結果ゲームバランスが崩壊することもあったりするため一概に良い点とも言い難い。 --例えば、Ver3.50→Ver3.51に変わった時に1.5コスト以下の攻城力が激減し低コスト多枚数デッキが大ダメージを受けた。 ---3は特にバランスが崩壊していた時期として知られる。詳しい点は[[こちら>三国志大戦3]]を参照。 --一方で高コスト入り低枚数デッキは変わらず攻城力がありむしろ強化される事になった。 -もっともこの手のゲームにおける終焉と言われる、強デッキの一元化が起こり辛く多様性を生んでいるのは評価できる。 -初期作ゆえの対戦の荒削りさ --「1」を代表するテクニックとして挙げられるのが通称''「槍ワイパー」''。槍オーラによる攻撃は基本的に一定時間毎に武力に応じたダメージを与えるものだが、これは槍オーラに触れた瞬間にもダメージが入る。これを利用して「上下左右にカードを揺らしまくることで槍オーラの初撃ダメージだけを高速で与える」という戦法が確立し、乱戦などで移動速度が遅くなっている敵武将に瞬間的なダメージを与える手段として猛威を振るった。 ---このダメージは連突((騎兵が連続で突撃を行うテクニック。シリーズ共通))のそれを遥かに超えるもので、武力差で優勢だった場合された側は一瞬で兵力が蒸発するほど。象徴的な当時のフレーズとして「栄斗の程イクは武力4((「栄斗」氏とは「1」当時ぶっちぎりの1位を走っていたプレイヤーで、程イクは本来武力1の槍兵なのだが、それを感じさせない程ワイパーによる攻撃は凶悪なものだった。))」というものが存在する。 ---このテクニック自体は多くのプレイヤーに「槍兵の特徴のひとつ」として受け入れられたものの、全国対戦では''ラグありか否かでワイパーのダメージが大きく変わる''ことがあり公平とは言えなかった。「2」以降は槍撃という形にとってかわられ、この戦法は消滅する。 --後期と比べると「1」は全体的に計略の効果時間や範囲が凄まじく、食らった時点で負けがほぼ確定するデスコンボもかなりある。そのため良くも悪くも計略のウエイトが非常に大きいゲーム性だった。 **問題点 -プレイ料金が非常に高め --当初の1プレイ料金は300円で、全国対戦時は「勝った場合のみ」最大2回まで追加で進軍できる仕様で、負けるとそこで1プレイ終了になってしまう。勝って進軍しても、その際にも追加料金が発生する。 --勝ち続けると進軍(コンティニュー)料金が安くなる(2戦目は200円、3戦目は100円)ため、プレイヤーは必然的に勝敗に物凄く拘ることになる。稼働当初は非常に人気が高く、台の順番を巡るトラブルなどが発生しやすかった。 --Ver3.12から特別進軍というものが設けられ、1戦目に負けても2戦目がプレイできるようになったが、それでもまだ負けた時の損は大きかった。Ver3.59でようやく特別進軍の仕様が変更となり、勝敗に関わらず3戦目までプレイできるようになってこの点は解消された。 //-プレイヤーの「民度」(モラル)が低い。 //--相手君主の名前や店名はマッチング時にバッチリ表示されてしまうため、先述の料金体系の仕様と相まって「ヘイト」を溜めやすい。プレイヤー間のトラブルを招き易かった。 //---シャレにならないプレイヤーの逸話も数多いゲームであるが、あえてここでは記述しない((最も本作だけが問題となっているわけではなく、アーケードのTCGにおいては民度は全体的に低い。))。 //ゲーム内容に関わる事じゃないし、最近の対戦要素のあるゲームじゃ避けられないことだから問題点に上げるのはどうかと。 -カメラワークの悪さ。 --といっても、自分がプレイしている分には問題がない。問題なのは「全国対戦」や「店内対戦」などのリプレイ時。このカメラワークがコントロール出来ない上に見づらく、戦場のどこで何が起こっているのかが分かりにくかった。右上のレーダーを常に見ていないと戦況を把握できない。 --戦術・タイミングの研究などにも非常に使いにくかった。後にセガは「演武場」という、公式で動画撮影をサポートするシステムを立ち上げ、動画サイトにも本作動画が多数挙げられることになるのだが、「第三者が見た時のカメラワークの悪さ」は最後まで改善されなかった。 **総評 『稼働から10年もの間バージョンアップを続けながら存続した』という事実そのものが稀有なものであるだけに、大ヒットを巻き起こし、ゲーセンの在り方を変化させたという点では語るのに外せないであろう作品。~ 余談ではあるが、元スクウェア・エニックスの安藤武博が三国志大戦などがカードバトル系ソーシャルゲームの始祖であると言っているなど、他所にも大きな影響を与えた((https://app.famitsu.com/20120423_56673/))。 問題点もあったが、「自らの手で武将を操り、全国の対戦相手たちに勝利する」のはそれを吹っ飛ばすぐらいに楽しく、面白いものであったのは疑いようがない。~ ネットワークサービスは終了となり、今後徐々に撤去が進んでいくであろうが、本作を懐かしく語る人も、また後を絶たないことであろう。 **その後の展開 -Ver2.01を元に『三国志大戦DS』としてDSに移植された。詳しくは下記。 -姉妹作として戦国時代を舞台とした『[[戦国大戦]]』がある。 -2012年3月にいわゆるアナログタイプのカードゲームとして『三国志大戦TCG』が発売された。 --『三国志大戦3』後期にはTCGとコラボしたEXカードも登場した。 --TCGの方は2016年4月27日発売の第16弾『運命の邂逅』発売をもって商品展開休止となった。 -2013年以降、サービス終了の噂が常に囁かれていたが、とうとう公式に宣言が出された。2015年1月16日を最後にネットワークサービスを終了する旨が発表され、約10年に渡る歴史に幕を閉じることとなった。 --ちなみに、ネットワークサービスの稼働日数は「3594」日。最終バージョンはVer3.595((オンライン稼働する最終バージョンが3.594=三国志))。 -『三国志大戦3』終了から1年後、[[『三国志大戦』(2代目)>三国志大戦 (2016)]]が発表された。 --早速2016年4月22日~24日にロケテストが開始された。2016年12月21日から『三国志大戦』(2代目)のサービスが開始している。 --2代目のロゴに「4」に見える数字が乗っているので勘違いしやすいが、正式名称は『三国志大戦4』ではなく『三国志大戦』である。 ---- *三国志大戦DS 【さんごくしたいせんでぃーえす】 |ジャンル|トレーディングカードゲーム|&amazon(B000MQAWQY)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売・開発元|セガ|~| |発売日|2007年1月25日|~| |定価|5,980円(税5%込)|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~| |ポイント|『三国志大戦2』をコンシューマで再現&br;8枚重ね槍無双&br対戦マナーの悪さ|~| **概要(DS) アーケードゲーム『三国志大戦』(Ver2.01)をDSに移植した作品。~ 両手で動かすアーケード版と違い、タッチペンを使ってカードを動かしたり計略を使用する形で動きを再現している。~ 初回特典としてEX凌統(イラスト:小林智美)が付属している。 **問題点(DS) -AC版では両手を使っていたカード操作を、DS版ではタッチペン1本でまかなわなければならない。当然ながら操作面において限界があり、思い通りのカード操作は困難。 ---カードの向き変更には何故か十字キーを使うため、アーケードで強計略とされる「玄妙なる反計」やダメ計は狙いを定めにくい。 --機動力の高い騎兵を複数扱うようなデッキはまともな操作が不可能とも言われている。 -ハードの仕様上タッチスクリーンの2ヶ所同時操作が出来ない為、複数のカードを同時選択した状態でカード移動を行うリンク機能も搭載しているが、使い勝手は悪い。 --また、カードが重なる(ACではその仕様上できない)のを利用して、1コストの槍兵8枚でデッキを組み、束になって槍撃で敵を薙ぎ倒す「8枚槍」が猛威を奮い、戦術もへったくれもない試合になる事も多い。 -そして、対戦マナーの悪さも問題視される。 --改造したデータで挑む輩もいれば(例としては兵法に付くことはないはずの外伝を使うなど)、負けそうになると切断して無効試合にする輩もいた。 --切断を利用した対戦マナーの悪さはWi-Fiで対戦できるゲームの宿命ともいえるが。 -初心者向けの配慮が少ない。 --複数のカードを動かして、戦場の各所に目を配るのは初心者には難しい。が、最低限のチュートリアル以外はそれをするしかないため、「手軽に触れられるDS版から始めよう」と言う三国志大戦初心者にとっては、前述の操作面の限界もあって難しすぎる。 ---規模の小さなデッキでプレイ出来るステージなどがもっとあればよかったのだが。 -自分のデッキと対戦できない --こういったカードゲームでは、ライバルのデッキを再現して(人が操作しない都合上完璧じゃないにしろ)シミュレートしたり、テーマごとのデッキを用意して戦わせたり(例:魏対蜀、好きな武将オールスターVS有名武将オールスターなど)、そういった楽しみ方もあるものだが((例えば、パワプロシリーズを持っていれば、エディットチーム同士で試合をしたことがない人はほとんどいないだろう))、それができない。 --同時期のゲーム、例えば『[[JUMP SUPER STARS]]』などには搭載されているので、DSではできないとか需要がないなどということはないと思うのだが…。 **評価点(DS) -Ver2.01を元にしているだけあり、兵法外伝や戦器などの要素は完備されている。 --逆に言えば、しっかりと戦器集めや兵法の成長を行えばWi-Fiで戦える環境にあるということ。 -DSオリジナルのカードが何枚か存在している。 -また「三国英傑伝」クリアでVer1時代の排出停止カードをゲットでき、ある程度ならVer2のカードの代用もできる。 --Ver2.01以降のものに関しては収録されていないが、カード図鑑(あるいは画集)としても使える。 **総評(DS) 「三国志大戦」の内容を再現しようとした努力は窺える。~ しかしゲーム内容もありカードの方は高値で取引された一方、特典カード無しの通常版が値崩れを起こした。~ 1年半後、Ver3をベースに『[[三国志大戦・天>三国志大戦3#id_1f4bce95]]』が発売されるのである。

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