本項では『リッジレーサー』(以下便宜上、基本的に「初代」と表記)と『リッジレーサー2』を併せて紹介します。
判定はどちらも「良作」です。
リッジレーサー
【りっじれーさー】
ジャンル
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レース
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対応機種
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アーケード
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使用基板
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SYSTEM 22
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発売・開発元
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ナムコ
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稼動開始日
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1
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1993年10月
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2
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1994年6月
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プレイ人数
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1
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1人
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2
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1~8人
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判定
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良作
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ポイント
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元祖テクスチャマッピングゲーム 美麗で滑らかな3Dグラフィック 爽快なドリフト走行 個性的で独創的なBGM群
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リッジレーサーシリーズ
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概要
記念すべき『リッジレーサー』シリーズの初代系列作品。ナムコの3D向けのアーケード基板、SYSTEM22を使用した第一弾タイトルでもある。
当時としては60fpsで動く美麗な3Dグラフィックと敢えてリアリティを無視したドリフト走行による爽快感をウリにしており、結果的に大ヒット作品となった。
1994年には続編の『2』が稼動し、その翌年にはシリーズ3作目となる『レイブレーサー』が稼動した。
ゲームの流れ
初代の場合
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1.まずコインを入れるとコース選択になり、そこでコースを選択する。同時にシフトレバーでBGMを選択できる(何もしていない場合は1番の「RIDGE RACER」となる)。
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2.最後にシフトタイプを「AT」か「MT」を選択し、レース開始。
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3.完走出来ればそのままリザルトになるが、1位でゴールすればウイニングランの映像に変わり、その後リザルトとなる。
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4.完走するか途中でタイムアップ(時間切れ)になるとゲームオーバー(後者の場合でもコンティニューは不可)。また「T.T.(タイムトライアル)」コースを完走できた時のみ、タイムが筐体上ランキング内(「TODAY RANKING」と表示されている通り、電源を切る度にリセット)に入ること出来たらネームエントリーができる。
『2』の場合
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1.まずコインを入れると対戦エントリーを待つ画面に入る。他の台と接続されていない単独の筐体や、他の台と接続されていても通信が出来ない状況の場合はこのステップは無視され、次のステップに進む。
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2.次にコースを選択する。コース自体は前作こと初代と全く同じ。
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3.最後にシフトタイプを「AT」か「MT」を選択し、同時にシフトレバーでレース中BGMを選択する。通常は(仮想の)DISC1が選択出来るが、ブレーキを踏んだままにすると(仮想の)DISC2を選択する事が可能になる。何もしていない場合は全曲からランダムでセレクトされる。
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DISC2の6番はNO BGMとなっており、これを選択するとBGMが流れない状態でレースが始まる。
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4.完走及び途中でタイムアップになった際の処理やT.T.のネームエントリー周辺の仕様は初代と同じ。
筐体の種類
基本的に『2』と『レイブレーサー』でも共通。筐体の大部分に加えて使用基板も3作で共通して同じSYSTEM22であったこともあり、それぞれの続編に換装できるコンバージョンキット(換装用キット)も、当時は発売された。
SD筐体
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通常の1人用筐体。ハンドルと上下変速式のシフトレバーが採用されている。『2』以降は2台以上繋げての通信プレイが出来るようになった。
2人用(TWIN)筐体
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『2』から登場。上記のSD筐体を2台繋げた筐体で基本はSD筐体と一緒だが、看板とシートの形状やステッカーデザインがSDとは異なる。
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こちらは後に同社の同ジャンルのゲーム『エースドライバー』(及び続編の『ビクトリーラップ』)にも採用された。
DX筐体
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29型ブラウン管モニタ、大口径ハンドル、6速Hゲートシフトとクラッチ、可動式シートを採用したリアリティ溢れる高級筐体。
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実はクラッチを踏まなくてもシフトチェンジ可能で、踏まないでシフトチェンジするとクラッチディスクが擦れる音が鳴るだけでゲーム上のペナルティは一切ない。半クラの操作も不要。
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実車を再現したかのようなハンドル、ペダルの重さやシートも座り心地の良い綿入りの物を採用している等現在で見ても兎に角素晴らしい高級感。一方でハンドルが大口径かつシフトレバーがSD及びTWINと異なるので、同じゲームでありながら人によっては違和感を感じてしまい、先程の2種類の筐体とは全く別のゲームだと思って操作する必要がある点にも留意しておいた方が良い。
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余談だが『R:RACING EVOLUTION』で紹介されていた筐体はこれである。
3画面筐体
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前述のDX筐体を3画面にした筐体。基板はモニター分の計3組が必要となる。
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筐体の形状としては1989年にナムコから発売されたアーケードゲーム『ユーノスロードスター・ドライビングシミュレーター』を簡略化したようなものとなっており、実車の部品を使った箇所が汎用品に変更されているなど、ゲーム性にさほど影響しない点の変更点が多い。
スーパーDX(50インチ)筐体
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『2』から登場。操作デバイスやシートなど、基本はDXだがモニターが50インチのプロジェクターに変更されている。場所は取るものの前述の3画面とは異なり画面と基板は1組しか必要ない為、そちらよりは稼働の敷居が幾分かは低い。
フルスケール筐体
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「マツダ・ユーノスロードスター」を使用した筐体。「ユーノスロードスター」に合わせてギアは5速となっており、グラフィックもそれに合わせて一部変更されている。スピードメーターやブレーキランプ等がゲームの操作と連動して点滅する機能も。
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車体はよく見ると複数のグレードがあったようなので、中古車を改造したものだと推測される。また、エンジンなどは搭載されておらず、そこにゲーム基板が収まっていたようだ。
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また、元々は1992年に東京都の二子玉川に当時オープンしたばかりのナムコの大型アミューズメント施設「ワンダーエッグ(2000年12月31日閉園)」に設置されていた『シムロード』および未稼働に終わった『シムドライブ』で採用された筐体である。ゆえにホールのような筐体で異常にスペースを取る上、プレイ料金が1プレイ300~500円とこれまた高額な為、稼働している店舗は大型店舗を中心に極少数であった。
評価点
秀逸なグラフィック
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「SYSTEM22」によって出力されたグラフィック郡は稼動当時にしてはオーバースペックと断言出来る程破格の物で綺麗で細かく、それでいて60fpsで滑らかに動く優れもの。
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ヘリコプターや飛行機が飛んでいる視覚的ギミックも良い方向に働いており、基板の底力を感じ取れる。
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リッジレーサーの特筆すべき事で、タイヤの接地面と車体下部、影をワザと黒くし、タイヤ接地面を見せないことによって『デイトナUSA』や『サイドバイサイド』で見られる「車が浮いている様に見える」を見事に克服している。先駆者でありながら、後の競合する作品でおざなりにされた箇所にしっかりと手を入れているのは流石である。
爽快なドリフト走行
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ウリであるドリフト走行も及第点で、難し過ぎず、簡単過ぎない挙動。アクセルを離してブレーキをちゃんと踏んでハンドルを切ればどんなに急なコーナーでも綺麗に曲がってくれる。
ドリフト中も基本アクセルを踏みながらハンドルで調整、復帰の際にカウンターステアを取ればOKという簡略さでスピンの心配は無用。その一連の制御を練習すれば上達を実感できるのも嬉しい。
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ドリフト挙動は、プログラマーの冬の北海道の初心者運転時代の経験からきている(CDライナーノーツより)。
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但し『1』ではドリフト走行時の減速が以後のシリーズよりも激しく、グリップ走法の方が速く走れるコーナーも点在し、コーナーに応じたグリップとドリフトの使い分けが大事となる。この『1』でのドリフト時の減速が激しい仕様は現在の同社の主力RCG作品である『湾岸マキシ』にも受け継がれている。
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『2』ではドリフト中の制約が大幅に緩和、より爽快感を重視した挙動になり、練習次第でコーナーとは逆方向へハンドルを切り、360度ターンでコーナーをクリアするという大道芸も可能に。
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車種も架空でありながらも非常に格好良いデザイン。自車の「F/A RACING」とライバルカーの「RT CYBER」はそれぞれ違った個性を出している。
アツいMCボイス
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レース中のボイスも張り切っており、レースを盛り上げる要素となっている。『2』では更にボイスの量が増えた。
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『初代』のレース中のアナウンサーはDJという設定のためか、ボイスはDJらしくシャレたものが多い。一方で『2』はカーレースらしく白熱したものが中心となった。似た様なボイスもあるが、全24種はレースゲームとしては当時を考えるとかなりの数。
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レース中のボイスを増やす為にBGM用の音ネタを減らしてメモリを空けるよう上層部から指示が出て、最終的には作曲者間でサンプリングメモリの奪い合いになった逸話も。
良い意味でイカれたリッジサウンド
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90年代初頭のレースゲームはBGMなし・エンジン音を中心とした環境音のみというレースゲームが多かったが、本作のBGMは6曲からの選曲機能を搭載。
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1曲のみF1ブームに従ったフュージョン系のBGMだが、それ以外の5曲はサンプリングを多用したBPM早めのレイヴ系のテクノミュージックであり、どれも個性的でカッコ良く名曲に相応しいものばかりである。
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ノリの良さはハイスピードなゲーム内容とも相性が極めて良く、『リッジレーサー』の世界観・雰囲気を音楽から構築していると言っても過言ではない。
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企画からの当初の発注は「フュージョンっぽいもの」だったが、出来上がったのはバリバリドライブサウンドの「Speedster」(5曲目)だったそう。
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この曲は、細江がダンスミュージックに長けているプログラマーに「どんな曲がいい?」と聞いたところ「こんな曲がいい!」と、アニメ「Speed Racer」のリサンプリング曲でジュリアナのオーラス定番曲でもあるAlpha Teamの「Speed」のテープを渡されたことで誕生した。ということでMIX名の「I Like A.T mix」のA.TはオートマではなくAlpha Teamのことである。
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このプログラマーは各曲の曲名の名付け親でもある。
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中でも「ROTTERDAM NATION」(4曲目)は「ロッテルダムテクノ」に影響を受けた楽曲で、謎サンプリング音声・高速BPM・ガバキックと呼ばれる重低音が高速で鳴り続けるという他に類を見ないぶっ飛んだ個性を持ち、リッジ全般の代名詞的な曲として語り継がれている程。
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『1』のナムコの重役相手へのお披露目の際、よりによってランダム選曲で最も異彩を放っていたこの曲が流れてしまい、ディレクターが頭を抱えるハメになったという逸話がある。
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作曲者の細江慎治氏は後にナムコから独立後に音楽ゲームへ多数ロッテルダムテクノを制作・提供しており、ゲームにおけるロッテルダムテクノと言えば細江氏と言っても過言ではなかった。
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本当はもっと様々なジャンルの音楽を乗せるつもりでいたが、締め切りに間に合わないということでヘルプを頼んだ結果、リッジサウンドと呼ばれるノリ重視の音楽の寄せ集めとなったとのこと。
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作曲者は「細江慎治(「sampling masters MEGA」「めがてん細江」)」「AYA(佐宗綾子)」「sanodg(佐野電磁)」であり、ここから一気に大ブレイクした。
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佐野はこの経験を生かして、後にニンテンドーDS用DTMソフト『KORG DS-10』シリーズの開発に携わることとなる。
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『2』ではBGMが一新され、更に新たに「J99(相原隆行)」が参加。此方の曲も勿論良曲である。
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『2』では『1』の楽曲もリミックスされた上で収録されているが、フュージョン系の楽曲である「RIDGE RACER」のみ収録されていない。
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2での「RARE HERO2」ではnamcoファンのハートを掴む超反則技(褒め言葉)が仕込まれている。
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当時ユーロビート系が流行していた為か、特に2ではユーロビート色が強い曲が多い。
目紛しくリアルなコース造形
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コースは1つだけだがそれがとても良く作りこまれているのではと言える位に兎に角凄い。因みに難易度で最高速度も変化する。
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SHORT…初級と中級で走るコース。バックストレートのシケインとその後のヘアピンに要注意。左カーブのトンネル前にジャンプポイントがある。
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LONG…上級とT.T.で走るロングコース。初級の最終コーナー手前のストレートから左へ分岐し、道幅が狭く、めまぐるしい複合コーナーの続くコースになる。複合コーナー途中と最終コーナー手前直角コーナー前のジャンプポイントに要注意。
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「2」からは対戦が導入されたせいかバックミラーが採用され、後ろに居る車の確認が容易になった。
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高層ビル群やトンネルは、作者がゼネコンで働いていた時に作ったシミュレーションCGの経験が発揮されている。
問題点
『2』で改善された所
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『1』は完全1人用である。その為タイムを極める人でも無い限りは飽きが来るのが早くなる可能性が他のゲーム以上に大きかった。
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但し同じポリゴンを使用したレースゲームでも前年の『バーチャレーシング』や、翌年に出た競合作の『デイトナUSA』もそれぞれ、稼働初期のバージョンでは1人用であったので、本作独自の問題点ではない。加えてナムコは1作目でシングルプレイオンリー、2作目以降で対戦可能とするのが当時通例であった。
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上記の通り『1』のみはドリフト時の減速が激しいので、ドリフトの爽快感をより楽しむ事を考えたら微妙なポイントだろう。
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更に180°ドリフトした時点でドリフトが強制的にキャンセルされる。『2』でキャンセルされなくなった事により改善された。
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全体的に2Dグラフィックが安っぽい上、メーターの針も細く、見辛い。
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『2』で「メーターの針が太くなった」等を筆頭にある程度改善された。
『2』で残留した所
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SHORTコースにT.T.が無い。そのため同コースでタイムアタックするには初級と中級コースで敵を避けながら走行するしかない。
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残念ながらプレイヤーが使える車種は「F/A RACING」のみ。
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『2』ではようやく他の車も使えるようになった。因みに性能はどれも一緒。但し店舗設定でしか変更出来ないのでやはり問題ではあるが。
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視点切替が無い。これは『2』も同様。これは当時競合していたセガが筐体に視点変更ボタンを実装するデザインを実用新案として申請中だったためと推測される。
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同社ナムコとしては、視点切替ボタンを搭載したレースゲームは、『2』と同年の数ヶ月後に稼働開始した『エースドライバー』から。
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ステアリングの反力機構が無い。こちらも『2』で残留。これに関してもおそらく、競合会社のセガがレースゲーム筐体にステアリングの反力機構を搭載しており、前述の視点変更ボタンの特許申請の件もありセガ側に配慮したためと思われる。
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これも前述の視点切替と同様に、同社として『エースドライバー』から対応を開始。
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当時の例に漏れず全体的に制限時間が短い。上記のリカバリの難しさを考えたら尚更だろう。
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壁にヒットした時の減速が非常に激しく、最高速度付近でも90km/hまで減速してしまう為、リカバリが難しい。
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走行系の効果音のみは地味で耳に残り難い。特に『2』でBGMミュートことDISC2-6のNO BGMを選んでも印象に残りにくいほど。
賛否両論点
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クラッチがほぼ死に機能で踏まなくてもシフトチェンジ可能。『1』のみコーナーを攻略する時に減速を抑える用途で使用される事があったが、非常にハイリスクな技である。
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『2』以降はドリフト時の減速自体が抑えられた上、上記の効果音も鳴らなくなった為、完全なお飾りと化した。
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後の『F355チャレンジ』や『バトルギア4 Tuned』のPro筐体のような、「クラッチを踏まずにシフトチェンジすると強制的にニュートラルになる機構」が1993年当時の技術力では難しかった、或いは可能であっても信頼性の確保が困難だったのは勿論、操作が煩雑になることで一般層が取っつきにくくなるという商業的な事情も絡んでいる為、ある意味仕方が無いと言えるだろう。
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『2』(と続編の『レイブレーサー』)ではバックミラー等の新要素が導入された反面、使用基板が同じで基板上で処理できるポリゴン数は変わらないため、一つ一つの処理を軽減させる為か、全体的にリソースが削減されている。
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グラフィック面で言えば、タイヤのスリップ痕が無くなってしまっている所が一番大きいだろう。これに関しては家庭用の『RIDGE RACER V』まで続く事となってしまう。
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バックミラーを見た時のグラフィックがやや崩れかけている。直接見ても微妙だが粗が若干見える。
総評
ドリフト走行と超美麗かつ滑らかなグラフィックをウリにしたこのゲームは見事にユーザーの興味を引かせる事に成功し、大ヒットした。
本作が当時のアーケードゲーム業界に与えた衝撃は計り知れず、これ以降は後に本作の影響を受け対抗馬として開発されたと言われるセガの『デイトナUSA』を始め、90年代半ば以降のACレースゲームにおいてほぼ同様のコンセプトを模倣した作品が競合他社から多数生み出されるようになり、結果としてACレースゲームにおける挙動設定などの基本を確立した立役者的作品となった。
個性的なBGM群やコース等、他にも評価出来る所は数多く、やり応えは抜群。ゲーム史に新たな1ページを刻んだと言っても過言では無い。
だが全体的に残存数が少なく、特に『2』に関しては僅か1年後に稼働開始した『レイブレーサー』に換装された筐体が多数となった上、さらには『1』『2』共に稼働から既に20年以上が経過しており筐体そのものの老朽化も著しい為、現在では残存している筐体のタマ数が極めて少ないレアなゲームと化している。
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『リッジレーサー』に限らず、近年は当時の年代を含むレトロ系アーケードゲーム作品全てに言えることである。役目を終えた筐体及び基板の中でも状態の良好な個体はその殆どが欧米を始めとする海外市場に売り払われたり、最終的には産業廃棄物として廃棄処分されてしまうため、この手のレトロアーケードゲームは現在少なくとも日本市場においては稼働店舗・中古基板取扱い店の在庫ともにタマ数は減少の一途を辿りつつある模様。
その為見掛けたら是非ともプレイして頂きたい。特にレースゲームファンや家庭用で発売されたリッジレーサーシリーズから同シリーズを好きになったファンには是非ともオススメしたいゲームである。
移植
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1994年12月3日にプレイステーション(PS)に移植された。PSのローンチタイトルの1つでもある。
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内容はハードのスペックの性能差の関係上、フレームレートが30fpsに半減しているなどグラフィック面ではやや劣化した点はあるものの、それ以外のプレイ感覚など良移植であり追加要素も多く評価は高い。詳しくは前述に貼った独立記事内にて。
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また、2025年(令和7年)6月5日に『アーケードアーカイブス2 リッジレーサー』が、Nintendo Switch 2のローンチソフトとして配信されることが決定。Hシフターやクラッチに対応したDX版も収録(参照)。
余談
もう一つのSYSTEM 22採用タイトル
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実は『リッジレーサー』稼働前の1992年にも同基板を採用したゲームが存在していた。
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その名も『シムドライブ』であり、発売元はもちろんナムコである。1992年にオープンした二子玉川のアミューズメント施設「ワンダーエッグ(2000年12月31日閉店)」で稼働していた『シムロード』のグレードアップ版の位置付けとして、事前に雑誌で情報公開された。
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ところが肝心のゲーム自体はお蔵入りとなってしまい、企画そのものはズバリ他ならぬ『リッジレーサー』に引き継がれることとなった。そのため、正式に発売されたゲームの中で初めて採用された中で最初のゲームは、名実共に『リッジレーサー』になるのは確かである。
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ちなみにリッジレーサー企画時の仮タイトルはズバリ『ドライブゲーム』だった。
その他
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『2』のBGMの1曲である「GRIP」はゲーム上において「GRID」と誤記されていた。修正されたver.もある。
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ゲーム中のエンジン音は登場車種からスポーツカーと思いきや、作曲者佐宗綾子(AYA)氏が当時愛車として所有していた「トヨタ・スターレット」である。
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『2』では最初のトンネルの内側に置かれていたカラーコーンが無くなった。コースレコードの表示もコース序盤と終盤のみとなった。また、ピットクルーが居なくなった。
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『ポップンミュージック13 カーニバル』のゲームミュージック風楽曲に今作を強く意識したロッテルダムテクノ「violently car」という曲が収録された。作曲者は勿論細江慎治氏で、ジャンル名も「レーシング」。
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…が、『頭文字D』アニメ版で定着していた「レースゲームのBGMといえばユーロビート」という風潮に加え、細江氏が同時に実装された楽曲のアーティスト2名と違い音ゲー初参戦でなかったことから、今作を意識した楽曲と気付く若い音ゲーマーは少なかった模様。
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1994年放送の特撮番組「忍者戦隊カクレンジャー」の2話において、初代の筐体とプレイ画面が一瞬であるが映っている。
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初代の海外版は何故かCAR No.35のトリコロールカラーの車(PS版の「#4 RT RYUKYU」)がカットされている穴埋めとして別の車種が重複して登場する。
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ビクターから発売されたリッジレーサーの映像を収めたLDソフトでは『2』のBGM DISC 2-6が「2-6 VIDEO SPECIAL」というメドレー形式のスペシャルバージョンになっている。この曲は後に他のアレンジ曲と合わせて「リッジレーザー」というアルバム名でCD化されている。
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「Speedstar」の曲中で使われている音ネタ "All the people on this earth are truly one." の台詞は、アポロ11号が月面着陸に成功した際にホワイトハウスから月に祝電を送ったニクソン大統領の無線音声の一部。「ROTTERDAM NATION」のラップ音声は逆走したときの警告ボイス "You're trying for a goal by going the other way around? You're crazy." を逆転再生させたもの。「Feeling over」で使われている「チッ、タッ」のヒューマンビートはソウルミュージックの大御所ジェームス・ブラウンの「Godfather Runnin' The Joint」で使われている音声をピッチ編集した物。その他にも分かる人には分かる音ネタが多数仕込まれている。
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ただし権利関係がないがしろにされていたため後に使用不可となり、PS2用『ナムコレクション』では音源を変更した曲が使用されている。
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街路樹がヤシの木なのは、SYSTEM22基板のテクスチャ描画機能において透明色が使えず、テクスチャを透明抜きして葉っぱの形に加工することができなかった。そのため葉っぱの形を単調なヤシの木にせざるを得なかったという事情である。
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セガのAM2研ロゴに対抗してRRプロジェクトではヤシの木ロゴがデザインされたが製品では採用されずポスター等でひっそりと使われた。
最終更新:2025年04月08日 21:34