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#contents ---- *スーパードンキーコング 【すーぱーどんきーこんぐ】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B000068GVK,image=https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3582/1807/dka.jpg,width=160)[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3582/1807/dka.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3582/1808/dkb.jpg]]&br;&br;&image(SDK.jpg,width=160)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|レア|~| |発売日|1994年11月26日|~| |定価|9,800円(税別)|~| |プレイ人数|【SFC/Wii/WiiU】1~2人&br;【New3DS】1人|~| |セーブデータ|3個(バッテリーバックアップ)|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br;※バーチャルコンソール版より付加|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2006年12月12日/800Wiiポイント(税5%込)&br()【WiiU】2014年11月26日/823円(税8%込)&br()【New3DS】2016年3月4日/823円(税8%込)|~| |書換|ニンテンドウパワー&br()1997年9月30日/1,000円/F×8・B×1|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|やりごたえのある絶妙な高難易度&br;SFCとしては当時屈指のグラフィックとサウンド|~| |>|>|CENTER:''[[ドンキーコングシリーズ・関連作品リンク>ドンキーコングシリーズ]]''| ---- **概要 イギリスのゲームメーカー「レア社」の技術力を見込んだ任天堂がタッグを組んで制作した横スクロール型アクションゲーム。~ 当時としては本格的なCGを使い、SFCというプラットフォームながら、3Dでモデリングされたキャラクターを撮り込んだプリレンダCGで緻密でリアルなグラフィックと動きを実現した「次世代ACT」として大々的に発売された。 タイトルに『[[ドンキーコング]]』とあるが、内容そのものはAC版シリーズ本編とは関係のない独立した作品で、原作のキャラクターを活かした新規作品((一応、キャラのセリフ中に原作本編との関連性を匂わすものがある))となっており、主人公として登場するのも初代ドンキーコングの「孫」の二代目ドンキーコングである。 //(詳細は[[後述の余談を参照>スーパードンキーコング#id_219d1341]])。 ---- **ストーリー >個性的な生物と自然の宝庫、コング島。~ その中でひときわ大きな群れ「コング」達は平穏な暮らしを送っていた。 > >しかしある時、ワニ族である「クレムリン軍団」がコング島に来襲して島を占拠し、~ コング達の食料であるバナナを強奪していった。~ 群れのリーダー格であるゴリラのドンキーコングは、相棒のチンパンジー・ディディーコングと共に、~ バナナの奪還とクレムリン軍団の打倒を目指して旅立った。 ---- **特徴 -「動きはやや遅いが固い敵も倒せるドンキー」と「身軽で速いが非力なディディー」…という性能の異なるコンビでクリアを目指す。 --二人一緒にいる時はワンボタンでいつでも操作するキャラを切り替えられる。それぞれの性能は分かりやすい一長一短であり、それぞれに得意な場面と苦手な場面が存在する。 --現在操作中のキャラが敵に触れるなどしてダメージを受けると離脱してしまい、控えのキャラを操作することになる。離脱したキャラは、ステージ内に設置されているDKバレルに閉じ込められており、バレルを壊すことで復帰する。 ---二人一緒にいればダメージにも一回は耐えられるということであり、それだけでも安心感がある。 --当たり判定は操作キャラの方にあり、控えキャラが操作キャラとの動作差で敵に触れたりしてもダメージは受けない。 -ゴリラ(猿)ならではのアクション --Yボタンでダッシュ、Bボタンでジャンプ(敵を踏んで倒せる)など、基本的な動かし方はマリオシリーズと同様。 --最大の特徴は、Yボタンでダッシュしつつ体当たり攻撃する「ローリングアタック」。 ---ジャンプする必要もなく地上の敵を倒せる。また、ローリングで敵を倒した直後は移動速度が更に高速化する。野性的で爽快感のあるアクション。 ---ローリングでは倒せないが踏みつけなら倒せる敵もいるなど、敵によっては踏みつけとの使い分けも要求される。 ---ローリングアタック中に落下した場合は空中でジャンプが可能。これを利用し、ただのダッシュジャンプだけでは届かない足場に移ったり、穴の上に配置されたアイテムを取った後足場に復帰したりというテクニックも。 --ドンキーのみ下+Yで両手を地面に叩きつける「ハンドスラップ」というアクションが行える。 ---地面に隠れているアイテムを手に入れたり、敵を倒してバナナを出現させたり、このアクションでしか倒せない敵を倒したりと使い方は様々。 --投げて攻撃したり、中に入って大砲のように発射されたりする「タル」。これをうまく利用して攻略していく。 -ステージ中には様々な1upアイテムが配置されている。 --バルーン(風船):取得することで、色に対応して1、2、3upする。 --バナナ:クレムリンたちが落としていったバナナ。100本取得することで1upと、マリオのコインと同じようなアイテム。 ---バナナ10本分が束になっている場合もある。 ---後述のボーナスステージのヒントとしても使われており、不自然な場所に置かれているバナナはボーナスへの道しるべとなる。 --K・O・N・Gパネル:各ステージ毎に「K」「O」「N」「G」が各一枚配置され、集めると1up。 ---上記二つに比べると集めにくく回収のリスクが高いポイントもあるので無理して取る必要はない。 -ステージによっては、「アニマルフレンド」という動物達が登場し、冒険の手助けをしてくれる。 --ランビ ---サイ。突進して鋭い角で攻撃する。目の前の敵を勝手に攻撃してくれ、壁に隠されたボーナスステージの入口も開くこともできる。 --エンガード ---カジキ。長く鋭い上顎で突いて攻撃する。4つすべての水中ステージに登場し、高い機動力と唯一の攻撃手段として非常に重宝する。((4作目の『64』まで毎回登場しており、そのいずれでもプレイヤーが直接操作の出来る唯一のアニマルフレンドでもある。(後述のスコークスは『64』ではNPCだった。))) --エクスプレッソ ---ダチョウ。素早く移動でき、ジャンプするとゆっくりと下降できる。足元には当たり判定がないため、小さい敵は無視できるが、敵を踏めない。 --ウィンキー ---高くジャンプできるカエル。コングでは踏めない敵・ジンガーも踏んで倒せる。 --スコークス ---4-5「トーチライト トンネル」にのみ登場。乗ったり攻撃することは出来ないが、暗い場所を照らしてくれるオウム。 ---『2』と『3』にも登場しているが、用途が異なる。この時はまだ地味な扱いであるが、驚いたことに現状のシリーズで皆勤になっているのは彼だけである。 -本作のマップ構成 --本作は日本国内に見られる一般的なワールド選択タイプのアクションゲームのマップと異なり、各レベル(ワールド)間を移動するための全体マップと、各レベル内のステージマップに当たる「レベル内マップ」に分かれている。 ---1度各レベルに入ると、レベル内のボスを倒す、もしくはレベル移動ポイント(ファンキーコングの小屋)を利用できるようになるまでは全体マップに戻れないという制約がある。 ---- **評価点 -SFCでは屈指の美麗なCGで描かれたグラフィック。 --本作を語る上で外せない長所。3Dで立体感と躍動感たっぷりに描かれたキャラクターやオブジェクトの美しさは現在見ても全く色褪せない。 --当時、任天堂が積極的にアピールしただけある美しさ。プレイ中どころかOPの「レア社と任天堂のタイトルロゴ」の美しさに当時しびれた人も多いのではないだろうか? --そしてそのCGでジャングルや洞窟、海中、森の中、雪山、果ては廃工場といったエリアまで展開するため探索欲が沸く。 ---流石にリアルタイム処理ではなく、既にCGとして制作したものをつなぎ合わせて動いてるように表示するだけのプリレンダーCGではある。~ しかし今までのゲームとは違うグラフィックは、後年次世代機で実現したリアルタイムレンダリングに匹敵するほどの衝撃をプレイヤーに与えた。 -シンプルかつコングの特徴を活かしたアクション。 --覚えるべき操作は少ないものの、コングの特徴を活かしつつ簡単な操作で行えるので、慣れるのも早い。 --二人のキャラのコンビというシステムは新鮮で、適度に思考性がある。 //--ロープをターザンの様に飛び移るゴリラと言う存在が当時は(あるいは今でも)新鮮であり、印象的だったのだ。 -個性的なキャラクター達。 --敵キャラにもワニだけでなく、ビーバーにハゲワシ、ハチやヘビにタコ。しかもキャラの動作に細かいSEまである。 --味方キャラにも体当たりが得意なサイ、泳ぎの上手いカジキ、ジャンプ力のあるカエルと様々。チョイスがバリエーション豊かで、ごった煮感があってとてもにぎやか。 --デフォルメされた顔つきや、靴・ヘルメット・迷彩服などの衣装を着てはいるものの、本作のキャラクター達は後続の作品に比べて全体的に造形や頭身がリアルで、シルエットは現実の動物のそれに近いものになっている。美麗な映像と合わせて、まるで現実の大自然の中を歩き回っているかのような臨場感がある。 --コングファミリーも主役のドンキーコング(2代目)とディディーコングの他にクランキーコング、ファンキーコング、キャンディーコングと個性豊か。モーションも細かく崖っぷちにいると「おっとっと」の姿勢になったりドンキーを先頭にしてクランキーの家に向かうとクランキーの杖で叩かれる際に身構えるなど表情も豊か。 --ミス時のモーションもBGMと相まってコミカルで、ドンキーは仰け反ってから頭をポリポリ掻いているだけの呑気なもの、ディディーは転んでから頭の星をくるくるさせながら痛そうな表情を、と二匹の差を感じさせる。 //-非常によく練られたゲームバランスとマップデザイン。 //--全編通して難易度は高めながら、上達が実感できる絶妙なバランスになっている。 //--ステージはレベル毎に分けられているので当然レベルの個性が出る…と思いきや、実はステージの種類自体が結構多く同じレベルでも飽きさせない。 //--ジャンプアクションのステージだけでなく、ハラハラさせられるリフトでの移動やノンストップなマインカート、タイミングを計ってぶっ放すタル大砲などギミックも豊富。 //---シリーズを通して最初のステージは残機が貯めやすい構成になっている、と細かい配慮も良く出来ている。 //問題点の項目で挙げられているように、キャラ格差、ボス戦の難易度の低さ、一部ステージの難易度の高さ、ボーナスステージの理不尽な見つけにくさ、スクロールの問題など、ゲームバランス・マップデザイン共に練り込み不足が目立つ -良質かつ豪華な音楽。 --デビッド・ワイズ(David Wise)氏らによる音楽は完成度が非常に高く、各フィールドの世界観を最大限に引き立てている。SFCの音源とは思えないほどにリアルで美しい音使いで作られており、曲単体で聴いても十分、鑑賞に堪えうる質の高さを誇っている。 --特に際立つのが音の使い方で、タンバリンの音を高音にすることによって全く別の楽器の音のようにしているなど、それまでのゲームとは全く違う音の使い方でSFCの音源の限界を感じさせない細やかなつくりになっている。 ---中でも野生的なドラムのリズムがステージ景観にぴったりなジャングルステージの音楽や、透明感溢れる海ステージの音楽((作曲者のワイズ氏のお気に入りでもあり、GBA版『3』の海中ステージなど、後の作品で何度かアレンジされている。))は特に評価が高い。 ---洞窟の音楽の水滴が滴り落ちる音など、ステージの情景を連想させる効果音や和音をふんだんに使う代わりに、具体的なメロティーやリズムを排した「アンビエント」的な音楽が多いのも特徴。サンプリングを用いるSFC音源の本領発揮と言えるだろう。 --効果音も印象に残る物揃い。倒した際の効果音も敵ごとに違い、特にクラッシャやロッククロックを倒した時やキングクルールを攻撃した時の「オ゛-」は大抵の人が真似したであろう。 -その他 --ステージの作り込みは非常に細かく、隠しアイテムやショートカットがふんだんにちりばめられている。 ---例としてゲームを始めて最初に行くことになる「1-1:バナナジャングル」では、地上をほぼ一直線に進むだけでゴールまで辿り着ける以外に、ステージ上部の樹木をジャンプで渡っていくことで、大量のバルーンが手に入るという隠しギミックがある。木々の間隔がローリングからの空中ジャンプを駆使してギリギリ届く広さに並んでおり、最序盤のステージでありながら上級者も唸る難度となっている。このような隠し要素を探してステージを探索するのも面白い。 --やりこみとして各ステージのボーナスステージを探すことも出来る。見事入口を見つけることができれば、セーブデータの%がどんどん上がっていく((誇張ではなく、本当に入口を見つけるだけで達成率が上昇する。そのため、ミニゲームに失敗しても、入ってすぐステージを脱出しても、そもそも入らずに無視しても大丈夫…と、プレイヤーに徹底的に優しい作り。))、~ その上、そのステージでの100%を達成するとステージ名に「!」が付くので「どのステージで隠し要素を発見していないのかが分からない」という事態も起こらないユーザーフレンドリーな設計。~ 最高は100%に見せかけて… ---- **賛否両論点 -シリーズ作品から一部の設定やキャラクターの改変 --今までのシリーズでドンキーコングとして扱われていた初代ドンキーコングは、クランキーコングという独自の名称になっている((本作のドンキーコングに名を譲ったということになっている))~ また、年老いたことを強調するためか、AC版の時代を回顧して懐かしがっては何かと毒を吐くシーンが多い。 ---今までのシリーズでは主役級だったキャラクターに、こうした癖の強いキャラ付けがされている点は、賛否が分かれる。 --クランキーコングの息子であり、過去のシリーズ作品では何度も主役になった事がある「ドンキーコングJr.」が、本作では一切登場しない。 ---孫座自体にも一切言及もされないため、ドンキーコングJr.が、二代目ドンキーコングから見て父親にあたるのか、叔父にあたるのかも、不明のままになっている。 -スコークスのライト。 --スコークスはコング達の進行方向を照らすため、コング達が後ろを向いたらスコークスも当然後ろを向く。この方向転換の際、ライトが一瞬だけプレイヤー側に向くので、視界がフラッシュ、ホワイトアウトする。リアルではあるが、ハッキリ言って''目に悪い''。 --ただ本当に一瞬なので、そこまで気にならない程度でもある。またこの1ステージ限りなので、ボーナス獲得含みでゴールした後にすぐさまセーブすればもう一度立ち寄る必要もない。 ---なお、バーチャルコンソール配信以降の移植版では修正されている。 ---- **問題点 //賛否両論の両面が明確に評価点、問題点に切り分けられる場合はきちんと分けて書くのがルールなので視認性については問題点に移動。 ''グラフィック'' -本作最大の売りであり評価点でもある美麗なグラフィックであるが、視認性が悪い箇所が目立つため、アクションゲームのグラフィックとして見ると問題が多い。 --木の幹、木の足場、崖、タル、ドンキー、ディディーなど、とにかく茶色のオブジェクトが多く、あまり塗り分けがされていない。背景にも茶色が使われており、咄嗟の判断を阻害している。 --ドンキーもディディーもどちらも茶色ベースの色合いで、操作しない方は後ろからついてくるため、今現在どちらを操作しているのか瞬時に判断がつきにくい。 ''コースデザイン'' -横スクロールステージで、画面が不必要に縦にスクロールして下の地面が見えなくなるコースが多い。最初にプレイする「1-1:バナナジャングル」から、早速このような構造になっている。 //場面によっては「下にスクロールしなければ見えない足場に向かってノーヒントでジャンプする」といった、理不尽なものもある。 //--本家[[マリオシリーズ]]では、こうした場面では必ずコインによってルートの誘導がされていて、見えない足場にノーヒントでジャンプしなければならない様な状況は無い。~ //--後に「[[スーパーマリオメーカー]]」が発売した際に、公式サイト上で「[[縦にスクロールしないコースを作ろう>https://www.nintendo.co.jp/kids/151014/supermariomaker/index.html]]」と呼びかけていることからも、本作のコースデザインには問題があることが分かる。 //--次回作『2』ではこうした不必要な縦のスクロールは大幅に減少し、足場が見えない場面ではしっかりとバナナによるルートの誘導((一応本作にも一部はバナナで誘導している箇所はある。))がされるようになった。 -前述したとおり難易度は高めだが、やっている内に上達が実感できるバランス取りのおかげもあり、そこまで気にはならない。しかし少々場違いなステージも。 --レベル4は全体的に難易度が高く、前述の仕様により4-5をクリアするまでセーブができない。それなのに''「4-1:ふぶきのたに」''はレベル一番手のステージの癖に''本作でも三本の指に入る高難度ステージ''と評されるほど。その後も4-2で精密なロープアクションを要求されたり、4-4で後ろから迫る無敵の敵から逃げ切れなかったりと、多くのプレイヤーが辛酸を舐めた。 ---「4-1:ふぶきのたに」は回転する樽渡りをひたすら繰り返していくというもの。しかも終盤になると''樽が回転しながら動く''ようになるため、タイミングを計るのが非常に難しい。吹雪による視界不良と、後半から全く異なる音楽がプレイヤーに絶望感を与えてくれる。((ただし、ある地点にゴール直前までショートカットできるタルがあり、クリアできない人への救済処置となっている。)) ---ゲームセンターCXで本作に挑戦した際、有野課長はこのステージだけで3時間以上足止めをくらっていた。課長の絶妙なゲームセンスなら仕方ないかと思う方もいるかもしれないが、他のステージは多少手こずる部分はあったものの、ここまで時間はかかってはいなかった。そういったことを踏まえてみると、ここがいかに難易度の高いステージなのか理解して頂けるかと思う。 --残機に関しては、レベル1に戻るなりして残機を増やせば一応問題は無い。1-1であれば慣れた人なら一度に5~10機以上は増やせるし、初心者でも確実に1機は増やせる。後は慣れるまでが勝負だろう。 ---因みに「2-5:ノーティのいせき」のスタート地点で、ディディーを利用して残機をほぼ無限に増やせる裏技の存在も有名。 ---また、ゲーム開始時に隠しコマンドを入力することで、残機50でゲームを開始することが可能。 -通常ボス戦の難易度が全体的に低め --そもそも今作のボスはほとんどがザコ敵をデカくしただけで、攻撃パターンも体当たりのみが大半である。その中でも色と攻撃パターンを変えただけのボスがいくつかおり、攻撃パターンの変化もそこまで大きくないので倒すのはやはり容易。 --また、レベル5のボス・ダムドラムはこちらから直接ダメージを与える手段がなく、プレス攻撃の後に吐き出される全ての敵を倒すとそのまま自滅して倒したことになってしまう。倒し方のパターンが違うだけといえば確かにそうだが、直接攻撃して倒せたわけないのでやや拍子抜けである。 ---なお、レベル3のボス・クイーンBも踏みつけなどで直接ダメージは与えられない代わりにステージ内に定期的に出現するタルをぶつけて倒すというシチュエーションとなっているのだがこちらでは採用されていない。 -ボーナスステージが見つけにくい。 --セーブデータの達成度を上げるにはステージに隠されているボーナスステージの入口を見つける必要があるが、ゲーム内にヒントが少なく、怪しそうな場所を虱潰しに調べるしかないため、攻略情報等なしでコンプリートするのは難しく面倒な作業となる。 ---一応、『2』以降と違い基本的に見つけてしまえばそれで終わりなので、ボーナスステージを探すこと自体が目的という位置づけであることが見て取れる。 ---ただし例外的に、''ボーナスステージの中に別のボーナスステージの入口がある''((加えて、「ボーナスで特定のアイテムを引き当てた上で」「さらに特定の操作を行う」手順を踏まなければ発見することができない。))という、とんでもないステージもあったりする。そのため、攻略本を持っていないプレイヤーからは「ボーナスステージがコンプリート出来ないのが仕様」と誤解を受けることもあった。 ---見つけにくいが故に探索することにやり甲斐を見出すプレイヤーもまた存在するかと思われる。クリア後は101%を目指して友達と集まってワイワイと、あるいは個人でじっくり探索を続けて全ステージに「!」が付くまでプレイをした人は決して少なくはないと思われるのでやり込み要素としてみるなら悪くない点なのかもしれない。 ''その他'' -不自由なセーブ。 --本作のセーブポイントの「キャンディーコングの小屋」は各レベル(ワールド)に1ヶ所ずつ存在するのだが、どのレベルでもいくつかのコースをクリアしなければ出現せず、セーブをするためには「ファンキーコングの小屋」からすでにクリア済みの他のレベルに戻る一手間をかけるか、キャンディーコングの小屋が出現するまでコースをクリアする必要に迫られる。 --そして厄介なことに、''ゲーム内で最初のセーブポイントはレベル1のボスの手前でやっと出現する''ため、ゲーム開始直後はレベル1の''ボス以外の5コースを全てクリアするまで一切セーブできない。'' ---おまけにセーブポイント手前にある「1-5:タルたいほうの谷」は、レベル1の中でも難関のコースとされ((一応、コースの大半をスキップできるショートカットは用意されているが、特に難易度の高いラストをスキップ可能なショートカットは利用するのにもテクニックが要求されるため、救済措置とは言い難い。))、セーブすらできずにゲームオーバー→1-1からやり直しというケースも十分にあり得る為、最序盤にしてはいささか厳しすぎるゲームデザインであるといえる。 --レベル2以降も、現行到達レベルでキャンディーorファンキーのどちらかのコングの小屋が出現していなければセーブは不可能。そして両コングの小屋は、どのレベルにおいても最低2つのコースをクリアしないと利用できないため、''新たなレベルに入った直後はしばらくセーブが出来ない状況に追いやられる''。 ---このため、ボス撃破後はすぐに次のレベルに進まず、現在のレベルに入り直してセーブを優先することが定石となっている。 --セーブデータに残機が記録されないため、再開時は1から稼ぎ直さないといけなくなる。 //ちなみにこの仕様についてはゲーム内で「ゲームの都合だかんべんしてね~」(原文ママ)とメタっぽく説明されている。 //ファンキーコングの「と~ころがざんねん、1回行ったとこしか行けないんだよなあ。ゲ~ムのつごうだゴメンしてね。」と混同? -ドンキーとディディーの性能差。 --ディディーはドンキーより一回り小さくて敵に若干当たりづらく、かつスピードがあるので操作性に優れる。エンガードに乗らないと攻撃手段がない水中ステージではその恩恵は大きい。 ---反面、そのスピード故にジャンプ中の細かい制御はやや難しくなり、小刻みなジャンプを連続するような慎重な操作が求められる場面ではゆっくりとしたドンキーの方が扱いやすい。 --一方ドンキーはパワーに優れ、ディディーの踏みつけやローリングアタックでは弾かれてしまう一部の敵を倒す事が出来る。が、その数は多くなく、居たとしてもディディーの機動力ならやり過ごせてしまえる事が殆ど。ドンキーとディディー両方で倒せない、または対処法が全く同じという敵の方が多く、極論無敵の敵でなければ、どちらででもタルを投げつければ倒せてしまう。いまいちドンキーの利点になっていない。 ---ドンキーの固有アクションであるハンドスラップは、攻撃面では攻撃範囲が狭い癖に隙が大きく、これを攻撃手段に使うくらいなら踏むかアタックするか、あるいはやり過ごした方が遥かに手取り早い。アイテムの掘り出し機能はバナナ(残機)を稼ぎたい時には使えなくもないが、他の方法で残機を稼いだ方が現実的である。少なくとも、クリアに使用を強いられる場面は全く無い。 ---一応ハンドスラップには「ストップ&ゴーステーション」というステージに登場する、無敵状態で暴れ回る「ロッククロック」という敵が待機状態になっている時に使うと倒すことが出来るという効果もある。1ステージ限定ではあるが非常に厄介な敵を唯一倒すことが出来る方法であるので、限定的ではあるが役に立たないこともないかもしれない。この敵を倒せば落ち着いて探索しやすくなるかと思われるので、このステージのボーナスステージを探す場合には役に立つかもしれない。 --タルを持った際にも差が出る。ディディーは体の正面で抱えるので、持ったまま体当たりするだけで敵を倒せたりボーナスステージの入り口を開けられるが、ドンキーは頭上で保持するため投げる際に若干の隙ができる上、敵に横からぶつかるとダメージを受けてしまう((逆に、頭上からの攻撃に当たってもミスにならないので、ココナッツを放り投げてくるネッキーの対策になるという利点も無いわけでは無い。また、タルを持ったまま敵に当たらずに進みたい場合はドンキーの方がありがたい。))。 ---ボーナスステージの入り口も持ったままでは開けられないどころか、壁に密着した状態でタルを投げても軌道と判定のせいで開けられないことがある(壁に隣接した状態で足元に置くという方法はある)。 ---頭上に持つため、高い位置にいる敵にも投擲モーションと合わせて当てやすいなど、固有の利点がないわけではない。 -クランキーコングに会うとアドバイスをしてくれるのだが、どのレベルで会っても基本的な助言や初期のステージの情報しかくれないため、序盤以外で会うメリットがまるで無いように感じられかねない。 --実際は進んだステージに応じてアドバイスが増加するが、決定ボタンでメッセージを送っていると絶対に教えてくれない。中盤以降のヒントは、自然にメッセージが流れるままに説教を聞く中で教えてくれるものが大半。ただし説明書によると、彼のヒントを当てにすることが別に推奨されているわけではない((「彼の話はほとんどがホラ話で、時にはゲームのヒントを1つ2つもらすこともある」という紹介文。つまりメッセージを送ってホラ話さえ聞かないプレイヤーに教えるヒントはない、とも取れる。))ので、その性格づけも合わせて、恐らく意図的。 -坂を滑ったときや、エンガードの突進を使ったときなど、操作キャラが高速で移動した際に画面のスクロールが遅れ、進行方向の先が見えなくなってしまう。 -レベル5「カントリーファクトリー」にフリーズバグがある。 --一度クリアした後に再び入ると、脱出時に高確率でなぜかフリーズする事がある。 -セーブデータのプレイモード(1人プレイ・2人協力プレイ・2人競争プレイ)を途中から変更できない。 --1人プレイ以外のモードを選ぶプレイヤーがそもそも少ないということはあるが、せめて1人プレイと2人協力プレイの切替くらいはほしかったところ。 -アニマルトークンを3つ集めると残機を増やせるミニゲームで遊べるのだが、ボーナスステージ以外で3つ目を入手した場合、プレイ再開時にコンティニューバレル(通過していない場合はスタート地点)まで戻されてしまう。 --このミニゲームはステージクリア後ではなく3つ集めた時点で強制的にやらされるので、早く進みたい人にとっては煩わしい。現在何個集めたか確認できないのも不親切。 --3つそろった時に集めたトークンが一つずつ画面内に表示されていくという演出が挿入され、すぐにミニゲームに移行しないのでテンポも微妙に悪い。 -ラスボス・キングクルール戦の初見殺し。 #region(ゲーム展開のネタバレなので隠し) -ラスボスのキングクルールは頭を3回踏みつけるとダウンし、唐突にスタッフロールが流れだすのだが、実はこのスタッフロールは真っ赤な偽物であり、「THE END?」という意味ありげな表記が消えた直後、死んだふりをしていたキングクルールが起き上がり襲いかかってくる…という、アクションゲーム史上を見ても類を見ない罠がある。その後に改めて頭を3回踏みつければ本当のクリアになる。 -よくよく見れば、~ +&color(red){''不気味な赤文字で表示されている''}~ +先頭に表示される「CREDITS」が「KREDITS」と思いきり誤記されている~ +スタッフの役職名もKから始まるおかしな表記になっている上に人物名も敵の名前(クルール軍団の敵の名前は英名表記においてはほとんどが『K』で始まる)になっている。~ +BGM自体も画面も全く切り替わらず不穏な雰囲気のまま~ +スタッフロール自体が非常に短い~ ……等の特徴があるためひっかけとしては割とわかり易い方ではあるが、今までにない大胆な罠であることもあって初見で見抜けなかったプレイヤーもいたことだろう。 #endregion //-ゲームオーバー画面が怖い //--ドンキーとディディーがボコボコにされているのはまだしも、暗い画面におどろおどろしいBGMがかかるのがなんとも不気味。この画面がトラウマになったプレイヤーも決して少なくはないだろう。以降のシリーズも怖いゲームオーバー画面・演出は定番化している。 //怖いからって何か実害があるわけではないし、特筆すべきほどの問題ではないだろう。 ---- **総評 SFC屈指の美麗なグラフィック、良質な音楽等で人気を博し、本作は国内だけでも300万本・全世界規模では800万本の売上と好セールスを達成。レア社とCGの底力を世間に知らしめるには十分な作品となった。 ----- **その後の展開 -その後シリーズ化し、SFCで『[[2>スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー]]』と『[[3>スーパードンキーコング3 謎のクレミス島]]』が発売。美麗なCGは勿論、ゲーム自体もかなりの評判である。~ しかし両作ともドンキーは囚われたり行方不明になったりでプレイヤーキャラではなく救出対象になってしまい、タイトルに冠されているにもかかわらずSFC『ドンキー』三部作でドンキーコングを操作できるのは本作のみとなる。 -今作のキャラクター達は『[[マリオカート64]]』に本作のドンキーコングが登場したのを皮切りに、マリオシリーズにも参戦し、その他の外部作品にも参戦している。 --ディディーコング等の本シリーズで初登場したオリジナルキャラは、当初はドンキーと違い任天堂ではなくレア社が版権をもっているキャラだったため、任天堂開発のゲームには出演することは難しかったが、2002年にレア社がマイクロソフトに買収されたことに伴い''ドンキーコングシリーズの版権がほぼすべて任天堂側に移った''ため((ただし、そもそもレア社が販売していたソフトである『JETPAC』等のミニゲームや、サブキャラクター(レーシング参戦のバンジョーやコンカー等)はレア社版権のまま))、ドンキーと共に『[[マリオゴルフ ファミリーツアー]]』『[[マリオカート ダブルダッシュ!!]]』『[[大乱闘スマッシュブラザーズX]]』などの作品に出演することがかなった。 -2006年12月12日から2012年12月7日の期間、Wiiバーチャルコンソールで配信。 --2014年11月26日より、Wii Uバーチャルコンソールの配信に合わせて、2・3と共にWiiバーチャルコンソールで配信が再開された。 --2016年3月4日にはNew3DS向けにも配信。 -GB向けに本作を元に「新たな冒険」としてフルリメイクした『[[スーパードンキーコングGB]]』が発売されている。 --内容は原作の後日談ということもあり大幅にアレンジされており、続編に近い。 -それとは別に、GBCとGBAに原作SFC版を再現した内容で移植されている。 --GBC版はタイトルを『[[ドンキーコング2001]]』に変更されての発売。本作では新ステージやミニゲームの追加の他、オートセーブの採用により不自由だったセーブが改善されている。ただしスペックの劣るハードでの発売の為、グラフィックは原作に及ばず、BGMも『[[スーパードンキーコングGB]]』のBGMの流用が大半となっている。 --GBA版については下記にて詳述。 -Wiiでは『[[ドンキーコング リターンズ]]』が発売。 --開発は任天堂と『[[メトロイドプライム]]』を開発したレトロスタジオ。こちらも''Wii最高画質''を宣伝している。 -メディアミックスでは、96年にカナダとフランスの共同制作で3DCGアニメ「Donkey Kong Country」が制作され、日本では99年~2000年にテレビ東京系列にて「ドンキーコング」というタイトルで放送された。 --ドンキーの「普段は抜けているがやるときはやる力持ち」他、各キャラ独自の設定付けがなされてオリジナルキャラも多いが「コング軍団vsクレムリン軍団」という構図はゲーム通り。また、洋画吹き替えのお約束として「ローカライズによる特有のギャグ・アドリブ」も健在。近い時期に放送されていた作品で例えるなら「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー」と共通点が多い。((どちらもカナダ制作の3Dアニメでテレ東で放送、吹き替えのアドリブギャグまみれ、主人公がゴリラ、中村大樹が出演していたり…等。ただビーストウォーズほど好き勝手やり過ぎなんじゃあないか?といった感じは抑えられてはいた様には思われる。(ビーストに出演していた声優は自身のラジオ番組で、「あの番組は台本なんてない」と言っていたくらい出演声優全員が、ある意味とても楽しそうにはっちゃけて演じていた。))) --アニメ版と同期に発売されたGBC『[[ドンキーコングGB ディンキーコング&ディクシーコング]]』及び64『[[ドンキーコング64]]』の2作はアニメとのタイアップ作品として位置づけられている。他、当時のTCGブームに便乗しアニメ版を元にしたオフィシャルカードゲームも発売されていた。 ---スポンサーを務めていた任天堂は後番組の「とっとこハム太郎」も同様にスポンサーを務めていて、こちらでも[[タイアップの>とっとこハム太郎2 ハムちゃんず大集合でちゅ]][[ゲーム作品>とっとこハム太郎3 ラブラブ大冒険でちゅ]]を数作発売している。 -2017年6月27日発売の『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』に収録された。 --[[公式サイト>https://www.nintendo.co.jp/clvs/soft/s_donkey_kong.html]]では当時の説明書のpdfも閲覧可能。 -2018年8月2日発売の『[[メイド イン ワリオ ゴージャス]]』のプチゲームの一つとして登場している。 -2018年12月7日発売の『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』にキングクルールがファイターとして参戦した。 -2020年7月15日に『[[スーパーファミコン Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]』で配信された。 -USJの『スーパー・ニンテンドー・ワールド』に新たなエリア『ドンキーコング・カントリー』が2024年春頃に開業予定。外見はWii寄りとなっている。本作の主人公二人はもちろん、ここ最近余りゲーム出演がなかったクランキーコングやディクシーコングも登場する。 --過去昔は『ドンキーコング裁判(詳しくは[[こちら>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%AA%E5%AF%BE%E4%BB%BB%E5%A4%A9%E5%A0%82%E8%A3%81%E5%88%A4]]を参照)』にてユニバーサル絡みの訴訟があったものの、長きの月日が過ぎ、ついにUSJでめでたく共演することになった。 **余談 -今作のドンキーコングは「2代目」と称されるが実際は初代ドンキーコングの「孫」にあたり、初代ドンキーの息子である『[[ドンキーコングJR.]]』とは同一ではないというややこしい設定((なお、Jr.が現ドンキーの父親かおじかは描写されていないため不明))。 --本シリーズでは、初代「ドンキーコング」は年老いた姿の長老「クランキーコング」として登場する。ちなみに、AC版本編との関わりを示唆するセリフも喋る。 --なお、初代ドンキーが年老いてクランキーとなり、現在の2代目ドンキーがマリオと多くのゲームで共演するようになったものの、マリオの外見年齢は初期からほとんど変わっていない。 ---ゲーム上ではこの時系列の謎について明確にはされておらず、コロコロの漫画『スーパーマリオくん』ではヨッシーが「マリオさんは歳をとらないんですね」と言ったり、ボンボンの漫画『SUPER DONKEY KONG with マリオ』ではマリオが「ゴリラは年を取るのが早いんだね」と言ったりなど、独自の解釈がなされていた。 ---まあマリオテニスシリーズなどで成人と赤ちゃんの同一人物が共演したりしているため、あまり細かいことは考えないほうがいいだろう。 --なお、映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』では現ドンキーコングがクランキーコングの''息子''として再設定されている。~ こちらのドンキーコングは従来の2代目がベースなのだが、よく見ると目や鼻の形などが従来の2代目と異なり、むしろジュニアに寄せられたデザインとなっている。 ---加えて、上記の「息子がジュニア・孫が2代目」と解説していた[[ニンテンドーオンラインマガジンの公式サイト>https://web.archive.org/web/20230115113946/https://www.nintendo.co.jp/nom/0002/01/family1.html]]が、映画の日本公開直前の2023年4月26日をもって''閉鎖・ページ削除''されてしまった。~ これにより上記の設定のソースそのものが消滅してしまい、今後は「かつてのドンキーコングJr.と2代目ドンキーコングが同一人物」という設定に統合される可能性も考えられるようになってしまった。 ---とは言え、映画版は他にも原作ゲームとは異なる設定・描写が多く、現状においてはひとまずパラレルワールドと見たほうがいいだろう。任天堂の公式見解が待たれるところである。 -ジンガー(蜂のザコ)を倒した時の効果音が妙に生々しい。それだけサウンドのクオリティがリアルで高品質だという感想も少なからず挙がっているが、『2』ではマイルドな音色に修正された。 -雪山ステージにある鉄タルは他のステージとは全く違うSEになっている。 --改造ドンキーでお馴染みの変なSEがBGMに因ることから、BGMとSEが紐づけられているものと思われるが、詳しいことは不明。 --6-1の「トリックトラックリフト2」の燃料が減量する時のSEも、プレイによっては音が全く違う時がある。ちなみにこの状態でボーナスステージに出入りすると何故かSEが元に戻る。こちらも原理は不明。 -テレビ東京系番組「スーパーマリオスタジアム」ではゲスト出演のタレントのトライアル企画で「マインカートコースター」をプレイする模様が実況を交えて放映されていた。 --それ以外にも芸能人でも認知度が高かったのか、フジテレビの番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」内の企画「食わず嫌い王決定戦」で石橋貴明が、オープニングの二代目ドンキーのダンスのモノマネをしていた事がある。 -本作のグラフィックについて「スーパーファミコンでは表示出来ない色を表現するため、複数の色を肉眼では確認できない速度で点滅させている」という話が語られることがあるが、このテクニックが使われているのは1-1の背景上部のグラデーションなど一部の部分のみである。 60FPSで録画してスロー再生すると1フレーム毎に変化していることが確認できる。 キャラクター(スプライト)や細かく描き込まれた背景などでは使われていない。 -エンディングで登場キャラクターの紹介コーナーの様なものがある。基本名前が表示され、左から右へと敵味方のキャラ流れて行く様に一体一体丁寧に紹介されていくといった趣の内容なのだが、歩行等といった動くアクションがないキャラクターは立ったままの様な状態でまるでベルトコンベアに乗せられているかの様に流れていく様な映像になっている。特に味方のコングファミリーの面々がこの様な感じになっており、中でもクランキーコングは''ロッキングチェアに座って揺れている状態で妙にスピード感のある様な速度で横切っていく様''がなんともシュールである。しかも何故かクランキーだけ''何度も左右にロッキングチェアで揺られたまま往復していく''ので妙な笑いを誘う。ドンキーとディディーは専用のアクションで寸劇も披露してくれる。 --ちなみに、クランキーが移動している間は彼の台詞が英語で表示されており、それぞれ~ 「Is it my turn yet?(もうワシの番か?)」~ 「Surely it's me next!(きっと次がワシの番じゃ!)」~ 「I did this using one life!(ワシはライフ1つでクリアしたぞ!)」~ 「And I took less than an hour!(しかも、1時間もかからんかったわ!)」~ と言っている。どうやら出てくる順番を間違えたようだ。 ---- *スーパードンキーコング(GBA) 【すーぱーどんきーこんぐ】 |ジャンル|アクションゲーム|CENTER:&amazon(B0000TC3Z6,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51BY06EG3YL.SL160.jpg)[[高解像度で見る>http://img.gamefaqs.net/box/3/3/1/11331_front.jpg]] [[裏を見る>http://img.gamefaqs.net/box/3/3/1/11331_back.jpg]]| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|レア、Nintendo Software Technology|~| |発売日|2003年12月12日|~| |定価|4,800円(税別)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |セーブデータ|3個(EEPROM)|~| |レーティング|CERO:全年齢(全年齢対象)|~| |周辺機器|GBA専用通信ケーブル対応|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|SFC版の欠点を改善&br;多くのボスの行動パターンを一新&br;音質はやや劣化&br;GBA移植3作の中では唯一まともな出来|~| |>|>|CENTER:''[[ドンキーコングシリーズ・関連作品リンク>ドンキーコングシリーズ]]''| **概要(GBA) -SFC版に一部変更や追加要素を加えてGBAに移植したもの。 **変更点・評価点 -グラフィックは割と頑張っており、携帯機にしては滑らかなアニメーションが特徴。 --スペックの問題からさすがに原作よりも劣るものの、後の2、3の移植版と比べればまだ滑らかで綺麗な方である。 --オウムやトカゲなど、背景の小動物が複数追加されているのも特徴。 -ミニゲームが追加された。 --GBC版にもあった「ファンキーフィッシング」と新規追加の「キャンディーのダンススタジオ」というダンレボもどきの2種類が存在。~ 後者は操作レスポンスの悪さもあって慣れないとかなり難しいが、不気味なぐらいヌルヌルした3Dポリゴンを見せつけてくれる。 -いつでもセーブが可能となり、SFC版のように難関ステージの前で詰むことが無くなった。 --ファンキーの飛行機もミニゲームを一度クリアすれば自由に使えるようになる(=マップ画面で常時利用可能)。 --またこの仕様変更により、キャンディーコングの施設はセーブポイントではなくミニゲームをプレイする場になった。 -クリアやステージを抜けなくても、ボーナスが何度も入れるようになった。 --ボーナスステージ行きのバレルは全てSFC版3に登場したワープ式のものに変更され、各ボーナスステージ突入時にお題の名前が書かれたアイキャッチが追加され2以降の物と仕様が統一された。後に移植された2と3もボーナスバレルは全てワープ式になっている。 -一部のステージにワープバレルが新規に追加。また、ワープで移動するためのステージも用意された。~ また、原作から続投しているワープバレルの一部は条件無しで入れる様になり、ワープ自体の難易度も大幅に緩和されている。 --ただ、原作に存在していた後半ステージのワープポイントの多くが削除されていたり、原作から続投しているワープポイント自体もワープ時にアイキャッチやボーナスステージをいちいち挟む為かえってゲームテンポが原作から悪化してしまった点は賛否が分かれている。 -一部のボーナスバレルの位置の変更 --SFC版では画面外に設置されており見つけるのが困難だったボーナスバレルが画面内に設置されているためわかりやすくなっている。 --また、一部のボーナスステージはクリアした時の景品が変更されている。 -ワールドマップ、エリアマップは本作で新たに書き下ろされた物を使用。 --エリアマップが新規に変更された事に伴い、コングファミリーや一部ステージの位置がオリジナルから変更されている。 --特に大きいのが''ステージの順番の変更''。~ 例えばエリア5「カントリーファクトリー」の「オンボロこうじょう」はオリジナルでは同エリアの中でもかなり簡単なステージにもかかわらずエリア最後という位置になっていて少々不自然だったが、GBA版では登場順が前に回された事により、難易度的に相応しいポジションに落ち着く事になったと言える。 ---ただし、エリア1「コンゴジャングル」エリア2「モンキーマインズ」エリア6「やみのいりえ」の3つはステージ順に変更が無い。 -新たな収集要素として「カメラ」が加わった。 --これはミニゲームをクリアしたり敵を特定の方法で倒すことで得られ、コングファミリーや敵キャラクター等のCGイラストを鑑賞できるというもの。 ---一応GBC版でも特定の条件を満たすとCGイラストを鑑賞する事ができたが、特定のポイントまでドンキーを連れて来る必要があり、実際に見られるようになってもモノクロのみな為、細かい不満点が多かった。 ---解像度も携帯機にしてはそこそこ。これまでは公式HPや攻略本といった媒体でしか拝むことができなかった為、地味に嬉しい要素といえる。 -殆どのボスが原作の行動パターンを(一部は倒し方も)一新。後2作には決して見られない大きな変更点である。 --「ボスノーティ」はダメージを受けると大ジャンプで画面端に移動するようになった。また「いかりのボスノーティ」の方はダメージを受けると、上記のボスノーティの変更点に加え、着地の振動で鍾乳石を落としてくるようになり、SFC版のようなコングの居る場所を狙って大ジャンプしてくることがなくなった。 --「いかりのボスネッキー」は、なんとレベル2の通常のボスネッキーとタッグで登場。両側からの攻撃で安全地帯が潰されるため難易度が上がっており、片方だけ倒すと残った方の攻撃回数が4回に増える(どちらか片方を倒すまでは両方とも1回しか攻撃してこない)。 --タルを当てて逃げてまた当てるだけの作業プレイだった「クイーンB」は、最初からSFC版のダメージを受けた後の挙動をとるようになり、ダメージを受けると無敵状態になる所は同じだが、同時に陣形を組んで出現するジンガー達を倒すまで無敵が解除されなくなった。陣形は崩すたびに毎回変化する((出現際にタルを当てれば複数のジンガーを一気に倒すことが可能で、タイムアタックでは必須のテクニック。))。 --何もしなくても勝手に倒れるボス「ダムドラム」は、ザコ殲滅後に出現するTNTバレルをぶつけて倒す形式に変更された。元々がボスと定義していいのかどうかも怪しい戦法だったので、ある意味妥当なリメイクである。 ---ただしSFC版はザコを倒すたびに連続で降ってくる回数が増えたが、GBA版はダメージを与えるまで何度でも降ってくる代わりにダメージを与えれば1回でもキャンセルできるようになっているため、躱すのに必要な回数が増えたりはしない。着地後のスキも大きくなっているため、むしろSFCよりさらに弱くなっている。 --キングクルールは元からラスボスらしく攻撃パターンが豊富だったからかあまり変わらない。強いて言えば全体的にジャンプの高さが低くなった事と鉄球落としが地面でバウンドしなくなったくらい。 -新規のオープニング・エンディングデモが追加。 --オープニングではバナナの見張りを任されたディディーが抵抗の末にクレムリン軍団に捕らわれ、バナナが盗まれる過程までが描かれている。 --エンディングのキングクルールの吐く捨て台詞は時系列的に後の『ドンキーコング64』を暗示する内容となっている。 -マンキーコングがディディーの踏み付けでも一撃で倒せるようになっている((厳密にはSFC版でも一撃で倒せることがあるのだが、倒せない時との差は不明。))。 -タイヤの上でのローリングがしやすくなった。 -アニマルフレンドの性能の変更。 --全てのアニマルフレンドの共通点として、ダッシュしながら落下しても空中ジャンプが出来る様になっている。また敵に当たって逃げだしたアニマルフレンドが壁に当たって反対方向へ移動する時に減速するようになったため、再び乗る難易度が落ちた。 --「エクスプレッソ」はSFC版では慣性がないに等しかったが、GBA版では慣性が強くなっているため、進行方向とは反対の方向へ移動しようとすると大きく減速するようになった。これにより攻撃手段を持たないエクスプレッソにとって、敵を避けるのが難しくなっている。また移動速度もかなり落ちている。 --「エンガード」は攻撃後の後隙が減り、移動距離が短くなった。 --「ウインキー」は地上での移動アニメーションの後半がカットされている。これにより縦への当たり判定が縮んだため敵に当たりにくくなっている。 --「ランビ」は特に変更はない。 -「アドベンチャー」の達成率を90%以上にしてラスボスを倒すと、中間ポイント無しでディディーだけで進む「ヒーローモード」がプレイできるようになる。 --また、クリア率を増加する条件が追加。上記2つのミニゲームをクリアしたり、各ステージにあるカメラや「KONG」パネルをすべて集める必要があり、難易度が上がっている。 -アニマルトークンを3つ集めて行うミニゲームの時間 --SFC版ではアニマルフレンドの種類によってミニゲーム中の制限時間の減り方が異なっていたが、GBA版では全て共通して同じ時間になっている。この変更によりランビ等の時間の減り方が早かったアニマルフレンドはミニトークンを集めやすくなった一方、エンガードのミニゲームのような時間の減り方が遅かったアニマルフレンドは集めにくくなった。 **問題点(GBA) -ゲーム起動~タイトル画面の演出変更 --レア&任天堂のロゴ演出とタイトル画面が変更され、ドンキーとクランキーのやり取りは丸ごと削除された。~ それに伴いオープニングテーマの前半部分はカットされている。 --「ゲームの起動直後からSFC屈指のグラフィックを見せつけてくる」という象徴的なシーンが、ハードスペック相応の無難なものに変わっており、原作プレイヤーは落差を感じやすい。 -ゲームボーイアドバンスのスペック上、音質はやや劣化。 --ファンキーコングやキャンディーコングの施設のBGMは本作新規のものに変更されている。 -効果音の変更・キャラボイス追加。 --ドンキーとディディー、キングクルールは『64』の流用で、ザコ敵も概ね変更されている。ただし、ドンキーのドラミング(放置時の胸叩き) 時の辺りに響き渡る大怒鳴り声やディディーの被ダメージ、DKバレル関連などのボイスは原作からの流用である。 ---この作品に限らず、当時任天堂から発売された多くの携帯機移植作品に見られた傾向だが、原作に思い入れのあるファンにとっては批判の的になりやすい。 -アニマルトークンについて --「ボーナスステージ以外で3つ目を入手した場合、プレイ再開時にコンティニューバレル(通過していない場合はスタート地点)まで戻されてしまう。」というSFC版にあった問題点だが、なんとGBA版では''ボーナスステージ内でアニマルトークンの3つ目を入手した場合にもプレイ再開時にスタート地点もしくはコンティニューバレルまで戻されるようになってしまった。'' --さらにSFC版ではゲームをリセットすればアニマルトークンの入手数もリセットされたのだが、GBA版ではリセットされないためゴール手前で3つ目を揃えてしまうなんて事があったらもう一度ステージをやり直さなければならない。強制スクロールのステージなら泣いていい。 --ボーナスステージの景品がアニマルトークンに変更されている場所もあり、SFC版よりも入手する機会が増えているため、本作を初めて遊んだ人は何度もステージをやり直す事になっただろう。 ---またボーナスステージの景品として入手した場合、原作ではアクションを行わずにトークンが表示されてトークンボーナスに移行するが、今作ではボーナスステージで景品を獲得したアクションが行ってからトークンボーナスに移行するようになってしまっている。 --極め付けには101%クリアをするための「カメラ」を入手するためにはアニマルトークンを3つ集めて行うミニゲームをやることが必須なため、完全クリアを目指すプレイヤーは嫌でもアニマルトークンを集めなければならなくなっている((この仕様上、タイムアタックの際はどこで3つ目のトークンを入手するかが非常に重要となる。))。 -一部操作性の問題 --エリア2の「モンキーマインズ」の「マインカートコースター」でのトロッコのジャンプ力が高くなっており、SFC版と同じタイミングでジャンプするとレールを飛び越えて落下してしまいミスしてしまう事もある。 ---ロープを掴んだ際の上下移動も慣性が強くなっており、位置調整および切り返しが難しい。特にエリア3「もりのみさき」の「ジンガーの森」やエリア4「ホワイトマウンテン」の「クリスタルトンネル」 では、この慣性の強さが原因で難易度を上げることになる。 **総評(GBA) 全体的に劣化移植といわれるGBA版ドンキーコング3部作の中では唯一良質な出来で、一部の仕様や音声関係の変更は従来ファンから反発はあるものの、楽しめる一本となっている。~ 後2作のように世界観にそぐわない新ボスを本編にねじ込んだり予告無しにBGM全取り替えたり…などという無茶はせず、あくまでSFC版らしさを保ったまま問題点の改善ややり込み要素の増量、ゲームバランスの調整…といった、純粋にSFC版からのグレードアップを図ったユーザーフレンドリーな姿勢が大きいだろう。 **余談(GBA) -本作のE3での発表は前回の移植『ドンキーコング2001』からたったの2年後だった為、前評判の段階では「いくら何でも早すぎる」等最悪であったが、本作は先発と内容が被らないようにアレンジ要素が比較的強めになった事で好評を得る事になった経緯がある。
#contents ---- *スーパードンキーコング 【すーぱーどんきーこんぐ】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B000068GVK,image=https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3582/1807/dka.jpg,width=160)[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3582/1807/dka.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3582/1808/dkb.jpg]]&br;&br;&image(SDK.jpg,width=160)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|レア|~| |発売日|1994年11月26日|~| |定価|9,800円(税別)|~| |プレイ人数|【SFC/Wii/WiiU】1~2人&br;【New3DS】1人|~| |セーブデータ|3個(バッテリーバックアップ)|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br;※バーチャルコンソール版より付加|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2006年12月12日/800Wiiポイント(税5%込)&br()【WiiU】2014年11月26日/823円(税8%込)&br()【New3DS】2016年3月4日/823円(税8%込)|~| |書換|ニンテンドウパワー&br()1997年9月30日/1,000円/F×8・B×1|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|やりごたえのある絶妙な高難易度&br;SFCとしては当時屈指のグラフィックとサウンド|~| |>|>|CENTER:''[[ドンキーコングシリーズ・関連作品リンク>ドンキーコングシリーズ]]''| ---- **概要 イギリスのゲームメーカー「レア社」の技術力を見込んだ任天堂がタッグを組んで制作した横スクロール型アクションゲーム。~ 当時としては本格的なCGを使い、SFCというプラットフォームながら、3Dでモデリングされたキャラクターを撮り込んだプリレンダCGで緻密でリアルなグラフィックと動きを実現した「次世代ACT」として大々的に発売された。 タイトルに『[[ドンキーコング]]』とあるが、内容そのものはAC版シリーズ本編とは関係のない独立した作品で、原作のキャラクターを活かした新規作品((一応、キャラのセリフ中に原作本編との関連性を匂わすものがある))となっており、主人公として登場するのも初代ドンキーコングの「孫」の二代目ドンキーコングである。 //(詳細は[[後述の余談を参照>スーパードンキーコング#id_219d1341]])。 ---- **ストーリー >個性的な生物と自然の宝庫、コング島。~ その中でひときわ大きな群れ「コング」達は平穏な暮らしを送っていた。 > >しかしある時、ワニ族である「クレムリン軍団」がコング島に来襲して島を占拠し、~ コング達の食料であるバナナを強奪していった。~ 群れのリーダー格であるゴリラのドンキーコングは、相棒のチンパンジー・ディディーコングと共に、~ バナナの奪還とクレムリン軍団の打倒を目指して旅立った。 ---- **特徴 -「動きはやや遅いが固い敵も倒せるドンキー」と「身軽で速いが非力なディディー」…という性能の異なるコンビでクリアを目指す。 --二人一緒にいる時はワンボタンでいつでも操作するキャラを切り替えられる。それぞれの性能は分かりやすい一長一短であり、それぞれに得意な場面と苦手な場面が存在する。 --現在操作中のキャラが敵に触れるなどしてダメージを受けると離脱してしまい、控えのキャラを操作することになる。離脱したキャラは、ステージ内に設置されているDKバレルに閉じ込められており、バレルを壊すことで復帰する。 ---二人一緒にいればダメージにも一回は耐えられるということであり、それだけでも安心感がある。 --当たり判定は操作キャラの方にあり、控えキャラが操作キャラとの動作差で敵に触れたりしてもダメージは受けない。 -ゴリラ(猿)ならではのアクション --Yボタンでダッシュ、Bボタンでジャンプ(敵を踏んで倒せる)など、基本的な動かし方はマリオシリーズと同様。 --最大の特徴は、Yボタンでダッシュしつつ体当たり攻撃する「ローリングアタック」。 ---ジャンプする必要もなく地上の敵を倒せる。また、ローリングで敵を倒した直後は移動速度が更に高速化する。野性的で爽快感のあるアクション。 ---ローリングでは倒せないが踏みつけなら倒せる敵もいるなど、敵によっては踏みつけとの使い分けも要求される。 ---ローリングアタック中に落下した場合は空中でジャンプが可能。これを利用し、ただのダッシュジャンプだけでは届かない足場に移ったり、穴の上に配置されたアイテムを取った後足場に復帰したりというテクニックも。 --ドンキーのみ下+Yで両手を地面に叩きつける「ハンドスラップ」というアクションが行える。 ---地面に隠れているアイテムを手に入れたり、敵を倒してバナナを出現させたり、このアクションでしか倒せない敵を倒したりと使い方は様々。 --投げて攻撃したり、中に入って大砲のように発射されたりする「タル」。これをうまく利用して攻略していく。 -ステージ中には様々な1upアイテムが配置されている。 --バルーン(風船):取得することで、色に対応して1、2、3upする。 --バナナ:クレムリンたちが落としていったバナナ。100本取得することで1upと、マリオのコインと同じようなアイテム。 ---バナナ10本分が束になっている場合もある。 ---後述のボーナスステージのヒントとしても使われており、不自然な場所に置かれているバナナはボーナスへの道しるべとなる。 --K・O・N・Gパネル:各ステージ毎に「K」「O」「N」「G」が各一枚配置され、集めると1up。 ---上記二つに比べると集めにくく回収のリスクが高いポイントもあるので無理して取る必要はない。 -ステージによっては、「アニマルフレンド」という動物達が登場し、冒険の手助けをしてくれる。 --ランビ ---サイ。突進して鋭い角で攻撃する。目の前の敵を勝手に攻撃してくれ、壁に隠されたボーナスステージの入口も開くこともできる。 --エンガード ---カジキ。長く鋭い上顎で突いて攻撃する。4つすべての水中ステージに登場し、高い機動力と唯一の攻撃手段として非常に重宝する。((4作目の『64』まで毎回登場しており、そのいずれでもプレイヤーが直接操作の出来る唯一のアニマルフレンドでもある。(後述のスコークスは『64』ではNPCだった。))) --エクスプレッソ ---ダチョウ。素早く移動でき、ジャンプするとゆっくりと下降できる。足元には当たり判定がないため、小さい敵は無視できるが、敵を踏めない。 --ウィンキー ---高くジャンプできるカエル。コングでは踏めない敵・ジンガーも踏んで倒せる。 --スコークス ---4-5「トーチライト トンネル」にのみ登場。乗ったり攻撃することは出来ないが、暗い場所を照らしてくれるオウム。 ---『2』と『3』にも登場しているが、用途が異なる。この時はまだ地味な扱いであるが、驚いたことに現状のシリーズで皆勤になっているのは彼だけである。 -本作のマップ構成 --本作は日本国内に見られる一般的なワールド選択タイプのアクションゲームのマップと異なり、各レベル(ワールド)間を移動するための全体マップと、各レベル内のステージマップに当たる「レベル内マップ」に分かれている。 ---1度各レベルに入ると、レベル内のボスを倒す、もしくはレベル移動ポイント(ファンキーコングの小屋)を利用できるようになるまでは全体マップに戻れないという制約がある。 ---- **評価点 -SFCでは屈指の美麗なCGで描かれたグラフィック。 --本作を語る上で外せない長所。3Dで立体感と躍動感たっぷりに描かれたキャラクターやオブジェクトの美しさは現在見ても全く色褪せない。 --当時、任天堂が積極的にアピールしただけある美しさ。プレイ中どころかOPの「レア社と任天堂のタイトルロゴ」の美しさに当時しびれた人も多いのではないだろうか? --そしてそのCGでジャングルや洞窟、海中、森の中、雪山、果ては廃工場といったエリアまで展開するため探索欲が沸く。 ---流石にリアルタイム処理ではなく、既にCGとして制作したものをつなぎ合わせて動いてるように表示するだけのプリレンダーCGではある。~ しかし今までのゲームとは違うグラフィックは、後年次世代機で実現したリアルタイムレンダリングに匹敵するほどの衝撃をプレイヤーに与えた。 -シンプルかつコングの特徴を活かしたアクション。 --覚えるべき操作は少ないものの、コングの特徴を活かしつつ簡単な操作で行えるので、慣れるのも早い。 --二人のキャラのコンビというシステムは新鮮で、適度に思考性がある。 //--ロープをターザンの様に飛び移るゴリラと言う存在が当時は(あるいは今でも)新鮮であり、印象的だったのだ。 -個性的なキャラクター達。 --敵キャラにもワニだけでなく、ビーバーにハゲワシ、ハチやヘビにタコ。しかもキャラの動作に細かいSEまである。 --味方キャラにも体当たりが得意なサイ、泳ぎの上手いカジキ、ジャンプ力のあるカエルと様々。チョイスがバリエーション豊かで、ごった煮感があってとてもにぎやか。 --デフォルメされた顔つきや、靴・ヘルメット・迷彩服などの衣装を着てはいるものの、本作のキャラクター達は後続の作品に比べて全体的に造形や頭身がリアルで、シルエットは現実の動物のそれに近いものになっている。美麗な映像と合わせて、まるで現実の大自然の中を歩き回っているかのような臨場感がある。 --コングファミリーも主役のドンキーコング(2代目)とディディーコングの他にクランキーコング、ファンキーコング、キャンディーコングと個性豊か。モーションも細かく崖っぷちにいると「おっとっと」の姿勢になったりドンキーを先頭にしてクランキーの家に向かうとクランキーの杖で叩かれる際に身構えるなど表情も豊か。 --ミス時のモーションもBGMと相まってコミカルで、ドンキーは仰け反ってから頭をポリポリ掻いているだけの呑気なもの、ディディーは転んでから頭の星をくるくるさせながら痛そうな表情を、と二匹の差を感じさせる。 //-非常によく練られたゲームバランスとマップデザイン。 //--全編通して難易度は高めながら、上達が実感できる絶妙なバランスになっている。 //--ステージはレベル毎に分けられているので当然レベルの個性が出る…と思いきや、実はステージの種類自体が結構多く同じレベルでも飽きさせない。 //--ジャンプアクションのステージだけでなく、ハラハラさせられるリフトでの移動やノンストップなマインカート、タイミングを計ってぶっ放すタル大砲などギミックも豊富。 //---シリーズを通して最初のステージは残機が貯めやすい構成になっている、と細かい配慮も良く出来ている。 //問題点の項目で挙げられているように、キャラ格差、ボス戦の難易度の低さ、一部ステージの難易度の高さ、ボーナスステージの理不尽な見つけにくさ、スクロールの問題など、ゲームバランス・マップデザイン共に練り込み不足が目立つ -良質かつ豪華な音楽。 --デビッド・ワイズ(David Wise)氏らによる音楽は完成度が非常に高く、各フィールドの世界観を最大限に引き立てている。SFCの音源とは思えないほどにリアルで美しい音使いで作られており、曲単体で聴いても十分、鑑賞に堪えうる質の高さを誇っている。 --特に際立つのが音の使い方で、タンバリンの音を高音にすることによって全く別の楽器の音のようにしているなど、それまでのゲームとは全く違う音の使い方でSFCの音源の限界を感じさせない細やかなつくりになっている。 ---中でも野生的なドラムのリズムがステージ景観にぴったりなジャングルステージの音楽や、透明感溢れる海ステージの音楽((作曲者のワイズ氏のお気に入りでもあり、GBA版『3』の海中ステージなど、後の作品で何度かアレンジされている。))は特に評価が高い。 ---洞窟の音楽の水滴が滴り落ちる音など、ステージの情景を連想させる効果音や和音をふんだんに使う代わりに、具体的なメロティーやリズムを排した「アンビエント」的な音楽が多いのも特徴。サンプリングを用いるSFC音源の本領発揮と言えるだろう。 --効果音も印象に残る物揃い。倒した際の効果音も敵ごとに違い、特にクラッシャやロッククロックを倒した時やキングクルールを攻撃した時の「オ゛-」は大抵の人が真似したであろう。 -その他 --ステージの作り込みは非常に細かく、隠しアイテムやショートカットがふんだんにちりばめられている。 ---例としてゲームを始めて最初に行くことになる「1-1:バナナジャングル」では、地上をほぼ一直線に進むだけでゴールまで辿り着ける以外に、ステージ上部の樹木をジャンプで渡っていくことで、大量のバルーンが手に入るという隠しギミックがある。木々の間隔がローリングからの空中ジャンプを駆使してギリギリ届く広さに並んでおり、最序盤のステージでありながら上級者も唸る難度となっている。このような隠し要素を探してステージを探索するのも面白い。 --やりこみとして各ステージのボーナスステージを探すことも出来る。見事入口を見つけることができれば、セーブデータの%がどんどん上がっていく((誇張ではなく、本当に入口を見つけるだけで達成率が上昇する。そのため、ミニゲームに失敗しても、入ってすぐステージを脱出しても、そもそも入らずに無視しても大丈夫…と、プレイヤーに徹底的に優しい作り。))、~ その上、そのステージでの100%を達成するとステージ名に「!」が付くので「どのステージで隠し要素を発見していないのかが分からない」という事態も起こらないユーザーフレンドリーな設計。~ 最高は100%に見せかけて… ---- **賛否両論点 -シリーズ作品から一部の設定やキャラクターの改変 --今までのシリーズでドンキーコングとして扱われていた初代ドンキーコングは、クランキーコングという独自の名称になっている((本作のドンキーコングに名を譲ったということになっている))~ また、年老いたことを強調するためか、AC版の時代を回顧して懐かしがっては何かと毒を吐くシーンが多い。 ---今までのシリーズでは主役級だったキャラクターに、こうした癖の強いキャラ付けがされている点は、賛否が分かれる。 --クランキーコングの息子であり、過去のシリーズ作品では何度も主役になった事がある「ドンキーコングJr.」が、本作では一切登場しない。 ---孫座自体にも一切言及もされないため、ドンキーコングJr.が、二代目ドンキーコングから見て父親にあたるのか、叔父にあたるのかも、不明のままになっている。 -スコークスのライト。 --スコークスはコング達の進行方向を照らすため、コング達が後ろを向いたらスコークスも当然後ろを向く。この方向転換の際、ライトが一瞬だけプレイヤー側に向くので、視界がフラッシュ、ホワイトアウトする。リアルではあるが、ハッキリ言って''目に悪い''。 --ただ本当に一瞬なので、そこまで気にならない程度でもある。またこの1ステージ限りなので、ボーナス獲得含みでゴールした後にすぐさまセーブすればもう一度立ち寄る必要もない。 ---なお、バーチャルコンソール配信以降の移植版では修正されている。 ---- **問題点 //賛否両論の両面が明確に評価点、問題点に切り分けられる場合はきちんと分けて書くのがルールなので視認性については問題点に移動。 ''グラフィック'' -本作最大の売りであり評価点でもある美麗なグラフィックであるが、視認性が悪い箇所が目立つため、アクションゲームのグラフィックとして見ると問題が多い。 --木の幹、木の足場、崖、タル、ドンキー、ディディーなど、とにかく茶色のオブジェクトが多く、あまり塗り分けがされていない。背景にも茶色が使われており、咄嗟の判断を阻害している。 --ドンキーもディディーもどちらも茶色ベースの色合いで、操作しない方は後ろからついてくるため、今現在どちらを操作しているのか瞬時に判断がつきにくい。 ''コースデザイン'' -横スクロールステージで、画面が不必要に縦にスクロールして下の地面が見えなくなるコースが多い。最初にプレイする「1-1:バナナジャングル」から、早速このような構造になっている。 //場面によっては「下にスクロールしなければ見えない足場に向かってノーヒントでジャンプする」といった、理不尽なものもある。 //--本家[[マリオシリーズ]]では、こうした場面では必ずコインによってルートの誘導がされていて、見えない足場にノーヒントでジャンプしなければならない様な状況は無い。~ //--後に「[[スーパーマリオメーカー]]」が発売した際に、公式サイト上で「[[縦にスクロールしないコースを作ろう>https://www.nintendo.co.jp/kids/151014/supermariomaker/index.html]]」と呼びかけていることからも、本作のコースデザインには問題があることが分かる。 //--次回作『2』ではこうした不必要な縦のスクロールは大幅に減少し、足場が見えない場面ではしっかりとバナナによるルートの誘導((一応本作にも一部はバナナで誘導している箇所はある。))がされるようになった。 -前述したとおり難易度は高めだが、やっている内に上達が実感できるバランス取りのおかげもあり、そこまで気にはならない。しかし少々場違いなステージも。 --レベル4は全体的に難易度が高く、前述の仕様により4-5をクリアするまでセーブができない。それなのに''「4-1:ふぶきのたに」''はレベル一番手のステージの癖に''本作でも三本の指に入る高難度ステージ''と評されるほど。その後も4-2で精密なロープアクションを要求されたり、4-4で後ろから迫る無敵の敵から逃げ切れなかったりと、多くのプレイヤーが辛酸を舐めた。 ---「4-1:ふぶきのたに」は回転する樽渡りをひたすら繰り返していくというもの。しかも終盤になると''樽が回転しながら動く''ようになるため、タイミングを計るのが非常に難しい。吹雪による視界不良と、後半から全く異なる音楽がプレイヤーに絶望感を与えてくれる。((ただし、ある地点にゴール直前までショートカットできるタルがあり、クリアできない人への救済処置となっている。)) ---ゲームセンターCXで本作に挑戦した際、有野課長はこのステージだけで3時間以上足止めをくらっていた。課長の絶妙なゲームセンスなら仕方ないかと思う方もいるかもしれないが、他のステージは多少手こずる部分はあったものの、ここまで時間はかかってはいなかった。そういったことを踏まえてみると、ここがいかに難易度の高いステージなのか理解して頂けるかと思う。 --残機に関しては、レベル1に戻るなりして残機を増やせば一応問題は無い。1-1であれば慣れた人なら一度に5~10機以上は増やせるし、初心者でも確実に1機は増やせる。後は慣れるまでが勝負だろう。 ---因みに「2-5:ノーティのいせき」のスタート地点で、ディディーを利用して残機をほぼ無限に増やせる裏技の存在も有名。 ---また、ゲーム開始時に隠しコマンドを入力することで、残機50でゲームを開始することが可能。 -通常ボス戦の難易度が全体的に低め --そもそも今作のボスはほとんどがザコ敵をデカくしただけで、攻撃パターンも体当たりのみが大半である。その中でも色と攻撃パターンを変えただけのボスがいくつかおり、攻撃パターンの変化もそこまで大きくないので倒すのはやはり容易。 --また、レベル5のボス・ダムドラムはこちらから直接ダメージを与える手段がなく、プレス攻撃の後に吐き出される全ての敵を倒すとそのまま自滅して倒したことになってしまう。倒し方のパターンが違うだけといえば確かにそうだが、直接攻撃して倒せたわけないのでやや拍子抜けである。 ---なお、レベル3のボス・クイーンBも踏みつけなどで直接ダメージは与えられない代わりにステージ内に定期的に出現するタルをぶつけて倒すというシチュエーションとなっているのだがこちらでは採用されていない。 -ボーナスステージが見つけにくい。 --セーブデータの達成度を上げるにはステージに隠されているボーナスステージの入口を見つける必要があるが、ゲーム内にヒントが少なく、怪しそうな場所を虱潰しに調べるしかないため、攻略情報等なしでコンプリートするのは難しく面倒な作業となる。 ---一応、『2』以降と違い基本的に見つけてしまえばそれで終わりなので、ボーナスステージを探すこと自体が目的という位置づけであることが見て取れる。 ---ただし例外的に、''ボーナスステージの中に別のボーナスステージの入口がある''((加えて、「ボーナスで特定のアイテムを引き当てた上で」「さらに特定の操作を行う」手順を踏まなければ発見することができない。))という、とんでもないステージもあったりする。そのため、攻略本を持っていないプレイヤーからは「ボーナスステージがコンプリート出来ないのが仕様」と誤解を受けることもあった。 ---見つけにくいが故に探索することにやり甲斐を見出すプレイヤーもまた存在するかと思われる。クリア後は101%を目指して友達と集まってワイワイと、あるいは個人でじっくり探索を続けて全ステージに「!」が付くまでプレイをした人は決して少なくはないと思われるのでやり込み要素としてみるなら悪くない点なのかもしれない。 ''その他'' -不自由なセーブ。 --本作のセーブポイントの「キャンディーコングの小屋」は各レベル(ワールド)に1ヶ所ずつ存在するのだが、どのレベルでもいくつかのコースをクリアしなければ出現せず、セーブをするためには「ファンキーコングの小屋」からすでにクリア済みの他のレベルに戻る一手間をかけるか、キャンディーコングの小屋が出現するまでコースをクリアする必要に迫られる。 --そして厄介なことに、''ゲーム内で最初のセーブポイントはレベル1のボスの手前でやっと出現する''ため、ゲーム開始直後はレベル1の''ボス以外の5コースを全てクリアするまで一切セーブできない。'' ---おまけにセーブポイント手前にある「1-5:タルたいほうの谷」は、レベル1の中でも難関のコースとされ((一応、コースの大半をスキップできるショートカットは用意されているが、特に難易度の高いラストをスキップ可能なショートカットは利用するのにもテクニックが要求されるため、救済措置とは言い難い。))、セーブすらできずにゲームオーバー→1-1からやり直しというケースも十分にあり得る為、最序盤にしてはいささか厳しすぎるゲームデザインであるといえる。 --レベル2以降も、現行到達レベルでキャンディーorファンキーのどちらかのコングの小屋が出現していなければセーブは不可能。そして両コングの小屋は、どのレベルにおいても最低2つのコースをクリアしないと利用できないため、''新たなレベルに入った直後はしばらくセーブが出来ない状況に追いやられる''。 ---このため、ボス撃破後はすぐに次のレベルに進まず、現在のレベルに入り直してセーブを優先することが定石となっている。 --セーブデータに残機が記録されないため、再開時は1から稼ぎ直さないといけなくなる。 //ちなみにこの仕様についてはゲーム内で「ゲームの都合だかんべんしてね~」(原文ママ)とメタっぽく説明されている。 //ファンキーコングの「と~ころがざんねん、1回行ったとこしか行けないんだよなあ。ゲ~ムのつごうだゴメンしてね。」と混同? -ドンキーとディディーの性能差。 --ディディーはドンキーより一回り小さくて敵に若干当たりづらく、かつスピードがあるので操作性に優れる。エンガードに乗らないと攻撃手段がない水中ステージではその恩恵は大きい。 ---反面、そのスピード故にジャンプ中の細かい制御はやや難しくなり、小刻みなジャンプを連続するような慎重な操作が求められる場面ではゆっくりとしたドンキーの方が扱いやすい。 --一方ドンキーはパワーに優れ、ディディーの踏みつけやローリングアタックでは弾かれてしまう一部の敵を倒す事が出来る。が、その数は多くなく、居たとしてもディディーの機動力ならやり過ごせてしまえる事が殆ど。ドンキーとディディー両方で倒せない、または対処法が全く同じという敵の方が多く、極論無敵の敵でなければ、どちらででもタルを投げつければ倒せてしまう。いまいちドンキーの利点になっていない。 ---ドンキーの固有アクションであるハンドスラップは、攻撃面では攻撃範囲が狭い癖に隙が大きく、これを攻撃手段に使うくらいなら踏むかアタックするか、あるいはやり過ごした方が遥かに手取り早い。アイテムの掘り出し機能はバナナ(残機)を稼ぎたい時には使えなくもないが、他の方法で残機を稼いだ方が現実的である。少なくとも、クリアに使用を強いられる場面は全く無い。 ---一応ハンドスラップには「ストップ&ゴーステーション」というステージに登場する、無敵状態で暴れ回る「ロッククロック」という敵が待機状態になっている時に使うと倒すことが出来るという効果もある。1ステージ限定ではあるが非常に厄介な敵を唯一倒すことが出来る方法であるので、限定的ではあるが役に立たないこともないかもしれない。この敵を倒せば落ち着いて探索しやすくなるかと思われるので、このステージのボーナスステージを探す場合には役に立つかもしれない。 --タルを持った際にも差が出る。ディディーは体の正面で抱えるので、持ったまま体当たりするだけで敵を倒せたりボーナスステージの入り口を開けられるが、ドンキーは頭上で保持するため投げる際に若干の隙ができる上、敵に横からぶつかるとダメージを受けてしまう((逆に、頭上からの攻撃に当たってもミスにならないので、ココナッツを放り投げてくるネッキーの対策になるという利点も無いわけでは無い。また、タルを持ったまま敵に当たらずに進みたい場合はドンキーの方がありがたい。))。 ---ボーナスステージの入り口も持ったままでは開けられないどころか、壁に密着した状態でタルを投げても軌道と判定のせいで開けられないことがある(壁に隣接した状態で足元に置くという方法はある)。 ---頭上に持つため、高い位置にいる敵にも投擲モーションと合わせて当てやすいなど、固有の利点がないわけではない。 -クランキーコングに会うとアドバイスをしてくれるのだが、どのレベルで会っても基本的な助言や初期のステージの情報しかくれないため、序盤以外で会うメリットがまるで無いように感じられかねない。 --実際は進んだステージに応じてアドバイスが増加するが、決定ボタンでメッセージを送っていると絶対に教えてくれない。中盤以降のヒントは、自然にメッセージが流れるままに説教を聞く中で教えてくれるものが大半。ただし説明書によると、彼のヒントを当てにすることが別に推奨されているわけではない((「彼の話はほとんどがホラ話で、時にはゲームのヒントを1つ2つもらすこともある」という紹介文。つまりメッセージを送ってホラ話さえ聞かないプレイヤーに教えるヒントはない、とも取れる。))ので、その性格づけも合わせて、恐らく意図的。 -坂を滑ったときや、エンガードの突進を使ったときなど、操作キャラが高速で移動した際に画面のスクロールが遅れ、進行方向の先が見えなくなってしまう。 -レベル5「カントリーファクトリー」にフリーズバグがある。 --一度クリアした後に再び入ると、脱出時に高確率でなぜかフリーズする事がある。 -セーブデータのプレイモード(1人プレイ・2人協力プレイ・2人競争プレイ)を途中から変更できない。 --1人プレイ以外のモードを選ぶプレイヤーがそもそも少ないということはあるが、せめて1人プレイと2人協力プレイの切替くらいはほしかったところ。 -アニマルトークンを3つ集めると残機を増やせるミニゲームで遊べるのだが、ボーナスステージ以外で3つ目を入手した場合、プレイ再開時にコンティニューバレル(通過していない場合はスタート地点)まで戻されてしまう。 --このミニゲームはステージクリア後ではなく3つ集めた時点で強制的にやらされるので、早く進みたい人にとっては煩わしい。現在何個集めたか確認できないのも不親切。 --3つそろった時に集めたトークンが一つずつ画面内に表示されていくという演出が挿入され、すぐにミニゲームに移行しないのでテンポも微妙に悪い。 -ラスボス・キングクルール戦の初見殺し。 #region(ゲーム展開のネタバレなので隠し) -ラスボスのキングクルールは頭を7回踏みつけるとダウンし、唐突にスタッフロールが流れだすのだが、実はこのスタッフロールは真っ赤な偽物であり、「THE END''?''」という意味ありげな表記が消えた直後、死んだふりをしていたキングクルールが起き上がり襲いかかってくる…という、アクションゲーム史上を見ても類を見ない罠がある。その後に改めて頭を3回踏みつければ本当のクリアになる。 -よくよく見れば、~ ・&color(red){''不気味な赤文字で表示されている''}~ ・最初に出てくる「CREDITS」が「KREDITS」、役職名もCODING→KODINGになっているなど表記がおかしい ・加えて人物名はクレムリン軍団の名前(英名表記でほとんどが『K』で始まる)であり上記の誤記と合わせて「K」の文字の主張が非常に激しい~ ・BGMも画面も全く切り替わらず不穏な雰囲気のまま~ ・スタッフロール自体が非常に短い~ ……等の特徴があるためひっかけとしては割とわかり易い方ではあるが、今までにない大胆な罠であることもあって初見で見抜けなかったプレイヤーもいたことだろう。 #endregion //-ゲームオーバー画面が怖い //--ドンキーとディディーがボコボコにされているのはまだしも、暗い画面におどろおどろしいBGMがかかるのがなんとも不気味。この画面がトラウマになったプレイヤーも決して少なくはないだろう。以降のシリーズも怖いゲームオーバー画面・演出は定番化している。 //怖いからって何か実害があるわけではないし、特筆すべきほどの問題ではないだろう。 ---- **総評 SFC屈指の美麗なグラフィック、良質な音楽等で人気を博し、本作は国内だけでも300万本・全世界規模では800万本の売上と好セールスを達成。レア社とCGの底力を世間に知らしめるには十分な作品となった。 ----- **その後の展開 -その後シリーズ化し、SFCで『[[2>スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー]]』と『[[3>スーパードンキーコング3 謎のクレミス島]]』が発売。美麗なCGは勿論、ゲーム自体もかなりの評判である。~ しかし両作ともドンキーは囚われたり行方不明になったりでプレイヤーキャラではなく救出対象になってしまい、タイトルに冠されているにもかかわらずSFC『ドンキー』三部作でドンキーコングを操作できるのは本作のみとなる。 -今作のキャラクター達は『[[マリオカート64]]』に本作のドンキーコングが登場したのを皮切りに、マリオシリーズにも参戦し、その他の外部作品にも参戦している。 --ディディーコング等の本シリーズで初登場したオリジナルキャラは、当初はドンキーと違い任天堂ではなくレア社が版権をもっているキャラだったため、任天堂開発のゲームには出演することは難しかったが、2002年にレア社がマイクロソフトに買収されたことに伴い''ドンキーコングシリーズの版権がほぼすべて任天堂側に移った''ため((ただし、そもそもレア社が販売していたソフトである『JETPAC』等のミニゲームや、サブキャラクター(レーシング参戦のバンジョーやコンカー等)はレア社版権のまま))、ドンキーと共に『[[マリオゴルフ ファミリーツアー]]』『[[マリオカート ダブルダッシュ!!]]』『[[大乱闘スマッシュブラザーズX]]』などの作品に出演することがかなった。 -2006年12月12日から2012年12月7日の期間、Wiiバーチャルコンソールで配信。 --2014年11月26日より、Wii Uバーチャルコンソールの配信に合わせて、2・3と共にWiiバーチャルコンソールで配信が再開された。 --2016年3月4日にはNew3DS向けにも配信。 -GB向けに本作を元に「新たな冒険」としてフルリメイクした『[[スーパードンキーコングGB]]』が発売されている。 --内容は原作の後日談ということもあり大幅にアレンジされており、続編に近い。 -それとは別に、GBCとGBAに原作SFC版を再現した内容で移植されている。 --GBC版はタイトルを『[[ドンキーコング2001]]』に変更されての発売。本作では新ステージやミニゲームの追加の他、オートセーブの採用により不自由だったセーブが改善されている。ただしスペックの劣るハードでの発売の為、グラフィックは原作に及ばず、BGMも『[[スーパードンキーコングGB]]』のBGMの流用が大半となっている。 --GBA版については下記にて詳述。 -Wiiでは『[[ドンキーコング リターンズ]]』が発売。 --開発は任天堂と『[[メトロイドプライム]]』を開発したレトロスタジオ。こちらも''Wii最高画質''を宣伝している。 -メディアミックスでは、96年にカナダとフランスの共同制作で3DCGアニメ「Donkey Kong Country」が制作され、日本では99年~2000年にテレビ東京系列にて「ドンキーコング」というタイトルで放送された。 --ドンキーの「普段は抜けているがやるときはやる力持ち」他、各キャラ独自の設定付けがなされてオリジナルキャラも多いが「コング軍団vsクレムリン軍団」という構図はゲーム通り。また、洋画吹き替えのお約束として「ローカライズによる特有のギャグ・アドリブ」も健在。近い時期に放送されていた作品で例えるなら「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー」と共通点が多い。((どちらもカナダ制作の3Dアニメでテレ東で放送、吹き替えのアドリブギャグまみれ、主人公がゴリラ、中村大樹が出演していたり…等。ただビーストウォーズほど好き勝手やり過ぎなんじゃあないか?といった感じは抑えられてはいた様には思われる。(ビーストに出演していた声優は自身のラジオ番組で、「あの番組は台本なんてない」と言っていたくらい出演声優全員が、ある意味とても楽しそうにはっちゃけて演じていた。))) --アニメ版と同期に発売されたGBC『[[ドンキーコングGB ディンキーコング&ディクシーコング]]』及び64『[[ドンキーコング64]]』の2作はアニメとのタイアップ作品として位置づけられている。他、当時のTCGブームに便乗しアニメ版を元にしたオフィシャルカードゲームも発売されていた。 ---スポンサーを務めていた任天堂は後番組の「とっとこハム太郎」も同様にスポンサーを務めていて、こちらでも[[タイアップの>とっとこハム太郎2 ハムちゃんず大集合でちゅ]][[ゲーム作品>とっとこハム太郎3 ラブラブ大冒険でちゅ]]を数作発売している。 -2017年6月27日発売の『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』に収録された。 --[[公式サイト>https://www.nintendo.co.jp/clvs/soft/s_donkey_kong.html]]では当時の説明書のpdfも閲覧可能。 -2018年8月2日発売の『[[メイド イン ワリオ ゴージャス]]』のプチゲームの一つとして登場している。 -2018年12月7日発売の『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』にキングクルールがファイターとして参戦した。 -2020年7月15日に『[[スーパーファミコン Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]』で配信された。 -USJの『スーパー・ニンテンドー・ワールド』に新たなエリア『ドンキーコング・カントリー』が2024年春頃に開業予定。外見はWii寄りとなっている。本作の主人公二人はもちろん、ここ最近余りゲーム出演がなかったクランキーコングやディクシーコングも登場する。 --過去に『ドンキーコング裁判(詳しくは[[こちら>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%AA%E5%AF%BE%E4%BB%BB%E5%A4%A9%E5%A0%82%E8%A3%81%E5%88%A4]]を参照)』にてユニバーサル絡みの訴訟があったものの、長きの月日が過ぎ、ついにUSJでめでたく共演することになった。 **余談 -今作のドンキーコングは「2代目」と称されるが実際は初代ドンキーコングの「孫」にあたり、初代ドンキーの息子である『[[ドンキーコングJR.]]』とは同一ではないというややこしい設定((なお、Jr.が現ドンキーの父親かおじかは描写されていないため不明))。 --本シリーズでは、初代「ドンキーコング」は年老いた姿の長老「クランキーコング」として登場する。ちなみに、AC版本編との関わりを示唆するセリフも喋る。 --なお、初代ドンキーが年老いてクランキーとなり、現在の2代目ドンキーがマリオと多くのゲームで共演するようになったものの、マリオの外見年齢は初期からほとんど変わっていない。 ---ゲーム上ではこの時系列の謎について明確にはされておらず、コロコロの漫画『スーパーマリオくん』ではヨッシーが「マリオさんは歳をとらないんですね」と言ったり、ボンボンの漫画『SUPER DONKEY KONG with マリオ』ではマリオが「ゴリラは年を取るのが早いんだね」と言ったりなど、独自の解釈がなされていた。 ---まあマリオテニスシリーズなどで成人と赤ちゃんの同一人物が共演したりしているため、あまり細かいことは考えないほうがいいだろう。 --なお、映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』では現ドンキーコングがクランキーコングの''息子''として再設定されている。~ こちらのドンキーコングは従来の2代目がベースなのだが、よく見ると目や鼻の形などが従来の2代目と異なり、むしろジュニアに寄せられたデザインとなっている。 ---加えて、上記の「息子がジュニア・孫が2代目」と解説していた[[ニンテンドーオンラインマガジンの公式サイト>https://web.archive.org/web/20230115113946/https://www.nintendo.co.jp/nom/0002/01/family1.html]]が、映画の日本公開直前の2023年4月26日をもって''閉鎖・ページ削除''されてしまった。~ これにより上記の設定のソースそのものが消滅してしまい、今後は「かつてのドンキーコングJr.と2代目ドンキーコングが同一人物」という設定に統合される可能性も考えられるようになってしまった。 ---とは言え、映画版は他にも原作ゲームとは異なる設定・描写が多く、現状においてはひとまずパラレルワールドと見たほうがいいだろう。任天堂の公式見解が待たれるところである。 -ジンガー(蜂のザコ)を倒した時の効果音が妙に生々しい。それだけサウンドのクオリティがリアルで高品質だという感想も少なからず挙がっているが、『2』ではマイルドな音色に修正された。 -雪山ステージにある鉄タルは他のステージとは全く違うSEになっている。 --改造ドンキーでお馴染みの変なSEがBGMに因ることから、BGMとSEが紐づけられているものと思われるが、詳しいことは不明。 --6-1の「トリックトラックリフト2」の燃料が減量する時のSEも、プレイによっては音が全く違う時がある。ちなみにこの状態でボーナスステージに出入りすると何故かSEが元に戻る。こちらも原理は不明。 -テレビ東京系番組「スーパーマリオスタジアム」ではゲスト出演のタレントのトライアル企画で「マインカートコースター」をプレイする模様が実況を交えて放映されていた。 --それ以外にも芸能人でも認知度が高かったのか、フジテレビの番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」内の企画「食わず嫌い王決定戦」で石橋貴明が、オープニングの二代目ドンキーのダンスのモノマネをしていた事がある。 -本作のグラフィックについて「スーパーファミコンでは表示出来ない色を表現するため、複数の色を肉眼では確認できない速度で点滅させている」という話が語られることがあるが、このテクニックが使われているのは1-1の背景上部のグラデーションなど一部の部分のみである。 60FPSで録画してスロー再生すると1フレーム毎に変化していることが確認できる。 キャラクター(スプライト)や細かく描き込まれた背景などでは使われていない。 -エンディングで登場キャラクターの紹介コーナーの様なものがある。基本名前が表示され、左から右へと敵味方のキャラ流れて行く様に一体一体丁寧に紹介されていくといった趣の内容なのだが、歩行等といった動くアクションがないキャラクターは立ったままの様な状態でまるでベルトコンベアに乗せられているかの様に流れていく様な映像になっている。特に味方のコングファミリーの面々がこの様な感じになっており、中でもクランキーコングは''ロッキングチェアに座って揺れている状態で妙にスピード感のある様な速度で横切っていく様''がなんともシュールである。しかも何故かクランキーだけ''何度も左右にロッキングチェアで揺られたまま往復していく''ので妙な笑いを誘う。ドンキーとディディーは専用のアクションで寸劇も披露してくれる。 --ちなみに、クランキーが移動している間は彼の台詞が英語で表示されており、それぞれ~ 「Is it my turn yet?(もうワシの番か?)」~ 「Surely it's me next!(きっと次がワシの番じゃ!)」~ 「I did this using one life!(ワシはライフ1つでクリアしたぞ!)」~ 「And I took less than an hour!(しかも、1時間もかからんかったわ!)」~ と言っている。どうやら出てくる順番を間違えたようだ。 ---- *スーパードンキーコング(GBA) 【すーぱーどんきーこんぐ】 |ジャンル|アクションゲーム|CENTER:&amazon(B0000TC3Z6,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51BY06EG3YL.SL160.jpg)[[高解像度で見る>http://img.gamefaqs.net/box/3/3/1/11331_front.jpg]] [[裏を見る>http://img.gamefaqs.net/box/3/3/1/11331_back.jpg]]| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|レア、Nintendo Software Technology|~| |発売日|2003年12月12日|~| |定価|4,800円(税別)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |セーブデータ|3個(EEPROM)|~| |レーティング|CERO:全年齢(全年齢対象)|~| |周辺機器|GBA専用通信ケーブル対応|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|SFC版の欠点を改善&br;多くのボスの行動パターンを一新&br;音質はやや劣化&br;GBA移植3作の中では唯一まともな出来|~| |>|>|CENTER:''[[ドンキーコングシリーズ・関連作品リンク>ドンキーコングシリーズ]]''| **概要(GBA) -SFC版に一部変更や追加要素を加えてGBAに移植したもの。 **変更点・評価点 -グラフィックは割と頑張っており、携帯機にしては滑らかなアニメーションが特徴。 --スペックの問題からさすがに原作よりも劣るものの、後の2、3の移植版と比べればまだ滑らかで綺麗な方である。 --オウムやトカゲなど、背景の小動物が複数追加されているのも特徴。 -ミニゲームが追加された。 --GBC版にもあった「ファンキーフィッシング」と新規追加の「キャンディーのダンススタジオ」というダンレボもどきの2種類が存在。~ 後者は操作レスポンスの悪さもあって慣れないとかなり難しいが、不気味なぐらいヌルヌルした3Dポリゴンを見せつけてくれる。 -いつでもセーブが可能となり、SFC版のように難関ステージの前で詰むことが無くなった。 --ファンキーの飛行機もミニゲームを一度クリアすれば自由に使えるようになる(=マップ画面で常時利用可能)。 --またこの仕様変更により、キャンディーコングの施設はセーブポイントではなくミニゲームをプレイする場になった。 -クリアやステージを抜けなくても、ボーナスが何度も入れるようになった。 --ボーナスステージ行きのバレルは全てSFC版3に登場したワープ式のものに変更され、各ボーナスステージ突入時にお題の名前が書かれたアイキャッチが追加され2以降の物と仕様が統一された。後に移植された2と3もボーナスバレルは全てワープ式になっている。 -一部のステージにワープバレルが新規に追加。また、ワープで移動するためのステージも用意された。~ また、原作から続投しているワープバレルの一部は条件無しで入れる様になり、ワープ自体の難易度も大幅に緩和されている。 --ただ、原作に存在していた後半ステージのワープポイントの多くが削除されていたり、原作から続投しているワープポイント自体もワープ時にアイキャッチやボーナスステージをいちいち挟む為かえってゲームテンポが原作から悪化してしまった点は賛否が分かれている。 -一部のボーナスバレルの位置の変更 --SFC版では画面外に設置されており見つけるのが困難だったボーナスバレルが画面内に設置されているためわかりやすくなっている。 --また、一部のボーナスステージはクリアした時の景品が変更されている。 -ワールドマップ、エリアマップは本作で新たに書き下ろされた物を使用。 --エリアマップが新規に変更された事に伴い、コングファミリーや一部ステージの位置がオリジナルから変更されている。 --特に大きいのが''ステージの順番の変更''。~ 例えばエリア5「カントリーファクトリー」の「オンボロこうじょう」はオリジナルでは同エリアの中でもかなり簡単なステージにもかかわらずエリア最後という位置になっていて少々不自然だったが、GBA版では登場順が前に回された事により、難易度的に相応しいポジションに落ち着く事になったと言える。 ---ただし、エリア1「コンゴジャングル」エリア2「モンキーマインズ」エリア6「やみのいりえ」の3つはステージ順に変更が無い。 -新たな収集要素として「カメラ」が加わった。 --これはミニゲームをクリアしたり敵を特定の方法で倒すことで得られ、コングファミリーや敵キャラクター等のCGイラストを鑑賞できるというもの。 ---一応GBC版でも特定の条件を満たすとCGイラストを鑑賞する事ができたが、特定のポイントまでドンキーを連れて来る必要があり、実際に見られるようになってもモノクロのみな為、細かい不満点が多かった。 ---解像度も携帯機にしてはそこそこ。これまでは公式HPや攻略本といった媒体でしか拝むことができなかった為、地味に嬉しい要素といえる。 -殆どのボスが原作の行動パターンを(一部は倒し方も)一新。後2作には決して見られない大きな変更点である。 --「ボスノーティ」はダメージを受けると大ジャンプで画面端に移動するようになった。また「いかりのボスノーティ」の方はダメージを受けると、上記のボスノーティの変更点に加え、着地の振動で鍾乳石を落としてくるようになり、SFC版のようなコングの居る場所を狙って大ジャンプしてくることがなくなった。 --「いかりのボスネッキー」は、なんとレベル2の通常のボスネッキーとタッグで登場。両側からの攻撃で安全地帯が潰されるため難易度が上がっており、片方だけ倒すと残った方の攻撃回数が4回に増える(どちらか片方を倒すまでは両方とも1回しか攻撃してこない)。 --タルを当てて逃げてまた当てるだけの作業プレイだった「クイーンB」は、最初からSFC版のダメージを受けた後の挙動をとるようになり、ダメージを受けると無敵状態になる所は同じだが、同時に陣形を組んで出現するジンガー達を倒すまで無敵が解除されなくなった。陣形は崩すたびに毎回変化する((出現際にタルを当てれば複数のジンガーを一気に倒すことが可能で、タイムアタックでは必須のテクニック。))。 --何もしなくても勝手に倒れるボス「ダムドラム」は、ザコ殲滅後に出現するTNTバレルをぶつけて倒す形式に変更された。元々がボスと定義していいのかどうかも怪しい戦法だったので、ある意味妥当なリメイクである。 ---ただしSFC版はザコを倒すたびに連続で降ってくる回数が増えたが、GBA版はダメージを与えるまで何度でも降ってくる代わりにダメージを与えれば1回でもキャンセルできるようになっているため、躱すのに必要な回数が増えたりはしない。着地後のスキも大きくなっているため、むしろSFCよりさらに弱くなっている。 --キングクルールは元からラスボスらしく攻撃パターンが豊富だったからかあまり変わらない。強いて言えば全体的にジャンプの高さが低くなった事と鉄球落としが地面でバウンドしなくなったくらい。 -新規のオープニング・エンディングデモが追加。 --オープニングではバナナの見張りを任されたディディーが抵抗の末にクレムリン軍団に捕らわれ、バナナが盗まれる過程までが描かれている。 --エンディングのキングクルールの吐く捨て台詞は時系列的に後の『ドンキーコング64』を暗示する内容となっている。 -マンキーコングがディディーの踏み付けでも一撃で倒せるようになっている((厳密にはSFC版でも一撃で倒せることがあるのだが、倒せない時との差は不明。))。 -タイヤの上でのローリングがしやすくなった。 -アニマルフレンドの性能の変更。 --全てのアニマルフレンドの共通点として、ダッシュしながら落下しても空中ジャンプが出来る様になっている。また敵に当たって逃げだしたアニマルフレンドが壁に当たって反対方向へ移動する時に減速するようになったため、再び乗る難易度が落ちた。 --「エクスプレッソ」はSFC版では慣性がないに等しかったが、GBA版では慣性が強くなっているため、進行方向とは反対の方向へ移動しようとすると大きく減速するようになった。これにより攻撃手段を持たないエクスプレッソにとって、敵を避けるのが難しくなっている。また移動速度もかなり落ちている。 --「エンガード」は攻撃後の後隙が減り、移動距離が短くなった。 --「ウインキー」は地上での移動アニメーションの後半がカットされている。これにより縦への当たり判定が縮んだため敵に当たりにくくなっている。 --「ランビ」は特に変更はない。 -「アドベンチャー」の達成率を90%以上にしてラスボスを倒すと、中間ポイント無しでディディーだけで進む「ヒーローモード」がプレイできるようになる。 --また、クリア率を増加する条件が追加。上記2つのミニゲームをクリアしたり、各ステージにあるカメラや「KONG」パネルをすべて集める必要があり、難易度が上がっている。 -アニマルトークンを3つ集めて行うミニゲームの時間 --SFC版ではアニマルフレンドの種類によってミニゲーム中の制限時間の減り方が異なっていたが、GBA版では全て共通して同じ時間になっている。この変更によりランビ等の時間の減り方が早かったアニマルフレンドはミニトークンを集めやすくなった一方、エンガードのミニゲームのような時間の減り方が遅かったアニマルフレンドは集めにくくなった。 **問題点(GBA) -ゲーム起動~タイトル画面の演出変更 --レア&任天堂のロゴ演出とタイトル画面が変更され、ドンキーとクランキーのやり取りは丸ごと削除された。~ それに伴いオープニングテーマの前半部分はカットされている。 --「ゲームの起動直後からSFC屈指のグラフィックを見せつけてくる」という象徴的なシーンが、ハードスペック相応の無難なものに変わっており、原作プレイヤーは落差を感じやすい。 -ゲームボーイアドバンスのスペック上、音質はやや劣化。 --ファンキーコングやキャンディーコングの施設のBGMは本作新規のものに変更されている。 -効果音の変更・キャラボイス追加。 --ドンキーとディディー、キングクルールは『64』の流用で、ザコ敵も概ね変更されている。ただし、ドンキーのドラミング(放置時の胸叩き) 時の辺りに響き渡る大怒鳴り声やディディーの被ダメージ、DKバレル関連などのボイスは原作からの流用である。 ---この作品に限らず、当時任天堂から発売された多くの携帯機移植作品に見られた傾向だが、原作に思い入れのあるファンにとっては批判の的になりやすい。 -アニマルトークンについて --「ボーナスステージ以外で3つ目を入手した場合、プレイ再開時にコンティニューバレル(通過していない場合はスタート地点)まで戻されてしまう。」というSFC版にあった問題点だが、なんとGBA版では''ボーナスステージ内でアニマルトークンの3つ目を入手した場合にもプレイ再開時にスタート地点もしくはコンティニューバレルまで戻されるようになってしまった。'' --さらにSFC版ではゲームをリセットすればアニマルトークンの入手数もリセットされたのだが、GBA版ではリセットされないためゴール手前で3つ目を揃えてしまうなんて事があったらもう一度ステージをやり直さなければならない。強制スクロールのステージなら泣いていい。 --ボーナスステージの景品がアニマルトークンに変更されている場所もあり、SFC版よりも入手する機会が増えているため、本作を初めて遊んだ人は何度もステージをやり直す事になっただろう。 ---またボーナスステージの景品として入手した場合、原作ではアクションを行わずにトークンが表示されてトークンボーナスに移行するが、今作ではボーナスステージで景品を獲得したアクションが行ってからトークンボーナスに移行するようになってしまっている。 --極め付けには101%クリアをするための「カメラ」を入手するためにはアニマルトークンを3つ集めて行うミニゲームをやることが必須なため、完全クリアを目指すプレイヤーは嫌でもアニマルトークンを集めなければならなくなっている((この仕様上、タイムアタックの際はどこで3つ目のトークンを入手するかが非常に重要となる。))。 -一部操作性の問題 --エリア2の「モンキーマインズ」の「マインカートコースター」でのトロッコのジャンプ力が高くなっており、SFC版と同じタイミングでジャンプするとレールを飛び越えて落下してしまいミスしてしまう事もある。 ---ロープを掴んだ際の上下移動も慣性が強くなっており、位置調整および切り返しが難しい。特にエリア3「もりのみさき」の「ジンガーの森」やエリア4「ホワイトマウンテン」の「クリスタルトンネル」 では、この慣性の強さが原因で難易度を上げることになる。 **総評(GBA) 全体的に劣化移植といわれるGBA版ドンキーコング3部作の中では唯一良質な出来で、一部の仕様や音声関係の変更は従来ファンから反発はあるものの、楽しめる一本となっている。~ 後2作のように世界観にそぐわない新ボスを本編にねじ込んだり予告無しにBGM全取り替えたり…などという無茶はせず、あくまでSFC版らしさを保ったまま問題点の改善ややり込み要素の増量、ゲームバランスの調整…といった、純粋にSFC版からのグレードアップを図ったユーザーフレンドリーな姿勢が大きいだろう。 **余談(GBA) -本作のE3での発表は前回の移植『ドンキーコング2001』からたったの2年後だった為、前評判の段階では「いくら何でも早すぎる」等最悪であったが、本作は先発と内容が被らないようにアレンジ要素が比較的強めになった事で好評を得る事になった経緯がある。

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