ナナシ ノ ゲエム
【ななし の げえむ】
| ジャンル | ホラーアドベンチャー |  
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| 対応機種 | ニンテンドーDS | 
| 発売元 | スクウェア・エニックス | 
| 開発元 | エピックス | 
| 発売日 | 2008年7月3日 | 
| 定価 | 4,800円 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | お化け屋敷ゲーとも揶揄される サウンドの演出は非常に良い
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概要
「呪いのゲーム」をテーマとしたスクウェア・エニックス初のホラーゲーム。
あくまでスクエニとして初。厳密には旧エニックス時代に『アンジェラス 悪魔の福音』(PC88)や『The FEAR』(PS2)といったホラーAVGが出ている。
FC時代のようなバグや画面の乱れを取り込んだ演出が特徴。
問題点
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操作性がとにかく悪い。
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本作は基本DSを横持ちした上、3Dマップで展開されるが、移動の操作がとにかく煩雑。
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具体的には、タッチペンで画面中央をタップor十字キーの上を押すことで前に進むことができる。
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だが、それだとかなり遅いため少しでも快適にプレイしようと思えばダッシュ(上記動作を同時に行う)が必須。
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その上で視点移動をタッチペンをスライドして行わなければならず、思うように動いてくれないことが多い。また視点がよく回るため酔いやすい。
 
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ホラーゲームにおいては不自由さが怖さを増幅させる面もあるが、その点を考慮してもかなりのストレス要素である。
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他にも、「呪いのゲーム」をプレイするTS(他にもメールの受信、ロード、中断が可能)を開く際はDSの起動画面に準じて縦持ち。
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つまり、TS画面に遷移する度にいちいち向きを持ち替えなければならない。プレイヤーは面倒に感じること請け合い。
 
 
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ゲーム性の低さ
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探索・謎解きなどは一切なく、プレイヤーは恐ろしげな建物の中を一本道に進むだけ。
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厳密に言えば追ってくるルグレに触れてしまうとゲームオーバーになるため、機会に応じて逃げる必要はある。
 
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マップには突然鏡が割れたり、物が倒れたりなどびっくりするような演出が仕込まれている。ルグレの存在も相俟って恐怖感は強いが、プレイヤーは干渉できないため変わり映えしないのは否めない。
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本作が「お化け屋敷ゲー」とも揶揄されるように、あくまでも雰囲気を楽しむゲーム設計になっている。
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「呪いのゲーム」に関しても完全にストーリーと連動しており単独でのプレイは出来ず、マップも狭い。
 
 
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ストーリーも難点あり。
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題材は良いのだが、風呂敷を畳むのがいまいち。取って付けたようないい感じのエンディングはよく批判の対象となる。
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具体的に言うとゲームで呪い殺された人物がそれぞれ主人公に語りかけてくるのだが、不自然な程に吹っ切れている。やたら好意的であっさりしたメッセージしか言わない。
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特に元凶と言っていい人物の所謂善人ムーブは槍玉に挙げられやすい。
 
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ボリュームも薄く、クリアまでに7時間とかからない。
 
評価点
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サウンドの演出はとても良い。
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スピーカー推奨なだけあって非常に凝っている。
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また、メロディーが耳に残るメインテーマも好評。
 
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「呪いのゲーム」が現実世界とリンクしバグを起こしていく独特な演出に関しても好評である。
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初見時の恐怖感はかなりのもの。ホラーゲームとして一定以上の水準は満たしている。
総評
現実がゲームの世界に侵食されるホラーという題材は良かったものの、ゲーム性の低さやストーリーの薄さは否めない。
サウンドや演出面は好評であり、肝心である恐怖感も強い。雰囲気ゲーとしてはオススメできる一作である。
その後の展開
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2009年には続編である『ナナシ ノ ゲエム 目』が発売された。
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上記の問題点を改善しようという試みは見受けられるが、システム面はあまり改善されておらず、やはり評価できる点はあっても良作となるには至っていないゲームになっている。
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しかしながら、最後に見られるトゥルーEDはかなり恐ろしくなっているとの評判である。
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ノーヒントの場面もあった前作に比べると分かり易すぎるヒントが多く、難易度は低下。理不尽な謎解きがなくなったと言えなくもないが…。
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また、ACTゲーム好きからは本編よりもおまけの鬼畜難易度アクションゲームのほうが高く評価されているという妙なことになっている。
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DSiウェアではACT部分だけを遊べるものを配信している。
 
 
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2012年にはスマートフォン用最新作『ナナシ ノ 或プリ』が配信。なんだかんだ言われつつもシリーズ作として順調に成長したようだ。
最終更新:2024年05月14日 22:43