「ダウンタウン熱血物語SP」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ダウンタウン熱血物語SP」(2024/04/27 (土) 03:42:09) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*ダウンタウン熱血物語 【だうんたうんねっけつものがたり】 |ジャンル|熱血2Dアクション|&amazon(B019SUN8GA)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売|ハル研究所|~| |開発元|任天堂|~| |発売日|2016年1月1日|~| |定価|パッケージ:380円&br;ダウンロード:500円(各税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|オリジナルにとらわれない大胆なリメイク&brほぼ完全新作&brシリーズを総括した設定|~| |>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ダウンタウン熱血物語]](以降FC版)』の3DSによるリメイク。くにおくん30周年記念作品の一つとして発売された。~ 以前にもGBAにてFC版のリメイク作である『[[ダウンタウン熱血物語ex]]』が発売されていたが、そちらがFC版+αといった内容だったのに対し、本作はシステムはおろかストーリーに至るまでのほぼすべての要素が再構築されており、~ リメイク作品でありながら、ほぼ完全新作と呼べるほどのリニューアルが施されている。 **ストーリー >熱血硬派と呼ばれるくにおくん、ある時はスポーツ大会で世界に名を馳せ、あるときは仲間を助けるためにヤクザの事務所に殴り込んだ熱い男である。~ とある夜、突如謎の二人組から襲撃を受けた「くにお」、警察の出現によって事なきを得たが、駆けつけた「ひろし」と「姿」によるとすごく強い二人組が 近場の高校をしめているらしい。~ 後日、その二人が冷峰学園に転校してきた双子の兄弟である事を知り、その冷峰学園が不穏な動きを見せていることを知る。そして、りきが彼女の事で困っているようだが… -FC版から大きく変わった点として、「りき」の彼女の「真美」がさらわれ、挑戦状を叩きつけられた「りき」と共に殴り込みに行くという展開''ではない''。ストーリーの展開は3日間の間に変化する。 -また、『[[熱血硬派くにおくん すぺしゃる]]』や『[[熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲]]』の後日談でもあり、ダウンタウンシリーズでありながら「ひろし」や「わたる」といった熱血硬派シリーズのキャラが登場する。 --FC版『熱血物語』が『熱血硬派くにおくん』の数か月後の話であるという設定を踏襲した形になっており、『熱血硬派くにおくんSP』の後に「[[様々なスポーツ>熱血高校ドッジボール部]][[シリーズ>熱血高校ドッジボール部 サッカー編]]」を経て『熱血物語SP』へと続いた事が明言されている。%%と言う事は本作の「りき」は「きょうこ」と別れた後に「真美」と付き合い始めたのだろうか?%%((ちなみにシリーズ生みの親の岸本氏は以前「りきはもてるので誰と最終的にくっつくかは分からない」「三人目、四人目の彼女が現れるかも」と言った旨を語っている。)) ---その一方で『乱闘協奏曲』は「マブい」といった単語も出てくるなど、昭和を舞台にしていたが、劇中で1年も経過してないはずの本作はスマートフォンや動画サイトが普及しているなど完全に現代へと変更されている。 --但し、あくまでダウンタウンシリーズ作品である為、彼等の扱いは最小限となっている。ストーリーも直接的な繋がりがある訳でもなく、「みさこ」「しんじ」「みすず」「さぶ」などのお馴染みの面子((「しんじ」と「みすず」に関しては、とあるアイテムを使う事で名前を確認できるので存在はしている事が分かる。))や、前作で登場した「まどか先生」、関東獅子連合の面々などは登場しない。 ---- **特徴 ''フリーシナリオ'' -『[[ロマンシング サ・ガ]]』のようなフリーシナリオ制となっており、ゲーム内で3日間過ごし、その間にこなしたイベントの内容によって4日目のバトルデイの内容が変化、4日目を終了する事でエンディングを迎える --発生するイベントは期間限定イベントのみで構成されており、クリアする為に強要される事は無い。三日の間に夢見町を東奔西走して情報を集めるのも、ひたすらケンカに明け暮れるのもプレイヤーの自由となっている。 --マルチエンディング方式であり、エンディングはルートに応じて変化する。また、4日目に敗北した場合もバッドエンドという形でエンディングになる。 --エンディングをむかえると様々な特典の開放や、お金やステータスなどの全ての要素を引き継いで1日目からプレイする事が可能。周回プレイを前提としたつくりとなっている。 --最終的にFC版に近い展開になる事もあれば、''まったくFC版のストーリーにかすらない''事すらある。3日間に起こるイベントはすべてが本作の新イベントである。 ''マップと主な施設'' -マップはFC版に登場する場所はおおむね登場するものの、位置関係や内容はすべて変更されており((FC版では栄えていた緑町商店街はシャッター通りになっている等、世知辛い変化が見られる所もある。))、下画面に地図が表示されている。 --場所は黄色い点ないし赤い点で表示される。赤い点で表示されるマップでは不良にケンカを売られる可能性がある。 --最初は一部の制限がかかるが、概ね大半のマップには自由に行き来する事が可能、また、800円と5分を使う事でメニュー画面から特定の地点(大きい丸で表現される場所)にタクシーで移動する事が可能。 :''ネットカフェ''|セーブを行える。また、有料のフリータイムで即座に一日を終わらせることも可能。 :''喧嘩俱楽部''|バトルクラブ。一度倒したボスキャラや雑魚敵の2チームが争っている所に乱入し、三つ巴の戦いを繰り広げる事が出来る。入りなおす事で何度でもケンカをする事が可能。 :''入江倉庫''|リサイクルショップ。時間によって頻繁に品揃えが変わるが、質が良い装備品が売っている事も多い。また、不要な装備品を売る事が可能。 :''飲食店''|ラーメン屋や丼もの屋等、時間の消費と体力、SP回復に加え、一定時間パラメーターを底上げする事が可能。 :''コンビニ''|戦闘中に使用できる回復アイテムの「おにぎり」を買う事が可能。また、''いやらし本''も売っているが、未成年には売ってくれない。%%残念%% --ちなみに「いやらし本」は敵からのドロップで入手可能であり、効果は15分間SP消費なしと超強力。こんな物がホイホイ買えてしまったら、エロの力でゲームバランスが崩壊する。 :''タイガーホール''|『[[熱血格闘伝説]]』に登場した%%タイガーマスク%%サーベルタイガーの「虎一」「虎二」が経営するジム。異様に強化された雑魚を相手に勝ち抜きを行い、倒した数に応じた必殺技を貰う事ができる。 --ちなみに、もらえる技は「ラリアット」「バックドロップ」等の''プロレス技ばかり''と、もはや開き直っている。%%虎だ!虎だ!お前は虎になるのだ!%% ''時間'' -ゲーム内には時間が設けられており、必ず15:00から始まり、23:00を迎えると一日が終了する。 --大まかに15~17時が昼間、18時~19時が夕方、20~23時が夜となっており、時間に応じて各マップの登場キャラが変化したり、イベントが発生したりする。また、夜になると大半の店が閉まってしまう。 --時間の経過は一定時間の経過に加え、飲食店で物を食べる、睡眠薬を使う、特定のイベントをこなすといった事でも経過する。 --イベントは主に「特定の時間に特定の場所へ行く」ことで発生する、また、イベントの中で別のイベントの発生条件となる時間と待ち合わせ場所を言われる事もあるので注意しておこう。 --途中で力尽きるとお金は減らないが一時間が経過し、発生中だったイベントも失敗になってしまうというペナルティを受ける。 ''パラメーター'' -パラメーターの一部の概念が変更された。 :''HP''|本作では気力(SP)の概念が変わった都合上、0になった状態でダウンすると必ず力尽きてしまう。しかしスキルの「ど根性」があれば即死せずにFC版同様に粘る事も可能。 :''SP''|いわゆる気力、各種必殺技や「熱血カウンター(後述)」の使用に必要。消費量はSPの最大値と比例する為、SPの最大値が上がれば消費量も増えるが、必殺技の威力もあがる。 --SPは敵に攻撃する(される)か、攻撃をガードする事で回復する。必殺技の使用でSPを消費するが、命中させてダメージを与える事で相殺ないし回復する事も可能。 :''運''|あらたに追加されたパラメーター、本作は敵を倒しても必ずしもお金を落とすわけではなくなり、運によって出やすさが左右される。また、運が高いと攻撃時にクリティカルヒットが出る可能性があるので重要なパラメーターである。 :''レベル''|敵を倒してレベルが上がると、HPとSPが全快した後、LP(レベルポイント)が得られ、それぞれのパラメーターに割り振る事でパラメーターが上昇する。パラメータに割り振れる上限は難易度によって変化する。 --FC版とは異なり、パラメーターの上昇手段はレベルアップによる割り振りと、後述する装備品、スキルとなり、アイテムを使用して上昇する事は無くなった。 --また、レベルが上がる事によってスキルを得たり、「フック」、「かかと落とし」といった通常攻撃の派生アクションを覚える。これらは必殺技ではないのでSPは使用しないが、怯ませたり吹き飛ばしたりと使い勝手はいい ''装備品'' -敵からドロップするか、店で買う事で「学ラン」「ボンタン」「ベルト」「靴」「アクセサリー」「裏釦」に装備するアイテムを得る事が可能。 --それぞれ「レジェンド(紫)>ゴールド(金)>シルバー(銀)>ブロンズ(銅)」のランクがあり、ランクが高いほど質が高い事が多い。 --また、一つの装備品には最大二つの「スキル」が備わっている事があり、それによってさまざまな効果を得る事が出来る。 ---スキルにはパラメーターを上げる「拳ノ魂」やHPが尽きても1で耐える「ど根性」といった効果がある。また、大半のスキルにはレベルが設定されており、当然高いほど効果が大きくなる。 ''操作の変更'' -操作方法が改められ、「パンチ」「キック」「ジャンプ」「投げ」「ダッシュ」「ガード」「武器拾い」といったアクションは3DSのそれぞれのボタンに割り振られるようになった。コンフィグでFC版の操作にする事も可能。 --「ガード」と「投げ」もボタンを押す事で任意に行えるようになったので、攻撃が来る前からガードの構えをとるといった事が出来るようになった。投げの場合は失敗すると「スカりモーション」が入り、隙が出来てしまう。 ---ガードはボタンを押し続ける限り有効で、前方からの打撃を完全にシャットアウトし、威力に応じてSPも回復するという高性能だが、後方の打撃や投げには無力。 ---L+Xで繰り出せる「熱血カウンター」はSPの消費を伴うものの、あらゆるタイミングで繰り出す事が可能であり、周囲の敵にダメージを与えつつ吹き飛ばす。ダウンからの立て直し、牽制に使用できる。 -それまでのシリーズとは異なるが、3DSはハードの都合上、ボタンの同時押しがやりづらい為、1ボタンで様々なアクションを繰り出せるという変更は操作性の向上に一役買っている。 ''必殺技'' -従来の「本屋で買う」「敵からドロップ」に加えて「特定のイベントをこなす」ことと「ある必殺技から派生」する事で必殺技を覚える事が可能。 --例えば「マッハパンチ」を使い続けると「マッハパンチII」を覚える事があり、さらに「マッハパンチII」を使い続けると「Vツインマッハパンチ」を覚える。派生元の技も引き続き使用可能。 --覚えた必殺技は10個のスロットにセットする事で使用が可能になる。「マッハパンチ」と「正拳突き」等、出し方が同じ技も複数個存在するので、技によっては共存する事が出来ず、スロットの番号が若い技が優先される。 --技によって消費SPは(小、中、大、特大)と定められており、最大SPに比例して消費量も変化する。「特大」になっている技は「''超必殺技''」となっており、最大SPの半分を消費するが「''ガード不能、超威力''」と非常に強力。 ---超必殺技は技によって「目の前の敵をひたすら連続攻撃」「直線状の敵を一掃」「一定時間、自由に攻撃しながら移動」と攻撃範囲が異なるが、発動中は使用者以外は一切動けずに一方的に攻撃する事が出来る。 ---一部のボスも超必殺技を使用してくる。とくに連続攻撃系の技を持つボスの超必殺技は食らうと一気に即死する事もありうるので非常にスリリング。 --SPが足りない場合は技が出ず、空振りでもSPが消費される為、着実に当てる事が求められる。 ''BGM'' -シリーズの数々の名曲を作った「アミーゴ澤」こと澤和夫氏が担当。 --従来のBGMのアレンジの他、新たに複数の新曲が追加された。上条、山本戦の「魂の友」や西村、沢口戦の「虚々実々」等。 --また、従来の曲はFC版の音源に切り替える事が可能だが、一部FC版の没BGMが採用されており、たんに懐かしいだけではなく新鮮味も味わえる。 ''その他'' -もはや恒例(?)となった通行人への暴行だが、本作の場合は殴った高校の生徒との乱闘になる。つまりは''こちらから狙ってケンカを売る事が可能''となった。なお乱闘中はマップの端から逃げる事が可能。 --修行やアイテム稼ぎ等、使用用途は多いが、普通の市民を殴った場合は''異様に強い警官に襲われる''。この警官も倒す事は可能だが見返りは限りなく少ない。 --バーやゲーセンなどの公共施設内で暴行を働いた場合は問答無用で追い出されてしまう。 --特定の条件下で、画面外に走り去るウサギやパンダ等のマスコットがいるが、これらを殴って乱闘に持ち込み、倒す事でレア度の高い装備アイテムを得る事も可能。 **ゲームモード ''熱血物語'' -本編。開始時に難易度を決める。「軟派」「硬派」に加え、隠し難易度があり、一度決めた難易度は途中で変更出来ない。 --高難易度になるほど敵が強くなるが、レベルアップ時の上限が増えたり、強い装備品を手に入れやすくなるといったメリットもある。 --高難易度を選んで太刀打ちできなくとも先述の通りにバッドエンドをむかえる事でゲームを終えれるのでクリア不能とはならない。 --また、特定の条件を満たす事で新たな隠しストーリーをプレイする事も可能。 ''FoDD2016'' -ゲーム本編に登場する人気格闘ゲーム「FoDD2016(ファイティング・オブ・ダブルドラゴン2016)」をプレイ可能。2人プレイに対応している。 --いわゆる本編に登場するキャラクター達による対戦格闘だが、キャラクターが『ジミー(竜一)』『ビリー(竜二)』といった『[[ダブルドラゴン]]』風になっており、タイトルロゴやBGMもダブルドラゴンのアレンジである。 --また、本編と異なり「SPがないので必殺技が出し放題」「熱血カウンターが使用不可」「ピンチになると超必殺技が使用可能」といった違いもある。 --各キャラに固有のストーリーモードが用意されており、ボーナスステージが存在するなど往年の2D格闘ゲームを彷彿とさせる作りとなっている(画面もスキャンラインが入っており、アナログテレビ風である)。 --隠しキャラも存在しており、特定の条件を満たす事で対戦できる。撃破できれば以後使用可能。 #region(しかもその隠しキャラの一人は…) --ダウンタウンシリーズのヒロイン「長谷部」が名を変えた『ロキシー』。喧嘩の実力者とされながら情報提供、応援、実況などの役割ばかりで表立って力を振るう機会が殆ど無かった彼女だが、同モードでは真のラスボスとしてその実力を遺憾なく発揮する。 --出現条件自体がかなり厳しいので、そこまで辿り着けたプレイヤーの腕前なら恐らく勝てるだろう。 #endregion ''熱血物語図鑑'' -本編で一度でも一周する事で解禁される。本編に登場するすべての必殺技、登場人物、BGM、イベントの情報を閲覧する事が可能 --まだ起こしていないイベントの発生条件(時間、場所、必要な達成イベント)も見る事が出来るので2周目以降のプレイのヒントになる。 ---- **評価点 ''緻密なストーリー'' -本作のストーリーは主に「今まで設定はあったが、語られる事がなかった」部分を膨らませて作られている。冷峰学園による全国制覇の詳細や支配下に置かれた各校の生活、各登場人物の様々な思惑や心情、謀略などが緻密に描写される。 -登場人物も大幅に増加、「姿」や「五月女」といった『ダウンタウン熱血行進曲』以降に登場したキャラ達も本編にしっかりと絡んでくれる。 --特に冷峰四天王にはそれぞれ四天王に関する人物たち(親衛隊や仲間等)が追加され、描写が豊かになった。 ---「望月」の親友という設定があった「早坂」は実際に「チーム望月」として一緒に登場し、望月が倒されると逆上して襲ってくる。望月自身もケンカ好きで、潔い好人物。 ---「千里台」と「花園高校」を争わせた「平」の策略も花園高校の生徒を偽って千里台を襲撃するという形で語られる。平自身もハッタリや卑劣な手段を使う頭脳派である面が強調されている。 ---「木下」はFC版に比べると寡黙になりイメージが変わったが、「実力はさほどでもない」「キレると手が付けられない」という従来の設定から、倒してもゾンビのようにすぐに立ち上がる設定が追加され、狂化してパワーアップするという新技も追加された。 ---「小林」は冷峰の異変に気付いているが、俯瞰的な視点から物事を見定め、非常に頭のキレるキャラ付けがされている。また、『熱血行進曲』で猛威を振るった「マッハチョップ」をはじめとする技が多数追加され、四天王のヘッドに相応しい強さになっている。 --物語に直接絡まないサブキャラの細かい設定も拾っており、「兄弟の世話に苦労する高峰」や「豪田に助けてもらったちなつ」など、とことんマニアックな設定が使われている部分もある。また、%%時代劇の「仁左衛門」ばかりが出ていて本人が殆ど出ていなかった%%「松戸」もようやく台詞と専用のイベントが用意された。 ---本作が初登場であり、物語に直接絡まない町の不良たちのグループにも意外と細かい設定が組まれており、ぬかりがない。 --本作のストーリーに熱血物語の生みの親である、もけけ関本氏は関わっていないが、それぞれのキャラの性格も従来のイメージを崩す事無く、より膨らませた上で描写されている。 #region(ちなみに、あくのおおぼすの???は…ストーリーの根幹にあたる部分のネタバレ注意) -FC版では唐突に登場した上に、あっさり倒されて意味不明なエンディングを残したラスボス(笑)だった山田にも大幅な描写が追加された。~ 単なるギャグだった「あくのパワー」も含めて詳細な設定が用意されており、ストーリーをこなす事で、「山田がいかにして悪の力を手にして冷峰を裏から支配するようになった」かがわかるようになっている。~ 加えて、中学時代のくにおとの関係についても語られ、タイマンを挑んだものの、くにおが放棄した事によって決着をつけられず、その後、悪の力を身につけて挑もうとしたものの、~ 既にスポーツで名をあげ、名声を得たくにおに、今更タイマンを挑んだ所で無意味であると悟り、くにおがまだ行っていない(興味を持っていない)全国制覇を成し遂げる事で復讐を遂げるつもりだった事が語られる。~ その為に悪の力で冷峰を支配し、ダブルドラゴン兄弟を操り、自らが考えたパー券による上納金のシステムを実行させ、自らは鬼塚に代わって生徒会長となり、他校との交流(洗脳)に励むという、まごう事なく悪を突き進むキャラとなった。~ また、弱かったFC版とは違い、「山田の術」をはじめとする強力な必殺技を多数持ち、設定どおりにダブルドラゴン兄弟を凌ぐ最強のボスとなり、非常に強くなっている。~ 真のエンディングをむかえる為には山田に関する様々なイベントをこなす必要があり、また、イベントをこなせていなかった場合は戦う事すら出来ない。~ それまでのシリーズでは何かとギャグキャラ的な扱いが多かった山田だが、本作では名実ともに悪の大ボスとして君臨している。%%のだが、あまりにボスとしての完成度が高すぎるため、かえって山田らしくなくなった%% #region(さらに真のエンディングをむかえると…) -隠しモードとして山田を主人公とした「冷血硬派やまだくん」が解放される。FC版の彼の台詞である''「つぎのげーむは ねっけつこうは やまだくんだっ! えへへ 」がまさかの実現''というサプライズ。 -山田を操作して悪の力を身に着け、冷峰を支配するまでの本編の前日譚をプレイする事が出来る。山田は高能力で専用の必殺技を多数持つが「熱血カウンター」が使えず、ポーズやセーブも出来ない為、やられると即ゲームオーバーという難易度の高いモードとなっている。 -前日譚であることから服部学園時代の「竜一」と「竜二」が登場するという珍しいシーンもある。 #endregion #endregion -また、近年の作品で見られる続編ありきの展開はなく、しっかりと本編でストーリーが完結する。~ 原作からして説明不足だったエンディングも補完がなされ、『ダウンタウン熱血行進曲』へ続くようになっている((とあるエンディングではPS3等で発売された『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会 ~オールスタースペシャル~ 』のストーリーモードの1シーンが再現されている。))。 ''熱い展開'' -緻密なストーリーだけではなく、全体的に熱い展開も多い。 --ダウンタウンシリーズはコミカル重視の作品が多かったが、今回は防衛や裏切り、ケンカを繰り返す事で互いに理解しあうと言った熱血硬派シリーズにも劣らない熱く硬派な展開が目白押しである。 ---もちろん、敵キャラの台詞がいつも以上にメタ発言を炸裂している等、ダウンタウンシリーズらしいコミカルな一面も忘れてはいない。 --くにおはFC版に比べるとよく喋るようになったがイメージは崩さず、弱きを助け、売られたケンカはすべて買うという硬派に恥じないキャラになっている。 ---…というのも本作では''何かと理由をつけて理不尽にケンカを売ってくるキャラが異様に多い''が、くにおはすべて真っ向から叩き伏せる。%%トラブル体質なのは、ひろしじゃなくて、くにおなんじゃあ…%% ---また、本作のナレーションは「くにおの独白」になっている。飲食店で物を食べた時や、いやらし本を読んだ時などに高校生らしい(?)感想を聞かせてくれる。 #region(FC版に近い展開になった場合は…) 四天王を倒したくにおの下に、ひろしから「花園高校が冷峰学園の傘下に入った」という知らせが入る~ りきの彼女の真美がさらわれた為にやむを得ず降る事になってしまったのだ。~ そしてそれまでの情報から、冷峰学園が熱血への襲撃を計画しているという事を知ったくにおは、仲間を置いてただ一人で冷峰へと乗り込む決意をする。~ ちょうどその頃、りきも真美を救うためにただ一人で冷峰へと向かう最中であり、くにおは、りきに共闘を申し出、共に悪の根源の冷峰に乗り込むのだった。~ ここでFC版のOPのやり取りが繰り広げられるのだが、FC版よりも絶望的な状況かつ、最終決戦の幕開けという非常に熱いシチュエーションになっている。 #endregion -また一度に登場する敵の数が増え、多人数でのケンカが繰り広げられるようになった。一度に20人近くの不良を相手に戦わなければならず、しかも全員が容赦なく一斉に攻撃してくるのでアクションの面でも熱い。 --しかし熱血カウンターや超必殺技と言った対抗手段があるために理不尽な難易度にはならず、逆に多人数の不良を蹴散らすという爽快感が得られる。展開次第では1対100といった[[無双シリーズ]]さながらのケンカになる事も。 --一対多数だけではなく、特定の高校との共闘、三つ巴など、ケンカのシチュエーションも増えた為、不良同士の抗争という雰囲気はぐっと増した。 ''大幅に増したボリューム'' -近年、ボリューム不足な作品が多かったシリーズだが、本作はフリーシナリオ故に何周もプレイする必要があり、高難易度への挑戦、良装備を得るためのハックアンドスラッシュ、FoDD2016といったやり込み要素が多くボリューム満点となっている。 --真のエンディングを見る為には緻密なフラグ管理をする必要があり、達成できるようになるには何週かのプレイ経験が必要となる。 ---失敗する事がトリガーになっていたり、選択肢で分岐するイベントも多数あるので、全てのイベントを見るにはそれなりに周回が必要。 --また、イベントリストに載っていないような小イベントも多く、意外な所で意外な人物に会う事も… ''骨太でよく練られたバランス'' -それまでのシリーズではレベルやステータスを最大に上げると、ほぼ無敵になる事が多かったが、本作の高難易度は''レベルを最大に上げてようやくスタート地点''と呼べるほど難易度が高い。 --…というのも、レベルによって上がるパラメーターよりも装備品による補正の方がはるかに大きい為((ただし、重要となるのは元のパラメータに倍率補正がかかるスキルである為、やはり高レベルである必要がある。))、高難易度をクリアするには良装備品のハックアンドスラッシュが欠かせない。 --難易度間のバランスの変化もかなり激しい。「軟派」で無双できるような状態になっても「硬派」では苦戦する。最初から「硬派」をプレイすると、説明文通りにシリーズ熟練者でも苦戦する。 --パラメーターを突き詰めて伸ばして有用な特殊スキルを身に着ければ、最高難易度でも難なく立ち回れるのだが、全ての能力を満遍なく最大値に近づける事は非常に難しく、万能なキャラクターを作りにくいために個々のプレイヤーの特色が出やすくなっている。 --パラメーターが足りないと1ダメージしか与える事が出来ず、必殺技の場合、攻撃すればするほどSPが枯渇するという事態に陥る。しかし高威力の攻撃をガードする事でSPを回復させる事が可能である為、ダメージが通る技や熱血カウンターをうまく使う事で、強敵でも立ち向かえる。 ---必殺技はやみくもに装備すればよいのではなく、パラメーターが低い系統の技はかえって足かせになる。また、SP消費量のバランスにも気を付けなければすぐにSPが枯渇して技が出せなくなるなど色々と気を使う必要がある。 ---技の種類は多いが、高威力だが隙の大きい「正拳突き」、火力は低いが手数が多い「マッハパンチ」と住み分けが出来ており、現在のパラメーターや使いやすさと相談し、カスタマイズをしっかりと考える事も重要。 ''キャラクターのモーションが豊富'' -乱闘協奏曲でもイベント中には多少モーションをするようになったが、それがさらにパワーアップし、ほとんどのメインキャラに専用のイベントモーションが多数用意されるなど、かなり細かく動くようになった。 --ただの構えですらパターンが違う事が多く、「顔のパターン以外を共通化」というシリーズの特徴からはやや外れた形になる。しかし、これにより表現力が大きく上がっているので思い切って変えた部分とみるべきか。 --また、新たに追加された超必殺技もド派手なモーションが豊富に用意されており、爽快感に繋がっている。 **問題点 ''りきの扱いが地味'' -りきの出番が少なく、操作する事が出来ない。FC版ではくにおとりきが初めて共闘した作品なので、りきの影が薄いのは残念な所。 --他のNPCと異なり専用必殺技、超必殺技を持たず、FoDD2016でも、りきに該当するキャラがいないという徹底したハブられよう。 --本作は元々本編でもマルチプレイが可能であるという仕様だったが、発売延期を繰り返した挙句にカットされたという経緯がある。もしカットされなかったら、りきが2Pで操作できる事もあったかもしれない。 ---…が、Ver1.1で通信プレイが可能となり、りきもめでたく使用する事が出来るようになった。 ''イベントスキップできない'' -Rボタンで早送りは可能であるものの、長台詞を喋るイベントも多いため、周回を重ねると煩雑になってくる。 --エンディングのスタッフロールも毎回すべて見せられるので殊更煩雑。こちらも一応Rボタンで少しだけ早送りをする事が可能だが… ''話しかける範囲の狭さ'' -店の中にいるイベントキャラに話しかける範囲が狭く、話しかけようとして殴ってしまい、店を追い出される事が多々ある。一応、話しかけられる状態になると「!」マークが出るのだが… ''図鑑の仕様'' -とあるイベントの発生条件が間違っており、図鑑の通りにしてもイベントが発生しない。 --よりにもよって、そのイベントが真のエンディングの為の必須イベントの起点となる為、真のエンディングを見る為の難易度が上がってしまった。 --Ver1.1でイベント発生条件のヒントが修正された。 -キャラの紹介やイベントリストの名前など、黒幕やそれに関する人物含めて''ネタバレ上等''となっている。イベントの紹介に関しては一度見るまでは確認出来ないような処置が施されているが、もう少し隠してほしかった所 ''進行状況を確認しづらい'' -ゲーム内での約束事(時間、待ち合わせ場所)はメモの形で見る事が出来るが、その周でこなしてきたイベントの内容は見る事が出来ず、一周を長くプレイしていると、どのイベントをこなしたかを忘れがちになる。 --図鑑内では発生済みのイベントにチェックが入るが、今までの周回の中で発生させたイベントにつくものである為、プレイ中の目安にはならない。 ''装備売却の面倒さ'' -売れる店舗が1つしかない。ハクスラがメインであるため装備品が溜まりやすい本作では非常に面倒。 --更に、当初はまとめて売る事ができなかった(Ver1.1でまとめ売りが可能になった)。 ---- **総評 リメイク作品でありながら設定を除いては原作に準ずる部分はほぼなく、くにおくんシリーズの完全新作と言ってもいいほどの変貌を遂げた作品。~ 公式ページの紹介文にある通り、リメイクというよりは完全リニューアルと言った方が正しいのかもしれない。~ しかし、何もかもが変わった故にシリーズ経験者であっても新鮮で、かつ、お馴染みのキャラクター達の新たなストーリーを楽しむ事が出来る。~ シリーズ未経験者であっても、シンプルかつ奥が深いゲーム性である為にすぐになじむ事が出来るだろう。~ アーク製のくにおくんシリーズはやや、旧作にとらわれ過ぎており、足を引っ張っている部分が見られたが、~ 本作は旧作にとらわれずにうまく脱却し、新しいくにおくんを作ろうという意気込みが十二分に感じられる力作である。 ---- **余談 -FoDDに登場する「アレックス」「サイモン」「ロキシー」は『ダウンタウン熱血物語』の海外版『River City Ransom』における該当キャラの名前である。 -図鑑のキャラ紹介ではキャラの名前がフルネームで紹介されるが、「りき」の苗字は無くなり、「くにお」や「ひろし」と同様に名前のみで紹介されるようになった。 --りきは最初期は「雲雀」という苗字だったが、後に「鮫島」という苗字で定着していた。しかし近年は作者である岸本氏によって「りきの苗字は好きに決めてほしい」という意向で、苗字が無くなったという経緯をもつ。 -また、初めて「ダブルドラゴン兄弟」と『[[ダブルドラゴン]]』の関係に暗に触れた作品でもある。
*ダウンタウン熱血物語SP 【だうんたうんねっけつものがたりすぺしゃる】 |ジャンル|熱血2Dアクション|&amazon(B019SUN8GA)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売|アークシステムワークス|~| |開発元|エープラス|~| |発売日|2016年10月27日|~| |定価|パッケージ:3,780円&br;ダウンロード:3,500円(各税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|オリジナルにとらわれない大胆なリメイク&brほぼ完全新作&brシリーズを総括した設定|~| |>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ダウンタウン熱血物語]](以降FC版)』の3DSによるリメイク。くにおくん30周年記念作品の一つとして発売された。~ 以前にもGBAにてFC版のリメイク作である『[[ダウンタウン熱血物語ex]]』が発売されていたが、そちらがFC版+αといった内容だったのに対し、本作はシステムはおろかストーリーに至るまでのほぼすべての要素が再構築されており、~ リメイク作品でありながら、ほぼ完全新作と呼べるほどのリニューアルが施されている。 **ストーリー >熱血硬派と呼ばれるくにおくん、ある時はスポーツ大会で世界に名を馳せ、あるときは仲間を助けるためにヤクザの事務所に殴り込んだ熱い男である。~ とある夜、突如謎の二人組から襲撃を受けた「くにお」、警察の出現によって事なきを得たが、駆けつけた「ひろし」と「姿」によるとすごく強い二人組が 近場の高校をしめているらしい。~ 後日、その二人が冷峰学園に転校してきた双子の兄弟である事を知り、その冷峰学園が不穏な動きを見せていることを知る。そして、りきが彼女の事で困っているようだが… -FC版から大きく変わった点として、「りき」の彼女の「真美」がさらわれ、挑戦状を叩きつけられた「りき」と共に殴り込みに行くという展開''ではない''。ストーリーの展開は3日間の間に変化する。 -また、『[[熱血硬派くにおくん すぺしゃる]]』や『[[熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲]]』の後日談でもあり、ダウンタウンシリーズでありながら「ひろし」や「わたる」といった熱血硬派シリーズのキャラが登場する。 --FC版『熱血物語』が『熱血硬派くにおくん』の数か月後の話であるという設定を踏襲した形になっており、『熱血硬派くにおくんSP』の後に「[[様々なスポーツ>熱血高校ドッジボール部]][[シリーズ>熱血高校ドッジボール部 サッカー編]]」を経て『熱血物語SP』へと続いた事が明言されている。%%と言う事は本作の「りき」は「きょうこ」と別れた後に「真美」と付き合い始めたのだろうか?%%((ちなみにシリーズ生みの親の岸本氏は以前「りきはもてるので誰と最終的にくっつくかは分からない」「三人目、四人目の彼女が現れるかも」と言った旨を語っている。)) ---その一方で『乱闘協奏曲』は「マブい」といった単語も出てくるなど、昭和を舞台にしていたが、劇中で1年も経過してないはずの本作はスマートフォンや動画サイトが普及しているなど完全に現代へと変更されている。 --但し、あくまでダウンタウンシリーズ作品である為、彼等の扱いは最小限となっている。ストーリーも直接的な繋がりがある訳でもなく、「みさこ」「しんじ」「みすず」「さぶ」などのお馴染みの面子((「しんじ」と「みすず」に関しては、とあるアイテムを使う事で名前を確認できるので存在はしている事が分かる。))や、前作で登場した「まどか先生」、関東獅子連合の面々などは登場しない。 ---- **特徴 ''フリーシナリオ'' -『[[ロマンシング サ・ガ]]』のようなフリーシナリオ制となっており、ゲーム内で3日間過ごし、その間にこなしたイベントの内容によって4日目のバトルデイの内容が変化、4日目を終了する事でエンディングを迎える --発生するイベントは期間限定イベントのみで構成されており、クリアする為に強要される事は無い。三日の間に夢見町を東奔西走して情報を集めるのも、ひたすらケンカに明け暮れるのもプレイヤーの自由となっている。 --マルチエンディング方式であり、エンディングはルートに応じて変化する。また、4日目に敗北した場合もバッドエンドという形でエンディングになる。 --エンディングをむかえると様々な特典の開放や、お金やステータスなどの全ての要素を引き継いで1日目からプレイする事が可能。周回プレイを前提としたつくりとなっている。 --最終的にFC版に近い展開になる事もあれば、''まったくFC版のストーリーにかすらない''事すらある。3日間に起こるイベントはすべてが本作の新イベントである。 ''マップと主な施設'' -マップはFC版に登場する場所はおおむね登場するものの、位置関係や内容はすべて変更されており((FC版では栄えていた緑町商店街はシャッター通りになっている等、世知辛い変化が見られる所もある。))、下画面に地図が表示されている。 --場所は黄色い点ないし赤い点で表示される。赤い点で表示されるマップでは不良にケンカを売られる可能性がある。 --最初は一部の制限がかかるが、概ね大半のマップには自由に行き来する事が可能、また、800円と5分を使う事でメニュー画面から特定の地点(大きい丸で表現される場所)にタクシーで移動する事が可能。 :''ネットカフェ''|セーブを行える。また、有料のフリータイムで即座に一日を終わらせることも可能。 :''喧嘩俱楽部''|バトルクラブ。一度倒したボスキャラや雑魚敵の2チームが争っている所に乱入し、三つ巴の戦いを繰り広げる事が出来る。入りなおす事で何度でもケンカをする事が可能。 :''入江倉庫''|リサイクルショップ。時間によって頻繁に品揃えが変わるが、質が良い装備品が売っている事も多い。また、不要な装備品を売る事が可能。 :''飲食店''|ラーメン屋や丼もの屋等、時間の消費と体力、SP回復に加え、一定時間パラメーターを底上げする事が可能。 :''コンビニ''|戦闘中に使用できる回復アイテムの「おにぎり」を買う事が可能。また、''いやらし本''も売っているが、未成年には売ってくれない。%%残念%% --ちなみに「いやらし本」は敵からのドロップで入手可能であり、効果は15分間SP消費なしと超強力。こんな物がホイホイ買えてしまったら、エロの力でゲームバランスが崩壊する。 :''タイガーホール''|『[[熱血格闘伝説]]』に登場した%%タイガーマスク%%サーベルタイガーの「虎一」「虎二」が経営するジム。異様に強化された雑魚を相手に勝ち抜きを行い、倒した数に応じた必殺技を貰う事ができる。 --ちなみに、もらえる技は「ラリアット」「バックドロップ」等の''プロレス技ばかり''と、もはや開き直っている。%%虎だ!虎だ!お前は虎になるのだ!%% ''時間'' -ゲーム内には時間が設けられており、必ず15:00から始まり、23:00を迎えると一日が終了する。 --大まかに15~17時が昼間、18時~19時が夕方、20~23時が夜となっており、時間に応じて各マップの登場キャラが変化したり、イベントが発生したりする。また、夜になると大半の店が閉まってしまう。 --時間の経過は一定時間の経過に加え、飲食店で物を食べる、睡眠薬を使う、特定のイベントをこなすといった事でも経過する。 --イベントは主に「特定の時間に特定の場所へ行く」ことで発生する、また、イベントの中で別のイベントの発生条件となる時間と待ち合わせ場所を言われる事もあるので注意しておこう。 --途中で力尽きるとお金は減らないが一時間が経過し、発生中だったイベントも失敗になってしまうというペナルティを受ける。 ''パラメーター'' -パラメーターの一部の概念が変更された。 :''HP''|本作では気力(SP)の概念が変わった都合上、0になった状態でダウンすると必ず力尽きてしまう。しかしスキルの「ど根性」があれば即死せずにFC版同様に粘る事も可能。 :''SP''|いわゆる気力、各種必殺技や「熱血カウンター(後述)」の使用に必要。消費量はSPの最大値と比例する為、SPの最大値が上がれば消費量も増えるが、必殺技の威力もあがる。 --SPは敵に攻撃する(される)か、攻撃をガードする事で回復する。必殺技の使用でSPを消費するが、命中させてダメージを与える事で相殺ないし回復する事も可能。 :''運''|あらたに追加されたパラメーター、本作は敵を倒しても必ずしもお金を落とすわけではなくなり、運によって出やすさが左右される。また、運が高いと攻撃時にクリティカルヒットが出る可能性があるので重要なパラメーターである。 :''レベル''|敵を倒してレベルが上がると、HPとSPが全快した後、LP(レベルポイント)が得られ、それぞれのパラメーターに割り振る事でパラメーターが上昇する。パラメータに割り振れる上限は難易度によって変化する。 --FC版とは異なり、パラメーターの上昇手段はレベルアップによる割り振りと、後述する装備品、スキルとなり、アイテムを使用して上昇する事は無くなった。 --また、レベルが上がる事によってスキルを得たり、「フック」、「かかと落とし」といった通常攻撃の派生アクションを覚える。これらは必殺技ではないのでSPは使用しないが、怯ませたり吹き飛ばしたりと使い勝手はいい ''装備品'' -敵からドロップするか、店で買う事で「学ラン」「ボンタン」「ベルト」「靴」「アクセサリー」「裏釦」に装備するアイテムを得る事が可能。 --それぞれ「レジェンド(紫)>ゴールド(金)>シルバー(銀)>ブロンズ(銅)」のランクがあり、ランクが高いほど質が高い事が多い。 --また、一つの装備品には最大二つの「スキル」が備わっている事があり、それによってさまざまな効果を得る事が出来る。 ---スキルにはパラメーターを上げる「拳ノ魂」やHPが尽きても1で耐える「ど根性」といった効果がある。また、大半のスキルにはレベルが設定されており、当然高いほど効果が大きくなる。 ''操作の変更'' -操作方法が改められ、「パンチ」「キック」「ジャンプ」「投げ」「ダッシュ」「ガード」「武器拾い」といったアクションは3DSのそれぞれのボタンに割り振られるようになった。コンフィグでFC版の操作にする事も可能。 --「ガード」と「投げ」もボタンを押す事で任意に行えるようになったので、攻撃が来る前からガードの構えをとるといった事が出来るようになった。投げの場合は失敗すると「スカりモーション」が入り、隙が出来てしまう。 ---ガードはボタンを押し続ける限り有効で、前方からの打撃を完全にシャットアウトし、威力に応じてSPも回復するという高性能だが、後方の打撃や投げには無力。 ---L+Xで繰り出せる「熱血カウンター」はSPの消費を伴うものの、あらゆるタイミングで繰り出す事が可能であり、周囲の敵にダメージを与えつつ吹き飛ばす。ダウンからの立て直し、牽制に使用できる。 -それまでのシリーズとは異なるが、3DSはハードの都合上、ボタンの同時押しがやりづらい為、1ボタンで様々なアクションを繰り出せるという変更は操作性の向上に一役買っている。 ''必殺技'' -従来の「本屋で買う」「敵からドロップ」に加えて「特定のイベントをこなす」ことと「ある必殺技から派生」する事で必殺技を覚える事が可能。 --例えば「マッハパンチ」を使い続けると「マッハパンチII」を覚える事があり、さらに「マッハパンチII」を使い続けると「Vツインマッハパンチ」を覚える。派生元の技も引き続き使用可能。 --覚えた必殺技は10個のスロットにセットする事で使用が可能になる。「マッハパンチ」と「正拳突き」等、出し方が同じ技も複数個存在するので、技によっては共存する事が出来ず、スロットの番号が若い技が優先される。 --技によって消費SPは(小、中、大、特大)と定められており、最大SPに比例して消費量も変化する。「特大」になっている技は「''超必殺技''」となっており、最大SPの半分を消費するが「''ガード不能、超威力''」と非常に強力。 ---超必殺技は技によって「目の前の敵をひたすら連続攻撃」「直線状の敵を一掃」「一定時間、自由に攻撃しながら移動」と攻撃範囲が異なるが、発動中は使用者以外は一切動けずに一方的に攻撃する事が出来る。 ---一部のボスも超必殺技を使用してくる。とくに連続攻撃系の技を持つボスの超必殺技は食らうと一気に即死する事もありうるので非常にスリリング。 --SPが足りない場合は技が出ず、空振りでもSPが消費される為、着実に当てる事が求められる。 ''BGM'' -シリーズの数々の名曲を作った「アミーゴ澤」こと澤和夫氏が担当。 --従来のBGMのアレンジの他、新たに複数の新曲が追加された。上条、山本戦の「魂の友」や西村、沢口戦の「虚々実々」等。 --また、従来の曲はFC版の音源に切り替える事が可能だが、一部FC版の没BGMが採用されており、たんに懐かしいだけではなく新鮮味も味わえる。 ''その他'' -もはや恒例(?)となった通行人への暴行だが、本作の場合は殴った高校の生徒との乱闘になる。つまりは''こちらから狙ってケンカを売る事が可能''となった。なお乱闘中はマップの端から逃げる事が可能。 --修行やアイテム稼ぎ等、使用用途は多いが、普通の市民を殴った場合は''異様に強い警官に襲われる''。この警官も倒す事は可能だが見返りは限りなく少ない。 --バーやゲーセンなどの公共施設内で暴行を働いた場合は問答無用で追い出されてしまう。 --特定の条件下で、画面外に走り去るウサギやパンダ等のマスコットがいるが、これらを殴って乱闘に持ち込み、倒す事でレア度の高い装備アイテムを得る事も可能。 **ゲームモード ''熱血物語'' -本編。開始時に難易度を決める。「軟派」「硬派」に加え、隠し難易度があり、一度決めた難易度は途中で変更出来ない。 --高難易度になるほど敵が強くなるが、レベルアップ時の上限が増えたり、強い装備品を手に入れやすくなるといったメリットもある。 --高難易度を選んで太刀打ちできなくとも先述の通りにバッドエンドをむかえる事でゲームを終えれるのでクリア不能とはならない。 --また、特定の条件を満たす事で新たな隠しストーリーをプレイする事も可能。 ''FoDD2016'' -ゲーム本編に登場する人気格闘ゲーム「FoDD2016(ファイティング・オブ・ダブルドラゴン2016)」をプレイ可能。2人プレイに対応している。 --いわゆる本編に登場するキャラクター達による対戦格闘だが、キャラクターが『ジミー(竜一)』『ビリー(竜二)』といった『[[ダブルドラゴン]]』風になっており、タイトルロゴやBGMもダブルドラゴンのアレンジである。 --また、本編と異なり「SPがないので必殺技が出し放題」「熱血カウンターが使用不可」「ピンチになると超必殺技が使用可能」といった違いもある。 --各キャラに固有のストーリーモードが用意されており、ボーナスステージが存在するなど往年の2D格闘ゲームを彷彿とさせる作りとなっている(画面もスキャンラインが入っており、アナログテレビ風である)。 --隠しキャラも存在しており、特定の条件を満たす事で対戦できる。撃破できれば以後使用可能。 #region(しかもその隠しキャラの一人は…) --ダウンタウンシリーズのヒロイン「長谷部」が名を変えた『ロキシー』。喧嘩の実力者とされながら情報提供、応援、実況などの役割ばかりで表立って力を振るう機会が殆ど無かった彼女だが、同モードでは真のラスボスとしてその実力を遺憾なく発揮する。 --出現条件自体がかなり厳しいので、そこまで辿り着けたプレイヤーの腕前なら恐らく勝てるだろう。 #endregion ''熱血物語図鑑'' -本編で一度でも一周する事で解禁される。本編に登場するすべての必殺技、登場人物、BGM、イベントの情報を閲覧する事が可能 --まだ起こしていないイベントの発生条件(時間、場所、必要な達成イベント)も見る事が出来るので2周目以降のプレイのヒントになる。 ---- **評価点 ''緻密なストーリー'' -本作のストーリーは主に「今まで設定はあったが、語られる事がなかった」部分を膨らませて作られている。冷峰学園による全国制覇の詳細や支配下に置かれた各校の生活、各登場人物の様々な思惑や心情、謀略などが緻密に描写される。 -登場人物も大幅に増加、「姿」や「五月女」といった『ダウンタウン熱血行進曲』以降に登場したキャラ達も本編にしっかりと絡んでくれる。 --特に冷峰四天王にはそれぞれ四天王に関する人物たち(親衛隊や仲間等)が追加され、描写が豊かになった。 ---「望月」の親友という設定があった「早坂」は実際に「チーム望月」として一緒に登場し、望月が倒されると逆上して襲ってくる。望月自身もケンカ好きで、潔い好人物。 ---「千里台」と「花園高校」を争わせた「平」の策略も花園高校の生徒を偽って千里台を襲撃するという形で語られる。平自身もハッタリや卑劣な手段を使う頭脳派である面が強調されている。 ---「木下」はFC版に比べると寡黙になりイメージが変わったが、「実力はさほどでもない」「キレると手が付けられない」という従来の設定から、倒してもゾンビのようにすぐに立ち上がる設定が追加され、狂化してパワーアップするという新技も追加された。 ---「小林」は冷峰の異変に気付いているが、俯瞰的な視点から物事を見定め、非常に頭のキレるキャラ付けがされている。また、『熱血行進曲』で猛威を振るった「マッハチョップ」をはじめとする技が多数追加され、四天王のヘッドに相応しい強さになっている。 --物語に直接絡まないサブキャラの細かい設定も拾っており、「兄弟の世話に苦労する高峰」や「豪田に助けてもらったちなつ」など、とことんマニアックな設定が使われている部分もある。また、%%時代劇の「仁左衛門」ばかりが出ていて本人が殆ど出ていなかった%%「松戸」もようやく台詞と専用のイベントが用意された。 ---本作が初登場であり、物語に直接絡まない町の不良たちのグループにも意外と細かい設定が組まれており、ぬかりがない。 --本作のストーリーに熱血物語の生みの親である、もけけ関本氏は関わっていないが、それぞれのキャラの性格も従来のイメージを崩す事無く、より膨らませた上で描写されている。 #region(ちなみに、あくのおおぼすの???は…ストーリーの根幹にあたる部分のネタバレ注意) -FC版では唐突に登場した上に、あっさり倒されて意味不明なエンディングを残したラスボス(笑)だった山田にも大幅な描写が追加された。~ 単なるギャグだった「あくのパワー」も含めて詳細な設定が用意されており、ストーリーをこなす事で、「山田がいかにして悪の力を手にして冷峰を裏から支配するようになった」かがわかるようになっている。~ 加えて、中学時代のくにおとの関係についても語られ、タイマンを挑んだものの、くにおが放棄した事によって決着をつけられず、その後、悪の力を身につけて挑もうとしたものの、~ 既にスポーツで名をあげ、名声を得たくにおに、今更タイマンを挑んだ所で無意味であると悟り、くにおがまだ行っていない(興味を持っていない)全国制覇を成し遂げる事で復讐を遂げるつもりだった事が語られる。~ その為に悪の力で冷峰を支配し、ダブルドラゴン兄弟を操り、自らが考えたパー券による上納金のシステムを実行させ、自らは鬼塚に代わって生徒会長となり、他校との交流(洗脳)に励むという、まごう事なく悪を突き進むキャラとなった。~ また、弱かったFC版とは違い、「山田の術」をはじめとする強力な必殺技を多数持ち、設定どおりにダブルドラゴン兄弟を凌ぐ最強のボスとなり、非常に強くなっている。~ 真のエンディングをむかえる為には山田に関する様々なイベントをこなす必要があり、また、イベントをこなせていなかった場合は戦う事すら出来ない。~ それまでのシリーズでは何かとギャグキャラ的な扱いが多かった山田だが、本作では名実ともに悪の大ボスとして君臨している。%%のだが、あまりにボスとしての完成度が高すぎるため、かえって山田らしくなくなった%% #region(さらに真のエンディングをむかえると…) -隠しモードとして山田を主人公とした「冷血硬派やまだくん」が解放される。FC版の彼の台詞である''「つぎのげーむは ねっけつこうは やまだくんだっ! えへへ 」がまさかの実現''というサプライズ。 -山田を操作して悪の力を身に着け、冷峰を支配するまでの本編の前日譚をプレイする事が出来る。山田は高能力で専用の必殺技を多数持つが「熱血カウンター」が使えず、ポーズやセーブも出来ない為、やられると即ゲームオーバーという難易度の高いモードとなっている。 -前日譚であることから服部学園時代の「竜一」と「竜二」が登場するという珍しいシーンもある。 #endregion #endregion -また、近年の作品で見られる続編ありきの展開はなく、しっかりと本編でストーリーが完結する。~ 原作からして説明不足だったエンディングも補完がなされ、『ダウンタウン熱血行進曲』へ続くようになっている((とあるエンディングではPS3等で発売された『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会 ~オールスタースペシャル~ 』のストーリーモードの1シーンが再現されている。))。 ''熱い展開'' -緻密なストーリーだけではなく、全体的に熱い展開も多い。 --ダウンタウンシリーズはコミカル重視の作品が多かったが、今回は防衛や裏切り、ケンカを繰り返す事で互いに理解しあうと言った熱血硬派シリーズにも劣らない熱く硬派な展開が目白押しである。 ---もちろん、敵キャラの台詞がいつも以上にメタ発言を炸裂している等、ダウンタウンシリーズらしいコミカルな一面も忘れてはいない。 --くにおはFC版に比べるとよく喋るようになったがイメージは崩さず、弱きを助け、売られたケンカはすべて買うという硬派に恥じないキャラになっている。 ---…というのも本作では''何かと理由をつけて理不尽にケンカを売ってくるキャラが異様に多い''が、くにおはすべて真っ向から叩き伏せる。%%トラブル体質なのは、ひろしじゃなくて、くにおなんじゃあ…%% ---また、本作のナレーションは「くにおの独白」になっている。飲食店で物を食べた時や、いやらし本を読んだ時などに高校生らしい(?)感想を聞かせてくれる。 #region(FC版に近い展開になった場合は…) 四天王を倒したくにおの下に、ひろしから「花園高校が冷峰学園の傘下に入った」という知らせが入る~ りきの彼女の真美がさらわれた為にやむを得ず降る事になってしまったのだ。~ そしてそれまでの情報から、冷峰学園が熱血への襲撃を計画しているという事を知ったくにおは、仲間を置いてただ一人で冷峰へと乗り込む決意をする。~ ちょうどその頃、りきも真美を救うためにただ一人で冷峰へと向かう最中であり、くにおは、りきに共闘を申し出、共に悪の根源の冷峰に乗り込むのだった。~ ここでFC版のOPのやり取りが繰り広げられるのだが、FC版よりも絶望的な状況かつ、最終決戦の幕開けという非常に熱いシチュエーションになっている。 #endregion -また一度に登場する敵の数が増え、多人数でのケンカが繰り広げられるようになった。一度に20人近くの不良を相手に戦わなければならず、しかも全員が容赦なく一斉に攻撃してくるのでアクションの面でも熱い。 --しかし熱血カウンターや超必殺技と言った対抗手段があるために理不尽な難易度にはならず、逆に多人数の不良を蹴散らすという爽快感が得られる。展開次第では1対100といった[[無双シリーズ]]さながらのケンカになる事も。 --一対多数だけではなく、特定の高校との共闘、三つ巴など、ケンカのシチュエーションも増えた為、不良同士の抗争という雰囲気はぐっと増した。 ''大幅に増したボリューム'' -近年、ボリューム不足な作品が多かったシリーズだが、本作はフリーシナリオ故に何周もプレイする必要があり、高難易度への挑戦、良装備を得るためのハックアンドスラッシュ、FoDD2016といったやり込み要素が多くボリューム満点となっている。 --真のエンディングを見る為には緻密なフラグ管理をする必要があり、達成できるようになるには何週かのプレイ経験が必要となる。 ---失敗する事がトリガーになっていたり、選択肢で分岐するイベントも多数あるので、全てのイベントを見るにはそれなりに周回が必要。 --また、イベントリストに載っていないような小イベントも多く、意外な所で意外な人物に会う事も… ''骨太でよく練られたバランス'' -それまでのシリーズではレベルやステータスを最大に上げると、ほぼ無敵になる事が多かったが、本作の高難易度は''レベルを最大に上げてようやくスタート地点''と呼べるほど難易度が高い。 --…というのも、レベルによって上がるパラメーターよりも装備品による補正の方がはるかに大きい為((ただし、重要となるのは元のパラメータに倍率補正がかかるスキルである為、やはり高レベルである必要がある。))、高難易度をクリアするには良装備品のハックアンドスラッシュが欠かせない。 --難易度間のバランスの変化もかなり激しい。「軟派」で無双できるような状態になっても「硬派」では苦戦する。最初から「硬派」をプレイすると、説明文通りにシリーズ熟練者でも苦戦する。 --パラメーターを突き詰めて伸ばして有用な特殊スキルを身に着ければ、最高難易度でも難なく立ち回れるのだが、全ての能力を満遍なく最大値に近づける事は非常に難しく、万能なキャラクターを作りにくいために個々のプレイヤーの特色が出やすくなっている。 --パラメーターが足りないと1ダメージしか与える事が出来ず、必殺技の場合、攻撃すればするほどSPが枯渇するという事態に陥る。しかし高威力の攻撃をガードする事でSPを回復させる事が可能である為、ダメージが通る技や熱血カウンターをうまく使う事で、強敵でも立ち向かえる。 ---必殺技はやみくもに装備すればよいのではなく、パラメーターが低い系統の技はかえって足かせになる。また、SP消費量のバランスにも気を付けなければすぐにSPが枯渇して技が出せなくなるなど色々と気を使う必要がある。 ---技の種類は多いが、高威力だが隙の大きい「正拳突き」、火力は低いが手数が多い「マッハパンチ」と住み分けが出来ており、現在のパラメーターや使いやすさと相談し、カスタマイズをしっかりと考える事も重要。 ''キャラクターのモーションが豊富'' -乱闘協奏曲でもイベント中には多少モーションをするようになったが、それがさらにパワーアップし、ほとんどのメインキャラに専用のイベントモーションが多数用意されるなど、かなり細かく動くようになった。 --ただの構えですらパターンが違う事が多く、「顔のパターン以外を共通化」というシリーズの特徴からはやや外れた形になる。しかし、これにより表現力が大きく上がっているので思い切って変えた部分とみるべきか。 --また、新たに追加された超必殺技もド派手なモーションが豊富に用意されており、爽快感に繋がっている。 **問題点 ''りきの扱いが地味'' -りきの出番が少なく、操作する事が出来ない。FC版ではくにおとりきが初めて共闘した作品なので、りきの影が薄いのは残念な所。 --他のNPCと異なり専用必殺技、超必殺技を持たず、FoDD2016でも、りきに該当するキャラがいないという徹底したハブられよう。 --本作は元々本編でもマルチプレイが可能であるという仕様だったが、発売延期を繰り返した挙句にカットされたという経緯がある。もしカットされなかったら、りきが2Pで操作できる事もあったかもしれない。 ---…が、Ver1.1で通信プレイが可能となり、りきもめでたく使用する事が出来るようになった。 ''イベントスキップできない'' -Rボタンで早送りは可能であるものの、長台詞を喋るイベントも多いため、周回を重ねると煩雑になってくる。 --エンディングのスタッフロールも毎回すべて見せられるので殊更煩雑。こちらも一応Rボタンで少しだけ早送りをする事が可能だが… ''話しかける範囲の狭さ'' -店の中にいるイベントキャラに話しかける範囲が狭く、話しかけようとして殴ってしまい、店を追い出される事が多々ある。一応、話しかけられる状態になると「!」マークが出るのだが… ''図鑑の仕様'' -とあるイベントの発生条件が間違っており、図鑑の通りにしてもイベントが発生しない。 --よりにもよって、そのイベントが真のエンディングの為の必須イベントの起点となる為、真のエンディングを見る為の難易度が上がってしまった。 --Ver1.1でイベント発生条件のヒントが修正された。 -キャラの紹介やイベントリストの名前など、黒幕やそれに関する人物含めて''ネタバレ上等''となっている。イベントの紹介に関しては一度見るまでは確認出来ないような処置が施されているが、もう少し隠してほしかった所 ''進行状況を確認しづらい'' -ゲーム内での約束事(時間、待ち合わせ場所)はメモの形で見る事が出来るが、その周でこなしてきたイベントの内容は見る事が出来ず、一周を長くプレイしていると、どのイベントをこなしたかを忘れがちになる。 --図鑑内では発生済みのイベントにチェックが入るが、今までの周回の中で発生させたイベントにつくものである為、プレイ中の目安にはならない。 ''装備売却の面倒さ'' -売れる店舗が1つしかない。ハクスラがメインであるため装備品が溜まりやすい本作では非常に面倒。 --更に、当初はまとめて売る事ができなかった(Ver1.1でまとめ売りが可能になった)。 ---- **総評 リメイク作品でありながら設定を除いては原作に準ずる部分はほぼなく、くにおくんシリーズの完全新作と言ってもいいほどの変貌を遂げた作品。~ 公式ページの紹介文にある通り、リメイクというよりは完全リニューアルと言った方が正しいのかもしれない。~ しかし、何もかもが変わった故にシリーズ経験者であっても新鮮で、かつ、お馴染みのキャラクター達の新たなストーリーを楽しむ事が出来る。~ シリーズ未経験者であっても、シンプルかつ奥が深いゲーム性である為にすぐになじむ事が出来るだろう。~ アーク製のくにおくんシリーズはやや、旧作にとらわれ過ぎており、足を引っ張っている部分が見られたが、~ 本作は旧作にとらわれずにうまく脱却し、新しいくにおくんを作ろうという意気込みが十二分に感じられる力作である。 ---- **余談 -FoDDに登場する「アレックス」「サイモン」「ロキシー」は『ダウンタウン熱血物語』の海外版『River City Ransom』における該当キャラの名前である。 -図鑑のキャラ紹介ではキャラの名前がフルネームで紹介されるが、「りき」の苗字は無くなり、「くにお」や「ひろし」と同様に名前のみで紹介されるようになった。 --りきは最初期は「雲雀」という苗字だったが、後に「鮫島」という苗字で定着していた。しかし近年は作者である岸本氏によって「りきの苗字は好きに決めてほしい」という意向で、苗字が無くなったという経緯をもつ。 -また、初めて「ダブルドラゴン兄弟」と『[[ダブルドラゴン]]』の関係に暗に触れた作品でもある。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: