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*新SD戦国伝 大将軍列伝 【しんえすでぃーせんごくでん だいしょうぐんれつでん】 |ジャンル|リアルタイムシミュレーションRPG|&ref(sdgundam.jpg)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|12MbitROMカートリッジ|~| |発売元|ベック|~| |開発元|ベック、テクノサイト|~| |発売日|1995年4月21日|~| |定価|9,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|武者頑駄無シリーズ5作目が題材&br()オールスターゲームの側面を持つ&br()|~| |>|>|CENTER:''[[SDガンダムシリーズリンク>SDガンダムシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 SDガンダムのシリーズの一つである武者頑駄無を題材としたゲーム。~ シリーズ第5作である『伝説の大将軍編』を題材としており、ストーリー展開もプラモデルの取説付属の漫画であるコミックワールドに準じた展開となっている。~ このゲームが出た当時の武者頑駄無シリーズは第7作である『超機動大将軍編』が展開されていた。 **特徴・評価点 -インターフェースやメッセージが徹底して純和風に統一されており、非常に個性的。 --数字は全て漢数字、「ダメージ」は「痛手」、「はい/いいえ」は「うむ!/いかん!」に置き換えられているなど、なるべく横文字を廃する武者頑駄無の世界観((『SDコマンド戦記』のキャラクターである「ガンセイヴァー」が『SD戦国伝』の世界に転移してきた結果「頑星刃」になってしまうほど。))をよく再現していて、雰囲気をより高めてくれる。 ---例えば「120のダメージを受けた」という意味のメッセージは「一二〇の痛手を受けた」と表示される。 --ステータスやキャラクター・技の名前は全て原作に準じた漢字で表記されており、当時のゲームとしては圧巻の漢字の種類。 --フォントも見栄えのいい楷書体が用いられており、細部までこだわりが感じられる。 -戦闘アニメのON・OFFが設定できる、文字表示速度の変更ができるなど、当時にしてはシステム面が優秀で、痒いところに手が届く。 --昨今では当たり前ながら、当時はスーパーロボット大戦シリーズを始め、未実装のゲームも多かった。 -シナリオは通常合戦30章+特別合戦20章を合わせた全50章で、キャラゲーとしてはかなりのボリューム。 --特別合戦は一定の条件を満たすことによって攻略が可能となるシナリオ。「民家で話を聞く」など発生条件はそれほど難しくないため、普通にプレイしていても大半は出現させることができる。 --要するに側道だが、中には時空の歪みによって過去の世界へタイムスリップし、他シリーズの話に介入するというストーリーもある。 ---ゲームオリジナルのクロスオーバーであり、過去の武者達と轡を並べて戦う光景はファンにとっては感動もの。 -敵味方合わせて100体を超える((流星、烈空、流星副将軍など、同じグラフィックで能力の異なるキャラクターを含めない。))数多くのキャラクターが登場。マイナーどころもおさえている。 --主役の頑駄無陣はもちろん、風車の百式とうっかりざくれろといったコメディリリーフも登場。 --前作である『地上最強編』からも多くのキャラクターが続投している。 ---原作でも続投した蒼龍頑駄無や紅龍頑駄無に留まらず、飛銀や射鋭、大蛇飛駆塞虫や九尾犬といった『伝説の大将軍編』で出番のなかったキャラクターまで登場する。 --前述の過去編のシナリオにより、『風林火山編』の「新生武者五人衆」「風林火山四天王」などの過去シリーズの主役級キャラクター達、更には漣飛威、璽悪、剣舞風荒などの過去の闇軍団のキャラクターまで網羅されている。 ---殺駆三兄弟とスイカ割り対決をするシナリオまで用意されている。 --次回作である『七人の超将軍編』からのキャラクターも登場。鉄斗羅が闇軍団の一員として登場するなど、芸が細かい。((『七人の超将軍編』にて語られた、かつて闇軍団に所属していたという設定を再現したもの。)) -緻密に書き込まれたグラフィック。 --コミックワールドやプラモデルのデザインに忠実に、巧みなグラデーションによって独特の光沢を残した見栄えのするキャラクター。 --戦闘アニメは同時期のスパロボのように、キャラクターに武器やエフェクトを重ねることで動かしているように見せる疑似アニメーションだが、エフェクトが綺麗でテンポが良いため中々見応えがある。 ---同時期のスパロボと違い、全てのキャラできちんと武器のグラフィックが個別に用意されており、武器が表示されない・武器の重ね方が不自然といった不満がほとんどない。刀でさえグラフィックを使い回しているキャラは一人もいない。設定にある武器が全て採用されているわけではないが、雑魚キャラですら一人一人きちんと武器のグラフィックを用意している丁寧な作りは本作の作り込みを表しているといえる。 -敵味方を交互に動かすターン制ではなく「セミリアルタイム」を採用している。 --敵味方関係なく「俊敏力」の高さに合わせて行動順が巡ってくる。画面上ではユニットアイコンにカウントダウンを表示することで視覚化しており、カウントが0になったユニットから行動可能になる。 ---大技を使えば次のターンが回ってくるのが遅くなり、何もせず待機すれば早く回って来るため、無駄な行動は控える必要がある。 ---また行動順の早い敵から撃破したり、状態異常によりカウントを鈍化させることができたりと、立ち回り次第で有利な状況に持ち込めるバランスは概ね好評。 -ステータスが意外なほど細かく設定されており、キャラゲーでありながら本格的なS・RPGにも劣らないほど。 --HP、MP((術法の威力を兼ねているため、術攻撃力に相当するパラメータはない。))、攻撃力、防御力、技の攻防力、命中率、回避率、移動力、俊敏力、クリティカル率、出撃コストの11種類。 ---前述の通りこのゲームは独特の表記を用いているため実際はMPは「心力」、クリティカル率は「気合度」などの表記だが、ここでは一般的な単語に訳している。 --見せかけだけの死にパラメータもなく、全て重要な要素として機能している。 --加えて後述の属性、武器、必殺技、術法がキャラクターごとに全て異なるため、それぞれ違った個性を持っている。 -キャラクターごとに防御属性、武器ごとに攻撃属性が設定されており、属性相関を意識することで有利に戦える。 --弱点に応じた武器や術法を選択することで大ダメージを与えられるうえ、敵も炎魔忍軍、氷魔忍軍など属性別に編成された部隊であることが多く、一つの攻撃属性で一貫性を狙いやすいのもポイント。 --単にダメージを与えるだけではなく、相手の心力を削ったり、麻痺・凍結・毒などの状態異常を付与する追加効果や、「氷嵐焼尽弾」のように炎と氷を兼ね備えた複合属性攻撃も存在し、当時にしては凝ったシステムと言える。 -攻撃方法は通常攻撃、必殺技、術法の三つに分かれ、バリエーションが極めて豊富。 --通常攻撃はキャラクターごとに1~3種類の武器が決まっており、威力や属性はそれぞれで異なるが剣、槍、弓、銃、砲の5種類に大別されている。 ---剣は隣接位置しか攻撃できないが命中率が高く、攻撃を受けた際に反撃することができる。弓の射程は銃や砲に劣るが飛行敵に対して特攻を持つ。砲は最も射程が長いが命中率が悪い……など一長一短でバランスがとれている。 --必殺技は強力かつ任意に使用することができるが回数に制限があり、シナリオ中に回数を増やす手段はないため、使いどころを考える必要がある。 --術法は強力だが心力を消費する。心力は0になると気絶状態になってしまうデメリットがあるため、乱発は危険を招くが、戦闘中でもアイテムで回復できる。 --通常攻撃は攻撃力、必殺技は技量、術法は心力によって威力が左右されるため、どの攻撃に適しているかはキャラクターによって異なり、状況に応じた使い分けが要求される。 -難易度はかなり高い。敵の能力が高めで中盤から範囲攻撃も使うようになるうえ、AIも賢いと隙のない難しさ。 --火影坊、爆妖飢などの広範囲攻撃を持ったキャラクターが頻出する辺りから顕著になる。 --全体的に命中率が高めであり回避に信用を置けないうえに、反撃は1マス固定であるにもかかわらず遠距離攻撃をしてくる敵が非常に多い。そのため「回避率の高いキャラを単独で進ませ、一通り回避・反撃したところで全軍で叩く」といった安易な戦法は通用しない。 --一定距離まで近付かないと反応しない敵も多く、万全の布陣を組んで近寄ってきた敵を迎え撃つことも難しい。 --逆に言えばマップごとの構成が非常に練られているということでもあり、上級者なら歯ごたえのあるプレイが可能。どうしても駄目ならば、何度でも挑戦可能なマップでレベルアップに励むこともでき、初心者でも安心である。 --キャラの出撃に兵糧(コスト)がかかる。強力なユニットであるほどコストが高いため、何も考えずにいるとすぐに金欠になる。さらにマップから撤退する際にも兵糧を使う。一方で、出撃可能人数に余裕があれば待機キャラを援軍として呼び出すことも出来る。 -戦闘力の低いキャラクターにも何かしらの個性や長所があり、完全な「死にキャラクター」は少ない。((暴呂、電殴、璽武参などのどうしようもない弱キャラもいるが、これは原作再現と見るべきだろう。)) --百式やざくれろは身分が「忍者」であるため壁や屋根の上を移動できる特性を持つほか、百式は技量が高めなため必殺技なら意外に高いダメージを与えることができたり、ざくれろは味方キャラクターで唯一の毒属性攻撃を覚える。 --射鋭は貴重な飛行キャラクターであるためアイテム回収に役立ち、飛銀や鵬猟角も頭数の少ない序盤では十分な戦力、竜尖角や號雷角は数少ない範囲攻撃持ちであるなど。 --また、このゲームでは回復アイテムを自分だけではなく隣接するユニットに対しても使えるため、戦わずに回復役に徹することもできる。 -BGMやSEの質が良く、好評。 --闇皇帝や黒魔神など闇の化身との戦いで流れる禍々しくもハイテンポな曲は人気が高い。 --ただし戦闘が終了するとBGMも切り替わるため、戦闘曲を1ループ聴ける機会は少ない。 -高い難易度への救済か、移動力無限や免許皆伝(レベルMAX)になれる裏ワザコマンドが存在する。 -主人公が倒されるとゲームオーバー。 --こうなるとタイトル画面に戻り、最後に記録した巻物からやり直しとなる。 **問題点 -マスクデータが非常に多い。 --武器や必殺技にはそれぞれ命中率や威力が個別に設定されているのだが、それらをゲーム中に参照することができない。参照できるのは攻撃の属性のみ。 ---例えば「急所突き」や「滅多突き」などの技名が並んでいても、''どちらが強いのかプレイヤーには分からない。''((実際には急所突きは威力が高いが命中が低く、滅多突きは威力は控えめだが命中に優れている。)) ---命中率も表示されない。威力は体感で覚えることもできるが、攻略本なしに命中率の差を把握するのは極めて困難。 ---上記の「氷嵐焼尽弾」のような複合属性もゲーム中では無属性として表示される。 ---「夜に使用すると威力が上昇」といった隠し効果も存在するが、普通にプレイしていると最後まで気付かないこともある。 --バランスも考慮してかなり細かく設定されているだけに、より惜しいものがある。 --一応攻略本にはそれらのデータも掲載されているので確認は可能。また、説明書内にも少しだけ載っていたりする。 -全体的に攻撃が外れやすく、命中値が高いキャラで命中率の高い技を雑魚敵に対して使った場合でも攻撃が連続で外れる事がままある。 --回数制限のある必殺技が外れた場合も回数が減ってしまうため、心力回復手段がある術法主体キャラに対して、必殺技主体キャラは若干不遇である。 -「死にキャラクター」は少ないものの、脇役を終盤まで第一線で活躍させるのは難しい。 --前述のキャラクターのほか、千生頑駄無や天地頑駄無など、後に『七人の超将軍編』で活躍するはずのキャラクターですらやや厳しくなってくる。 ---次代を担うはずの発展途上の若武者が現時点で主役級の能力を持つのもおかしいため、ある意味で絶妙な原作再現とも言えるかもしれない。 ---なぜか爆流頑駄無のみ、育てれば終盤まで前線で戦って行ける能力の高さを持っている。 ---爆流、千生、天地は助けることで仲間になるが、荒鬼は助けてもそこでお別れという人選は謎である。 ---ちなみに雷鳴は未来の世界で飛駆鳥と共闘するシナリオの会話シーンにのみ登場。獣王も特別合戦第十九章のクリア後に愚悪殿村(ぐあでんむら)の民家のジムと入れ替わる形で登場するのみで、ユニットとしては登場しない。 ---また、鉄斗羅は設定通り敵ユニットとして登場するが、仲間には加入できない。ただし、烈光頑駄無で会話する事によって戦わずに離脱させることが可能。 -火属性以外の「~鬼」系の術は誰かしら使えるユニットがいるのだが、なぜか火属性の「火炎鬼の術」のみは使える味方ユニットが存在しない。 -終盤になると序盤のマップには戻ることができず、前述の経験値稼ぎができない。 --そのため終盤に参入したキャラクターはその時点での能力が高くない限り、そのまま二軍入りすることも。 -BGMの出来は良いが、種類はそれほど多くなく、紫電鬼や四軍団長などの中ボス用の曲が欲しかったという声も多い。 -武神頑駄無が内部データは存在しているがゲーム中に出現しない。 -特別合戦20章の出現条件が厳しい。 --通常合戦30章をクリアするまでに特別合戦を計17章以上クリアしていることが条件。 ---20章を除いた19分の17もの隠しシナリオを発見しなければならないのである。猶予はたった二つだけ。 ---中には「殺駆雲斎の偽物がひしめく中、本物の殺駆雲斎に一回で話しかける」「仁宇or将頑駄無で漣飛威を説得後、三代目大将軍で闇将軍を倒す」など難度の高いものもあるため((一応ゲーム中にヒントはある。))、初見で達成するのは意外と難しい。 --特別合戦20章は真の最終決戦とも言える重要かつ熱い展開となっているため、「特別合戦を三つ見逃したばかりに最終決戦をプレイすることができない」というのはあんまりである。 #region(その内容) 「光と闇の最終決戦!!」 -歴代の頑駄無軍団と闇軍団が時空を超えて集結し、五大将軍と闇皇帝、黒魔神、黒魔神闇皇帝、闇帝王が激突するという壮大なストーリーとなっている。 --復活した闇の化身が一堂に会する姿はシリーズ11作目である『ムシャ戦記 光の変幻編』にて描かれたが、今作はそれに先駆けており、当時はかなりのサプライズであった。 ---さらにこのマップに登場する本作オリジナルの真のラスボスは、デザインが伝説の大将軍までのSD戦国伝のラスボス((黒魔神闇皇帝、闇大帝頑駄無、闇帝王))を合体させたオマージュ的なものになっている。 そしてこの真ラスボスが、24年後に発売された「LEGENDBB 新世大将軍」のコミックワールドにサプライズで登場。まさかの逆輸入となった。 #endregion **総評 -シミュレーションRPGとしてはオーソドックスな内容だが、高水準なバランスでまとまった作りになっており、武者頑駄無への愛を感じるストーリーやキャラクター関連の作り込みは、SDガンダムファンから高評価を受けている。 -本作のシステムは『[[新SD戦国伝 機動武者大戦]]』に受け継がれている。 //良作への判定変更が提案されていたので、それに合わせて原文をある程度残したまま記事内容を加筆しました。
*新SD戦国伝 大将軍列伝 【しんえすでぃーせんごくでん だいしょうぐんれつでん】 |ジャンル|リアルタイムシミュレーションRPG|&ref(sdgundam.jpg)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|12MbitROMカートリッジ|~| |発売元|ベック|~| |開発元|ベック、テクノサイト|~| |発売日|1995年4月21日|~| |定価|9,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|武者頑駄無シリーズ5作目が題材&br()オールスターゲームの側面を持つ&br()|~| |>|>|CENTER:''[[SDガンダムシリーズリンク>SDガンダムシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 SDガンダムのシリーズの一つである武者頑駄無を題材としたゲーム。~ シリーズ第5作である『伝説の大将軍編』を題材としており、ストーリー展開もプラモデルの取説付属の漫画であるコミックワールドに準じた展開となっている。~ このゲームが出た当時の武者頑駄無シリーズは第7作である『超機動大将軍編』が展開されていた。 **特徴・評価点 -インターフェースやメッセージが徹底して純和風に統一されており、非常に個性的。 --数字は全て漢数字、「ダメージ」は「痛手」、「はい/いいえ」は「うむ!/いかん!」に置き換えられているなど、なるべく横文字を廃する武者頑駄無の世界観((『SDコマンド戦記』のキャラクターである「ガンセイヴァー」が『SD戦国伝』の世界に転移してきた結果「頑星刃」になってしまうほど。))をよく再現していて、雰囲気をより高めてくれる。 ---例えば「120のダメージを受けた」という意味のメッセージは「一二〇の痛手を受けた」と表示される。 --ステータスやキャラクター・技の名前は全て原作に準じた漢字で表記されており、当時のゲームとしては圧巻の漢字の種類。 --フォントも見栄えのいい楷書体が用いられており、細部までこだわりが感じられる。 -戦闘アニメのON・OFFが設定できる、文字表示速度の変更ができるなど、当時にしてはシステム面が優秀で、痒いところに手が届く。 --昨今では当たり前ながら、当時はスーパーロボット大戦シリーズを始め、未実装のゲームも多かった。 -シナリオは通常合戦30章+特別合戦20章を合わせた全50章で、キャラゲーとしてはかなりのボリューム。 --特別合戦は一定の条件を満たすことによって攻略が可能となるシナリオ。「民家で話を聞く」など発生条件はそれほど難しくないため、普通にプレイしていても大半は出現させることができる。 --要するに側道だが、中には時空の歪みによって過去の世界へタイムスリップし、他シリーズの話に介入するというストーリーもある。 ---ゲームオリジナルのクロスオーバーであり、過去の武者達と轡を並べて戦う光景はファンにとっては感動もの。 -敵味方合わせて100体を超える((流星、烈空、流星副将軍など、同じグラフィックで能力の異なるキャラクターを含めない。))数多くのキャラクターが登場。マイナーどころもおさえている。 --主役の頑駄無陣はもちろん、風車の百式とうっかりざくれろといったコメディリリーフも登場。 --前作である『地上最強編』からも多くのキャラクターが続投している。 ---原作でも続投した蒼龍頑駄無や紅龍頑駄無に留まらず、飛銀や射鋭、大蛇飛駆塞虫や九尾犬といった『伝説の大将軍編』で出番のなかったキャラクターまで登場する。 --前述の過去編のシナリオにより、『風林火山編』の「新生武者五人衆」「風林火山四天王」などの過去シリーズの主役級キャラクター達、更には漣飛威、璽悪、剣舞風荒などの過去の闇軍団のキャラクターまで網羅されている。 ---殺駆三兄弟とスイカ割り対決をするシナリオまで用意されている。 --次回作である『七人の超将軍編』からのキャラクターも登場。鉄斗羅が闇軍団の一員として登場するなど、芸が細かい。((『七人の超将軍編』にて語られた、かつて闇軍団に所属していたという設定を再現したもの。)) -緻密に書き込まれたグラフィック。 --コミックワールドやプラモデルのデザインに忠実に、巧みなグラデーションによって独特の光沢を残した見栄えのするキャラクター。 --戦闘アニメは同時期のスパロボのように、キャラクターに武器やエフェクトを重ねることで動かしているように見せる疑似アニメーションだが、エフェクトが綺麗でテンポが良いため中々見応えがある。 ---同時期のスパロボと違い、全てのキャラできちんと武器のグラフィックが個別に用意されており、武器が表示されない・武器の重ね方が不自然といった不満がほとんどない。刀でさえグラフィックを使い回しているキャラは一人もいない。設定にある武器が全て採用されているわけではないが、雑魚キャラですら一人一人きちんと武器のグラフィックを用意している丁寧な作りは本作の作り込みを表しているといえる。 -敵味方を交互に動かすターン制ではなく「セミリアルタイム」を採用している。 --敵味方関係なく「俊敏力」の高さに合わせて行動順が巡ってくる。画面上ではユニットアイコンにカウントダウンを表示することで視覚化しており、カウントが0になったユニットから行動可能になる。 ---大技を使えば次のターンが回ってくるのが遅くなり、何もせず待機すれば早く回って来るため、無駄な行動は控える必要がある。 ---また行動順の早い敵から撃破したり、状態異常によりカウントを鈍化させることができたりと、立ち回り次第で有利な状況に持ち込めるバランスは概ね好評。 -ステータスが意外なほど細かく設定されており、キャラゲーでありながら本格的なS・RPGにも劣らないほど。 --HP、MP((術法の威力を兼ねているため、術攻撃力に相当するパラメータはない。))、攻撃力、防御力、技の攻防力、命中率、回避率、移動力、俊敏力、クリティカル率、出撃コストの11種類。 ---前述の通りこのゲームは独特の表記を用いているため実際はMPは「心力」、クリティカル率は「気合度」などの表記だが、ここでは一般的な単語に訳している。 --見せかけだけの死にパラメータもなく、全て重要な要素として機能している。 --加えて後述の属性、武器、必殺技、術法がキャラクターごとに全て異なるため、それぞれ違った個性を持っている。 -キャラクターごとに防御属性、武器ごとに攻撃属性が設定されており、属性相関を意識することで有利に戦える。 --弱点に応じた武器や術法を選択することで大ダメージを与えられるうえ、敵も炎魔忍軍、氷魔忍軍など属性別に編成された部隊であることが多く、一つの攻撃属性で一貫性を狙いやすいのもポイント。 --単にダメージを与えるだけではなく、相手の心力を削ったり、麻痺・凍結・毒などの状態異常を付与する追加効果や、「氷嵐焼尽弾」のように炎と氷を兼ね備えた複合属性攻撃も存在し、当時にしては凝ったシステムと言える。 -攻撃方法は通常攻撃、必殺技、術法の三つに分かれ、バリエーションが極めて豊富。 --通常攻撃はキャラクターごとに1~3種類の武器が決まっており、威力や属性はそれぞれで異なるが剣、槍、弓、銃、砲の5種類に大別されている。 ---剣は隣接位置しか攻撃できないが命中率が高く、攻撃を受けた際に反撃することができる。弓の射程は銃や砲に劣るが飛行敵に対して特攻を持つ。砲は最も射程が長いが命中率が悪い……など一長一短でバランスがとれている。 --必殺技は強力かつ任意に使用することができるが回数に制限があり、シナリオ中に回数を増やす手段はないため、使いどころを考える必要がある。 --術法は強力だが心力を消費する。心力は0になると気絶状態になってしまうデメリットがあるため、乱発は危険を招くが、戦闘中でもアイテムで回復できる。 --通常攻撃は攻撃力、必殺技は技量、術法は心力によって威力が左右されるため、どの攻撃に適しているかはキャラクターによって異なり、状況に応じた使い分けが要求される。 -難易度はかなり高い。敵の能力が高めで中盤から範囲攻撃も使うようになるうえ、AIも賢いと隙のない難しさ。 --火影坊、爆妖飢などの広範囲攻撃を持ったキャラクターが頻出する辺りから顕著になる。 --全体的に命中率が高めであり回避に信用を置けないうえに、反撃は1マス固定であるにもかかわらず遠距離攻撃をしてくる敵が非常に多い。そのため「回避率の高いキャラを単独で進ませ、一通り回避・反撃したところで全軍で叩く」といった安易な戦法は通用しない。 --一定距離まで近付かないと反応しない敵も多く、万全の布陣を組んで近寄ってきた敵を迎え撃つことも難しい。 --逆に言えばマップごとの構成が非常に練られているということでもあり、上級者なら歯ごたえのあるプレイが可能。どうしても駄目ならば、何度でも挑戦可能なマップでレベルアップに励むこともでき、初心者でも安心である。 --キャラの出撃に兵糧(コスト)がかかる。強力なユニットであるほどコストが高いため、何も考えずにいるとすぐに金欠になる。さらにマップから撤退する際にも兵糧を使う。一方で、出撃可能人数に余裕があれば待機キャラを援軍として呼び出すことも出来る。 -戦闘力の低いキャラクターにも何かしらの個性や長所があり、完全な「死にキャラクター」は少ない。((暴呂、電殴、璽武参などのどうしようもない弱キャラもいるが、これは原作再現と見るべきだろう。)) --百式やざくれろは身分が「忍者」であるため壁や屋根の上を移動できる特性を持つほか、百式は技量が高めなため必殺技なら意外に高いダメージを与えることができたり、ざくれろは味方キャラクターで唯一の毒属性攻撃を覚える。 --射鋭は貴重な飛行キャラクターであるためアイテム回収に役立ち、飛銀や鵬猟角も頭数の少ない序盤では十分な戦力、竜尖角や號雷角は数少ない範囲攻撃持ちであるなど。 --また、このゲームでは回復アイテムを自分だけではなく隣接するユニットに対しても使えるため、戦わずに回復役に徹することもできる。 -BGMやSEの質が良く、好評。 --闇皇帝や黒魔神など闇の化身との戦いで流れる禍々しくもハイテンポな曲は人気が高い。 --ただし戦闘が終了するとBGMも切り替わるため、戦闘曲を1ループ聴ける機会は少ない。 -高い難易度への救済か、移動力無限や免許皆伝(レベルMAX)になれる裏ワザコマンドが存在する。 -主人公が倒されるとゲームオーバー。 --こうなるとタイトル画面に戻り、最後に記録した巻物からやり直しとなる。 **問題点 -マスクデータが非常に多い。 --武器や必殺技にはそれぞれ命中率や威力が個別に設定されているのだが、それらをゲーム中に参照することができない。参照できるのは攻撃の属性のみ。 ---例えば「急所突き」や「滅多突き」などの技名が並んでいても、''どちらが強いのかプレイヤーには分からない。''((実際には急所突きは威力が高いが命中が低く、滅多突きは威力は控えめだが命中に優れている。)) ---命中率も表示されない。威力は体感で覚えることもできるが、攻略本なしに命中率の差を把握するのは極めて困難。 ---上記の「氷嵐焼尽弾」のような複合属性もゲーム中では無属性として表示される。 ---「夜に使用すると威力が上昇」といった隠し効果も存在するが、普通にプレイしていると最後まで気付かないこともある。 --バランスも考慮してかなり細かく設定されているだけに、より惜しいものがある。 --一応攻略本にはそれらのデータも掲載されているので確認は可能。また、説明書内にも少しだけ載っていたりする。 -全体的に攻撃が外れやすく、命中値が高いキャラで命中率の高い技を雑魚敵に対して使った場合でも攻撃が連続で外れる事がままある。 --回数制限のある必殺技が外れた場合も回数が減ってしまうため、心力回復手段がある術法主体キャラに対して、必殺技主体キャラは若干不遇である。 -「死にキャラクター」は少ないものの、脇役を終盤まで第一線で活躍させるのは難しい。 --前述のキャラクターのほか、千生頑駄無や天地頑駄無など、後に『七人の超将軍編』で活躍するはずのキャラクターですらやや厳しくなってくる。 ---次代を担うはずの発展途上の若武者が現時点で主役級の能力を持つのもおかしいため、ある意味で絶妙な原作再現とも言えるかもしれない。 ---なぜか爆流頑駄無のみ、育てれば終盤まで前線で戦って行ける能力の高さを持っている。 ---爆流、千生、天地は助けることで仲間になるが、荒鬼は助けてもそこでお別れという人選は謎である。 ---ちなみに雷鳴は未来の世界で飛駆鳥と共闘するシナリオの会話シーンにのみ登場。獣王も特別合戦第十九章のクリア後に愚悪殿村(ぐあでんむら)の民家のジムと入れ替わる形で登場するのみで、ユニットとしては登場しない。 ---また、鉄斗羅は設定通り敵ユニットとして登場するが、仲間には加入できない。ただし、烈光頑駄無で会話する事によって戦わずに離脱させることが可能。 -火属性以外の「~鬼」系の術は誰かしら使えるユニットがいるのだが、なぜか火属性の「火炎鬼の術」のみは使える味方ユニットが存在しない。 -終盤になると序盤のマップには戻ることができず、前述の経験値稼ぎができない。 --そのため終盤に参入したキャラクターはその時点での能力が高くない限り、そのまま二軍入りすることも。 -BGMの出来は良いが、種類はそれほど多くなく、紫電鬼や四軍団長などの中ボス用の曲が欲しかったという声も多い。 -武神頑駄無が内部データは存在しているがゲーム中に出現しない。 -特別合戦20章の出現条件が厳しい。 --通常合戦30章をクリアするまでに特別合戦を計17章以上クリアしていることが条件。 ---20章を除いた19分の17もの隠しシナリオを発見しなければならないのである。猶予はたった二つだけ。 ---中には「殺駆雲斎の偽物がひしめく中、本物の殺駆雲斎に一回で話しかける」「仁宇or将頑駄無で漣飛威を説得後、三代目大将軍で闇将軍を倒す」など難度の高いものもあるため((一応ゲーム中にヒントはある。))、初見で達成するのは意外と難しい。 --特別合戦20章は真の最終決戦とも言える重要かつ熱い展開となっているため、「特別合戦を三つ見逃したばかりに最終決戦をプレイすることができない」というのはあんまりである。 #region(その内容) 「光と闇の最終決戦!!」 -歴代の頑駄無軍団と闇軍団が時空を超えて集結し、五大将軍と闇皇帝、黒魔神、黒魔神闇皇帝、闇帝王が激突するという壮大なストーリーとなっている。 --復活した闇の化身が一堂に会する姿はシリーズ11作目である『ムシャ戦記 光の変幻編』にて描かれたが、今作はそれに先駆けており、当時はかなりのサプライズであった。 ---さらにこのマップに登場する本作オリジナルの真のラスボスは、デザインが伝説の大将軍までのSD戦国伝のラスボス((黒魔神闇皇帝、闇大帝頑駄無、闇帝王))を合体させたオマージュ的なものになっている。 そしてこの真ラスボスが、24年後に発売された「LEGENDBB 新世大将軍」のコミックワールドにサプライズで登場。まさかの逆輸入となった。 #endregion **総評 -シミュレーションRPGとしてはオーソドックスな内容だが、高水準なバランスでまとまった作りになっており、武者頑駄無への愛を感じるストーリーやキャラクター関連の作り込みは、SDガンダムファンから高評価を受けている。 -本作のシステムは『[[新SD戦国伝 機動武者大戦]]』に受け継がれている。 //良作への判定変更が提案されていたので、それに合わせて原文をある程度残したまま記事内容を加筆しました。

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